JP5926915B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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この発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部までトロイド状に延びるカーカスプライ本体部分および、該本体部分に連続して、各ビード部に配設したビードコアの周りに折り返してなる折り返し部分を有するカーカスプライを具える空気入りタイヤに関するものであり、とくには、転がり抵抗の低減のために、前記ビード部および前記サイドウォール部を含むタイヤサイド部を薄肉化してなお、大きなエネルギーロスを招く、タイヤサイド部の倒れ込み変形を有効に抑制することのできる技術を提案するものである。
近年、環境への配慮の観点から、転がり抵抗を小さくしたタイヤに対する要請が高まるに伴って、トレッド部やタイヤサイド部の厚みを薄くする傾向にあり、なかでも、ビードコアの外周側で、カーカスプライの本体部分と折り返し部分との間に配設されて、タイヤ半径方向の外方に向けて厚みを漸減されるビードフィラの配設高さを低くしたり、または、図5(a)に、要部をタイヤ幅方向断面図で例示するように、該ビードフィラそれ自体を配設しないことによって、タイヤサイド部の薄肉化を図ることが行われている。
このようなタイヤによれば、ビードフィラの配設高さが減少すること、または、ビードフィラが存在しないことにより、タイヤの負荷転動時の、ゴム硬度の高いビードフィラそれ自身の変形による発熱量の増加を抑制できるのみならず、タイヤサイド部の剛性が低下して、タイヤサイド部が変形し易くなるので、いわゆる偏心剛性の低下によって、ゴムボリュームの大きいトレッド部およびその近傍部分の変形に起因する発熱量をも小さく抑えることができ、これがため、タイヤの転がり抵抗を低減させることができる。
しかるに、上述したような、ビードフィラの配設高さを減じ、またはビードフィラを配設しない手法では、タイヤサイド部の、ビード部近傍部分の剛性が大幅に低下することから、タイヤの負荷転動時に、例えば図5(b)に例示するように、タイヤサイド部110が、図5(a)に例示する、ビード部外表面の、リムフランジからの離反点dを起点として、タイヤ幅方向外側に大きく倒れ込み変形することになる。
そして、図5(a)、(b)に仮想線で示すリムフランジに近接する領域に存在する高剛性のゴムチェーファ111等が、タイヤサイド部110の大きな倒れ込み変形の都度、リムフランジとの間に挟み込まれて圧縮変形されるとともに、リムフランジに擦り付けられて、リムフランジに近接する領域でのエネルギーロスが増大する結果として、タイヤサイド部の薄肉化による、転がり抵抗の低減を十分には実現することができなかった。
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題を解決することを課題とするものであり、それの目的とするところは、タイヤサイド部の厚みを薄くしてなお、タイヤサイド部の、リムフランジからの離反点を起点とする倒れ込み変形を小さく抑えて、転がり抵抗を有効に低減させることができる空気入りタイヤを提供するにある。
の発明の空気入りタイヤは、一対のビード部のそれぞれに埋設配置したビードコアと、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部までトロイド状に延びる本体部分および、該本体部分に連続して、ビードコアの周りに折り返してなる折り返し部分を有する一枚以上のカーカスプライとを具え、
カーカスプライの本体部分と折り返し部分との間に、ビードフィラを配設せずに、たとえば、加硫成型時のゴム流れ等に起因して存在することになる、カーカスプライおよびビードコアの少なくとも一方の被覆ゴムだけを介在させてなるものであって、
カーカスプライ本体部分のタイヤ幅方向内側で、適用リムに組み付けて規定内圧を充填した無負荷状態のタイヤ姿勢で、ビード部外表面の、リムフランジからの離反点の半径方向位置を含む、タイヤ半径方向の内外側にわたる領域内に、タイヤ半径方向に向けて延びる複数本の有機繊維コードをゴムコーティングしてなる有機繊維補強層の一層以上を、カーカスプライ本体部分の内面に沿わせて配設し、
カーカスプライの折り返し端を、有機繊維補強層の半径方向外周縁よりタイヤ半径方向内側に配置し
前記の無負荷状態のタイヤ姿勢で、適用リムのリム径ラインから、前記離反点までの半径方向高さをHとしたときに、前記有機繊維補強層の半径方向内周縁を、リム径ラインを起点として離反点高さHの80%〜90%の範囲内に位置させるとともに、有機繊維補強層の半径方向外周縁を、リム径ラインを起点として離反点高さHの160%〜170%の範囲内に位置させてなるものである。
なおこの発明に係る空気入りタイヤにおいて、「適応リム」とは、タイヤサイズに応じて下記の規格に規定されたリムをいい、「規定内圧」とは、下記の規格において、最大負荷能力に対応して規定される空気圧をいい、この最大負荷能力とは、下記の規格でタイヤに負荷されることが許容される最大の質量をいう。
そして、その規格とは、タイヤが生産または使用される地域に有効な産業規格をいい、たとえば、アメリカ合衆国では、“THE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.のYEAR BOOK”であり、欧州では、“The European Tyre and Rim Technical OrganizationのSTANDARDS MANUAL”であり、日本では日本自動車タイヤ協会の“JATMA YEAR BOOK”である。
また、有機繊維補強層の有機繊維コードと、該有機繊維補強層に隣接するカーカスプライ本体部分のプライコードとの間の、それらのそれぞれの被覆ゴムの厚みを含むゴム厚みは、1.0mm〜1.5mmとすることが好ましい。
ここで、タイヤ幅方向断面内で、前記有機繊維コードとプライコードとが相互に平行に延在しない場合は、上記のゴム厚みは、同様の断面内で、いずれかのコードの延在方向と直交する方向に測定した際の最大ゴム厚みをいうものとする。
また、有機繊維補強層の有機繊維コードを芳香族ポリアミド繊維にて形成することが好ましい。
そしてまた、有機繊維補強層の有機繊維コードは、タイヤの回転軸線に直交する平面内で、タイヤの回転軸線を中心とする仮想円の、該有機繊維コードとの交点における仮想円の接線に対する交角が、鋭角側で80°以上かつ90°未満となる角度で傾斜させることが好ましい。
なおここで、前記有機繊維コードが、タイヤ半径方向に向けて直線状に延在せずに、湾曲ないしは屈曲して延在する場合等には、前記の「角度」は、有機繊維コードの一端側のコード端と、他端側のコード端とを結んだ直線の、前記接線に対する交角を意味するものとする。
この発明の空気入りタイヤによれば、カーカスプライ本体部分のタイヤ幅方向内側で、ビード部外表面の前記離反点位置を含む、タイヤ半径方向の内外側にわたる領域内に、スチールコードに比して軽量な有機繊維コードを主体とする一層以上の有機繊維補強層を、カーカスプライ本体部分の内面に沿わせて配設したことにより、タイヤの負荷転動に際する、タイヤサイド部の、前記離反点の周りでの、タイヤ幅方向外側への倒れ込み変形に対しては、有機繊維補強層の、タイヤ半径方向に向けて延びる有機繊維コードが、それ自身の耐張力をもって抵抗することになるので、そのような倒れ込み変形を効果的に抑制することができ、これにより、リムフランジに近接して位置するゴム部分、例えばゴムチェーファ等の倒れ込み変形がもたらす大きなエネルギーロスを有効に防止することができる。
これがため、カーカスプライの本体部分と折り返し部分との間に、ビードフィラを配設せずに、カーカスプライおよびビードコアの少なくとも一方の被覆ゴムだけを介在させたことによる、偏心剛性の低下等に基き、タイヤの転がり抵抗を十分に低減させることができる。
しかもこのタイヤでは、有機繊維補強層の配設によって、タイヤサイド部の、離反点の周りでの倒れ込み変形が抑制されることに伴い、有機繊維補強層の配設域よりもタイヤ半径方向外側の、剛性の一層低いタイヤサイド部領域での、より大きな屈曲変形がもたらされるので、偏心剛性のさらなる低下に基いて、トレッド部およびその近傍部分での発熱量を一層小さく抑えることができ、それ故に、タイヤサイド部の薄肉化による、転がり抵抗の低減効果をさらに高めることができる。
ここにおいて、有機繊維補強層の半径方向内周縁を、離反点高さHの80%〜90%の範囲内に位置させるとともに、有機繊維補強層の半径方向外周縁を、離反点高さHの160%〜170%の範囲内に位置させたときは、タイヤサイド部の倒れ込み変形に当り、カーカスプライ本体部分の内面側に配設した有機繊維補強層に優れた耐張力を発揮させて、リムフランジによる、ゴムチェーファ等の圧潰変形を有効に抑制することができ、結果としてゴムチェーファ等の変形や、リムフランジとの摩擦によるエネルギーロスを有利に回避することができる。
すなわち、上記の範囲から外れたときは、タイヤサイド部の倒れ込み変形を効果的に抑制することが難しくなり、むしろ、重量の増加に起因する転がり抵抗の増加が顕在化するおそれがある。
なおここで、有機繊維補強層の有機繊維コードと、該有機繊維補強層に隣接するカーカスプライ本体部分のプライコードとの間のゴム厚みを、1.0mm〜1.5mmとしたときは、有機繊維補強層を配設することに起因する、タイヤ総重量の大幅な増大を招くことなしに、タイヤサイド部の倒れ込み変形を効果的に抑制することができる。
この一方で、ゴム厚みが薄くなり過ぎると、有機繊維コードとプライコードとの擦れのおそれが生じることになる他、カーカスプライ本体部分と有機繊維補強層との間のゴム変形が大きくなって、エネルギーロスの増大や耐久性の低下が生じ易くなる。
またここで、有機繊維補強層の有機繊維コードを芳香族ポリアミドにて形成したときは、芳香族ポリアミドに固有の高強度の故に、該有機繊維コードを有する有機繊維補強層による、タイヤサイド部の倒れ込み変形抑制機能をより十分に発揮させるとともに、軽量な芳香族ポリアミドコードにより、タイヤ重量の増加を効果的に抑制することができる。
そしてまた、有機繊維補強層の有機繊維コードを、タイヤの回転軸線に直交する平面内で、タイヤの回転軸線を中心とする仮想円の、該有機繊維コードとの交点における仮想円接線に対し、鋭角側で80°以上かつ90°未満の角度で傾斜させたときは、タイヤ半径方向に対し小さな傾斜角度で延びる有機繊維コードが、タイヤサイド部の、タイヤ幅方向外方への倒れ込み変形に対して、十分大きな耐張力を発揮することになるので、タイヤの転がり抵抗を、より効果的に低減することができる。
これはすなわち、有機繊維コードの、前記接線に対する傾斜角度を、80°未満とした場合は、有機繊維コードが、タイヤ半径方向に対して大きく傾斜することになるが故に、タイヤサイド部の倒れ込み変形に際し、有機繊維コードの耐張力が十分に発揮されなくなるおそれがある。
なおここで、有機繊維コードの、前記接線に対する角度を90°とした場合は、有機繊維コードそれ自体は、最大の耐張力を発揮することができるも、コード間ゴムの耐張力は著しく低いので、有機繊維コード間のゴム界面に歪みが集中して、コードとゴムとの間の繊維耐久性の低下が否めなくなる。
なお、カーカスプライの折り返し端を、有機繊維補強層の半径方向外周縁よりタイヤ半径方向内側に配置したときは、それらの両者をもって、倒れ込み変形に対する剛性増加を担保するとともに、カーカスプライの折り返し端を、倒れ込み変形による圧縮から保護してプライ端歪みを改善して、転がり抵抗低減効果を高め、耐久性のより一層の向上を図ることができる。
この発明の一の実施形態を、タイヤの半部について示す幅方向断面図である。 図1に示すタイヤの有機繊維補強層を、タイヤの回転軸線と直交する平面に投影して示す周方向の部分拡大図である。 他の実施形態を示す、図1と同様の図である。 図3に示すタイヤの要部拡大断面図である。 ビードフィラを具えない従来タイヤの要部拡大断面図である。
以下に図面を参照しつつ、この発明の実施の形態について説明する。
図1に例示するタイヤは、一対のビード部1のそれぞれに埋設配置したビードコア2と、ビード部1間にトロイド状に延びる一枚以上、たとえば一枚のカーカスプライ3とを具えてなる。
ここで、二枚以上設けることもできるカーカスプライは、プライコードをタイヤ半径方向に向けて延在させたラジアル構造とすることができ、ここでは一枚としたカーカスプライ3は、ビード部1から、サイドウォール部4を経てトレッド部5に到る本体部分3aおよび、該本体部分3aに連続して、ビードコア2の周りに、たとえば、タイヤ幅方向内側から外側に向けて折り返してなる折り返し部分3bを有するものである。
なお、図1に示すところでは、カーカスプライ本体部分3aのクラウン域の外周側には、タイヤ赤道面Cに対して所要の角度で傾斜して延びる、たとえば、スチールもしくは有機繊維製のベルトコードをゴム被覆して形成されて、半径方向の内外側に隣接する層間でコードを互いに交差する向きに延在させた二層のベルト層6,7と、トレッド踏面を形成するトレッドゴム8とのそれぞれを順次に配設する。
ここでベルト層は、一層もしくは、三層以上設けることも可能である。
ところで、この実施形態では、ビードコア2の外周側で、カーカスプライ3の本体部分3aと折り返し部分3bとの間に、高剛性のビードフィラ9を配設しているも、このビードフィラ9の半径方向外端9aを、適用リムRに組み付けて規定内圧を充填した無負荷状態の図示のタイヤ姿勢で、ビード部外表面の、リムフランジからの離反点dよりタイヤ半径方向内側に位置させることとして、ビード部1およびサイドウォール部4を含むタイヤサイド部10の厚みを薄くし、これにより、タイヤの負荷転動時の、ビードフィラ9での発熱量を少なくするとともに、タイヤサイド部10の剛性の低下によって偏心剛性を低下させて、タイヤの転がり抵抗の低減を図る。
しかるに、図示のこのタイヤでは、ビードフィラ9の配設高さを低くしたことに起因して、ビード部1の近傍の剛性が低下することから、タイヤの負荷転動に際しては、タイヤサイド部10が、前記離反点dを起点として、タイヤ幅方向外側に大きく膨出する形態に倒れ込み変形することになる。
この場合、タイヤサイド部10の上記の倒れ込み変形の度に、たとえば、カーカスプライ3のタイヤ幅方向外側に配設されて、ビード部外表面を形成するゴムチェーファ11等の、離反点dに近接する部分が、リムフランジによって、圧潰ないしは圧縮変形され、また、ゴムチェーファ11等の離反点近接部分と、リムフランジとの間で摩擦が生じることから、このゴムチェーファ部分でのエネルギーロスが大きくなって、転がり抵抗を所期したほどに低減させることができない。
このことに対処するべく、この発明では、たとえば、カーカスプライ3の内面を覆って配設されて、空気不透過性に優れるゴム材料からなるインナーライナ12と、カーカスプライ3の本体部分3aとの間で、前記離反点dの半径方向位置を含む、タイヤ半径方向の内外側にわたる領域内に、脂肪族もしくは芳香族ポリアミド等からなる軽量な有機繊維コードの複数本を、傾向的にタイヤ半径方向に向けて延在させた姿勢でゴム被覆してなる有機繊維補強層13の一層以上、図では一層を、カーカスプライ本体部分3aの内面に沿わせて設ける。
このような有機繊維補強層13の配設により、タイヤサイド部10の、タイヤ幅方向外側への倒れ込み変形に対しては、カーカスプライ本体部分3aのタイヤ幅方向内側に位置する有機繊維補強層13の、タイヤ半径方向に向けて延びる有機繊維コードがそれ自身の耐張力をもって抵抗することになって、タイヤサイド部10の倒れ込み変形量を少なく抑えることができるので、離反点dに近接するゴムチェーファ部分でのエネルギーロスを小さくすることができる。
この結果として、図1に示すタイヤでは、ビードフィラ9の配設高さを低くしたことに基く、転がり抵抗の低減効果を十分に得ることができる。
ここで、タイヤサイド部10の倒れ込み変形をより有効に抑制するためには、有機繊維補強層13の半径方向内周縁13aを、適用リムRのリム径ラインLを起点として、該リム径ラインLから離反点dまでの半径方向高さHの80%〜90%の範囲内に位置させ、また、有機繊維補強層13の半径方向外周縁13bを、離反点高さHの160%〜170%の範囲内に位置させることが好ましい。
またここで、有機繊維補強層13の有機繊維コードと、カーカスプライ本体部分3aのプライコードとの間のゴム厚みを、1.0mm〜1.5mmとしたときは、タイヤ重量を大きく増加させることなしに、また、エネルギーロスの増大や耐久性の低下の憂いなしに、タイヤサイド部10の倒れ込み変形を抑制することができる。
ここにおいて、上述した有機繊維補強層13では、図2に拡大投影図で示すように、それを形成するそれぞれの有機繊維コード14は、タイヤの回転軸線に直交する平面内で、タイヤの回転軸線を中心とする仮想円Vcの、該有機繊維コード14との交点Pにおける仮想円接線Tに対して、80°以上かつ90°未満の角度θをなして傾斜させることが好ましい。
なお、有機繊維コードが、湾曲ないしは屈曲姿勢で延在する場合等には、この角度θは、同様の平面内で、有機繊維コードの、外周側に位置するコード端14aと、内周側に位置するコード端14bとを結んだ直線の、前記接線Tに対する角度を測定することにより求めることができる。
図1に示すタイヤでは、配設高さを低くしたビードフィラ9のタイヤ半径方向外側で、カーカスプライ3の本体部分3aと折り返し部分3bとの相互を接触させているが、このことは、この発明の必須の構成ではない。
また、図1に示すところでは、有機繊維補強層13の半径方向外周縁13bよりタイヤ半径方向内側に位置させた、カーカスプライ3の折り返し端3cは、図示は省略するが、該半径方向外周縁13bよりもタイヤ半径方向外側に配置することもできる。
ところで、図3に例示するタイヤは、カーカスプライ3の本体部分3aと折り返し部分3bとの間に、ビードフィラ9を配設しないことを除いて、図1に示すタイヤと同様の構成を有するものである。
なおこの場合は、カーカスプライ3の本体部分3aと折り返し部分3bとの間には、カーカスプライ3およびビードコア2の少なくとも一方の被覆ゴムだけが存在し、該被覆ゴムよって、本体部分3aと折り返し部分3bとの間の領域が充填されることになる。
図4(a)は、このことを示す要部拡大断面図である。
図3に示すタイヤでは、ビードフィラが存在しないことに起因して、上述した場合よりも、タイヤサイド部10の一層の大きな倒れ込み変形が生じるおそれがあるので、ここでは、図4(a)に示すように有機繊維補強層13を配設することで、これを抑制して、転がり抵抗の、有効なる低減を実現する。
このようなタイヤに対する、負荷転動時の様子を図4(b)に示す。このタイヤでは、負荷転動時に、有機繊維補強層13のタイヤ半径方向に向けて延びる有機繊維コードが耐張力を発揮することにより、図5(b)に示される有機繊維補強層13を持たない従来のタイヤよりも、タイヤサイド部10の倒れ込み変形量を少なく抑えることができるので、仮想線で示される離反点に近接するゴムチェーファ部分のエネルギーロスを、図5(b)に示す従来のタイヤよりも小さくすることができる。
その結果、図3、4に示すタイヤでは、ビードフィラ9の配設高さを低くしたことに基づく、転がり抵抗の低減効果を十分に得ることができる。
次にこの発明のタイヤを試作し、その性能を評価したので以下に説明する。
供試タイヤはいずれも、サイズが195/65R15のタイヤで、ビードワイヤを3列4段に巻き回すとともに巻き重ねてなるストランドタイプのビードコアを有するものとした。
実施例タイヤ1は、図1に示す構造を有するものとし、有機繊維補強層の半径方向内周縁を離反点高さHの85%の位置に配置するとともに、半径方向外周縁を離反点高さHの165%の位置に配置した。
またこの実施例タイヤ1では、有機繊維補強層に埋設した有機繊維コードの材質を、アラミド(芳香族ポリアミド)とするとともに、該有機繊維コードと、カーカスプライのプライコードとの間のゴム厚みを、1.3mmとした。
表1に諸元を示すそれぞれのタイヤにつき、タイヤ重量及び転がり抵抗のそれぞれを測定したところ同表に指数で示す結果を得た。
なお、表中の指数値は、小さいほど優れた効果を示すものとした。
ところで、表中の転がり抵抗は、JIS D4234に準拠して、「フォース法」により、タイヤ軸に作用する反力を測定することにより求めた。
また、プライ折り返し端の高さは、ビードベースのトゥからのタイヤ半径高さで示し、ビードフィラ高さは、ビードコア外周面からのタイヤ半径方向高さで示している。
Figure 0005926915
1 ビード部
2 ビードコア
3 カーカスプライ
3a 本体部分
3b 折り返し部分
3c 折り返し端
4 サイドウォール部
5 トレッド部
6,7 ベルト層
8 トレッドゴム
9 ビードフィラ
10 タイヤサイド部
11 ゴムチェーファ
12 インナーライナ
13 有機繊維補強層
13a 半径方向内周縁
13b 半径方向外周縁
14 有機繊維コード
R 適用リム
d リムフランジからの離反点
L リム径ライン
Vc タイヤ回転軸線を中心とする仮想円
P 仮想円の、有機繊維コードとの交点
T 交点における接線
θ 有機繊維コードの傾斜角度

Claims (4)

  1. 一対のビード部のそれぞれに埋設配置したビードコアと、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部までトロイド状に延びる本体部分および、該本体部分に連続して、ビードコアの周りに折り返してなる折り返し部分を有する一枚以上のカーカスプライとを具え、
    カーカスプライの本体部分と折り返し部分との間に、カーカスプライおよびビードコアの少なくとも一方の被覆ゴムだけを介在させてなる空気入りタイヤであって、
    カーカスプライ本体部分のタイヤ幅方向内側で、適用リムに組み付けて規定内圧を充填した無負荷状態のタイヤ姿勢で、ビード部外表面の、リムフランジからの離反点位置を含む、タイヤ半径方向の内外側にわたる領域内に、タイヤ半径方向に向けて延びる複数本の有機繊維コードをゴムコーティングしてなる、一層のみの有機繊維補強層を、カーカスプライ本体部分の内面に沿わせて配設し、
    カーカスプライの折り返し端を、有機繊維補強層の半径方向外周縁よりタイヤ半径方向内側に配置し
    前記の無負荷状態のタイヤ姿勢で、適用リムのリム径ラインから、前記離反点までの半径方向高さをHとしたときに、前記有機繊維補強層の半径方向内周縁を、リム径ラインを起点として離反点高さHの80%〜90%の範囲内に位置させるとともに、有機繊維補強層の半径方向外周縁を、リム径ラインを起点として離反点高さHの160%〜170%の範囲内に位置させてなる空気入りタイヤ。
  2. 有機繊維補強層の有機繊維コードと、該有機繊維補強層に隣接するカーカスプライ本体部分のプライコードとの間のゴム厚みを、1.0mm〜1.5mmとしてなる請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 有機繊維補強層の有機繊維コードを芳香族ポリアミド繊維にて形成してなる請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 有機繊維補強層の有機繊維コードを、タイヤの回転軸線に直交する平面内で、タイヤの回転軸線を中心とする仮想円の、該有機繊維コードとの交点における仮想円の接線に対する交角が、鋭角側で80°以上かつ90°未満となる角度で傾斜させてなる請求項1〜のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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