JP2018176505A - 空気入りタイヤの製造方法及びタイヤ用加硫ブラダー - Google Patents

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Abstract

【課題】インナーライナーゴム層による内圧保持性を損なうことなく、タイヤとブラダーとの間のエア溜りに起因する加硫故障を抑制することを可能にした空気入りタイヤの製造方法及びタイヤ用加硫ブラダーを提供する。
【解決手段】モールド10内に未加硫状態の空気入りタイヤ1を投入し、ブラダー径方向に延在する複数本の排気溝23が外表面に形成された円筒状のブラダー20を空気入りタイヤ1の内側で膨らませた状態で加硫を行う空気入りタイヤの製造方法において、加硫時に空気入りタイヤ1のショルダー曲率頂部に当接するブラダー20のショルダー曲率頂部のストレッチ率を5〜25%とし、該ストレッチ率での膨張時におけるブラダーのショルダー曲率頂部での排気溝23の溝深さCが空気入りタイヤ1のインナーライナーゴム層2の厚さTに対して0.1mm≦C≦T×0.6の関係を満足する。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤの製造方法及びそれに用いるタイヤ用加硫ブラダーに関し、更に詳しくは、インナーライナーゴム層による内圧保持性を損なうことなく、タイヤとブラダーとの間のエア溜りに起因する加硫故障を抑制することを可能にした空気入りタイヤの製造方法及びタイヤ用加硫ブラダーに関する。
空気入りタイヤを製造する場合、モールド内に未加硫状態の空気入りタイヤ(即ち、グリーンタイヤ)を投入し、そのグリーンタイヤの内側でブラダーを膨らませた状態で加硫を行うことが一般的である。このような加硫工程において、膨張過程にあるブラダーはクラウンセンター部、ビード部、ショルダー部の順序でグリーンタイヤに対して接触する。そのため、グリーンタイヤとブラダーとの間のエアはショルダー部に溜まり易く、このようなエアがグリーンタイヤとブラダーとの間に残存した状態で加硫が行われると加硫故障の原因となる。
上述のようにグリーンタイヤとブラダーとの間に残留するエアを逃がすために、ブラダーの外表面にブラダー径方向に延在する複数本の排気溝を設けることが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
しかしながら、加硫時におけるブラダーのストレッチ量が大きいと、ブラダーの外表面に形成された排気溝が潰れてエアの逃げ道がなくなってしまう。これに対して、排気溝の溝深さを大きくすることが考えられるが、その場合、タイヤ内面に大きな凹凸が転写され、インナーライナーゴム層が局所的に薄くなるため、内圧保持性が低下するという不都合がある。また、ブラダーの初期寸法を大きくし、ブラダーのストレッチ量を小さくすることが考えられるが、その場合、加硫工程においてブラダーにバックリングが生じ易くなり、その結果、タイヤ内面に皺が生じる等の不都合がある。
特許第3833010号公報 特許第4215585号公報 特許第5026900号公報
本発明の目的は、インナーライナーゴム層による内圧保持性を損なうことなく、タイヤとブラダーとの間のエア溜りに起因する加硫故障を抑制することを可能にした空気入りタイヤの製造方法及びタイヤ用加硫ブラダーを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤの製造方法は、モールド内に未加硫状態の空気入りタイヤを投入し、ブラダー径方向に延在する複数本の排気溝が外表面に形成された円筒状のブラダーを前記空気入りタイヤの内側で膨らませた状態で加硫を行う空気入りタイヤの製造方法において、
加硫時に前記空気入りタイヤのショルダー曲率頂部に当接する前記ブラダーのショルダー曲率頂部のストレッチ率を5〜25%とし、該ストレッチ率での膨張時における前記ブラダーのショルダー曲率頂部での前記排気溝の溝深さCが前記空気入りタイヤのインナーライナーゴム層の厚さTに対して0.1mm≦C≦T×0.6の関係を満足することを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するための本発明のタイヤ用加硫ブラダーは、ブラダー径方向に延在する複数本の排気溝が外表面に形成された円筒状のタイヤ用加硫ブラダーにおいて、
前記ブラダーの子午線断面でのペリフェリー長さLに対して各端部からの距離がL×0.25となる推定ショルダー曲率頂部のストレッチ率が25%となるように前記ブラダーを膨張させたとき、前記推定ショルダー曲率頂部を中心とするL×0.2の領域において前記排気溝の溝深さCが0.1mm以上であり、かつ、前記推定ショルダー曲率頂部のストレッチ率が5%となるように前記ブラダーを膨張させたとき、前記推定ショルダー曲率頂部を中心とするL×0.2の領域において前記排気溝の溝深さCが1.0mm以下であることを特徴とするものである。
本発明者は、加硫工程においてタイヤとブラダーとの間に残留するエアについて鋭意研究した結果、加硫時に空気入りタイヤのショルダー曲率頂部に当接するブラダーのショルダー曲率頂部のストレッチ率を小さくする一方で、膨張時におけるブラダーのショルダー曲率頂部での排気溝の溝深さCを適度に確保することにより、エアの排出を効果的に行うことが可能であることを知見し、本発明に至ったのである。
即ち、本発明に係る空気入りタイヤの製造方法によれば、加硫時に空気入りタイヤのショルダー曲率頂部に当接するブラダーのショルダー曲率頂部のストレッチ率を5〜25%とすることにより、排気溝の潰れを抑制することができる。その上で、上記ストレッチ率での膨張時におけるブラダーのショルダー曲率頂部での排気溝の溝深さCが空気入りタイヤのインナーライナーゴム層の厚さTに対して0.1mm≦C≦T×0.6の関係を満足することにより、タイヤ内面に転写される凹凸を小さくし、インナーライナーゴム層の局所的な薄肉化を回避することができるため、空気入りタイヤの内圧保持性を良好に維持することができる。
特に、ブラダーの非膨張時におけるブラダーのショルダー曲率頂部の外径Aとブラダーのセンター部の外径BがA≦Bの関係を満足することが好ましい。このことは、ブラダーのショルダー曲率頂部のストレッチ率の引き下げに寄与する。
また、本発明に係るタイヤ用加硫ブラダーによれば、推定ショルダー曲率頂部のストレッチ率が25%となるようにブラダーを膨張させたとき、推定ショルダー曲率頂部を中心とするL×0.2の領域において排気溝の溝深さCが0.1mm以上であり、かつ、推定ショルダー曲率頂部のストレッチ率が5%となるようにブラダーを膨張させたとき、推定ショルダー曲率頂部を中心とするL×0.2の領域において排気溝の溝深さCが1.0mm以下である構造を採用することにより、上述した空気入りタイヤの製造方法を実施することが可能になる。特に、ブラダーの非膨張時におけるブラダーの推定ショルダー曲率頂部の外径A′とブラダーのセンター部の外径BがA′≦Bの関係を満足することが好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤの製造方法を実施するためのタイヤ加硫装置の要部を示す子午線半断面図である。 図1のタイヤ加硫装置における空気入りタイヤ及びブラダーのショルダー曲率頂部を示す拡大断面図である。 本発明に係るタイヤ用加硫ブラダーを示す側面図である。 図3のタイヤ用加硫ブラダーの非膨張状態を示す子午線半断面図である。 図3のタイヤ用加硫ブラダーの膨張状態を示す子午線半断面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1及び図2は本発明に係る空気入りタイヤの製造方法を実施するためのタイヤ加硫装置の要部を示し、図3〜図5はそれに使用されるタイヤ用加硫ブラダーを示すものである。
図1に示すように、このタイヤ加硫装置は、空気入りタイヤ1の外表面を成形するモールド10と、空気入りタイヤ1の内側に挿入される円筒状のブラダー20とを備えている。空気入りタイヤ1はその内面にブチルゴムからなるインナーライナーゴム層2を備えている。
モールド10は、空気入りタイヤ1のサイドウォール部を成形するための下側サイドプレート11及び上側サイドプレート12と、空気入りタイヤ1のビード部を成形するための下側ビードリング13及び上側ビードリング14と、空気入りタイヤ1のトレッド部を成形するための複数のセクター15とから構成され、そのモールド10の内側で空気入りタイヤ1を加硫成形するようになっている。なお、モールド10の構造は特に限定されるものではなく、図示のようなセクショナルタイプのモールドのほか、二つ割りタイプのモールドを使用することも可能である。
ブラダー20は、図3〜図5に示すように、その軸方向の両端部に形成された厚肉部21,21と、これら厚肉部21,21の相互間に延在する膜部22とから構成されている。また、ブラダー20の膜部22の外表面には、ブラダー径方向に延在する複数本の排気溝23が形成されている。これら排気溝23は、空気入りタイヤ1とブラダー20との間のエアの排出を促進するためのものであり、例えば、図3に示すように、ブラダー径方向に対して傾斜し、網目状に配置されている。
ブラダー20は、図1に示すように、その下端部が下側ビードリング13と下側クランプリング31との間に把持され、その上端部が上側クランプリング32と補助リング33との間に把持されている。図1に示すような加硫状態において、ブラダー20は空気入りタイヤ1の径方向外側に向かって拡張した状態にあるが、加硫後に空気入りタイヤ1をモールド10内から取り出す際には上側クランプリング32が上方に移動し、それに伴ってブラダー20が空気入りタイヤ1の内側から抜き取られるようになっている。
上述したタイヤ加硫装置を用いて空気入りタイヤ1を加硫する場合、モールド10内に未加硫の空気入りタイヤ1を投入し、ブラダー20の内側に加熱加圧媒体を導入してブラダー20を膨らませた状態にすると共にモールド10を外側から加熱することにより、空気入りタイヤ1の加硫を行う。
上述した空気入りタイヤの製造方法において、図2に示すように、加硫時に空気入りタイヤ1のショルダー曲率頂部Tsに当接するブラダー20のショルダー曲率頂部Bsのストレッチ率を5〜25%とする。空気入りタイヤ1のショルダー曲率頂部Tsとは、加硫時に空気入りタイヤ1のショルダー領域においてタイヤ内面の子午線断面での曲率半径が最も小さくなる部位を意味し、ブラダー20のショルダー曲率頂部Bsとは空気入りタイヤ1のショルダー曲率頂部Tsに当接する部位を意味する。ブラダー20のショルダー曲率頂部Bsのストレッチ率とは、ブラダー20の非膨張時(図4参照)におけるショルダー曲率頂部Bsの外径Aと、ブラダー20の膨張時(図5参照)におけるショルダー曲率頂部Bsの外径Dとから算出されるブラダー周方向のストレッチ率である。即ち、ストレッチ率は[(D/A)−1]×100%である。
上述のように加硫時におけるブラダー20のショルダー曲率頂部Bsのストレッチ率を5〜25%とすることにより、排気溝23の潰れを抑制することができる。ここで、ブラダー20のショルダー曲率頂部Bsのストレッチ率が5%よりも小さいと、加硫工程においてブラダー20にバックリングが生じ易くなるためタイヤ内面に皺が生じる恐れがあり、逆に25%よりも大きいと、加硫時に排気溝23が潰れて空気入りタイヤ1とブラダー20との間のエア溜りに起因する加硫故障を生じ易くなる。
更に、上述した空気入りタイヤの製造方法において、図2に示すように、上記ストレッチ率に基づく膨張時におけるブラダー20のショルダー曲率頂部Bsでの排気溝23の溝深さCは空気入りタイヤ1のインナーライナーゴム層2の厚さTに対して0.1mm≦C≦T×0.6の関係を満足するようにする。これにより、タイヤ内面に転写される凹凸を小さくし、インナーライナーゴム層2の局所的な薄肉化を回避することができる。その結果、空気入りタイヤ1の内圧保持性を良好に維持することができる。ここで、ブラダー20のショルダー曲率頂部Bsでの排気溝23の溝深さCが0.1mmよりも小さいと、エア溜りに起因する加硫故障を生じ易くなり、逆にT×0.6よりも大きいとインナーライナーゴム層2の局所的な薄肉化を生じ易くなるためインナーライナーゴム層2による内圧保持性が損なわれることになる。
ブラダー20は、単体として、以下のような初期寸法に設定することができる。即ち、図4及び図5に示すように、非膨張時のブラダー20の子午線断面でのペリフェリー長さLに対して各端部からの距離がL×0.25となる部位を推定ショルダー曲率頂部Bs′とし、その推定ショルダー曲率頂部Bs′のストレッチ率が25%となるようにブラダー20を膨張させたとき、推定ショルダー曲率頂部Bs′を中心とするL×0.2の領域Xにおいて排気溝23の溝深さCが0.1mm以上となり、かつ、推定ショルダー曲率頂部Bs′のストレッチ率が5%となるようにブラダー20を膨張させたとき、推定ショルダー曲率頂部Bs′を中心とするL×0.2の領域Xにおいて排気溝23の溝深さCが1.0mm以下となるような初期寸法を採用することができる。
ブラダー20の推定ショルダー曲率頂部Bs′のストレッチ率は、ブラダー20の非膨張時(図4参照)における推定ショルダー曲率頂部Bs′の外径A′と、ブラダー20の膨張時(図5参照)における推定ショルダー曲率頂部Bs′の外径D′とから算出されるブラダー周方向のストレッチ率である。即ち、ストレッチ率は[(D′/A′)−1]×100%である。ブラダー20はストレッチ率に反比例して薄くなるので、ブラダー20が非膨張状態にあるときの排気溝23の溝深さはストレッチ率から逆算することができる。
特に、乗用車用タイヤにおいては、インナーライナーゴム層2の厚さTが例えば0.3mm〜1.5mmの範囲にあるので、推定ショルダー曲率頂部Bs′のストレッチ率が5%となるようにブラダー20を膨張させたとき、推定ショルダー曲率頂部Bs′を中心とするL×0.2の領域Xにおいて排気溝23の溝深さCが0.5mm以下となるような初期寸法を採用することが望ましい。一方、重荷重用タイヤにおいては、インナーライナーゴム層2の厚さTが例えば1.0mm〜3.0mmの範囲にあるので、推定ショルダー曲率頂部Bs′のストレッチ率が5%となるようにブラダー20を膨張させたとき、推定ショルダー曲率頂部Bs′を中心とするL×0.2の領域Xにおいて排気溝23の溝深さCが1.0mm以下となるような初期寸法を採用することが望ましい。
また、排気溝23はブラダー20の外表面の全域に配置することも可能であるが、エア溜りを防止する上で必要とされる領域だけに配置すれば良い。しかしながら、少なくとも推定ショルダー曲率頂部Bs′を中心とするL×0.2の領域Xには排気溝23が存在することが必要である。
このような構造を有するブラダー20によれば、上述した空気入りタイヤの製造方法を実施することが可能になる。なお、図4及び図5においては、ブラダー20の実際のショルダー曲率頂部Bsと推定ショルダー曲率頂部Bs′とが互いに一致した状態にある例が描写されているが、これらは必ずしも一致するものではない。しかしながら、単体としてのブラダー20において、推定ショルダー曲率頂部Bs′を中心とするL×0.2の領域Xにおける排気溝23の溝深さCを規定しているので、ブラダー20の実際のショルダー曲率頂部Bsと推定ショルダー曲率頂部Bs′とが互いに一致しない場合であっても、加硫工程において上述した効果を得ることが可能である。
特に、ブラダー20の非膨張時において、ブラダー20のショルダー曲率頂部Bsの外径Aとブラダー20のセンター部Bc(軸方向中央位置)の外径BがA≦B、より好ましくは、A≦B×0.9の関係を満足することが好ましい。同様に、ブラダー20の非膨張時において、ブラダー20の推定ショルダー曲率頂部Bs′の外径A′とブラダー20のセンター部Bc(軸方向中央位置)の外径BがA′≦B、より好ましくは、A′≦B×0.9の関係を満足することが好ましい。このことは、ブラダー20のショルダー曲率頂部Bs又は推定ショルダー曲率頂部Bs′のストレッチ率の引き下げに寄与する。
タイヤサイズが195/65R15である乗用車用空気入りタイヤを製造するにあたって、タイヤ加硫用ブラダーの寸法要件を異ならせ、それ以外の加硫条件を同じにした種々の製造方法を実施した(実施例1,2及び比較例1,2)。なお、インナーライナーゴム層の厚さTは0.6mmとした。
実施例1においては、ブラダーの非膨張時における推定ショルダー曲率頂部Bs′の外径A′が580mmであり、ブラダーの推定ショルダー曲率頂部Bs′のストレッチ率が25%となるようにブラダーを膨張させたとき、推定ショルダー曲率頂部Bs′を中心とするL×0.2の領域Xにおいて排気溝の溝深さCが0.1mmとなり、かつ、推定ショルダー曲率頂部Bs′のストレッチ率が5%となるようにブラダーを膨張させたとき、推定ショルダー曲率頂部Bs′を中心とするL×0.2の領域Xにおいて排気溝の溝深さCが0.5mmとなるような初期寸法を有するタイヤ加硫用ブラダーを用いた。そして、加硫時にブラダーのショルダー曲率頂部Bsのストレッチ率を5%とし、そのストレッチ率での膨張時におけるブラダーのショルダー曲率頂部Bsでの排気溝の溝深さCを0.5mmとした。
実施例2においては、ブラダーの非膨張時における推定ショルダー曲率頂部Bs′の外径A′が470mmであり、ブラダーの推定ショルダー曲率頂部Bs′のストレッチ率が25%となるようにブラダーを膨張させたとき、推定ショルダー曲率頂部Bs′を中心とするL×0.2の領域Xにおいて排気溝の溝深さCが0.1mmとなり、かつ、推定ショルダー曲率頂部Bs′のストレッチ率が5%となるようにブラダーを膨張させたとき、推定ショルダー曲率頂部Bs′を中心とするL×0.2の領域Xにおいて排気溝の溝深さCが0.5mmとなるような初期寸法を有するタイヤ加硫用ブラダーを用いた。そして、加硫時にブラダーのショルダー曲率頂部Bsのストレッチ率を25%とし、そのストレッチ率での膨張時におけるブラダーのショルダー曲率頂部Bsでの排気溝の溝深さCを0.1mmとした。
比較例1においては、ブラダーの非膨張時における推定ショルダー曲率頂部Bs′の外径A′が590mmであり、ブラダーの推定ショルダー曲率頂部Bs′のストレッチ率が25%となるようにブラダーを膨張させたとき、推定ショルダー曲率頂部Bs′を中心とするL×0.2の領域Xにおいて排気溝の溝深さCが0.1mmとなり、かつ、推定ショルダー曲率頂部Bs′のストレッチ率が5%となるようにブラダーを膨張させたとき、推定ショルダー曲率頂部Bs′を中心とするL×0.2の領域Xにおいて排気溝の溝深さCが0.5mmとなるような初期寸法を有するタイヤ加硫用ブラダーを用いた。そして、加硫時にブラダーのショルダー曲率頂部Bsのストレッチ率を3%とし、そのストレッチ率での膨張時におけるブラダーのショルダー曲率頂部Bsでの排気溝の溝深さCを0.6mmとした。
比較例2においては、ブラダーの非膨張時における推定ショルダー曲率頂部Bs′の外径A′が460mmであり、ブラダーの推定ショルダー曲率頂部Bs′のストレッチ率が25%となるようにブラダーを膨張させたとき、推定ショルダー曲率頂部Bs′を中心とするL×0.2の領域Xにおいて排気溝の溝深さCが0.06mmとなり、かつ、推定ショルダー曲率頂部Bs′のストレッチ率が5%となるようにブラダーを膨張させたとき、推定ショルダー曲率頂部Bs′を中心とするL×0.2の領域Xにおいて排気溝の溝深さCが0.3mmとなるような初期寸法を有するタイヤ加硫用ブラダーを用いた。そして、加硫時にブラダーのショルダー曲率頂部Bsのストレッチ率を30%とし、そのストレッチ率での膨張時におけるブラダーのショルダー曲率頂部Bsでの排気溝の溝深さCを0.05mmとした。
これら試験タイヤについて、下記の評価方法により、加硫故障発生率、圧力低下率を評価し、その結果を表1に示した。
加硫故障発生率:
タイヤを1000本ずつ加硫したときのタイヤショルダー部におけるエア溜りに起因する加硫故障の発生率を求めた。
圧力低下率:
各試験タイヤを標準リムに組付け、初期空気圧を220kPa、室温27℃、無負荷条件にて3ヶ月間放置し、1ヶ月当たりの圧力低下率(%/月)を求めた。
Figure 2018176505
表1から明らかなように、実施例1,2においては、内圧保持性が良好であり、しかもタイヤとブラダーとの間のエア溜りに起因する加硫故障が抑制されていた。これに対して、比較例1においては、加硫時におけるブラダーのショルダー曲率頂部Bsでの排気溝の溝深さCが大き過ぎるため内圧保持性が悪化していた。また、比較例2においては、加硫時におけるブラダーのショルダー曲率頂部Bsでの排気溝の溝深さCが小さ過ぎるため加硫故障が増加していた。
次に、タイヤサイズが11R22.5である重荷重用空気入りタイヤを製造するにあたって、タイヤ加硫用ブラダーの寸法要件を異ならせ、それ以外の加硫条件を同じにした種々の製造方法を実施した(実施例11,12及び比較例11,12)。なお、インナーライナーゴム層の厚さTは2.0mmとした。
実施例11においては、ブラダーの非膨張時における推定ショルダー曲率頂部Bs′の外径A′が900mmであり、ブラダーの推定ショルダー曲率頂部Bs′のストレッチ率が25%となるようにブラダーを膨張させたとき、推定ショルダー曲率頂部Bs′を中心とするL×0.2の領域Xにおいて排気溝の溝深さCが0.2mmとなり、かつ、推定ショルダー曲率頂部Bs′のストレッチ率が5%となるようにブラダーを膨張させたとき、推定ショルダー曲率頂部Bs′を中心とするL×0.2の領域Xにおいて排気溝の溝深さCが1.0mmとなるような初期寸法を有するタイヤ加硫用ブラダーを用いた。そして、加硫時にブラダーのショルダー曲率頂部Bsのストレッチ率を5%とし、そのストレッチ率での膨張時におけるブラダーのショルダー曲率頂部Bsでの排気溝の溝深さCを1.0mmとした。
実施例12においては、ブラダーの非膨張時における推定ショルダー曲率頂部Bs′の外径A′が710mmであり、ブラダーの推定ショルダー曲率頂部Bs′のストレッチ率が25%となるようにブラダーを膨張させたとき、推定ショルダー曲率頂部Bs′を中心とするL×0.2の領域Xにおいて排気溝の溝深さCが0.1mmとなり、かつ、推定ショルダー曲率頂部Bs′のストレッチ率が5%となるようにブラダーを膨張させたとき、推定ショルダー曲率頂部Bs′を中心とするL×0.2の領域Xにおいて排気溝の溝深さCが0.5mmとなるような初期寸法を有するタイヤ加硫用ブラダーを用いた。そして、加硫時にブラダーのショルダー曲率頂部Bsのストレッチ率を25%とし、そのストレッチ率での膨張時におけるブラダーのショルダー曲率頂部Bsでの排気溝の溝深さCを0.1mmとした。
比較例11においては、ブラダーの非膨張時における推定ショルダー曲率頂部Bs′の外径A′が925mmであり、ブラダーの推定ショルダー曲率頂部Bs′のストレッチ率が25%となるようにブラダーを膨張させたとき、推定ショルダー曲率頂部Bs′を中心とするL×0.2の領域Xにおいて排気溝の溝深さCが0.2mmとなり、かつ、推定ショルダー曲率頂部Bs′のストレッチ率が5%となるようにブラダーを膨張させたとき、推定ショルダー曲率頂部Bs′を中心とするL×0.2の領域Xにおいて排気溝の溝深さCが1.0mmとなるような初期寸法を有するタイヤ加硫用ブラダーを用いた。そして、加硫時にブラダーのショルダー曲率頂部Bsのストレッチ率を3%とし、そのストレッチ率での膨張時におけるブラダーのショルダー曲率頂部Bsでの排気溝の溝深さCを1.1mmとした。
比較例12においては、ブラダーの非膨張時における推定ショルダー曲率頂部Bs′の外径A′が660mmであり、ブラダーの推定ショルダー曲率頂部Bs′のストレッチ率が25%となるようにブラダーを膨張させたとき、推定ショルダー曲率頂部Bs′を中心とするL×0.2の領域Xにおいて排気溝の溝深さCが0.1mmとなり、かつ、推定ショルダー曲率頂部Bs′のストレッチ率が5%となるようにブラダーを膨張させたとき、推定ショルダー曲率頂部Bs′を中心とするL×0.2の領域Xにおいて排気溝の溝深さCが0.3mmとなるような初期寸法を有するタイヤ加硫用ブラダーを用いた。そして、加硫時にブラダーのショルダー曲率頂部Bsのストレッチ率を30%とし、そのストレッチ率での膨張時におけるブラダーのショルダー曲率頂部Bsでの排気溝の溝深さCを0.05mmとした。
これら試験タイヤについて、上述の評価方法により、加硫故障発生率、内圧保持性を評価し、その結果を表2に示した。但し、重荷重用空気入りタイヤにおいて、初期空気圧は800kPaとした。
Figure 2018176505
表2から明らかなように、実施例11,12においては、内圧保持性が良好であり、しかもタイヤとブラダーとの間のエア溜りに起因する加硫故障が抑制されていた。これに対して、比較例11においては、加硫時におけるブラダーのショルダー曲率頂部Bsでの排気溝の溝深さCが大き過ぎるため内圧保持性が悪化していた。また、比較例12においては、加硫時におけるブラダーのショルダー曲率頂部Bsでの排気溝の溝深さCが小さ過ぎるため加硫故障が増加していた。
1 空気入りタイヤ
2 インナーライナーゴム層
10 モールド
20 ブラダー
21 厚肉部
22 膜部
23 排気溝
Bs ブラダーのショルダー曲率頂部
Bs′ ブラダーの推定ショルダー曲率頂部
Ts 空気入りタイヤのショルダー曲率頂部

Claims (4)

  1. モールド内に未加硫状態の空気入りタイヤを投入し、ブラダー径方向に延在する複数本の排気溝が外表面に形成された円筒状のブラダーを前記空気入りタイヤの内側で膨らませた状態で加硫を行う空気入りタイヤの製造方法において、
    加硫時に前記空気入りタイヤのショルダー曲率頂部に当接する前記ブラダーのショルダー曲率頂部のストレッチ率を5〜25%とし、該ストレッチ率での膨張時における前記ブラダーのショルダー曲率頂部での前記排気溝の溝深さCが前記空気入りタイヤのインナーライナーゴム層の厚さTに対して0.1mm≦C≦T×0.6の関係を満足することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記ブラダーの非膨張時における前記ブラダーのショルダー曲率頂部の外径Aと前記ブラダーのセンター部の外径BがA≦Bの関係を満足することを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. ブラダー径方向に延在する複数本の排気溝が外表面に形成された円筒状のタイヤ用加硫ブラダーにおいて、
    前記ブラダーの子午線断面でのペリフェリー長さLに対して各端部からの距離がL×0.25となる推定ショルダー曲率頂部のストレッチ率が25%となるように前記ブラダーを膨張させたとき、前記推定ショルダー曲率頂部を中心とするL×0.2の領域において前記排気溝の溝深さCが0.1mm以上であり、かつ、前記推定ショルダー曲率頂部のストレッチ率が5%となるように前記ブラダーを膨張させたとき、前記推定ショルダー曲率頂部を中心とするL×0.2の領域において前記排気溝の溝深さCが1.0mm以下であることを特徴とするタイヤ用加硫ブラダー。
  4. 前記ブラダーの非膨張時における前記ブラダーの推定ショルダー曲率頂部の外径A′と前記ブラダーのセンター部の外径BがA′≦Bの関係を満足することを特徴とする請求項3に記載のタイヤ用加硫ブラダー。
JP2017077414A 2017-04-10 2017-04-10 空気入りタイヤの製造方法及びタイヤ用加硫ブラダー Pending JP2018176505A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112895244A (zh) * 2021-01-11 2021-06-04 上海淞江减震器集团有限公司 一种橡胶接头硫化工艺

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