JP5497403B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、特には、ビード部の耐久性の低下を抑制しつつ軽量化を図った空気入りタイヤに関するものである。
近年、空気入りタイヤ、特にトラック・バス等の重荷重車両用の空気入りタイヤとしては、環境への配慮および経済性の観点から低燃費なタイヤが求められている。そして、そのような低燃費タイヤを得るための一手段としては、例えばタイヤの重量を低減させることが挙げられる。
そして、タイヤ重量を低減した空気入りタイヤとしては、例えば特許文献1に、カーカスのタイヤ幅方向外側に設けられたゴム層(サイドゴム)のタイヤ外表面の所定位置に、肉抜き状の凹部(薄肉部)を形成した空気入りタイヤが開示されている。
しかし、特許文献1に記載の空気入りタイヤでは、タイヤの軽量化を実現することはできるものの、サイドゴムのタイヤ外表面に凹部を設けたために、タイヤの負荷転動時に、ビード部外表面がリムフランジからタイヤを押し込む向きの力を受けると、ビード部のゴム(ビード部の外皮ゴム)がタイヤ半径方向に逃げ変形し易くなる。そのため、特許文献1に記載の空気入りタイヤでは、リムフランジとの接触域近傍のゴムがこのような大きな逃げ変形を繰り返し受けることにより、その部分にへたりが発生してビード部の耐久性が低下したり、カーカスの折り返し部の、タイヤ半径方向外方端に応力が集中して、そこにセパレーションが発生したりするおそれがあった。
国際公開第2009/051260号
これに対し、例えば図7(a)或いは(b)に示すように、サイドゴム71のタイヤ外表面に薄肉部72を設けた空気入りタイヤ70A,Bにおいて、ビード部73に埋設されているビードコア74の周りにタイヤ幅方向内側から外側に向けて巻き付けたカーカス75の巻き付け部75a、或いは、ビードコア74の周りでタイヤ幅方向内側から外側に向けて折り返したカーカス75の折返し部75bの周りに有機繊維からなる補強層76を配設し、この補強層76でリムフランジRとの接触域近傍でのゴムの変形を拘束することにより、リムフランジとの接触域近傍でのゴムのへたりの発生を有効に抑制することが考えられる。
しかし、サイドゴムのタイヤ外表面に薄肉部を設けてタイヤの軽量化を図ると共に、補強層をカーカスの巻き付け部または折り返し部の周りに配設してリムフランジとの接触域近傍でのゴムのへたりの発生を抑制した場合でも、補強層の設置位置によっては、タイヤの負荷転動時に、ビード部のリムフランジに接触する部分がリムフランジからの反力を受けてリムフランジとの接触部近傍のゴムが流動(逃げ変形)し、そのゴムの流動により補強層の端部やビートコアに巻き付いたカーカスの界面における応力集中が大きくなって、オゾンクラックが発生し易くなったり、ビード部の耐久性が低下したりする可能性があった。また、薄肉部を設けることでビード部の横方向(タイヤ幅方向)の剛性が低下し、操安性が低下する恐れもあった。なお、上述したようなゴムの流動が起こるのは、サイドゴムのタイヤ外表面に薄肉部を設けたことにより、ビード部の外面形状が従来の凸形状から凹形状となって、ビード部の倒れ込み変形によるゴム流動の抑制効果が小さくなったためである。
そのため、薄肉部を設けてタイヤの軽量化を図りつつ、補強層を好適な位置に配設して、ビード部とリムフランジとの接触域近傍におけるゴムのへたりの発生、オゾンクラックの発生および操縦安定性(操安性)の低下を抑制すると共にビード部の耐久性を向上させた空気入りタイヤが求められていた。
この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の空気入りタイヤは、トレッド部から一対のサイドウォール部を介して一対のビード部にわたってトロイド状に延び、ビード部内に埋設されたビードコアに係止されるカーカス本体部と、該カーカス本体部から延びビードコアの周りに折り返されてなるカーカス折返し部とで構成される、少なくとも1プライからなるカーカスを具える空気入りタイヤであって、タイヤを適用リムに装着し、所定空気圧を適用した無負荷状態でリムフランジの外端位置よりもタイヤ径方向外方に位置する、少なくともビード部の外面ゴム部分に、タイヤ径方向外方に向かってゴム厚みが減少する薄肉部を設け、前記カーカスの外周面に沿ってビードコアの周りに巻き返された、有機繊維コードのゴム被覆シートからなる少なくとも1枚の補強層を配設し、前記タイヤの適用リムへの装着姿勢で、前記補強層のタイヤ径方向内端位置からタイヤ径方向に沿って測定して、前記薄肉部のゴム厚み減少開始位置までの距離をH、前記補強層のカーカス本体部側のタイヤ径方向外端位置までの距離をH、そして前記補強層のカーカス折返し部側のタイヤ径方向外端位置までの距離をHとするとき、H、H及びHが、下記不等式(I):
<H<H・・・(I)
を満足し、H が25〜45mmであり、H が20〜30mmであり、且つ、H が50〜80mmであることを特徴とする。このように、H<Hとすれば、カーカスの折返し部で歪が発生してビード部の耐久性が低下することを防止することができ、H<Hとすれば、サイドウォール部で歪が発生して耐オゾンクラック性が低下することを防止することができる。また、ビード部の横方向(タイヤ幅方向)の剛性を高めることができる。よって、薄肉部の形成によるタイヤの軽量化を図りつつ、リムフランジとの接触域近傍におけるゴムのへたりの発生、オゾンクラックの発生および操安性の低下を抑制すると共にビード部の耐久性を向上させることができる。また、H を25〜45mmとし、H を20〜30mmとし、且つ、H を50〜80mmとすれば、ビード部の倒れ込み変形を抑制してビード部の耐久性を向上することができる。
なお、本発明において、「少なくともビード部の外面ゴム部分」には、ビード部およびサイドウォール部の両者にわたる外面ゴム部分も含まれる。また、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会) YEAR BOOK、欧州ではETRTO(European Tyre and Rim Technical Organisation) STANDARD MANUAL、米国ではTRA(THE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.)YEAR BOOK等に規定されたリムをいうものとする。更に、「タイヤを適用リムに装着し、所定空気圧を適用した無負荷状態」とは、タイヤを適用リムに装着し、適用サイズのタイヤにおけるJATMA等の規格のタイヤ最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)とした、無負荷状態のタイヤ姿勢をいうものとする。
ここで、本発明の空気入りタイヤは、前記カーカス折返し部が、前記ビードコアの周りに巻き付いていることが好ましい。
更に、本発明の空気入りタイヤは、前記補強層は、タイヤ周方向に対してそれぞれ30〜60°の角度でタイヤ周方向を挟んで傾斜する二軸織物のゴム被覆シートからなることが好ましい。このようにすれば、リムフランジとの接触域近傍におけるゴムのへたりの発生を効果的に抑制することができると共に、補強層端部での故障の発生を抑制することができるからである。
また、本発明の空気入りタイヤは、適用リムに装着し、所定空気圧を適用した無負荷状態で、前記補強層のカーカス折返し部側のタイヤ径方向外端を、適用リムのリムフランジの外端に対して5〜20mmの範囲でタイヤ径方向外方に位置させ、補強層のカーカス本体部側のタイヤ径方向外端を、前記ビードコアの中心直下位置より3〜20mmの範囲でタイヤ幅方向内方に位置させることが好ましい。このようにすれば、リムフランジとの接触域近傍におけるゴムのへたりの発生を有効に抑制することができるからである。なお、本発明において、「ビードコアの中心」とは、例えば、円形断面形状を有するいわゆるケーブルビードでは円の中心を、六角ビードでは対角線の交点をいうものとする。
更に、本発明の空気入りタイヤは、前記薄肉部の外面形状は、前記カーカスよりタイヤ幅方向外側に中心を有する一つ以上の円弧からなることが好ましい。このようにすれば、タイヤのモールドでの製造を容易にすることができるからである。
また、本発明の空気入りタイヤは、適用リムに装着し、所定空気圧を適用した無負荷状態で、前記薄肉部の曲率半径が、10〜500mmの範囲であることが好ましい。このようにすれば、タイヤの軽量化と、ビード部の耐久性の確保とをバランス良く達成することができるからである。
更に、本発明の空気入りタイヤは、適用リムに装着し、所定空気圧を適用した無負荷状態で、前記薄肉部のタイヤ径方向外端が、タイヤ幅方向断面内で、タイヤ幅方向外側に凸となる曲線状をなすサイドウォール部の外表面と滑らかに連続していることが好ましい。このようにすれば、ビード部の曲げ変形による圧縮歪の集中を防ぐことができるからである。なお、本発明において、「タイヤ幅方向外側に凸となる曲線状をなすサイドウォール部の外表面と滑らかに連続」とは、薄肉部を形成する線とサイドウォール部を形成する曲線とがなだらかにつながっていることを指す。
また、本発明の空気入りタイヤは、適用リムに装着し、所定空気圧を適用した無負荷状態で、前記薄肉部のタイヤ径方向内端が、適用リムのリムフランジの円弧中心から前記カーカスの本体部に下ろした垂線と、タイヤ外表面との交点から、タイヤ外表面に沿ってタイヤ径方向外方に測って5〜25mmの範囲に位置することが好ましい。このようにすれば、タイヤを最も軽量化することができる場所に薄肉部を設けることができるからである。
そして、本発明の空気入りタイヤは、前記補強層を、タイヤ外表面から2〜10mmの範囲内に埋設することが好ましい。このようにすれば、リムフランジとの接触域近傍におけるゴムのへたり発生の抑制と、補強層の耐久性向上とを効果的に両立することができるからである。
本発明によれば、薄肉部を設けてタイヤの軽量化を図りつつ、補強層を好適な位置に配設して、ビード部とリムフランジとの接触域近傍におけるゴムのへたりの発生、オゾンクラックの発生および操安性の低下を抑制すると共にビード部の耐久性を向上させた空気入りタイヤを提供することができる。
本発明の空気入りタイヤの一例を、適用リムに装着した状態で、タイヤ半部について示すタイヤ幅方向断面図である。 図1に示す空気入りタイヤのビード部とサイドウォール部の一部をより詳細に示す要部拡大断面図である。 本発明の空気入りタイヤの他の例を、適用リムに装着した状態で、タイヤ半部について示すタイヤ幅方向断面図である。 図3に示す空気入りタイヤのビード部とサイドウォール部の一部をより詳細に示す要部拡大断面図である。 比較例の空気入りタイヤのビード部とサイドウォール部の一部を示す要部拡大断面図である。 比較例の空気入りタイヤのビード部とサイドウォール部の一部を示す要部拡大断面図である。 (a)および(b)は、サイドゴムでのへたりの発生を抑制するために補強層を設けた空気入りタイヤの例を、適用リムに装着した状態で、タイヤ半部について示すタイヤ幅方向断面図であって、(a)はカーカスの端部を巻き付け部とした場合、(b)はカーカスの端部を折返し部とした場合である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。ここに、本発明の空気入りタイヤの一例の空気入りタイヤ10は、適用リムRに装着し、所定空気圧を適用した無負荷状態を図1,2に示すように、トレッド部11と、トレッド部11の側部からタイヤ径方向内方に延びる一対のサイドウォール部12(片側のみ図示)と、各サイドウォール部12のタイヤ径方向内方に連なるビード部13(片側のみ図示)とを備えている。
また、空気入りタイヤ10は、一対のビード部13間に延在する1プライからなるカーカス14を備えており、該カーカス14は、トレッド部11から一対のサイドウォール部12を介して一対のビード部13にわたってトロイド状に延び、ビード部13内に埋設された断面六角形のビードコア15に係止されるカーカス本体部14aと、該カーカス本体部14aから延びビードコア15の周りに折り返されてなるカーカス折返し部14bとで構成されている。なお、図1ではカーカスプライのプライ数を1プライとした場合を示しているが、本発明の空気入りタイヤでは、プライ数は必要に応じて2プライ以上とすることができる。
更に、トレッド部11のカーカス14のタイヤ径方向外方には、図1では4枚のベルト層からなるベルト16およびトレッドゴム17が配設されており、該トレッドゴム17の表面には、タイヤ周方向に延びる複数の周方向溝等のトレッド溝が形成されている。また、ビード部13には、カーカス14の外周面(ビードコア15側とは反対側の面)に沿ってワイヤーチェーファー18が配設されている。更に、ビード部13のビードコア15のタイヤ径方向外方には、カーカス14に沿ってタイヤ径方向外方に向けて厚みが漸減する断面略三角形のスティフナーゴム31が配設されている。
そして、空気入りタイヤ10には、リムフランジRの外端R位置よりもタイヤ径方向外方に位置する、ビード部13およびサイドウォール部12の一部の外面ゴム部分に、タイヤ径方向外方に向かってゴム厚みが減少する薄肉部19が設けられている。なお、図1,2では、薄肉部19のタイヤ径方向内端19aは、カーカス14の折返し部14bの外端14cよりもタイヤ径方向外方に位置している。
ここで、この薄肉部19は、図2に示すように、その外面形状が、カーカス14よりタイヤ幅方向外側に中心を有する一つ以上の円弧、好ましくは単一円弧Cで画成されている。
なお、薄肉部19は、適用リムRに装着し、所定空気圧を適用した無負荷状態で、曲率半径Rが、10〜500mmの範囲であることが好ましい。曲率半径Rが10mm未満の場合、薄肉部19を形成した領域でタイヤが撓み、ビード部13に曲げ変形が発生したときの圧縮歪が大きくなるので、ビード部13の耐久性が悪化することがあるからである。また、曲率半径Rが500mmを超えると、薄肉部19を設けたことによるタイヤの軽量化の割合が小さくなるからである。
また、薄肉部19のタイヤ径方向外端19bは、空気入りタイヤ10を適用リムRに装着し、所定空気圧を適用した無負荷状態で、タイヤ幅方向断面内で、タイヤ幅方向外側に凸となる曲線状をなすサイドウォール部12の外表面と滑らかに連続していることが好ましい。このようにすれば、ビード部13の曲げ変形による薄肉部19のタイヤ径方向外端19bへの圧縮歪の集中を防ぐことができるからである。
更に、薄肉部19のタイヤ径方向内端19aは、図2に示すように、適用リムRに装着し、所定空気圧を適用した無負荷状態で、適用リムのリムフランジの円弧中心からカーカス本体部14aに下ろした垂線Pと、タイヤ外表面との交点Qから、タイヤ外表面に沿ってタイヤ径方向外方に測って5〜25mmの範囲に位置することが好ましい。垂線Pとタイヤ外表面との交点Qから薄肉部19のタイヤ径方向内端19aまでの距離が5mm未満では、負荷運転時に適用リムRのリムフランジRに接する部分の面積が小さくなり、ビード部13の耐久性が低下する恐れがあり、一方、25mmを超えると、薄肉部19を設けたことによるタイヤの軽量化の割合が小さくなるからである。
そして更に、空気入りタイヤ10には、カーカス14およびワイヤーチェーファー18の外周面(ビードコア15側とは反対側の面)に沿ってビードコア15の周りに巻き返された、有機繊維コードのゴム被覆シートからなる1枚の補強層20が配設されている。なお、図1,2では補強層20の枚数を1枚としたが、補強層の枚数は、必要に応じて2枚以上とすることができる。
ここで、補強層20は、図2に示すように、適用リムRに装着し、所定空気圧を適用した無負荷状態で、補強層20のタイヤ径方向内端位置(補強層20のタイヤ径方向最内側位置)からタイヤ径方向に沿って測定して、薄肉部19のゴム厚み減少開始位置(タイヤ径方向内端19a)までの距離をH、補強層20のカーカス本体部14a側のタイヤ径方向外端20aの位置までの距離をH、補強層20のカーカス折返し部14b側のタイヤ径方向外端20bの位置までの距離をHとするとき、H、H及びHが、H<H<Hの不等式を満足するように配置されている。なお、図1,2では、補強層20のカーカス折返し部14b側のタイヤ径方向外端20bは、カーカス14の折返し部14bの外端14cや、薄肉部19のタイヤ径方向内端19aよりもタイヤ径方向外方に位置している。
なお、H、H、Hはそれぞれ、Hが25mm〜45mmであり、Hが20〜30mmであり、Hが50〜80mmであることが好ましい。このようにすれば、ビード部の倒れ込み変形を抑制してビード部の耐久性を向上することができるからである。
また、補強層20は、タイヤ周方向に対してそれぞれ30〜60°の角度でタイヤ周方向を挟んで傾斜する二軸織物のゴム被覆シートからなることが好ましい。このようにすれば、補強層20のタイヤ径方向外端20a,20bでの故障の発生を抑制することができるからである。なお、二軸織物とは、例えばナイロン等の有機繊維を、縦横の糸を一本ずつ交差させて織った布状のものを指す。
更に、補強層20は、タイヤ外表面から2〜10mmの範囲内に埋設されていることが好ましい。2mm未満では、タイヤのサイドウォール部12に補強層20が模様として表れ、タイヤの外観が悪化する恐れがあり、10mm超では、リムフランジとの接触域近傍におけるゴムのへたり発生の抑制効果や、補強層20の耐久性向上効果が得られにくくなるからである。
なお、補強層20のカーカス折返し部14b側のタイヤ径方向外端20bおよびカーカス本体部14a側のタイヤ径方向外端20aの位置は、図2に示すように、空気入りタイヤ10を適用リムに装着し、所定空気圧を適用した無負荷状態で、タイヤ径方向外端20bからタイヤ径方向内方に向かって適用リムRのリムフランジRの外端Rまでのタイヤ径方向に沿った距離aが5〜20mmとなり、タイヤ径方向外端20aからタイヤ幅方向外方に向かってビードコア15の中心直下位置までのタイヤ幅方向に沿った距離bが3〜20mmとなるようにすることが好ましい。距離aが5mm未満または20mm超の場合、タイヤに荷重が加わった際に、補強層20の端部20bでセパレーションが発生する恐れがあるからである。また、距離bが3mm未満では、タイヤを適用リムに装着する際にビードコア15直下付近のゴムの変形によりセパレーションが発生する恐れがあり、一方、20mmを超えると、製造コストが増大するからである。
そして、上述した空気入りタイヤ10によれば、補強層20がH<H<Hの不等式を満足するように配置されているので、薄肉部を設けてタイヤの軽量化を図りつつ、ビード部とリムフランジとの接触域近傍におけるゴムのへたりの発生、オゾンクラックの発生および操安性の低下を抑制すると共にビード部の耐久性を向上させることができる。
なお、本発明の空気入りタイヤは、上記一例に限定されることは無く、例えば図3および4に示すような構成とすることができる。
図3および4に示す本発明の空気入りタイヤの他の例の空気入りタイヤ30は、カーカス折返し部14bが、ビードコア15の周りにタイヤ幅方向内側から外側に向けて巻き付けられている点およびワイヤーチェーファー18が設置されていない点を除き、他の点では先の一例の空気入りタイヤと同様に構成されている。なお、図3および4において、図1および2と同様の構成を有する要素は、図1および2と同一の符号を用いて表している。
そして、この空気入りタイヤ30によれば、カーカス折返し部14bがビードコア15の周りに巻き付けられているので、カーカスプライを構成するプライコードの引き抜けを有効に防止することができると共に、折返し部14bへのセパレーションの発生を抑制することができる。また、上記空気入りタイヤ10と同様に、タイヤの軽量化を図りつつ、ビード部とリムフランジとの接触域近傍におけるゴムのへたりの発生、オゾンクラックの発生および操安性の低下を抑制すると共にビード部の耐久性を向上させることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
図1,2および表1に示すような構造を有する、サイズが11R22.5のタイヤを試作した。そして、試作したタイヤを用いて、下記の方法でビードへたり量、ビード部のオゾンクラック量、操安性、タイヤ重量を評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
図5に示すような、薄肉部および補強層を有さず、他の点では実施例1と同様の構成を有する、サイズが11R22.5のタイヤを試作した。そして、試作したタイヤを用いて、下記の方法でビードへたり量、ビード部のオゾンクラック量、操安性、タイヤ重量を評価した。結果を表1に示す。なお、図5において、図1および2と同様の構成を有する箇所は、図1および2と同一の符号を用いて表している。
(比較例2)
図6および表1に示すような、補強層を有さず、他の点では実施例1と同様の構成を有する、サイズが11R22.5のタイヤを試作した。そして、試作したタイヤを用いて、下記の方法でビードへたり量、ビード部のオゾンクラック量、操安性、タイヤ重量を評価した。結果を表1に示す。なお、図6において、図1および2と同様の構成を有する箇所は、図1および2と同一の符号を用いて表している。
<ビードへたり量の評価>
実施例1および比較例1,2で作製したタイヤを、それぞれリムサイズ7.50×22.5のリムに装着し、内圧を900kPaとし、ドラム試験機上に取り付け、試験荷重24.52kN、試験速度60km/hrで30000km走行させた。そして、デプスゲージでへたり量を測定し、比較例1のタイヤのへたり量の程度を100として、指数評価した。値が小さい程へたり量が小さいことを示す。
<ビード部のオゾンクラック量の評価>
実施例1および比較例1,2で作製したタイヤを、それぞれリムサイズ7.50×22.5のリムに装着し、内圧を900kPaとし、オゾン発生制御装置を設けたドラム試験機上に取り付け、試験荷重24.52kN、試験速度60km/hrで30000km走行させた。そして、ビード部断面の表面付近の亀裂個数を計測し比較例1のタイヤのオゾンクラック量の程度を100として、指数評価した。値が小さい程オゾンクラック量が小さいことを示す。
<操安性能の評価>
実施例1および比較例1,2で作製したタイヤを、それぞれリムサイズ7.50×22.5のリムに装着し、内圧を900kPaとして、2D4車両のドライブ軸(D軸)に装着した。そして、試験荷重24.52kN、試験速度60km/hrでドライ路面を100km走行させた際のドライ操安性をフィーリング評価した。比較例1の操安性を100として、指数評価した。値が小さい程操安性が悪いことを示す。
<タイヤ重量の評価>
実施例1および比較例1,2で作製したタイヤの重量を計測し、比較例1のタイヤとの重量の差を求めた。
Figure 0005497403
表1より、実施例1のタイヤでは、比較例1のタイヤと比べて、タイヤの軽量化を図ることができることが分かる。また、実施例1のタイヤでは、比較例2のタイヤと比べてビードへたり量およびオゾンクラック量を低減することができると共に、操安性を向上させることができることが分かる。
本発明によれば、薄肉部を設けてタイヤの軽量化を図りつつ、補強層を好適な位置に配設して、ビード部とリムフランジとの接触域近傍におけるゴムのへたりの発生、オゾンクラックの発生および操安性の低下を抑制すると共にビード部の耐久性を向上させた空気入りタイヤを提供することができる。
10 空気入りタイヤ
11 トレッド部
12 サイドウォール部
13 ビード部
14 カーカス
14a カーカス本体部
14b カーカス折返し部
14c 外端
15 ビードコア
16 ベルト
17 トレッドゴム
18 ワイヤーチェーファー
19 薄肉部
19a タイヤ径方向内端
19b タイヤ径方向外端
20 補強層
20a タイヤ径方向外端
20b タイヤ径方向外端
30 空気入りタイヤ
31 スティフナーゴム
70A,B 空気入りタイヤ
71 サイドゴム
72 薄肉部
73 ビード部
74 ビードコア
75a 巻き付け部
75b 折返し部
76 補強層
R リム
リムフランジ
外端

Claims (9)

  1. トレッド部から一対のサイドウォール部を介して一対のビード部にわたってトロイド状に延び、ビード部内に埋設されたビードコアに係止されるカーカス本体部と、該カーカス本体部から延びビードコアの周りに折り返されてなるカーカス折返し部とで構成される、少なくとも1プライからなるカーカスを具える空気入りタイヤであって、
    タイヤを適用リムに装着し、所定空気圧を適用した無負荷状態でリムフランジの外端位置よりもタイヤ径方向外方に位置する、少なくともビード部の外面ゴム部分に、タイヤ径方向外方に向かってゴム厚みが減少する薄肉部を設け、
    前記カーカスの外周面に沿ってビードコアの周りに巻き返された、有機繊維コードのゴム被覆シートからなる少なくとも1枚の補強層を配設し、
    前記タイヤの適用リムへの装着姿勢で、前記補強層のタイヤ径方向内端位置からタイヤ径方向に沿って測定して、前記薄肉部のゴム厚み減少開始位置までの距離をH、前記補強層のカーカス本体部側のタイヤ径方向外端位置までの距離をH、そして前記補強層のカーカス折返し部側のタイヤ径方向外端位置までの距離をHとするとき、H、H及びHが、H<H<Hの不等式を満足し、
    が25〜45mmであり、H が20〜30mmであり、且つ、H が50〜80mmであることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記カーカス折返し部が、前記ビードコアの周りに巻き付いていることを特徴とする、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記補強層は、タイヤ周方向に対してそれぞれ30〜60°の角度でタイヤ周方向を挟んで傾斜する二軸織物のゴム被覆シートからなることを特徴とする、請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 適用リムに装着し、所定空気圧を適用した無負荷状態で、前記補強層のカーカス折返し部側のタイヤ径方向外端を、適用リムのリムフランジの外端に対して5〜20mmの範囲でタイヤ径方向外方に位置させ、補強層のカーカス本体部側のタイヤ径方向外端を、前記ビードコアの中心直下位置より3〜20mmの範囲でタイヤ幅方向内方に位置させたことを特徴とする、請求項1〜の何れかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記薄肉部の外面形状は、前記カーカスよりタイヤ幅方向外側に中心を有する一つ以上の円弧からなることを特徴とする、請求項1〜の何れかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 適用リムに装着し、所定空気圧を適用した無負荷状態で、前記薄肉部の曲率半径が、10〜500mmの範囲であることを特徴とする、請求項1〜の何れかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 適用リムに装着し、所定空気圧を適用した無負荷状態で、前記薄肉部のタイヤ径方向外端が、タイヤ幅方向断面内で、タイヤ幅方向外側に凸となる曲線状をなすサイドウォール部の外表面と滑らかに連続していることを特徴とする、請求項1〜6の何れかに記載の空気入りタイヤ。
  8. 適用リムに装着し、所定空気圧を適用した無負荷状態で、前記薄肉部のタイヤ径方向内端が、適用リムのリムフランジの円弧中心から前記カーカス本体部に下ろした垂線と、タイヤ外表面との交点から、タイヤ外表面に沿ってタイヤ径方向外方に測って5〜25mmの範囲に位置することを特徴とする、請求項1〜の何れかに記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記補強層を、タイヤ外表面から2〜10mmの範囲内に埋設したことを特徴とする、請求項1〜の何れかに記載の空気入りタイヤ。
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