JP2015208880A - 空気入りタイヤ及びその製造方法 - Google Patents

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【課題】インナーライナー層が加硫前にタイヤ内面から剥離するのを効果的に抑制することを可能にした空気入りタイヤ及びその製造方法を提供する。【解決手段】カーカス層4の内側に熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物のフィルムからなるインナーライナー層11を配置し、インナーライナー層11とカーカス層4との間にゴムシートからなる接着ゴム層12を介在させた空気入りタイヤを製造する方法において、フィルムの一方側の面に平均粗さが10μm〜100μとなる凹部及び凸部を形成し、ゴムシートをフィルムの一方側の面に対して積層し、フィルムの凸部がゴムシートに食い込むようにフィルムとゴムシートとを互いに圧着し、このような圧着状態とされたフィルム及びゴムシートを含むグリーンタイヤを成形し、該グリーンタイヤを加硫する。【選択図】図1

Description

本発明は、熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂中にエラストマーをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物のフィルムからなるインナーライナー層を備えた空気入りタイヤ及びその製造方法に関し、更に詳しくは、インナーライナー層が加硫前にタイヤ内面から剥離するのを効果的に抑制することを可能にした空気入りタイヤ及びその製造方法に関する。
従来、空気入りタイヤにおいて、一対のビード部間にカーカス層を装架し、該カーカス層の内側に熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂中にエラストマーをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物のフィルムからなるインナーライナー層を配置し、該インナーライナー層とカーカス層との間にゴムシートからなる接着ゴム層を介在させた構造を有するものが提案されている。
このような空気入りタイヤを製造する場合、成形ドラム上にインナーライナー層となる円筒状のフィルムを配置し、そのフィルムの外周側に接着ゴム層となるゴムシートを積層し、更に他のタイヤ構成部材を貼り合せて円筒状の1次成形体を成形し、この1次成形体を膨径させてベルト層を含むトレッドリングの内側に圧着することにより、トロイダル形状を有するグリーンタイヤを成形する(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物のフィルムはゴムに比べてモジュラスが高いため、成形時の膨径に伴うリフト変形率が過大であると、そのフィルムからなるインナーライナー層が加硫前にグリーンタイヤの内面から剥離するという問題がある。このような剥離現象は接着ゴム層となるゴムシートの粘着力をその配合に基づいて高めることで抑制可能である。しかし、ゴムシート自体の粘着力をその配合に基づいて高めるようにした場合、ゴムシートが成形ロール等に対して密着し易くなり、ゴムシートの加工性が大幅に悪化するという欠点がある。そのため、ゴムシート自体の粘着力を変更することなく、グリーンタイヤの内面からインナーライナー層が剥離するのを防止することが求められている。
特許第5167945号公報
本発明の目的は、熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂中にエラストマーをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物のフィルムからなるインナーライナー層を設けるにあたって、インナーライナー層が加硫前にタイヤ内面から剥離するのを効果的に抑制することを可能にした空気入りタイヤ及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤの製造方法は、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、該一対のビード部間にカーカス層を装架し、該カーカス層の内側に熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂中にエラストマーをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物のフィルムからなるインナーライナー層を配置し、該インナーライナー層と前記カーカス層との間にゴムシートからなる接着ゴム層を介在させた空気入りタイヤを製造する方法において、
前記フィルムの一方側の面に算術平均粗さが10μm〜100μとなる凹部及び凸部を形成し、前記ゴムシートを前記フィルムの前記一方側の面に対して積層し、前記フィルムの凸部が前記ゴムシートの断面曲線の平均線を超えて該ゴムシートに食い込むように前記フィルムと前記ゴムシートとを互いに圧着し、このような圧着状態とされた前記フィルム及び前記ゴムシートを含むグリーンタイヤを成形し、該グリーンタイヤを加硫することを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、該一対のビード部間にカーカス層を装架し、該カーカス層の内側に熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂中にエラストマーをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物のフィルムからなるインナーライナー層を配置し、該インナーライナー層と前記カーカス層との間にゴムシートからなる接着ゴム層を介在させた空気入りタイヤにおいて、
前記フィルムの一方側の面に算術平均粗さが10μm〜100μとなる凹部及び凸部を形成し、前記ゴムシートを前記フィルムの前記一方側の面に対して積層し、前記フィルムの凸部が前記ゴムシートに食い込むようにしたことを特徴とするものである。
本発明では、インナーライナー層となるフィルムの一方側の面に算術平均粗さが10μm〜100μとなる凹部及び凸部を形成し、接着ゴム層となるゴムシートをフィルムの一方側の面に対して積層し、フィルムの凸部がゴムシートの断面曲線の平均線を超えてゴムシートに食い込むようにフィルムとゴムシートとを互いに圧着し、このような圧着状態とされたフィルム及びゴムシートを含むグリーンタイヤを成形することにより、インナーライナー層となるフィルムと接着ゴム層となるゴムシートとの密着面積が増大するので、インナーライナー層が加硫前にタイヤ内面から剥離するのを効果的に抑制することができる。その結果、インナーライナー層の剥離に起因するタイヤ故障を抑制することができる。また、ゴムシート自体の粘着力をその配合に基づいて高める場合とは異なって、ゴムシートの加工性を悪化させることもない。
本発明において、フィルムの凹部及び凸部はプラズマ処理によりランダムに形成されたものであることが好ましい。このようなプラズマ処理によりランダムに形成された凹部及び凸部は、フィルムの空気透過性に悪影響を与えることなく、フィルムとゴムシートとの密着面積を効果的に増大させ、インナーライナー層が加硫前にタイヤ内面から剥離するのを効果的に抑制することができる。
フィルムの厚さは30μm〜200μmであることが好ましい。つまり、本発明では、このような厚さを有する熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物のフィルムをインナーライナー層に用いた場合に顕著な効果が得られる。
フィルムにおける凹部及び凸部の形成領域はタイヤ周方向に連続することが好ましい。このように凹部及び凸部の形成領域をタイヤ周方向に沿って連続的に延在させることにより、インナーライナー層の剥離を効果的に抑制することができる。
本発明において、フィルム表面の算術平均粗さはJIS−B601に規定される算術平均粗さRaであり、ゴムシートの断面曲線の平均線はJIS−B601に規定される断面曲線の平均線である。フィルムの表面性状(算術平均粗さ)については、フィルムから1辺が1cmである正方形のサンプルを採取し、サンプルの表面性状を測定することで、その表面性状の連続性を確認する。サンプルは1タイヤ分のフィルムの少なくとも3箇所から取得し、その表面性状を測定する。表面性状の測定において、任意の直線上で凹凸を測定し、1サンプル当たり角度を45°ずつ異ならせた4方向に沿って測定を行う。このように測定される表面性状がいずれも所定の条件を満足するものとする。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示す子午線断面図である。 本発明の実施形態からなる空気入りタイヤのビード部を示す断面図である。 本発明で使用されるフィルムを拡大して示す斜視断面図である。 本発明で使用されるゴムシートを拡大して示す断面図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法においてフィルムとゴムシートとを積層する工程を概略的に示す斜視図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法においてフィルムとゴムシートとを積層する工程を示し、(a)〜(c)はそれぞれ両者の異なる積層状態を示す断面図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法において成形されたグリーンタイヤを示す子午線断面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1及び図2は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示すものである。図1及び図2に示すように、本実施形態の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、該トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2,2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3,3とを備えている。
一対のビード部3,3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側へ折り返されている。ビードコア5の外周上には断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラー6が配置されている。
一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層のベルト層7が埋設されている。これらベルト層7はタイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜40°の範囲に設定されている。ベルト層7の補強コードとしては、スチールコードが好ましく使用される。ベルト層7の外周側には、高速耐久性の向上を目的として、補強コードをタイヤ周方向に対して例えば5°以下の角度で配列してなる少なくとも1層のベルトカバー層8が配置されている。ベルトカバー層8の補強コードとしては、ナイロンやアラミド等の有機繊維コードが好ましく使用される。
また、カーカス層4の内側には熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂中にエラストマーをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物のフィルムからなるインナーライナー層11が配置され、そのインナーライナー層11とカーカス層4との間にはゴムシートからなる接着ゴム層12を介在している(図2参照)。
上述のような構造を有する空気入りタイヤを製造する場合、成形ドラム上にインナーライナー層11となる円筒状のフィルムを配置し、そのフィルムの外周側に接着ゴム層12となるゴムシートを積層し、更にカーカス層4を含む他のタイヤ構成部材を貼り合せて円筒状の1次成形体を成形し、この1次成形体を膨径させてベルト層7やベルトカバー層8を含むトレッドリングの内側に圧着することにより、トロイダル形状を有するグリーンタイヤを成形し、しかる後、グリーンタイヤを金型内に投入して加硫を行う。
しかしながら、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物のフィルムはゴムに比べてモジュラスが高いため、成形時の膨径に伴うリフト変形率が過大であると、そのフィルムからなるインナーライナー層11が加硫前にグリーンタイヤの内面から剥離する恐れがある。そこで、本発明ではインナーライナー層11となるフィルムの表面性状を特定し、図3〜図7に示すような工程により空気入りタイヤを製造する。
先ず、図3に示すように、インナーライナー層11となるフィルム110の一方側の面に算術平均粗さが10μm〜100μとなる凹部111及び凸部112を形成する。凹部111及び凸部112の形成方法は特に限定されるものではないが、プラズマ処理により形成することが望ましい。プラズマ処理を実施するための処理装置としては、例えば、春日電機株式会社製の絶縁性基材用処理装置を用いることができ、処理速度を3〜20[m/min]の範囲とし、電力を200〜400[ワット]の範囲とし、放電量を30〜600[W・min/m2]の範囲として処理を行うようにすれば良い。フィルム110に対してプラズマ処理に基づく粗面加工を施すことにより、その表面には独立した多数の凹部111及び凸部112がランダムに点在するように形成される。プラズマ処理によりランダムに形成された微細な凹部111及び凸部112は、フィルム110の空気透過性に悪影響を与えることなく、フィルム110の表面積を効果的に増大させる。
ここで、フィルム110の算術平均粗さが10μmよりも小さいと表面の粗さを十分に確保することができず、その表面積を十分に増大させることができない。また、フィルム110の算術平均粗さが100μよりも大きいとフィルムを安定して得ることが困難になる。特に、フィルム110の算術平均粗さは20μm〜70μであることが好ましい。
一方、接着ゴム層12となるゴムシート120はフィルム110と密着する面が平滑であったとしても微細な凹凸形状を有している。このようなゴムシート120について、図4に示すように、断面曲線の平均線121を求めることができる。ゴムシート120をフィルム110の一方側の面に対して積層するにあたって、フィルム110の凸部112がゴムシート120の断面曲線の平均線121を超えてゴムシート120に食い込むようにフィルム110とゴムシート120とを互いに圧着する。フィルム110とゴムシート120との積層はタイヤ成形工程において行なっても良く、或いは、タイヤ成形工程以前の各部材の準備工程において行なっても良い。
図5は、不図示の成形ドラム上にインナーライナー層11となる円筒状のフィルム110を配置し、そのフィルム110の外周側に接着ゴム層12となるゴムシート120を積層する工程を示している。ここでは、フィルム110の外周面に凹部111及び凸部112が形成されている。また、フィルム110は円筒状をなすものであることが好ましいが、シート状のフィルム110を円筒状に巻き付けることも可能である。ゴムシート120はフィルム110に対して積層され、例えば、両者を圧着ロール13によって押圧することにより、フィルム110の凸部112がゴムシート120の断面曲線の平均線121を超えてゴムシート120に食い込んだ状態となる。
図6(a)〜(c)は、フィルム110とゴムシート120との積層状態を示すものである。図6(a)では、フィルム110とゴムシート120とは単に重ね合された状態にある。図6(b)においては、フィルム110の凸部112がゴムシート120の断面曲線の平均線121を超えてゴムシート120に食い込み、両者が完全に密着した状態にある。図6(c)においては、フィルム110の凸部112がゴムシート120の断面曲線の平均線121を超えてゴムシート120に食い込んでいるが、両者が完全には密着していない状態にある。図6(b)のような状態が最も好ましいが、図6(c)のような状態とすることも可能である。
なお、凹部111及び凸部112の形成によりフィルム110の一方側の面の平面視での面積に対してその表面積は大幅に増加しているが、上述のようにフィルム110とゴムシート120とを積層するにあたって、フィルム110とゴムシート120との接触面積はフィルム110の一方側の面の平面視での面積よりも大きくすることが好ましい。特に、フィルム110とゴムシート120との接触面積はフィルム110の一方側の面の平面視での面積の110%以上とするのが良い。これにより、両者の密着性を十分に高めることができる。
上述のようにして成形ドラム上にフィルム110とゴムシート120との積層体を配置した後、カーカス層4を含む他のタイヤ構成部材を貼り合せて円筒状の1次成形体を成形し、この1次成形体を膨径させてベルト層7やベルトカバー層8を含むトレッドリングの内側に圧着することにより、図7に示すように、トロイダル形状を有するグリーンタイヤGを成形し、しかる後、グリーンタイヤGを金型内に投入して加硫を行う。なお、加硫後の空気入りタイヤにおいて、インナーライナー層11となるフィルム110と接着ゴム層12となるゴムシート120とは相互に隙間なく密着した状態になる。
上述した空気入りタイヤの製造方法によれば、インナーライナー層11となるフィルム110の一方側の面に算術平均粗さが10μm〜100μとなる凹部111及び凸部112を形成し、接着ゴム層12となるゴムシート120をフィルム110の一方側の面に対して積層し、フィルム110の凸部112がゴムシート120の断面曲線の平均線121を超えてゴムシート120に食い込むようにフィルム110とゴムシート120とを互いに密着させ、このような密着状態とされたフィルム110及びゴムシート120を含むグリーンタイヤGを成形するので、インナーライナー層11となるフィルム110と接着ゴム層12となるゴムシート120との密着面積が増大することになる。そのため、加硫前のグリーンタイヤGにおいて、インナーライナー層11がタイヤ径方向内側に向かって収縮してタイヤ内面から剥離するのを効果的に抑制することができる。その結果、インナーライナー層11の剥離に起因するタイヤ故障を抑制することができる。また、ゴムシート120自体の粘着力をその配合に基づいて高める場合とは異なって、ゴムシート120の加工性を悪化させることもない。
上述した空気入りタイヤの製造方法において、図6(a)に示すように、フィルム110の厚さTは30μm〜200μm、より好ましくは、50μm〜150μmであることが好ましい。このような厚さTを有する熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物のフィルム110をインナーライナー層11に用いた場合に顕著な効果が得られる。なお、フィルム110の厚さTは凹部111の最底部を基準として測定されるものである。また、フィルム110の一方側の面には凹部111及び凸部112が意図的に形成されるが、機械的な圧着を安定して行うためにフィルム110の他方側の面は平滑面とすることが望ましい。
また、上述した空気入りタイヤの製造方法において、フィルム110における凹部111及び凸部112の形成領域はタイヤ周方向に連続することが好ましい。このように凹部111及び凸部112の形成領域をタイヤ周方向に沿って連続的に延在させることにより、インナーライナー層11の剥離を効果的に抑制することができる。なお、フィルム110において凹部111及び凸部112は必ずしもタイヤ幅方向の全域に形成する必要はない。トレッド部1はタイヤ成形時の膨径率が大きいので、フィルム110の少なくともトレッド部1に対応する領域に凹部111及び凸部112を形成することにより、インナーライナー層11の剥離を抑制する効果が得られる。
以下、本発明で使用されるインナーライナー層のフィルムについて説明する。このフィルムは、熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物から構成することができる。
本発明で使用される熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂〔例えば、ナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6(MXD6)、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体〕及びそれらのN−アルコキシアルキル化物〔例えば、ナイロン6のメトキシメチル化物、ナイロン6/610共重合体のメトキシメチル化物、ナイロン612のメトキシメチル化物〕、ポリエステル系樹脂〔例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸/ポリブチレンテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル〕、ポリニトリル系樹脂〔例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、(メタ)アクリロニトリル/スチレン共重合体、(メタ)アクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体〕、ポリメタクリレート系樹脂〔例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル〕、ポリビニル系樹脂〔例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体〕、セルロース系樹脂〔例えば、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース〕、フッ素系樹脂〔例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合体(ETFE)〕、イミド系樹脂〔例えば、芳香族ポリイミド(PI)〕等を好ましく用いることができる。
本発明で使用されるエラストマーとしては、例えば、ジエン系ゴム及びその水添物〔例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR、高シスBR及び低シスBR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化NBR、水素化SBR〕、オレフィン系ゴム〔例えば、エチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)、ブチルゴム(IIR)、イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー〕、含ハロゲンゴム〔例えば、Br−IIR、Cl−IIR、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、塩素化ポリエチレンゴム(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレンゴム(M−CM)〕、シリコンゴム〔例えば、メチルビニルシリコンゴム、ジメチルシリコンゴム、メチルフェニルビニルシリコンゴム〕、含イオウゴム〔例えば、ポリスルフィドゴム〕、フッ素ゴム〔例えば、ビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム〕、熱可塑性エラストマー〔例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー〕等を好ましく使用することができる。
前記した特定の熱可塑性樹脂とエラストマーとの相溶性が異なる場合は、第3成分として適当な相溶化剤を用いて両者を相溶化させることができる。ブレンド系に相溶化剤を混合することにより、熱可塑性樹脂とエラストマーとの界面張力が低下し、その結果、分散相を形成しているゴム粒子径が微細になることから両成分の特性はより有効に発現されることになる。そのような相溶化剤としては、一般的に熱可塑性樹脂及びエラストマーの両方又は片方の構造を有する共重合体、或いは熱可塑性樹脂又はエラストマーと反応可能なエポキシ基、カルボニル基、ハロゲン基、アミノ基、オキサゾリン基、水酸基等を有した共重合体の構造をとるものとすることができる。これらは混合される熱可塑性樹脂とエラストマーの種類によって選定すればよいが、通常使用されるものには、スチレン/エチレン・ブチレンブロック共重合体(SEBS)及びそのマレイン酸変性物、EPDM、EPM、EPDM/スチレン又はEPDM/アクリロニトリルグラフト共重合体及びそのマレイン酸変性物、スチレン/マレイン酸共重合体、反応性フェノキシン等を挙げることができる。かかる相溶化剤の配合量には特に限定はないが、好ましくは、ポリマー成分(熱可塑性樹脂とエラストマーとの合計)100重量部に対して、0.5〜10重量部がよい。
熱可塑性エラストマー組成物において、特定の熱可塑性樹脂とエラストマーとの組成比は、特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂のマトリクス中にエラストマーが不連続相として分散した構造をとるように適宜決めればよいが、好ましい範囲は重量比90/10〜15/85である。
本発明において、フィルムを構成する熱可塑性樹脂および熱可塑性エラストマー組成物には、インナーライナー層としての必要特性を損なわない範囲で前記した相溶化剤などの他のポリマーを混合することができる。他のポリマーを混合する目的は、熱可塑性樹脂とエラストマーとの相溶性を改良するため、材料の成型加工性をよくするため、耐熱性向上のため、コストダウンのため等があり、これに用いられる材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ABS、SBS、ポリカーボネート(PC)等を例示することができる。また、一般的にポリマー配合物に配合される充填剤(炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ等)、カーボンブラック、ホワイトカーボン等の補強剤、軟化剤、可塑剤、加工助剤、顔料、染料、老化防止剤等をインナーライナー層としての必要特性を損なわない限り任意に配合することもできる。
また、エラストマーは熱可塑性樹脂との混合の際、動的に加硫することもできる。動的に加硫する場合の加硫剤、加硫助剤、加硫条件(温度、時間)等は、添加するエラストマーの組成に応じて適宜決定すればよく、特に限定されるものではない。
加硫剤としては、一般的なゴム加硫剤(架橋剤)を用いることができる。具体的には、イオウ系加硫剤としては粉末イオウ、沈降性イオウ、高分散性イオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウ、ジモルフォリンジサルファイド、アルキルフェノールジサルファイド等を例示でき、例えば、0.5〜4phr〔本明細書において、「phr」は、エラストマー成分100重量部あたりの重量部をいう。以下、同じ。〕程度用いることができる。
また、有機過酸化物系の加硫剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ(パーオキシルベンゾエート)等が例示され、例えば、1〜20phr程度用いることができる。
更に、フェノール樹脂系の加硫剤としては、アルキルフェノール樹脂の臭素化物や、塩化スズ、クロロプレン等のハロゲンドナーとアルキルフェノール樹脂とを含有する混合架橋系等が例示でき、例えば、1〜20phr程度用いることができる。
その他として、亜鉛華(5phr程度)、酸化マグネシウム(4phr程度)、リサージ(10〜20phr程度)、p−キノンジオキシム、p−ジベンゾイルキノンジオキシム、テトラクロロ−p−ベンゾキノン、ポリ−p−ジニトロソベンゼン(2〜10phr程度)、メチレンジアニリン(0.2〜10phr程度)が例示できる。
また、必要に応じて、加硫促進剤を添加してもよい。加硫促進剤としては、アルデヒド・アンモニア系、グアニジン系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チウラム系、ジチオ酸塩系、チオウレア系等の一般的な加硫促進剤を、例えば、0.5〜2phr程度用いることができる。
具体的には、アルデヒド・アンモニア系加硫促進剤としては、ヘキサメチレンテトラミン等、グアジニン系加硫促進剤としては、ジフェニルグアジニン等、チアゾール系加硫促進剤としては、ジベンゾチアジルジサルファイド(DM)、2−メルカプトベンゾチアゾール及びそのZn塩、シクロヘキシルアミン塩等、スルフェンアミド系加硫促進剤としては、シクロヘキシルベンゾチアジルスルフェンアマイド(CBS)、N−オキシジエチレンベンゾチアジル−2−スルフェンアマイド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアマイド、2−(チモルポリニルジチオ)ベンゾチアゾール等、チウラム系加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムジサルファイド(TMTD)、テトラエチルチウラムジサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド(TMTM)、ジペンタメチレンチウラムテトラサルファイド等、ジチオ酸塩系加硫促進剤としては、Zn−ジメチルジチオカーバメート、Zn−ジエチルジチオカーバメート、Zn−ジ−n−ブチルジチオカーバメート、Zn−エチルフェニルジチオカーバメート、Te−ジエチルジチオカーバメート、Cu−ジメチルジチオカーバメート、Fe−ジメチルジチオカーバメート、ピペコリンピペコリルジチオカーバメート等、チオウレア系加硫促進剤としては、エチレンチオウレア、ジエチルチオウレア等を挙げることができる。
また、加硫促進助剤としては、一般的なゴム用助剤を併せて用いることができ、例えば、亜鉛華(5phr程度)、ステアリン酸やオレイン酸及びこれらのZn塩(2〜4phr程度)等が使用できる。
熱可塑性エラストマー組成物の製造方法は、予め熱可塑性樹脂とエラストマー(ゴムの場合は未加硫物)とを2軸混練押出機等で溶融混練し、連続相(マトリックス)を形成する熱可塑性樹脂中に分散相(ドメイン)としてエラストマーを分散させることによる。エラストマーを加硫する場合には、混練下で加硫剤を添加し、エラストマーを動的加硫させてもよい。また、熱可塑性樹脂またはエラストマーへの各種配合剤(加硫剤を除く)は、上記混練中に添加してもよいが、混練の前に予め混合しておくことが好ましい。熱可塑性樹脂とエラストマーの混練に使用する混練機としては、特に限定はなく、スクリュー押出機、ニーダ、バンバリミキサー、2軸混練押出機等が使用できる。中でも熱可塑性樹脂とエラストマーの混練およびエラストマーの動的加硫には、2軸混練押出機を使用するのが好ましい。更に、2種類以上の混練機を使用し、順次混練してもよい。溶融混練の条件として、温度は熱可塑性樹脂が溶融する温度以上であればよい。また、混練時の剪断速度は1000〜7500sec-1であるのが好ましい。混練全体の時間は30秒から10分、また加硫剤を添加した場合には、添加後の加硫時間は15秒から5分であるのが好ましい。上記方法で製作されたポリマー組成物は、射出成形、押出し成形等、通常の熱可塑性樹脂の成形方法によって所望の形状にすればよい。
このようにして得られる熱可塑性エラストマー組成物は、熱可塑性樹脂のマトリクス中にエラストマーが不連続相として分散した構造をとる。かかる構造をとることにより、インナーライナー層に十分な柔軟性と連続相としての樹脂層の効果により十分な剛性を併せ付与することができると共に、エラストマーの多少によらず、成形に際し、熱可塑性樹脂と同等の成形加工性を得ることができる。
熱可塑性樹脂および熱可塑性エラストマー組成物のJIS K7100により定められるところの標準雰囲気中におけるヤング率は、特に限定されるものではないが、好ましくは1〜500MPa、より好ましくは50〜500MPaにするとよい。
上記熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物はシート又はフィルムに成形して単体で用いることが可能であるが、隣接するゴムとの接着性を高めるために接着層を積層しても良い。この接着層を構成する接着用ポリマーの具体例としては、分子量100万以上、好ましくは300万以上の超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレンメチルアクリレート樹脂(EMA)、エチレンアクリル酸共重合体(EAA)等のアクリレート共重合体類及びそれらの無水マレイン酸付加物、ポリプロピレン(PP)及びそのマレイン酸変性物、エチレンプロピレン共重合体及びそのマレイン酸変性物、ポリブタジエン系樹脂及びその無水マレイン酸変性物、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SEBS)、フッ素系熱可塑性樹脂、ポリエステル系熱可塑性樹脂などを挙げることができる。これらは常法に従って例えば樹脂用押出機によって押し出してシート状又はフィルム状に成形することができる。接着層の厚さは特に限定されないが、タイヤ軽量化のためには厚さが少ない方がよく、5μm〜150μmが好ましい。
タイヤサイズが195/65R15であり、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、該一対のビード部間にカーカス層を装架し、熱可塑性樹脂(ナイロン6、ナイロン612)中にエラストマー(Br−IPMS)をブレンドした熱可塑性エラストマー組成物のフィルムからなるインナーライナー層をカーカス層の内側に配置し、インナーライナー層とカーカス層との間にゴムシートからなる接着ゴム層を介在させた空気入りタイヤを製造するにあたって、その製造条件を表1のように種々異ならせた従来例、実施例1〜4及び比較例1〜3のタイヤを作製した。
従来例においては、凹凸形成処理が施されていないフィルムとゴムシート互いに圧着し、これらフィルム及びゴムシートを含むグリーンタイヤを成形し、しかる後、そのグリーンタイヤを加硫した。
実施例1〜4においては、フィルムに凹凸形成処理(プラズマ処理)を施してフィルム表面に算術平均粗さが10μm〜100μとなる凹部及び凸部を形成し、このフィルムとゴムシートを積層し、フィルムの凸部がゴムシートの断面曲線の平均線を超えてゴムシートに食い込むようにフィルムとゴムシートとを互いに圧着し、このような圧着状態とされたフィルム及びゴムシートを含むグリーンタイヤを成形し、しかる後、そのグリーンタイヤを加硫した。
比較例1〜2においては、フィルムに凹凸形成処理(プラズマ処理)を施してフィルム表面に算術平均粗さが10μm〜100μとなる凹部及び凸部を形成し、このフィルムとゴムシートを積層し、フィルムの凸部がゴムシートの断面曲線の平均線上に位置する状態とし、このような状態とされたフィルム及びゴムシートを含むグリーンタイヤを成形し、しかる後、そのグリーンタイヤを加硫した。
比較例3においては、フィルムに凹凸形成処理(プラズマ処理)を施してフィルム表面に算術平均粗さが25μmとなる凹部及び凸部を形成し、このフィルムとゴムシートを積層し、フィルムの凸部がゴムシートの断面曲線の平均線上に届いていない状態とし、このような状態とされたフィルム及びゴムシートを含むグリーンタイヤを成形し、しかる後、そのグリーンタイヤを加硫した。
表1において、フィルムとゴムシートとの圧着状態は、以下のように表記した。即ち、フィルムの凸部がゴムシートの断面曲線の平均線を超えてゴムシートに食い込んだ状態を「A」とし、フィルムの凸部がゴムシートの断面曲線の平均線上に位置する状態を「B」とし、フィルムの凸部がゴムシートの断面曲線の平均線に届いていない状態を「C」とした。「A」の状態においては、フィルムとゴムシートとの接触面積がフィルムの平面視での面積の110%以上となるようにした。
上述した従来例、実施例1〜4及び比較例1〜3について、以下の評価方法により、インナーライナー層の剥離抑制効果を評価した。即ち、グリーンタイヤを成形後に12時間放置し、インナーライナー層の剥離状況を確認した。そして、グリーンタイヤ100本当たりの剥離発生本数(剥離発生率)を求めた。評価結果は、剥離発生率の逆数を用い、従来例を100とする指数値にて表1に併せて示した。
Figure 2015208880
表1から明らかなように、実施例1〜4においては、従来例との対比において、インナーライナー層の剥離抑制効果が優れていた。なお、製造上の観点からフィルムの算術平均粗さを100μmよりも大きくすることは困難であった。一方、比較例1〜3では、インナーライナー層となるフィルムと接着ゴム層となるゴムシートとの圧着が不十分であるため、インナーライナー層の剥離抑制効果が得られなかった。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルトカバー層
11 インナーライナー層
12 接着ゴム層
110 フィルム
111 凹部
112 凸部
120 ゴムシート
121 断面曲線の平均線

Claims (8)

  1. タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、該一対のビード部間にカーカス層を装架し、該カーカス層の内側に熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂中にエラストマーをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物のフィルムからなるインナーライナー層を配置し、該インナーライナー層と前記カーカス層との間にゴムシートからなる接着ゴム層を介在させた空気入りタイヤを製造する方法において、
    前記フィルムの一方側の面に算術平均粗さが10μm〜100μとなる凹部及び凸部を形成し、前記ゴムシートを前記フィルムの前記一方側の面に対して積層し、前記フィルムの凸部が前記ゴムシートの断面曲線の平均線を超えて該ゴムシートに食い込むように前記フィルムと前記ゴムシートとを互いに圧着し、このような圧着状態とされた前記フィルム及び前記ゴムシートを含むグリーンタイヤを成形し、該グリーンタイヤを加硫することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記フィルムの凹部及び凸部がプラズマ処理によりランダムに形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 前記フィルムの厚さが30μm〜200μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  4. 前記フィルムにおける前記凹部及び前記凸部の形成領域がタイヤ周方向に連続することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  5. タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、該一対のビード部間にカーカス層を装架し、該カーカス層の内側に熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂中にエラストマーをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物のフィルムからなるインナーライナー層を配置し、該インナーライナー層と前記カーカス層との間にゴムシートからなる接着ゴム層を介在させた空気入りタイヤにおいて、
    前記フィルムの一方側の面に算術平均粗さが10μm〜100μとなる凹部及び凸部を形成し、前記ゴムシートを前記フィルムの前記一方側の面に対して積層し、前記フィルムの凸部が前記ゴムシートに食い込むようにしたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  6. 前記フィルムの凹部及び凸部がプラズマ処理によりランダムに形成されたものであることを特徴とする請求項5に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記フィルムの厚さが30μm〜200μmであることを特徴とする請求項5又は6に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記フィルムにおける前記凹部及び前記凸部の形成領域がタイヤ周方向に連続することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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