JP6438345B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、外観不良の発生を抑制しうる空気入りタイヤに関する。
例えば、下記特許文献1には、剛性中子を用いた空気入りタイヤの製造方法が記載されている。剛性中子は、製造すべきタイヤの内腔面の形状に実質的に一致する外表面を有している。この剛性中子の外表面には、生タイヤを作るために、短冊シート状のプライ片がタイヤ周方向に順次貼り付けられる。これにより、剛性中子の外側にトロイド状のカーカスプライが形成される。その後、他のタイヤ部材が配されて、剛性中子の外側に生タイヤが形成される。生タイヤは、剛性中子とともに加硫され、空気入りタイヤが製造される。
上記製造方法で形成された空気入りタイヤは、例えば、円筒状のカーカスプライを膨張変形させて、トロイド状にシェーピングされた生タイヤを加硫した従来のタイヤに比べて、カーカスコードの間隔が均一であり、優れたユニフォミティを有する。
ところで、上記各プライ片は、タイヤ周方向長さよりも大きなラジアル方向長さを有している。また、各プライ片は、長手方向に沿って配列された複数のカーカスコードが設けられている。各カーカスコードは、タイヤ周方向に略等間隔に配置されている。
特開2014−069335号公報
一般に、剛性中子の外表面は、トレッド部側のタイヤ周方向の長さが、ビード部側のタイヤ周方向の長さよりも大きい。このような周長差を吸収するために、タイヤ周方向で隣り合うプライ片は、例えば、サイドウォール部からビード部において重ねられている。このプライ片の重なり部では、カーカスコードのコード密度が相対的に増加するため、カーカスプライの剛性が部分的に大きくなる。
このような剛性の大きい部分は、内圧充填時に膨張し難く、タイヤの外面が部分的に凹むデントを生じさせるという問題があった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、プライ片の周方向の少なくとも一方の側縁部に配されたカーカスコードの撚り数Teを、プライ片の中央部に配されたカーカスコードの撚り数Tcよりも大きくすることを基本として、タイヤの外面でのデント等の発生を抑制しうる空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部に至る少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスを具えた空気入りタイヤであって、前記カーカスプライは、タイヤ周方向長さに比してラジアル方向長さが大きい短冊シート状のプライ片をタイヤ周方向に並べて形成され、前記各プライ片は、ラジアル方向に延びる複数のカーカスコードがタイヤ周方向に配列され、タイヤ周方向で隣り合うプライ片と少なくとも一部が互いに重ねられており、前記複数のカーカスコードは、それぞれ、複数本のストランドが撚り合わされて形成されており、前記各プライ片は、プライ片の周方向の少なくとも一方の側縁部と、それに続く中央部とを含み、前記少なくとも一方の側縁部に配されたカーカスコードの撚り数は、前記中央部に配された全てのカーカスコードの撚り数よりも大きく、前記少なくとも一方の側縁部において、前記カーカスコードの撚り数が、前記プライ片の側縁から前記中央部に向かって小さくなることを特徴とする。
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記各プライ片は、前記プライ片の周方向の両方の側縁部に配されたカーカスコードの撚り数が、前記中央部に配された全てのカーカスコードの撚り数よりも大きいのが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記中央部に配されたカーカスコードの撚り数と、前記少なくとも一方の側縁部に配されたカーカスコードの撚り数との比が0.80〜0.95であるのが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記プライ片の最も側縁側に配された3本のカーカスコードの撚り数の平均は、前記最も側縁側に配された3本のカーカスコードを除いたカーカスコードの撚り数の平均よりも大きいのが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記少なくとも一方の側縁部において、前記プライ片の幅方向で隣り合う前記カーカスコードの撚り数が互いに異なるのが望ましい。また、本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記少なくとも一方の側縁部は、同一の撚り数の2本の前記カーカスコードを一組とした複数のカーカスコード群を含むのが望ましい。
本発明の空気入りタイヤは、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部に至る少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスを具えている。カーカスプライは、タイヤ周方向長さに比してラジアル方向長さが大きい短冊シート状のプライ片をタイヤ周方向に並べて形成される。各プライ片は、長手方向に沿って複数のカーカスコードが配列され、タイヤ周方向で隣り合うプライ片と少なくとも一部が互いに重ねられている。
カーカスコードは、複数本のストランドが撚り合わされて形成されている。各プライ片は、プライ片の周方向の少なくとも一方の側縁部に配されたカーカスコードの撚り数Teが、プライ片の中央部に配されたカーカスコードの撚り数Tcよりも大きい。大きな撚り数Teのカーカスコードは、小さな撚り数Teのカーカスコードに比べて伸びやすく、ひいては剛性が小さい。これにより、コード密度が部分的に増加するプライ片の重なり部に、相対的に伸びやすいカーカスコードが配置される。従って、プライ片の重なり部において、剛性が部分的に大きくなるのを防ぐことができるため、デント(凹み)といった外観不良の発生を抑制しうる。
本実施形態の空気入りタイヤの部分斜視図である。 カーカスプライを形成するための剛性中子を示す斜視図である。 本実施形態のプライ片の断面図である。 図3のプライ片の部分斜視図である。 カーカスコードの伸びと荷重との関係を示すグラフである。 側縁カーカスコードの撚り数を連続的に小さくした他の実施形態のプライ片の断面図である。 側縁カーカスコードの撚り数を段階的に小さくした他の実施形態のプライ片の断面図である。 側縁カーカスコードの間隔を、中央カーカスコードの間隔よりも大にした他の実施形態のプライ片の断面図である。 側縁カーカスコードの間隔を、プライ片の側縁から中央部に向かって、連続的に小さくした他の実施形態のプライ片の断面図である。 側縁カーカスコードの太さを、中央カーカスコードの太さよりも小さくした他の実施形態のプライ片の断面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある)1の部分斜視図である。本実施形態のタイヤ1は、乗用車用タイヤとして構成されている。タイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内方に配されたベルト層7とを具えている。さらに、カーカス6の内側には、タイヤ1の内腔面10を形成するインナーライナーゴム9が配置されている。
カーカス6は、少なくとも1枚、本実施形態では1枚のカーカスプライ6Aによって構成されている。カーカスプライ6Aは、タイヤ赤道CTに対して、例えば75〜90゜の角度でカーカスコードが配列されている。本実施形態のカーカスプライ6Aは、トレッド部2から一対のサイドウォール部3、3を経て、ビード部4、4間をトロイド状に跨ってのびている。本実施形態のカーカスプライ6Aは、タイヤ半径方向内の内端6eが、ビード部4で巻き上げられることなく終端している。本実施形態のカーカスコードは、有機繊維コード(例えば、PET(ポリエチレンテレフタラート))によって構成されているが、スチールコードであってもよい。
ビードコア5は、カーカスプライ6Aの内端6e側に配置される。本実施形態のビードコア5は、内側コア5iと、外側コア5oとを含んで構成されている。内側コア5iは、カーカスプライ6Aのタイヤ軸方向の内側面に配されている。外側コア5oは、カーカスプライ6Aのタイヤ軸方向の外側面に配されている。これらの内側コア5i及び外側コア5oは、1本のビードワイヤ5aをタイヤ周方向に渦巻状に巻き重ねて形成されている。
また、ビード部4には、内側コア5iからタイヤ半径方向外側にのびる内のエーペックスゴム8iと、外側コア5oからタイヤ半径方向外側にのびる外のエーペックスゴム8oとが配置されている。これらのエーペックスゴム8i、8oは、硬質ゴムから形成されている。
ベルト層7は、2枚のベルトプライ7A、7Bによって構成されている。各ベルトプライ7A、7Bは、タイヤ赤道CTに対して例えば10〜35°の小角度で、ベルトコードがそれぞれ配列されている。ベルトプライ7A、7Bは、タイヤ半径方向において、ベルトコードが互いに交差する向きに重ね合わされている。ベルトコードには、例えば、スチールコードや、アラミド等の有機繊維コードが採用される。
インナーライナーゴム9は、空気非透過性のブチル系ゴムによって構成されている。本実施形態のインナーライナーゴム9は、一対のビード部4、4間をトロイド状に跨って、内腔面10の略全域に配置されている。
図2は、カーカスプライ6Aを形成するための剛性中子を示す斜視図である。本実施形態のタイヤ1(カーカスプライ6A)の製造は、タイヤ1の内腔面10(図1に示す)の形状に実質的に一致する外表面15sを有した剛性中子15が用いられる。
本実施形態のカーカスプライ6Aは、短冊シート状のプライ片11が、タイヤ周方向に並べられて形成されている。本実施形態のプライ片11は、タイヤ周方向長さL1に比べて、ラジアル方向長さL2が大に設定されている。なお、タイヤ周方向長さL1、及び、ラジアル方向長さL2については、例えば、タイヤ1のサイズ等に応じて適宜定められうる。本実施形態では、タイヤ周方向長さL1が、例えば24〜34mm程度に設定されている。また、ラジアル方向長さL2は、例えば300〜500mm程度に設定されている。
図3は、本実施形態のプライ片11の断面図である。図4は、図3のプライ片11の部分斜視図である。プライ片11は、その長手方向に沿って配列される複数のカーカスコード12と、これらのカーカスコード12を被覆する未加硫のトッピングゴム13とを含んで構成される。ここで、「未加硫」とは、完全な加硫に至っていない全ての態様を含むものである。従って、いわゆる半加硫の状態は、この「未加硫」に含まれる。
本実施形態のカーカスコード12は、複数本のストランド17、17を含んで構成されている。各ストランド17、17には、下撚りが施されている。これらのストランド17、17が撚り合わされる(上撚りされる)ことにより、カーカスコード12が形成される。
本実施形態のカーカスコード12は、各ストランド17、17の下撚り方向及び上撚り方向が、同方向に設定されている。また、各ストランド17、17の下撚り数は、同一に設定されている。なお、各ストランド17、17の下撚り数は、それぞれ異なっていてもよい。
カーカスコード12の下撚り数及び上撚り数については、カーカスプライ6Aに求められる剛性に応じて、適宜設定される。カーカスコード12がPET(ポリエチレンテレフタラート)コードである場合、下撚り数は、例えば、30〜70回/10cmの範囲で設定されるのが望ましい。上撚り数は、例えば、30〜70回/10cmの範囲で設定されるのが望ましい。
本実施形態のプライ片11に含まれる全てのカーカスコード12の太さC(図3に示す)は、同一に設定されている。なお、太さCについては、タイヤ1(図1に示す)に求められる性能に基づいて、適宜設定される。本明細書において、カーカスコード12の太さは、カーカスコード12が有機繊維コードである場合、総繊度(dtex)で定義されるものとする。カーカスコード12がPET(ポリエチレンテレフタラート)コードである場合、カーカスコード12の太さ(総繊度)は、2000〜4500dtex(本実施形態では、3340dtex)に設定されるのが望ましい。また、カーカスコード12が金属コードである場合、カーカスコード12の太さCは、素線束を含めた直径(mm)で定義されるものとする。
本実施形態では、2本のストランド17、17が撚り合わされたカーカスコード12が例示されたが、これに限定されるわけではない。例えば、3本以上のストランド17(図示省略)が撚り合わされて、カーカスコード12が形成されても良い。
本実施形態のプライ片11には、カーカスコード12が、タイヤ周方向に略等間隔に配置されている。図3に示されるように、カーカスコード12のタイヤ周方向の間隔Pについては、タイヤ1(図1に示す)に求められる性能に基づいて適宜定められうる。本実施形態の間隔Pは、例えば、0.8〜1.8mm程度に設定されている。なお、前記間隔Pは、後述する剛性中子15(図2に示す)に、プライ片11が貼り付けられる前において、カーカスコード12のコード中心16、16間の距離で定められるものとする。
図2に示されるように、本実施形態の未加硫の生タイヤ(図示省略)を形成する工程では、剛性中子15の外表面15sに、上述した短冊シート状のプライ片11がタイヤ周方向に順次貼り付けられることにより、トロイド状のカーカスプライ6Aが形成される。なお、本実施形態では、カーカスプライ6Aと剛性中子15との間に、インナーライナーゴム9が予め配置されている。その後、カーカスプライ6Aの外側に、他のタイヤ部材が配される。これにより、剛性中子15の外側に、生タイヤが形成される。そして、生タイヤ(図示省略)は、剛性中子15とともに加硫され、図1に示したタイヤ1が製造される。このように、本実施形態のタイヤ1の製造工程では、カーカスプライ6Aを含む生タイヤ形成時から加硫時までの間、カーカスプライ6Aを膨張変形させることがない。
剛性中子15の外表面15sは、トレッド部2側のタイヤ周方向の長さが、ビード部4側のタイヤ周方向の長さよりも大に設定されている。このような周長差を吸収するために、各プライ片11は、タイヤ周方向で隣り合うプライ片11と少なくとも一部が互いに重ねられている。本実施形態では、タイヤ周方向で隣り合うプライ片11、11について、トレッド部2側の側縁11et、11etを突き合わせつつ、ラジアル方向の各端部11t、11t側の側縁11et、11etが互いに重ねられている。
このような各プライ片11、11が重ねられた重なり部14により、剛性中子15の前記周長差が吸収されるため、カーカスプライ6Aに皺などが発生するのを抑制しつつ、カーカスプライ6Aをトロイド状に形成することができる。本実施形態の重なり部14は、側面視略三角形状に形成されている。
重なり部14では、タイヤ周方向で隣り合うプライ片11、11のカーカスコード12(図3に示す)がそれぞれ重ねられる。これにより、重なり部14では、重なり部14以外の部分と比べて、カーカスコード12のコード密度が相対的に増加し、カーカスプライ6Aの剛性が部分的に大きくなる。このような剛性の大きい部分(重なり部14)は、タイヤ1(図1に示す)の内圧充填時に膨張し難く、タイヤ1の外面1Sが部分的に凹むデントを生じさせる。デントは、タイヤ1の外観不良を招く。とりわけ、デントは、ゴムボリュームが小さいサイドウォール部3(図1に示す)の外面に顕著に現れ、目立ちやすい傾向がある。
本実施形態では、図3に示されるように、プライ片11の周方向の少なくとも一方、本実施形態では両方の側縁部11e、11eに配されたカーカスコード12の撚り数Teが、プライ片11の中央部11cに配されたカーカスコード12の撚り数Tcよりも大に設定されている。なお、本明細書において、カーカスコード12の撚り数Te及び撚り数Tcは、ストランド17、17の上撚り数で定義されるものとする。
図5は、カーカスコード12の伸びと荷重との関係を示すグラフである。図5では、撚り数25回/10cmのカーカスコードA及び撚り数36回/10cmのカーカスコードBについて、伸びと荷重との関係を示している。これらのカーカスコードA、Bは、1400dtex/2のPET(ポリエチレンテレフタラート)コードである。このグラフから明らかなように、撚り数が大きいカーカスコードBは、撚り数が小さいカーカスコードAに比べて伸びやすく、ひいては剛性が小さい。従って、図3に示されるように、大きな撚り数Teに設定された側縁部11e、11eのカーカスコード12は、小さな撚り数Teに設定された中央部11cのカーカスコード12に比べて伸びやすく、剛性が小さい。
本実施形態において、側縁部11eは、プライ片11の最も側縁11et側に配された3本のカーカスコード12(以下、単に「側縁カーカスコード12e」ということがある。)が配される領域として特定される。なお、側縁カーカスコード12eを構成するカーカスコード12の本数については、このような態様に限定されるわけではなく、例えば、重なり部14(図2に示す)のタイヤ周方向の大きさ、又は、重なり部14の配されるカーカスコード12の本数に基づいて、適宜設定されうる。また、中央部11cは、3本の側縁カーカスコード12eを除いたカーカスコード12(以下、単に「中央カーカスコード12c」ということがある。)が配される領域として特定される。なお、側縁部11eと中央部11cとの境界は、最も中央部11c側に配置される側縁カーカスコード12eと、最も側縁部11e側に配置される中央カーカスコード12cとの中間に設定される。
本実施形態において、各側縁カーカスコード12eの撚り数Teは、それぞれ同一に設定されている。また、各中央カーカスコード12cの撚り数Tcは、それぞれ同一に設定されている。
このようなプライ片11により、重なり部14(図2に示す)を形成する側縁部11e、11eに、相対的に伸びやすい(撚り数Teが大きい)側縁カーカスコード12eが配置される。これにより、カーカスプライ6Aは、コード密度が部分的に増加する重なり部14において、剛性が部分的に大きくなるのを防ぐことができる。従って、重なり部14と重なり部14以外の部分との間で、カーカスプライ6Aの剛性がバラつくのを抑制できるため、タイヤ1(図1に示した)の内圧充填時において、カーカスプライ6Aを均一に膨張させることができる。これにより、図1に示したタイヤ1の外面1Sに、デントが発生するのを防ぐことができる。
図3に示されるように、重なり部14(図2に示す)を形成しない中央部11cには、側縁カーカスコード12eの撚り数Teよりも小さな撚り数Tcに設定された中央カーカスコード12cが配置される。このため、カーカスプライ6Aの剛性が維持されるため、タイヤ1の操縦安定性能を含む諸性能が低下することもない。
図2に示されるように、カーカスプライ6Aを形成する工程において、プライ片11の周方向の最も側縁11etとタイヤ周方向で隣り合うプライ片11の側縁11etとが、トレッド部2側で突き合わされている。このため、トレッド部2側のカーカスプライ6Aでは、重なり部14が形成されないため、タイヤ周方向の剛性がバラつきやすい。しかしながら、図1に示されるように、トレッド部2側のカーカスプライ6Aは、そのタイヤ半径方向外側に、ベルトプライ7A、7B、及び、トレッドゴム2Gが配置されている。ベルトプライ7A、7Bの剛性は、カーカスプライ6Aの剛性よりも大きい。さらに、トレッドゴム2Gの厚さは、サイドウォールゴム3Gの厚さよりも大きい。このため、トレッド部2側のカーカスプライ6Aの剛性が、タイヤ周方向でバラついていたとしても、トレッド部2の外面1Sに、デントが発生することもない。
図3に示されるように、中央カーカスコード12cの撚り数Tcと、側縁カーカスコード12eの撚り数Teとの比Tc/Teについては、適宜設定することができる。なお、Tc/Teが大きいと、重なり部14(図2に示す)の剛性の部分的な増大を、十分に防げないおそれがある。逆に、Tc/Teが小さいと、重なり部14の剛性が小さくなり、その部分でバルジ(膨らみ)が発生しやすくなる。このような観点より、Tc/Teは、好ましくは0.80以上、より好ましくは0.85以上であり、また、好ましくは0.95以下、より好ましくは0.90以下である。
本実施形態では、プライ片11の周方向の両方の側縁部11e、11eに配されたカーカスコード12の撚り数Teが、プライ片11の中央部11cに配されたカーカスコード12の撚り数Tcよりも大に設定される態様が例示されたが、これに限定されるわけではない。例えば、プライ片11の周方向の両方の側縁部11e、11eのうち、いずれか一方の側縁部11eに配されたカーカスコード12の撚り数Teが、プライ片11の中央部11cに配されたカーカスコード12の撚り数Tcよりも大に設定されてもよい。このようなプライ片11も、コード密度が部分的に増加する重なり部14(図2に示す)において、剛性が部分的に大きくなるのを防ぐことができるため、図1に示したタイヤ1の外面1Sに、デントが発生するのを防ぐことができる。
本実施形態では、各側縁カーカスコード12eの撚り数Teや、各中央カーカスコード12cの撚り数Tcが、それぞれ同一に設定されているものが例示されたが、これに限定されるわけではない。側縁カーカスコード12e(本実施形態では、プライ片11の最も側縁11et側に配された3本のカーカスコード12)の撚り数Teの平均が、中央カーカスコード12c(本実施形態では、最も側縁11et側に配された3本のカーカスコード12を除いたカーカスコード12)の撚り数Tcの平均よりも大に設定されていれば、各側縁カーカスコード12eの撚り数Teがそれぞれ異なっていてもよい。同様に、各中央カーカスコード12cの撚り数Tcについても、それぞれ異なっていてもよい。このような場合でも、重なり部14の剛性が部分的に大きくなるのを防ぐことができる。
図2に示されるように、本実施形態の重なり部14は、側面視略三角形状に形成されている。このため、図3に示されるように、側縁カーカスコード12eのうち、中央部11c側に配置される側縁カーカスコード12eは、側縁11et側に配置される側縁カーカスコード12eに比べて、重なり部14(図2に示す)に配置される割合が小さい。このため、側縁カーカスコード12eの撚り数Teが、プライ片11の側縁11etから中央部11cに向かって、連続的又は段階的に小さくなるのが望ましい。図6は、本発明の他の実施形態のプライ片11を示す断面図である。
この実施形態の側縁部11eでは、側縁カーカスコード12eの撚り数Teがそれぞれ異なっている。本実施形態の側縁カーカスコード12eは、最も側縁11etに配置される第1側縁カーカスコード12eo、第1側縁カーカスコード12eoよりも中央部11c側に配置される第2側縁カーカスコード12ec、及び、第2側縁カーカスコード12ecよりも中央部11c側に配置される第3側縁カーカスコード12eiを含んで構成されている。
第1側縁カーカスコード12eoの撚り数Teo、第2側縁カーカスコード12ecの撚り数Tec、第3側縁カーカスコード12eiの撚り数Tei、及び、中央カーカスコード12cの撚り数Tcは、次の関係(1)を満たしている。即ち、側縁カーカスコード12eの撚り数Teは、プライ片11の側縁11etから中央部11cに向かって、連続的に小さくなっている。
Teo>Tec>Tei>Tc …(1)
このようなプライ片11により、中央部11c側に配置される側縁カーカスコード12eの撚り数Teを、側縁11et側に配置される側縁カーカスコード12eの撚り数Teに比べて、相対的に小さくすることができる。これにより、重なり部14(図2に示す)を形成する部分と、重なり部14を形成しない部分とで、カーカスプライ6Aの剛性がバラつくのを効果的に抑制できる。従って、タイヤ1(図1に示した)の内圧充填時において、カーカスプライ6Aを均一に膨張させることができる。なお、この実施形態においても、中央カーカスコード12cの撚り数Tcの平均と、側縁カーカスコード12e(第1側縁カーカスコード12eo、第2側縁カーカスコード12ec及び第3側縁カーカスコード12ei)の撚り数Teの平均との比Tc/Teは、上記範囲(0.80〜0.95)に設定されるのが望ましい。
第2側縁カーカスコード12ecの撚り数Tec、第3側縁カーカスコード12eiの撚り数Teiは、側縁11et側で隣り合う側縁カーカスコード12eの撚り数Te(撚り数Teo、Tec、Tei)の0.85倍〜0.98倍に設定されるのが望ましい。これにより、側縁カーカスコード12eの撚り数Teを、プライ片11の側縁11etから中央部11cに向かって滑らかに漸減させることができる。従って、側縁部11eの剛性のバラつきを効果的防ぐことができ、タイヤ1の外観不良を防ぐことができる。
図7は、本発明のさらに他の実施形態のプライ片11を示す断面図である。この実施形態のプライ片11は、例えば、プライ片11の最も側縁11et側に配された4本のカーカスコード12によって側縁カーカスコード12eが構成されている。側縁カーカスコード12eは、例えば、プライ片11の幅方向で隣り合い、かつ、同一の撚り数Teの2本の側縁カーカスコード12e、12eを一組とした側縁カーカスコード群21が設定されている。本実施形態の側縁カーカスコード群21は、最も側縁11et側に配置された外の側縁カーカスコード群21oと、外の側縁カーカスコード群21oの中央部11c側に配置された内の側縁カーカスコード群21iとを含んで構成されている。
外の側縁カーカスコード群21oの各側縁カーカスコード12eの撚り数Tgo、内の側縁カーカスコード群21iの各側縁カーカスコード12eの撚り数Tgi、及び、中央カーカスコード12cの撚り数Tcは、次の関係(2)を満たしている。即ち、側縁カーカスコード12eの撚り数Teは、プライ片11の側縁11etから中央部11cに向かって、段階的に小さく設定されている。
Tgo>Tgi>Tc …(2)
このようなプライ片11により、内の側縁カーカスコード群21iの各側縁カーカスコード12eの撚り数Tgiを、外の側縁カーカスコード群21oの各側縁カーカスコード12eの撚り数Tgoに比べて、相対的に小さくすることができる。これにより、重なり部14(図2に示す)を形成する部分と、重なり部14を形成しない部分とで、カーカスプライ6Aの剛性がバラつくのを抑制することができる。しかも、この実施形態では、図6に示した側縁カーカスコード12eの撚り数Teを連続的に小さくするプライ片11に比べて、撚り数Teが異なる側縁カーカスコード12eの種類を最小限に抑えることができるため、製造コストを低減することができる。なお、内の側縁カーカスコード群21iの各側縁カーカスコード12eの撚り数Tgiと、外の側縁カーカスコード群21oの各側縁カーカスコード12eの撚り数Tgoとの比Tgi/Tgoは、0.85〜0.98に設定されるのが望ましい。
これまでの実施形態のプライ片11は、カーカスコード12の間隔Pが均一に設定されるものが例示されたが、これに限定されるわけではない。側縁カーカスコード12eの撚り数Teが、中央カーカスコード12cの撚り数Tcよりも大に設定されていれば、間隔Pが異なっていてもよい。図8は、本発明のさらに他の実施形態のプライ片11を示す断面図である。
この実施形態のプライ片11は、少なくとも一方、本実施形態では両方の側縁部11e、11eに配された側縁カーカスコード12eの間隔Peが、中央カーカスコード12cの間隔Pcよりも大に設定されている。なお、この実施形態では、各側縁カーカスコード12eの間隔Peが、それぞれ同一に設定されている。また、各中央カーカスコード12cの間隔Pcは、それぞれ同一に設定されている。
このようなプライ片11により、側縁部11e、11eのコード密度を相対的に小さくできるため、重なり部14(図2に示す)のコード密度の増加を防ぐことができる。しかも、側縁部11e、11eには、相対的に伸びやすい(撚り数Teが大きい)側縁カーカスコード12eが配置されている。これにより、カーカスプライ6Aは、重なり部14を形成する部分と、重なり部14を形成しない部分とで、カーカスプライ6A(図2に示す)の剛性がバラつくのを効果的に抑制できるため、図1に示したタイヤ1の外面1Sに、デントが発生するのを防ぐことができる。また、重なり部14を形成しない中央部11cの中央カーカスコード12cは、側縁カーカスコード12eの間隔Peよりも小さな間隔Pcに設定されるため、タイヤ1の操縦安定性能を含む諸性能が低下することもない。
上述したように、プライ片11の周方向の最も側縁11etとタイヤ周方向で隣り合うプライ片11の側縁11etとが突き合わされるトレッド部2では、重なり部14が形成されない。このため、トレッド部2では、カーカスコード12の間隔Pが、タイヤ周方向でバラつく。しかしながら、トレッド部2は、カーカスプライ6Aのタイヤ半径方向外側に、ベルトプライ7A、7B、及び、トレッドゴムが配置されているため、デント又はバルジといったタイヤ1の外観不良が発生することもない。
上記作用を効果的に発揮させるために、中央カーカスコード12cの間隔Pcと、側縁カーカスコード12eの間隔Peとの比Pc/Peが、0.50〜0.83に設定されるのが望ましい。なお、Pc/Peが0.83を超えると、重なり部14のコード密度が大きくなるのを十分に防げないおそれがある。逆に、Pc/Peが0.50未満であると、重なり部14のコード密度が小さくなり、その部分でバルジ(膨らみ)が発生しやすくなる。このような観点より、前記比Pe/Pcは、より好ましくは0.60以上であり、より好ましくは0.75以下である。
本実施形態では、各側縁カーカスコード12eの間隔Pe及び各中央カーカスコード12cの間隔Pcが、それぞれ同一に設定されているものが例示されたが、これに限定されるわけではない。例えば、側縁カーカスコード12e(本実施形態では、プライ片11の最も側縁11et側に配された3本のカーカスコード12)の間隔Peの平均が、中央カーカスコード12c(本実施形態では、最も側縁11et側に配された3本のカーカスコード12を除いたカーカスコード)の間隔Pcの平均よりも大に設定されていれば、各側縁カーカスコード12eの間隔Peがそれぞれ異なっていてもよい。また、各中央カーカスコード12cの間隔Pcも、それぞれ異なってもいてもよい。このような場合でも、重なり部14の剛性が部分的に大きくなるのを防ぐことができる。
上述したように、側縁カーカスコード12eのうち、中央部11c側に配置される側縁カーカスコード12eは、側縁11et側に配置される側縁カーカスコード12eよりも、重なり部14(図2に示す)に配置される割合が小さい。このため、側縁カーカスコード12eの間隔Peは、プライ片11の側縁11etから中央部11cに向かって、連続的又は段階的(この実施形態では、連続的)に小さくなるのが望ましい。図9は、本発明のさらに他の実施形態のプライ片11を示す断面図である。
この実施形態において、側縁カーカスコード12eの間隔Pe(側縁11et側から順に、第1間隔Peo、第2間隔Pec、第3間隔Pei)、及び、中央カーカスコード12cの間隔Pcは、次の関係(3)を満たしている。
Peo>Pcc>Pei>Pc …(3)
このようなプライ片11により、側縁部11e、11eのコード密度を、側縁11etから中央部11c側に向かって漸減させることができる。これにより、側縁部11eにおいて、重なり部14(図2に示す)と重なり部14以外の部分との間で、カーカスコード12のコード密度がバラつくのを効果的に防ぐことができる。このため、タイヤ1(図1に示した)の内圧充填時において、カーカスプライ6Aを均一に膨張させることができる。中央カーカスコード12cの間隔Pcの平均は、側縁カーカスコード12eの間隔Peの平均の0.50〜0.83に設定されるのが望ましい。
カーカスコード12の間隔(側縁カーカスコード12eの第2間隔Pec、第3間隔Pei又は中央カーカスコード12cの間隔Pc)は、側縁11et側で隣り合う側縁カーカスコード12eの間隔Pe(第1間隔Peo、第2間隔Pec又は第3間隔Pei)の0.83倍〜0.90倍に設定されるのが望ましい。これにより、側縁カーカスコード12eの間隔Peを、プライ片11の側縁11etから中央部11cに向かって滑らかに漸減させることができるため、カーカスコード12のコード密度がバラつくのを効果的に防ぐことができる。従って、タイヤ1の外観不良を効果的に防ぐことができる。
この実施形態では、側縁カーカスコード12eの間隔Peが、プライ片11の側縁11etから中央部11cに向かって、連続的に小さく設定されるものが例示されたが、これに限定されるわけではない。例えば、側縁カーカスコード12eの間隔Peが、プライ片11の側縁11etから中央部11cに向かって、段階的に小さく設定されるものでもよい。この場合、側縁カーカスコード群21(図7に示す)毎に、側縁カーカスコード12eの間隔Peが段階的に小さく設定されるのが望ましい。
また、側縁カーカスコード12eの間隔Peが上記(3)の関係を満たすとともに、図6に示した各側縁カーカスコード12の撚り数Teo乃至Tei及び中央カーカスコード12cの撚り数Tcが上記(1)の関係を満たしてもよい。これにより、側縁カーカスコード12eの間隔Pe及び撚り数Teの双方を、プライ片11の側縁11etから中央部11cに向かって滑らかに漸減させることができるため、カーカスコード12のコード密度がバラつくのを、より効果的に防ぐことができる。
これまでの実施形態では、側縁カーカスコード12e及び中央カーカスコード12cの太さCが同一に設定される態様が例示されたが、これに限定されるわけではない。図10は、本発明のさらに他の実施形態のプライ片11を示す断面図である。図10に示されるように、側縁カーカスコード12eの太さCeは、中央カーカスコード12cの太さCcよりも小に設定されてもよい。
このようなプライ片11により、側縁カーカスコード12eの撚り数Teを相対的に大きくしつつ、側縁カーカスコード12eの太さCeを相対的に小さくすることができる。従って、側縁カーカスコード12eの剛性を相対的に小さくすることができる。しかも、側縁部11e、11eには、相対的に伸びやすい(撚り数Teが大きい)側縁カーカスコード12eが配置されている。これにより、カーカスプライ6Aは、重なり部14を形成する部分と、重なり部14を形成しない部分とで、カーカスプライ6A(図2に示す)の剛性がバラつくのを効果的に抑制できるため、図1に示したタイヤ1の外面1Sに、デント又はバルジといった外観不良が発生するのを防ぐことができる。
また、重なり部14を形成しない中央部11cの中央カーカスコード12cは、側縁カーカスコード12eの太さCeよりも大きな太さCcに設定されるため、タイヤ1の操縦安定性能を含む諸性能が低下することもない。この場合、中央カーカスコード12cの太さCcと側縁カーカスコード12eの太さCeとの比Cc/Ceは、1.2〜2.0に設定されるのが望ましい。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
[実施例A]
図1に示す基本構造を有し、かつ表1に示すプライ片を有するタイヤが製造され、それらの性能がテストされた(実施例1〜8)。実施例1〜8では、側縁カーカスコードの撚り数が、中央カーカスコードの撚り数よりも大に設定されている。また、実施例8のタイヤは、側縁カーカスコードの撚り数Teが、中央部に向かって連続的に小さくなっている。
また、比較のために、カーカスコードの撚り数が同一であるプライ片を有する従来のタイヤ(比較例1〜3)や、側縁カーカスコードの撚り数が中央カーカスコードの撚り数よりも小であるプライ片を有するタイヤ(比較例4〜7)についても同様にテストされた。
共通仕様は次の通りである。各実施例及び比較例のカーカスコードの間隔Pは、同一に設定されている。なお、表1の実施例8において、「側縁部のカーカスコードの撚り数」は、第1側縁カーカスコードの撚り数Teo、第2側縁カーカスコードの撚り数Tec及び第3側縁カーカスコードの撚り数Teiの平均値である。
タイヤサイズ:195/65R15
リムサイズ:15×6J
サイドウォール部の厚さ:1.5mm
プライ片:
タイヤ周方向長さL1:28mm
ラジアル方向長さL2:390mm
カーカスコード:
コード材:PET(ポリエチレンテレフタラート)
構造:1670dtex/2
間隔P:1.3mm
側縁部を構成するカーカスコードの本数:3本
テスト方法は、次の通りである。
<タイヤの外観性>
各試供タイヤを上記リムにリム組みし、内圧300kPaを充填して、サイドウォール部からビード部にかけてデントといった外観不良の有無を確認し、タイヤの外観性を評価した。評価は次の通りであり、S、A、B、C及びDであれば、市場において問題とならないレベルである。
S:外観不良を全く確認できなかった。
A:サイドウォール部に慎重に触れないと、外観不良を発見できなかった。
B:サイドウォール部に触れないと、外観不良を発見できなかった。
C:サイドウォール部を目視しても外観不良を発見できなかったが、サイドウォール部に触れれば外観不良を比較的容易に発見できた。
D:サイドウォール部を慎重に目視しないと、外観不良を発見できなかった。
E:サイドウォール部を目視すれば、外観不良を発見できた。
F:サイドウォール部を目視すれば、外観不良を簡単に発見できた。
テストの結果を表1に示す。
Figure 0006438345
Figure 0006438345
テストの結果、実施例のタイヤは、比較例のタイヤに比べて、外観不良の発生を抑制しうることが確認できた。
[実施例B]
図1に示す基本構造を有し、かつ、表2に示すプライ片を有するタイヤが製造され、それらの性能がテストされた(実施例5、実施例9及び実施例10)。実施例10のタイヤは、側縁部のカーカスコードの間隔Peが、プライ片の側縁から中央部に向かって漸減している。共通仕様は、カーカスコードの間隔Pを除いて、上記実施例Aと同一である。なお、表2の実施例10において、「側縁部のカーカスコードの間隔Pe」は、第1間隔Peo、第2間隔Pec及び第3間隔Peiの平均値である。テスト方法も、実施例Aと同一である。
テストの結果を表2に示す。
Figure 0006438345
テストの結果、側縁部のカーカスコードの間隔Peが、中央部のカーカスコードの間隔Pcよりも大きいプライ片を有するタイヤ(実施例9、実施例10)は、全てのカーカスコードの間隔Pが同一に設定されたプライ片を有するタイヤ(実施例5)に比べて、外観不良の発生を効果的に抑制しうることが確認できた。
1 空気入りタイヤ。
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
6A カーカスプライ
11 プライ片
12 カーカスコード

Claims (6)

  1. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部に至る少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスを具えた空気入りタイヤであって、
    前記カーカスプライは、タイヤ周方向長さに比してラジアル方向長さが大きい短冊シート状のプライ片をタイヤ周方向に並べて形成され、
    前記各プライ片は、ラジアル方向に延びる複数のカーカスコードがタイヤ周方向に配列され、タイヤ周方向で隣り合うプライ片と少なくとも一部が互いに重ねられており、
    前記複数のカーカスコードは、それぞれ、複数本のストランドが撚り合わされて形成されており、
    前記各プライ片は、プライ片の周方向の少なくとも一方の側縁部と、それに続く中央部とを含み、
    前記少なくとも一方の側縁部に配されたカーカスコードの撚り数は、前記中央部に配された全てのカーカスコードの撚り数よりも大きく、
    前記少なくとも一方の側縁部において、前記カーカスコードの撚り数が、前記プライ片の側縁から前記中央部に向かって小さくなる、
    空気入りタイヤ。
  2. 前記各プライ片は、前記プライ片の周方向の両方の側縁部に配されたカーカスコードの撚り数が、前記中央部に配された全てのカーカスコードの撚り数よりも大きい請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記中央部に配されたカーカスコードの撚り数と、前記少なくとも一方の側縁部に配されたカーカスコードの撚り数との比が0.80〜0.95である請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記プライ片の最も側縁側に配された3本のカーカスコードの撚り数の平均は、前記最も側縁側に配された3本のカーカスコードを除いたカーカスコードの撚り数の平均よりも大きい請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記少なくとも一方の側縁部において、前記プライ片の幅方向で隣り合う前記カーカスコードの撚り数が互いに異なる、請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記少なくとも一方の側縁部は、同一の撚り数の2本の前記カーカスコードを一組とした複数のカーカスコード群を含む、請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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