JP4996288B2 - 空気入りタイヤ、及び、それを製造する加硫成形装置 - Google Patents

空気入りタイヤ、及び、それを製造する加硫成形装置 Download PDF

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本発明は、加硫成形された空気入りタイヤ、及び、それを製造する加硫成形装置に関する。
タイヤはトロイダル状の複雑な形状である。このため、生タイヤを金型に入れて加硫を行なう際、金型をいくつかに分割したピースが設けられた加硫成形装置で、ピースが互いに噛み合って全体の形状を形作った上で熱と圧力が加えられる。
従来、このピース同士が噛み合うときに、ピース側壁面(金型の分割面)の間に生タイヤが挟まれることがある。これはピース同士の噛み合うタイミングや生タイヤを製品タイヤの寸法より小さくするなどの工夫がなされているにも拘わらず、生タイヤのゴムのゲージ分布のバラツキに起因するものや生タイヤが放置されている間に変形を生じ、予定された寸法、クリアランスを保てないことなどが原因とされている。
特にトレッド部分を成形するトレッド部金型(トレッドリング)とサイド部分を成形するサイド部金型(サイドリング)との当接部附近は、生タイヤが金型に最後に接触する部分であり、噛み込みやゴムはみ出し等の製品不良が最も多発する部分でもある。従来、これらの製品不良発生対策として、噛み込む部分にゴムの逃げ場を設けることが効果的とされている(例えば特許文献1参照)。
しかし、これらの製品不良の発生をより効果的に抑えることができれば更に好ましい。
特開平10−76527号公報
本発明は、上記事実を考慮して、トレッド部金型とサイド部金型との当接部附近での製品不良の発生を効果的に抑えた空気入りタイヤ、及び、それを製造する加硫成形装置を提供することを課題とする。
生タイヤは季節やゴムの押出しマシンなどによってゲージが僅かに変動するいわゆるバラツキが生じる。また、加硫前のゴムは柔らかいため、生タイヤ組立て後であっても生タイヤ保管方法や工程内での移送方法によっては生タイヤに変形が生じ易い。
このことを踏まえ、本発明者は、むしろ加硫される前の生タイヤの状態が多少変動してもその影響が製品に出難いようにするためにはどうすれば良いのかについて検討を行なった。そして、実験を重ね、更に検討を行い、本発明を完成するに至った。
請求項1に記載の発明は、トレッド部の少なくとも一部を加硫するトレッド部金型と、加硫成形時には前記トレッド部金型に当接してサイドウォール部の少なくとも一部を加硫するサイド部金型と、を有する加硫成形装置で加硫成形された空気入りタイヤであって、
前記トレッド部金型と前記サイド部金型との境界で成形され、先端が尖っていてタイヤ周方向に連続する1本の突起が設けられており、タイヤ周方向に延びる1本の溝が前記突起のタイヤ径方向外側に配置されており、タイヤ径方向断面では、突起先端を通過する突起底面の法線と、前記溝の前記突起側の開口縁と、の距離が5〜20mmの範囲とされていることを特徴とする。
生タイヤが加硫される時、タイヤ内部のブラダーが膨らみ、生タイヤは金型に押し付けられながらブラダー側と金型側から熱を与えられる。その際、生タイヤと金型とが最後に接触する部分はタイヤバットレス部分である。このタイヤバットレス部分を成形する金型部分に金型の分割が位置していることで、すなわちトレッド部金型とサイド部金型との境界が位置していることで、生タイヤと金型との間の空気が分割の隙間から排出される。
一方、請求項1に記載の発明では、トレッド部金型とサイド部金型との境界によって形成されるタイヤ部分に、先端が尖っていてタイヤ周方向に連続する1本の突起が設けられている。よって、この突起を設けることができるように、トレッド部金型とサイド部金型との境界の金型形状は、金型内側(生タイヤ側)から見て隙間が徐々に狭くなっている。従って、加硫成形装置を閉にする際、空気はこの境界からスムーズに排出され、空気が金型内に残り難い。従って、トレッド部金型とサイド部金型との当接部附近での製品不良の発生を効果的に抑えた空気入りタイヤとすることができる。
また、請求項1に記載の発明は、タイヤ周方向に延びる1本の溝が前記突起のタイヤ径方向外側に配置されており、タイヤ径方向断面では、突起先端を通過する突起底面の法線と、前記溝の前記突起側の開口縁と、の距離が5〜20mmの範囲とされていることを特徴とする。
このような溝を形成するためには、この溝に対応する凸部を金型に形成することになる。従って、加硫時にタイヤ表面のゴムがこの凸部によって押されることとなる。この押されたゴムの一部がトレッド部金型とサイド部金型との境界に流れ込み、ゴムとともにより効果的な空気の排出がなされる。
上記の距離が5mmよりも小さいとゴムの逃げるスペースが充分ではなく、20mmよりも大きいとゴム流動に伴う空気排出の効果があまり高くない。
請求項2に記載の空気入りタイヤは、トレッド部の少なくとも一部を加硫するトレッド部金型と、加硫成形時には前記トレッド部金型に当接してサイドウォール部の少なくとも一部を加硫するサイド部金型と、を有する加硫成形装置で加硫成形された空気入りタイヤであって、前記トレッド部金型と前記サイド部金型との境界で成形され、先端が尖っていてタイヤ周方向に連続する1本の突起が設けられており、前記サイド部金型が上金型部と下金型部とで構成されており、前記上金型部と前記トレッド部金型との境界で成形された前記突起の高さが、前記下金型部と前記トレッド部金型との境界で成形された前記突起の高さよりも高いことを特徴とする。
生タイヤが加硫される時、タイヤ内部のブラダーが膨らみ、生タイヤは金型に押し付けられながらブラダー側と金型側から熱を与えられる。その際、生タイヤと金型とが最後に接触する部分はタイヤバットレス部分である。このタイヤバットレス部分を成形する金型部分に金型の分割が位置していることで、すなわちトレッド部金型とサイド部金型との境界が位置していることで、生タイヤと金型との間の空気が分割の隙間から排出される。
一方、請求項2に記載の発明では、トレッド部金型とサイド部金型との境界によって形成されるタイヤ部分に、先端が尖っていてタイヤ周方向に連続する1本の突起が設けられている。よって、この突起を設けることができるように、トレッド部金型とサイド部金型との境界の金型形状は、金型内側(生タイヤ側)から見て隙間が徐々に狭くなっている。従って、加硫成形装置を閉にする際、空気はこの境界からスムーズに排出され、空気が金型内に残り難い。従って、トレッド部金型とサイド部金型との当接部附近での製品不良の発生を効果的に抑えた空気入りタイヤとすることができる。
ところで、従来では、加硫成形装置の金型同士で生タイヤを挟み込むことによる製品不良の発生率は、金型の上部のほうが金型の下部よりも高い。本発明者はこの原因について鋭意検討した。そして、バットレス部における生タイヤと金型との接触タイミングが、金型の下部に比べて金型の上部では遅れるためであることを突き止めた。
そこで、請求項2に記載の発明は、前記サイド部金型が上金型部と下金型部とで構成されており、前記上金型部と前記トレッド部金型との境界で成形された前記突起の高さが、前記下金型部と前記トレッド部金型との境界で成形された前記突起の高さよりも高いことを特徴とする。
突起高さをこのように成形する加硫成形装置を用いる場合、上金型部とトレッド部金型との境界では、下金型部とレッド部金型との境界に比べ、ゴムの逃げる体積をより確保した装置を用いることになる。従って、請求項2に記載の発明により、製品不良の発生を更に抑制した空気入りタイヤとすることができる。
請求項3に記載の発明は、タイヤ径方向断面では、前記突起のタイヤ径方向外側壁及びタイヤ径方向内側壁が、突起先端を通るとともにタイヤ外側に凹でタイヤ外面と接する円弧によってそれぞれ形成されていることを特徴とする。
生タイヤと金型とが最後に接触するタイヤバットレス部分では、加硫時に、空気の排出と共に生タイヤ表面部のゴムも流動する。請求項3に記載の発明では、突起の形状は裾野部がこのように徐々に広がる略三角形状とされている。このような形状とすることで、ゴムの流れも排出される空気の流れもよりスムーズになる。また、略三角形状の頂点が鋭角部を形成することにより、空気排出残りが生じ難く、残った場合でも目立ち難くなり、タイヤ表面がざらついたベアという製品不良が生じ難い。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の空気入りタイヤにおいて、前記サイド部金型が上金型部と下金型部とで構成されており、前記上金型部と前記トレッド部金型との境界で成形された前記突起の高さが、前記下金型部と前記トレッド部金型との境界で成形された前記突起の高さよりも高いことを特徴とする。
突起高さをこのように成形する加硫成形装置を用いる場合、上金型部とトレッド部金型との境界では、下金型部とレッド部金型との境界に比べ、ゴムの逃げる体積をより確保した装置を用いることになる。従って、請求項4に記載の発明により、製品不良の発生を更に抑制した空気入りタイヤとすることができる。
請求項5に記載の発明は、トレッド部とサイド部との間に、先端が尖っていてタイヤ周方向に連続する1本の突起が設けられた空気入りタイヤを製造する際に用いる加硫成形装置であって、トレッド部の少なくとも一部を加硫するトレッド部金型と、加硫成形時には前記トレッド部金型に当接してサイドウォール部の少なくとも一部を加硫するサイド部金型と、を備え、前記トレッド部金型と前記サイド部金型との境界では、金型内側から見て金型の隙間が徐々に狭くなっており、前記トレッド部金型には、前記隙間の容積に応じた体積を有するリング状の凸部が突設されていることを特徴とする。
これにより、加硫成形装置を閉にする際、空気はこの境界からスムーズに排出され、空気が金型内に残り難い。
また、請求項5に記載の発明は、前記トレッド部金型には、前記隙間の容積に応じた体積を有するリング状の凸部が突設されている。
請求項5に記載の発明では、加硫時にタイヤ表面のゴムがこの凸部によって押される。この押されたゴムの一部がトレッド部金型とサイド部金型との境界に流れ込み、これにより、ゴムとともにより空気を金型内から効果的に排出することができる。
本発明によれば、トレッド部金型とサイド部金型との当接部附近での製品不良の発生を効果的に抑えた空気入りタイヤ、及び、それを製造する加硫成形装置を実現させることができる。
以下、実施形態を挙げ、本発明の実施の形態について説明する。なお、第2実施形態以下では、既に説明した構成要素と同様のものには同じ符号を付して、その説明を省略する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態について説明する。図1、図2に示すように、本実施形態に係る加硫成形装置50で加硫成形することによって本実施形態に係る空気入りタイヤ10が製造される。
本実施形態では、空気入りタイヤ10は、両端部がそれぞれビードコア11で折り返されたカーカス16と、ビードコア11を有するビード部12と、ビード部12のタイヤ径方向外側のサイドウォール部14と、カーカス16のクラウン部16Cのタイヤ径方向外側のベルト層18と、ベルト層18のタイヤ径方向外側に設けられて主溝22及び横溝(図示せず)が配設されたトレッド部20と、サイドウォール部14とトレッド部20との間を形成しているバットレス部26と、を備えている。
加硫成形装置50は、トレッド部20を加硫するトレッド部金型(トレッドリング)52と、サイドウォール部14からビード部12の一部までを加硫するサイド部金型(サイドリング)54と、ビード部12の残り部分を加硫するビード部金型(ビードリング)56と、を備えている。成形時には、トレッド部金型52とサイド部金型54とが互いに当接するとともに、サイド部金型54とビード部金型56とが互いに当接する構成にされている。また、トレッド部金型52及びサイド部金型54によってバットレス部26が成形される構成にされている。
また、加硫成形装置50は生タイヤを横置きにして加硫する装置とされており、サイド部金型54が上金型部54Uと下金型部54Lとで構成されている。
(突起)
図2、図3に示すように、バットレス部26には、トレッド部金型52と上金型部54Uとの境界53Uで成形されたタイヤ部分に、先端が尖っていてタイヤ周方向に連続する1本の断面略三角形状の突起28が形成されている。また、図2、図4に示すように、トレッド部金型52と下金型部54Lとの境界53Lで成形されたタイヤ部分にも、突起28と同形状の突起32が形成されている。なお、突起28と突起32とはタイヤ赤道面CLを挟んで対称形状とされている。
本実施形態では、空気入りタイヤ10と、突起28、32を成形する加硫成形装置50の金型部分とは、何れもタイヤ赤道面CLで面対称となっているので、以下の説明では加硫成形装置50及びこれで加硫成形された空気入りタイヤ10の上半分(図1、図2参照)のみを説明し、下半分の説明を省略する。
空気入りタイヤ10に突起28を形成することができるように、トレッド部金型52と上金型部54Uとの境界53Uでは、金型内側(生タイヤ側)から見て金型の隙間が徐々に狭くなっている。本実施形態では、トレッド部金型52には金型内側に対して滑らかに膨らむ湾曲凸面部52Pが形成され、サイド部金型54にも金型内側に対して滑らかに膨らむ湾曲凸面部54Pが形成されている。そして、トレッド部金型52には、湾曲凸面部52Pに連続して金型内から遠ざかるほうへ広がる当接面部52Sが形成され、サイド部金型54にも、湾曲凸面部54Pに連続して金型内から遠ざかるほうへ広がる当接面部54Sが形成されている。金型を閉じたとき、すなわち加硫成形装置50を閉にしたときには、当接面部52Sと当接面部54Sとが面接触するようになっている。
突起28のタイヤ径方向外側面は、突起先端28Tを通るとともにタイヤ外側に凹でタイヤ外面27Eと接する湾曲凹面28Eとされている。そして、突起28のタイヤ径方向内側面も、突起先端28Tを通るとともにタイヤ外側に凹でタイヤ外面27Iと接する湾曲凹面28Iとされている。
従って、図3に示すように、タイヤ径方向断面では、突起28のタイヤ径方向外側は、突起先端28Tを通るとともにタイヤ外側に凹でタイヤ外面27Eと接する円弧30Eによって形成されている。なお、円弧30Eはいわゆる逆Rの円弧である。円弧30Eはタイヤ外面27Eに接しているので、円弧30Eとタイヤ外面27Eとの接続部には角部が形成されていない。
同様に、突起28のタイヤ径方向内側は、突起先端28Tを通るとともにタイヤ外側に凹でタイヤ外面27Iと接する円弧30Iによって形成されている。円弧30Eと同様、円弧30Iはタイヤ外面27Iに接しているので、円弧30Iとタイヤ外面27Iとの接続部には角部が形成されていない。
(周方向溝)
また、タイヤ径方向断面では、タイヤ周方向に延びる1本の周方向溝36が突起28のタイヤ径方向外側に配置されている。従って、このような周方向溝36を形成できるように、トレッド部金型52には、金型内に突出するリング状の凸部52Tが突設されている。
そして、図5に示すように、タイヤ径方向断面では、突起先端28Tを通過する突起底面28Bの法線28Vと、周方向溝36の突起28側の開口縁36Mと、の距離Dが5〜20mmの範囲とされている。なお、本実施形態では、周方向溝36の溝深さGは1mm程度とされている。
(作用、効果)
以下、本実施形態の作用、効果について説明する。
加硫成形する際、加硫成形装置50を開にして、生タイヤを下金型部54Lに横置きで載置する。載置後、加硫成形装置50を閉にする。
更に、加硫成形装置50では、生タイヤ内部からブラダー51(図1参照)を膨らますことにより、生タイヤを金型内壁に押し付けながらブラダー側と金型側から生タイヤに熱を加える。ここで、生タイヤと金型とが最後に接触する部分はバットレス部26である。このタイヤバットレス部26を成形する金型部分にトレッド部金型52とサイド部金型54との境界53U、53Lが位置しているので、加硫成形装置50を閉にする際、生タイヤと金型との間の空気がこの境界53U、53Lから排出される。そして、この境界53U、53Lには、トレッド部金型52の湾曲凸面部52Pとサイド部金型54の湾曲凸面部54Pとが位置しており、湾曲凸面部52P、54Pによって形成される金型空間(隙間)は金型内側(生タイヤ側)から見て徐々に狭くなっている。従って、加硫時において、金型内の空気はこの境界53U、53Lからスムーズに排出され、空気が金型内に残り難い。よって、空気入りタイヤ10を製造する際、トレッド部金型52とサイド部金型54との当接部附近での製品不良の発生を効果的に抑えることができる。
また、突起28のタイヤ径方向外側面に湾曲凹面28Eが形成され、突起28のタイヤ径方向内側面にも湾曲凹面28Iが形成されているので、突起28の形状は裾野部が滑らかに徐々に広がる略三角形状とされている。これにより、加硫成形装置50を閉にする際に、ゴムの流れも排出される空気の流れもよりスムーズになる。また、突起先端28Tが断面鋭角状であるため、空気排出残りが生じ難く、残った場合でも目立ち難くなり、タイヤ表面がざらついたベアという製品不良が生じ難い。
また、トレッド部金型52にはリング状の凸部52Tが形成されている。従って、加硫成形装置50を閉にする際にタイヤ表面のゴムがこの凸部52Tによって押される。この押されたゴムの一部がトレッド部金型52とサイド部金型54との境界53U、53Lに流れ込み、ゴムとともに金型内の空気をより効果的に排出することができる。そして、図3にも示したように、距離Dが5〜20mmの範囲とされているので、ゴムの逃げるスペースが充分であるとともに、ゴムの流動に伴う空気の排出の効果が顕著となる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。図6、図7に示すように、本実施形態に係る空気入りタイヤ70では、第1実施形態に比べ、突起28(図3参照)に代えて、高さがより高い突起78が形成されている。なお、タイヤ赤道面CLよりも下半分側には、図8に示すように、第1実施形態で説明したように突起32が形成されている。
このような突起78が形成されるように、上金型部54U及びトレッド部金型52に代えて上金型部84U及びトレッド部金型82が設けられた加硫成形装置90が用いられる。この加硫成形装置90を用いることにより、上金型部84Uとトレッド部金型82との境界83Uで成形された突起78の高さHU(図7参照)が、下金型部54Lとトレッド部金型82との境界53Lで成形された突起32の高さHL(図8参照)よりも高い。なお、これに合わせて、周方向溝36に代えて周方向溝76(図6、図7参照)が設けられ、凸部52Tに代えて凸部72T(図6参照)が設けられている。周方向溝76及び凸部72Tは、それぞれ、周方向溝36及び凸部52Tに比べて寸法が変更されている。
本実施形態では、突起78の高さHUをこのように成形する加硫成形装置90を用いるので、上金型部84Uとトレッド部金型82との境界83Uでは、下金型部54L(図1参照)とトレッド部金型82との境界に比べ、ゴムの逃げる体積をより確保している。従って、製品不良の発生を更に抑制した空気入りタイヤ70とすることができる。
<試験例>
本発明の効果を確かめるために、本発明者は、第1実施形態の空気入りタイヤ10の一例(以下、実施例1のタイヤという)、第2実施形態の空気入りタイヤ70の一例(以下、実施例2のタイヤという)、及び、従来例の空気入りラジアルタイヤの一例(以下、従来例のタイヤという)の試作を行い、噛み込み不良の発生率を比較した。
ここで、実施例1のタイヤを製造する加硫成形装置としては、195/65R15サイズの空気入りタイヤを製造する従来の加硫成形装置で、上金型部、下金型部、及びトレッド部金型にそれぞれ切削加工を施して上金型部54U、下金型部54L、及びトレッド部金型52とした、第1実施形態の加硫成形装置50の一例を用いた。実施例2のタイヤを製造する加硫成形装置としては、同様に、195/65R15サイズの空気入りタイヤを製造する従来の加硫成形装置で、上金型部、下金型部、及びトレッド部金型に切削加工をそれぞれ施して上金型部84U、下金型部54L、及びトレッド部金型82とした、第2実施形態の加硫成形装置90の一例を用いた。図9に示すように、従来例のタイヤを製造する加硫成形装置100としては、サイド部金型(図9に示す上金型部104U)とトレッド部金型102との境界103には、それぞれ、丸められていない角部105U及び角部101が形成されている従来の加硫成形装置を用いた。
本試験例では、実施例1のタイヤ、実施例2のタイヤ、及び、従来例のタイヤについて、それぞれ9000本の試作を行った。なお、本試験例では、タイヤサイズは全て 195/65R15 である。
そして、試作した各タイヤで噛み込み不良が発生しているか否かを調べ、実施例1のタイヤ、実施例2のタイヤ、及び、従来例のタイヤについて、噛み込み不良の発生率をそれぞれ算出した。算出結果を表1に示す。
表1から判るように、従来例のタイヤに比べ、実施例1のタイヤでは噛み込み不良の発生率が大幅に低くなっており、実施例2のタイヤでは更に低くなっていた。
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲がこれらの実施形態に限定されないことは言うまでもない。
第1実施形態に係る空気入りタイヤを製造する加硫成形装置の側面断面図である。 第1実施形態に係る空気入りタイヤを製造する加硫成形装置の部分側面断面図である。 第1実施形態に係る空気入りタイヤを製造する加硫成形装置で、突起を成形する金型部分を示す側面断面図である。 第1実施形態に係る空気入りタイヤを製造する加硫成形装置で、突起を成形する金型部分を示す側面断面図である。 第1実施形態に係る空気入りタイヤに形成された突起の寸法を説明する説明図である。 第2実施形態に係る空気入りタイヤを製造する加硫成形装置の部分側面断面図である。 第2実施形態に係る空気入りタイヤに形成された突起の寸法を説明する説明図である。 第2実施形態に係る空気入りタイヤに形成された突起の寸法を説明する説明図である。 試験例で用いた従来例のタイヤを製造する加硫成形装置の要部を示す側面断面図である。
符号の説明
50 加硫成形装置
10 空気入りタイヤ
14 サイドウォール部
20 トレッド部
27I、E タイヤ外面
28 突起
28B 突起底面
28T 突起先端
28V 法線
30I、E 円弧
32 突起
36 周方向溝(溝)
36M 開口縁
52 トレッド部金型
52T 凸部
53U 境界
53L 境界
54 サイド部金型
54U 上金型部
54L 下金型部
70 空気入りタイヤ
72T 凸部
76 周方向溝
78 突起
82 トレッド部金型
83U 境界
84U 上金型部
90 加硫成形装置
100 加硫成形装置
102 トレッド部金型
103 境界
104U 上金型部
D 距離
HU 高さ
HL 高さ

Claims (5)

  1. トレッド部の少なくとも一部を加硫するトレッド部金型と、加硫成形時には前記トレッド部金型に当接してサイドウォール部の少なくとも一部を加硫するサイド部金型と、を有する加硫成形装置で加硫成形された空気入りタイヤであって、
    前記トレッド部金型と前記サイド部金型との境界で成形され、先端が尖っていてタイヤ周方向に連続する1本の突起が設けられており、
    タイヤ周方向に延びる1本の溝が前記突起のタイヤ径方向外側に配置されており、
    タイヤ径方向断面では、突起先端を通過する突起底面の法線と、前記溝の前記突起側の開口縁と、の距離が5〜20mmの範囲とされている、ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. トレッド部の少なくとも一部を加硫するトレッド部金型と、加硫成形時には前記トレッド部金型に当接してサイドウォール部の少なくとも一部を加硫するサイド部金型と、を有する加硫成形装置で加硫成形された空気入りタイヤであって、
    前記トレッド部金型と前記サイド部金型との境界で成形され、先端が尖っていてタイヤ周方向に連続する1本の突起が設けられており、
    前記サイド部金型が上金型部と下金型部とで構成されており、
    前記上金型部と前記トレッド部金型との境界で成形された前記突起の高さが、前記下金型部と前記トレッド部金型との境界で成形された前記突起の高さよりも高いことを特徴とする空気入りタイヤ。
  3. タイヤ径方向断面では、前記突起のタイヤ径方向外側壁及びタイヤ径方向内側壁が、突起先端を通るとともにタイヤ外側に凹でタイヤ外面と接する円弧によってそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記サイド部金型が上金型部と下金型部とで構成されており、
    前記上金型部と前記トレッド部金型との境界で成形された前記突起の高さが、前記下金型部と前記トレッド部金型との境界で成形された前記突起の高さよりも高いことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  5. トレッド部とサイド部との間に、先端が尖っていてタイヤ周方向に連続する1本の突起が設けられた空気入りタイヤを製造する際に用いる加硫成形装置であって、
    トレッド部の少なくとも一部を加硫するトレッド部金型と、
    加硫成形時には前記トレッド部金型に当接してサイドウォール部の少なくとも一部を加硫するサイド部金型と、を備え、
    前記トレッド部金型と前記サイド部金型との境界では、金型内側から見て金型の隙間が徐々に狭くなっており、
    前記トレッド部金型には、前記隙間の容積に応じた体積を有するリング状の凸部が突設されていることを特徴とする加硫成形装置。
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