JP2007030310A - トレッド用ゴム部材の押し出し口金及び押出機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 空気入りタイヤの周方向溝に対応する溝を予め形成したトレッド用ゴム部材の、他のタイヤ構成部材との貼り合わせ面を凹凸のない平面状に形成する。
【解決手段】 押出機のゴム吐き出し口に、溝形成用突起5を設けた上型2と、溝形成用突起5の対向する位置に矯正溝形成用突起6を配置した下型3からなる口金1を取り付ける。この上型2と下型3により形成される開口部4から未加硫ゴムを押し出して、トレッド用ゴム部材を成形する。溝形成用突起5によりトレッド用ゴム部材の一方の面に周方向溝に対応する溝を形成し、その際に押し退けられたゴムにより、矯正溝形成用突起6が形成する凹部を埋めて消滅させ、トレッド用ゴム部材の他方の面を凹凸のない平面状に形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、空気入りタイヤのトレッド用ゴム部材を押し出すための口金及び押出機に関し、特に、トレッド用ゴム部材に空気入り製品タイヤの周方向溝に対応した溝を予め形成するトレッド用ゴム部材の押し出し口金及び押出機に関する。
空気入りタイヤは、一般に、トロイダル状ラジアルカーカスのクラウン部周上に複数枚のベルトプライからなるベルト層と、トレッドを順次備えており、このトレッドの路面に接触する接地面には、タイヤと路面間の摩擦係数を高めて有効な制動・駆動性能や操縦安定性能等を確保するため、各種の溝や切れ目からなるトレッドパターンが形成されている。
このトレッドパターンの代表的な形状の1つに、タイヤ周方向に連続して延びる、比較的幅広で深い周方向溝(リブ溝)がある。この周方向溝は、湿潤路面で後方に水をかき出して排出する性能が高く、乾燥路面に加えて湿潤路面においても摩擦力を確保して高い走行性能を発揮できるため、乗用車用ラジアルタイヤ等、多くの空気入りで採用されている。
このような空気入りタイヤは、一般に、未加硫ゴムやスチールコード等からなる所定形状のカーカス、ベルト層、トレッド等のタイヤ構成部材を作製し、これら複数のタイヤ構成部材を成型ドラム上で順次貼り合わせて未加硫のグリーンタイヤ(生タイヤ)を成型し、加硫用金型に入れて所定の温度と圧力で一定時間加熱型付け(加硫成型)して、所定の形状に成型される。この加硫用金型の内周面には、周方向に連続して延びる突条(骨部)が設けられており、加硫成型時にこの突条がグリーンタイヤのトレッド用ゴム部材に食い込んで、トレッドに上記した周方向溝が形成される。
従来、このグリーンタイヤの外周面には、表面に凹凸のない平坦な平板状のトレッド用ゴム部材を貼り合わせることが多く、従って、グリーンタイヤの外周面も、一般に、平坦に形成される。なお、この平板状のトレッド用ゴム部材は、押出機により、未加硫ゴム等からなる原材料を所定の断面形状に連続して押し出し、所定の長さに裁断等して成形される。
しかしながら、このような平坦な外周面のグリーンタイヤに周方向溝を形成する場合には、加硫時に、上記した加硫用金型内周面の突条は、多量のゴムを排除しながらトレッド用ゴム部材に食い込む必要がある。これに伴い、主に前記突条の突出方向(タイヤ径方向内側方向)にゴムが押されてその方向に圧力が生じ、径方向内側のタイヤ構成部材に押圧力が作用して、その部分が環状に凹変形する場合がある。
特に、ベルト層が変形した場合には、ベルト層を構成するスチール等のコードにウェーブが生じて目的とする性能が発揮されず、タイヤの接地性能等が低下するという問題が生じる。また、複数枚のベルトプライからなるベルト層の隣接する各プライのコード間隔が不均一になって、他の部分のコード間隔よりも狭くなり、或いはコード同士が接触し、走行時にその付近のコード間ゴムに大きな歪が発生してプライ間セパレーションが生じやすくなるという問題もある。
これらの問題を改善するため、トレッド用ゴム部材の加硫用金型の突条が当たる部分に予め溝を形成し、ベルト層の変形を抑制する方法が提案されている(特許文献1参照)。
図6は、このトレッド用ゴム部材80と、押出機の先端に取り付けてトレッド用ゴム部材80を所定の断面形状に成形する押し出し口金(以下、口金という)90の断面図である。この従来の口金90は、図示のように、グリーンタイヤの外周面となるトレッド用ゴム部材80の上面を成形する上型91と、ベルト層等との貼り合わせ面となるトレッド用ゴム部材80の下面を成形する下型92とからなり、押出機の未加硫ゴムの吐き出し端に取り付けて、それらの間に形成された開口部(隙間)から未加硫ゴムを押し出して、トレッド用ゴム部材80をその隙間の形状と略同一な断面形状に成形する。
この上型91の下面は、円弧状の凹曲面に形成され、加硫用金型の突条(製品タイヤの周方向溝)に対応する位置(図では4ヶ所)に突起93が設けられ、これに対向する下型92の上面は、凹凸のない平面状に形成されている。従って、前記開口部から押し出されるトレッド用ゴム部材80の上面には、予め加硫用金型の突条に対応する凹状の溝81が形成されるため、加硫時に、突条が食い込んで排出するゴムの量を少なくすることができる。これに伴い、ベルト層に作用する押圧力が小さくなるため、その変形を抑制することができる。
しかしながら、このような従来の口金90でトレッド用ゴム部材80を成形した場合には、下型92の上面が平面状であるにも関わらず、それにより成形されるトレッド用ゴム部材80の下面に凸部が生じる場合がある。図7は、特許文献に記載されたものではないが、このような従来の口金90、即ち、突起93が設けられた上型91と平面状の下型92で成形した、トレッド用ゴム部材80を模式的に示す断面図である。なお、このトレッド用ゴム部材80は、中心線CLを挟んで左右対称な形状に形成されているため、図7では中心線CLの片側(図では右側)のみ示す。
このトレッド用ゴム部材80の断面形状は、図示のように、グリーンタイヤの外周面となる上面83に、加硫用金型の突条に対応する複数本(図では3本)の溝81が形成されている。一方、ベルト層等との貼り合わせ面となる下面84には、上面83の溝81の下方部分に、それと同数の滑らかな凸曲面状の凸部85が生じている。
この凸部85は、未加硫ゴムが上型91と下型92により形成される開口部(図6参照)から押し出されるときに、突起93に押し退けられて、その突出方向(図の下方向)を中心に移動して圧力が上昇し、下面84からゴムが突出して生じたものである。従って、上面83の溝81と下面84の凸部85の中心線は略一致している。また、溝81の深さdや幅wが大きくなるにつれて、即ち、上型91の突起93の長さや幅が大きくなるにつれて、下方向に押されるゴムの量も多くなり、その圧力も上昇するため、凸部85は、溝81(突起93)の寸法に応じて大きくなる。
このような凸部85がトレッド用ゴム部材80の下面84に生じた場合には、タイヤ径方向内側のベルト層等との貼り合わせ時に凸部85間等のエアが排出されずに残留し、製品タイヤにエア溜まりが生じるという問題がある。また、貼り合わせ時にベルト層が凸部85に押圧されて変形し、コードの間隔が不均一となって、上記と同様に製品タイヤの性能の低下やセパレーションが生じる恐れもある。
特開平9−150465号公報
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、空気入りタイヤの周方向溝に対応する溝を予め形成したトレッド用ゴム部材の、他のタイヤ構成部材との貼り合わせ面を凹凸のない平面状に成形し、これにより、トレッド用ゴム部材の貼り合わせ面にエア溜まりが発生するのを抑制し、更に、ベルト層のコードに生じるウェーブやコード間隔が不均一になるのを防止してセパレーションの発生を抑制することである。
請求項1の発明は、空気入りタイヤのトレッド用ゴム部材の押し出し口金であって、対向する一方の面に製品タイヤの周方向溝に対応した溝を形成する複数の溝形成用突起を備え、他方の面に前記溝形成用突起と対向して前記溝形成用突起よりも突出長さが短い複数の矯正溝形成用突起を備えた開口部を有することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載されたトレッド用ゴム部材の押し出し口金において、前記矯正溝形成用突起の表面形状は、前記溝形成用突起に向かって突出する滑らかな凸曲面状に形成されていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載されたトレッド用ゴム部材の押し出し口金において、前記矯正溝形成用突起の突出長さは、前記溝形成用突起の突出長さの0倍より大きく1/3倍未満の長さであることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載されたトレッド用ゴム部材の押し出し口金において、前記矯正溝形成用突起の前記トレッド用ゴム部材の押し出し方向と直交する方向の幅は、前記溝形成用突起の前記トレッド用ゴム部材の押し出し方向と直交する方向の幅の1倍以上1.5倍未満であることを特徴とする。
請求項5の発明は、空気入りタイヤのトレッド用ゴム部材の押出機であって、請求項1ないし4のいずれかに記載されたトレッド用ゴム部材の押し出し口金を備えたことを特徴とする。
(作用)
本発明によれば、口金開口部のトレッド用ゴム部材に溝を形成する溝形成用突起の対向する位置に、突出長さの短い矯正溝形成用突起を設け、トレッド用ゴム部材の押し出し時に、溝形成用突起に押し退けられるゴムで、矯正溝形成用突起により形成される凹部を埋めて消滅させる。これにより、ゴムのはみ出しを防止して、その面を凹凸のない平面状に形成する。
本発明によれば、トレッド用ゴム部材の他のタイヤ構成部材との貼り合わせ面を平面状に形成することができるため、トレッド用ゴム部材の貼り合わせ面にエア溜まりが発生するのを抑制することができる。また、貼り合わせ時に、ベルト層へ不要な力が作用しないため、ベルト層のコードに生じるウェーブやコード間隔が不均一になるのを防止することができ、セパレーションの発生を抑制することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の空気入りタイヤのトレッド用ゴム部材は、所定の形状に成形した未加硫ゴム等からなる各タイヤ構成部材を順次貼り合わせてグリーンタイヤを成型し、このグリーンタイヤを内周面に周方向に延びる突条(骨部)が設けられた加硫用金型に入れて加硫成型し、トレッドに周方向に延びる周方向溝(リブ溝)を有する製品タイヤを製造する際に用いられ、その表面に予め加硫用金型の突条(製品タイヤの周方向溝)に対応する溝を形成したものである。
なお、図示は省略するが、本実施形態の空気入りタイヤは、一対のビードと、これらビードから径方向外側に向かって延びる左右のサイドウォールと、両サイドウォール間に跨がってトレッドを備えるクラウン部がトロイダル状に連なり、一方のサイドウォールからクラウン部を通り、他方のサイドウォールにわたって、少なくとも1枚のラジアルカーカスプライからなるカーカス層と、このカーカス層とトレッド間に配置した複数枚のスチールコードプライを含むベルト層とを備えた公知の構造を有するものである。
まず、グリーンタイヤの最も外側に貼り付けるトレッド用ゴム部材の成形方法について説明する。
本実施形態のトレッド用ゴム部材は、図6に示す従来のトレッド用ゴム部材80と同様に、未加硫ゴム等からなる原材料を押出機により所定の断面形状に連続して押し出し、所定長さに裁断等して成形する。図1は、押出機の先端に取り付けて、本実施形態のトレッド用ゴム部材を所定の断面形状に成形する口金1の断面図である。なお、この口金1は、中心線CLを挟んで左右対称な形状に成形されているため、図1では中心線CLの片側(図では右側)のみ示す。
図中口金1は、図6に示す従来の口金90と同様に、グリーンタイヤの外周面となるトレッド用ゴム部材の上面を成形する上型2と、ベルト層等との貼り合わせ面となるトレッド用ゴム部材の下面を成形する下型3とからなり、それらが組み合わさって開口部4が形成される。また、上型2の下型3に対向する面(図の下面)は、断面略台形の凹状に形成され、加硫用金型の突条に対応する位置(図では3ヶ所)に、トレッド用ゴム部材の上面に溝を成形するための溝形成用突起5が突出して設けられている。
この上型2に対向する下型3の上面には、矯正溝形成用突起6が複数ヶ所(図では3ヶ所)に形成されている。この矯正溝形成用突起6は、従来のトレッド用ゴム部材80に生じる凸部85(図7参照)と略同一形状に形成されている。即ち、図1に示すように、矯正溝形成用突起6は、上型2方向(図では上方向)に突出した滑らかな凸曲面状をなし、上型2下面の溝形成用突起5と中心線を略一致させて互いに対向する位置に形成されており、図7に示す従来のトレッド用ゴム部材80の下面84に生じる凸部85の発生を防止して、トレッド用ゴム部材の下面を平面状に矯正する機能を有している。
この矯正溝形成用突起6の突出長さGや幅Rは、従来の口金90で成形した場合に生じる凸部85(図7参照)の突出長さsや幅t等に対応して、凸部85の発生を打ち消すのに必要な寸法に設定する。即ち、上記したように、凸部85の突出長さsや幅tは、溝形成用突起5の突出長さHや幅Lの大きさに対応して大きくなるため、それらH、Lの寸法に対応して矯正溝形成用突起6の突出長さGや幅Rを決定する。従って、溝形成用突起5が大きくなるにつれて、矯正溝形成用突起6も大きくなる。
以上説明した口金1を押出機の未加硫ゴムの吐き出し端に取り付けて、上型2と下型3により形成される開口部4から未加硫ゴムを押し出すことで、所定の断面形状のゴムを成形することができる。この開口部4から押し出された未加硫ゴムは、上型2に設けられた溝形成用突起5により一方の面に溝が形成される。また、その反対側の面には、下型3の矯正溝形成用突起6により凹部が形成されるが、この凹部は、既に説明したように、対向する溝形成用突起5に押し退けられて、その突出方向(図1の下方向)へ向かって移動するゴムにより埋められて消滅し、凹凸のない平面状に形成される。
なお、矯正溝形成用突起6の突出長さGを対向する溝形成用突起5の突出長さHの1/3倍以上にした場合には、矯正溝形成用突起6により形成される凹部が大きくなりすぎてゴムにより埋めきれず、凹部が残る恐れがある。従って、矯正溝形成用突起6の突出長さGは、対向する溝形成用突起5の突出長さHの0倍よりも大きく1/3倍未満にすることが好ましい。ただし、突出長さGが短かすぎる場合には、矯正溝形成用突起6により形成される凹部が小さすぎてゴムがはみ出し、その部分に凸部が生じる恐れがあるため、矯正溝形成用突起6の突出長さGは、溝形成用突起5の突出長さHの1/5倍以上1/3倍未満にすることがより好ましい。
また、矯正溝形成用突起6の幅Rを対向する溝形成用突起5の幅Lの1.5倍以上にした場合には、矯正溝形成用突起6により形成される凹部が大きくなりすぎてゴムにより埋めきれず、凹部が残る恐れがある。逆に、幅Rを対向する溝形成用突起5の幅Lの1倍未満にした場合には、矯正溝形成用突起6により形成される凹部が小さすぎてゴムがはみ出し、その部分に凸部が生じる恐れがある。従って、矯正溝形成用突起6の幅Rは、対向する溝形成用突起5の幅Lの1倍以上1.5倍未満にすることが好ましい。
ここで、溝形成用突起5の幅Lと突出長さH、及び矯正溝形成用突起6の幅Rと突出長さGを変えた3種類の口金1(上型2、下型3)により、トレッド用ゴム部材を押し出し成形したときの、下型3が成形した面の形状(凹凸の有無)についてテストを行った。なお、以下の実施例1から3では、同一の押出機を使用して、同一の条件でトレッド用ゴム部材を成形した。
各実施例の溝形成用突起5の幅Lと突出長さH、及び矯正溝形成用突起6の幅Rと突出長さGを表1に示す。
Figure 2007030310
表1に示すように、実施例1から3の順に、上型2に設ける溝形成用突起5の幅Lと突出長さHを大きくし、それに応じて、下型3の矯正溝形成用突起6の幅Rと突出長さGも大きくした。また、矯正溝形成用突起6の幅Rと突出長さGは、上記した好ましい範囲内、即ち、幅Rは、対向する溝形成用突起5の幅Lの1倍以上1.5倍未満にし、突出長さGは、対向する溝形成用突起5の突出長さHの1/3倍未満にした。
これら各実施例では全て、下型2で成形した面に、矯正溝形成用突起6が大きすぎることで生じる凹部も、小さすぎることで生じる凸部も発生せず、下型2にこのような矯正溝形成用突起6を設けることで、凹凸の発生を防止できることが分かった。
図2は、このように成形したトレッド用ゴム部材10を模式的に示す断面図である。なお、このトレッド用ゴム部材10は、中心線CLを挟んで左右対称な形状に成形されているため、図2では中心線CLの片側(図では右側)のみ示す。
このトレッド用ゴム部材10は、図7に示す従来の方法で成形したトレッド用ゴム部材80と同様に、グリーンタイヤの外周面となる上面11に、加硫用金型の突条に対応する複数本(図では3本)の溝13が形成されている。しかし、前記従来のトレッド用ゴム部材80と相違して、ベルト層等との貼り合わせ面となる下面12には、凸部が発生せず、平坦な平面状に成形されている。
次に、このトレッド用ゴム部材10を用いて、空気入りタイヤを製造する方法について説明する。なお、本実施形態の空気入りタイヤの製造方法は、大きく分けて、複数のタイヤ構成部材を組み合わせてグリーンタイヤを成型する成型工程と、グリーンタイヤを加硫成型する加硫工程の2段階の工程からなる。また、トレッド用ゴム部材10以外の各タイヤ構成部材は、従来と同様の方法で所定の形状にそれぞれ成形されて成型工程へ供給される。
図3から図5は、本実施形態のグリーンタイヤの成型工程の説明図である。
まず、図3に示すように、円筒状のバンドドラム21の外周面にインナーライナ32、カーカス33、ビード34、サイドウォール部材35等を順次貼り合わせ、円筒状のバンド31を成型する。
次に、この円筒状のバンド31をシェーピングドラム22に乗せ替えて両端のビード34部を固定し、ブラダー23をインナーライナ32の内側に配置する。次に、両端の固定部を互いに接近させながら、ブラダー23の内部に高温・高圧の流体を供給して膨張させ、図4に示すように、バンド31を略トロイダル状に膨出させる。
その状態で、径方向外側に、図示しないベルトトレッド成型ドラム(BTドラム)上で貼り合わせて円筒状に成型した、ベルト層(図示せず)とトレッド用ゴム部材10等のタイヤ構成部材を嵌合する。この時、トレッド用ゴム部材10は、溝13が形成された上面11が外周側になるように、かつ、溝13の位置が所定の位置(加硫用金型の突条の位置と略一致する位置)になるように嵌合する。
次に、図4に示すように、一対のステッチングローラ24をトレッド用ゴム部材10中央部の外周から押し付けるとともに、シェーピングドラム22を回転させてトレッド用ゴム部材10中央部をステッチングする。このステッチングにより、部材間のエアの排出と圧着を行い、トレッド用ゴム部材10の下面12を膨出したバンド31の外周面に貼り合わせる。
次に、図5に示すように、一対のステッチングローラ24をトレッド用ゴム部材10の外周面に沿ってタイヤ幅方向の両端方向へ移動させて、トレッド用ゴム部材10の両端部分をステッチングし、その内周面を膨出したバンド31の肩部に貼り合わせる。なお、以上のステッチング時には、ステッチングローラ24からの圧力で溝13の形状や位置が変わらないようにする。
以上のようにグリーンタイヤ30を所定形状に成型した後、ステッチングローラ24をグリーンタイヤ30の外周面から離し、ブラダー23への流体の供給を停止して収縮させ、グリーンタイヤ30をシェーピングドラム22から外して加硫工程へ搬送する。なお、以上の成型方法では、バンドドラム21で成型したバンド31をシェーピングドラム22で膨出させてグリーンタイヤ30を成型したが、各ドラム21、22の機能を併せ持った単一の成型ドラムにより、バンド31とグリーンタイヤ30の成型を連続して行うようにしてもよい。
加硫工程では、グリーンタイヤ30を加硫用金型に収納して所定の温度と圧力で一定時間加硫成型し、所定形状の製品タイヤを製造する。この加硫用金型の内周面には、周方向に延びる突条(骨部)が設けられており、加硫成型時にこの突条が食い込んで製品タイヤのトレッドに周方向溝が形成される。本実施形態では、この突条の食い込み量を減らすため、グリーンタイヤ30の外周面の溝13の位置が、加硫用金型内周面の突条の位置と一致するように、グリーンタイヤ30を加硫用金型に装入する。
なお、この溝13が加硫用金型の突条よりも大き過ぎる場合には、加硫成型時の金型内のゴムの流動によってもその隙間が埋まらずに、製品タイヤのトレッドの周方向溝を所定形状に形成できない場合がある。従って、上型2の溝形成用突起5は、加硫用金型の突条(周方向溝)の形状・寸法等に応じた適当な形状・寸法に形成する。
以上説明したように、本実施形態の口金1によりトレッド用ゴム部材10を押し出した場合には、口金1の上型2に溝形成用突起5を設けたため、トレッド用ゴム部材10の上面11に、加硫用金型内周面の突条に対応する溝13が形成される。この溝13により、加硫時に、突条がトレッド用ゴム部材10に食い込んで他の部分に排出するゴムの量を少なくすることができるため、タイヤ径方向内側のベルト層に作用する押圧力を小さくすることができる。従って、ベルト層の変形を抑制することができ、コード間隔の不均一化やコード同士の接触等を防止して、製品タイヤの性能の低下や、ベルト層のプライ間セパレーションの発生を抑制することができる。
しかも、本実施形態では、口金1の下型3に適当な大きさの矯正溝形成用突起6を設けたため、トレッド用ゴム部材10の上面11に溝13を形成しても、その下面12に凹凸部が発生せず、下面12を平坦な平面状に形成することができる。従って、凸部ができることで生じていた、エアの残留による製品タイヤのエア溜まりや、ベルト層の押圧変形によるコード間隔の不均一化を抑制することができ、製品タイヤの性能の低下やセパレーションの発生を抑制することができる。
なお、製造する空気入りタイヤは、トレッドに周方向溝以外のより細かい溝、例えばタイヤ幅方向に延びるラグ溝やサイプ等の副溝等を有するタイヤであってもよい。その場合には、周方向溝以外の溝は、加硫用金型の内周面に設けられた各突起(骨部)により所定形状に成型されるが、各突起の幅や突出長さは周方向溝用の突条よりも小さいため、トレッド用ゴム部材10への食い込み量が少なく、周方向溝成型時よりもベルト層へ作用する力も小さい。従って、このような空気入りタイヤの場合でも、トレッド用ゴム部材10に溝13を形成することで、上記と同様に、従来よりもベルト層の変形を抑制することができる。
また、製品タイヤのトレッドに形成される複数本の周方向溝は、それぞれ異なる寸法(深さや幅等)に形成される場合があるが、その寸法に応じて、上型2の各溝形成用突起5を、それぞれ異なる寸法に形成してもよい。その場合には、下型3の各矯正溝形成用突起6は、対向する溝形成用突起5の寸法に対応して、それぞれ異なる寸法に形成する。
本実施形態のトレッド用ゴム部材を所定の断面形状に成形する押出機の口金の断面図である。 本実施形態の口金を用いて成形したトレッドを模式的に示す断面図である。 本実施形態のグリーンタイヤの成型工程において、バンドドラムにより各タイヤ構成部材を貼り合わせる状態を示す説明図である。 本実施形態のグリーンタイヤの成型工程において、シェーピングドラムによりバンドを膨出させた状態を示す説明図である。 本実施形態のグリーンタイヤの成型工程において、トップトレッド用ゴム部材をステッチングする状態を示す説明図である。 従来の溝付きトレッドと口金の断面図である。 従来の口金で成形した溝付きトレッドを模式的に示す断面図である。
符号の説明
1・・・口金、2・・・上型、3・・・下型、4・・・開口部、5・・・溝形成用突起、6・・・矯正溝形成用突起、10・・・トレッド用ゴム部材、11・・・上面、12・・・下面、13・・・溝、21・・・バンドドラム、22・・・シェーピングドラム、23・・・ブラダー、24・・・ステッチングローラ、30・・・グリーンタイヤ、31・・・バンド、32・・・インナーライナ、33・・・カーカス、34・・・ビード、35・・・サイドウォール部材。

Claims (5)

  1. 対向する一方の面に製品タイヤの周方向溝に対応した溝を形成する複数の溝形成用突起を備え、他方の面に前記溝形成用突起と対向して前記溝形成用突起よりも突出長さが短い複数の矯正溝形成用突起を備えた開口部を有することを特徴とする、空気入りタイヤのトレッド用ゴム部材の押し出し口金。
  2. 請求項1に記載されたトレッド用ゴム部材の押し出し口金において、
    前記矯正溝形成用突起の表面形状は、前記溝形成用突起に向かって突出する滑らかな凸曲面状に形成されていることを特徴とするトレッド用ゴム部材の押し出し口金。
  3. 請求項1または2に記載されたトレッド用ゴム部材の押し出し口金において、
    前記矯正溝形成用突起の突出長さは、前記溝形成用突起の突出長さの0倍より大きく1/3倍未満の長さであることを特徴とするトレッド用ゴム部材の押し出し口金。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載されたトレッド用ゴム部材の押し出し口金において、
    前記矯正溝形成用突起の前記トレッド用ゴム部材の押し出し方向と直交する方向の幅は、前記溝形成用突起の前記トレッド用ゴム部材の押し出し方向と直交する方向の幅の1倍以上1.5倍未満であることを特徴とするトレッド用ゴム部材の押し出し口金。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載されたトレッド用ゴム部材の押し出し口金を備えたことを特徴とする、空気入りタイヤのトレッド用ゴム部材の押出機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010228335A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 空気入りタイヤ用ゴム部材の押出用口金および押出機
JP2013043317A (ja) * 2011-08-23 2013-03-04 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴム押出成形装置
JP2014061602A (ja) * 2012-09-20 2014-04-10 Sumitomo Rubber Ind Ltd トレッド部材、トレッド部材用押出金型およびタイヤの製造方法

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