JP2013193367A - 円筒状部材の成形方法、カーカスプライ素材、および空気入りタイヤ - Google Patents

円筒状部材の成形方法、カーカスプライ素材、および空気入りタイヤ Download PDF

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正紀 片桐
Taichi Emoto
太地 江本
Masami Adachi
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Abstract

【課題】内側に隣接するシート状部材への応力集中を軽減して割れの発生を低減しうる円筒状部材の成形方法、カーカスプライ素材、および空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】帯状のゴム部材1を、シート状部材15を巻き付けた成形ドラム13の外周に巻きつけるとともに、該ゴム部材1の端部同士を重ね合わせて接合する重ね合わせ接合工程を有し、少なくとも重ね合わせ接合時に前記シート状部材側となる前記ゴム部材の内側端部1cの厚さを、前記重ね合わせ接合工程の前に減少させる厚さ減少工程を有することを特徴とする円筒状部材の成形方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、円筒状部材の成形方法、カーカスプライ素材、および空気入りタイヤに関する。
従来、例えば空気入りタイヤを製造するに際して、カーカスプライ素材等のゴム部材を成形ドラムの外周に巻きつけて成形した円筒状部材が用いられている。このような円筒状部材の成形方法として、特許文献1には、以下のような方法が開示されている。
すなわち、所定長に切り出したシート状部材を、回転可能な成形ドラムの周囲に巻き付けるとともに、シート状部材の巻き始め端部と、加温手段により加温した巻き終わり端部とをオーバーラップさせて接合した後、接合部を押付けローラによって押し潰すことによって、円筒状部材を成形するというものである。
特開2007-253595号公報
ところで、通常、成形ドラムにゴム部材を巻きつけるとともに端部同士を重ね合わせて接合した接合部には、図4(a)に示すようにゴム部材41の下側(径方向内側)に位置する端部41cの先端41dの厚さt’に応じた段差が形成される。そしてこのような段差は、上述した特許文献1に記載の方法のようにゴム部材を重ね合わせて接合した後に接合部をローラで押し潰した場合でもほとんど減少しない。
ここで、ゴム部材の内側にシート状部材を備えた円筒状部材を、特には内側から圧力を負荷して拡張すること等により成形する場合、上記のように、ゴム部材の端部同士の接合部に段差があった場合には、図4(b)に示すように、ゴム部材の接合部の内側にあるシート状部材43に応力が集中して、シート状部材がネッキングとよばれる局所的収縮(厚さが減る現象)を起こしたり、場合によっては割れたりする虞があった。
それゆえ、本発明は、ゴム部材の内側に備えたシート状部材への応力集中を軽減して、シート状部材の割れの発生を低減しうる円筒状部材の成形方法を提供することを目的とする。また、本発明は、タイヤ製造に用いられ、内側に配置されるインナーライナー素材への応力集中を軽減して割れの発生を低減しうるカーカスプライ素材を提供することを目的とする。さらに、本発明は、製造時のインナーライナーのネッキングや割れを低減しうる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の円筒状部材の成形方法は、帯状のゴム部材を、シート状部材を巻き付けた成形ドラムの外周に巻きつけるとともに、該ゴム部材の端部同士を重ね合わせて接合する重ね合わせ接合工程を有する円筒状部材の成形方法であって、少なくとも重ね合わせ接合時に前記シート状部材側となる前記ゴム部材の内側端部の厚さを、前記重ね合わせ接合工程の前に減少させる厚さ減少工程を有することを特徴とするものである。なお、ここでいう「重ね合わせ接合時に前記シート状部材側となる前記ゴム部材の内側端部」とは、シート状部材を巻き付けた成形ドラムの外周にゴム部材を巻き付けて、ゴム部材の端部同士を重ね合わせた接合部における、径方向内側に位置する端部を指す。
かかる円筒状部材の成形方法にあっては、少なくとも重ね合わせ接合時に前記シート状部材側となる前記ゴム部材の内側端部の厚さを、前記重ね合わせ接合工程の前に減少させる厚さ減少工程を有することによって、確実にシート状部材側の内側端部の厚さを減少させて接合部の段差を縮小することができる。したがって、この円筒状部材の成形方法によれば、ゴム部材の内側に備えたシート状部材への応力集中を軽減して、シート状部材の割れの発生を低減することができる。
なお、本発明の円筒状部材の成形方法にあっては、前記厚さ減少工程が、対向する一対の押し潰し手段により前記ゴム部材の表面側および裏面側から前記ゴム部材を挟み込んで押し潰す押し潰し工程であることが好ましく、これによれば、切削により発生するゴミ等を生じる事なく、短時間でゴム部材の厚さを減少させることができる。
また、本発明の円筒状部材の成形方法にあっては、前記押し潰し工程において、前記ゴム部材を加温するとともに押し潰すことが好ましく、これによれば、ゴム部材の粘度が低下し柔軟となるため変形し易くなり、より短時間で確実にゴム部材の厚さを減少させることができる。
また、本発明の円筒状部材の成形方法にあっては、前記押し潰し工程において、40〜200℃に加温した前記押し潰し手段を用いて前記ゴム部材を押し潰すことが好ましく、これによれば、ゴム部材をより確実に柔軟にして押し潰し易くするとともに、過度の加熱によりゴム部材が加硫されてしまうことを防止することができる。
また、本発明の円筒状部材の成形方法にあっては、前記ゴム部材の表面と接触する前記押し潰し手段の表面接触面が、前記ゴム部材の表面と平行な平坦面又は湾曲面を有し、前記ゴム部材の裏面と接触する前記押し潰し手段の裏面接触面が、前記ゴム部材の裏面と平行な平坦面又は湾曲面を有することが好ましく、これによれば、押し潰し手段によって押し潰す際に、誤ってゴム部材を切断することなく、確実に厚さを減少させることができる。
また、本発明の円筒状部材の成形方法にあっては、前記厚さ減少工程を経た後の前記内側端部の先端の厚さが1.1mm以下であることが好ましく、これによれば、接合部の段差を縮小することができ、シート状部材のネッキングや割れを低減する効果をより確実に得ることができる。
また、本発明の円筒状部材の成形方法にあっては、前記ゴム部材を所定長さに切断する切断工程を、前記厚さ減少工程の前にさらに有することが好ましく、これによれば、端部の位置を確実に特定して厚さを減少させることができるので、接合部の段差を縮小することができ、シート状部材のネッキングや割れを低減する効果をより確実に得ることができる。
また、本発明の円筒状部材の成形方法にあっては、前記ゴム部材が、多数本のプライコードをゴム被覆した、空気入りタイヤのカーカスプライ素材であり、前記シート状部材が、該空気入りタイヤのインナーライナー素材であることが好ましく、これによれば、空気入りタイヤの製造時におけるインナーライナーのネッキングや割れを低減することができる。
また、本発明のカーカスプライ素材は、シート状部材を巻き付けた成形ドラムの外周に巻きつけられるとともに、端部同士が重ね合わされて接合される所定長さのカーカスプライ素材であって、該カーカスプライ素材の少なくとも一方の前記端部の厚さが、該カーカスプライ素材の該端部以外の部分の厚さよりも小であることを特徴とするものである。
かかるカーカスプライ素材にあっては、これをインナーライナー素材を巻き付けた成形ドラムの外周に巻きつけて、前記厚さが小である少なくとも一方の端部を内側(インナーライナー素材側)として接合させることにより、接合部の段差を縮小した円筒状部材を形成することができる。したがって、この円筒状部材をタイヤ製造に用いることで、内側に配置されるインナーライナー素材への応力集中を軽減して割れの発生を低減することができる。なお、ここでいう「少なくとも一方の前記端部の厚さが、該端部以外の部分の厚さより小である」とは、カーカスプライ素材の両端のうち、少なくとも一方の端から一定の範囲に渡って、厚さが小となる部分を有することを指す。
また、本発明の空気入りタイヤは、多数本のプライコードをゴム被覆した少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスと、該カーカスのタイヤ内面側に配置されたインナーライナーとを備える空気入りタイヤにおいて、前記インナーライナーに隣接する最内側カーカスプライにおけるタイヤ周方向の端部同士が重なり合い、重なり合った前記端部のうち、タイヤ内面側に位置する内側端部の厚さが、前記最内側カーカスプライの前記内側端部以外の部分の厚さよりも小であることを特徴とする。かかる空気入りタイヤにあっては、製造時のインナーライナーのネッキングや割れを低減することができる。
なお、本発明の空気入りタイヤにあっては、前記内側端部の先端の厚さが1.1mm以下であることが好ましく、これによれば、インナーライナーへの応力集中を低減し、ネッキングや割れを低減する効果をより確実に得ることができる。
本発明によれば、ゴム部材の内側に備えたシート状部材への応力集中を軽減して、シート状部材の割れの発生を低減しうる円筒状部材の成形方法を提供することができる。また、本発明によれば、タイヤ製造に用いられ、内側に配置されるインナーライナー素材への応力集中を軽減して割れの発生を低減しうるカーカスプライ素材を提供することができる。さらに、本発明によれば、製造時のインナーライナーのネッキングや割れを低減しうる空気入りタイヤを提供することができる。
本発明における円筒状部材の成形方法を説明するための図である。 (a)は、成形ドラムにゴム部材を巻き付ける工程を示す図であり、(b)は、ゴム部材の重ね合わせ接合部を示す部分拡大図である。 (a)本発明の円筒状部材の成形方法の一実施形態を示す図であり、(b)は、本発明の円筒状部材の成形方法の他の実施形態を示す図である。 (a)は、従来の方法による重ね合わせ接合部を示す図であり、(b)は、従来の方法により成形した円筒状部材を用いてタイヤを製造する際のインナーライナーに発生するネッキングについて説明するための図である。
以下、本発明の実施形態の一例を図面に基づき説明する。本発明の円筒状部材の成形方法に用いる装置は、図1に示すように、帯状のゴム部材、本例では空気入りタイヤのカーカスプライとなるカーカスプライ素材1を搬送する搬送手段であるコンベア3と、カーカスプライ素材1を所定長さで切断するための切断手段5と、切断されたカーカスプライ素材1の端部を押し潰す押し潰し手段7とを備える。コンベア3は、前後方向に延びる水平な搬送手段であり、互いに平行な軸線回りに回転可能な2つのローラ3aと、このロ−ラ3a間に掛け渡された搬送ベルト3bと、ローラ3aのいずれか一方に駆動力を付与する駆動モータ(図示しない)を備える。カーカスプライ素材1の内部には、互いに平行な多数本のプライコード11が埋設され、この例ではプライコード11は、搬送方向に対して直行する方向に延びている。また、プライコードは、有機繊維コード又はスチールコードとすることができる。
押し潰し手段7は、カーカスプライ素材1を挟んで互いに対向する上側押し潰し手段7aおよび下側押し潰し手段7bからなり、カーカスプライ素材1の表面1aに対して垂直方向に移動して、カーカスプライ素材1を挟み込んで押し潰すものである。カーカスプライ素材1の表面1aと最初に接触する上側押し潰し手段7aの表面接触面17aは、カーカスプライ素材1の表面1aに平行な平坦面で構成されている。また、カーカスプライ素材1の裏面1bと最初に接触する下側押し潰し手段7bの裏面接触面17bは、カーカスプライ素材1の裏面1bに平行な平坦面で構成されている。なお、表面接触面17aおよび裏面接触面17bは、湾曲面でも良く、押し潰した際に誤ってカーカスプライ素材1を切断することのない形状であれば、任意の形状とすることができる。さらに、押し潰し手段7は、例えば、カートリッジヒータ等の加温手段(図示しない)によって加温され、所望の温度に設定することができ、表面接触面17aおよび裏面接触面17bを通じてカーカスプライ素材1の押し潰す部分を加温することが可能である。また図2(a)に示す成形ドラム13は、コンベア3のローラ3aの軸線と平行な軸線回りに、図示していない駆動モータから駆動力を受けて回転することができる。また、この成形ドラム13は拡縮径可能である。
以下、上記の装置を用いたこの発明の円筒状部材の成形方法の一実施形態について説明する。図3(a)に示す成形方法では、先ず、コンベア3によって搬送される帯状のゴム部材であるカーカスプライ素材1を、切断手段5によって所定の長さに切断する切断工程を行う。次いで、重ね合わせ接合時にシート状部材側となる内側端部1cが、上下の押し潰し手段7の間に位置するようカーカスプライ素材1をコンベア3によって搬送し、加温手段によって加温した押し潰し手段7で内側端部1cを挟み込んで押し潰すことにより厚さを減少させる押し潰し工程(厚さ減少工程)を行う。これにより、所定長さを有し、重ね合わせ接合時にシート状部材側となる内側端部1cの厚さが、カーカスプライ素材の端部以外の部分の厚さよりも小であるカーカスプライ素材を形成することができる。
なお、この例においてはカーカスプライ素材1の幅全体にわたって押し潰すものであるが、幅方向における一部分を重点的に押し潰してもよく、また、カーカスプライ素材1の搬送方向における押し潰す範囲は、例えば内側端部1cの先端1dから100mm以下とすることができるが、これに限定されず、所望の範囲を押し潰すことができる。また、押し潰す際の圧力は、例えば、0.1〜1.0Mpaとすることができるが、これに限定されない。
その後、図2(a)に示すように、シート状部材であるインナーライナー素材15を予め巻き付けた成形ドラム13の外周に、カーカスプライ素材1を、駆動モータによって成形ドラム13を回転させながら巻き付ける。そして、押し潰し工程で厚さを小さくした内側端部1cの径方向外側にもう一方の端部を重ね合わせて接合する重ね合わせ接合工程を行い、円筒状部材を成形する。上記のように重ね合わせ接合工程を行ったカーカスプライ素材1の接合部を、図2(b)に示す。接合部には、内側端部1cの先端1dの厚さtによる段差が形成される。なお、カーカスプライ素材1の内側端部1cのみだけでなく、両側の端部を押し潰してもよい。
上述した本実施形態の円筒状部材の成形方法によれば、ゴム部材であるカーカスプライ素材1の重ね合わせ接合工程の前に、押し潰し工程を行うことによって、確実にカーカスプライ素材1の内側端部1cの厚さtを減少させることができるため、従来の方法では解消されなかった接合部の段差が小さくなり、タイヤ成形時の拡張によるインナーライナーへの応力集中を低減し、その結果、インナーライナーのネッキングや割れを防止することができる。また、切断工程の後に押し潰し工程を行うことにより、確実に端部の位置を特定し、押し潰すことができる。さらに、加温しながらゴム部材を押し潰しているため、ゴム部材の粘度が低下し柔軟となるため変形し易くなり、より確実に、かつ効率的にゴム部材の厚さを減少させることができる。
また、カーカスプライ素材1を構成するプライコード11は、被覆ゴムに比べて剛性が大きく潰れ難いため、切断工程において、隣接する2つのプライコード間の中心より何れかのプライコードに近接した位置でカーカスプライ素材を切断して、先端1d付近に被覆ゴムを大きく残すようにすると、より確実に端部の厚さを薄くすることができる。また、押し潰し工程を経た後のカーカスプライ素材1の内側端部1cは、先端1dに向けて滑らかに厚さが漸減することが望ましく、これによれば、円筒状部材の拡張時にインナーライナーへの応力集中が起こり難くなり、インナーライナーの割れを低減する本発明の効果をより高めることができる。
以下、本発明の他の実施形態について、図3(b)を用いて説明する。図3(a)に示す先の実施形態では、切断工程の後に押し潰し工程を行い、内側端部1cを押し潰すものであったが、本実施形態においては、図3(b)に示すように、予め押し潰し工程を行い、その後カーカスプライ素材1の厚さの薄くなった部分を切断手段5によって切断することで、端部の厚さを減少させる。このような方法によれば、カーカスプライ素材1の切断位置を挟んだ両側に形成される端部の厚さを、一度の押し潰し工程で減少させることが可能となる。なお、この場合、押し潰す領域の長さ(ゴム部材の幅方向および厚さ方向と直交する方向の長さ)を3mm以上とすることが好ましく、これによれば、切断箇所を大きく確保して製造不良を低減することができる。
なお、本発明の円筒状部材の成形方法にあっては、押し潰し工程において、40〜200℃に加温した押し潰し手段を用いてゴム部材を押し潰すことが好ましく、押し潰し手段の温度が40℃未満であると、ゴム部材をより確実に柔軟にして押し潰し易くする効果が十分に発揮されず、200℃を超えると、過度の加熱によりゴム部材が加硫される虞がある。また、この場合、押し潰す際のゴム部材と押し潰し手段の接触時間は5〜25秒であることが好ましく、5秒未満では充分にゴム部材を加温することができず、25秒を超えると、重ね合わせ接合時に粘着力が低下して剥離し易くなる虞がある。
また、本発明の円筒状部材の成形方法にあっては、厚さ減少工程を経た後の図2(b)に示す内側端部の先端1dの厚さtが1.1mm以下であることが好ましく、これによれば、シート状部材のネッキングや割れを低減する効果をより確実に得ることができ、1.1mm超であると、十分に段差が解消されず、シート状部材にネッキングが生じる虞がある。
なお、厚さ減少工程の前における厚さが1.1mm〜4.0mmのカーカスプライ素材および厚さが0.8mm〜1.5mmであるインナーライナー素材を用いた成形に、本発明は特に有効である。
上記の方法で成形された円筒状部材を用いて製造された空気入りタイヤは、図示は省略するが、一対のビード部と、該ビード部のタイヤ径方向外側に連なる一対のサイドウォール部と、これらのサイドウォール部間に跨るトレッド部とで構成され、これら各部にわたってカーカスがトロイド状に延在する。カーカスは少なくとも一枚のカーカスプライからなり、カーカスのタイヤ内面側にはインナーライナーを備え、インナーライナーはタイヤ内表面を形成する。カーカスプライは、ラジアルプライ、バイアスプライのいずれで構成されているものでもよいが、ラジアルカーカスである場合には、通常、カーカスのクラウン部におけるタイヤ径方向外側にはベルトが配設される。そして、インナーライナーに隣接する最内側カーカスプライにおけるタイヤ周方向の端部同士が重なり合い、重なり合った端部のうち、タイヤ内面側に位置する内側端部の厚さが、最内側カーカスプライの内側端部以外の部分の厚さよりも小となっている。
なお、インナーライナーに隣接する最内側カーカスプライにおけるタイヤ周方向の端部同士が重なり合い、重なり合った端部のうち、タイヤ内面側に位置する内側端部の厚さが1.1mm以下であることが好ましく、これによれば、インナーライナー素材への応力集中を低減し、ネッキングや割れ等を低減する効果をより確実に得ることができ、1.1mm超であると、十分に段差が解消されず、シート状部材にネッキングが生じる虞がある。
以上、本発明の実施の形態について図示例に基づき説明したが、本発明は上記の例に限定されず、特許請求の範囲の記載範囲内で適宜変更することができる。例えば、上述の実施形態ではゴム部材の厚さを減少させるために押し潰し手段を用いたが、ゴム部材の端部を切削することによって厚さを減少させることも可能である。
次に、本発明に従う円筒状部材を試作し、性能評価を行ったので以下に説明する。従来例および実施例1、2の円筒状部材は、インナーライナー素材を巻き付けた成形ドラムの外周にカーカスプライ素材を巻き付けるとともに、該カーカスプライ素材の端部同士を重ね合わせて接合することにより形成した。なお、実施例1、2の円筒状部材については、重ね合わせ接合する前に、押し潰し工程を行い、内側端部を押し潰した。
従来例および実施例1、2の円筒状部材をそれぞれ5個ずつ作成し、これらの円筒状部材を用いてタイヤを製造する際の、タイヤ成形時の拡張によって、インナーライナー割れが発生した個数を測定して評価した。従来例のタイヤは、厚さ減少工程を実施しない従来の方法に従い成形した円筒状部材であり、実施例1、2のタイヤはいずれも、重ね合わせ接合する前に内側端部の厚さを押し潰して減少させたものである。従来例、実施例の円筒状部材の接合部における内側端部の先端の厚さ(段差t)、および評価の結果を表1に示す。
なお、従来例および実施例に用いたカーカスプライ素材は、コード間隔が0.33mmで配列された太さ0.66mmのナイロン,ポリエステルの合成繊維をゴム部材(G248)で被覆した厚さ1.39mmのものを使用し、インナーライナー素材(G990)は、厚さが0.8mmのものを用いた。
なお、押し潰し工程において内側端部を押し潰す際の押し潰し手段の温度は120℃で行った。40℃未満では押し潰した端部の厚さにばらつきが生じてしまい、200℃を超えると重ね合わせ接合が困難となった。
Figure 2013193367
表1の結果から、従来例と比較して、本発明の成形方法で成形した実施例の円筒状部材を使用したものは、インナーライナー割れが低減していることがわかる。
かくして、本発明により、ゴム部材の内側に備えたシート状部材への応力集中を軽減して、シート状部材の割れの発生を低減しうる円筒状部材の成形方法を提供することが可能となった。また、本発明により、タイヤ製造に用いられ、内側に配置されるインナーライナー素材への応力集中を軽減して割れの発生を低減しうるカーカスプライ素材を提供することが可能となった。さらに、本発明により、製造時のインナーライナーのネッキングや割れを低減しうる空気入りタイヤを提供することが可能となった。
1 カーカスプライ素材(ゴム部材)
3 コンベア
5 切断手段
7 押し潰し手段
11 プライコード
13 成形ドラム
15 インナーライナー素材(シート状部材)

Claims (11)

  1. 帯状のゴム部材を、シート状部材を巻き付けた成形ドラムの外周に巻きつけるとともに、該ゴム部材の端部同士を重ね合わせて接合する重ね合わせ接合工程を有する円筒状部材の成形方法であって、
    少なくとも重ね合わせ接合時に前記シート状部材側となる前記ゴム部材の内側端部の厚さを、前記重ね合わせ接合工程の前に減少させる厚さ減少工程を有することを特徴とする円筒状部材の成形方法。
  2. 前記厚さ減少工程が、対向する一対の押し潰し手段により前記ゴム部材の表面側および裏面側から前記ゴム部材を挟み込んで押し潰す押し潰し工程である、請求項1に記載の円筒状部材の成形方法。
  3. 前記押し潰し工程において、前記ゴム部材を加温するとともに押し潰す、請求項2に記載の円筒状部材の成形方法。
  4. 前記押し潰し工程において、40〜200℃に加温した前記押し潰し手段を用いて前記ゴム部材を押し潰す、請求項2又は3に記載の円筒状部材の成形方法。
  5. 前記ゴム部材の表面と接触する前記押し潰し手段の表面接触面が、前記ゴム部材の表面と平行な平坦面又は湾曲面を有し、
    前記ゴム部材の裏面と接触する前記押し潰し手段の裏面接触面が、前記ゴム部材の裏面と平行な平坦面又は湾曲面を有する、請求項2〜4の何れか一項に記載の円筒状部材の成形方法。
  6. 前記厚さ減少工程を経た後の前記内側端部の先端の厚さが1.1mm以下である、請求項1〜5の何れか一項に記載の円筒状部材の成形方法。
  7. 前記ゴム部材を所定長さに切断する切断工程を、前記厚さ減少工程の前にさらに有する、請求項1〜6の何れか一項に記載の円筒状部材の成形方法。
  8. 前記ゴム部材が、多数本のプライコードをゴム被覆した、空気入りタイヤのカーカスプライ素材であり、
    前記シート状部材が、該空気入りタイヤのインナーライナー素材である、請求項1〜7の何れか一項に記載の円筒状部材の成形方法。
  9. シート状部材を巻き付けた成形ドラムの外周に巻きつけられるとともに、端部同士が重ね合わされて接合される所定長さのカーカスプライ素材であって、
    該カーカスプライ素材の少なくとも一方の前記端部の厚さが、該カーカスプライ素材の該端部以外の部分の厚さよりも小であることを特徴とするカーカスプライ素材。
  10. 多数本のプライコードをゴム被覆した少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスと、該カーカスのタイヤ内面側に配置されたインナーライナーとを備える空気入りタイヤにおいて、
    前記インナーライナーに隣接する最内側カーカスプライにおけるタイヤ周方向の端部同士が重なり合い、重なり合った前記端部のうち、タイヤ内面側に位置する内側端部の厚さが、前記最内側カーカスプライの前記内側端部以外の部分の厚さよりも小であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  11. 前記内側端部の先端の厚さが1.1mm以下である、請求項10に記載の空気入りタイヤ。
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