JP2007030298A - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 グリーンタイヤ成型工程のステッチング時に、トップトレッド部材の曲げ変形に対する剛性を低くしてステッチング性を向上させ、セパレーションやエア溜まり等の不良の発生を抑制する。
【解決手段】 トップトレッド部材30のステッチング時に最も大きな曲げ変形を受けるハンプ部34近傍の上下面32、31に、断面略矩形の複数の凹溝36を形成する。この凹溝36により、トップトレッド部材30を圧縮・伸長変形しやすくし、ステッチング性を向上させる。これにより、グリーンタイヤの成型を容易にし、トップトレッド部材30とその下側の部材との圧着、及びエアの排出を確実に行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、空気入りタイヤの製造方法に関し、特に、グリーンタイヤを成型する際にトレッドを曲げ変形しやすくして、製品タイヤに発生する欠陥を抑制した空気入りタイヤの製造方法に関する。
空気入りタイヤは、一般に、トレッド、サイドウォール、インナーライナ等の異なる特性を有する複数のゴム部材等から構成され、これら各構成部材を組み合わせて未加硫のグリーンタイヤ(生タイヤ)を成型し、加硫機の金型に入れて所定の温度と圧力で一定時間加熱型付け(加硫成型)して製品タイヤが製造される。
従来、グリーンタイヤの成型には、未加硫ゴムを押出機により押出成形する等して所定形状の各構成部材を作製し、それらを成型ドラム上で順次貼り合わせて成型する方法が広く用いられている(特許文献1参照)。
図8は、この従来のグリーンタイヤの成型方法の説明図である。この成型方法は、大きく分けて、第1成型工程と第2成型工程の2段階の工程からなり、第1成型工程では、図示しない円筒状のバンドドラム上に、インナーライナやカーカス層、サイドウォール部材等のシェーピング(膨らませること)が容易なタイヤ構成部材等を順次貼り合わせ、円筒状のバンド91を成型する。
第2成型工程では、図8(a)に示すように、まず、円筒状のバンド91をシェーピングドラム98に乗せ替えて両端のビード92部を固定し、それらを互いに接近させながら径方向内側のブラダー99を膨張させて、ビード92間のバンド91を略トロイダル状に膨出させる。その状態で、径方向外側に、図示しないベルトトレッド成型ドラム(BTドラム)上で貼り合わせて円筒状に成型したベルト層93と製品タイヤで最外層となるトップトレッド部材94等の残りのタイヤ構成部材を嵌合する。
次に、図8(b)に示すように、ステッチングローラSRをトップトレッド部材94の径方向外側から押し付け、外周面に沿ってドラム98の軸方向に移動させ、同時にシェーピングドラム98を回転させて、トップトレッド部材94をステッチングする。このステッチングの押圧により、トップトレッド部材94が曲げ変形して所定の形状に成型されるとともに、各タイヤ構成部材間のエアが排出されて互いに圧着し、所定形状のグリーンタイヤ90が成型される。
しかしながら、このような従来のグリーンタイヤ90の成型方法では、図8(a)、(b)に示すように、ステッチング時にトップトレッド部材94両端部を大きく曲げ変形させる必要があるが、その形状に起因して、両端部の曲げ変形が不十分になりやすいという問題がある。図9は、特許文献に記載されたものではないが、このような従来の成型方法で貼り合わせるトップトレッド部材94の周方向と直交する断面を模式的に示す断面図である。なお、このトップトレッド部材94は、赤道線(中心線)CLを挟んで左右対称な形状に形成されているため、図9では赤道線CLの片側(図では右側)のみ示す。
このトップトレッド部材94の断面形状は、図示のように、上辺を短辺とする略台形形状に形成されている。即ち、タイヤ径方向内側のベルト層等との貼り付け面となる下面(図9の下側の面)94aは平面状であるのに対し、その反対側のタイヤの外表面となる上面(図9の上側の面)94bは、下面94aと略平行な中央面94b1と、ハンプ部94dを境界として、そこから斜めに下面94a方向(図では右斜め下方向)に延びる斜面94b2からなる。従って、トップトレッド部材94は、中央の平板状の板状部94cと、ハンプ部94dを境界として、その両側に続く断面略三角形状の翼部94eから構成されている。
この従来のトップトレッド部材94は、ステッチング時に両ハンプ部94dを中心とした部分を最も大きく曲げ変形(上面94bは伸長変形、下面94aは圧縮変形)させる必要があるが、表面が平坦に形成されているため曲げ変形し難く、その部分の曲げ変形が不十分になりやすいという問題がある。これに伴い、部材間のエアの排出が不十分となって製品タイヤにエア溜まり(ベア)が生じ、更に、ベルト層等の下側の部材との圧着が不十分となって境界部に隙間が形成され、そこからセパレーションが生じてトップトレッド部材94が剥がれる等の問題が生じる恐れがある。
特に、ハンプ部94dの厚さ(図のD)が厚くなるにつれてステッチングに対する剛性が高くなり、その部分が曲げ変形し難くなるため、厚さDが厚いトップトレッド部材94を成型する場合に、上記問題が生じる恐れが大きくなる。例えば、トラック・バス用等の重荷重用の空気入りタイヤでは、ハンプ部94dの厚さDが20mm以上になる場合が多いが、そのようなトップトレッド部材94は曲げ変形させ難く、上記問題が生じやすい。
これらの問題を解消する方法の1つとして、ステッチングローラSRを押し付ける圧力(以下、押圧力という)を高くすることが考えられる。しかし、グリーンタイヤ90は、膨張したブラダー99からの内圧により支えられているため、押圧力を高くした場合には、押圧部の外側からの圧力が内圧を上まわり、その部分が過度に変形して外観不良が生じる場合がある。これに対処するために内圧を高くした場合には、バンド91の膨出が大きくなって所定形状のグリーンタイヤ90が得られない恐れがある。
特開平8−1819号公報
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、トップトレッド部材の曲げ変形に対する剛性を低くしてグリーンタイヤ成型工程のステッチング時に曲げ変形しやすくし、セパレーションやエア溜まり等の不良の発生を抑制することである。
請求項1の発明は、未加硫のタイヤ構成部材を組み合わせてグリーンタイヤを成型し、該グリーンタイヤを加硫成型して空気入りタイヤを製造する空気入りタイヤの製造方法であって、前記組み合わせたタイヤ構成部材の外周面に、曲げ加工を施すべき部分に複数の溝を形成した未加硫のトップトレッド部材を嵌合する工程と、該嵌合したトップトレッド部材を外周面からステッチングして曲げ変形させ、前記タイヤ構成部材の外周面に貼り合わせる工程と、を有することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載された空気入りタイヤの製造方法において、前記溝は、前記トップトレッド部材の押出時に押し出し口金により形成された凹溝であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載された空気入りタイヤの製造方法において、前記溝の前記トップトレッド部材表面の法線方向の深さは、0mmより大きく2.5mm未満であることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載された空気入りタイヤの製造方法において、前記複数の溝は、前記トップトレッド部材の周方向と直交する方向に5mm以上15mm未満の間隔を開けて配置されていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載された空気入りタイヤの製造方法において、前記溝は、前記トップトレッド部材の両表面の、ハンプ部から前記トップトレッド部材の幅方向の両方向に向かう所定長さの範囲に形成されていることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5に記載された空気入りタイヤの製造方法において、前記所定長さは、前記トップトレッド部材の中心線から端部までの長さの0.2倍以上の長さであることを特徴とする。
本発明によれば、表面に複数の溝を形成したため、トップトレッド部材の曲げ変形に対する剛性を低くすることができ、グリーンタイヤ成型工程のステッチング時に、トップトレッド部材を容易に曲げ変形させることができる。これにより、グリーンタイヤの成型が容易になるとともに、トップトレッド部材とその下側の部材との圧着を確実に行うことができ、更に、エアを確実に排出することもできるため、セパレーションやエア溜まり等の不良の発生を抑制することができる。
以下、本発明の空気入りタイヤの製造方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の空気入りタイヤの製造方法は、所定の形状に成形した未加硫ゴム等からなる各タイヤ構成部材を、図8に示す従来のグリーンタイヤの成型方法と同様に、成型ドラムを用いて順次貼り合わせてグリーンタイヤを成型し、加硫機の金型に入れて加硫成型して製品タイヤを製造するもので、トップトレッド部材に複数の凹溝を形成して曲げ変形に対する剛性を低くし、グリーンタイヤ成型工程でのステッチングによる曲げ変形のしやすさ(以下、ステッチング性という)を向上させたものである。
なお、図示は省略するが、本実施形態の製造方法で製造する空気入りタイヤは、一対のビードと、これらビードから径方向外側に向かって延びる左右のサイドウォールと、両サイドウォール間に跨がってトレッドを備えるクラウン部がトロイダル状に連なり、一方のサイドウォールからクラウン部を通り、他方のサイドウォールにわたって、少なくとも1枚のラジアルカーカスプライからなるカーカス層と、このカーカス層とトレッド間に配置した複数枚のスチールコード層を含むベルト層とを備えた公知の構造を有するものである。
まず、グリーンタイヤ成型工程で最も外側に貼り付けられ、製品タイヤのトレッド部等で最外層となるトップトレッド部材の形状について説明する。
図1は、本実施形態のトップトレッド部材の周方向と直交する断面を模式的に示す断面図であり、図2は、図1のS部の拡大断面図である。なお、このトップトレッド部材は、赤道線(中心線)CLを挟んで左右対称な形状に成形されているため、図1では赤道線CLの片側(図では右側)のみ示す。
このトップトレッド部材30の全体形状は、図9に示す従来のトップトレッド部材94と同様に、上辺を短辺とする略台形形状に形成されている。即ち、図1に示すように、タイヤ径方向内側のベルト層等との貼り合せ面となる下面(図1の下側の面)31は平面状であるのに対し、その反対側のタイヤの外表面となる上面(図1の上側の面)32は、下面31と略平行な中央面32aと、ハンプ部34を境界として、そこから斜めに下面31方向(図では右斜め下方向)に延びる斜面32bからなる。従って、トップトレッド部材30は、中央の平板状の板状部33と、ハンプ部34を境界として、その両側に続く断面略三角形状の翼部35から構成される。
しかし、本実施形態のトップトレッド部材30は、以上に加えて、グリーンタイヤ成型工程のステッチング時に最も大きな曲げ変形(上面32は伸長変形、下面31は圧縮変形)を受けるハンプ部34近傍の両表面に、複数のスリット状の切欠き(凹溝)36を形成し、曲げ変形に対する剛性を低下させている点で、前記従来のトップトレッド部材94と相違している。
各凹溝36は、図1、図2に示すように、断面形状が所定の深さh及び幅bの略矩形の凹状をなし、それらが形成された各表面に垂直に、かつ、トップトレッド部材30の周方向(図1の前後方向)に略平行に形成されている。なお、このトップトレッド部材30は、従来と同様の成形方法、即ち、その断面形状と略同一形状の開口部が形成された口金を押出機に取り付け、未加硫のゴム材を口金開口部から連続してその断面形状に押し出し、所定の寸法に裁断等して成形することができる。従って、口金開口部の凹溝36に対応する各部分には、各凹溝36と同形状の略矩形の凸部を所定の間隔で配置する。
また、本実施形態では、凹溝36の深さhは、それらが形成された各表面の法線方向の深さであり、凹溝36の幅bと各凹溝36間の間隔wは、それらが形成された各表面のトップトレッド部材30の周方向と直交する接線方向の長さである。また、凹溝36が形成された範囲を示す図1のLc1、Le1、Lc2、Le2は、それぞれトップトレッド部材30の周方向と直交する各表面に沿った長さである。
この凹溝36は、図1に示すように、上下面32、31の所定の範囲(図1のLc1、Le1、Lc2、Le2で示す範囲)に複数、等間隔に形成されている。即ち、上面32では、ハンプ部34から幅方向内側(図では左側)に向かって長さLc1の範囲と、ハンプ部34から幅方向外側(図では右側)に向かって長さLe1の範囲に、複数の凹溝36が形成されている。また、下面31では、ハンプ部34の下方部分から幅方向内側(図では左側)に向かって長さLc2の範囲と、ハンプ部34の下方部分から幅方向外側(図では右側)に向かって長さLe2の範囲に、複数の凹溝36が形成されている。
これら各長さLc1、Le1、Lc2、Le2(以下、これらをまとめてLmと表す)は、それぞれの部分の長さを最大値として、赤道線CLから端部までの長さLの0.2倍以上の長さにすることが好ましい。また、凹溝36の深さhは、0mmより大きく2.5mm未満(更に望ましくは0.2mm以上2.5mm未満)にすることが好ましく、その幅bは0.4mm以上0.6mm未満、好ましくは0.5mm程度にすることが好ましい。更に、各凹溝36間の間隔wは、5mm以上15mm未満にすることが好ましい。
以下、この点について説明する。
図3は、この各トップトレッド部材30の曲げ変形量を比較したグラフであり、図の横軸は成形したトップトレッド部材30の各Lmの長さを示し、縦軸はトップトレッド部材30の曲げ変形量を示す。なお、各Lmの長さは、赤道線CLから端部までの長さLの倍数で表示し、曲げ変形量は、一定値に達した時の値を100とする指数で示す。
ここでは、凹溝36を形成する部分のハンプ部34からの各長さLm(図1参照)を変化させて、数種類のトップトレッド部材30を成形し、同じ荷重を加えたときの曲げ変形量を比較した。なお、1つのトップトレッド部材30では、各長さLmは全て同じ長さにし、Lmを赤道線CLから端部までの長さLの0.1倍から0.5倍まで0.1ずつ増加させた5種類のトップトレッド部材30を作製した。また、トップトレッド部材30の全体的な形状や、各凹溝36の形状や間隔等、凹溝36を形成する各長さLm以外は全て同一にし、同一の条件で曲げ変形させて、その変形量を測定した。
図3に示すように、Lmを0.2L以上にすると、トップトレッド部材30の曲げ変形量はほぼ一定値(100)で安定するが、0.1Lでは約35であり、曲げ変形量が大幅に小さくなってステッチング性が低下する。従って、上記したように、各Lmの長さは、赤道線CLから端部までの長さLの0.2倍以上の長さにするのが好ましいことが分かる。
図4は、製品タイヤのベアの有無を比較したグラフであり、図の横軸は凹溝36の深さhを示し、縦軸はベア(凹凸)の有無を示す。
ここでは、凹溝36の深さh(図2参照)を変化させて製品タイヤを製造し、製品タイヤに発生するエア溜まり(ベア)の有無について比較した。製品タイヤは、凹溝36の深さhを0mmから3.0mmまで0.5mmずつ増加させて7種類のトップトレッド部材30を作製してグリーンタイヤを成型し、加硫成型して製造した。なお、凹溝36の深さh以外は全て同一形状・同一条件で各タイヤは製造した。
図4に示すように、深さhを2.5mm以上にすると製品タイヤにベアが発生するのに対し、深さhをそれよりも浅くするとベアが発生しないことが分かる。従って、上記したように、凹溝36の深さhは、0mmより大きく2.5mm未満にすることが好ましいことが分かる。ただし、凹溝36の深さhが小さすぎる場合には、トップトレッド部材30の曲げ変形に対する剛性が高くなるため、深さhは、0.2mm以上2.5mm未満にすることが好ましい。
また、凹溝36の幅b(図2参照)については、それが0.4mm未満で狭すぎる場合には、凹溝36の溝壁が接触しやすくなり、その摩擦抵抗でトップトレッド部材30の曲げ変形に対する剛性が高くなる恐れがあり、更に、上記した押出機の口金開口部の凹溝36を形成する各凸部の厚さも薄くなり、押し出し時にゴム材から受ける圧力により凸部が欠ける恐れもある。逆に、凹溝36の幅bが0.6mm以上で広すぎる場合には、ステッチング時に凹溝36を押し潰せずにエア溜まり等の欠陥が生じる恐れがあり、更に、その部分のゴム量が不足して必要なタイヤ形状が成型できない恐れもある。従って、上記したように各凹溝36の幅bは、0.4mm以上0.6mm未満、即ち0.5mm程度にするのが好ましい。
また、各凹溝36間の間隔w(図2参照)については、それを15mm以上にした場合には、凹溝36の密度が低下してトップトレッド部材30の曲げ変形に対する剛性が高くなる恐れがある。逆に、5mm未満にした場合には、凹溝36の密度が高くなってゴム量が不足し、必要なタイヤ形状が成型できない恐れがあり、更に、上記した押出機の口金開口部の凸部の密度も高くなり、各凸部がゴム材から受ける圧力も高くなって凸部が欠ける恐れもある。従って、各凹溝36間の間隔wは、上記したように5mm以上15mm未満にすることが好まく、その範囲内であれば、トップトレッド部材30の曲げ変形に対する適度な剛性と成型に必要な十分なゴム量を確保することができる。
なお、凹溝36の断面形状は、矩形状以外でも、例えば溝壁部はそのままで溝底部を半円状や三角形状に形成したり、或いは底部方向に向かって徐々に溝壁間の間隔を狭めて断面三角形状等に形成してもよい。ただし、断面三角形状等に形成した場合には、その表面の開口幅が広すぎると、上記した凹溝36の幅bが広すぎる場合と同様に、ゴム量が不足して必要なタイヤ形状が成型できない場合があるため、開口幅を狭くする必要がある。また、凹溝36は、トップトレッド部材30各部の受ける曲げ変形量や成型に必要なゴム量等に応じて、各部分毎に深さhや間隔wを変化させて形成してもよい。
次に、このトップトレッド部材30等により、グリーンタイヤを成形する方法について説明する。なお、トップトレッド部材30以外の各タイヤ構成部材は、従来と同様の方法で所定の形状にそれぞれ成形されて、タイヤ成型工程へ供給される。
図5から図7は、本実施形態のグリーンタイヤの成型方法の説明図である。
このグリーンタイヤの成型方法は、図8で説明した従来の成型方法と同様に、大きく分けて、シェーピングが容易なタイヤ構成部材等を順次貼り合わせて円筒状のバンドを成型する第1成型工程と、バンドを膨出させてトップトレッド部材30等を貼り合わせる第2成型工程の2段階の工程からなる。
まず、第1成型工程で、図5に示すように、円筒状のバンドドラム1の外周面にインナーライナ12、カーカス層13、ビード14、サイドウォール部材15等を順次貼り合わせ、円筒状のバンド11を成型する。
第2成型工程では、まず、円筒状のバンド11をシェーピングドラム2に乗せ替えて両端のビード14部を固定し、ブラダー3をインナーライナ12の内側に配置する。次に、両端の固定部を互いに接近させながら、ブラダー3の内部に高温・高圧の流体を供給して膨張させ、図6に示すように、バンド11を略トロイダル状に膨出させる。その状態で、径方向外側に、図示しないベルトトレッド成型ドラム(BTドラム)上で貼り合わせて円筒状に成型した、ベルト層(図示せず)とトップトレッド部材30等のタイヤ構成部材を嵌合する。
次に、図6に示すように、一対のステッチングローラ4をトップトレッド部材30中央部の外周から押し付けるとともに、シェーピングドラム2を回転させてトップトレッド部材30中央部をステッチングし、その内周面を膨出したバンド11の外周面に貼り合わせる。
次に、図7に示すように、一対のステッチングローラ4をトップトレッド部材30の外周面に沿ってタイヤ幅方向の両端方向へ移動させて、トップトレッド部材30の両端部分(凹溝36が形成された部分)をステッチングし、その内周面を膨出したバンド11の肩部に貼り合わせる。この時、トップトレッド部材に凹溝36(図6)を形成し屈曲し易くしてあるため、トップトレッド部材30のステッチングによる曲げ加工を容易に行うことができる。また、それと同時に、ステッチングローラ4により凹溝36を押し潰して、その内部のエアの排出を確実に行い、エア溜まり等の欠陥の発生を防止することができる。
以上のようにグリーンタイヤ10を所定形状に成型した後、ステッチングローラ4をグリーンタイヤ10の外周面から離し、ブラダー3への流体の供給を停止して収縮させ、グリーンタイヤ10をシェーピングドラム2から外して加硫機へ搬送し、金型内で加硫成型して製品タイヤを製造する。
なお、以上の成型方法では、バンドドラム1で成型したバンド11をシェーピングドラム2で膨出させてグリーンタイヤ10を成型したが、各ドラム1、2の機能を併せ持った単一の成型ドラムにより、バンド11とグリーンタイヤ10の成型を連続して行うようにしてもよい。
以上説明したように、グリーンタイヤ10の成型工程へ供給されるトップトレッド部材30を本実施形態の形状、即ち、ステッチング時に最も大きな曲げ変形を受けるハンプ部34近傍に複数の凹溝36を形成することで、曲げ変形に対する剛性を低くすることができ、トップトレッド部材30のステッチング時のステッチング性(曲げ変形の容易性)を向上させることができる。これにより、グリーンタイヤ10の成型が容易になるとともに、トップトレッド部材30とその下側の部材との圧着を確実に行い、エアを確実に排出することができるため、セパレーションやエア溜まり等の不良の発生を抑制することができる。
特に、トップトレッド部材30の厚さが20mm以上あり、ステッチング時に曲げ変形し難い重荷重用の空気入りタイヤ等において、そのトップトレッド部材に本実施形態の凹溝36を形成すると顕著な効果が得られる。
本実施形態のトップトレッド部材の周方向と直交する断面を模式的に示す断面図である。 図1のS部を拡大して示す断面図である。 凹溝を形成する範囲を変化させた各トップトレッド部材の曲げ変形量を比較したグラフである。 凹溝の深さを変化させて製造した製品タイヤのベアの有無を比較したグラフである。 本実施形態のグリーンタイヤの成型方法において、バンドドラムにより各タイヤ構成部材を貼り合わせる状態を示す説明図である。 本実施形態のグリーンタイヤの成型方法において、シェーピングドラムによりバンドを膨出させた状態を示す説明図である。 本実施形態のグリーンタイヤの成型方法において、トップトレッド部材をステッチングする状態を示す説明図である。 従来のグリーンタイヤの成型方法の説明図である。 従来のトップトレッド部材の周方向と直交する断面を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1・・・バンドドラム、2・・・シェーピングドラム、3・・・ブラダー、4・・・ステッチングローラ、10・・・グリーンタイヤ、11・・・バンド、12・・・インナーライナ、13・・・カーカス層、14・・・ビード、15・・・サイドウォール部材、30・・・トップトレッド部材、31・・・下面、32・・・上面、33・・・板状部、34・・・ハンプ部、35・・・翼部、36・・・凹溝。

Claims (6)

  1. 未加硫のタイヤ構成部材を組み合わせてグリーンタイヤを成型し、該グリーンタイヤを加硫成型して空気入りタイヤを製造する空気入りタイヤの製造方法であって、
    前記組み合わせたタイヤ構成部材の外周面に、曲げ加工を施すべき部分に複数の溝を形成した未加硫のトップトレッド部材を嵌合する工程と、
    該嵌合したトップトレッド部材を外周面からステッチングして曲げ変形させ、前記タイヤ構成部材の外周面に貼り合わせる工程と、
    を有することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  2. 請求項1に記載された空気入りタイヤの製造方法において、
    前記溝は、前記トップトレッド部材の押出時に押し出し口金により形成された凹溝であることを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載された空気入りタイヤの製造方法において、
    前記溝の前記トップトレッド部材表面の法線方向の深さは、0mmより大きく2.5mm未満であることを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載された空気入りタイヤの製造方法において、
    前記複数の溝は、前記トップトレッド部材の周方向と直交する方向に5mm以上15mm未満の間隔を開けて配置されていることを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載された空気入りタイヤの製造方法において、
    前記溝は、前記トップトレッド部材の両表面の、ハンプ部から前記トップトレッド部材の幅方向の両方向に向かう所定長さの範囲に形成されていることを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  6. 請求項5に記載された空気入りタイヤの製造方法において、
    前記所定長さは、前記トップトレッド部材の中心線から端部までの長さの0.2倍以上の長さであることを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
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