JP2023065285A - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023065285000001
【課題】成型する装飾の断面形状に応じて帯状ゴム部材のゴム量を最適化する。
【解決手段】空気入りタイヤ10の製造方法は、装飾31Aの断面形状に応じて帯状ゴム部材58を成形し、帯状ゴム部材58をトレッドゴム55及びサイドウォールゴム59と一緒に巻き付けてグリーンタイヤ50を成形し、グリーンタイヤ50をタイヤ加硫金型80によって加硫成型する。帯状ゴム部材58は、断面台形状で、下辺58aから上辺58bまでの厚さtを、装飾31Aのタイヤ軸方向TAの寸法Sと断面形状に応じて設定するとともに、上辺58bの長さL1を、装飾31Aのタイヤ径方向TRの幅Wと断面形状に応じて設定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、空気入りタイヤの製造方法に関する。
特許文献1には、サイドウォールのタイヤ径方向外側のバットレス領域に突起等の装飾を備える空気入りタイヤの製造方法が開示されている。この製造方法では、装飾の成型領域でのゴム不足の発生抑制のために、グリーンタイヤにおける装飾の成型領域に帯状ゴム部材を追加して貼り付けている。
特開2009-39961号公報
装飾の成型に必要なゴム量は装飾の形状によって異なる。特許文献1の製造方法では、装飾の形状に応じて必要なゴム量について考慮されていない。
本発明は、成型する装飾の断面形状に応じて帯状ゴム部材のゴム量を最適化できる空気入りタイヤの製造方法を提供することを課題とする。
本発明の一態様は、断面台形状の帯状ゴム部材であって、下辺から上辺までの厚さを、サイドウォールのタイヤ径方向の外側のバットレス領域に設けられる突起又は凹みである装飾のタイヤ軸方向の寸法と断面形状に応じて設定するとともに、前記上辺の長さを、前記装飾の前記タイヤ径方向の幅と断面形状に応じて設定した帯状ゴム部材を準備し、前記サイドウォールを構成するサイドウォールゴムに対して前記装飾を成型する領域に位置するように前記帯状ゴム部材を配置してグリーンタイヤを成形し、前記グリーンタイヤを、前記装飾の断面形状に対応する成型部を有するタイヤ加硫金型によって加硫成型する、空気入りタイヤの製造方法を提供する。
装飾のタイヤ軸方向の寸法と断面形状に応じて帯状ゴム部材の厚さが設定され、装飾のタイヤ径方向の幅と断面形状に応じて帯状ゴム部材の上辺の長さが設定されている。つまり、装飾の断面形状に応じて、厚さと長さが異なる帯状ゴム部材が準備されるため、帯状ゴム部材のゴム量を最適化できる。よって、グリーンタイヤの加硫時、装飾の凹凸形状の角までゴムを行き渡らせることができるため、所望形状の装飾を成型できる。また、帯状ゴム部材はサイドウォールゴムに対して装飾を成型する領域に位置するように配置されるため、成形後のグリーンタイヤにはゴム部品を追加する必要はない。そのため、グリーンタイヤの成形時の作業性を向上できる。
前記装飾の断面形状が弓形又は台形の場合、前記帯状ゴム部材の前記厚さと前記長さは以下を満たす。
[数1]
1.5S≦t≦2.0S
0.75W≦L1≦1.25W
S:装飾のタイヤ軸方向の寸法
W:装飾のタイヤ径方向の幅
t:帯状ゴム部材の厚さ
L1:帯状ゴム部材の上辺の長さ
前記装飾の断面形状が三角形の場合、前記帯状ゴム部材の前記厚さと前記長さは以下を満たす。
[数2]
1.0S≦t≦1.5S
0.75W≦L1≦1.25W
S:装飾のタイヤ軸方向の寸法
W:装飾のタイヤ径方向の幅
t:帯状ゴム部材の厚さ
L1:帯状ゴム部材の上辺の長さ
帯状ゴム部材の厚さと長さを過度に大きくすると、成形したグリーンタイヤのゴム部材間に過度な凹凸(段差)が生じるため、成型した空気入りタイヤに空気溜りが生じる虞がある。一方、帯状ゴム部材の厚さと長さを過度に小さくすると、成型した空気入りタイヤの装飾の周辺に厚さ不足の部分が生じる虞がある。これに対して、装飾の形状に応じて帯状ゴム部材の厚さと長さが前述の範囲に設定されているため、空気溜り及び厚さ不足等の問題の発生を抑制できる。
前記帯状ゴム部材は、前記下辺の長さが前記上辺の長さよりも長く、トレッドを構成するトレッドゴムの両側に前記下辺側を貼り付けた状態で巻き付けられる。
帯状ゴム部材は、トレッドゴムの両側に下辺側が貼り付けられた状態で巻き付けられるため、グリーンタイヤの成形時の巻付作業性を向上できる。
前記帯状ゴム部材を巻き付けた後、前記帯状ゴム部材の前記タイヤ軸方向の外側に一部が重なるように前記サイドウォールゴムを巻き付ける。
又は、前記タイヤ径方向における前記サイドウォールゴムの外側部分の前記タイヤ軸方向の外側に、前記帯状ゴム部材を巻き付ける。
サイドウォールゴムのタイヤ軸方向の内側又は外側に帯状ゴム部材を巻き付けている。そのため、バットレス領域に対応する装飾成型領域に帯状ゴム部材を確実に配置できる。これにより、装飾成型領域のゴム量を確保できるため、所望形状の装飾を確実に成型できる。
前記サイドウォールのうち前記タイヤ軸方向の外側に最も突出した最大幅位置から、トレッドの踏面のうち前記タイヤ軸方向の最も外側に位置する外端までの前記バットレス領域の径方向範囲を1としたときに、前記最大幅位置を基準として0.3以上0.8以下の範囲に前記装飾を成型する。
バットレス領域の径方向範囲を1としたときに、装飾は、最大幅位置を基準として0.3以上0.8以下の範囲に成型されているため、空気入りタイヤの側面の美観を向上できる。
本発明では、成型する装飾の断面形状に応じて帯状ゴム部材のゴム量を最適化できる。
本発明の第1実施形態に係る製造方法によって製造した空気入りタイヤの斜視図。 図1のII部分の拡大斜視図。 加硫前のグリーンタイヤとタイヤ加硫金型を示す断面図。 図3のトレッドゴムを示す断面図。 図3の帯状ゴム部材を示す断面図。 図4のトレッドゴムに図5の帯状ゴム部材を貼着した断面図。 グリーンタイヤを加硫した状態を示す断面図。 第2実施形態のグリーンタイヤとタイヤ加硫金型を示す断面図。 第3実施形態の空気入りタイヤを示す図2と同様の斜視図。 第3実施形態のグリーンタイヤとタイヤ加硫金型を示す断面図。 第4実施形態の空気入りタイヤを示す図2と同様の斜視図。 第4実施形態のグリーンタイヤとタイヤ加硫金型を示す断面図。 第5実施形態の空気入りタイヤを示す図2と同様の斜視図。 第5実施形態のグリーンタイヤとタイヤ加硫金型を示す断面図。 第6実施形態の空気入りタイヤを示す図2と同様の斜視図。 第6実施形態のグリーンタイヤとタイヤ加硫金型を示す断面図。 第7実施形態の空気入りタイヤを示す図2と同様の斜視図。 第7実施形態のグリーンタイヤとタイヤ加硫金型を示す断面図。 第8実施形態の空気入りタイヤを示す図2と同様の斜視図。 第8実施形態のグリーンタイヤとタイヤ加硫金型を示す断面図。 製造する空気入りタイヤの変形例を示す斜視図。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る製造方法によって製造した空気入りタイヤ10を示す。空気入りタイヤ10は、バットレス領域30に装飾31Aを備える。図3を参照すると、加硫前のグリーンタイヤ50には、装飾31Aを成型する領域(装飾成型領域)50aに帯状ゴム部材58が配置されている。本発明では、装飾31Aの断面形状に応じて異なる帯状ゴム部材58を準備し、バットレス領域30に対応する装飾成型領域50aのゴム量を最適化する。
まず、図1及び図2を参照して空気入りタイヤ10の構成について説明する。
図1及び図2には、タイヤ軸方向を符号TAで示し、タイヤ径方向を符号TRで示し、タイヤ周方向を符号TCで示し、タイヤ赤道線を符号CLで示している。図1の子午線断面図は、空気入りタイヤ10の右側のみを示しており、空気入りタイヤ10の左側は、タイヤ赤道線CLに対して図1と対称に表れる。
図1を参照すると、空気入りタイヤ10は、乗用車用の空気入りタイヤの直径よりも直径が大きいライトトラック用である。但し、本発明は、このような用途に限定されるものではない。
空気入りタイヤ10は、トレッド11、一対のサイドウォール12、及び一対のビード部(図示せず)を備える。一対のビード部間には、カーカス14が設けられている。カーカス14の内側にはインナーライナー15が設けられている。
トレッド11は、タイヤ軸方向TAに延びる円筒状である。トレッド11では、カーカス14のタイヤ径方向TRの外側に、積層した3枚のベルト17A,17B,17Cからなるベルト層16が設けられている。トレッド11のタイヤ軸方向TAの外側(タイヤ赤道線CLから離れる向き)では、ベルト層16のタイヤ径方向TRの内側にパッド18が設けられている。ベルト層16のタイヤ径方向TRの外側には、トレッドゴム層19が設けられている。
パッド18は、タイヤ径方向TRの最も内側に位置するベルト17Aとカーカス14の間に設けられている。詳しくは、トレッド11のタイヤ軸方向TAの外側では、ベルト層16はタイヤ軸方向TAに延びている。カーカス14は、タイヤ軸方向TAの外側に向かうに従って、タイヤ径方向TRの内側へ湾曲し、ベルト17Aから離れている。パッド18は、次第に離間するベルト17Aとカーカス14の間を補完している。
トレッドゴム層19は、ベルト層16のタイヤ径方向TRの外側に設けられたベース20と、ベース20のタイヤ径方向TRの外側に設けられたキャップ21とを備える。ベース20は、タイヤ軸方向TAにおいてベルト層16の外端よりも外側へ突出した後、タイヤ径方向TRの内側へ延び、パッド18のタイヤ軸方向TAの外側に重ねられている。キャップ21は、空気入りタイヤ10においてタイヤ径方向TRの最も外側に位置する。キャップ21には、タイヤ周方向TCに延びる複数の主溝11aと、タイヤ軸方向TAに延びる横溝(図示せず)とが設けられている。キャップ21のタイヤ径方向TRの外側面が路面に接地する踏面11bであり、踏面11bのタイヤ軸方向TAの最も外側に位置する部分が踏面11bの外端11cである。
個々のサイドウォール12は、トレッド11のタイヤ軸方向TAの端に連なり、タイヤ径方向TRの内側へ延びている。本明細書におけるサイドウォール12とは、インナーライナー15のうちタイヤ径方向TRの最も外側に位置する部分、つまりインナーライナー15の内側面とタイヤ赤道線CLの交点よりもタイヤ径方向TRの内側の部分として定義される。そのため、パッド18及びベース20それぞれの一部は、サイドウォール12の一部を構成する。
サイドウォール12では、カーカス14のタイヤ軸方向TAの外側に、サイドウォールゴム層22が設けられている。サイドウォールゴム層22は、タイヤ軸方向TAの最も外側において、キャップ21からビード部まで延びている。より具体的には、サイドウォールゴム層22は、タイヤ径方向TRの外側から、キャップ21、ベース20、パッド18、及びカーカス14の順で、それぞれのタイヤ軸方向TAの外側を覆っている。
サイドウォールゴム層22のうち、図1にクロスハッチングで示す外側部分22aは、後述するサイドウォールゴム59と帯状ゴム部材58からなる(図3参照)。外側部分22aは、成分が同じゴムで成形されたサイドウォールゴム59と帯状ゴム部材58が加硫によって一体化した構成である。サイドウォールゴム層22のうち、図1に右上がりのハッチングで示す内側部分22bは、サイドウォールゴム59のみで構成されている。
以上の基本構造を有する空気入りタイヤ10には、サイドウォール12のタイヤ径方向TRの外側にバットレス領域30が設定され、このバットレス領域30に装飾31Aが設けられている。
バットレス領域30は、サイドウォール12のうちタイヤ軸方向TAの外側に最も突出した最大幅位置12aから、トレッド11の外端11cまでの径方向範囲である。つまり、バットレス領域30は、トレッド11のタイヤ軸方向TAの外側面と、サイドウォール12の外側面の一部とで構成される。平坦な舗装路での通常走行時、バットレス領域30は接地しない。
装飾31Aは、バットレス領域30の径方向範囲(H)を1としたとき、サイドウォール12の最大幅位置12a、つまりバットレス領域30のタイヤ径方向TRの内端を基準として、0.3以上0.8以下の範囲(h)に成型されている(0.3H≦h≦0.8H)。この定められた範囲の上限を超える部分に成型した装飾31Aは踏面11bに近づき過ぎ、定められた範囲の下限を下回る部分に成型した装飾31Aはビード部に近づき過ぎる。よって、いずれの場合でも、装飾31Aによる装飾性が低下する。そのため、装飾31Aは、上記定められた範囲に成型することが好ましい。本実施形態では、上記定められた範囲(h)のうち、バットレス領域30の径方向範囲(H)の中央(0.5H)よりもタイヤ径方向TRの外側に、装飾31Aが成型されている。
図2を参照すると、装飾31Aは、バットレス領域30の曲面状の表面30aからタイヤ軸方向TAの外側へ突出した突起からなる。装飾31Aは、断面弓形状であり、タイヤ軸方向TAの外側から見ると、円環状をなすようにタイヤ周方向TCに連続して設けられている。装飾31Aは、それぞれ円環状の内縁31aと外縁31bを介して表面30aに連なっている。
装飾31Aのタイヤ軸方向TAの厚さ(寸法)S、より具体的には、バットレス領域30の表面30aから装飾31Aの最大幅位置までの装飾31Aの径方向の厚さSは、0.3mm以上4.0mm以下の範囲に設定される。装飾31Aのタイヤ径方向TRの幅W、より具体的には、内縁31aから外縁31bまでの装飾31Aの幅Wは、1mm以上50mm以下の範囲に設定される。装飾31Aの厚さSと幅Wを過度に大きくした場合、及び装飾31Aの厚さSと幅Wを過度に小さくした場合のいずれでも、装飾31Aによる装飾性が損なわれる。そのため、装飾31Aの厚さSと幅Wは、上記定められた範囲に設定することが好ましい。
次に、以上の構成の空気入りタイヤ10の製造方法について説明する。
まず、図1に示すトレッド11、サイドウォール12、及びビード部を構成するタイヤ構成部材を準備する。続いて、成形ドラム(図示せず)にタイヤ構成部材を所定の順番で巻き付けて、グリーンタイヤ50を成形する(図3参照)。最後に、タイヤ加硫金型80を備える加硫成型機によってグリーンタイヤ50を加硫する(図7参照)。
図3を参照すると、トレッド11とサイドウォール12を構成するタイヤ構成部材は、図1に示すカーカス14、インナーライナー15、ベルト17A~17C、パッド18、トレッドゴム層19、及びサイドウォールゴム層22に対応する、カーカスプライ51、インナーライナーゴム52、ベルトプライ53A~53C、パッドゴム54、トレッドゴム55、及びサイドウォールゴム59を備える。
これらのタイヤ構成部材のうち、トレッドゴム55は、ベースゴム56とキャップゴム57を備える。トレッドゴム55には、トレッドゴム55とは別に成形された帯状ゴム部材58が一体に貼り付けられている。
図4を参照すると、ベースゴム56は、下辺56a、上辺56b、及び一対の側辺56cによって画定された断面形状を有し、図4において紙面に直交する方向へ延びている。下辺56aは直線状に延びている。上辺56bは、図4において左右方向である幅方向の中央から両側に向けて上側へ傾斜している。一対の側辺56cは、下辺56aの端から上辺56bの端に向けて幅方向の中央側へ傾斜している。
引き続いて図4を参照すると、キャップゴム57は、下辺57a、上辺57b、及び一対の側辺57cによって画定された断面形状を有し、図4において紙面に直交する方向へ延びている。下辺57aは、ベースゴム56の上辺56bに対応する形状である。上辺57bは、図4において左右方向である幅方向の両側を突出させた形状である。キャップゴム57の両側は、図2に示すトレッド11の外端11cを成型する部分であり、タイヤ加硫金型80の対応する角82c(図7参照)にゴムを十分に行き渡らせるために、ゴム量を確保可能な突出形状としている。一対の側辺57cは、下辺57aの端から上辺57bの端に向けて幅方向の中央側へ傾斜している。側辺57cの傾斜角度は、ベースゴム56の側辺56cの傾斜角度と概ね同じであり、キャップゴム57の側辺57cは、ベースゴム56の側辺56cに対して概ね直線状に延びている。
ベースゴム56とキャップゴム57は、成分が異なるゴムからなり、ベースゴム56用の第1口部の上に、キャップゴム57用の第2口部が形成された口金を備える押出機(図示せず)によってそれぞれ押し出された後、一体に貼り付けられている。
図3を参照すると、帯状ゴム部材58は、装飾31A(図2参照)を成型する装飾成型領域50aのゴム量を確保するために設けられている。装飾成型領域50aは、図1に示すバットレス領域30に対応する。本実施形態の帯状ゴム部材58は、トレッドゴム55とサイドウォールゴム59の間に配置され、一部が表面に露出している。
帯状ゴム部材58は、押出機(図示せず)によってベースゴム56及びキャップゴム57とは別に成形されている。帯状ゴム部材58は、ベースゴム56及びキャップゴム57とは成分が異なるゴムからなり、本実施形態ではサイドウォールゴム59と成分が同じゴムによって成形されている。
図5を参照すると、帯状ゴム部材58は、断面台形状で、下辺58a、上辺58b、第1側辺58c、及び第2側辺58dによって画定され、図5において紙面に直交する方向へ延びている。下辺58aの長さは上辺58bの長さよりも長い。上辺58bは下辺58aに沿って延びている。第1側辺58cの長さは第2側辺58dの長さよりも長い。第1側辺58cは、面取り58eを介して下辺58aの一端に連なるとともに、上辺58bの一端に連なっている。第2側辺58dは、面取り58eを介して下辺58aの他端に連なるとともに、上辺58bの他端に連なっている。但し、面取り58eを設けずに、下辺58aと側辺58c,58dが直接連なっていてもよい。
図6を参照すると、帯状ゴム部材58は、ベースゴム56の側辺56cとキャップゴム57の側辺57c、つまりトレッドゴム55の側辺(シート状のトレッドゴム55の両側)に、下辺58aを重ねて貼り付けられる。また、キャップゴム57の側辺57cのうちベースゴム56とは反対側の端に、第1側辺58c側の外端が配置され、ベースゴム56から突出するように帯状ゴム部材58が配置されている。
図5を参照すると、下辺58aから上辺58bまでの帯状ゴム部材58の厚さtは、図2に示す装飾31Aの厚さ(寸法)Sと、装飾31Aの断面形状とに基づいて設定される。上辺58bの長さL1は、図2に示す装飾31Aの幅Wと、装飾31Aの断面形状とに基づいて設定される。下辺58aの長さL2と第1側辺58cの長さL3とは、図4に示すベースゴム56の側辺56cの長さとキャップゴム57の側辺57cの長さ、つまりトレッドゴム55の側辺の長さに基づいて設定される。
具体的には、図2に示すように装飾31Aの断面形状が弓形の突起の場合、図5に示す帯状ゴム部材58の厚さtと長さL1は、以下を満たすように設定される。
[数3]
1.5S≦t≦2.0S
0.75W≦L1≦1.25W
S:装飾のタイヤ軸方向の寸法
W:装飾のタイヤ径方向の幅
t:帯状ゴム部材の厚さ
L1:帯状ゴム部材の上辺の長さ
帯状ゴム部材58の厚さtと長さL1を過度に大きくすると、図3に示す成形後のグリーンタイヤ50のゴム部材間に過度な凹凸(段差)が生じるため、成型した空気入りタイヤ10に空気溜りが生じる虞がある。一方、帯状ゴム部材58の厚さtと長さL1を過度に小さくすると、成型した空気入りタイヤ10における装飾31Aの周辺に厚さ不足の部分が生じる虞がある。これらの不都合を防ぐために、装飾31Aの断面形状が弓形の場合、帯状ゴム部材58の厚さtと長さL1は、上記定められた範囲に設けることが好ましい。
図5に示す帯状ゴム部材58の下辺58aの長さL2は、図4に示すトレッドゴム55の側辺56c,57cの長さよりも長い。トレッドゴム55の側辺56c,57cの長さをL0とすると、帯状ゴム部材58の下辺58aの長さL2と第1側辺58cの長さL3とは、以下を満たすように設定される。
[数4]
1.1L0≦L2≦1.5L0
0.8L0≦L3≦1.2L0
L0:トレッドゴムの側辺の長さ
L2:帯状ゴム部材の下辺の長さ
L3:帯状ゴム部材の第1側辺の長さ
帯状ゴム部材58の下辺58aの長さL2と第1側辺58cの長さL3を過度に短くした場合、及びこれらの長さL2,L3を過度に長くした場合、帯状ゴム部材58の最も厚い部分である上辺58bを、装飾成型領域50aに配置するのが困難になる。このような不都合を防ぐために、帯状ゴム部材58の下辺58aの長さL2と第1側辺58cの長さL3は、上記定められた範囲に設けることが好ましい。
次に、グリーンタイヤ50の成形方法について説明する。
まず、成形ドラム上にサイドウォールゴム59、インナーライナーゴム52、カーカスプライ51、及びビード部の構成部品を巻き付けた後、カーカスプライ51上にパッドゴム54を巻き付ける。この状態で、成形ドラムをインフレート(拡張)し、サイドウォールゴム59が成形ドラムの径方向に延びた状態とする。
続いて、ベルトプライ53A,53Bの一部がパッドゴム54上に重なるように、カーカスプライ51上にベルトプライ53A,53B,53Cを順番に巻き付ける。続いて、ベルトプライ53Cとパッドゴム54を覆うように、帯状ゴム部材58を一体に貼り付けたトレッドゴム55(ベースゴム56とキャップゴム57)を巻き付ける。
続いて、サイドウォールゴム59をターンアップすることで、図3に示すように、サイドウォールゴム59がカーカスプライ51、パッドゴム54、及び帯状ゴム部材58の外側に重ねられる。これにより、サイドウォールゴム59のうちタイヤ径方向TRの最も内側に位置していた先端(自由端)が、タイヤ径方向TRの最も外側に位置する。つまり、帯状ゴム部材58の巻付後、帯状ゴム部材58のタイヤ軸方向TAの外側に一部が重なるように、サイドウォールゴム59が巻き付けられる。
ここで、図1を参照すると、本実施形態の装飾31Aは、バットレス領域30の径方向範囲Hのうち、中央(0.5H)よりもタイヤ径方向TRの外側に設けられている。そのため、図3に示すように、帯状ゴム部材58は、タイヤ径方向TRにおいてサイドウォールゴム59の外端よりも外側へ突出した状態で配置される。これは、帯状ゴム部材58を装飾31Aの成型位置に対応させるためである。
続いて、キャップゴム57及びサイドウォールゴム59等の外表面に圧接ローラ(図示せず)を押し当て、ゴム間のエア抜きを行うことで、グリーンタイヤ50が完成する。その後、タイヤ加硫金型80によってグリーンタイヤ50を加硫することで、空気入りタイヤ10が完成する。
図3及び図7を参照すると、タイヤ加硫金型80は、トレッド11の外表面を成型するセクタモールド81、サイドウォール12の外表面とビード部の外表面を成型する一対のサイドモールド83、及び空気入りタイヤ10の内表面を成型するブラダ85を備える。
セクタモールド81は、円筒状であり、図3及び図7では軸線が水平方向に延びるように図示しているが、実際には軸線が垂直方向に延びるように配置されている。セクタモールド81は、周方向に分割した複数のセクタ82を備える。個々のセクタ82は、セクタモールド81の軸線を中心として径方向に移動可能である。セクタ82には、図1に示す踏面11bを成型する成型面82a、及び図1に示す主溝11aと横溝(図示せず)を成型する突起82bが設けられている。
一対のサイドモールド83はそれぞれ、円環状であり、セクタモールド81の軸方向の両側に配置されている。一対のサイドモールド83のうち、図示しない一方側は移動不可能に固定され、図示している他方側はセクタモールド81の軸線に沿って移動可能である。個々のサイドモールド83には、図1に示すサイドウォール12の表面とビード部の表面を成型する成型面83a、及び装飾31Aを成型する成型部84Aが設けられている。
成型部84Aは、図2に示す装飾31Aの断面形状に対応する形状であり、本実施形態では断面弓形状の窪み(凹)で構成され、環状溝に延びている。成型面83aと成型部84Aは、連続部84aを介して連なっている。連続部84aは、図2に示す装飾31Aの縁31a,31bに対応するエッジ(凸)である。
ブラダ85は、セクタモールド81内に配置され、図示しない給気装置によって膨張及び収縮が可能である。
次に、タイヤ加硫金型80によるグリーンタイヤ50の加硫について説明する。
まず、型開きしたタイヤ加硫金型80内にグリーンタイヤ50を配置し、タイヤ加硫金型80を型締めして加硫を開始する。型締めによってキャップゴム57、帯状ゴム部材58、及びサイドウォールゴム59は、セクタモールド81とサイドモールド83によって押圧される。この押圧によって、キャップゴム57は成型面82aに沿って流れ、帯状ゴム部材58とサイドウォールゴム59は成型面83aに沿って流れる。
成型部84Aが形成された部分では、加硫によって帯状ゴム部材58とサイドウォールゴム59が一体化して流れ、成型部84A内に入り込む。帯状ゴム部材58によってゴム量が確保されているため、成型部84Aの容積を超える余剰のゴムは、成型部84Aから成型面83aへ流れる。これにより、連続部84aにもゴムが十分に行き渡る。
加硫が完了すると、タイヤ加硫金型80を型開きし、空気入りタイヤ10を取り出す。これにより、図1及び図7に示すように、設計通りの空気入りタイヤ10が完成する。
このようにした空気入りタイヤ10の製造方法は、以下の特徴を有する。
装飾31Aのタイヤ軸方向TAの寸法(厚さ)Sと断面形状に応じて帯状ゴム部材58の厚さtが設定され、装飾31Aのタイヤ径方向TRの幅Wと断面形状に応じて帯状ゴム部材58の上辺58bの長さL1が設定されている。つまり、装飾31Aの断面形状に応じて、厚さtと長さL1が異なる帯状ゴム部材58が準備されるため、帯状ゴム部材58のゴム量を最適化できる。よって、グリーンタイヤ50の加硫時、装飾31Aの凹凸形状の角までゴムを行き渡らせることができるため、所望形状の装飾31Aを成型できる。また、帯状ゴム部材58は、サイドウォールゴム59に対して装飾31Aを成型する領域50aに位置するように配置されるため、成形後のグリーンタイヤ50にはゴム部品を追加する必要はない。そのため、グリーンタイヤ50の成形時の作業性を向上できる。
装飾31Aの断面形状が弓形の場合、帯状ゴム部材58の厚さtは、装飾31Aのタイヤ軸方向TAの寸法Sの1.5倍以上2.0倍以下に設定され、帯状ゴム部材58の上辺58bの長さL1は、装飾31Aのタイヤ径方向TRの幅Wの0.75倍以上1.25倍以下に設定されている。これにより、帯状ゴム部材58のゴム量を最適化できるため、成型した空気入りタイヤ10に空気溜りが生じること、及び装飾31Aの周辺に厚さ不足の部分が生じることを抑制できる。
帯状ゴム部材58は、下辺58aの長さが上辺58bの長さよりも長く、トレッドゴム55の幅方向の両側に下辺58a側が貼り付けられた状態で巻き付けられる。そのため、グリーンタイヤ50の成形時の巻付作業性を向上できる。
帯状ゴム部材58を巻き付けた後、帯状ゴム部材58のタイヤ軸方向TAの外側に一部が重なるようにサイドウォールゴム59を巻き付けている。そのため、バットレス領域30に対応する装飾成型領域50aに帯状ゴム部材58を確実に配置できる。これにより、装飾成型領域50aのゴム量を確保できるため、所望形状の装飾31Aを確実に成型できる。
バットレス領域30の径方向範囲Hを1としたときに、装飾31Aは、最大幅位置12aを基準として0.3以上0.8以下の範囲に成型されている。そのため、空気入りタイヤ10の側面の美観を向上できる。
以下、本発明の他の実施形態並びに種々の変形例を説明するが、これらの説明において、特に言及しない点は第1実施形態と同様である。以下で言及する図面において、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付している。
(第2実施形態)
図8は、第2実施形態に係る製造方法によって成形したグリーンタイヤ50、及びタイヤ加硫金型80を示す。この図8を参照すると、第2実施形態では、成型部84Aの位置を変更した点、タイヤ径方向TRにおけるサイドウォールゴム59の配置と帯状ゴム部材58の配置を変更した点で、第1実施形態と相違する。
具体的には、図1に示すバットレス領域30の径方向範囲Hのうち、上記定められた範囲(0.3H≦h≦0.8H)内、かつ中央(0.5H)よりもタイヤ径方向TRの内側に装飾31Aを設けるために、成型部84Aは、サイドモールド83のうち、第1実施形態の装飾31Aよりもセクタモールド81から離れた位置に設けられている。
この場合、グリーンタイヤ50では、装飾成型領域50aのうちタイヤ径方向TRの外側よりも内側の方が、必要なゴム量が多くなる。そのため、トレッドゴム55に対する帯状ゴム部材58の貼り付け位置を変更、又はトレッドゴム55のタイヤ軸方向TAの寸法を変更し、装飾成型領域50aのうちタイヤ径方向TRの内側部分に帯状ゴム部材58を配置している。また、タイヤ径方向TRにおいて、サイドウォールゴム59の外端を帯状ゴム部材58の外端よりも外側に配置している。
(第3実施形態)
図9は第3実施形態の製造方法によって製造した空気入りタイヤ10を示し、図10は第3実施形態のグリーンタイヤ50とタイヤ加硫金型80を示す。この第3実施形態では、帯状ゴム部材58の成分を変更した点、及びグリーンタイヤ50を成形する際の巻付順を変更した点で、第1実施形態と相違する。
具体的には、図10に示す帯状ゴム部材58は、ベースゴム56、キャップゴム57、及びサイドウォールゴム59のいずれとも異なる成分のゴムで成形されている。
図9を参照すると、空気入りタイヤ10のタイヤ軸方向TAの外側では、サイドウォールゴム層22の外側部分22aのうちタイヤ径方向TRの最も外側に位置する部分が、パッド18とベース20の間に配置されている。タイヤ軸方向TAの最も外側では、サイドウォールゴム層22のタイヤ径方向TRの外側に、帯状ゴム部材58によるゴム層35が設けられている。
図10を参照すると、サイドウォールゴム59のうちタイヤ径方向TRの最も外側に位置する部分は、パッドゴム54とベースゴム56の間に巻き付けられている。これは、帯状ゴム部材58を含むトレッドゴム55を巻き付ける前に、サイドウォールゴム59をターンアップすることによる。
ターンアップ後に帯状ゴム部材58を一体に貼り付けたトレッドゴム55を巻き付ける。これにより、サイドウォールゴム59のうちタイヤ径方向TRの外側の一部分に対して、帯状ゴム部材58がタイヤ軸方向TAの外側に巻き付けられる。その後、第1実施形態と同様に、圧接ローラ(図示せず)によってエア抜きを行うことでグリーンタイヤ50が完成し、このグリーンタイヤ50をタイヤ加硫金型80によって加硫することで空気入りタイヤ10が完成する。
以上のように構成された第2実施形態と第3実施形態では、第1実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。なお、第3実施形態の製造方法では、サイドウォールゴム59と帯状ゴム部材58が同じ成分のゴムで成形されてもよい。また、第3実施形態の製造方法でも、第2実施形態のようにタイヤ径方向TRにおける帯状ゴム部材58の配置を変更できる。
装飾は、断面弓形状の突起からなる構成に限られず、以下の第4実施形態から第8実施形態に示す断面形状としてもよいし、その他の断面形状としてもよく、必要に応じて変更が可能である。
(第4実施形態)
図11は第4実施形態の製造方法によって製造した空気入りタイヤ10を示し、図12は第4実施形態のグリーンタイヤ50とタイヤ加硫金型80を示す。
図11を参照すると、第4実施形態の装飾31Bは、バットレス領域30の表面30aからタイヤ軸方向TAの内側(タイヤ赤道線CLに近づく向き)へ陥没した凹みからなる。装飾31Bは、断面弓形状であり、円環状をなすようにタイヤ周方向TCに延びている。
図12を参照すると、成型部84Bは、図11に示す装飾31Bの断面形状に対応する形状であり、本実施形態では断面弓形状の突起(凸)で構成され、環状溝に延びている。成型面83aに連なる成型部84Bの連続部84aは、図11に示す装飾31Bの縁31a,31bに対応する窪み(凹)である。
この第4実施形態の帯状ゴム部材58の厚さtと長さL1は、第1実施形態と同様に、装飾31Bのタイヤ軸方向TAの寸法(深さ)S、タイヤ径方向TRの幅W、及び断面形状に基づいて設定される。具体的には、装飾31Bの断面形状が弓形の凹みの場合、断面形状が弓形の突起からなる第1実施形態の装飾31Aと同じである。つまり、帯状ゴム部材58の厚さtは、装飾31Bのタイヤ軸方向TAの寸法Sの1.5倍以上2.0倍以下に設定され、帯状ゴム部材58の上辺58bの長さL1は、装飾31Bのタイヤ径方向TRの幅Wの0.75倍以上1.25倍以下に設定される。
凹みからなる装飾31Bの場合、成型部84Bの頂部でゴムが流れ過ぎて、装飾31Bの底の厚さが薄くなる傾向にある。このような不都合を防ぐために、凹みからなる装飾31Bの場合でも、突起からなる装飾31Aと同様の帯状ゴム部材58を用いている。
このように構成した第4実施形態では、装飾31Bの底部分のゴム量を確保できるため、厚さが薄くなる部分が生じることを抑制できる。しかも、図12に示す窪みからなる連続部84aに、ゴムを十分に行き渡らせることができる。よって、所望形状の装飾31Bを確実に成型できる。
(第5実施形態)
図13は第5実施形態の製造方法によって製造した空気入りタイヤ10を示し、図14は第5実施形態のグリーンタイヤ50とタイヤ加硫金型80を示す。
図13を参照すると、第5実施形態の装飾31Cは、バットレス領域30の表面30aからタイヤ軸方向TAの外側へ突出する突起からなる。装飾31Cは、断面台形状であり、円環状をなすようにタイヤ周方向TCに延びている。
図14を参照すると、成型部84Cは、図13に示す装飾31Cの断面形状に対応する断面台形状の窪み(凹)で構成され、環状溝に延びている。成型面83aに連なる成型部84Cの連続部84aは、図13に示す装飾31Cの縁31a,31bに対応するエッジ(凸)である。
装飾31Cが断面台形形状の突起の場合、図5に示す帯状ゴム部材58の厚さtは、装飾31Cのタイヤ軸方向TAの寸法(厚さ)Sの1.5倍以上2.0倍以下に設定され、帯状ゴム部材58の上辺58bの長さL1は、装飾31Cのタイヤ径方向TRの幅Wの0.75倍以上1.25倍以下に設定されている。
(第6実施形態)
図15は第6実施形態の製造方法によって製造した空気入りタイヤ10を示し、図16は第6実施形態のグリーンタイヤ50とタイヤ加硫金型80を示す。
図15を参照すると、第6実施形態の装飾31Dは、バットレス領域30の表面30aからタイヤ軸方向TAの内側へ陥没した凹みからなる。装飾31Dは、断面台形状であり、円環状をなすようにタイヤ周方向TCに延びている。
図16を参照すると、成型部84Dは、図15に示す装飾31Dの断面形状に対応する断面台形状の突起(凸)で構成され、環状溝に延びている。成型面83aに連なる成型部84Dの連続部84aは、図15に示す装飾31Dの縁31a,31bに対応する窪み(凹)である。
装飾31Dが断面台形状の凹みの場合、図5に示す帯状ゴム部材58の厚さtは、装飾31Dのタイヤ軸方向TAの寸法(深さ)Sの1.5倍以上2.0倍以下に設定され、帯状ゴム部材58の上辺58bの長さL1は、装飾31Dのタイヤ径方向TRの幅Wの0.75倍以上1.25倍以下に設定されている。
(第7実施形態)
図17は第7実施形態の製造方法によって製造した空気入りタイヤ10を示し、図18は第7実施形態のグリーンタイヤ50とタイヤ加硫金型80を示す。
図17を参照すると、第7実施形態の装飾31Eは、バットレス領域30の表面30aからタイヤ軸方向TAの外側へ突出する突起からなる。装飾31Eは、断面三角形状であり、円環状をなすようにタイヤ周方向TCに延びている。
図18を参照すると、成型部84Eは、図17に示す装飾31Eの断面形状に対応する断面三角形状の窪み(凹)で構成され、環状溝に延びている。成型面83aに連なる成型部84Eの連続部84aは、図17に示す装飾31Eの縁31a,31bに対応するエッジ(凸)である。
装飾31Eが断面三角形状の突起の場合、図5に示す帯状ゴム部材58の厚さtと長さL1は、以下を満たすように設定される。
[数5]
1.0S≦t≦1.5S
0.75W≦L1≦1.25W
S:装飾のタイヤ軸方向の寸法
W:装飾のタイヤ径方向の幅
t:帯状ゴム部材の厚さ
L1:帯状ゴム部材の上辺の長さ
図17に示す断面三角形状の装飾31Eは、図2に示す断面弓形状の装飾31A、及び図13に示す断面台形状の装飾31Cよりも断面積が小さい。そのため、断面三角形状の装飾31Eの成型に必要なゴム量は、断面弓形状の装飾31A、及び断面台形状の装飾31Cの成型に必要なゴム量よりも少ない。よって、帯状ゴム部材58の厚さtは、装飾31Eのタイヤ軸方向TAの寸法(厚さ)Sに対して、1.0倍以上1.5倍以下に設定されている。
(第8実施形態)
図19は第8実施形態の製造方法によって製造した空気入りタイヤ10を示し、図20は第8実施形態のグリーンタイヤ50とタイヤ加硫金型80を示す。
図19を参照すると、第8実施形態の装飾31Fは、バットレス領域30の表面30aからタイヤ軸方向TAの内側へ陥没した凹みからなる。装飾31Fは、断面三角形状であり、円環状をなすようにタイヤ周方向TCに延びている。
図20を参照すると、成型部84Fは、図19に示す装飾31Fの断面形状に対応する断面三角形状の突起(凸)で構成され、環状溝に延びている。成型面83aに連なる成型部84Fの連続部84aは、図19に示す装飾31Fの縁31a,31bに対応する窪み(凹)である。
装飾31Fが断面三角形状の凹みの場合、図5に示す帯状ゴム部材58の厚さtは、装飾31Fのタイヤ軸方向TAの寸法(深さ)Sの1.0倍以上1.5倍以下に設定され、帯状ゴム部材58の上辺58bの長さL1は、装飾31Fのタイヤ径方向TRの幅Wの0.75倍以上1.25倍以下に設定されている。
以上のように構成された第4実施形態から第8実施形態では、第1実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。また、第4実施形態から第8実施形態の製造方法でも、第2実施形態のように、タイヤ径方向TRにおける装飾の成型位置を変更するために、帯状ゴム部材58のタイヤ径方向TRの配置を変更してもよい。また、第3実施形態のように、サイドウォールゴム59と帯状ゴム部材58を異なる成分のゴムで成形してもよいし、サイドウォールゴム59に対する帯状ゴム部材58の配置を変更してもよい。
また、本発明は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
例えば、図21に示すように、装飾31は、タイヤ周方向TCに間隔をあけて設けた複数の突起であってもよい。また、装飾31は、タイヤ周方向TCに間隔をあけて設けた複数の凹みであってもよい。また、装飾31は、断続的に設けた環状の突起であってもよいし、断続的に設けた環状の凹みであってもよい。
帯状ゴム部材58は、トレッドゴム55に貼り付けることなく、単独で巻き付けられてもよい。
10 空気入りタイヤ
11 トレッド
11a 主溝
11b 踏面
11c 外端
12 サイドウォール
12a 最大幅位置
14 カーカス
15 インナーライナー
16 ベルト層
17A,17B,17C ベルト
18 パッド
19 トレッドゴム層
20 ベース
21 キャップ
22 サイドウォールゴム層
22a 外側部分
22b 内側部分
30 バットレス領域
30a 表面
31,31A~31F 装飾
31a 内縁
31b 外縁
35 ゴム層
50 グリーンタイヤ
50a 装飾成型領域
51 カーカスプライ
52 インナーライナーゴム
53 ベルトプライ
54 パッドゴム
55 トレッドゴム
56 ベースゴム
56a 下辺
56b 上辺
56c 側辺
57 キャップゴム
57a 下辺
57b 上辺
57c 側辺
58 帯状ゴム部材
58a 下辺
58b 上辺
58c 第1側辺
58d 第2側辺
58e 面取り
59 サイドウォールゴム
80 タイヤ加硫金型
81 セクタモールド
82 セクタ
82a 成型面
82b 突起
82c 角
83 サイドモールド
83a 成型面
84A~84F 成型部
84a 連続部
85 ブラダ
TA タイヤ軸方向
TR タイヤ径方向
TC タイヤ周方向
CL タイヤ赤道線

Claims (7)

  1. 断面台形状の帯状ゴム部材であって、下辺から上辺までの厚さを、サイドウォールのタイヤ径方向の外側のバットレス領域に設けられる突起又は凹みである装飾のタイヤ軸方向の寸法と断面形状に応じて設定するとともに、前記上辺の長さを、前記装飾の前記タイヤ径方向の幅と断面形状に応じて設定した帯状ゴム部材を準備し、
    前記サイドウォールを構成するサイドウォールゴムに対して前記装飾を成型する領域に位置するように前記帯状ゴム部材を配置してグリーンタイヤを成形し、
    前記グリーンタイヤを、前記装飾の断面形状に対応する成型部を有するタイヤ加硫金型によって加硫成型する、
    空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記装飾の断面形状が弓形又は台形の場合、前記帯状ゴム部材の前記厚さと前記長さは以下を満たす、請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
    1.5S≦t≦2.0S
    0.75W≦L1≦1.25W
    S:装飾のタイヤ軸方向の寸法
    W:装飾のタイヤ径方向の幅
    t:帯状ゴム部材の厚さ
    L1:帯状ゴム部材の上辺の長さ
  3. 前記装飾の断面形状が三角形の場合、前記帯状ゴム部材の前記厚さと前記長さは以下を満たす、請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
    1.0S≦t≦1.5S
    0.75W≦L1≦1.25W
    S:装飾のタイヤ軸方向の寸法
    W:装飾のタイヤ径方向の幅
    t:帯状ゴム部材の厚さ
    L1:帯状ゴム部材の上辺の長さ
  4. 前記帯状ゴム部材は、前記下辺の長さが前記上辺の長さよりも長く、トレッドを構成するトレッドゴムの両側に前記下辺側を貼り付けた状態で巻き付けられる、請求項1から3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  5. 前記帯状ゴム部材を巻き付けた後、前記帯状ゴム部材の前記タイヤ軸方向の外側に一部が重なるように前記サイドウォールゴムを巻き付ける、請求項1から4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  6. 前記タイヤ径方向における前記サイドウォールゴムの外側部分の前記タイヤ軸方向の外側に、前記帯状ゴム部材を巻き付ける、請求項1から4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  7. 前記サイドウォールのうち前記タイヤ軸方向の外側に最も突出した最大幅位置から、トレッドの踏面のうち前記タイヤ軸方向の最も外側に位置する外端までの前記バットレス領域の径方向範囲を1としたときに、前記最大幅位置を基準として0.3以上0.8以下の範囲に前記装飾を成型する、請求項1から6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
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