JP2011098533A - 空気入りタイヤの製造方法及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の加硫ブラダをそのまま用いて、ベルトのフラット化を実現可能な空気入りタイヤの製造方法及び転がり抵抗を低減可能な空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】この空気入りタイヤの製造方法は、加硫金型10の内部にグリーンタイヤ6を配置し、該グリーンタイヤ6の内側に挿入したブラダ11を加熱媒体の供給により膨張させることにより、ブラダ11の外面をグリーンタイヤ6の内面に押し付けて該グリーンタイヤ6を加硫成形するにあたり、グリーンタイヤ6のインナーライナー1内面とブラダ11の外面との間であって、少なくともベルト4の幅方向の各端部Eに対応する領域に、周方向に連続する帯状の未加硫のゴム片8をそれぞれ介在させて加硫成形を行うものである。
【選択図】図1

Description

この発明は、空気入りタイヤの製造方法及び空気入りタイヤに関し、より詳細には、トレッド部に配置されたベルトのフラット化を実現しようとするものである。
一般に、空気入りタイヤの加硫成形は、加硫金型に未加硫タイヤ(グリーンタイヤ)をセットし、そのグリーンタイヤの内側に膨張可能な加硫ブラダを挿入し、このブラダ内にスチーム等の加熱媒体を供給することによりブラダを膨張させて、グリーンタイヤを加硫金型の内壁に押し付け、所定時間加熱することにより行われている。
ところで、近年の研究の結果、トレッド部に配置されたベルトをフラット化すること(すなわち、タイヤ赤道面におけるベルトの半径とベルト端におけるベルトの半径との径差を小さくすること)で、タイヤの転がり抵抗を低減できることが分かってきた。しかし、タイヤの加硫成形にあたり上述したようなブラダを用いる場合、加熱媒体をブラダ内部に充填すると、ブラダは丸く膨張しその中央部にて最も径が大きくなるため、それによって加硫金型に押し付けられたタイヤのベルトも丸みを帯びることとなり、ベルトのフラット化を実現することは困難であった。また、タイヤのセンター部及びサイド部がベルト端部に対応する部分に比べ先に加硫金型に押し付けられることとなるので、加硫成形時にタイヤのセンター部及びサイド部に存在する未加硫のゴムがベルト端部に対応する部分へ流れ込み易くなる結果、ゴムゲージが不均一になるという問題もある。
これらの問題を解消するため、特許文献1に開示されるように、加硫成形にあたりブラダに代えて剛体コアを用いることも考えられるが、この場合、大幅な設備変更が必要となるばかりかタイヤ毎に適合する剛体コアを用いる必要があり、コスト面からみて効率的とは言えなかった。
2000−108130号公報
それ故、この発明は、従来の加硫ブラダをそのまま用いて、ベルトのフラット化を実現可能な空気入りタイヤの製造方法を提供することをその目的とする。また、この発明の他の目的は転がり抵抗の低減した空気入りタイヤを提供することである。
この発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、この発明に係る空気入りタイヤの製造方法は、加硫金型の内部にグリーンタイヤを配置し、該グリーンタイヤの内側に挿入したブラダを加熱媒体の供給により膨張させることにより、ブラダの外面をグリーンタイヤの内面に押し付けて該グリーンタイヤを加硫成形するにあたり、前記グリーンタイヤの内面と前記ブラダの外面との間であって、少なくともグリーンタイヤに埋設されたベルトの幅方向の各端部に対応する領域に、周方向に連続する帯状の未加硫のゴム片をそれぞれ介在させて前記加硫成形を行うことを特徴とするものである。
かかる空気入りタイヤの製造方法にあっては、加硫成形にあたり、グリーンタイヤ内部にブラダを挿入し該ブラダに加熱媒体を供給すると、グリーンタイヤは膨張したブラダによって加硫金型の内壁に押し付けられる。このとき、グリーンタイヤのベルト端部に対応する部分は、ブラダとの間にゴム片が介在していることから、このゴム片の厚み分余計に押圧されるとともに、当該部分は、センター部及びサイド部と同時に加硫金型へ押し付けられる。
したがって、この発明の空気入りタイヤの製造方法によれば、従来の加硫ブラダを用いた加硫成形では、加熱媒体供給時にブラダが丸く膨張しその中央部にて最も大きな径をとるという上述したブラダの膨張変形時の性質故、十分な押圧力を付与できなかったグリーンタイヤのベルト端部近傍に十分な押圧力を与えることができるので、加硫成形時においてベルトのフラット化を実現するができる。
なお、この発明の空気入りタイヤの製造方法にあっては、ゴム片として、該ゴム片の幅方向の中央を中心に該ゴム片の幅の50%領域を占める中央領域内にてその厚みが最大となる最厚部を有するとともに、該最厚部から幅方向両端部に向けてその厚みが漸減するゴム片を用いることが好ましい。ここでいうゴム片の「幅」とは、グリーンタイヤに配置され、かつブラダを膨張させてグリーンタイヤを加硫金型に押し付ける前の状態において、幅方向断面にてゴム片の一端から他端までの距離をインナーライナーのペリフェリに沿って計測した長さを指すものとする。
また、この発明の空気入りタイヤの製造方法にあっては、ベルトの各端部と、各ゴム片の中央領域とが径方向にみて重なるようゴム片をそれぞれ配置することが好ましい。
さらに、この発明の空気入りタイヤの製造方法にあっては、ゴム片として、その厚みが4〜8mmのゴム片を用いることが好ましい。ここでいうゴム片の「厚み」とは、グリーンタイヤに配置され、かつブラダを膨張させてグリーンタイヤを加硫金型に押し付ける前の状態におけるゴム片の幅方向断面での最大厚さを指すものとする。
さらに、この発明の空気入りタイヤの製造方法にあっては、ゴム片として、その幅が20〜50mmのゴム片を用いることが好ましい。
さらに、この発明の空気入りタイヤの製造方法にあっては、円筒状の成形ドラム上にインナーライナーを形成した後、カーカスをその外側に巻き付けるとともに、該カーカスの幅方向両端部外側に一対のビードコアをそれぞれセットし、該一対のビードコアを互いに接近させながら該ビードコア間のカーカスを半径方向外側に膨出するとともに、カーカスの半径方向外側にベルト、トレッドゴムを配置することによりグリーンタイヤを成形し、ゴム片を、インナーライナーの形成に先立って成形ドラム上に配置することが好ましい。
しかも、この発明の空気入りタイヤの製造方法にあっては、加硫成形の後に、加硫済みとなったゴム片をタイヤから除去することが好ましい。
また、この発明の空気入りタイヤは、左右一対のビードコア間にトロイダルに延びるカーカスと、カーカスのクラウン域の外周側に配設したベルトとを具える空気入りタイヤにおいて、タイヤ赤道面における前記ベルトの半径とベルト端における該ベルトの半径との径差が、7.0mm以下であることを特徴とするものである。
この発明の空気入りタイヤの製造方法によれば、従来の加硫ブラダをそのまま用いて、ベルトのフラット化を実現することができるので、大幅な設備変更は必要なく、またタイヤ毎に適合する剛体コアを用いる必要もないのでコスト上大いに有利である。またこの発明の空気入りタイヤによれば、タイヤ負荷転動時におけるベルトの変形によるエネルギーロスを効果的に低減して転がり抵抗を大幅に低減することができる。
この発明に従う空気入りタイヤの製造方法に用いるグリーンタイヤの幅方向断面図である。 図1のグリーンタイヤを、加硫金型内に挿入してブラダによって加硫金型の内壁に押し付けた状態で示した幅方向断面図である。 図1のグリーンタイヤに適用したゴム片を拡大して示す幅方向断面図である。 この発明の実施形態の空気入りタイヤの幅方向断面図である。
以下、この発明の空気入りタイヤの製造方法について図面を参照しつつ詳細に説明する。ここに図1は、この発明に従う空気入りタイヤの製造方法に用いるグリーンタイヤの幅方向断面図であり、図2は、図1のグリーンタイヤを、加硫金型内に挿入してブラダによって加硫金型の内壁に押し付けた状態で示した幅方向断面図であり、図3は、図1のグリーンタイヤに適用したゴム片を拡大して示す幅方向断面図である。
この発明の例による製造方法では先ず、円筒状の成形ドラム(図示省略)上にインナーライナー1を形成した後、ラジアル構造のカーカス2をその外側に巻き付けるとともに、該カーカス2の幅方向両端部外側に一対のビードコア3、3をそれぞれセットし、該一対のビードコア3、3を互いに接近させながら該ビードコア3、3間のカーカス2を半径方向外側に膨出するとともに、カーカス2の半径方向外側に第1のベルト層4a及び第2のベルト層4bからなるベルト4、トレッドゴム5を配置することにより図1に示すグリーンタイヤ6を成形する。
また、グリーンタイヤ6の内面をなすインナーライナー1上には、ベルト4の幅方向の各端部E(以下、「ベルト端部」といい、複数のベルト層4a、4bによりベルト4が構成されている場合は、最広幅のベルト層4bの端部を指すものとする)に対応する部分に、周方向に連続する帯状の未加硫のゴム片8をそれぞれ配置する。このゴム片8をインナーライナー1上に配置するにあたっては、グリーンタイヤ1の形成後に別工程として貼り付けることもできるが、所定位置により正確かつ容易に配置するためには、グリーンタイヤ6の成形工程内にて円筒状の成形ドラム上にインナーライナー1を形成するに先立って、予め成形ドラム周上の所定位置にゴム片8を巻き付け、その外周にインナーライナー1を形成することでゴム片8を配置することが好ましい。
次いで、図2に示すように、このようにして形成されたグリーンタイヤ6を加硫金型10内にセットし、セットされたグリーンタイヤ6の内部に加熱媒体の供給・排出により膨張・収縮するゴム袋状のブラダ11を挿入し、ブラダ11を加熱媒体の供給により膨張させることにより、ブラダ11の外面をグリーンタイヤ6の内面に押し付けて該グリーンタイヤ6の加硫成形を行う。このとき、ゴム片8は、グリーンタイヤ6のインナーライナー1内面とブラダ11の外面との間であって、ベルト端部Eに対応する部分に存在し、ブラダ11からの押圧力によって若干の変形を伴いつつグリーンタイヤ6とともに加硫される。
なお、加硫金型10は図示の例では上下分割式の金型であって、径方向外側に配置されたトレッド形成用金型10aと、その上下に配置された上サイド金型10b及び下サイド金型10cとを備え、全体として加硫金型の内周部が凹状に形成された環状をなすものである。トレッド形成用金型10aは、タイヤのトレッド部の外面形状を形成する成型面が内周面に形成されており、径方向内外方向へ移動可能な多数のセグメントから構成されるものである。上下サイド金型10b、10cは、それぞれ環状をなしており、タイヤのサイドウォール部等の側面形状を形成する成型面が内面に形成されている。加硫金型としてはこれに限定されず、上型及び下型のみでサイドウォール部のみならずトレッド部の成形を行うものとしても良い。
上述した製造方法では、同図に示すように、グリーンタイヤ6のインナーライナー1上の、ベルト端部Eに対応する部分とブラダ11との間にゴム片8を介在させるため、ブラダ11が加熱媒体供給時に中央部を凸にして丸く膨張しても、グリーンタイヤ6のベルト端部Eに対応する部分がゴム片8の厚み分余計に押圧され、つまり、当該部分がゴム片8によって径方向外側に押し上げられ、前記部分がグリーンタイヤ6のセンター部及びサイド部とほぼ同時に加硫金型に押し付けられる。
したがって、この製造方法によれば、従来の加硫ブラダを用いた加硫成形では、ブラダ11が丸く膨張しその中央部にて最も径が大きくなるとの理由から、十分な押圧力を付与できなかったグリーンタイヤ6のベルト端部E近傍に十分な押圧力を与えることができるので、加硫成形時においてベルト4のフラット化を実現するができる。
なお、この発明の製造方法にあっては、図3に示すように、ゴム片8として、幅方向の断面形状が半月状や三角形など端部Eで厚みが漸減している形状、より詳しくは、該ゴム片8の幅方向の中央CLを中心に該ゴム片8の幅Wの50%領域を占める中央領域C内にてその厚みが最大となる最厚部8aを有するとともに、該最厚部8aから幅方向両端部Eに向けてその厚みが漸減するゴム片8を用いることが好ましい。なぜなら、未加硫のゴム片8は、加硫成形時にブラダ11等により強制的に変形され、初期形状に関係なく最終的には略三日月形状となるが、初期形状にてゴム片8の幅方向端部Eで厚みを漸減させておかないと、ブラダ拡張時に当該端部Eでの変形代が大きくなる結果、ゴム片8とブラダ11との間に隙間が生じて空気溜りによる成型不良が生じるおそれがあるからである。
また、この発明の製造方法にあっては、図1に示すように、ベルト端部Eと、各ゴム片8の上述した中央領域Cとが径方向にみて重なるようゴム片8をそれぞれ配置することが好ましい。これによれば、ブラダ拡張時にベルト端部Eをゴム片8の最厚部8a付近で押し上げることができるので、より効果的にベルト端部Eを径方向外側に変形させることができ、より効果的にベルトのフラット化を実現できるからである。
さらに、この発明の製造方法にあっては、図3に示すように、ゴム片8として、その最大厚みD(最厚部8aの厚み)が4〜8mmのゴム片8を用いることが好ましい。なぜなら、最大厚みDが4mm未満では、ブラダ拡張時にベルト端部Eを径方向外側に押し上げる効果が低くベルト4の十分なフラット化が実現できなくなるおそれがあり、一方、8mm超えるとゴム片8によるベルト端部Eの押上げ効果が大きくなり過ぎる結果、ベルト端部Eにおけるゴムゲージが薄くなり、耐久性を低下させてしまうおそれがあるからである。ゴム片8の厚みDが8mmを超えると最適加硫時間が長くなり生産効率が低下するおそれがある。
さらに、この発明の製造方法にあっては、ゴム片8として、その幅Wが20〜50mmのゴム片8を用いることが好ましい。なぜなら、ゴム片8の幅Wが20mm未満では、ブラダ拡張時のゴム片8によるベルト端部Eの押上げ効果が十分得られず、一方、50mmを超えるとベルト端部E近傍を越えて他の部分にまで上記押上げ効果が発生してしまい、その結果ベルト4にうねりが生じてタイヤの諸性能が低下するおそれがあるからである。また、ゴム片8の幅Wが50mmを超えると最適加硫時間が長くなり生産効率が低下するおそれがある。
さらに、この発明の製造方法にあっては、図1に示すように、ゴム片8のタイヤ幅方向内側の端部Eをベルト端部Eのタイヤ幅方向内側に配置するとともに、ベルト端部Eの先端からゴム片8のタイヤ幅方向内側の端部Eの先端までをタイヤ幅方向に沿って計測した距離をSとしたとき、0.25×W(ゴム片の幅)≦S≦0.75×Wを満たすようにゴム片8を配置することが好ましい。なぜなら、距離Sが0.25×W未満では、ブラダ拡張時のゴム片8によるベルト端部Eの押上げ効果が十分得られず、一方、距離Sが0.75×Wを超えるとベルト端部E近傍を越えて他の部分にまで上記押上げ効果が発生してしまい、その結果ベルト4にうねりが生じてタイヤの諸性能が低下するおそれがあるからである。
さらに、この発明の空気入りタイヤの製造方法にあっては、ゴム片8を、インナーライナー1の形成に先立って成形ドラム上に配置することが好ましく、これによれば、特殊な治具を用いなくとも精度良くかつ容易にゴム片8をインナーライナー1上の所定位置に貼り付けることができる。
しかも、この発明の製造方法にあっては、加硫後のタイヤの内面には加硫済みのゴム片8が貼り付いた状態で加硫金型から取り出されることがあるが、ゴム片8がタイヤの内面に貼り付いたままでは、タイヤ重量の増大やユニフォミティの悪化が懸念され、またタイヤ負荷転動時のゴム片8の変形によるエネルギーロスにより転がり抵抗の低減効果が薄れるため、ゴム片8は加硫後にタイヤから除去することが好ましい。このため、ゴム片8を加硫後にタイヤの内面から容易に引き剥がすことができるように、ゴム片8そのものを離型性のゴム(共加硫性の低いゴム)で構成したり、あるいはゴム片8とグリーンタイヤ6のインナーライナー1との間に予め弱接着性の離型部材(図示省略)を塗布又は介在させたりしておくことが好ましい。離型部材としては、例えばブチルゴムを有機溶剤(ゴム揮発油等)で溶解してなるブチルセメントや共加硫性の低いゴムを用いることができる。
続いて、この発明による実施形態の空気入りタイヤについて図4を参照して説明する。この空気入りタイヤ6’は、左右一対のビードコア3、3間にトロイダルに延びるカーカス2と、カーカス2のクラウン域の外周側に配設したベルト4とを具え、タイヤ赤道面におけるベルト4の半径Rとベルト端における該ベルト4の半径Rとの径差Δdが、JATMA等で規定される正規内圧を適用した状態にて、7.0mm以下である。
このような径差Δdが小さい空気入りタイヤ6’では、タイヤ負荷転動時のベルト4の歪み変形によるエネルギーロスが小さいため、転がり抵抗を大幅に低減することができる。なお、上述したこの発明による空気入りタイヤの製造方法はこのような空気入りタイヤ6’の製造に特に適するものであって、該空気入りタイヤ6’を既存の加硫設備を用いたまま容易に製造することができる。
この発明による効果を確認するためベルトのフラット化及び転がり抵抗についての評価試験を行ったので、この発明の製造方法により製造されたタイヤ(以下、「実施例のタイヤ」という)と従来の方法により製造されたタイヤ(以下、「従来例のタイヤ」という)とを比較して説明する。
タイヤサイズが225/45R17で、図4に示す構造の空気入りラジアルタイヤを製造するときに、未加硫のグリーンタイヤを加硫金型に挿入し、金型温度を177℃、ブラダ内部に加熱媒体として、177℃のスチームを供給して15分間加硫成形することを共通条件とし、従来例のタイヤ及び実施例のタイヤを試作した。
従来例のタイヤは、グリーンタイヤにゴム片を適用しないで製造したものであり、実施例1〜16のタイヤは、ブラダとグリーンタイヤとの間であって、ベルト端部に対応する部分にゴム片を介在させ、ゴム片の種類等を表1に示すように異ならせて製造したものである。また、実施例1〜15のタイヤは、加硫成形後にゴム片をタイヤから除去したものであるが、実施例16のタイヤは、加硫成形後もそのままゴム片をタイヤに残留させたものである。
製造された各供試タイヤにつき、タイヤ内部に230kPa(相対圧)を付加したときの、ベルト4のタイヤ赤道面における半径Rとベルト端部Eの先端における半径Rとの径差Δd(ベルトのフラット性)及び、上記各タイヤに4.41kNの荷重を加えたときの転がり抵抗をそれぞれ測定し、得られた結果を表1に示す。なお、ベルト4のフラット性については、Δdが小さいほどよりフラットであることを示し、転がり抵抗については、従来例のタイヤにおける転がり抵抗を100として指数表示したものであり、その数値が小さいほど転がり抵抗が小さいことを示す。
Figure 2011098533
従来例のタイヤでは、ベルトがフラット化されず、転がり抵抗が低減することはなかった。これに対し、実施例1〜16のタイヤでは、ベルトがフラット化され、一部のタイヤを除き、転がり抵抗も低減することを確認した。また、ゴム片の厚みを4〜8mmとすることで、ベルトを大幅にフラット化できることを確認し、さらに、ゴム片の幅を20〜50mmとすることにより、ベルトを大幅にフラット化できることを確認し、加えて、ゴム片の位置を0.25×W≦S≦0.75×Wとすることで、ベルトを大幅にフラット化できることを確認した。また、加硫成形後はゴム片をタイヤから除去することで転がり抵抗を大幅に低減できることを確認した。
以上のところからも明らかなように、この発明によれば、従来の加硫ブラダをそのまま用いて、ベルトのフラット化を実現することができるので、大幅な設備変更は必要なく、またタイヤ毎に適合する剛体コアを用いる必要もないのでコスト上大いに有利となる。また、この発明によれば、転がり抵抗が大幅に低減した空気入りタイヤを提供することができる。
1 インナーライナー
2 カーカス
3 ビードコア
4 ベルト
5 トレッドゴム
6 グリーンタイヤ
6’ 空気入りタイヤ
8 ゴム片
10 加硫金型
11 加硫ブラダ

Claims (8)

  1. 加硫金型の内部にグリーンタイヤを配置し、該グリーンタイヤの内側に挿入したブラダを加熱媒体の供給により膨張させることにより、ブラダの外面をグリーンタイヤの内面に押し付けて該グリーンタイヤを加硫成形するにあたり、
    前記グリーンタイヤの内面と前記ブラダの外面との間であって、少なくとも該グリーンタイヤに埋設されたベルトの幅方向の各端部に対応する領域に、周方向に連続する帯状の未加硫のゴム片をそれぞれ介在させて前記加硫成形を行うことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記ゴム片として、該ゴム片の幅方向の中央を中心に該ゴム片の幅の50%領域を占める中央領域内にてその厚みが最大となる最厚部を有するとともに、該最厚部から幅方向両端部に向けてその厚みが漸減するゴム片を用いる、請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 前記ベルトの各端部と、各ゴム片の前記中央領域とが径方向にみて重なるよう前記ゴム片をそれぞれ配置する、請求項2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  4. 前記ゴム片として、その厚みが4〜8mmのゴム片を用いる、請求項1〜3の何れか一項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  5. 前記ゴム片として、その幅が20〜50mmのゴム片を用いる、請求項1〜4の何れか一項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  6. 円筒状の成形ドラム上にインナーライナーを形成した後、カーカスをその外側に巻き付けるとともに、該カーカスの幅方向両端部外側に一対のビードコアをそれぞれセットし、該一対のビードコアを互いに接近させながら該ビードコア間のカーカスを半径方向外側に膨出するとともに、カーカスの半径方向外側にベルト、トレッドゴムを配置することにより前記グリーンタイヤを成形し、
    前記ゴム片を、前記インナーライナーの形成に先立って前記成形ドラム上に配置する、請求項1〜5の何れか一項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  7. 前記加硫成形の後に、加硫済みとなったゴム片をタイヤから除去する、請求項1〜6の何れか一項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  8. 左右一対のビードコア間にトロイダルに延びるカーカスと、カーカスのクラウン域の外周側に配設したベルトとを具える空気入りタイヤにおいて、
    タイヤ赤道面における前記ベルトの半径とベルト端における該ベルトの半径との径差は、7.0mm以下であることを特徴とする空気入りタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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