JP2019104211A - 未加硫タイヤ及びタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】未加硫タイヤの成型時にインナーライナーに割れが発生するのを防止する。【解決手段】未加硫タイヤは、複数のコード24を有するカーカス部材2と、カーカス部材2のタイヤ内面側に配置されるインナーライナー1を備える。カーカス部材2は、タイヤ周方向における一方の端部2aと他方の端部2bとが重なるジョイント部31と、ジョイント部31以外でインナーライナー1に密着する本体部32と、ジョイント部31と本体部32の境の境界部33とを有する。カーカス部材2のジョイント部31の厚さをt、インナーライナー1の厚さをTとしたときに、0.85<(t/2)/T<2.0である。カーカス部材2の本体部32でのコード間隔をD、カーカス部材2の境界部33でのコード間隔の最大値をdとしたときに、1.0≦d/D<1.8である。(t/T)2+(d/D)2=L2としたときに、1.25<L<1.75である。【選択図】図5

Description

本発明は、カーカス部材とインナーライナーを備えた未加硫タイヤ(グリーンタイヤ)及びタイヤに関する。
未加硫タイヤは、タイヤの最内層に配置され、タイヤ内部に充填される空気等の透過を防止するインナーライナーと、インナーライナーのタイヤ外面側に配置され、タイヤの骨格部材になるカーカス部材と、カーカス部材のタイヤ外面側に配置されたベルト部材と、タイヤ外周面を構成するトレッドゴムを備えている。
未加硫タイヤの成型の工程では、タイヤ成型ドラムの外周に、インナーライナーを貼り付け、続いて、カーカス部材を貼り付ける。次いで、インナーライナー及びカーカス部材をタイヤ半径方向外側に膨張させるとともに、カーカス部材のタイヤ外面側にベルト部材及びトレッドゴムを貼り付ける。これにより、未加硫タイヤが得られる。また、従来、カーカスシート(カーカス部材)の端部同士を重ね合わせて、接合部(ジョイント部)を形成する空気入りタイヤの製造方法が知られている(特許文献1参照)。
図7は、従来のカーカス部材のジョイント部の例を示す断面図である。
従来、未加硫タイヤの成型時において、図示のように、カーカス部材52(ここでは、カーカスプライのみを有する)は、インナーライナー51のタイヤ外面側に貼り付けられ、タイヤ周方向における一方の端部52aの上側に他方の端部52bを重ねている。カーカス部材52は、タイヤ周方向に間隔を開けて並列する複数のコード53を有する。このカーカス部材52の重なる場所をジョイント部55という。また、上側に重ねるカーカス部材52のジョイント部55に隣接する場所を境界部56といい、境界部56では、カーカス部材52とインナーライナー51の間に空隙が形成される。図7において、左右方向は、カーカス部材52の長さ方向である。カーカス部材52の長さ方向は、タイヤ周方向に相当する。
また、未加硫タイヤの成型では、タイヤ成型ドラムの外周に貼り付けたインナーライナー51及びカーカス部材52をタイヤ半径方向外側に膨張させる。その際、インナーライナー51及びカーカス部材52は、引き伸ばされて、その厚さは薄くなる。
一方、タイヤ転がり抵抗の低減による低燃費化を図るために、タイヤの軽量化が進められている。タイヤの軽量化のためには、インナーライナー51の厚さを薄くすることが求められている。
カーカス部材52のジョイント部55では、タイヤ周方向における一方の端部52aの上に他方の端部52bを重ねるため、そこに段差が生じる。未加硫タイヤを成型するときは、インナーライナー51において、タイヤ半径方向外側に膨張することにより、インナーライナー51が引き伸ばされる。これとともに、カーカス部材52の境界部56において生じる段差によっても、インナーライナー51が引き伸ばされる。即ち、カーカス部材52の境界部56でのインナーライナー51が他の場所と比べて大きく引き伸ばされる。そのため、インナーライナー51の厚さを薄くした場合には、カーカス部材52の境界部56においてインナーライナー51に割れが発生するおそれがあり、インナーライナー51の薄ゲージ化が難しかった。
特開2017−121748号公報
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたもので、その目的は、インナーライナーの厚さを薄くした場合でも、未加硫タイヤの成型時にインナーライナーに割れが発生するのを防止して、インナーライナーの薄ゲージ化を実現することである。
本発明者らは、未加硫タイヤの成型時にインナーライナーに割れが発生するという問題を解決するために、インナーライナーに発生する割れの周辺での割れの発生に至るまでのインナーライナー及びカーカス部材の変化を詳細に観察し、インナーライナーの割れの原因を突き止め、本発明の未加硫タイヤ及びタイヤを完成させるに至った。
即ち、本発明は、タイヤ周方向に間隔を開けて並列する複数のコードを有するカーカス部材と、カーカス部材のタイヤ内面側に配置されるインナーライナーを備える未加硫タイヤであって、カーカス部材は、タイヤ周方向における一方の端部と他方の端部とが重なるジョイント部と、ジョイント部以外でインナーライナーに密着する本体部と、ジョイント部と本体部の境の境界部とを有し、カーカス部材のジョイント部の厚さをt、インナーライナーの厚さをTとしたときに、0.85<(t/2)/T<2.0であり、カーカス部材の本体部でのコード間隔をD、カーカス部材の境界部でのコード間隔の最大値をdとしたときに、1.0≦d/D<1.8であり、(t/T)+(d/D)=Lとしたときに、1.25<L<1.75であることを特徴とする。
また、本発明は、加硫された未加硫タイヤからなるタイヤである。
本発明によれば、未加硫タイヤの成型時にインナーライナーに割れが発生するのを防止でき、インナーライナーの薄ゲージ化を実現することができる。
成型時における未加硫タイヤの断面図である。 未加硫タイヤのカーカス部材の概略断面図を示す。 タイヤ成型ドラムにインナーライナー及びカーカス部材を貼り付けた状態の概略断面図である。 タイヤ成型ドラムからインナーライナー及びカーカス部材を取り外した状態の概略断面図である。 インナーライナー及びカーカス部材を膨張させた状態の概略断面図である。 実施例2のインナーライナー及びカーカス部材の概略断面図である。 従来のカーカス部材のジョイント部の例を示す断面図である。
本発明の未加硫タイヤ及びタイヤの一実施形態について、図面を参照して説明する。
なお、本実施形態のタイヤは、空気を充填した空気入りタイヤである。ただし、空気入りタイヤに限らず、窒素やヘリウム等を充填したタイヤでもよい。
図1に示すように、未加硫タイヤ10の成型の工程では、回転する円筒状のタイヤ成型ドラム(図示せず)の外周に、インナーライナー1を貼り付け、続いて、カーカス部材2を貼り付ける。一対のビードコア3を配置して、ビードコア3の周りにカーカス部材2を折り返し、一対のビード部4を形成する。次いで、サイドウォールゴム5を貼り付け、筒状のグリーンケース6を得る。
次に、一対のビード部4をそれぞれクランプする装置(図示せず)を図中に示す断面中央Cに向けて接近して、一対のビード部4の相互間隔を狭める。同時に、グリーンケース6内部に空気を充填して、グリーンケース6をタイヤ半径方向外側に膨張させる。また、膨張したカーカス部材2のタイヤ外面側に、ベルト部材7及びトレッドゴム8を貼り付ける。その後、必要に応じてトレッドゴム8の側部をグリーンケース6に貼り付ける。これにより、未加硫タイヤ10が得られる。
上記工程により得られる未加硫タイヤ10は、タイヤの内面に配置されるインナーライナー1と、インナーライナー1のタイヤ外面側に配置されるカーカス部材2と、カーカス部材2のタイヤ外面側に配置されるベルト部材7及びタイヤ外周面を構成するトレッドゴム8を備える。
インナーライナー1は、タイヤ内部に充填される空気等の気体の透過を防止する機能を有する。インナーライナー1の厚さは、好ましくは、0.7mm以上、1.0mm以下であり、より好ましくは、0.7mm以上、0.9mm以下である。これにより、インナーライナー1の薄ゲージ化を実現しつつ、インナーライナー1の割れの発生をより確実に防止できる。インナーライナー1には、ブチルゴムやハロゲン化ブチルゴム等を主原料とするゴム組成物を使用する。ただし、これに限定されず、インナーライナー1は、樹脂フィルムなどでもよい。
カーカス部材2は、タイヤの骨格部材であり、図2に示すように、少なくともカーカスプライ20を有する。ここでは、カーカス部材2は、4層構造に形成されており、下層側(タイヤ内面側)から上層側(タイヤ外面側)に向かって順に配置されたスキージゴム21、カーカスプライ20、スキージゴム22、ベルト下貼りゴム23を有する。ただし、これに限定されず、カーカス部材2は、例えば、スキージゴム21、カーカスプライ20、ベルト下貼りゴム23の3層構造、あるいはカーカスプライ20のみの1層構造等でもよい。カーカスプライ20は、タイヤ周方向に間隔を開けて並列する複数のコード24を有し、コード24は、タイヤ周方向に対して直交する方向に沿って配置される。コード24は、例えば、有機繊維コードやスチールワイヤである。
カーカス部材2は、未加硫タイヤ10の成型時において、タイヤ成型ドラムの外周に貼り付けたインナーライナー1のタイヤ外面側に貼り付ける。このとき、図3に示すように、カーカス部材2のタイヤ周方向における一方の端部2aを下側(タイヤ内面側)に配置し、その上側(タイヤ外面側)に、カーカス部材2のタイヤ周方向における他方の端部2bを重ねて配置する。この一方の端部2aと他方の端部2bとが重なる部分がジョイント部31である。図3において、左右方向は、カーカス部材2の長さ方向である。カーカス部材2の長さ方向は、タイヤ周方向に相当する。
また、カーカス部材2において、ジョイント部31以外でインナーライナー1に密着する部分が本体部32である。本体部32は、ジョイント部31と後述する境界部33を除いたカーカス部材2の全周に存在する。
また、ジョイント部31と本体部32の境の部分が境界部33である。なお、境界部33では、カーカス部材2とインナーライナー1の間に空隙が形成される。また、境界部33は、ジョイント部31と本体部32の間に位置しており、例えば、ジョイント部31の幅と同じ幅の部分である。
次に、未加硫タイヤ10の成型時に生じるカーカス部材2のジョイント部31及び境界部33でのインナーライナー1及びカーカス部材2の変位及び変位の抑制について説明する。
タイヤ成型ドラム(図示せず)にインナーライナー1及びカーカス部材2を貼り付けた状態(図3参照)からインナーライナー1及びカーカス部材2を取り外したときは、図4に示すように、カーカス部材2は、ジョイント部31において、タイヤ半径方向内側に変位(図中に示す矢印A)する。カーカス部材2の変位量は、最小で、1枚のカーカス部材2におけるカーカスプライ20の厚さであり、最大で、1枚のカーカス部材2の厚さである。なお、ここでは、カーカス部材2の変位量は、1枚のカーカス部材2(スキージゴム21、カーカスプライ20、スキージゴム22、ベルト下貼りゴム23)の厚さの約半分である。
それにより、カーカス部材2のタイヤ内面側に配置されるインナーライナー1も、タイヤ半径方向内側に変位する。
次いで、ベルト部材7及びトレッドゴム8を貼り付けるため、インナーライナー1及びカーカス部材2をタイヤ半径方向外側に膨張させるときは、図5に示すように、インナーライナー1及びカーカス部材2が引き伸ばされる。その際、境界部33でのインナーライナー1及びカーカス部材2の伸びが本体部32及びジョイント部31での伸びと比べて大きくなる。ここでの伸びの方向は、インナーライナー1及びカーカス部材2の長さ方向(タイヤ周方向に相当)である。
即ち、カーカス部材2の境界部33では、インナーライナー1及びカーカス部材2のタイヤ半径方向外側への膨張によって、インナーライナー1及びカーカス部材2が伸びる。このとき、ジョイント部31ではカーカス部材2が重なることで、ジョイント部31での伸びが規制され、その分、境界部33での伸びが大きくなる。これとともに、インナーライナー1及びカーカス部材2でのタイヤ半径方向内側への変位によってもインナーライナー1及びカーカス部材2が伸びる。この2つの要因によって、カーカス部材2の境界部33では、本体部32及びジョイント部31での伸びと比べてインナーライナー1及びカーカス部材2が大きく伸びる(図5中に示す矢印B)。これにより、カーカス部材2の境界部33において、インナーライナー1の割れが発生するおそれがでてくる。
そこで、インナーライナー1及びカーカス部材2を、次の3つの条件を満たすようにすることにより、境界部33でのインナーライナー1の伸びを、インナーライナー1の材料の伸びの限界を超えないようにし、未加硫タイヤ10の成型時にインナーライナー1に割れが発生するのを防止する。
(第1の条件)
カーカス部材2とインナーライナー1の厚さにおいて、カーカス部材2のジョイント部31の厚さをt、インナーライナー1の厚さをTとしたときに(図3参照)、(t/2)/Tを0.85<(t/2)/T<2.0にする。
カーカス部材2のジョイント部31の厚さtは、カーカス部材2の一方の端部2aと他方の端部2bとを重ねた部分の厚さであり、1枚のカーカス部材2の厚さの2倍である。
(t/2)/Tが0.85以下であると、カーカス部材2の厚さに対するインナーライナー1の厚さの比率が高くなるため、インナーライナー1の薄ゲージ化が難しくなる。
また、(t/2)/Tが2.0以上であると、カーカス部材2のジョイント部31での厚さが厚くなる。このことから、タイヤ成型ドラムからインナーライナー1及びカーカス部材2を取り外したときのインナーライナー1及びカーカス部材2のタイヤ半径方向内側への変位量、及び、境界部33でのインナーライナー1の伸びが大きくなるおそれがある。
これに対し、(t/2)/Tが0.85<(t/2)/T<2.0の条件を満たすときには、カーカス部材2の厚さに対するインナーライナー1の厚さの比率が高くなるのを抑えることができ、インナーライナー1の薄ゲージ化を実現することができる。また、タイヤ成型ドラムからインナーライナー1及びカーカス部材2を取り外したときのインナーライナー1及びカーカス部材2のタイヤ半径方向内側への変位量も小さくすることができる。その結果、境界部33でインナーライナー1の伸びが大きくなるのを抑えることができる。
(第2の条件)
カーカス部材2(カーカスプライ20)の複数のコード24において、カーカス部材2の本体部32でのコード間隔をD、カーカス部材2の境界部33でのコード間隔の最大値をdとしたときに(図5参照)、d/Dを1.0≦d/D<1.8にする。
コード間隔とは、並列した複数のコード24において隣接するコード24の間隔である。カーカス部材2の境界部33でのコード間隔の最大値とは、成型時においてカーカス部材2が伸びたとき、境界部33で一番大きく伸びたところのコード間隔である。
未加硫タイヤ10の成型において、d/Dは必ず1以上になり、一般的な未加硫タイヤ10の成型工程で、d/Dを1.0よりも小さいくするのは困難である。
また、d/Dが1.8以上であると、境界部33でのコード間隔が本体部32でのコード間隔に対して広くなり、境界部33でのインナーライナー1の割れを抑制する効果に影響が生じるおそれがある。
これに対し、d/Dが1.0≦d/D<1.8の条件を満たすときには、一般的な成型工程で、未加硫タイヤ10を容易に成型することができる。また、境界部33でのインナーライナー1の割れを抑制する効果を高くすることができる。
(第3の条件)
インナーライナー1及びカーカス部材2の厚さとカーカス部材2のコード間隔との関係において、(t/T)+(d/D)=Lとしたときに、Lを1.25<L<1.75にする。
一般的な未加硫タイヤ10の成型工程で、Lを1.25以下にするのは困難である。
また、Lが1.75以上であると、境界部33でのインナーライナー1の伸びが大きくなるおそれがある。
これに対し、Lが1.25<L<1.75の条件を満たすときには、一般的な成型工程で、未加硫タイヤ10を容易に成型することができる。また、境界部33でのインナーライナー1の伸びが大きくなるのを抑えることができる。
以上説明したように、本実施形態の未加硫タイヤ10では、(t/2)/T、d/D、及び、Lに関する3つの条件を満たすことで、インナーライナー1の厚さを薄くした場合でも、インナーライナー1の伸びを、その材料の伸びの限界を超えないようにすることができる。そのため、未加硫タイヤ10の成型時にインナーライナー1に割れが発生するのを防止でき、インナーライナー1の薄ゲージ化を実現することができる。
上記の3つの条件を満たすようにして未加硫タイヤ10を成型した後、未加硫タイヤ10を、タイヤ製造における次工程の加硫処理工程において公知の加硫条件にて加硫する。この加硫条件としては、例えば、100℃以上、200℃以下の温度で加硫処理が行われる。また、タイヤモールドにより、未加硫タイヤ10を加硫しつつ成型する。これにより、所定形状の空気入りタイヤ(タイヤ)が得られる。このように、本発明は、未加硫タイヤ10を加硫してタイヤを製造するタイヤの製造方法として実施できる。
(未加硫タイヤ10の成型試験)
本発明の未加硫タイヤ10の効果を確認するため、上記の3つの条件を満たす実施例1、2と、比較例1、2、3を用いて試験を行った。
試験を行う未加硫タイヤ10は、乗用車用ラジアルタイヤ(195/70R14)用である。インナーライナー1の材料は、ブロムブチルゴムであり、その厚さは、1.0mmと0.9mmである。カーカス部材2は、スキージゴム21、カーカスプライ20、ベルト下貼りゴム23の3層構造である。スキージゴム21の厚さは0.3mm、カーカスプライ20の厚さは0.8mm、ベルト下貼りゴム23の厚さは1.5mmである。従って、カーカス部材2の厚さは2.6mmである。
実施例1では、厚さが1.0mmのインナーライナー1を使用した。また、カーカス部材2のジョイント部31において、一方の端部2aと他方の端部2bとを重ねて、ジョイント部31をしっかり押さえた。これにより、ジョイント部31に弾力性を持たせて、ジョイント部31を伸びやすくし、ジョイント部31に隣接する境界部33での伸びを抑えるようにした。その結果、(t/2)/Tが1.30、d/Dが1.00、Lが1.64となった。(t/2)/T、d/D、及び、Lは、上記の3つの条件を満たしている。
実施例2では、厚さが0.9mmのインナーライナー1を使用した。また、図6に示すように、カーカス部材2の一方の端部2aの上部を斜めにカットして第1斜面部25を形成するとともに、端面も斜めにカットして第2斜面部26を形成して、カーカス部材2のジョイント部31の厚さtを小さくした。なお、ここでは、カーカス部材2の一方の端部2aに第1斜面部25と第2斜面部26を形成したことから、ジョイント部31の位置によって厚さが変化する。そのため、厚さtは、ジョイント部31の厚さの平均値である。第1斜面部25と第2斜面部26の形成により、インナーライナー1及びカーカス部材2を、境界部33において、ジョイント部31から本体部32に向かって緩やかな傾斜でつながるようにして、境界部33での伸びを抑えるようにした。これにより、(t/2)/Tが1.39、d/Dが1.00、Lが1.71となった。(t/2)/T、d/D、及び、Lは、上記の3つの条件を満たしている。
比較例1では、厚さが1.0mmのインナーライナー1を使用した。また、カーカス部材2のジョイント部31において、一方の端部2aと他方の端部2bとを押さえることなく重ねただけにした。これにより、(t/2)/Tが、1.30、d/Dが1.20、Lが1.77となった。Lの値は、上記のLの条件を満たしていない。
比較例2では、厚さが0.9mmのインナーライナー1を使用した。また、インナーライナー1及びカーカス部材2の温度による影響をみるために、成型時にカーカス部材2のジョイント部31を加熱手段(赤外線ヒーター、温風、埋め込み式電熱ヒーター等)により15℃より高い温度に加熱した。これにより、(t/2)/Tが1.44、d/Dが1.00、Lが1.75となった。Lの値は、上記のLの条件を満たしていない。
比較例3では、厚さが0.9mmのインナーライナー1を使用した。また、インナーライナー1及びカーカス部材2の温度による影響をみるために、成型時にカーカス部材2のジョイント部31を15℃より低い温度に冷却した。これにより、(t/2)/Tが1.44、d/Dが1.05、Lが1.78となった。Lの値は、上記のLの条件を満たしていない。
試験の結果を、以下の表1に示す。
Figure 2019104211
実施例1、2では、インナーライナー1の割れの発生は、0%であった。比較例1、2、3では、インナーライナー1の割れの発生は、12%、8%、15%であった。即ち、実施例1、2に示す未加硫タイヤ10は、成型時にインナーライナー1の割れの発生を防止することができた。
1・・・インナーライナー、2・・・カーカス部材、3・・・ビードコア、4・・・ビード部、5・・・サイドウォールゴム、6・・・グリーンケース、7・・・ベルト部材、8・・・トレッドゴム、10・・・未加硫タイヤ、20・・・カーカスプライ、21・・・スキージゴム、22・・・スキージゴム、23・・・ベルト下貼りゴム、24・・・コード、25・・・第1斜面部、26・・・第2斜面部、31・・・ジョイント部、32・・・本体部、33・・・境界部。

Claims (3)

  1. タイヤ周方向に間隔を開けて並列する複数のコードを有するカーカス部材と、カーカス部材のタイヤ内面側に配置されるインナーライナーを備える未加硫タイヤであって、
    カーカス部材は、タイヤ周方向における一方の端部と他方の端部とが重なるジョイント部と、ジョイント部以外でインナーライナーに密着する本体部と、ジョイント部と本体部の境の境界部とを有し、
    カーカス部材のジョイント部の厚さをt、インナーライナーの厚さをTとしたときに、
    0.85<(t/2)/T<2.0であり、
    カーカス部材の本体部でのコード間隔をD、カーカス部材の境界部でのコード間隔の最大値をdとしたときに、
    1.0≦d/D<1.8であり、
    (t/T)+(d/D)=Lとしたときに、
    1.25<L<1.75である、ことを特徴とする未加硫タイヤ。
  2. 請求項1に記載された未加硫タイヤにおいて、
    インナーライナーの厚さは、0.7mm以上、0.9mm以下であることを特徴とする未加硫タイヤ。
  3. 加硫された請求項1又は2に記載された未加硫タイヤからなるタイヤ。
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