JP2016107720A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】エア入り及びシワの発生を抑制しうる熱可塑性樹脂を用いたインナーライナーを備えた空気入りタイヤを提供する。【解決手段】本発明の空気入りタイヤは、熱可塑性樹脂により形成されたインナーライナーを備えた空気入りタイヤであって、前記インナーライナーは、一部の領域に前記インナーライナーを貫通する複数の穴部が形成されており、前記複数の穴部には、ゴムが充填されていることを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、空気入りタイヤに関する。
従来、タイヤの内圧を保持するためにタイヤ内面に空気バリア層として配設されるインナーライナーには、ブチルゴムやハロゲン化ブチルゴム等を主原料とするゴム組成物が使用されている。しかしながら、これらブチル系ゴムを主原料とするゴム組成物は、空気バリア性が低いため、かかるゴム組成物をインナーライナーに使用した場合、インナーライナーの厚さを例えば1mm前後とする必要があった。
一方、エチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、EVOHと略記することがある。)等の熱可塑性樹脂は、ガスバリア性に優れることが知られている。EVOH等の熱可塑性樹脂は、空気透過量が上記ブチル系のインナーライナー用ゴム組成物の100分の1以下であるため、例えば100μm以下の厚さでも、タイヤの内圧保持性を大幅に向上させることができる。従って、EVOH等の熱可塑性樹脂をインナーライナーとして使用した場合、薄くても使用可能であるため、タイヤ転動時の屈曲変形で破断し難く、また、クラックも生じ難くなる。そのため、空気入りタイヤの内圧保持性を改良するために、EVOH等の熱可塑性樹脂をタイヤのインナーライナーに用いることは有効であるといえる。例えば、特許文献1には、EVOHからなるインナーライナーを備えた空気入りタイヤが開示されている。
空気入りタイヤの製造不良の一つとして、グリーンタイヤに内包されている空気が、成型・加硫時に集まって、エア溜まりを形成し、加硫成型後のタイヤ内部に残留するいわゆるエア入りの問題がある。EVOH等の熱可塑性樹脂を用いたインナーライナーを備えた空気入りタイヤでは、当該熱可塑性樹脂がほとんど空気を透過しないため、残留したエアが排出され難く、エア入りの問題が特に顕著になりやすくなる。また、加硫後の離型時にブラダーがインナーライナーに貼り付いてしまうと、目視では確認しがたいエア入りを起点にインナーライナーシワが発生する問題がある。
そのため、熱可塑性樹脂を用いたインナーライナーを備えた空気入りタイヤにおいて、エア入り及びシワの発生を抑制可能な手法が望まれている。
そのため、熱可塑性樹脂を用いたインナーライナーを備えた空気入りタイヤにおいて、エア入り及びシワの発生を抑制可能な手法が望まれている。
本発明は、上記課題に鑑み、エア入り及びシワの発生を抑制しうる、熱可塑性樹脂を用いたインナーライナーを備えた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の要旨構成は、以下の通りである。
(1)本発明の空気入りタイヤは、熱可塑性樹脂により形成されたインナーライナーを備えた空気入りタイヤであって、前記インナーライナーは、一部の領域に前記インナーライナーを貫通する複数の穴部が形成されており、前記複数の穴部には、ゴムが充填されていることを特徴とするものである。
この構成によれば、成型時にタイヤ内部のエアが穴部からタイヤの外部に排出されているので、加硫時に熱可塑性樹脂を用いたインナーライナーを備えた空気入りタイヤの、エア入りを抑制することができる。
(1)本発明の空気入りタイヤは、熱可塑性樹脂により形成されたインナーライナーを備えた空気入りタイヤであって、前記インナーライナーは、一部の領域に前記インナーライナーを貫通する複数の穴部が形成されており、前記複数の穴部には、ゴムが充填されていることを特徴とするものである。
この構成によれば、成型時にタイヤ内部のエアが穴部からタイヤの外部に排出されているので、加硫時に熱可塑性樹脂を用いたインナーライナーを備えた空気入りタイヤの、エア入りを抑制することができる。
(2)本発明の空気入りタイヤは、トレッド部から一対のサイドウォール部を介して一対のビード部にわたってトロイダル状に延び、前記ビード部に埋設されたビードコアに係止される少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスと、前記ビードコアのタイヤ径方向外方に配設されたビードフィラーとを備え、かつ、前記トレッド部のトレッド踏面に、トレッド周方向に連続して延びる複数の周方向主溝が形成された空気入りタイヤであって、タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷とした、基準状態において、前記穴部は、前記空気入りタイヤのタイヤ幅方向断面において、タイヤ幅方向最外側の前記周方向主溝よりもタイヤ幅方向外側の領域にのみ形成されていることが好ましい。
このようにすると、内部に残留する空気が集まる傾向のある、いわゆるバットレス部からのエアの排出を促進できるので、エア入りをより抑制することができる。また、タイヤ幅方向最外側の周方向主溝よりもタイヤ幅方向内側の気密性を確保することができる。
このようにすると、内部に残留する空気が集まる傾向のある、いわゆるバットレス部からのエアの排出を促進できるので、エア入りをより抑制することができる。また、タイヤ幅方向最外側の周方向主溝よりもタイヤ幅方向内側の気密性を確保することができる。
ここで、「トレッド踏面」とは、タイヤを、適用リムに組み付け、規定内圧を適用し最大負荷能力に対応する負荷を加えた状態で転動させた際に、路面と接触することとなる、タイヤの全周にわたる外表(周)面のことを言う。
また、周方向主溝が「トレッド周方向に連続して延びる」とは、トレッド周方向に向かって連続して延びることを指し、トレッド周方向に向かってジグザグ状に連続して延びる場合や、トレッド周方向に向かって湾曲しながら連続して延びる場合も含まれる。
「トレッド端」とは、上記「トレッド踏面」のタイヤ幅方向最外位置を指す。
「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMAのJATMA YEAR BOOK、欧州ではETRTOのSTANDARDS MANUAL、米国ではTRAのYEAR BOOK等に記載されている、適用サイズにおける標準リム(ETRTOのSTANDARDS MANUALではMeasuring Rim、TRAのYEAR BOOKではDesign Rim)を指す。
また、「規定内圧」とは、適用サイズのタイヤにおける上記規格のタイヤの最大負荷能力に対応する内圧をいうものとする。
また、周方向主溝が「トレッド周方向に連続して延びる」とは、トレッド周方向に向かって連続して延びることを指し、トレッド周方向に向かってジグザグ状に連続して延びる場合や、トレッド周方向に向かって湾曲しながら連続して延びる場合も含まれる。
「トレッド端」とは、上記「トレッド踏面」のタイヤ幅方向最外位置を指す。
「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMAのJATMA YEAR BOOK、欧州ではETRTOのSTANDARDS MANUAL、米国ではTRAのYEAR BOOK等に記載されている、適用サイズにおける標準リム(ETRTOのSTANDARDS MANUALではMeasuring Rim、TRAのYEAR BOOKではDesign Rim)を指す。
また、「規定内圧」とは、適用サイズのタイヤにおける上記規格のタイヤの最大負荷能力に対応する内圧をいうものとする。
(3)本発明の空気入りタイヤは、前記穴部は、前記空気入りタイヤのタイヤ幅方向断面において、ビードコアのタイヤ径方向外側の端部から、ビードフィラーのタイヤ径方向外側の端部までの領域に少なくとも形成されていることが好ましい。
このようにすると、加硫後に離型する際のブラダー摩擦が大きい領域におけるシワの発生を抑制することができる。
このようにすると、加硫後に離型する際のブラダー摩擦が大きい領域におけるシワの発生を抑制することができる。
本発明によれば、エア入り及びシワの発生を抑制しうる、熱可塑性樹脂を用いたインナーライナーを備えた空気入りタイヤを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に例示説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」とも称する)のタイヤ幅方向の断面図である。図1においては、タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷とした、基準状態の際のタイヤのタイヤ幅方向断面を示している。
図1に示すように、本実施形態のタイヤ1は、ビードコア2a及びビードコア2aのタイヤ径方向外方に配設されたビードフィラー2bを有するビード部2及びサイドウォール部3と、両サイドウォール部3に連なるトレッド部4とを有し、トレッド部4から一対のサイドウォール部3を介して一対のビード部2にわたってトロイダル状に延び、ビード部2に埋設されたビードコア2aに係止される少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカス5と、ビードコア2aのタイヤ径方向外方に配設されたビードフィラー2bとを備える。カーカス5のクラウン部5aのタイヤ半径方向外側には、2枚のベルト層からなるベルト6が配置されており、さらに、該カーカス5の内側のタイヤ内面にはインナーライナー7が配置されている。
図1に示すように、トレッド部4のトレッド踏面4aは、複数本(図示例で3本)の周方向主溝を有している。図示例では、このタイヤ1は、トレッド踏面4aに、タイヤ赤道面CL上を延びる周方向主溝11と、周方向主溝11のトレッド幅方向の両側に配置された周方向主溝12及び13と、を有している。
図示例のタイヤにおいて、カーカス5は、ビード部2内に夫々埋設した一対のビードコア2a間にトロイダル状に延在するクラウン部5aを含む本体部5bと、各ビードコア2aの周りでタイヤ幅方向の内側から外側に向けて半径方向外方に巻上げた折り返し部5cと、を含む少なくとも1枚(図示例では1枚)のカーカスプライからなるが、本発明のタイヤにおいて、カーカス5のカーカスプライの数及び構造は、これに限られるものではない。カーカス5のカーカスプライのコードの材質は、特には限定しないが、例えばナイロン繊維、アラミド繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維及びポリエチレンナフタレート(PEN)繊維などのポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾオキサゾール(PBO)繊維、ポリケトン(PK)繊維、レーヨンなどのセルロース繊維、炭素繊維などの有機繊維からなる有機繊維コードや、ガラス繊維コード等の無機繊維、または、スチールコード等の金属繊維コード等を用いることができる。
また、図示例のタイヤ1においてベルト6は、2枚のベルト層からなるが、本発明のタイヤにおいては、ベルト6を構成するベルト層の枚数はこれに限られるものではない。ここで、ベルト層は、通常、タイヤ赤道面CLに対して傾斜して延びるコードのゴム引き層からなり、2枚のベルト層は、該ベルト層を構成するコードが互いにタイヤ赤道面CLを挟んで交差するように積層されてベルト6を構成する。なお、ベルト6のタイヤ半径方向外側で例えばベルト6の全体を覆うように配置されたベルト補強層を備えていてもよい。ベルト層のコードの材質は、例えばスチールコードを用いることができる。
また、スチールベルトのタイヤ径方向外側に有機繊維コードをゴム被覆してなるベルト補強層(例えば、キャップ層)を備えていてもよい。また、ベルト6のタイヤ幅方向両端部のタイヤ径方向外側に、ベルト6の両端部のみを覆うレイヤー層が設けられていてもよい。
また、スチールベルトのタイヤ径方向外側に有機繊維コードをゴム被覆してなるベルト補強層(例えば、キャップ層)を備えていてもよい。また、ベルト6のタイヤ幅方向両端部のタイヤ径方向外側に、ベルト6の両端部のみを覆うレイヤー層が設けられていてもよい。
インナーライナー7は、例えば接着剤により、タイヤを構成するゴムと貼り合わされている。インナーライナー7は、ポリアミド系樹脂、エチレン−ビニルアルコール系共重合体、変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体、ウレタン系重合体等の熱可塑性樹脂により形成されている。本実施形態のインナーライナー7は、空気透過量が低く、ガスバリア性に特に優れるエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)およびウレタン系重合体により形成されている。
インナーライナー7には、一部の領域に複数の穴部8が形成されている。穴部8は、インナーライナー7を貫通するように形成されている。本実施形態では、円形の穴部8がインナーライナー7を貫通するように形成されている。穴部8には、ゴム9が充填されている。
本実施形態では、図示例のタイヤ1に示すように、タイヤ幅方向断面視において、トレッド端TE1及びTE2からタイヤ赤道面CLまでの距離をWBとし、トレッド端TE1及びTE2に対応する位置からビードコアのタイヤ径方向外側の端部に対応する位置までのインナーライナー7の寸法をLとした場合に、穴部8は、トレッド端TE1及びTE2に対応する位置からタイヤ赤道面CLに向かって0<WBp≦0.9WBを満たすWBpの領域及びビードコアのタイヤ径方向外側の端部に対応する位置から0<Lp1≦Lを満たすLp1の領域に形成される。このようにすると、バットレス部からのエアの排出をより促進して、エア入りをより抑制することができる。
この場合、0.1WB≦WBp≦0.9WBを満たすWBpの領域、かつ、0.1L≦Lp1≦Lを満たすLp1の領域に穴部8が形成されていることが好ましく、0.2WB≦WBp≦0.5WBを満たすWBpの領域、かつ、0.2L≦Lp1≦0.5Lを満たすLp1の領域に穴部8が形成されていることがより好ましい。このようにすると、バットレス部からのエアの排出をより促進して、エア入りをより抑制することができる。
さらに、本実施形態のインナーライナー7には、タイヤ幅方向断面視において、インナーライナー7のタイヤ径方向内側の端部からトレッド端TE1及びTE2に向かってカーカス5に沿って30mmまでの領域Lp2に穴部8が形成されていることが好ましく、10mmまでの領域Lp2に穴部8が形成されていることがより好ましい。このようにすると、加硫後に離型する際のブラダー摩擦が大きい領域におけるシワの発生をより抑制することができる。
本実施形態では、穴部8は、1〜20mmの間隔を空けて形成することがきる。また穴部8の穴径は、0.01〜1mmの範囲とすることができる。ここで、「穴径」とは、穴の形状に納まる円のうち最も大きな円の直径のことをいう。例えば、嵌合穴が円形なのであればその直径、楕円なのであればその短径、正三角形や正四角形等の正多角形なのであれば内接円の直径のことをいう。
穴部8の間隔は、穴径が0.1〜0.5mmの範囲である場合には、1〜10mmの範囲であることが好ましい。特に、穴径が0.1〜0.3mmの範囲である場合には、1〜5mmの範囲であることがより好ましい。また、穴径が0.8〜1mmの範囲である場合には、5〜10mmの範囲であることが好ましい。穴部の間隔及び穴径をこのような関係とすると、エア入り及びシワの発生をより抑制することができうる。
穴部8は、1cm2当たり、1〜100個形成されていることが好ましい。このような構成とすると、バットレス部からのエアの排出をさらに促進して、エア入りをさらに抑制することができる。
本実施形態のタイヤ1は例えば、成型ドラム上に、一部の領域に穴部8が形成された熱可塑性樹脂により形成されたインナーライナー7、薄いゴム層、カーカス5、ベルト6、トレッド部4等を積層して未加硫タイヤを成型し、成型工程を経た未加硫タイヤをモールド内に装入し、シェーピングによって拡張変形させてモールド成形面に押圧しつつ加熱することにより加硫して製造することができる。この製造方法によれば、エア入り及びシワの発生の抑制と共に、この加硫時に、薄いゴム層の未加硫のゴム成分が穴部8内に流れ込んで、穴部8にゴム9が形成される。
以下、本実施形態のタイヤの作用効果について、説明する。
本実施形態のタイヤによれば、熱可塑性樹脂であるエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)及びウレタン系重合体により形成されたインナーライナー7の一部の領域に、インナーライナー7を貫通する複数の穴部8が形成されている。この複数の穴部8には、ゴム9が充填されている。
そのため本実施形態のタイヤ1によれば、成型時にタイヤ内部のエアが穴部8からタイヤ1の外部に排出されうるので、熱可塑性樹脂を用いたインナーライナー7を備えた空気入りタイヤ1の、エア入りを抑制することができる。
本実施形態のタイヤによれば、熱可塑性樹脂であるエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)及びウレタン系重合体により形成されたインナーライナー7の一部の領域に、インナーライナー7を貫通する複数の穴部8が形成されている。この複数の穴部8には、ゴム9が充填されている。
そのため本実施形態のタイヤ1によれば、成型時にタイヤ内部のエアが穴部8からタイヤ1の外部に排出されうるので、熱可塑性樹脂を用いたインナーライナー7を備えた空気入りタイヤ1の、エア入りを抑制することができる。
なお、インナーライナー7に複数の穴部8が形成されていない場合には、エア入りを十分に抑制できない場合が生じうる。また複数の穴部8にゴム9が充填されていない場合には、インナーライナー7にシワが発生しうる。
図1の実施形態に示すように、本発明の空気入りタイヤは、穴部8は、空気入りタイヤのタイヤ幅方向断面において、タイヤ幅方向最外側の周方向主溝12及び13よりもタイヤ幅方向外側の領域AR1及びAR2にのみ形成され、領域AR1及びAR2の間の領域AR3には形成されていないことが好ましい。このようにすると、内部に残留する空気が集まる傾向のある、いわゆるバットレス部からのエアの排出を促進できるので、エア入りをより抑制することができる。また、タイヤ幅方向最外側の周方向主溝12及び13よりもタイヤ幅方向内側の気密性を確保することができる。
図1の実施形態に示すように、本発明の空気入りタイヤは、穴部8が、空気入りタイヤ1のタイヤ幅方向断面において、ビードコア2aのタイヤ径方向外側の端部から、ビードフィラー2bのタイヤ径方向外側の端部までの領域に少なくとも形成されていることが好ましい。このようにすると、加硫後に離型する際のブラダー等の接触量の多い領域におけるシワ及び撚れを抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、図1に示す例では、周方向主溝を3本配置しているが、周方向主溝2は4本配置してもよい。
本発明の効果を確かめるため、発明例1〜4にかかるタイヤと、比較例にかかるタイヤとを試作し、タイヤの性能を評価する試験を行った。各タイヤの諸元は、以下の表1に示している。タイヤサイズはいずれも215/45R17である。そして、各タイヤに対し、エア入り発生率及びしわ発生率を確認する試験を行った。試験は、発明例1〜4にかかるタイヤ及び比較例にかかるタイヤを各10本準備し行った。なお、各タイヤは、図1に示すように、ビードコア2a及びビードコア2aのタイヤ径方向外方に配設されたビードフィラー2bを有するビード部2及びサイドウォール部3と、両サイドウォール部3に連なるトレッド部4とを有し、トレッド部4から一対のサイドウォール部3を介して一対のビード部2にわたってトロイダル状に延び、ビード部2に埋設されたビードコア2aに係止される少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカス5と、ビードコア2aのタイヤ径方向外方に配設されたビードフィラー2bとを備え、カーカス5のクラウン部5aのタイヤ半径方向外側には、2枚のベルト層からなるベルト6が配置され、該カーカス5の内側のタイヤ内面にはインナーライナー7が配置され、トレッド部4のトレッド踏面4aに、タイヤ赤道面CL上を延びる周方向主溝11と、周方向主溝11のトレッド幅方向の両側に配置された周方向主溝12及び13と、を有するタイヤである。
<エア入り発生率>
エア入り発生率は、目視および手の触覚により、タイヤサイドのゴムチェーファー付近のふくらみの有無をチェックする。1カ所でもふくらみがあればエア入りが発生していると判断する。
エア入り発生率は、目視および手の触覚により、タイヤサイドのゴムチェーファー付近のふくらみの有無をチェックする。1カ所でもふくらみがあればエア入りが発生していると判断する。
<しわ発生率>
しわ発生率は、目視および手の触覚により、インナーライナーのしわの有無をチェックする。1カ所でもしわがあればしわが発生していると判断する。
しわ発生率は、目視および手の触覚により、インナーライナーのしわの有無をチェックする。1カ所でもしわがあればしわが発生していると判断する。
表1に示すように、発明例1〜4にかかるタイヤは、比較例にかかるタイヤと比較して、いずれもエア入りが抑制され、しかもインナーライナーにしわが生じていないことがわかる。
1:タイヤ、 2:ビード部、 2a:ビードコア、 2b:ビードフィラー、 3:サイドウォール部、 4:トレッド部、 4a:踏面、 5:カーカス、 5a:クラウン部、 5b:本体部、 5c:折り返し部、 6:ベルト、 7:インナーライナー、 8:穴部 9:ゴム 11、12、13:周方向主溝、 CL:タイヤ赤道面、 AR1〜AR3:領域、 WB:領域、 WBp:領域、 Lp1:領域、 Lp2:領域
Claims (3)
- 熱可塑性樹脂により形成されたインナーライナーを備えた空気入りタイヤであって、
前記インナーライナーは、一部の領域に前記インナーライナーを貫通する複数の穴部が形成されており、
前記複数の穴部には、ゴムが充填されていることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記空気入りタイヤは、トレッド部から一対のサイドウォール部を介して一対のビード部にわたってトロイダル状に延び、前記ビード部に埋設されたビードコアに係止される少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスと、前記ビードコアのタイヤ径方向外方に配設されたビードフィラーとを備え、かつ、前記トレッド部のトレッド踏面に、トレッド周方向に連続して延びる複数の周方向主溝が形成された空気入りタイヤであって、
タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷とした、基準状態において、
前記穴部は、前記空気入りタイヤのタイヤ幅方向断面において、タイヤ幅方向最外側の前記周方向主溝よりもタイヤ幅方向外側の領域にのみ形成されている、請求項1に記載の空気入りタイヤ。 - 前記穴部は、前記空気入りタイヤのタイヤ幅方向断面において、ビードコアのタイヤ径方向外側の端部から、ビードフィラーのタイヤ径方向外側の端部までの領域に少なくとも形成されている、請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020006822A (ja) * | 2018-07-09 | 2020-01-16 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ |
KR20200060316A (ko) * | 2020-05-18 | 2020-05-29 | 넥센타이어 주식회사 | 타이어 |
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-
2014
- 2014-12-03 JP JP2014245173A patent/JP2016107720A/ja active Pending
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