JP2012250407A - タイヤ製造装置およびタイヤ製造方法ならびにそれに用いるタイヤ加硫成形用ブラダー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブラダー14は、トレッド部成形領域1402、サイドウォール部成形領域1404、ビード部成形領域1406、取り付け部領域1408を有している。ビード部成形領域1406を構成するブラダー14の厚さは、トレッド部成形領域1402、サイドウォール部成形領域1404を構成するブラダー14の厚さに比べて大きい。ビード部成形領域1406を構成するブラダー14の厚さは、取り付け部領域1408側に近づくにつれて次第に大きくなる。取り付け部領域1408側のビード部成形領域1406の端部を構成するブラダー14の厚さは、ブラダー14の断面高さHの65〜95%の範囲に位置するブラダー14の厚さに比べて1.4〜2.0倍の寸法で形成されている。
【選択図】図2
Description
そしてタイヤの加硫成形時、開かれた各セクターの内側にグリーンタイヤを位置させ、各セクターおよび一対のサイドプレート、一対のビードリングを閉じ、高温、高圧の加硫媒体を供給してグリーンタイヤの内側からブラダーを膨張させ、加硫媒体および金型によりグリーンタイヤを加熱することが行われる。
このタイヤの加硫成形時、グリーンタイヤの内面とブラダーとの間にエアが残存すると、エアが残存した箇所に光沢が生じるなどタイヤ内面の外観不良が生じる。
そこで、従来では、ブラダーの外周面にエア抜き溝を設け、このエア抜き溝により残存したエアを外部に逃がすようにしている。
前記取り付け部領域側の前記ビード部成形領域の端部を構成する前記ブラダーの厚さは、前記ブラダーの断面高さの65〜95%の範囲に位置する前記ブラダーの厚さに比べて1.4〜2.0倍の寸法で形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、タイヤ成形用金型の内側にグリーンタイヤを位置させ、前記グリーンタイヤの内側に、タイヤのトレッド部の内面に当接されるトレッド部成形領域と、タイヤのサイドウォール部の内面に当接されるサイドウォール部成形領域と、タイヤのビード部の内面に当接されるビード部成形領域とを有するブラダーを位置させ、前記ブラダーの内側に加硫媒体を供給して前記ブラダーを膨張させ、前記ブラダーを前記グリーンタイヤに内面に当接し押圧しつつ前記グリーンタイヤを加硫成形するタイヤの製造方法において、前記ブラダーを前記グリーンタイヤの内面に当接させる際に、まず、トレッド部成形領域をグリーンタイヤに当接し、次に、サイドウォール部成形領域をグリーンタイヤに当接し、最後に、ビード部成形領域をグリーンタイヤに当接するようにしたことを特徴とする。
また、本発明は、タイヤのトレッド部の内面に当接されるトレッド部成形領域と、タイヤのサイドウォール部の内面に当接されるサイドウォール部成形領域と、タイヤのビード部の内面に当接されるビード部成形領域と、前記ビード部成形領域の端部に接続されタイヤ成形用金型に取着される取り付け部領域とを有し、タイヤ成形用金型の内側に配置されたグリーンタイヤの内側から膨張させ前記グリーンタイヤを加硫成形するタイヤ加硫成形用ブラダーであって、前記ビード部成形領域を構成する前記ブラダーの厚さは、前記トレッド部成形領域およびサイドウォール部成形領域を構成する前記ブラダーの厚さに比べて大きく、前記ビード部成形領域を構成する前記ブラダーの厚さは、前記取り付け部領域側に近づくにつれて次第に大きくなるように形成され、前記取り付け部領域側の前記ビード部成形領域の端部を構成する前記ブラダーの厚さは、前記ブラダーの断面高さの65〜95%の範囲に位置する前記ブラダーの厚さに比べて1.4〜2.0倍の寸法で形成されていることを特徴とする。
図1に示すように、タイヤ製造装置10は、タイヤ成形用金型12、タイヤ加硫成形用ブラダー14を含んで構成されている。
タイヤ成形用金型12はセクショナルモールドタイプでタイヤ軸が鉛直方向に向けてセットされるものであり、タイヤ成形用金型12は、上下一対のサイドプレート16と、セクター18と、上下一対のビードリング20と、上下一対のブラダークランプ22とを備えている。
上下一対のサイドプレート16は、タイヤのサイドウォール部を成形するためのものである。
セクター18は、タイヤのトレッド部を成形するためのものであり、上下一対のサイドプレート16の径方向外側に配置され、周方向に複数分割されている。
上下一対のビードリング20は、タイヤのビード部を成形するためのものであり、上下一対のサイドプレート16の径方向内側に配置されている。
上下一対のブラダークランプ22は、上下一対のビードリング20と協働してブラダー14の内端を固定するものである。本実施の形態では、ブラダー14の上側の内端は、上下に移動可能な上側のブラダークランプ22と補助リング24とにより挟み込まれて固定されている。
トレッド部成形領域1402は、タイヤのトレッド部の内面に当接される領域である。
サイドウォール部成形領域1404は、タイヤのサイドウォール部の内面に当接される領域である。
ビード部成形領域1406は、タイヤのビード部の内面に当接される領域である。
取り付け部領域1408は、ビードリング20を介してブラダークランプ22により挟み込まれる領域であり、端部にブラダークランプ22により挟み込まれる膨出部1410が形成されている。
ビード部成形領域1406を構成するブラダー14の厚さは、トレッド部成形領域1402およびサイドウォール部成形領域1404を構成するブラダー14の厚さに比べて大きい。
また、ビード部成形領域1406を構成するブラダー14の厚さは、取り付け部領域1408側に近づくにつれて次第に大きくなるように形成されている。
また、取り付け部領域1408側のビード部成形領域1406の端部を構成するブラダー14の厚さT1は、ブラダー14の断面高さHの65〜95%の範囲に位置するブラダー14の厚さT2に比べて1.4〜2.0倍の寸法で形成されている。
ここで、ブラダー14の断面高さHとは、取り付け部領域1408の端部を基準とし、取り付け部領域1408の端部からトレッド部成形領域1402までの高さをいう。
なお、ブラダー14には従来公知の様々な材料が使用可能である。
エア抜き溝30の深さは、取り付け部領域1408側に近づくにつれて次第に浅くなるように形成されている。
また、エア抜き溝30の幅は、トレッド部成形領域1402側のエア抜き溝30A部分の幅が最も広く、取り付け部領域1408側に近づくにつれて次第に狭くなるように形成されている。
エア抜き溝30は、図3に示すようにタイヤ径方向に延在し、サイドウォール部成形領域1404およびビード部成形領域1406の周方向に並べられて複数設けられ、エア抜き溝30A部分の幅方向の両端が互いに接するように設けられている。なお、エア抜き溝30は、サイドウォール部成形領域1404およびビード部成形領域1406の周方向に間隔をおいて複数設けてもよい。
タイヤの加硫成形工程において、図1に示すように、開かれた各セクター18の内側にグリーンタイヤTを位置させ、上下一対のビードリング20を閉じ、上下一対のブラダークランプ22によりブラダー14の内端を固定し、上下一対のサイドプレート16および各セクター18を閉じ、高温、高圧の加硫媒体を供給してグリーンタイヤTの内側からブラダー14を膨張させ、ブラダー14をグリーンタイヤに内面に当接し押圧しつつ、加硫媒体および金型によりグリーンタイヤTを加熱することが行われる。
この場合、グリーンタイヤTの内側からブラダー14を膨張させると、ブラダー14の厚さが上記のように形成されているため、トレッド部成形領域1402とサイドウォール部成形領域1404が膨張し、グリーンタイヤTの内面に、まずトレッド部成形領域1402が当接する。次にグリーンタイヤTの内面にサイドウォール部成形領域1404が当接し、そして、ビード部成形領域1406が膨張し、グリーンタイヤTの内面に最後にビード部成形領域1406が当接する。
したがって、グリーンタイヤTの内面とブラダー14との間に残存するエアを、トレッド部成形領域1402から取り付け部領域1408側に向けて移動させ、それらの間からタイヤ成形用金型12の外部に効率良く逃がすことが可能となり、タイヤ内面の外観不良を抑制する上で有利となり、タイヤの商品価値を高める上で不利となる。
なお、残存したエアのタイヤ成形用金型12の外部への放出は、例えば、取り付け部領域1408とビードリング20の間、およびビードリング20とブラダークランプ22との間の隙間などからなされる。
また、ブラダー14はグリーンタイヤTに対してまずトレッド部成形領域1402が当接し、次に、サイドウォール部成形領域1404が当接し、最後にビード部成形領域1406が当接し、しかも、エア抜き溝30の深さは、深さが取り付け部領域1408側に近づくにつれて次第に浅くなるように形成され、ショルダー部にブラダー14が当接する箇所ではエア抜き溝30の容量が最も大きく形成されているため、トレッド部およびショルダー部の内側に残存するエアをエア抜き溝30内に多く取り入れ易く、エアをタイヤ成形用金型12の外部により効率良く逃がす上でより一層有利となる。
また、エア抜き溝30の幅も、取り付け部領域1408側に近づくにつれて次第に狭くなるように形成され、ショルダー部にブラダー14が当接する箇所ではエア抜き溝30の容量が更に大きく形成されるので、トレッド部およびショルダー部の内側に残存するエアをエア抜き溝30内により多く取り入れ易く、エアをタイヤ成形用金型12の外部により効率良く逃がす上でより一層有利となる。
エア抜き溝30を有していない実施例1〜3および従来例1、比較例1、2を比較すれば、取り付け部領域1408側のビード部成形領域1406の端部を構成するブラダー14の厚さT1が、ブラダー14の断面高さHの65〜95%の範囲に位置するブラダー14の厚さT2に比べて1.4〜2.0倍の範囲内の実施例1〜3は、ブラダー14の厚さT1がブラダー14の厚さT2に比べて1.4〜2.0倍の範囲外の従来例1、比較例1、2に比べてタイヤ内面の外観不良を大幅に改善できることが明らかである。
また、エア抜き溝30を有している実施例4〜6および従来例2、比較例3、4を比較すれば、ブラダー14の厚さT1がブラダー14の厚さT2に比べて1.4〜2.0倍の範囲内の実施例4〜6は、ブラダー14の厚さT1がブラダー14の厚さT2に比べて1.4〜2.0倍の範囲外の従来例2、比較例3、4に比べてタイヤ内面の外観不良を大幅に改善できることが明らかである。
したがって表1から明らかなように、本発明のタイヤ製造装置10、タイヤ製造方法、タイヤ加硫成形用ブラダー14によれば、タイヤ内面の外観不良を抑制する上で有利となり、タイヤの商品価値を高める上で有利となる。
Claims (7)
- タイヤ成形用金型の内側にグリーンタイヤを位置させ、前記グリーンタイヤの内側から、タイヤのトレッド部の内面に当接されるトレッド部成形領域と、タイヤのサイドウォール部の内面に当接されるサイドウォール部成形領域と、タイヤのビード部の内面に当接されるビード部成形領域と、前記ビード部成形領域の端部に接続されタイヤ成形用金型に取着される取り付け部領域とを有するブラダーを膨張させてグリーンタイヤを加硫成形するタイヤ製造装置において、
前記ビード部成形領域を構成する前記ブラダーの厚さは、前記トレッド部成形領域およびサイドウォール部成形領域を構成する前記ブラダーの厚さに比べて大きく、
前記ビード部成形領域を構成する前記ブラダーの厚さは、前記取り付け部領域側に近づくにつれて次第に大きくなるように形成され、
前記取り付け部領域側の前記ビード部成形領域の端部を構成する前記ブラダーの厚さは、前記ブラダーの断面高さの65〜95%の範囲に位置する前記ブラダーの厚さに比べて1.4〜2.0倍の寸法で形成されている、
ことを特徴とするタイヤ製造装置。 - 前記サイドウォール部成形領域の表面から前記ビード部成形領域の表面にわたってエア抜き溝が延在形成され、
前記エア抜き溝の深さは、前記取り付け部領域側に近づくにつれて次第に浅くなるように形成されている、
ことを特徴とする請求項1記載のタイヤ製造装置。 - 前記エア抜き溝の幅は、前記取り付け部領域側に近づくにつれて次第に狭くなるように形成されている、
ことを特徴とする請求項2記載のタイヤ製造装置。 - タイヤ成形用金型の内側にグリーンタイヤを位置させ、前記グリーンタイヤの内側に、タイヤのトレッド部の内面に当接されるトレッド部成形領域と、タイヤのサイドウォール部の内面に当接されるサイドウォール部成形領域と、タイヤのビード部の内面に当接されるビード部成形領域とを有するブラダーを位置させ、前記ブラダーの内側に加硫媒体を供給して前記ブラダーを膨張させ、前記ブラダーを前記グリーンタイヤに内面に当接し押圧しつつ前記グリーンタイヤを加硫成形するタイヤの製造方法において、
前記ブラダーを前記グリーンタイヤの内面に当接させる際に、まず、トレッド部成形領域をグリーンタイヤに当接し、次に、サイドウォール部成形領域をグリーンタイヤに当接し、最後に、ビード部成形領域をグリーンタイヤに当接するようにした、
ことを特徴とするタイヤの製造方法。 - タイヤのトレッド部の内面に当接されるトレッド部成形領域と、タイヤのサイドウォール部の内面に当接されるサイドウォール部成形領域と、タイヤのビード部の内面に当接されるビード部成形領域と、前記ビード部成形領域の端部に接続されタイヤ成形用金型に取着される取り付け部領域とを有し、タイヤ成形用金型の内側に配置されたグリーンタイヤの内側から膨張させ前記グリーンタイヤを加硫成形するタイヤ加硫成形用ブラダーであって、
前記ビード部成形領域を構成する前記ブラダーの厚さは、前記トレッド部成形領域およびサイドウォール部成形領域を構成する前記ブラダーの厚さに比べて大きく、
前記ビード部成形領域を構成する前記ブラダーの厚さは、前記取り付け部領域側に近づくにつれて次第に大きくなるように形成され、
前記取り付け部領域側の前記ビード部成形領域の端部を構成する前記ブラダーの厚さは、前記ブラダーの断面高さの65〜95%の範囲に位置する前記ブラダーの厚さに比べて1.4〜2.0倍の寸法で形成されている、
ことを特徴とするタイヤ加硫成形用ブラダー。 - 前記サイドウォール部成形領域の表面から前記ビード部成形領域の表面にわたってエア抜き溝が延在形成され、
前記エア抜き溝の深さは、前記取り付け部領域側に近づくにつれて次第に浅くなるように形成されている、
ことを特徴とする請求項5記載のタイヤ加硫成形用ブラダー。 - 前記エア抜き溝の幅は、前記取り付け部領域側に近づくにつれて次第に狭くなるように形成されている、
ことを特徴とする請求項6記載のタイヤ加硫成形用ブラダー。
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