JPH0623866A - 空気入りラジアルタイヤの製造方法 - Google Patents
空気入りラジアルタイヤの製造方法Info
- Publication number
- JPH0623866A JPH0623866A JP4178341A JP17834192A JPH0623866A JP H0623866 A JPH0623866 A JP H0623866A JP 4178341 A JP4178341 A JP 4178341A JP 17834192 A JP17834192 A JP 17834192A JP H0623866 A JPH0623866 A JP H0623866A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tread
- tire
- belt
- groove
- annular groove
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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- Tyre Moulding (AREA)
- Tires In General (AREA)
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 特別の押え込み補強層を配設する必要なし
に、トレッドの完全摩耗状態においてなお、所要のネガ
ティブ率を確保する。 【構成】 トレッド踏面部のほぼ中央部分に環状グルー
ブを有する空気入りラジアルタイヤを製造するに当り、
ベルト5を含む筒状のトレッドバンド9の幅方向のほぼ
中央部分に、ベルト5およびトレッド8がともに半径方
向内方に窪む凹陥溝10を設け、このトレッドバンド9
を、グリーンケースの外側に嵌め合わせて成型して、幅
方向のほぼ中央部分に凹陥溝10がそのまま存在するグリ
ーンタイヤとする。
に、トレッドの完全摩耗状態においてなお、所要のネガ
ティブ率を確保する。 【構成】 トレッド踏面部のほぼ中央部分に環状グルー
ブを有する空気入りラジアルタイヤを製造するに当り、
ベルト5を含む筒状のトレッドバンド9の幅方向のほぼ
中央部分に、ベルト5およびトレッド8がともに半径方
向内方に窪む凹陥溝10を設け、このトレッドバンド9
を、グリーンケースの外側に嵌め合わせて成型して、幅
方向のほぼ中央部分に凹陥溝10がそのまま存在するグリ
ーンタイヤとする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、トレッド踏面部のほ
ぼ中央部分に広幅の環状グルーブを有する空気入りラジ
アルタイヤの製造方法、とくには、完成タイヤのトレッ
ドの完全摩耗状態においてもなお、すぐれた排水性能を
発揮し得るタイヤの製造方法に関するものである。
ぼ中央部分に広幅の環状グルーブを有する空気入りラジ
アルタイヤの製造方法、とくには、完成タイヤのトレッ
ドの完全摩耗状態においてもなお、すぐれた排水性能を
発揮し得るタイヤの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トレッド踏面部の中央部分に環状グルー
ブを有する従来の空気入りラジアルタイヤとしては、特
開昭61−60304 号公報に開示されたものがあり、これ
は、完成されたタイヤにおいて、トレッドが深さも幅も
ともに大きな周方向主溝を有するものである。
ブを有する従来の空気入りラジアルタイヤとしては、特
開昭61−60304 号公報に開示されたものがあり、これ
は、完成されたタイヤにおいて、トレッドが深さも幅も
ともに大きな周方向主溝を有するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、かかる従来
技術にあっては、トレッドゴムの肉厚変化だけをもって
周方向主溝を形成しており、タイヤのクラウン部におい
て、ラジアルカーカスおよびベルトのそれぞれを、従来
の一般的なラジアルタイヤと同様に、トレッド幅方向断
面内で、全体的に半径方向外方へ突状となる傾向をもた
せて配設していることから、その周方向主溝の深さを十
分な深さとすることができず、それ故に、トレッドの完
全摩耗状態、すなわち、同方向もしくは幅方向溝の溝深
さが少なくとも部分的に1.6mm となった状態の下にて
は、同方向主溝の深さもまたともに減少して、タイヤが
ウェット性能を発揮し得なくなるという問題があった。
技術にあっては、トレッドゴムの肉厚変化だけをもって
周方向主溝を形成しており、タイヤのクラウン部におい
て、ラジアルカーカスおよびベルトのそれぞれを、従来
の一般的なラジアルタイヤと同様に、トレッド幅方向断
面内で、全体的に半径方向外方へ突状となる傾向をもた
せて配設していることから、その周方向主溝の深さを十
分な深さとすることができず、それ故に、トレッドの完
全摩耗状態、すなわち、同方向もしくは幅方向溝の溝深
さが少なくとも部分的に1.6mm となった状態の下にて
は、同方向主溝の深さもまたともに減少して、タイヤが
ウェット性能を発揮し得なくなるという問題があった。
【0004】そこで、トレッドの完全摩耗状態に至って
もなお、所要に応じたネガティブ率を確保すべく、タイ
ヤの加硫成形に当り、加硫金型による周方向溝の形成と
同時に、通常に配設したラジアルカーカスおよびベルト
のそれぞれにも、半径方向内方に窪む条溝を形成するこ
とが提案されており、これによれば、ラジアルカーカス
およびベルトのそれぞれが、前記条溝よりなる括れ部を
有し、その括れ部が、トレッドとの協働下で周方向主溝
を形成するので、周方向主溝の深さを所要に応じて深め
ることができ、従って、トレッドが完全に摩耗してもな
お、前記括れ部の作用によって、所要のウェット性能を
もたらすに十分なネガティブ率を確保することができる
としている。
もなお、所要に応じたネガティブ率を確保すべく、タイ
ヤの加硫成形に当り、加硫金型による周方向溝の形成と
同時に、通常に配設したラジアルカーカスおよびベルト
のそれぞれにも、半径方向内方に窪む条溝を形成するこ
とが提案されており、これによれば、ラジアルカーカス
およびベルトのそれぞれが、前記条溝よりなる括れ部を
有し、その括れ部が、トレッドとの協働下で周方向主溝
を形成するので、周方向主溝の深さを所要に応じて深め
ることができ、従って、トレッドが完全に摩耗してもな
お、前記括れ部の作用によって、所要のウェット性能を
もたらすに十分なネガティブ率を確保することができる
としている。
【0005】しかしながら、加硫金型内でこのようにし
て成形されたタイヤにあっては、ベルトの、前記括れ部
と対応する部分では、加硫成形に際する拡径量が少な
く、一方、その括れ部を隔てて位置するそれぞれの側部
部分では拡径量が多くなるため、完成タイヤへの内圧の
充填時に、括れ部と対応するベルト部分がとくに大きく
拡径することによる、周方向主溝の溝底部分の迫り出し
現象の発生、いいかえれば、周方向主溝深さの減少が不
可避となる。
て成形されたタイヤにあっては、ベルトの、前記括れ部
と対応する部分では、加硫成形に際する拡径量が少な
く、一方、その括れ部を隔てて位置するそれぞれの側部
部分では拡径量が多くなるため、完成タイヤへの内圧の
充填時に、括れ部と対応するベルト部分がとくに大きく
拡径することによる、周方向主溝の溝底部分の迫り出し
現象の発生、いいかえれば、周方向主溝深さの減少が不
可避となる。
【0006】かかる周方向主溝深さの減少に対しては、
ベルトに形成された前記条溝の外周側部分を、実質的に
トレッド周方向に述びるコードよりなる補強層で押え込
むことにより対処することが考えられるが、このことに
よれば、その補強層の厚みその他に相当する深さだけ、
周方向主溝深さを浅くすることが余儀なくされる他、タ
イヤの使用状態の下で、ベルト層のコードの延在方向
が、補強層によって押え込まれている部分と、その他の
部分とで相違することになるという不都合があった。
ベルトに形成された前記条溝の外周側部分を、実質的に
トレッド周方向に述びるコードよりなる補強層で押え込
むことにより対処することが考えられるが、このことに
よれば、その補強層の厚みその他に相当する深さだけ、
周方向主溝深さを浅くすることが余儀なくされる他、タ
イヤの使用状態の下で、ベルト層のコードの延在方向
が、補強層によって押え込まれている部分と、その他の
部分とで相違することになるという不都合があった。
【0007】この発明は、従来技術のかかる問題点を解
決することを課題として検討した結果なされたものであ
り、この発明の目的は、特別の補強層を設けることなし
に、環状グループの迫り出しを十分に防止することがで
き、また、トレッドが完全に摩耗してもなお、所要に応
じたネガティブ率を確保することができる、空気入りラ
ジアルタイヤの製造方法を提供するにある。
決することを課題として検討した結果なされたものであ
り、この発明の目的は、特別の補強層を設けることなし
に、環状グループの迫り出しを十分に防止することがで
き、また、トレッドが完全に摩耗してもなお、所要に応
じたネガティブ率を確保することができる、空気入りラ
ジアルタイヤの製造方法を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の、空気入りラ
ジアルタイヤの製造方法は、トレッド踏面部のほぼ中央
部分、すなわち、中央部分もしくはその近傍部分に、深
さも幅もともに大きい環状グルーブを有する空気入りラ
ジアルタイヤを製造するに当り、たとえばベルト−トレ
ッド成型ドラム上でベルトを含むトレッドバンドを成型
して、筒状をなすそのトレッドバンドの幅方向のほぼ中
央部分に、ベルトおよびトレッドがともに半径方向内方
側へ窪む凹陥溝を設け、このトレッドバンドを、グリー
ンケースの外周側に嵌め合わせて成型して、幅方向のほ
ぼ中央部分に前記凹陥溝がそのまま存在するグリーンタ
イヤとするものであり、その後は、所要のトレッド踏面
部形状その他と対応する内表面形状を有する加硫金型を
用いてそのグリーンタイヤを加硫成形することにより、
ラジアルカーカスおよびベルトがともに半径方向内方へ
窪んだままの状態で所期した通りの環状グルーブを有す
る空気入りラジアルタイヤを製造する。
ジアルタイヤの製造方法は、トレッド踏面部のほぼ中央
部分、すなわち、中央部分もしくはその近傍部分に、深
さも幅もともに大きい環状グルーブを有する空気入りラ
ジアルタイヤを製造するに当り、たとえばベルト−トレ
ッド成型ドラム上でベルトを含むトレッドバンドを成型
して、筒状をなすそのトレッドバンドの幅方向のほぼ中
央部分に、ベルトおよびトレッドがともに半径方向内方
側へ窪む凹陥溝を設け、このトレッドバンドを、グリー
ンケースの外周側に嵌め合わせて成型して、幅方向のほ
ぼ中央部分に前記凹陥溝がそのまま存在するグリーンタ
イヤとするものであり、その後は、所要のトレッド踏面
部形状その他と対応する内表面形状を有する加硫金型を
用いてそのグリーンタイヤを加硫成形することにより、
ラジアルカーカスおよびベルトがともに半径方向内方へ
窪んだままの状態で所期した通りの環状グルーブを有す
る空気入りラジアルタイヤを製造する。
【0009】
【作用】この製造方法では、ベルトを含むトレッドバン
ドが、たとえばその成型時点において、タイヤの所要の
環状グルーブと対応する凹陥溝を有しており、その凹陥
溝は、トレッドバンドをグリーンケースに組み合わせて
グリーンタイヤとしてもなお、ラジアルカーカスその他
の変形下にてそのまま存在することから、そのグリーン
タイヤを加硫金型によって、それの内表面に正確に倣う
形状に加硫成形するに際して、凹陥溝部分、ひいては、
その部分に位置するベルト部分は、他のベルト部分と実
質的に均等に拡径されることになり、これがため、完成
タイヤにおいては、ベルト層コードの延在方法はトレッ
ド幅方向の全体にわたって実質的に均一となる。
ドが、たとえばその成型時点において、タイヤの所要の
環状グルーブと対応する凹陥溝を有しており、その凹陥
溝は、トレッドバンドをグリーンケースに組み合わせて
グリーンタイヤとしてもなお、ラジアルカーカスその他
の変形下にてそのまま存在することから、そのグリーン
タイヤを加硫金型によって、それの内表面に正確に倣う
形状に加硫成形するに際して、凹陥溝部分、ひいては、
その部分に位置するベルト部分は、他のベルト部分と実
質的に均等に拡径されることになり、これがため、完成
タイヤにおいては、ベルト層コードの延在方法はトレッ
ド幅方向の全体にわたって実質的に均一となる。
【0010】従って、その完成タイヤに所要の内圧を充
填しても、トレッド幅方向の特定部分だけが、他の部分
に比して、半径方向外方へとくに大きく膨出するおそれ
がなく、環状グルーブ、とくにはその溝底部分の迫出し
を極めて効果的に防止することができる。
填しても、トレッド幅方向の特定部分だけが、他の部分
に比して、半径方向外方へとくに大きく膨出するおそれ
がなく、環状グルーブ、とくにはその溝底部分の迫出し
を極めて効果的に防止することができる。
【0011】このようにここでは、ベルトの外周側に、
特別の押え込み補強層を配設することなしに、ベルトお
よびラジアルカーカスの凹陥状の変形の下で、完成タイ
ヤに、所期した通りの深さを有する環状グルーブを形成
することができるので、トレッドが完全に摩耗してもな
お、所要に応じたネガティブ率を確実に確保して必要な
ウェット性能を十分に発揮させ得ることは勿論、前記補
強層の存在に起因する、環状グルーブの深さの減少およ
び、トレッド幅方向での、ベルト層コードの延在方向の
不揃いの問題を有効に解決することができる。
特別の押え込み補強層を配設することなしに、ベルトお
よびラジアルカーカスの凹陥状の変形の下で、完成タイ
ヤに、所期した通りの深さを有する環状グルーブを形成
することができるので、トレッドが完全に摩耗してもな
お、所要に応じたネガティブ率を確実に確保して必要な
ウェット性能を十分に発揮させ得ることは勿論、前記補
強層の存在に起因する、環状グルーブの深さの減少およ
び、トレッド幅方向での、ベルト層コードの延在方向の
不揃いの問題を有効に解決することができる。
【0012】
【実施例】以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1は、この発明でいうトレッドバンドの成型
に用いることができるベルト−トレッド成型ドラムを示
す略線正面図であり、このドラムは、その幅方向の中央
部分に、曲線状の輪郭形状をもって半径方向内方へ窪む
一本の凹条1を有するとともに、その凹条1の各側部に
これも曲線状の輪郭形状をもって半径方向外方へ迫出す
凸状2を有し、これらのそれぞれの凸状2は、成形ドラ
ムの側端縁から、ドラム幅の1/4 の点、いかえれば、成
型されるトレッドバンドの側端縁から、バンド幅の1/4
に相当する位置A,Bに高さのピークを有する。
明する。図1は、この発明でいうトレッドバンドの成型
に用いることができるベルト−トレッド成型ドラムを示
す略線正面図であり、このドラムは、その幅方向の中央
部分に、曲線状の輪郭形状をもって半径方向内方へ窪む
一本の凹条1を有するとともに、その凹条1の各側部に
これも曲線状の輪郭形状をもって半径方向外方へ迫出す
凸状2を有し、これらのそれぞれの凸状2は、成形ドラ
ムの側端縁から、ドラム幅の1/4 の点、いかえれば、成
型されるトレッドバンドの側端縁から、バンド幅の1/4
に相当する位置A,Bに高さのピークを有する。
【0013】かかる成型ドラムを用いて、たとえば、サ
イズが225/50 ZR 16のタイヤのためのトレッドバンドを
成型する場合には、図示のように、凹状1の曲率半径を
30mm、凸条2の曲率半径を200mm とし、それぞれの凸条
ピーク位置A,B間の距離を110m、それらのピーク位置
A,Bを結ぶ線分に対する、凹条1の最大深さを15mmと
することができる。
イズが225/50 ZR 16のタイヤのためのトレッドバンドを
成型する場合には、図示のように、凹状1の曲率半径を
30mm、凸条2の曲率半径を200mm とし、それぞれの凸条
ピーク位置A,B間の距離を110m、それらのピーク位置
A,Bを結ぶ線分に対する、凹条1の最大深さを15mmと
することができる。
【0014】ところで、このような成型ドラム上でのト
レッドバンドの成型は、たとえば図2に断面図で示すよ
うに、内周側から順次に、二層の金属コードベルト層
3,4からなるベルト5と、そのベルト5とほぼ等幅
の、ナイロンコードからなる補強層6と、この補強層6
の側端部分だけに重なる、これもナイロンコードからな
る側部補強層7とを配設するとともに、それらの最外側
にトレッド8を積層することによって行うことができ、
このようにして成型したトレッドバンド9は成型ドラム
に設けた凹条1および凸条2の作用下で、その幅方向の
中央部分の外周面に、ベルト5およびトレッド8がとも
に半径方向内方に窪むことによって成形される凹陥溝10
を有することになる。
レッドバンドの成型は、たとえば図2に断面図で示すよ
うに、内周側から順次に、二層の金属コードベルト層
3,4からなるベルト5と、そのベルト5とほぼ等幅
の、ナイロンコードからなる補強層6と、この補強層6
の側端部分だけに重なる、これもナイロンコードからな
る側部補強層7とを配設するとともに、それらの最外側
にトレッド8を積層することによって行うことができ、
このようにして成型したトレッドバンド9は成型ドラム
に設けた凹条1および凸条2の作用下で、その幅方向の
中央部分の外周面に、ベルト5およびトレッド8がとも
に半径方向内方に窪むことによって成形される凹陥溝10
を有することになる。
【0015】以上のようにしてトレッドバンド9を成型
した後は、それをベルト−トレッド成型ドラム上から取
り外し、次いでそれを、他の成型ドラム上で成型したグ
リーンケースの外周側に嵌め合わせるととにも、それら
の両者を一体に成型して、図3に示すように、幅方向の
中央部分に前述した凹陥溝10がそのまま存在すグリーン
タイヤ11を構成する。
した後は、それをベルト−トレッド成型ドラム上から取
り外し、次いでそれを、他の成型ドラム上で成型したグ
リーンケースの外周側に嵌め合わせるととにも、それら
の両者を一体に成型して、図3に示すように、幅方向の
中央部分に前述した凹陥溝10がそのまま存在すグリーン
タイヤ11を構成する。
【0016】このグリーンタイヤ11は、それを、完成タ
イヤの所要の外輪郭形状と対応する内輪郭形状を有する
加硫金型によって加硫成形することによって、図4に、
幅方向断面図で示すように、トレッド幅方向の中央部分
に、所期した通りの幅および深さの環状グルーブ21を有
する完成タイヤ22とする。
イヤの所要の外輪郭形状と対応する内輪郭形状を有する
加硫金型によって加硫成形することによって、図4に、
幅方向断面図で示すように、トレッド幅方向の中央部分
に、所期した通りの幅および深さの環状グルーブ21を有
する完成タイヤ22とする。
【0017】ここでグリーンタイヤ11は、それが加硫金
型内で完成タイヤに加硫成形されるに際し、そのグリー
ンタイヤ11の、とくに完成タイヤ22のトレッド踏面部23
に相当する部分が、凹陥溝10の形成位置をも含めて全幅
にわたって十分均一に拡径されることになり、完成タイ
ヤ22のトレッド踏面部23の輪郭形状は、グリーンタイヤ
11の相当部分のそれに極めて近似したものになる。
型内で完成タイヤに加硫成形されるに際し、そのグリー
ンタイヤ11の、とくに完成タイヤ22のトレッド踏面部23
に相当する部分が、凹陥溝10の形成位置をも含めて全幅
にわたって十分均一に拡径されることになり、完成タイ
ヤ22のトレッド踏面部23の輪郭形状は、グリーンタイヤ
11の相当部分のそれに極めて近似したものになる。
【0018】従って、トレッド踏面部23を補強するベル
ト5は、環状グルーブ21と対応する部分においても他の
ベルト部分と同様に拡径されることになり、完成タイヤ
22への内圧の充填に際しては、その環状グルーブ21の内
周側でベルト7の外周側に、環状グルーブ21と対応する
部分だけを押え込む特別の押え込み補強層を配設する必
要なしに、環状グルーブ21、ひいては、その溝底部分の
迫り出しを極めて効果的に防止することができ、これが
ため、環状グルーブ21の深さを十分大ならしめることが
できる他、加硫成形および内圧充填のそれぞれにおい
て、その特別の補強層が、環状グルーブ21と対応するベ
ルト部分の拡径を拘束することに起因する、ベルト層コ
ードの延在方向の不揃いを解消して、それらの延在方向
を、ベルト幅の全体にわたってほぼ一定ならしめること
ができる。
ト5は、環状グルーブ21と対応する部分においても他の
ベルト部分と同様に拡径されることになり、完成タイヤ
22への内圧の充填に際しては、その環状グルーブ21の内
周側でベルト7の外周側に、環状グルーブ21と対応する
部分だけを押え込む特別の押え込み補強層を配設する必
要なしに、環状グルーブ21、ひいては、その溝底部分の
迫り出しを極めて効果的に防止することができ、これが
ため、環状グルーブ21の深さを十分大ならしめることが
できる他、加硫成形および内圧充填のそれぞれにおい
て、その特別の補強層が、環状グルーブ21と対応するベ
ルト部分の拡径を拘束することに起因する、ベルト層コ
ードの延在方向の不揃いを解消して、それらの延在方向
を、ベルト幅の全体にわたってほぼ一定ならしめること
ができる。
【0019】ところで、以上のようにして製造したタイ
ヤ22においてそれを規定リムに組み付けるとともに、規
定内圧を充填したときの環状グルーブ21の最大深さは13
mmであった。
ヤ22においてそれを規定リムに組み付けるとともに、規
定内圧を充填したときの環状グルーブ21の最大深さは13
mmであった。
【0020】(比較例)以下に、発明方法に従って製造
したサイズが225/50 ZR 16のタイヤと、従来方法によっ
て製造した同サイズのタイヤとのそれぞれを、7 1/2 J
のリムにリム組みするとともに、2.0 kgf/cm2 の内圧を
充填した場合における環状グルーブの迫出量の比較試験
について説明する。
したサイズが225/50 ZR 16のタイヤと、従来方法によっ
て製造した同サイズのタイヤとのそれぞれを、7 1/2 J
のリムにリム組みするとともに、2.0 kgf/cm2 の内圧を
充填した場合における環状グルーブの迫出量の比較試験
について説明する。
【0021】◎供試タイヤ ・発明タイヤ 実施例で述べたベルト−トレッド成型ドラムを用いて製
造したタイヤ。 ・従来タイヤ1 従来の一般的なベルト−トレッド成型ドラム、いいかえ
れば、凹条および凸条を有しない成型ドラムを用いて成
型した、発明タイヤと同様の補強構造のトレッドバンド
を用い、加硫成形によって環状グルーブを成形したタイ
ヤ。 ・従来タイヤ2 従来タイヤ1において、環状グルーブの内周側部分だけ
に、他の押え込み補強層を追加したタイヤ。
造したタイヤ。 ・従来タイヤ1 従来の一般的なベルト−トレッド成型ドラム、いいかえ
れば、凹条および凸条を有しない成型ドラムを用いて成
型した、発明タイヤと同様の補強構造のトレッドバンド
を用い、加硫成形によって環状グルーブを成形したタイ
ヤ。 ・従来タイヤ2 従来タイヤ1において、環状グルーブの内周側部分だけ
に、他の押え込み補強層を追加したタイヤ。
【0022】◎試験結果 これらのそれぞれのタイヤをリム組みして、内圧充填前
の環状グルーブの深さと、内圧充填後の深さとの差を測
定したところ、環状グルーブの迫出量は、発明タイヤお
よび従来タイヤ2ではともに0.2mm であるに対し、従来
タイヤ1では0.9mm であった。
の環状グルーブの深さと、内圧充填後の深さとの差を測
定したところ、環状グルーブの迫出量は、発明タイヤお
よび従来タイヤ2ではともに0.2mm であるに対し、従来
タイヤ1では0.9mm であった。
【0023】
【発明の効果】以上に述べたところから明らかなよう
に、この発明によれば、特別の押え込み補強層を付設す
ることなしに、内圧充填時の環状グルーブの迫出しを効
果的に防止することができ、その押え込み補強層を設け
る場合に比して環状グルーブの深さを一層深くすること
ができるとともに、ベルト層コードの延在方向を、ベル
トの全幅にわたって十分均一なものとすることができ
る。
に、この発明によれば、特別の押え込み補強層を付設す
ることなしに、内圧充填時の環状グルーブの迫出しを効
果的に防止することができ、その押え込み補強層を設け
る場合に比して環状グルーブの深さを一層深くすること
ができるとともに、ベルト層コードの延在方向を、ベル
トの全幅にわたって十分均一なものとすることができ
る。
【図1】この発明の実施に用いるベルト−トレッド成型
ドラムを例示する略線正面図である。
ドラムを例示する略線正面図である。
【図2】成型されたトレッドバンドを例示する断面図で
ある。
ある。
【図3】グリーンタイヤを示す図である。
【図4】完成タイヤの幅方向断面図である。
1 凹条 2 凸条 3,4 ベルト層 5 ベルト 6 補強層 7 側部補強層 8 トレッド 9 トレッドバンド 10 凹陥溝 11 グリーンタイヤ 21 環状グルーブ 22 完成タイヤ 23 トレッド踏面部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 21:00 B29L 30:00 4F
Claims (1)
- 【請求項1】 トレッド踏面部のほぼ中央部分に環状グ
ルーブを有する空気入りラジアルタイヤを製造するに当
り、 ベルトを含む筒状のトレッドバンドの幅方向のほぼ中央
部分に、ベルトおよびトレッドがともに半径方向内方に
窪む凹陥溝を設け、このトレッドバンドを、グリーンケ
ースの外側に嵌め合わせて成型して、幅方向のほぼ中央
部分に前記凹陥溝がそのまま存在するグリーンタイヤと
することを特徴とする空気入りラジアルタイヤの製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17834192A JP3210421B2 (ja) | 1992-07-06 | 1992-07-06 | 空気入りラジアルタイヤの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17834192A JP3210421B2 (ja) | 1992-07-06 | 1992-07-06 | 空気入りラジアルタイヤの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0623866A true JPH0623866A (ja) | 1994-02-01 |
JP3210421B2 JP3210421B2 (ja) | 2001-09-17 |
Family
ID=16046802
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17834192A Expired - Fee Related JP3210421B2 (ja) | 1992-07-06 | 1992-07-06 | 空気入りラジアルタイヤの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3210421B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0689100A1 (en) | 1994-06-22 | 1995-12-27 | Canon Kabushiki Kaisha | Carrier for electrophotography, two component type developer, and image forming method |
KR20050008400A (ko) * | 2003-07-12 | 2005-01-21 | 문명일 | 쌍날개식 고무턱 다이어 |
JP2006168067A (ja) * | 2004-12-14 | 2006-06-29 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | トレッドリングの形成方法及び形成装置 |
JP2016052761A (ja) * | 2014-09-04 | 2016-04-14 | 住友ゴム工業株式会社 | タイヤ成形用フォーマーおよびタイヤ成形方法 |
-
1992
- 1992-07-06 JP JP17834192A patent/JP3210421B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0689100A1 (en) | 1994-06-22 | 1995-12-27 | Canon Kabushiki Kaisha | Carrier for electrophotography, two component type developer, and image forming method |
KR20050008400A (ko) * | 2003-07-12 | 2005-01-21 | 문명일 | 쌍날개식 고무턱 다이어 |
JP2006168067A (ja) * | 2004-12-14 | 2006-06-29 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | トレッドリングの形成方法及び形成装置 |
JP2016052761A (ja) * | 2014-09-04 | 2016-04-14 | 住友ゴム工業株式会社 | タイヤ成形用フォーマーおよびタイヤ成形方法 |
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Publication number | Publication date |
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JP3210421B2 (ja) | 2001-09-17 |
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