JP4996288B2 - 空気入りタイヤ、及び、それを製造する加硫成形装置 - Google Patents
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前記トレッド部金型と前記サイド部金型との境界で成形され、先端が尖っていてタイヤ周方向に連続する1本の突起が設けられており、タイヤ周方向に延びる1本の溝が前記突起のタイヤ径方向外側に配置されており、タイヤ径方向断面では、突起先端を通過する突起底面の法線と、前記溝の前記突起側の開口縁と、の距離が5〜20mmの範囲とされていることを特徴とする。
また、請求項1に記載の発明は、タイヤ周方向に延びる1本の溝が前記突起のタイヤ径方向外側に配置されており、タイヤ径方向断面では、突起先端を通過する突起底面の法線と、前記溝の前記突起側の開口縁と、の距離が5〜20mmの範囲とされていることを特徴とする。
このような溝を形成するためには、この溝に対応する凸部を金型に形成することになる。従って、加硫時にタイヤ表面のゴムがこの凸部によって押されることとなる。この押されたゴムの一部がトレッド部金型とサイド部金型との境界に流れ込み、ゴムとともにより効果的な空気の排出がなされる。
上記の距離が5mmよりも小さいとゴムの逃げるスペースが充分ではなく、20mmよりも大きいとゴム流動に伴う空気排出の効果があまり高くない。
請求項2に記載の空気入りタイヤは、トレッド部の少なくとも一部を加硫するトレッド部金型と、加硫成形時には前記トレッド部金型に当接してサイドウォール部の少なくとも一部を加硫するサイド部金型と、を有する加硫成形装置で加硫成形された空気入りタイヤであって、前記トレッド部金型と前記サイド部金型との境界で成形され、先端が尖っていてタイヤ周方向に連続する1本の突起が設けられており、前記サイド部金型が上金型部と下金型部とで構成されており、前記上金型部と前記トレッド部金型との境界で成形された前記突起の高さが、前記下金型部と前記トレッド部金型との境界で成形された前記突起の高さよりも高いことを特徴とする。
生タイヤが加硫される時、タイヤ内部のブラダーが膨らみ、生タイヤは金型に押し付けられながらブラダー側と金型側から熱を与えられる。その際、生タイヤと金型とが最後に接触する部分はタイヤバットレス部分である。このタイヤバットレス部分を成形する金型部分に金型の分割が位置していることで、すなわちトレッド部金型とサイド部金型との境界が位置していることで、生タイヤと金型との間の空気が分割の隙間から排出される。
一方、請求項2に記載の発明では、トレッド部金型とサイド部金型との境界によって形成されるタイヤ部分に、先端が尖っていてタイヤ周方向に連続する1本の突起が設けられている。よって、この突起を設けることができるように、トレッド部金型とサイド部金型との境界の金型形状は、金型内側(生タイヤ側)から見て隙間が徐々に狭くなっている。従って、加硫成形装置を閉にする際、空気はこの境界からスムーズに排出され、空気が金型内に残り難い。従って、トレッド部金型とサイド部金型との当接部附近での製品不良の発生を効果的に抑えた空気入りタイヤとすることができる。
ところで、従来では、加硫成形装置の金型同士で生タイヤを挟み込むことによる製品不良の発生率は、金型の上部のほうが金型の下部よりも高い。本発明者はこの原因について鋭意検討した。そして、バットレス部における生タイヤと金型との接触タイミングが、金型の下部に比べて金型の上部では遅れるためであることを突き止めた。
そこで、請求項2に記載の発明は、前記サイド部金型が上金型部と下金型部とで構成されており、前記上金型部と前記トレッド部金型との境界で成形された前記突起の高さが、前記下金型部と前記トレッド部金型との境界で成形された前記突起の高さよりも高いことを特徴とする。
突起高さをこのように成形する加硫成形装置を用いる場合、上金型部とトレッド部金型との境界では、下金型部とレッド部金型との境界に比べ、ゴムの逃げる体積をより確保した装置を用いることになる。従って、請求項2に記載の発明により、製品不良の発生を更に抑制した空気入りタイヤとすることができる。
まず、第1実施形態について説明する。図1、図2に示すように、本実施形態に係る加硫成形装置50で加硫成形することによって本実施形態に係る空気入りタイヤ10が製造される。
図2、図3に示すように、バットレス部26には、トレッド部金型52と上金型部54Uとの境界53Uで成形されたタイヤ部分に、先端が尖っていてタイヤ周方向に連続する1本の断面略三角形状の突起28が形成されている。また、図2、図4に示すように、トレッド部金型52と下金型部54Lとの境界53Lで成形されたタイヤ部分にも、突起28と同形状の突起32が形成されている。なお、突起28と突起32とはタイヤ赤道面CLを挟んで対称形状とされている。
また、タイヤ径方向断面では、タイヤ周方向に延びる1本の周方向溝36が突起28のタイヤ径方向外側に配置されている。従って、このような周方向溝36を形成できるように、トレッド部金型52には、金型内に突出するリング状の凸部52Tが突設されている。
以下、本実施形態の作用、効果について説明する。
次に、第2実施形態について説明する。図6、図7に示すように、本実施形態に係る空気入りタイヤ70では、第1実施形態に比べ、突起28(図3参照)に代えて、高さがより高い突起78が形成されている。なお、タイヤ赤道面CLよりも下半分側には、図8に示すように、第1実施形態で説明したように突起32が形成されている。
本発明の効果を確かめるために、本発明者は、第1実施形態の空気入りタイヤ10の一例(以下、実施例1のタイヤという)、第2実施形態の空気入りタイヤ70の一例(以下、実施例2のタイヤという)、及び、従来例の空気入りラジアルタイヤの一例(以下、従来例のタイヤという)の試作を行い、噛み込み不良の発生率を比較した。
10 空気入りタイヤ
14 サイドウォール部
20 トレッド部
27I、E タイヤ外面
28 突起
28B 突起底面
28T 突起先端
28V 法線
30I、E 円弧
32 突起
36 周方向溝(溝)
36M 開口縁
52 トレッド部金型
52T 凸部
53U 境界
53L 境界
54 サイド部金型
54U 上金型部
54L 下金型部
70 空気入りタイヤ
72T 凸部
76 周方向溝
78 突起
82 トレッド部金型
83U 境界
84U 上金型部
90 加硫成形装置
100 加硫成形装置
102 トレッド部金型
103 境界
104U 上金型部
D 距離
HU 高さ
HL 高さ
Claims (5)
- トレッド部の少なくとも一部を加硫するトレッド部金型と、加硫成形時には前記トレッド部金型に当接してサイドウォール部の少なくとも一部を加硫するサイド部金型と、を有する加硫成形装置で加硫成形された空気入りタイヤであって、
前記トレッド部金型と前記サイド部金型との境界で成形され、先端が尖っていてタイヤ周方向に連続する1本の突起が設けられており、
タイヤ周方向に延びる1本の溝が前記突起のタイヤ径方向外側に配置されており、
タイヤ径方向断面では、突起先端を通過する突起底面の法線と、前記溝の前記突起側の開口縁と、の距離が5〜20mmの範囲とされている、ことを特徴とする空気入りタイヤ。 - トレッド部の少なくとも一部を加硫するトレッド部金型と、加硫成形時には前記トレッド部金型に当接してサイドウォール部の少なくとも一部を加硫するサイド部金型と、を有する加硫成形装置で加硫成形された空気入りタイヤであって、
前記トレッド部金型と前記サイド部金型との境界で成形され、先端が尖っていてタイヤ周方向に連続する1本の突起が設けられており、
前記サイド部金型が上金型部と下金型部とで構成されており、
前記上金型部と前記トレッド部金型との境界で成形された前記突起の高さが、前記下金型部と前記トレッド部金型との境界で成形された前記突起の高さよりも高いことを特徴とする空気入りタイヤ。 - タイヤ径方向断面では、前記突起のタイヤ径方向外側壁及びタイヤ径方向内側壁が、突起先端を通るとともにタイヤ外側に凹でタイヤ外面と接する円弧によってそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記サイド部金型が上金型部と下金型部とで構成されており、
前記上金型部と前記トレッド部金型との境界で成形された前記突起の高さが、前記下金型部と前記トレッド部金型との境界で成形された前記突起の高さよりも高いことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。 - トレッド部とサイド部との間に、先端が尖っていてタイヤ周方向に連続する1本の突起が設けられた空気入りタイヤを製造する際に用いる加硫成形装置であって、
トレッド部の少なくとも一部を加硫するトレッド部金型と、
加硫成形時には前記トレッド部金型に当接してサイドウォール部の少なくとも一部を加硫するサイド部金型と、を備え、
前記トレッド部金型と前記サイド部金型との境界では、金型内側から見て金型の隙間が徐々に狭くなっており、
前記トレッド部金型には、前記隙間の容積に応じた体積を有するリング状の凸部が突設されていることを特徴とする加硫成形装置。
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