JP4254477B2 - 一方向性畝織りガラスクロス - Google Patents

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本発明は、プリント配線板用積層板の補強材に用いられるガラスクロスに関するものである。
通信機器、産業用機械、電子機器等に用いられるプリント配線板(PWB)は、高密度化及び小型化に伴い、寸法安定性に対する要求が益々厳しくなっている。プリント配線板の形状は様々であり、例えば液晶ディスプレイの枠組み(淵)に配置するようなものは、非常に長細い形状とされる。このようなプリント配線板では、長手方向の寸法安定性が特に重要となる。また、プリント配線板用の積層板には一般的にガラスクロスが補強材として含まれており、プリント配線板の寸法安定性は、かかるガラスクロスの織縮率の特性に依存するところが大きい。
寸法安定性を向上し得るガラスクロスとして、従来、下記特許文献1〜3が知られている。特許文献1には、経糸を緯糸よりも太番手にしたガラスクロスが記載されている。ところが、糸の番手をこのような関係にすると、製織時に緯糸の織縮みが極端に大きくなりすぎてしまう。緯糸の織縮みが大きいと経糸が筬に接触したり、押し付けられて毛羽が発生したりしやすくなるため、生産性が低くなると共にコスト高になる。このように、プリント配線板におけるクロスの経糸方向の寸法安定性を高めることには弊害が伴ってしまう。
一方、特許文献2,3には、緯糸を経糸よりも太くしたガラスクロスが開示されている。特許文献2には、1本の緯糸に対して2本以上4本以下の経糸を同時に浮沈させる畦織り組織とし、ガラス含有率を経方向と緯方向で同程度にしたガラスクロスが開示されている。特許文献3には、経糸と緯糸の平織りによって製織され、緯糸のTEX番手を経糸の8〜50倍にしたガラスクロスが開示されている。
特開平11−335945号公報 特開2000−192351号 特開2003−171848号
しかしながら、上記特許文献2,3のガラスクロスによれば、ある程度は緯糸方向の織縮率を低くできるものの、プリント配線板の高密度化及び小型化に伴って更に高度の寸法安定性が要求されつつある。
また、緯糸方向の織縮率を低くすると共に、経糸方向の抗張力を高めることも重要となる。経糸方向の抗張力が低いと、取り扱い性が悪くなり、製造も困難となる。
本発明の課題は、緯糸方向の織縮み率が低く、且つ、経糸方向の抗張力が高い一方向性畝織りガラスクロスを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の一方向性畝織りガラスクロスは、緯糸と経糸を織ってなるガラスクロスであって、緯糸含有量が経糸含有量の6〜20倍であると共に、緯糸のTEX番手は、20〜80TEXであり、緯糸のTEX番手は、経糸1本のTEX番手の8倍以上であり、緯糸1本に対して経糸を2本又は3本で一組として浮沈させて織られた畝織りとされていることを特徴とする。
このガラスクロスでは、緯糸含有量が経糸含有量の6〜20倍というように高い値にされているため、緯糸方向の織縮率が低減されている。より好ましくは、緯糸含有量を経糸含有量の7〜20倍とする。また、緯糸1本に対して経糸を2本又は3本とする畝織りとされているため、緯糸の浮沈箇所が減少されている。これにより、緯糸方向の織縮率が更に低減される。
また、緯糸1本に対して経糸を2本又は3本とした畝織にすることで、次のような作用効果も奏する。すなわち、平織りのガラスクロスでは、各経糸の糸幅方向の両側において、交差する緯糸と接する。つまり、各経糸は、左右の2箇所において緯糸と接する。これに対して、本発明では、2本又は3本の経糸の組の両側において、緯糸と接する。つまり、本発明では、各経糸における緯糸と接する箇所が平織りの場合よりも少なくなっているため、引張りや摩擦等の外力が加えられた際に緯糸から衝撃を受ける箇所が低減されたことになる。これにより、経糸方向の抗張力が向上されている。
緯糸含有量を経糸含有量に比べて増加させるためには、経糸の打ち込み本数を減らし緯糸の打ち込み本数を増やす手法、或いは、各緯糸のTEX番手を大きくし各経糸のTEX番手を小さくする手法が考えられる。前者の緯糸の打ち込み本数に対し経糸の打ち込み本数を減らす手法を採用した場合、クロスが目曲がりを起こす傾向にある。従って、本発明のように経糸のTEX番手を緯糸のTEX番手に対して小さくすれば、クロスの目曲がりを防止しつつ一方向性(すなわち一方向の織縮率が低い)の畝織りガラスクロスを得ることができる。
また、本発明の一方向性畝織りガラスクロスにおいて、緯糸の打ち込み本数は35〜60本/25mmであると共に、緯糸の打ち込み本数に対する経糸の打ち込み本数は、0.8〜2.0であることが好ましい。
更に、本発明の一方向性畝織りガラスクロスにおいて、経糸を構成するフィラメントの径は、緯糸を構成するフィラメントの径の80%以下であることが好ましい。
このように経糸のフィラメント径を小さくすることにより、製織時に経糸が潰れやすくなるため、緯糸の直進性が向上する。また、緯糸のフィラメント径を大きくすることによっても、緯糸の剛性が高められ直進性が向上されている。これにより、緯糸方向の織縮率が著しく低減される。
本発明に係る一方向性畝織りガラスクロスによれば、緯糸方向の織縮率が低く、且つ、経糸方向の抗張力を高くすることができる。このようなガラスクロスに樹脂を含浸して得られる積層板又はプリント配線板は、ガラスクロスの緯糸方向の寸法安定性が格段に高められている。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る一方向性畝織りガラスクロスの好適な実施形態について詳細に説明する。尚、同一要素には同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略する。
図1は、本実施形態の一方向性畝織りガラスクロス1を示す平面図であり、図2は、図1のII-II方向の断面図である。ガラスクロス1は、プリント配線板の補強材として好適に使用され、緯糸方向の織縮率が低くなるように構成されている。
ガラスクロス1は、緯糸10と経糸20を畝織りしたものであり、1本の緯糸10に対して2本の経糸20を一組として浮沈させて織った構造とされている。また、ガラスクロス1における緯糸10の総含有量は、経糸20の総含有量の6〜20倍になっている。緯糸10及び経糸20は、例えばSiO,CaO,Al,B等を主成分としたEガラス等で形成される。ガラスクロス1の厚さは、約100μmである。
このガラスクロス1では、上記のように緯糸含有量が経糸含有量の6〜20倍というように高い値にされているため、緯糸方向(図中左右方向)の織縮率が低減されている。尚、緯糸含有量を経糸含有量の7〜20倍とすることが更に好適である。これらの範囲の下限よりも緯糸含有量の割合が低い場合は、織縮率の低下が充分でなくなり、一方、これらの範囲の上限よりも高い場合は、製織が困難という問題が発生する。
また、ガラスクロス1では、1本の緯糸10に対して経糸20を2本とする畝織りとされているため、経糸1本に対して緯糸1本を織る場合と比較して、緯糸10の浮沈箇所が減少されている。これにより、緯糸方向の織縮率が更に低減される。尚、ここでいう「浮沈」とは、緯糸の図2における上下方向の浮き沈みを意味する。
更に、経糸2本のTEX番手の合計が、平織りにおける経糸1本のTEX番手と等しいと仮定した場合、つまり経糸1本のTEX番手を平織りの半分と仮定した場合は、図2に示すように、経糸20の厚さhが平織りの場合よりも小さくなる。このため、緯糸10の直進性が保たれることになり、この点からもガラスクロス1の緯方向の織縮率が低減される。
また、緯糸1本に対して経糸を2本又は3本とした畝織にすることで、次のような作用効果も奏する。すなわち、従来の平織りのガラスクロスでは、各経糸の糸幅方向の両側において、それと交差する緯糸と接する。これに対して、本実施形態では、図1の破線及び図2の黒丸印に示すように、経糸2本の組の両側の領域A,Bにおいてのみ、緯糸10と接する。つまり、本実施形態では、各経糸20における緯糸10と接する箇所が平織りの場合よりも少なくなっているため、引張りや摩擦等の外力が加えられた際に緯糸10から衝撃を受ける箇所が低減されたことになる。これにより、経糸方向の抗張力が向上されている。
緯糸10のTEX番手は、例えば20〜80TEXとし、経糸20のTEX番手は、例えば5〜30TEXとすることができる。更に、これらの範囲のなかから、緯糸のTEX番手が経糸1本のTEX番手の8倍以上となるように組合せることが好適である。この理由は次の通りである。すなわち、上記のように緯糸含有量を経糸含有量に比して増加させるためには、経糸20の打ち込み本数を減らす手法も考えられる。しかし、この手法を採用した場合は、クロスが目曲がりを起こす傾向にある。従って、経糸20の打ち込み本数を減らすのではなく、本実施形態のように経糸20の番手を小さくすれば、クロスの目曲がりを防止しつつ織縮率を低減することができる。
尚、緯糸10の打ち込み本数は約35〜60本/25mmとし、緯糸の打ち込み本数に対する経糸の打ち込み本数は、0.8〜2.0程度にすることが好ましい。
緯糸10及び経糸20はフィラメント径が3〜13μmの複数本のガラスフィラメントを撚り合わせてなるものであり、緯糸10のフィラメント数は、例えば200〜800本とし、経糸20のフィラメント数は、例えば50〜400本とすることができる。更に、これらの範囲のなかから、経糸20を構成するフィラメントの径が、緯糸10を構成するフィラメントの径の80%以下となるように組合せることが好適である。
このように経糸20のフィラメント径を小さくすることにより、製織時に経糸20が潰れて扁平になりやすくなるため、緯糸10の直進性が向上する。また、緯糸10のフィラメント径を大きくすることによっても、緯糸10の剛性が高められ直進性が向上されている。これにより、緯糸方向の織縮率を著しく低減される。尚、このように経糸20を製織時に潰れ易くするために、経糸の撚り数は少なくすることが好ましい。経糸の撚り数は、例えば0〜0.5回/25mmとすることができる。
以上のように緯方向の寸法安定性が向上したガラスクロス1は、液晶ディスプレイの枠組みに配置する細長いプリント配線板等のように、一方向に高い寸法安定性が要求されるプリント配線板の補強材として好適に使用することができる。また、かかるプリント配線板は、表面平滑性も高くなっている。
また、ガラスクロス1に熱硬化性樹脂を含浸させてプリプレグを作製し、これを複数枚、ガラスクロスの緯糸方向が交互に直交するように積層した場合、従来の平織りガラスクロスを使用した場合に比較して、ガラス含有率が向上し、且つ、太い番手の緯糸の浮沈が小さいので経糸方向及び緯糸方向の双方において寸法安定性が向上する。もっとも、一方向に高度の寸法安定性が要求されるプリント配線板を作製する場合は、複数のプリプレグをガラスクロスの緯糸が同じ向きになるように重ねることが好ましい。
尚、本実施形態の効果を得るには、1本の緯糸に対して3本の経糸を対応させてもよい。一方、1本の緯糸に4本以上の経糸を対応させると、ガラスクロスが目曲がりを起こしやすくなり生産性が低下してしまうため、経糸は2本又は3本で一組とする。
次に、実施例に基づいて本発明の効果を説明する。実施例及び比較例では、表1に示す経糸及び緯糸の構成(フィラメント径、フィラメントの束数、TEX番手)及び打ち込み本数により、ガラスクロスを作製した。また、経糸及び緯糸としてはEガラスを使用した。
[実施例1]
実施例1では、経糸に対する緯糸の含有量を8.2倍とした(それぞれの糸の含有量は、TEX番手と打ち込み本数を乗じたものである)。また、緯糸としてTEX番手が46TEXのものを使用し、経糸としてTEX番手が5.6TEXのものを使用することで、緯糸のTEX番手を経糸のTEX番手の約8.2倍(8倍以上)とした。更に、経糸を構成するフィラメント径を5.3μmとし、緯糸を構成するフィラメント径を7.2μmとして、経糸のフィラメント径を緯糸のフィラメント径の約73%(80%以下)にした。
Figure 0004254477
まず、緯糸1本に対して経糸2本を一組として畝織りし、ガラスクロスを得た。本実施例のガラスクロスの経糸方向の抗張力は、3.8kg/25mmであった。ガラスクロスの抗張力は、JIS R 3420 7.4の引張強さにより求めた。
また、本実施例のガラスクロスの織縮率は、経糸方向が1.9%で、緯糸方向が0.08%であった。織縮率が小さいガラスクロスを補強材として用いれば、プリント配線板用積層板の寸法安定性は向上する。尚、織縮率は、ガラスクロスをクロスカット長がタテ、ヨコ50cm近傍となるように切断したものを使用し、糸を引抜いて10gfで引張り荷重を加えた後、引抜き後の糸の長さを測定することで求めた。
織縮率(%)=(引抜き後の糸長さ−クロスカット長)/(引抜き後の糸長さ)*100
そして、これを加熱脱油した後に、ビニルベンジルジアミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩(東レダウコーニング社製SZ6032)の0.5重量%の水性処理液に浸し、ピックアップ量30重量%になるようにマングルで絞り、110℃で5分間乾燥し、処理ガラスクロスを得た。
この処理ガラスクロスに、以下の組成のエポキシ樹脂ワニスを含浸させた後、150℃で5分間加熱乾燥し、溶融粘度300ポイズのプリプレグを得た。このプリプレグのガラス充填率は、表1に示すように44.8重量%であった。
<エポキシ樹脂ワニスの組成>
エピコート1001(油化シェルエポキシ(株)製)) 80重量部
エピコート154 (油化シェルエポキシ(株)製)) 20重量部
ジシアンジアミド 4重量部
ベンジルジメチルアミン 0.2重量部
ジメチルホルムアミド 30重量部
次いで、このプリプレグを経糸方向及び緯糸方向を揃えて16枚重ね、その表裏にさらに厚さ18μmの銅箔を重ねて、170℃、30kgf/cm、70分間加熱加圧成形した後、これを1cm角に切断した上で銅箔をエッチング除去し、積層板を得た。得られた積層板の経糸方向の熱膨張係数は27.8ppm/℃で、緯糸方向の熱膨張係数は9.0ppm/℃であった。熱膨張係数は、ガラスエポキシ積層板の試験片を、パーキンエルマー社製DMA7を用い、毎分5℃で常温から150℃まで昇温して70〜100℃の線膨張係数を求めた(下記式(1)を参照)。
α=ΔL/(L0×ΔT)・・・式(1)
α :平均線膨張係数
ΔL :試験片の変位量(長さ) {L(100℃時の試験片長)−L(70℃時の試験片長)}
L0 :試料長さ {常温の試験片長}
ΔT :温度範囲(℃) {T(100℃)−T(70℃)}
また、プリプレグを経糸方向及び緯糸方向を交互に直交するように16枚重ねて積層板を作製したところ、経糸方向及び緯糸方向の熱膨張係数は14.3ppm/℃であった。
[実施例2]
実施例2では、実施例1と同様に、緯糸1本に対して経糸2本を対応させた畝織りとした。また、経糸に対する緯糸の含有量を約8.4倍とした。また、緯糸としてTEX番手が67.5TEXのものを使用し、経糸としてTEX番手が5.6TEXのものを使用することで、緯糸のTEX番手を経糸のTEX番手の約12倍(8倍以上)とした。更に、経糸を構成するフィラメント径を5.3μmとし、緯糸を構成するフィラメント径を9.1μmとして、経糸のフィラメント径を緯糸のフィラメント径の約58%(80%以下)にした。
そして、実施例1と同じ方法で、ガラスクロス、プリプレグ、及び積層板(上下に重なるクロスの経糸方向及び緯糸方向を揃えたもの)を作製した。
参考例
参考例では、実施例1と同様に、緯糸1本に対して経糸2本を対応させた畝織りとした。また、経糸に対する緯糸の含有量を7倍とした。また、本実施例では、経糸のTEX番手を低くするのではなく、打ち込み本数を少なくすることにより、緯糸含有量が経糸含有量に比して高くなるようにした。具体的には、緯糸及び経糸のTEX番手はともに22.5TEXとした。緯糸及び経糸のフィラメント径は、ともに7.2μmとした。
そして、実施例1と同じ方法で、ガラスクロス、プリプレグ、及び積層板(上下に重なるクロスの経糸方向及び緯糸方向を揃えたもの)を作製した。
[比較例1]
比較例1では、緯糸及び経糸を平織りすることにより、ガラスクロスを作製した。経糸及び緯糸は、実施例2と等しくした。そして、実施例1と同じ方法で、ガラスクロス、プリプレグ、及び積層板(上下に重なるクロスの経糸方向及び緯糸方向を揃えたもの)を作製した。
[比較例2]
比較例2では、緯糸及び経糸を平織りすることにより、ガラスクロスを作製した。経糸は、TEX番手が実施例2の2倍の11.2TEXであるものを使用した。緯糸は実施例2と同じものを使用した。つまり、比較例2では、実施例2と経糸方向及び緯糸方向のガラス含有量の比が等しいものを、平織りで構成した。そして、実施例1と同じ方法で、ガラスクロス、プリプレグ、及び積層板(上下に重なるクロスの経糸方向及び緯糸方向を揃えたもの)を作製した。
[比較例3]
比較例3では、経糸及び緯糸に同じ糸を使用し、平織りによりガラスクロスを作製した。そして、実施例1と同じ方法で、ガラスクロス、プリプレグ、及び積層板を作製した。積層板は、上下に重なるクロスにおいて、経糸方向及び緯糸方向を揃えたもの、及び、経糸方向及び緯糸方向が交互に直交するものの双方を作製した。
[実施例、参考例及び比較例の試験結果]
実施例1,2及び参考例では、ガラスクロスの緯糸方向の織縮率が低くなっていた。また、積層板の緯糸方向の線膨張係数が低くなっていることから、該緯糸方向の寸法安定性が著しく向上していることが分かった。また、実施例1,2及び参考例では、経糸方向の抗張力が充分に高い値となっており、取り扱い性が良好であった。
一方、比較例2では、ガラスクロスの緯糸方向の織縮率が高くなっていた。ここで、実施例2と比較例2の対比から分かるように、本発明のガラスクロスと、経糸及び緯糸のガラス含有比が同じ平織りのガラスクロスでは、緯糸方向の織り縮み率が大きく、積層板にした際の熱膨張係数も大きくなり、積層板の寸法安定性が劣ることが判明した。また、比較例1のガラスクロスの織縮率及び積層板の熱膨張係数は実施例と比較してさほど劣る値ではなかったが、経糸方向の抗張力が1.9kg/25mmと低くなっており、取り扱いが悪いことが判明した。なお、比較例1のガラスクロスを製織するにあたり、織機の停台回数が非常に多く、そのためガラスクロスの毛羽立ちも多数発生した。
また、実施例1,2は、参考例よりも緯糸方向の織縮率が低減されていた。これは、緯糸のTEX番手を経糸1本のTEX番手の8倍以上にしていること、及び、経糸のフィラメントの径を緯糸のフィラメント径の80%以下にしていることに起因している。
本発明に係る一方向性畝織りガラスクロスの一実施形態を示す図である。 図1に示したガラスクロスのII-II方向の断面図である。
符号の説明
1…ガラスクロス、10…緯糸、20…経糸。

Claims (3)

  1. 緯糸と経糸を織ってなるガラスクロスであって、
    緯糸含有量が経糸含有量の6〜20倍であると共に、
    前記緯糸のTEX番手は、20〜80TEXであり、
    前記緯糸のTEX番手は、前記経糸1本のTEX番手の8倍以上であり、
    前記緯糸1本に対して、前記経糸を2本又は3本で一組として浮沈させて織られた畝織りとされていることを特徴とする一方向性畝織りガラスクロス。
  2. 前記緯糸の打ち込み本数は35〜60本/25mmであると共に、前記緯糸の打ち込み本数に対する前記経糸の打ち込み本数は、0.8〜2.0であることを特徴とする請求項1記載の一方向性畝織りガラスクロス。
  3. 前記経糸を構成するフィラメントの径は、前記緯糸を構成するフィラメントの径の80%以下である請求項1又は請求項2記載の一方向性畝織りガラスクロス。
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