JP2013169825A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】フラットスポットの発生を抑制し得る、ランフラット走行が可能な空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド部から一対のサイドウォール部を介して一対のビード部にわたってトロイド状に延び、ビード部内に埋設されたビードコアに係止されるカーカス本体部および該カーカス本体部から延びビードコアの周りに折り返されてなるカーカス折り返し部で構成されるカーカスと、ビードコアのタイヤ径方向外方に配設されたビードフィラーと、少なくともサイドウォール部に対応する部分でカーカス本体部の内周側に配設された補強ゴム層とを備え、カーカス折り返し部は、カーカスのタイヤ径方向内側端よりもタイヤ幅方向外方に位置しており、適用リムに装着し、所定空気圧および所定負荷を適用した接地条件下にて、ビードフィラーのタイヤ径方向外側端が、適用リムのリム径方向外側端よりもタイヤ径方向内方に位置している空気入りタイヤである。
【選択図】図1

Description

本発明は、ランフラット走行が可能な空気入りタイヤに関し、特に、フラットスポットの発生を抑制し得る空気入りタイヤに関するものである。
従来、パンク等によりタイヤの内圧が低下した状態でも荷重支持能力を失うことなくある程度の距離を安全に走行することが可能な、所謂ランフラットタイヤとして、タイヤのサイドウォール部のカーカスの内面に、比較的モジュラスが高い断面三日月状のサイド補強ゴム層を配設してサイドウォール部の剛性を向上させた空気入りタイヤが各種提案されている。そして、このサイド補強ゴム層を配設したサイド補強タイプのランフラットタイヤによれば、サイドウォール部の剛性が向上しているので、タイヤ内圧低下時にサイドウォール部の撓み変形を極端に増加させることなく荷重を負担することができる。
ここで、一般に、サイド補強タイプのランフラットタイヤでは、サイド補強ゴム層の厚さや、ビード部に埋設されたビードコアのタイヤ径方向外側に位置するビードフィラーのサイズ等を調整することにより、タイヤ内圧低下時のタイヤの撓み量を制御し、ランフラット走行時(タイヤの内圧が低下した状態での走行時)におけるタイヤの耐久性(以下「ランフラット耐久性」という。)を確保している。
具体的には、例えば図2(a)にタイヤ幅方向断面をタイヤ半部のみについて示すように、トレッド部61から一対のサイドウォール部62(片側のみ図示)を介して一対のビード部63(片側のみ図示)にわたってトロイド状に延びる1プライからなるカーカス64と、カーカス64のクラウン部外周側に配設された2層のベルト層65A,65Bからなるベルト65とを備える空気入りタイヤ60において、少なくともサイドウォール部62に対応する部分のカーカス64の内周側に所定厚みの補強ゴム層66を配設すると共に、ビード部63に埋設されたビードコア67のタイヤ径方向外方に、空気入りタイヤ60が装着される適用リムRのリム径方向外側端位置Reよりもタイヤ径方向外方まで延在する断面略三角形のビードフィラー68を配設することにより、タイヤ内圧低下時のタイヤの撓み量を低減してタイヤのランフラット耐久性を確保している。
特開2007−168493号公報
しかし、上記従来の空気入りタイヤでは、ビード部63のビードコア67のタイヤ径方向外方に配設されたビードフィラー68が、適用リムRのリム径方向外側端位置Reよりもタイヤ径方向外方(図2(a)中、68aで示す位置)まで延在していると共に、一対のビードコア67間にトロイド状に延在するカーカス本体部64Aと、各ビードコア67の周りでタイヤ幅方向内側から外側に向けてタイヤ径方向外方に巻上げたカーカス折り返し部64Bとの間に位置している。従って、従来の空気入りタイヤでは、図2(b)に示すように、カーカス本体部64Aおよびカーカス折り返し部64Bの、ビードフィラー68を挟んで互いに対向する部分の間の距離が大きいため、カーカス本体部64A側に大きな引張力が発生し、カーカス折り返し部64B側に大きな圧縮力が発生していた。そして、カーカス本体部側に発生した引張力と、カーカス折り返し部側に発生した圧縮力との差によりビード部の曲げ変形が発生し、内圧が低下していない通常内圧状態で長時間停車した際などに、該ビード部の曲げ変形が残留してトレッド面が平面化し、フラットスポットが生じることがあった。
そこで、本発明は、フラットスポットの発生を抑制し得る、ランフラット走行が可能な空気入りタイヤを提供することを目的とする。
即ち、この発明は上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の空気入りタイヤは、トレッド部から一対のサイドウォール部を介して一対のビード部にわたってトロイド状に延び、ビード部内に埋設されたビードコアに係止されるカーカス本体部および該カーカス本体部から延びビードコアの周りに折り返されてなるカーカス折り返し部で構成される、少なくとも1プライからなるカーカスと、前記ビードコアのタイヤ径方向外方に配設されたビードフィラーと、少なくともサイドウォール部に対応する部分で前記カーカス本体部の内周側に配設された補強ゴム層とを備え、前記カーカス折り返し部が、前記カーカスのタイヤ径方向内側端よりもタイヤ幅方向外方に位置する空気入りタイヤであって、前記タイヤを適用リムに装着し、所定空気圧および所定負荷を適用した接地条件下にて、前記ビードフィラーのタイヤ径方向外側端が、前記適用リムのリム径方向外側端よりもタイヤ径方向内方に位置していることを特徴とする。このように、補強ゴム層を備えるランフラット走行可能な空気入りタイヤにおいて、ビードフィラーのタイヤ径方向外側端を適用リムのリム径方向外側端よりもタイヤ径方向内方に位置させれば、カーカス本体部側に発生する引張力と、カーカス折り返し部側に発生する圧縮力との差を小さくし、ビード部の曲げ変形の発生および残留を抑制して、フラットスポットの発生を抑制し得る。
なお、本明細書において、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会) YEAR BOOK、欧州ではETRTO(European Tyre and Rim Technical Organisation) STANDARD MANUAL、米国ではTRA(THE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.)YEAR BOOK等に規定されたリムを指す。また、本明細書において、「タイヤを適用リムに装着し、所定空気圧および所定負荷を適用した接地条件下」とは、タイヤを適用リムに装着し、適用サイズのタイヤにおけるJATMA等の規格のタイヤ最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)とし、JATMA等の規格のタイヤ最大負荷能力の75%の負荷を適用して接地させた状態を指す。
ここで、本発明の空気入りタイヤは、前記カーカス折り返し部のタイヤ幅方向外側に少なくとも一層の補強層を配設することが好ましい。カーカスの折り返し部のタイヤ幅方向外側に少なくとも一層の補強層を配設すれば、曲げ変形の発生および残留を更に抑制して、フラットスポットの発生を更に抑制し得るからである。また、空気入りタイヤのビード部の剛性を向上させることにより、ビードフィラーのタイヤ径方向外側端を適用リムのリム径方向外側端よりもタイヤ径方向内方に位置させたことに伴うランフラット耐久性の低下を抑制することができるからである。
また、本発明の空気入りタイヤは、前記少なくとも一層の補強層が、有機繊維コードをゴム被覆してなる有機繊維補強層と、該有機繊維補強層のタイヤ幅方向外方またはタイヤ幅方向内方に配設されたゴム補強層とを有することが好ましい。ゴム補強層を配設すれば、空気入りタイヤのビード部の剛性を更に向上させることができるからである。
更に、本発明の空気入りタイヤは、前記タイヤを適用リムに装着し、所定空気圧および所定負荷を適用した接地条件下にて、前記カーカス折り返し部のタイヤ径方向外側端と、前記少なくとも一層の補強層のタイヤ径方向外側端とが、互いにタイヤ径方向に5mm以上離れていることが好ましい。カーカス折り返し部のタイヤ径方向外側端と、補強層のタイヤ径方向外側端とをタイヤ径方向に5mm以上離間させれば、カーカス折り返し部および補強層のタイヤ径方向外側端が互いに近接して位置する場合と比較して、歪が集中して発生するのを抑制し、空気入りタイヤのランフラット耐久性の低下を抑制することができるからである。
なお、本明細書において、「カーカス折り返し部のタイヤ径方向外側端」とは、カーカスが2プライ以上からなる場合には、各カーカス折り返し部のタイヤ径方向外側端を指す。また、「少なくとも一層の補強層のタイヤ径方向外側端」とは、補強層が複数層ある場合には、各補強層のタイヤ径方向外側端を指す。そして、「カーカス折り返し部のタイヤ径方向外側端と、少なくとも一層の補強層のタイヤ径方向外側端とが、互いにタイヤ径方向に5mm以上離れている」とは、カーカス折り返し部のタイヤ径方向外側端および補強層のタイヤ径方向外側端の全てが互いに5mm以上離れていることを指す。
そして、本発明の空気入りタイヤは、前記タイヤを適用リムに装着し、所定空気圧および所定負荷を適用した接地条件下にて、前記カーカス折り返し部のタイヤ径方向最外側端が、リム径ライン位置からタイヤ径方向に測定してタイヤ断面高さの45%以上55%以下の範囲内にあることが好ましい。カーカス折り返し部のタイヤ径方向最外側端の位置を、リム径ライン位置からタイヤ径方向に測定してタイヤ断面高さの45%以上の位置とすれば、ビード部の曲げ変形を十分に抑制することができ、タイヤ断面高さの55%以下の位置とすれば、歪が集中して発生するのを抑制することができるからである。
なお、本明細書において、「カーカス折り返し部のタイヤ径方向最外側端」とは、カーカスが2プライ以上からなる場合には、複数のカーカス折り返し部のタイヤ径方向外側端のうち最もタイヤ径方向外方に位置するものを指す。また、「リム径ライン位置」とは、リム径を測定する位置を指し、「タイヤ断面高さ」とは、適用リムに装着し、JATMA等の規格の最高空気圧を充填した状態のタイヤの外径とリム径との差の1/2を指す。
本発明によれば、フラットスポットの発生を抑制し得る、ランフラット走行が可能な空気入りタイヤを提供することができる。
本発明に従う代表的な空気入りタイヤのタイヤ幅方向断面をタイヤ半部について示す図である。 (a)は、従来の空気入りタイヤのタイヤ幅方向断面をタイヤ半部について示す図であり、(b)は、図2(a)に示すタイヤが接地して屈曲した状態を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に従う空気入りタイヤの一例について、適用リムRに装着し、所定空気圧および所定負荷を適用して接地させた状態におけるタイヤ幅方向断面をタイヤ半部についてのみ示す図である。図1に示す空気入りタイヤ10は、パンク等によりタイヤの内圧が低下した状態でも荷重支持能力を失うことなくある程度の距離を安全に走行することが可能な、所謂ランフラットタイヤであり、トレッド部1と、トレッド部1の側部からタイヤ径方向内方に延びる一対のサイドウォール部2(片側のみ図示)と、各サイドウォール部2のタイヤ径方向内方に連なるビード部3(片側のみ図示)とを備えている。
また、空気入りタイヤ10は、一対のビード部3間に延在する2プライからなるラジアルカーカス4を備えており、該ラジアルカーカス4は、トレッド部1から一対のサイドウォール部2を介して一対のビード部3にわたってトロイド状に延び、ビード部3内に埋設された断面略四角形のビードコア7の周りに折り返されてなる第1ラジアルカーカスプライ4Aおよび第2ラジアルカーカスプライ4Bよりなる。なお、図1ではカーカスプライのプライ数を2プライとした場合を示しているが、本発明の空気入りタイヤでは、プライ数は必要に応じて1プライとしたり、3プライ以上としたりすることができる。
ここで、第1ラジアルカーカスプライ4Aおよび第2ラジアルカーカスプライ4Bはそれぞれ、ビード部3内に埋設されたビードコア7に係止されるカーカス本体部41A,41Bおよび該カーカス本体部41A,41Bから延びビードコア7の周りに折り返されてなるカーカス折り返し部42A,42Bで構成されている。そして、第1ラジアルカーカスプライ4Aの折り返し端(カーカス折り返し部42Aのタイヤ径方向外側端42a)の位置は、第2ラジアルカーカスプライ4Bの折り返し端(カーカス折り返し部42Bのタイヤ径方向外側端42b)の位置よりもタイヤ径方向外方に位置している。
更に、空気入りタイヤ10のトレッド部1のラジアルカーカス4のタイヤ径方向外方(クラウン部外周側)には、コードがタイヤ赤道面CLを挟んで相互に交差する方向に傾斜して延びる2層の傾斜ベルト層(交差ベルト層)51,52と、コードがタイヤ赤道面に対し5°以下の傾斜角度で螺旋巻回することにより配列された周方向ベルト層53とを順次配設してなるベルト5が配設されている。また、ベルト5のタイヤ径方向外方には、トレッドゴムが配設されており、該トレッドゴムの表面には、タイヤ周方向に延びる周方向溝等のトレッド溝11が形成されている。なお、図1では、ベルト5が、合計3枚のベルト層51,52,53からなる場合を示しているが、本発明の空気入りタイヤでは、ベルト層の数や配設位置は、必要に応じて任意の数や配設位置とすることができる。
また、ビード部3に埋設されたビードコア7のタイヤ径方向外方には、ラジアルカーカス4に沿ってタイヤ径方向外方に向けて厚みが漸減する断面略三角形のビードフィラー8が配設されている。
更に、空気入りタイヤ10の少なくともサイドウォール部2に対応する部分、具体的にはトレッド部1のタイヤ幅方向端部からビード部3に亘る領域の、ラジアルカーカス4と、該ラジアルカーカス4の内周側に配設されたインナーライナー9との間には、比較的モジュラスが高いゴムよりなる断面略三日月状の補強ゴム層6が配設されている。
また、ラジアルカーカス4のカーカス折り返し部42A,42Bのタイヤ幅方向外側には、有機繊維コードをゴム被覆してなる有機繊維補強層20と、該有機繊維補強層20のタイヤ幅方向外方に位置するゴム補強層30とが配設されている。
そして、この空気入りタイヤ10では、空気入りタイヤ10を適用リムRに装着し、適用サイズのタイヤにおけるJATMA等の規格のタイヤ最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)およびJATMA等の規格のタイヤ最大負荷能力の75%の負荷を適用して接地させた状態において、ビードフィラー8のタイヤ径方向外側端8aが、適用リムRのリム径方向外端位置Reよりもタイヤ径方向内方に位置している。また、第1ラジアルカーカスプライ4Aおよび第2ラジアルカーカスプライ4Bのカーカス折り返し部42A,42Bが、カーカス4のタイヤ径方向内側端(折り返し端)43の位置よりもタイヤ幅方向外方に位置している。
従って、この空気入りタイヤ10では、断面略三日月状の補強ゴム層6がトレッド部1のタイヤ幅方向端部からビード部3に亘る領域に設けられているので、パンク等によりタイヤの内圧が低下した状態でも荷重支持能力を失うことなくある程度の距離を安全に走行することができる。また、ビードフィラー8のタイヤ径方向外側端8aのタイヤ径方向位置が、適用リムRのリム径方向外側端のタイヤ径方向位置Reよりもタイヤ径方向内方に位置しているので、カーカス本体部41A,41Bと、カーカス折り返し部42A,42Bとが大きく離間している範囲を少なくして、カーカス本体部41A,41B側に発生する引張力と、カーカス折り返し部42A,42B側に発生する圧縮力との差を小さくし、ビード部3の曲げ変形の発生および残留を抑制することができる。
また、空気入りタイヤ10では、カーカス折り返し部42A,42Bのタイヤ幅方向外側に有機繊維補強層20およびゴム補強層30が配設されているので、ビード部3の剛性が向上している。従って、ビード部3の曲げ変形の発生および残留を更に抑制することができると共に、ビードフィラー8のタイヤ径方向外側端8aを適用リムRのリム径方向外側端Reよりもタイヤ径方向内方に位置させたことに伴うランフラット耐久性の低下を抑制することができる。
そして、このような空気入りタイヤ10によれば、ビード部3の曲げ変形の発生および残留を抑制することができるので、長時間停車した場合等であってもフラットスポットの発生を抑制することができる。
ここで、この空気入りタイヤ10のビードフィラー8のタイヤ径方向外側端8aの位置は、ビードフィラー8のクリープ変形によるフラットスポットの発生を抑制する観点からはリムライン付近(但し、リムラインを通ってタイヤ幅方向に平行なタイヤ幅方向線よりもタイヤ径方向外方)とすることが好ましい。また、ランフラット耐久性を確保する観点からは、ビードフィラー8は、補強ゴム層のゴムと同等のゴムよりなることが好ましい。なお、リムラインとは、適用リムに装着し、所定内圧を適用した無負荷状態のタイヤにおけるタイヤとリムとの離反点を結んだ線を指す。
更に、第1ラジアルカーカスプライ4Aのカーカス折り返し部42Aおよび第2ラジアルカーカスプライ4Bのカーカス折り返し部42Bは、ビードフィラー8のタイヤ径方向外側端8aよりもタイヤ径方向外方の範囲において、カーカス本体部41A,41Bに沿って延在していることが好ましい。カーカス本体部41A,41Bと、カーカス折り返し部42A,42Bとの間の距離を小さくして、カーカス本体部41A,41B側に発生する引張力と、カーカス折り返し部42A,42B側に発生する圧縮力との差を小さくし、ビード部3の曲げ変形の発生および残留を抑制することができるからである。
また、有機繊維補強層20としては、特に限定されることなくナイロン、ポリエチレンテレフタレートなどの有機繊維製のコードをゴム被覆してなる層を用いることができるが、剛性および耐熱性を確保する観点からはアラミド製のコードをゴム被覆してなる層を用いることが好ましい。更に、ゴム補強層30としては、厚さが0.5〜1.0mmで、モジュラスが従来のビードフィラーと同等のゴムシートを用いることができる。なお、有機繊維補強層20およびゴム補強層30の配設範囲は、ビードコア7のタイヤ径方向外側端から、カーカス4の折り返し部のタイヤ径方向最外側端、即ちカーカス折り返し部42Aのタイヤ径方向外側端42aまでの範囲とすることができる。
更に、ビード部3の曲げ変形および歪の集中発生を抑制する観点からは、空気入りタイヤ10のカーカス折り返し部のタイヤ径方向最外側端42aは、リム径ライン位置RLからのタイヤ径方向の距離hがタイヤ断面高さHの45〜55%の範囲内(0.45H<h<0.55H)であることが好ましい。
また、カーカス折り返し部42A,42Bのタイヤ径方向外側端42a,42bや、補強層20,30のタイヤ径方向外側端20a,30aではタイヤ屈曲時等に歪が発生し易いので、歪が集中して発生するのを抑制し、空気入りタイヤ10のランフラット耐久性の低下を抑制する観点からは、カーカス折り返し部42A,42Bのタイヤ径方向外側端42a,42bおよび補強層20,30のタイヤ径方向外側端20a,30aは互いにタイヤ径方向に5mm以上離間させることが好ましい。即ち、カーカス折り返し部42Aのタイヤ径方向外側端42aと有機繊維補強層20のタイヤ径方向外側端20aとの間の距離a、有機繊維補強層20のタイヤ径方向外側端20aとゴム補強層30のタイヤ径方向外側端30aとの間の距離bおよびゴム補強層30のタイヤ径方向外側端30aとカーカス折り返し部42Bのタイヤ径方向外側端42bとの間の距離cは全て5mm以上であることが好ましい。
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明の空気入りタイヤは、上記一例に限定されることは無く、本発明の空気入りタイヤには、適宜変更を加えることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
表1に示す諸元で、図1に示すような構成を有する、サイズが255/40R18の空気入りタイヤを試作し、以下の方法で性能を評価した。結果を表1に示す。なお、有機繊維補強層としてはアラミド繊維製のコードをゴム被覆した層を用いた。
<ランフラット耐久性>
作製したタイヤを適用リムに装着し、内圧を230kPaとしてから、温度38℃の室内に24時間放置した。その後、バルブのコアを抜き、内圧を大気圧としてから、荷重:4.94kN、速度:80km/h、室温:38℃の条件でドラム走行試験を行い、故障が発生するまでの走行距離を測定した。そして、従来例1のタイヤの走行距離を100として、ランフラット耐久性を指数評価した。表中、指数が大きいほどランフラット耐久性に優れることを示す。
<耐フラットスポット性>
作製したタイヤを適用リムに装着し、JATMAに規定のタイヤ最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)とし、JATMAに規定のタイヤ最大負荷能力の75%の負荷を適用して平板に一定時間押し付けた。そして、平板への押し付けの前後でのラジアルフォースバリエーション(RFV)の差を測定し、従来例1のタイヤのRFVの差を100として耐フラットスポット性を指数評価した。表中、指数が小さいほど耐フラットスポット性に優れることを示す。
(従来例1)
表1に示す諸元で、有機繊維補強層およびゴム補強層を配設せず、ビードフィラーを適用リムのリム径方向外側端よりもタイヤ径方向外方まで延在させた以外は図1に示す空気入りタイヤと同様の構成を有する、サイズが255/40R18の空気入りタイヤを試作し、実施例1と同様の方法で性能評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2013169825
表1より実施例1の空気入りタイヤでは、従来例1の空気入りタイヤと同等のランフラット耐久性を維持しつつ、耐フラットスポット性を向上させ得ることが分かる。
本発明によれば、フラットスポットの発生を抑制し得る、ランフラット走行が可能な空気入りタイヤを提供することができる。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 ラジアルカーカス
4A 第1ラジアルカーカスプライ
4B 第2ラジアルカーカスプライ
5 ベルト
6 補強ゴム層
7 ビードコア
8 ビードフィラー
8a タイヤ径方向外側端
9 インナーライナー
10 空気入りタイヤ
11 トレッド溝
20 有機繊維補強層
30 ゴム補強層
41A,41B カーカス本体部
42A,42B カーカス折り返し部
43 タイヤ径方向内側端(折り返し端)
51,52 傾斜ベルト層
53 周方向ベルト層
60 空気入りタイヤ
61 トレッド部
62 サイドウォール部
63 ビード部
64 カーカス
64A カーカス本体部
64B カーカス折り返し部
65 ベルト
65A,65B ベルト層
66 補強ゴム層
67 ビードコア
68 ビードフィラー
R 適用リム
Re リム径方向外側端位置

Claims (5)

  1. トレッド部から一対のサイドウォール部を介して一対のビード部にわたってトロイド状に延び、ビード部内に埋設されたビードコアに係止されるカーカス本体部および該カーカス本体部から延びビードコアの周りに折り返されてなるカーカス折り返し部で構成される、少なくとも1プライからなるカーカスと、前記ビードコアのタイヤ径方向外方に配設されたビードフィラーと、少なくともサイドウォール部に対応する部分で前記カーカス本体部の内周側に配設された補強ゴム層とを備え、前記カーカス折り返し部が、前記カーカスのタイヤ径方向内側端よりもタイヤ幅方向外方に位置する空気入りタイヤであって、
    前記タイヤを適用リムに装着し、所定空気圧および所定負荷を適用した接地条件下にて、前記ビードフィラーのタイヤ径方向外側端が、前記適用リムのリム径方向外側端よりもタイヤ径方向内方に位置していることを特徴とする、空気入りタイヤ。
  2. 前記カーカス折り返し部のタイヤ幅方向外側に少なくとも一層の補強層を配設したことを特徴とする、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記少なくとも一層の補強層が、有機繊維コードをゴム被覆してなる有機繊維補強層と、該有機繊維補強層のタイヤ幅方向外方またはタイヤ幅方向内方に配設されたゴム補強層とを有することを特徴とする、請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記タイヤを適用リムに装着し、所定空気圧および所定負荷を適用した接地条件下にて、前記カーカス折り返し部のタイヤ径方向外側端と、前記少なくとも一層の補強層のタイヤ径方向外側端とが、互いにタイヤ径方向に5mm以上離れていることを特徴とする、請求項2または3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記タイヤを適用リムに装着し、所定空気圧および所定負荷を適用した接地条件下にて、前記カーカス折り返し部のタイヤ径方向最外側端が、リム径ライン位置からタイヤ径方向に測定してタイヤ断面高さの45%以上55%以下の範囲内にあることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載の空気入りタイヤ。
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