JP2008093952A - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ユニフォミティに優れた空気入りタイヤを製造する。
【解決手段】 一対のビードコア4と、該ビードコア4間をトロイド状にのびるとともに両端部6bがビードコア4の内周面を通って半径方向外側に巻上げられたカーカスコードを有するカーカスプライ6と、その内側に添設されたインナーライナーゴム2とを含む未加硫のカーカス基体1Aを成形するカーカス基体成形工程と、カーカス基体1Aのカーカスコードを仕上げプロファイルに保持する金型を用いて該カーカス基体1Aを加硫成形する第1の加硫工程と、加硫されたカーカス基体に、ベルト層、トレッドゴム及び残余の未加硫ゴム部材を貼り付けることにより最終カバーを成形する最終カバー成形工程と、該最終カバーを加硫成形する第2の加硫工程とを含むことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ユニフォミティに優れた空気入りタイヤを製造しうる空気入りタイヤの製造方法に関する。
一般に、空気入りラジアルタイヤは、図9に示されるように、一対のビードコアa、aと、該ビードコアaの周りに架け渡されたカーカスプライbと、その半径方向外側に配されたベルト層cと、該ベルト層cの外側に配されたトレッドゴムdと、前記カーカスプライbの外側に配された一対のサイドウォールゴムeと、前記カーカスプライbの内側に配されたインナーライナーゴムfとを少なくとも含む未加硫の生カバーgを成形し、これを金型を用いて加硫することにより製造される。
また、前記加硫は、図10に示されるように、生カバーgの外周面を成形する成形面jを有した金型mと、前記生カバーgの内腔内に配されかつ膨張することにより該生カバーgを成形面jに向かって押圧するブラダーkとを用いて行われる。
ところで、生カバーgの加硫成形中、ビードコアa、a間を跨ってのびているカーカスコードは、ブラダーkによって熱エネルギーを受けながら押圧されるため、伸びが与えられるとともにビードコアaの内周面との間で滑りを生じ、そのコードパス、即ちビードコアa、a間をのびるカーカスコードの長さが大きくなる。しかしながら、その滑りはタイヤ周方向で均一にならないため、タイヤのユニフォミティが悪化するという問題がある。
前記コードパスがタイヤ周方向で均一にならない原因として、カーカスプライbの外側に配されているベルト層cやトレッドゴムd等のトレッド拘束部材によって加硫成形中における自由なカーカスコードの伸びが妨げられること、また前記拘束部材の剛性がタイヤ周方向で均一ではないこと、さらにはこれらの拘束部材が真円ではないこと等が挙げられる。このため、カーカスプライのプロファイルを意図した形状に仕上げることが難しいという問題がある。
関連する先行技術としては、次のものがある。
特開平5−31823号公報 特開平6−234172号公報 特開平11−129344号公報
本発明は、以上のような実情に鑑み案出なされたもので、カーカスプライを含むとともにトレッドゴム及びベルト層を含まないカーカス基体を成形しかつこれを仕上げプロファイルに加硫するとともに、この加硫されたカーカス基体にベルト層、トレッドゴム及び残余の未加硫ゴム部材を貼り付けて最終カバーを成形しこれをさらに加硫することを基本として、カーカスプライのコードパスをタイヤ周方向でより均一化し、ひいてはユニフォミティを高めうる空気入りタイヤの製造方法を提供することを目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、一対のビードコアと、該ビードコア間をトロイド状にのびるとともに両端部が前記ビードコアの内周面を通って半径方向外側に巻上げられたカーカスコードを有するカーカスプライと、前記カーカスプライの内側に添設されたインナーライナーゴムとを含む未加硫のカーカス基体を成形するカーカス基体成形工程と、前記カーカス基体のカーカスコードを仕上げプロファイルに保持する金型を用いて前記カーカス基体を加硫成形する第1の加硫工程と、加硫されたカーカス基体に、ベルト層、トレッドゴム及び残余の未加硫ゴム部材を貼り付けることにより最終カバーを成形する最終カバー成形工程と、該最終カバーを加硫成形する第2の加硫工程とを含むことを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、前記カーカス基体は、前記ビードコアと、前記カーカスプライと、前記インナーライナーゴムと、前記ビードコアの外面から半径方向外側にのびかつ巻上げられた前記カーカスプライの少なくとも一部で覆われるビードエーペックスゴムと、ビード部の外面をなすクリンチゴムとからなる請求項1記載の空気入りタイヤの製造方法である。
また請求項3記載の発明は、前記最終カバー成形工程は、少なくとも前記ベルト層、前記トレッドゴム及びサイドウォールゴムを貼り付ける工程を含む請求項1又は2記載の空気入りタイヤの製造方法である。
また請求項4記載の発明は、前記第1の加硫工程は、前記金型と、前記カーカス基体の内腔内で膨張し該カーカス基体を金型の成形面に押圧するブラダーとを用いて行われる一方、前記第2の加硫工程は、ブラダーを用いることなく金型だけで行われる請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法である。
また請求項5記載の発明は、前記第1の加硫工程を経たカーカス基体のユニフォミティに関するパラメータを測定する工程をさらに含むとともに、前記最終カバー成形工程は、前記パラメータに基づき、前記ユニフォミティを向上させるように、前記ベルト層及び/又はトレッドゴムをカーカス基体に貼り付ける工程を含む請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法である。
また請求項6記載の発明は、前記パラメータは、前記カーカス基体のラジアルランアウト又は質量アンバランスであり、最終カバー成形工程では、前記ラジアルランアウト又は質量アンバランスを減らす位置に、前記ベルト層及び/又はトレッドゴムのジョイント部が配される請求項5記載の空気入りタイヤの製造方法である。
本発明の空気入りタイヤの製造方法では、一対のビードコアと、該ビードコア間をトロイド状にのびるとともに両端部が前記ビードコアの内周面を通って半径方向外側に巻上げられたカーカスコードを有するカーカスプライと、該カーカスプライの内側に添設されたインナーライナーゴムとを含む未加硫のカーカス基体が成形され、これを仕上げプロファイルに加硫成形する第1の加硫工程が行われる。第1の加硫工程では、カーカス基体がベルト層やトレッドゴムに拘束されていないので、加硫中におけるカーカスコードの伸びやビードコアに対する滑りなどをタイヤ周方向で均一化でき、ひいては良好なユニフォミティを有して仕上げプロファイルに成形され得る。
加硫成形できる。
そして、仕上げプロファイルに加硫成形されたカーカス基体に、ベルト層、トレッドゴム及び残余の未加硫ゴム部材を貼り付けて最終カバーを成形し、これをさらに加硫成形することにより、空気入りタイヤが製造される。ここで、カーカス基体は、第1の加硫工程で予め仕上げプロファイルに成形されているため、第2の加硫工程では、サイドウォールゴムやベルト層をカーカス基体に接着するとともにトレッドゴムにトレッド溝などを形成する簡単な加硫で足りるので、生産性の悪化が防止される。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
本発明の空気入りタイヤの製造方法では、従来のように生タイヤを成形し、これを1回の加硫で成形して空気入りタイヤを得るのではなく、先ず、カーカスプライを主体的に含むカーカス基体を成形してこれを仕上げプロファイルとなるように加硫する第1の加硫工程が行われる。そして、第1の加硫工程を得たカーカス基体にベルト層やトレッドゴムといった拘束部材及び残余の未加硫ゴム部材を貼り付けることにより最終カバーを成形し、これを加硫成形する第2の加硫工程とを含むことを特徴とする。以下、各工程を順次説明する。
前記カーカス基体を成形するカーカス基体成形工程では、例えば図1に模式的に示されるように、円筒状の成形ドラムDに、先ずシート状かつ未加硫のインナーライナーゴム2が巻き付けられる。また、本実施形態において、インナーライナーゴム2の両端部には、該インナーライナーゴム2に連続して未加硫のクリンチゴム3が巻付けられる。
ここで、本明細書において「未加硫」とは、完全な加硫に至っていない全ての態様を意味する。従って、半加硫ないし一部が加硫されたゴム部材は、前記「未加硫」の概念に包含される。
前記インナーライナーゴム2は、空気入りタイヤの内腔面をトロイド状にのびるとともにタイヤとリムとで囲まれたタイヤ内腔の空気を保持しうるように空気非透過性を有するゴム材料で形成される。また、前記クリンチゴム3は、ビード部の外面に配されることにより、主としてリム(図示せず)との接触に耐えうるように、例えば耐摩耗性に優れたゴム材料が用いられる。
次に、前記インナーライナーゴム2及びクリンチゴム3の外側に、シート状のカーカスプライ6が巻き付けられる。該カーカスプライ6は、平行に配列されたカーカスコード(図1には示さず)を未加硫のトッピングゴムで被覆したタイヤ用のプライである。本実施形態では、前記カーカスコードの長手方向が成形ドラムDの軸方向に沿うように1周巻き付けられ、その両端部が重ね合わされることにより円筒状に成形される。
次に、環状をなす一対のビードコア4、4が、軸方向の外側からカーカスプライ6に嵌め込まれる。該ビードコア4は、成形ドラムDのビードコアロック装置Dcの半径方向外方に位置決めされる。なお本実施形態において、ビードコア4には、予め先細状でのびるビードエーペックスゴム5が一体に設けられている。
次に、例えばビードコアロック装置Dcを拡径することにより、該ビードコアロック装置Dcがインナーライナーゴム2(及び/又はクリンチゴム3)及びカーカスプライ6を介してビードコア4の内周面を押圧しこれを保持する。しかる後、ビードコア4からタイヤ軸方向外側にはみ出したクリンチゴム3やカーカスプライ6が、該ビードコア4の周りで巻上げられる。
次に、例えばビードコアロック装置Dc、Dc間のセンタードラムDmを縮径してビードコアロック装置Dcをタイヤ軸方向内側に移動させ、一対のビードコア4、4間のタイヤ軸方向距離を縮めるとともに、インナーライナーゴム2の内側等に空気又はブラダー(図示省略)等の圧力を作用させる。
これにより、図2に示されるように、一対のビードコア4と、該ビードコア4間をトロイド状にのびるとともに両端部6bがビードコア4の内周面を通って半径方向外側に巻上げられたカーカスコードを有するカーカスプライ6と、該カーカスプライ6の内側に添設されたインナーライナーゴム2と、前記クリンチゴム3と、前記ビードエーペックスゴム5とを含む未加硫かつトロイド状のカーカス基体1Aが成形される。このようなカーカス基体1Aは、そのトレッド領域に、ベルト層、バンド層及びトレッドゴムといったトレッドを拘束する部材が全く設けられていない。
次に、図3に示されるように、カーカス基体1Aのカーカスコードを仕上げプロファイルに保持する金型M1を用いて前記カーカス基体1Aを加硫成形する第1の加硫工程が行われる。ここで、カーカスコードの仕上げプロファイルとは、設計者が目標としている仕上がりタイヤのカーカスコードのプロファイルである。図4に示されるように、このカーカスコードのプロファイルPLとは、カーカス基体1Aのカーカスコードのうち、ビードコア4、4間を跨ってのびている本体部6aのカーカスコードの中心線が描く輪郭とする。
前記金型M1は、例えば下型M1aと、該下型M1aと接離可能に配された上型M1bと、カーカス基体1Aのビード部を保持しうる一対のビードリングRとを含んで構成される。該金型M1は、下型M1aと上型M1bとを嵌め合わせることにより、内部にカーカス基体1Aの外面を成形しうる成形面10で囲まれたキャビティが形成される。
前記成形面10は、図4に部分的に拡大して示されるように、ラジアル方向に沿った断面において、滑らかな例えば円弧表面で形成されるとともに、この断面形状がタイヤ周方向に連続して形成されている。従って、第1の加硫工程で用いられる金型M1は、これまでの一般的な金型のようにトレッド溝を成形するための突起等は一切設けられてはいない。
また、第1の加硫工程では、前記金型M1と、ブラダーBとが用いられる。該ブラダーBは、例えば高圧かつ高温の流体がその内部に供給されることによって膨張でき、かつ、内部から該流体を排出することによって収縮しうるゴム風船状をなす。そして、金型M1に配されたカーカス基体1Aの内腔1i内で該ブラダーBを膨張させることにより、該カーカス基体1Aを金型M1の成形面10に向けて押圧できる。
以上より、本実施形態の第1の加硫工程では、金型M1にセットされたカーカス基体1Aは、膨張するブラダーBから熱エネルギーと圧力とを受け、金型M1の成形面10に向けて押圧される。このような熱エネルギー及び圧力を受けたカーカスプライ6は、カーカスコード6cに適度な伸びが与えられるとともにビードコア4の内周面に対して滑りが生じることによりそのコードパスを大きくする。また、カーカスコードを被覆しているトッピングゴム6tが可塑化しこの動きに追随して変形する。
この際、カーカス基体1Aには、そのトレッド領域を拘束するベルト層やトレッドゴムといった部材が設けられていないため、金型M1の成形面10によって制約を受けるまで、カーカスコードの自由な変形が確保される。言い換えると、コードパスの増加が、タイヤ周方向に配列されている各カーカスコードにおいて実質的に均一に行われる。従って、従来のように、タイヤ周方向の各位置でコードパスが異なることを防止でき、ひいてはタイヤのユニフォミティを向上させ得る。
また、第1の加硫工程では、加硫されるゴムのボリュームが比較的少ないため、短時間で加硫を終えることもできる。
なお、前記金型M1の前記成形面10は、図4に示されるように、例えば予め設計された仕上がりプロファイルPLに、カーカスコード6cの半径と、トッピングゴムの厚さとを考慮することにより、容易に設計することができる。
図5には、第1の加硫工程で加硫された加硫済のカーカス基体1Bの断面図が示される。該カーカス基体1Bは、第1の加硫工程により、カーカスプライ6に、インナーライナーゴム2、クリンチゴム3、ビードコア4及びビードエーペックスゴム5が一体に固着される。また、カーカス基体1Bのカーカスプライ6は、第1の加硫工程によって、ラジアル方向にのびている各カーカスコードのコードパスが均一化されるとともに、所望の仕上がりプロファイルになるよう適切な伸びが与えられている。
次に、図6に示されるように、第1の加硫工程で加硫された加硫済みのカーカス基体1Bに、ベルト層8、トレッドゴム9及び残余の未加硫ゴム部材(本実施形態では、サイドウォールゴム7)を貼り付けることにより最終カバー1Cを成形する最終カバー成形工程が行われる。
本実施形態では、先ず、未加硫のサイドウォールゴム7が、カーカス基体1Bのサイドウォール領域に貼り付けられる。このサイドウォールゴム7は、例えば押出機によって押し出された帯状のものを円弧状に曲げながら貼り付けられても良いし、例えば小幅かつ長尺なリボン状のゴムストリップをカーカス基体1Bのサイドウォール領域に渦巻き状に巻き付けながら積層することによっても形成できる。
次に、カーカス基体1Bにベルト層8が貼り付けられる。前記ベルト層8は、例えば2枚のスチールコードを含むベルトプライ8A、8Bから形成される。各ベルトプライ8A及び8Bは、帯状のプライとして提供され、カーカス基体1Bのトレッド領域にそれぞれ1周巻き付けられるとともに、それらの両端部を重ね合わせたジョイント部を有して環状に形成される。
同様に、ベルト層8の外側には、例えば押出機により帯状で押し出された未加硫のトレッドゴム9が巻付けられ、その両端部を重ね合わせたジョイント部を有して環状に形成される。なお、トレッドゴム9は、いわゆるキャップ・ベース構造のように、複数の配合からなるものでも良い。さらに、トレッドゴム9にも、前記ゴムストリップを用いることができる。
なお必要に応じて、ベルト層8とトレッドゴム9との間に、バンド層などが配されても良いのは言うまでもない。
次に、図6に示した最終カバー1Cを加硫する第2の加硫工程が行われる。該第2の加硫工程では、図7に示されるように、金型M2を用いて行われる。
該金型M2は、例えば最終カバー1Cの一方のサイドウォール領域の外面を成形しうる下型M2aと、該下型M2aと接離可能に配されかつ他方のサイドウォール領域の外面を成形しうる上型M2bと、半径方向内外に移動できかつ最終カバー1Cのトレッド領域を成形しうるトレッド成形型M2cと、最終カバー1Cのビード部を保持しうる一対のビードリングRとを含んで構成される。
該金型M2は、下型M2a、上型M2b及びトレッド成形型M2cを嵌め合わせることにより、内部に最終カバー1Cの外面を成形しうる成形面11で囲まれたキャビティが形成される。さらに、前記トレッド成形型M2cには、トレッド溝を成形するための突起12が設けられている。
また第2の加硫工程では、ブラダーを用いることなく金型M2だけで行われる。即ち、最終カバー1Cのカーカスプライ6は既に加硫されており、かつ、そのカーカスコードが仕上がりプロファイルに成形されているので、ブラダーなどを用いなくても、最終カバー1Cのカーカスプライ6自体が適度な剛性を持っている。従って、ブラダー等でタイヤの内腔側から押圧しなくても、未加硫のサイドウォールゴム7やトレッドゴム9は、前記カーカスプライ6の剛性によってそれぞれの金型の成形面11に押し付けられ、精度良く加硫成形される。
とりわけ、最終カバー1Cのカーカスプライ6は、第1の加硫工程で既に仕上げプロファイルに成形されているので、第2の加硫工程では、サイドウォールゴム7やベルト層8をカーカスプライ6に接着させるとともにトレッドゴム9にトレッド溝を成形する簡単な加硫で足りる。従って、第2の加硫工程も、第1の加硫工程と同様に簡単かつ比較的短時間で行うことができる。
以上説明したように、本実施形態の空気入りタイヤの製造方法によれば、第1の加硫工程において、カーカス基体1Aがベルト層やトレッドゴムに拘束されていないので、加硫中におけるカーカスコードの滑りや伸びをタイヤ周方向で均一化でき、ひいてはユニフォミティに優れた仕上げプロファイルにカーカスプライ6を加硫成形できる。そして、仕上げプロファイルに加硫成形されたカーカスプライ6に、ベルト層8、トレッドゴム9及び未加硫のサイドウォールゴム7などを貼り付けて最終カバー1Cを成形し、これをさらに加硫成形することにより、カーカスコードの仕上がりプロファイルを維持しかつユニフォミティに優れた空気入りタイヤを製造できる。
また、さらにユニフォミティに優れた空気入りタイヤを製造するために、例えば第1の加硫工程を経た加硫済のカーカス基体1Bについて、そのユニフォミティに関するパラメータを測定する工程をさらに含ませても良い。前記パラメータとしては、例えばラジアルランアウント(RRO)、ラテラルランアウト(LRO)及び/又は質量アンバランス(静的及び動的)などが効果的である。
そして、最終カバー成形工程において、前記測定されたパラメータに基づき、そのユニフォミティが向上するように、ベルト層8及び/又はトレッドゴム9をカーカス基体1Bに貼り付けることが望ましい。
例えば、図8に示されるように、前記パラメータとしてカーカス基体1Bのタイヤ赤道位置でのラジアルランアウント(RRO)が測定された場合、RROがマイナス側で最も大きくなる位置、即ちカーカス基体1Bの最も半径方向内側に凹んだ位置Poに、ベルト層8及び/又はトレッドゴム9のジョイント部を配することが望ましい。このようなジョイント部は、他の部分に比べて厚さが大きくなる。従って、このジョイント部を前記凹んだ位置に配することにより、厚さの差を相殺し、より一層ユニフォミティに優れた空気入りタイヤを製造するのに役立つ。なお、前記ジョイント部は、他の部分に比べて質量も大きい。従って、例えば前記パラメータが質量アンバランスの場合、最も軽量となる位置(軽点)に前記ジョイント部に配することができる。
以上本発明の実施形態について説明したが、例えば、乗用車用ラジアルタイヤのように、サイドウォールゴム7の厚さが薄く、第1の加硫工程において、実質的にカーカスコードの仕上げプロファイルを成形する際に妨げにならないような場合、該サイドウォールゴム7をカーカス基体1Aに含めることができる。また、上記実施形態では、カーカス基体にクリンチゴムを含ませた例を示したが、これを最終カバー成形工程で貼り付けるようにしても良い。このように、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形して実施しうる。
本発明の効果を確認するために、表1の仕様に基づきサイズ205/65R15の乗用車用ラジアルタイヤを試作し、その耐久性能、操縦安定性及びユニフォミティがテストされた。実施例は、本発明に従う方法で製造された空気入りタイヤであり、比較例は、従来の方法に従い、未加硫の生タイヤを成形し、これを1回の加硫で成形して製造された空気入りタイヤとした。製造方法以外は、内部構造及びゴム配合等全て同一条件とした。テスト方法は、次の通りである。
<耐久性能>
各テストタイヤについて下記の条件でドラム耐久テストを行ない、損傷の有無を肉眼で観察した。
リム:15×6J
内圧:190kPa
速度:80km/H
荷重:7.59kN
走行距離:30000km
<操縦安定性>
下記の条件で各テストタイヤを車両の四輪に装着するとともに、ドライアスファルト路面のテストコースをドライバー1名乗車で走行し、ハンドル応答性、剛性感、グリップ等に関する特性をドライバーの官能評価により評価した。結果は、10点法で示されている。数値が大きいほど良好である。
リム:15×6J
内圧:200kPa
テスト車両:排気量2000cm3の国産FF車
<ユニフォミティ>
各テストタイヤについて、JASO C607:2000のユニフォミティ試験条件に準拠して、回転時のタイヤ半径方向の力の変動成分であるラジアルフォースバリエーション(RFV)及び回転時の前後方向の力の変動成分であるタンジェンシャルフォースバリエーション(TFV)がそれぞれ測定された。RFVについては、低速回転時(6.8km/H)のオーバーオール並びに1次の値及び高速回転時(100km/H)の1次並びに2次の値が計測された。TFVについては、高速回転時の1次及び2次が測定された。結果は、各テストタイヤ30本の平均値を求め、比較例の各平均値を100とする指数で表示した。数値が小さいほどユニフォミティに優れていることを示す。
テストの結果を表1に示す。
Figure 2008093952
テストの結果より、実施例のタイヤは、比較例に比べてユニフォミティを向上していることが確認できた。また、耐久性能及び操縦安定性については遜色ないことが確認できた。
カーカス基体成形工程を説明する断面略図である。 未加硫のカーカス基体の断面図である。 第1の加硫工程を説明する断面図である。 その部分拡大図である。 加硫済のカーカス基体の断面図である。 最終カバーの断面図である。 第2の加硫工程を説明する断面図である。 RROを示すグラフである。 従来の生カバーの断面図である。 従来のタイヤの製造方法を説明する断面図である。
符号の説明
1A 未加硫のカーカス基体
1B 加硫済のカーカス基体
1C 最終カバー
2 インナーライナーゴム
3 クリンチゴム
4 ビードコア
5 ビードエーペックスゴム
6 カーカスプライ
6a 本体部

7 サイドウォールゴム
8 ベルト層
9 トレッドゴム
M1 第1の加硫工程で用いられる金型
M2 第2の加硫工程で用いられる金型
B ブラダー
PL カーカスコードのプロファイル

Claims (6)

  1. 一対のビードコアと、該ビードコア間をトロイド状にのびるとともに両端部が前記ビードコアの内周面を通って半径方向外側に巻上げられたカーカスコードを有するカーカスプライと、前記カーカスプライの内側に添設されたインナーライナーゴムとを含む未加硫のカーカス基体を成形するカーカス基体成形工程と、
    前記カーカス基体のカーカスコードを仕上げプロファイルに保持する金型を用いて前記カーカス基体を加硫成形する第1の加硫工程と、
    加硫されたカーカス基体に、ベルト層、トレッドゴム及び残余の未加硫ゴム部材を貼り付けることにより最終カバーを成形する最終カバー成形工程と、
    該最終カバーを加硫成形する第2の加硫工程とを含むことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記カーカス基体は、前記ビードコアと、前記カーカスプライと、前記インナーライナーゴムと、前記ビードコアの外面から半径方向外側にのびかつ巻上げられた前記カーカスプライの少なくとも一部で覆われるビードエーペックスゴムと、ビード部の外面をなすクリンチゴムとからなる請求項1記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 前記最終カバー成形工程は、少なくとも前記ベルト層、前記トレッドゴム及びサイドウォールゴムを貼り付ける工程を含む請求項1又は2記載の空気入りタイヤの製造方法。
  4. 前記第1の加硫工程は、前記金型と、前記カーカス基体の内腔内で膨張し該カーカス基体を金型の成形面に押圧するブラダーとを用いて行われる一方、
    前記第2の加硫工程は、ブラダーを用いることなく金型だけで行われる請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  5. 前記第1の加硫工程を経たカーカス基体のユニフォミティに関するパラメータを測定する工程をさらに含むとともに、
    前記最終カバー成形工程は、前記パラメータに基づき、前記ユニフォミティを向上させるように、前記ベルト層及び/又はトレッドゴムをカーカス基体に貼り付ける工程を含む請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  6. 前記パラメータは、前記カーカス基体のラジアルランアウト又は質量アンバランスであり、最終カバー成形工程では、前記ラジアルランアウト又は質量アンバランスを減らす位置に、前記ベルト層及び/又はトレッドゴムのジョイント部が配される請求項5記載の空気入りタイヤの製造方法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ITTO20090199A1 (it) * 2009-03-17 2010-09-18 Bridgestone Corp Metodo ed impianto per la costruzione di un pneumatico
JP2012025308A (ja) * 2010-07-26 2012-02-09 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法
CN114347528A (zh) * 2021-11-25 2022-04-15 赛轮集团股份有限公司 成品胎及其制备方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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ITTO20090199A1 (it) * 2009-03-17 2010-09-18 Bridgestone Corp Metodo ed impianto per la costruzione di un pneumatico
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