JP2007331424A - 安全タイヤ - Google Patents

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【課題】荷重支持構造の適正化を図ることにより、軽量化とランフラット走行時の操縦安定性の向上を高いレベルで両立させた安全タイヤを提供する。
【解決手段】タイヤ1は、ビードコア2及びビードフィラー3を埋設した一対のビード部4と、サイドウォール部5と、トレッド部6とで構成される。タイヤ1は、その内部に、トロイド状に延びるプライからなるカーカス7と、カーカス7のクラウン部外周側に位置するベルト層8を具える。カーカス7の外面上に、ベルト層8の幅端部9からバットレス域10を通りビードフィラー3のタイヤ径方向外端部11を越えて延びる左右一対の補強層12を、それらを構成するコードが、タイヤ周方向Cを挟んで互いに交差するよう配置する。ビードフィラー3のタイヤ径方向外端部11とリム径ラインRLとの間のタイヤ径方向距離hが、リムフランジRFの高さhの200%以下である。
【選択図】 図1

Description

この発明は、ビードコア及びビードフィラーを埋設した一対のビード部、該ビード部からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部、及び両サイドウォール部間にまたがって延びるトレッド部の各部にわたってトロイド状に延びる少なくとも1枚のプライからなるカーカスと、カーカスのクラウン部外周側に位置し、コードをゴム被覆してなる少なくとも1層のベルト層を具える安全タイヤに関するものである。
空気入りタイヤ、例えば乗用車用タイヤにおいては、タイヤ内部にゲージ圧で150kPaから250kPa程度の圧力下に気体を封じ込めて、タイヤのカーカスおよびベルト等のタイヤ骨格部に張力を発生させ、この張力によって、タイヤへの入力に対してタイヤの変形並びにその復元を可能としている。すなわち、タイヤの内圧が所定の範囲に保持されることによって、タイヤの骨格に一定の張力を発生させて、荷重支持機能を付与するとともに、剛性を高めて、駆動、制動および旋回性能などの、車両の走行に必要な基本性能を付与している。
ところで、所定の内圧に保持されたタイヤが外傷を受けると、この外傷を介して高圧の気体が外部に漏れ出してタイヤの内圧が大気圧まで減少する、いわゆるパンク状態となるため、タイヤ骨格部に発生させていた張力はほとんど失われ、サイドウォール部は膨出変形し、ビード部は倒れ込み変形する。そして、タイヤに所定の内圧が付与されることによって得られる、荷重支持機能や、駆動、制動および旋回性能も失われる結果、そのタイヤを装着した車両は走行不能に陥るのである。
そこで、パンク状態においても走行を可能とするタイヤ、いわゆる安全タイヤについて多くの提案がなされている。例えば、二重壁構造を有するもの、タイヤ内に空気のう等の荷重支持装置を配設したもの、タイヤとリムとで区画されたタイヤ気室に、熱膨張が可能な樹脂による連続相と独立気泡とからなる中空粒子の多数を配置して、パンク時の中空粒子の体積増加によりタイヤ気室の内圧を回復させるようにしたもの等が知られている。また、比較的車重の軽い乗用車用の安全タイヤとしては、サイドウォール部に断面三日月状の補強ゴム層を配設して、内圧の正常時にはタイヤ荷重を内圧で支持し、一方、ランフラット走行時にはタイヤ荷重を補強ゴム層で肩代わり支持する安全タイヤ、いわゆるサイド補強型安全タイヤが知られている(例えば特許文献1参照)。サイド補強型安全タイヤは、前記の安全タイヤに比べて、比較的構造が簡単で、かつパンクの補修やタイヤの廃棄に際して荷重支持装置や中空粒子のタイヤ内に配置したものを回収する必要がない点で有利である。
しかし、従来のサイド補強型安全タイヤにおいては、ゴムの圧縮剛性のみで空気圧の低下時の荷重支持を行っているため、それに必要となる補強ゴム層が不可避的に大きくなり、これに伴ってタイヤの質量が大幅に増加するという問題があった。こうした質量の増加を抑制するため、例えば特許文献2には、断面三日月状のゴム補強層とゴム−フィラメント繊維複合体を、サイドウォールにおけるカーカス層内面に配置することで、通常走行時及びランフラット走行時の諸性能を損なうことなく、ゴム補強層の使用量を減らし軽量化を達成したタイヤが記載されている。
特開2005−161964号公報 特開平11−129712号公報
しかし、特許文献2に記載された安全タイヤでも、補強ゴム層を小さくし過ぎると、タイヤのバットレス域近傍に変形が集中する結果、カーカス、ゴム補強層及びゴム−フィラメント繊維複合体への圧縮入力が過大となり、ここが故障発生の起点となる場合があった。また、サイドウォール部の剛性が低下しすぎて、ランフラット走行時の操縦安定性が損なわれるおそれもあった。このように、特許文献2に記載された安全タイヤにおいても、依然としてある程度の大きさの補強ゴム層が必要であり、その軽量化には一定の限界があった。
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、荷重支持構造の適正化を図ることにより、軽量化とランフラット走行時の操縦安定性の向上を高いレベルで両立させた安全タイヤを提供することにある。
前記の目的を達成するため、第1発明は、ビードコア及びビードフィラーを埋設した一対のビード部、該ビード部からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部、及び両サイドウォール部間にまたがって延びるトレッド部の各部にわたってトロイド状に延びる少なくとも1枚のプライからなるカーカスと、カーカスのクラウン部外周側に位置し、コードをゴム被覆してなる少なくとも1層のベルト層を具える安全タイヤにおいて、タイヤ幅方向断面にて、前記カーカスの外面上に、金属コードをゴム被覆してなり、少なくともベルト層の幅端部からバットレス域を通り前記ビードフィラーのタイヤ径方向外端部を越えてタイヤ径方向内側に延びる左右一対の補強層を、それらを構成するコードがタイヤ周方向を挟んで互いに交差するよう配置し、標準リムに装着し規定の内圧を充填した状態にて、前記ビードフィラーのタイヤ径方向外端部とリム径ラインとの間のタイヤ径方向距離が、標準リムのフランジ高さの200%以下であることを特徴とする安全タイヤである。
また、第2発明は、ビードコア及びビードフィラーを埋設した一対のビード部、該ビード部からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部、及び両サイドウォール部間にまたがって延びるトレッド部の各部にわたってトロイド状に延びる少なくとも1枚のプライからなるカーカスと、カーカスのクラウン部外周側に位置し、コードをゴム被覆してなる少なくとも1層のベルト層を具える安全タイヤにおいて、タイヤ幅方向断面にて、前記カーカスの外面上に、金属コードをゴム被覆してなり、少なくともベルト層の幅端部からバットレス域を越えて延びる左右一対の補強層を、それらを構成するコードがタイヤ周方向を挟んで互いに交差するよう配置し、標準リムに装着し規定の内圧を充填した状態にて、前記補強層のタイヤ径方向内側端部が前記ビードフィラーのタイヤ径方向外端部よりもタイヤ径方向外側に位置し、前記補強層のタイヤ径方向内側端部と前記ビードフィラーのタイヤ径方向外端部との間のタイヤ径方向距離が、タイヤ断面高さの20%以下であることを特徴とする安全タイヤである。
第1発明又は第2発明の構成を採用したタイヤでは、サイドウォール部の広い範囲が変形可能となるので、ランフラット状態での局所的な変形の集中を有効に防止できる。
なお、ここでいう「ベルト層の幅端部」とは、ベルト層が1層の場合にはそのベルト層の、ベルト層が複数層の場合には最も幅広のベルト層の、それぞれ最外端部を表すものとする。また、「標準リム」及び「規定の圧力」とは、空気のうを収納する安全タイヤに対して、JATMA、TRA、ETRTO等の、タイヤが製造、販売、又は使用される地域において有効な工業基準、規格等に規定されている適用サイズにおける標準リム(または、"Approved Rim"、"Recommended Rim")、及びそのタイヤの最大負荷能力に応じた空気圧のことをいうものとし、「リム径ライン」とはリム径を測定する位置をいうものとする。
これら第1発明及び第2発明の安全タイヤにおいては、ビードフィラーは、ヤング率が14.7kPa未満のゴムで構成することが好ましい。
また、補強層は、標準リムに装着し規定の内圧を充填した状態にて、それらのタイヤ径方向内側端部がリムラインよりもタイヤ径方向内側に位置すること、それらを構成するコードとタイヤ周方向のなす角が80°以上90°未満の範囲内にあることがそれぞれ好ましい。なお、ここでいう「リムライン」とは、標準リムにタイヤを組み付け、最大負荷能力に応じた空気圧を適用した無負荷状態で、リムフランジのタイヤ径方向最外端からタイヤ径方向外方へ30mm離隔した部分のことをいうものとする。
さらに、この発明の安全タイヤは、ベルト層のタイヤ径方向外側に位置し、金属コードをゴム被覆してなり、この金属コードがタイヤ周方向を横切って延びる補助ベルト層をさらに具えることが好ましく、補助ベルト層を構成するコードとタイヤ周方向のなす角が40°以上90°以下の範囲内にあることがさらに好ましい。
加えて、この発明の安全タイヤは、カーカスと補強層の間に補助ゴム層をさらに具えることが好ましい。
この発明によれば、断面三日月状の補強ゴム層に代えて比較的軽量な金属コードのゴム被覆体用いて、最も屈曲し易いバットレス域の補強を行うとともに、サイドウォール部の、ランフラット状態で変形可能な領域を広げることで、軽量化とランフラット走行時の操縦安定性の向上を高いレベルで両立させた安全タイヤを提供することが可能となる。
次に、図面を参照しつつこの発明の実施の形態を説明する。図1は、第1発明に従う代表的な安全タイヤ(以下、単に「タイヤ」という。)の幅方向断面であり、標準リムRに装着した状態で示す。また、図2は、第2発明に従う代表的なタイヤの幅方向断面であり、図1と同様に、標準リムRに装着した状態で示す。
図1及び2タイヤ1は、ビードコア2及びビードフィラー3を埋設した一対のビード部4(図には一方のビード部のみを示す。)と、このビード部4からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部5(図には一方のサイドウォール部のみを示す)と、両サイドウォール部間にまたがって延びるトレッド部6とで構成される。また、タイヤ1は、その内部に、ビード部4、サイドウォール部5及びトレッド部6の各部にわたってトロイド状に延びる少なくとも1枚のプライ(図1及び2では1枚のプライ)からなるカーカス7と、カーカス7のクラウン部外周側に位置し、コードをゴム被覆してなる少なくとも1層(図1及び2では2層)のベルト層8を具える。
そして、図1に示す第1発明のタイヤの構成上の主な特徴は、タイヤ幅方向断面にて、カーカス7の外面上に、金属コードをゴム被覆してなり、少なくともベルト層8の幅端部9からバットレス域10を通りビードフィラー3のタイヤ径方向外端部11を越えてタイヤ径方向内側に延びる左右一対の補強層12を、それらを構成するコードが、図3に示すように、タイヤ周方向Cを挟んで互いに交差するよう配置すること、タイヤ1を標準リムRに装着し規定の内圧を充填した状態にて、ビードフィラー3のタイヤ径方向外端部11とリム径ラインRLとの間のタイヤ径方向距離hが、リムフランジRFの高さhの200%以下であることにある。
また、図2に示す第2発明のタイヤの構成上の主な特徴は、タイヤ幅方向断面にて、カーカス7の外面上に、金属コードをゴム被覆してなり、少なくともベルト層8の幅端部9からバットレス域10を越えて延びる左右一対の補強層12を、それらを構成するコードが、図3に示すように、タイヤ周方向Cを挟んで互いに交差するよう配置すること、タイヤ1を標準リムRに装着し規定の内圧を充填した状態にて、補強層12のタイヤ径方向内側端部14がビードフィラー3のタイヤ径方向外端部11よりもタイヤ径方向外側に位置し、補強層12のタイヤ径方向内側端部14とビードフィラー3のタイヤ径方向外端部11との間のタイヤ径方向距離dが、タイヤ断面高さSHの20%以下であることにある。
以下、この発明が上記構成を採用するに至った経緯を作用とともに説明する。
発明者らは、通常のラジアルタイヤがパンクした際に、どのようにしてタイヤの破壊が進行するかについて検討を行ったところ、ベルト層の幅端部からの亀裂の進展と、バットレス域が大きく屈曲変形することによるケース破壊とが大きな要因であるとの知見を得た。ベルト層の幅端部からの亀裂は、ベルト層を配設している部分と配設していない部分との剛性段差が大きいために生じており、特にベルト層を構成するコードがスチールコードであり、コード切断端が露出している場合に顕著に生じる。また、バットレス域は、ベルト層、ビードフィラー等の補強部材が配設されていない上、ケース厚さが薄いため、構造剛性が他の部分に比べて大幅に小さく屈曲しやすい。そこで、発明者らは、少なくともベルト層8の幅端部9からバットレス域10を越える範囲に、好ましくは図1及び2に示したようにベルト層8の幅端部9とオーバーラップさせた状態で補強層12を配設することで、ベルト層8の幅端部9での剛性段差を解消し、かつバットレス域10の構造剛性を向上させれば、上述したようなタイヤ破壊を防止できるとの着想を得た。
しかし、単に上記範囲に補強層を配設したのみでは、ベルト層の幅端部からの亀裂の発生は抑制できても、必ずしもタイヤ破壊を有効に防止できなかった。発明者らはこうしたタイヤ破壊についてさらに検討を重ね、左右の補強層を構成するコードがタイヤ周方向に対して同方向に傾斜している場合にタイヤ破壊が発生していることを突き止めた。この理由につき、図11を参照しつつさらに説明する。図11では、左右のいずれの補強層を構成するコードもタイヤ周方向に対して同方向に傾斜している、すなわちタイヤ周方向をy軸、タイヤ幅方向をx軸とした座標平面の第2象限及び第4象限にコードが延びている。このようなコード構成を有するタイヤが図11の下側から順に接地する場合、左半域では、補強層のコードがトレッド部側に位置する端部から先に荷重を受け、この荷重を負担していわば梁として作用するため、タイヤの変形が小さく、反対に右半域では、補強層のコードがビード部側に位置する端部から先に荷重を受けるため、荷重を負担することがなく、左半域に比べるとタイヤの変形が大きい。このため、左半域から右半域に向かう横力が発生する結果、ますます右半域のバットレス域の変形が大きくなってタイヤの破壊が助長される。そこで、発明者らは、左右の補強層を、図3に示すように、それらを構成するコードがタイヤ周方向に対して互いに逆向きとなるよう、すなわちタイヤ周方向を挟んで互いに交差するよう配置し、タイヤの左右両半域の変形を同じ程度に維持することで、上記のバットレス域の剛性段差の解消及び構造剛性の向上に加え、かかる横力の発生も防止することを想到した。これによって、従来の断面三日月状の補強ゴムを用いる場合に比べて、構造の簡略化と大幅な軽量化が図れる。
また、一般のタイヤでは、ビードフィラーを高くしたり、硬いゴムで構成したりすることで、ビード部及びサイドウォール部の剛性を上げ、タイヤの変形を抑制することが行われるが、このような構成をそのままサイド補強型安全タイヤに流用すると、ランフラット走行中にバットレス域の故障が起きやすい。これは、ビードフィラーによってサイドウォール部の変形が抑制されるため、タイヤの内圧が低下した場合に変形できる領域が少なくなり、局所的に、特には図12に示すように、構造剛性が他の部分に比べて低いバットレス域に変形が集中するからである。そこで発明者らは、サイドウォール部5の変形可能な領域を広げること、具体的にはビードフィラー3のタイヤ径方向外端部11とリム径ラインRLとの間のタイヤ径方向距離hを、リムフランジRFの高さhの200%以下と、サイドウォール部5全体の高さに対して比較的低くすることで、局所的な変形の集中を回避できることを見出し、第1発明を完成した。このようなタイヤでは、図4に示すように、サイドウォール部5の全体が変形するため、故障の発生が低減される。
距離hは、正常内圧状態におけるビード部4を補強する効果を損なわない範囲で小さくすることができ、より好ましい範囲は高さhの100%未満である。タイヤ1の、リムフランジRFと当接する部分はリムフランジRFにより変形が抑制されるが、これよりタイヤ径方向外側にある部分は変形が可能である。したがって、距離hを高さhの100%未満とする、すなわちビードフィラー3の高さをリムフランジRFの高さよりも低くすることで、サイドウォール部5の変形可能な領域を最大にすることができ、局所的な変形の集中を有効に回避できる。
また発明者らは、補強層12によりバットレス域10の構造剛性を向上させつつ、サイドウォール部5に構造剛性が低く変形しやすい部分を設けること、具体的には補強層12のタイヤ径方向内側端部14をビードフィラー3のタイヤ径方向外端部11よりもタイヤ径方向外側に位置させて、補強層12とビードフィラー3をオーバーラップさせないことで、これら補強層12のタイヤ径方向内側端部14とビードフィラー3のタイヤ径方向外端部11を変形しやすくすることで、バットレス域への局所的な変形の集中を回避できるとの着想を得た。しかし、第1発明のように補強層12とビードフィラー3とがオーバーラップしていれば補強層12のタイヤ径方向内側端部14での剛性段差は問題とならないものの、オーバーラップしていない場合には、補強層12のタイヤ径方向内側端部14に変形が集中し、ここから亀裂が発生したり、カーカスプライが切れたりするおそれがある。そこで発明者らは、補強層12のタイヤ径方向内側端部14の配設位置の適正範囲についてさらに研究を重ね、補強層12のタイヤ径方向内側端部14とビードフィラー3のタイヤ径方向外端部11との間のタイヤ径方向距離dをタイヤ断面高さSHの20%以下とすれば、補強層12のタイヤ径方向内側端部14への変形の集中を防止でき、亀裂やカーカスプライの切断を防止できることを見出し、第2発明を完成した。第2発明においても、第1発明と同様にサイドウォール部5の変形可能な領域を広げることが好ましく、具体的にはビードフィラー3のタイヤ径方向外端部11とリム径ラインRLとの間のタイヤ径方向距離hを、リムフランジRFの高さhの200%以下と、サイドウォール部5全体の高さに対して比較的低くすることが、局所的な変形の集中を回避できることから好ましい。
また、ビードフィラー3を構成するゴムを柔らかくしても、サイドウォール部5が変形しやすくなる。具体的にはヤング率が14.7kPa未満のゴムを用いれば、ランフラット状態になった際に、サイドウォール部5全体が変形することができ、局所的な変形の集中が有効に回避できるので、好ましい。ビードフィラー3を構成するゴムのヤング率は、正常内圧状態におけるビード部4を補強する効果を損なわない範囲で適宜に小さくすることができる。
さらに、ランフラット走行時には、変形が最大となるバットレス域10に次いで、タイヤ1の最大幅位置13(タイヤの断面幅を測定する位置をいうものとし、タイヤの外側面上に模様、文字又はリムガード部等がある場合には、これらを除いたタイヤの断面幅を測定する位置)に故障が発生しやすい。この理由は以下の通りである。走行中のタイヤ車輪には、リムRを介してビード部4に伝わる駆動力と、トレッド部6と路面との摩擦により発生し、タイヤ車輪の駆動力とは反対方向に作用する抵抗力が働く。この結果、リムRに固定されたビード部4と路面に接触するトレッド部6との間に回転の角速度の差が生じ、サイドウォール部5にねじり変形が発生する。サイド補強型ランフラットタイヤでは、ランフラット走行時には、プライコードに十分な張力が加わっておらず、補強されたサイドウォール部5の固有の剛性のみでタイヤ荷重を支持しているため、通常のタイヤと比較して、サイドウォール部5のねじり変形が大きく、このねじり変形はタイヤ最大幅位置13で最大となる。そこで、補強層12を、ベルト層8の幅端部9からタイヤ最大幅位置13を越える範囲に配設し、これによってサイドウォール部5の剛性を一層高めてタイヤ最大幅位置13でのねじり変形を抑制することが、ランフラット耐久性向上の観点から好ましい。この場合には、プライコードに十分な張力が加わっていないことから、補強層12のタイヤ径方向内側端部14が自由端となり、故障発生の核となるおそれがある。そこで、この内側端部14を、屈曲変形の少ないリムラインよりもタイヤ径方向内側に配置し、タイヤ径方向内側端部14を実質的に固定することがさらに好ましい。
また、タイヤ1の外側面上であって、かつタイヤを装着した標準リムRのフランジRFよりもタイヤ幅方向外側に突出するリムガード部15を設けてもよい。かかるリムガード部15を設けると、ビード部4の曲げ剛性が格段に高められ、ランフラット走行時のサイドウォール部5の撓みや変形量が効果的に抑制されて、タイヤ故障が生じにくくなる。この場合には、リムガード部15を設けた範囲の屈曲変形が少ないことから、補強層12のタイヤ径方向内側端部14を、リムガード部15のタイヤ径方向外端部16を通りタイヤ内面に直交する直線Nよりもタイヤ径方向内側とすれば、補強層11のタイヤ径方向内側端部14を実質的に固定することができ、ここからの故障の発生を抑制できる。
特にタイヤに加わる荷重が大きい場合には、タイヤの負荷転動に際して、左右の補強層12を構成するコードが、トレッド部6側に位置する端部から先に荷重を受けるように補強層12を配置する、すなわち、タイヤ回転方向から見て両補強層を構成するコードがハの字状をなすように補強層12を配設することが好ましい。このような配置とすれば、上述したように、補強層12が梁として作用するため、タイヤの変形を一層抑制することができ、ランフラット耐久性の向上に一層寄与するからである。
また、補強層12を構成する金属コードをタイヤ周方向Cに近づけて配置する、すなわち補強層12を構成する金属コードとタイヤ周方向Cのなす角αが小さくなるように配置すると、補強層12のせん断剛性が向上するので、バットレス域10のたわみ変形の発生を抑制し、コードが受ける荷重を低減する効果がある。しかし、角αが小さくなるほど、バットレス域10がたわんだ際に補強層12がそれを構成するコードをねじる向きに変形するので、コードが切断されるおそれが増す。そして、前者と後者を比較すると、後者の影響が非常に大きい。こうした知見に基づいて、発明者らは補強層12を構成する金属コードとタイヤ周方向Cのなす角αの適正範囲を鋭意検討し、角αを大きくすることが有利であることを見出した。具体的には、角αを80°以上90°未満の範囲内とすれば、コードの切断を懸念することなく、バットレス域10のたわみ変形の発生を抑制することができ、ランフラット耐久性の向上に有利であることを見出した。より好ましい角αの範囲は85°以上90°未満である。金属コードの構成は特に限定されないが、ランフラット走行中に大きな曲げ入力があった場合にも、変形歪を小さくしてランフラット耐久性を向上させる観点からは、比較的直径の小さいフィラメントを用いることが好ましく、特には直径が0.3mm以下の細フィラメントを用いることが好ましい。
さらに、空気圧が低下した際には、トレッド部6が路面に対して凹状に変形する、いわゆるバックリング変形を起こすことが知られている。バックリング変形が大きい場合にも、バットレス域10の屈曲量が大きくなることから、ベルト層8の層数を増やしたり、有機繊維コード等からなるキャップ層17をベルト層8の外周側に配置したりして、トレッド部6の剛性を補強し、バックリング変形を抑制することが、ランフラット耐久性を維持する観点から、好ましい。特に、圧縮剛性の高い金属コードをゴム被覆してなり、この金属コードがタイヤ周方向Cとなす角βが40°以上90°以下の範囲内にある補助ベルト層18を、ベルト層8のタイヤ径方向外側に配置することが有利である。より好ましい角βの範囲は80°以上90°以下であり、最もバックリング変形を抑制する効果が高いのは角βが90°の場合である。
補強層12及び補助ベルト層18を構成するコードを金属コードとするのは、これらの層は、タイヤ内圧低下時に梁の役割を果たしてタイヤの変形を抑制する作用をすることから、耐圧縮性が要求されるからである。好ましい金属コードは、コスト及び耐フレッティング性の観点から、スチールコードである。
また、図示は省略するが、トレッド部にタイヤ周方向に沿って延びる周溝を配設したタイヤでは、周溝を中心として局部的な変形が生じ、トレッド部6全体が大きくバックリングすることが知られている。かかるバックリングを抑制するためには、補助ベルト層18の幅端部を周溝のタイヤ幅方向外側に配置する、すなわち、補助ベルト層18を、タイヤ赤道面から、周溝の直下を通り、さらにタイヤ幅方向外側まで延ばして配設することが好ましい。これによって、周溝を配設した部分の剛性を補強することができ、周溝を中心としたトレッド部6の局部的な変形、ひいてはバックリングを有効に抑制することができる。
バックリングが発生する際には、補助ベルト層18にはタイヤ幅方向に圧縮力が作用する。したがって、バックリングをより一層有効に抑制するためには、補助ベルト層18のタイヤ幅方向圧縮力を高めることが好ましい。具体的には、補助ベルト層18を構成するコードとタイヤ周方向のなす角βを比較的大きくすることが好ましく、40°以上90°以下とすることがより好ましく、60°以上90°以下とすることがさらに好ましく、90°とすることが最も好ましい。あるいは、補助ベルト層18を構成するコードに、直径の比較的太いフィラメント、好ましくは直径が0.6mm以上であるフィラメントを用いれば、同量の材料を用いても直径の比較的太いフィラメントと比べて高い圧縮剛性を得ることができるので、質量の増加を抑制しつつバックリングを有効に抑制できる。無論、直径の比較的太いフィラメントを用いたコードを、タイヤ周方向とのなす角が比較的大きくなるよう配置すれば、補助ベルト層のタイヤ幅方向の圧縮剛性が一層向上することは言うまでもない。
ベルト層8の幅端部での剛性段差を低減する観点からは、ベルト層8と補強層12が3mm以上オーバーラップして配設されていることが好ましく、5mm以上オーバーラップして配設されていることがさらに好ましい。しかし、オーバーラップ量が20mmを超えると、剛性段差を低減する効果にはほとんど変化はないが、補強層12が大きくなることによりタイヤ1の質量が増加することから、オーバーラップ量を20mm以下とすることが好ましい。
さらに、図5に示すように、カーカス7と補強層12の間に補助ゴム層19を具えてもよい。かかる構成を採用すると、一般にゴムは圧縮に強いので、補助ゴム層19も荷重を負荷し、補強層12に加わる荷重が軽減される。したがって、補強層12の金属コードの寿命が延びる上、補強層12のコードの打ち込み本数を減らすことができ、補強層12を軽量化することができる。また、このように補助ゴム層19を配設すると、それを配設しない場合に比べて、補強層12を、よりタイヤ外表面側に配置することができる。タイヤが屈曲変形した場合に、タイヤの外表面側では引張力が作用するが、金属コードは耐引張性に優れているので、これを外表面側に配置することで一層有効にタイヤ1のバットレス域10の変形を抑制できる。特に、補助ゴム層19を配設した領域において、補強層12の少なくとも一部がタイヤ1の厚み中心線TCよりも外表面側に位置すると、変形を抑制する効果が大きくなる。
なお、上述したところは、この発明の実施形態の一部を示したにすぎず、この発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を相互に組み合わせたり、種々の変更を加えたりすることができる。例えば、図1では、補強層12のビード部側の端部をカーカス7の本体部と折返し部の間に挟んだ態様を示したが、図6に示すように、補強層12がカーカス7の外面を覆うような配置としてもよい。また、図7〜9に示すように、タイヤ1の特に屈曲変形を生じやすい部分の補強層12の内面又は外面に、補助補強層20を配設することもできる。かかる補助補強層20により、タイヤ1の屈曲変形がより一層有効に抑制されるからである。なお、補助補強層20は、補強層12と同様の構成とすることが好ましい。また、補強層12を構成する金属コードとタイヤ周方向Cとのなす角βは、図2に示すように左右各半域で同じとしてもよいが、図9に示すように、左右各半域で異ならせてもよい。
次に、この発明に従うタイヤを試作し性能評価を行ったので、以下に説明する。
実施例1〜11のタイヤは、タイヤサイズが205/55R16の乗用車用ラジアルタイヤであり、スチールコードをゴム被覆してなる補強層を有し、表1に示す諸元を有する。補強層を構成するコードとタイヤ周方向のなす角は、左右各半域で同じであり、実施例1〜7及び11では85°、実施例8では80°、実施例9では75°、実施例10では70°である。また、実施例1、2、4〜6及び8〜10のタイヤは図1に示すような構造を有しており、実施例3のタイヤは補助ベルト層を有していないことを除いて図1と同様の構造を有しており、実施例7のタイヤは図5に示すような構造を有しており、実施例11のタイヤは図2に示すような構造を有している。さらに、実施例1、2及び4〜11のタイヤは、補助ベルト層を構成するコードがスチールコードである。また、実施例7のタイヤは、補助ゴム層を有しており、その配設領域において、補強層の一部がタイヤの厚み中心線よりも外表面側に位置している。
比較のため、タイヤサイズが実施例1〜11のタイヤと同じであり、断面三日月状の補強ゴム層を有する従来例1のタイヤ、タイヤサイズが実施例1〜11のタイヤと同じであり、補強構造を有していない従来例2のタイヤ、タイヤサイズが実施例1〜11のタイヤと同じであり、図1に示すような構造を有するものの、補強層を構成するコードが有機繊維コードであり、このコードとタイヤ周方向のなす角が85°である比較例1のタイヤ、タイヤサイズが実施例1〜11のタイヤと同じであり、補強層を構成するコードがスチールコードであり、このコードとタイヤ周方向のなす角が85°であるものの、補強層がビードフィラーとオーバーラップを形成していない比較例2のタイヤについても併せて試作した。
前記各供試タイヤの質量を測定した。その測定結果を表1に示す。また、前記各供試タイヤを、サイズ7J×16のリムに装着してタイヤ車輪とし、テスト車両に取り付け、3.92kNのタイヤ負荷荷重を加え、内圧を0kPa(相対圧)とした状態で80km/hの速度でテストコースを走行し、タイヤが破壊するまでの走行時間を測定し、この走行時間によりランフラット耐久性を評価した。その評価結果を表1に示す。
また、前記各供試タイヤをサイズ7J×16のリムに装着してタイヤ車輪とし、内圧を230kPa(相対圧)とした。そして、3.92kNのタイヤ負荷荷重を加え、タイヤリム中心を前後方向及び横方向に1mm移動させたときの力を測定し、これらの値からそれぞれ前後剛性及び横剛性を評価した。その評価結果を表1に示す。
Figure 2007331424
なお、表1中のビードフィラーの高さとは標準リムのリムフランジ高さを100%としたときの指数比である。また、質量の評価結果は、従来例1のタイヤの質量を100としたときの指数比で示してあり、数値が小さいほど軽量である。ランフラット耐久性の評価結果は、走行時間が60分以上のものをA、45分以上60分未満のものをB、30分以上45分未満のものをC、15分以上30分未満のものをD、15分未満のものをEとして示しており、Aが最も優れており、Eが最も劣っている。前後剛性及び横剛性は、従来例2のタイヤの各剛性を100としたときの指数比で示してあり、数値が大きいほど剛性が高い。
表1に示す結果から、従来例1のタイヤに比べると、実施例1〜11のタイヤは、ランフラット耐久性、前後剛性及び横剛性は若干劣るものの、十分に実用範囲内としながら、大幅な軽量化が図れていることが分かる。また、従来例2及び比較例1のタイヤは、極めて軽量ではあるが、ランフラット走行が不可能であり、これらのタイヤに比べると、実施例1〜11のタイヤは、質量は若干大きいものの、安全タイヤとしては十分に軽量でありながら、ランフラット耐久性、前後剛性及び横剛性が大幅に優れている。また、比較例2のタイヤと比べると、実施例1〜11のタイヤは、質量及びランフラット耐久性は同等に維持しながら、前後剛性及び横剛性が向上しており、操縦安定性に優れているといえる。
したがって、実施例1〜11のタイヤは、従来例1及び2のタイヤ、並びに比較例1及び2のタイヤに比べて、総合的な性能に優れていることが分かる。
この発明により、荷重支持構造の適正化を図ることにより、軽量化とランフラット走行時の操縦安定性の向上を高いレベルで両立させた安全タイヤを提供することが可能となった。
第1発明に従う代表的な安全タイヤの幅方向左半断面図であり、標準リムに装着した状態を概略的に示す。 第2発明に従う代表的な安全タイヤの幅方向左半断面図であり、標準リムに装着した状態を概略的に示す。 この発明に従う代表的な安全タイヤのベルト層、補強層及びカーカスのコード配列を示す概略展開図である。 この発明に従う代表的な安全タイヤの内圧低下状態を模式的に示す幅方向断面図である。 この発明に従う他の安全タイヤの幅方向左半断面図であり、標準リムに装着した状態を概略的に示す。 この発明に従う他の安全タイヤの幅方向左半断面図であり、標準リムに装着した状態を概略的に示す。 この発明に従う他の安全タイヤの幅方向左半断面図であり、標準リムに装着した状態を概略的に示す。 この発明に従う他の安全タイヤの幅方向左半断面図であり、標準リムに装着した状態を概略的に示す。 この発明に従う他の安全タイヤの幅方向左半断面図であり、標準リムに装着した状態を概略的に示す。 この発明に従う他の安全タイヤのベルト層、補強層及びカーカスのコード配列を示す展開図である。 従来の安全タイヤのベルト層、補強層及びカーカスのコード配列を示す展開図である。 ビードフィラーの高さはこの発明の範囲外である安全タイヤの内圧低下状態を模式的に示す幅方向断面図である。
符号の説明
1 タイヤ
2 ビードコア
3 ビードフィラー
4 ビード部
5 サイドウォール部
6 トレッド部
7 カーカス
8 ベルト層
9 ベルト層の幅端部
10 バットレス域
11 ビードフィラーのタイヤ径方向外端部
12 補強層
13 タイヤ最大幅位置
14 補強層のタイヤ径方向内側端部
15 リムガード部
16 リムガード部のタイヤ径方向外端部
17 キャップ層
18 補助ベルト層
19 補助ゴム層
20 補助補強層
R リム
RF リムフランジ
RL リム径ライン
C タイヤ周方向

Claims (8)

  1. ビードコア及びビードフィラーを埋設した一対のビード部、該ビード部からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部、及び両サイドウォール部間にまたがって延びるトレッド部の各部にわたってトロイド状に延びる少なくとも1枚のプライからなるカーカスと、カーカスのクラウン部外周側に位置し、コードをゴム被覆してなる少なくとも1層のベルト層を具える安全タイヤにおいて、
    タイヤ幅方向断面にて、前記カーカスの外面上に、金属コードをゴム被覆してなり、少なくともベルト層の幅端部からバットレス域を通り前記ビードフィラーのタイヤ径方向外端部を越えてタイヤ径方向内側に延びる左右一対の補強層を、それらを構成するコードがタイヤ周方向を挟んで互いに交差するよう配置し、
    標準リムに装着し規定の内圧を充填した状態にて、前記ビードフィラーのタイヤ径方向外端部とリム径ラインとの間のタイヤ径方向距離が、標準リムのフランジ高さの200%以下であることを特徴とする安全タイヤ。
  2. ビードコア及びビードフィラーを埋設した一対のビード部、該ビード部からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部、及び両サイドウォール部間にまたがって延びるトレッド部の各部にわたってトロイド状に延びる少なくとも1枚のプライからなるカーカスと、カーカスのクラウン部外周側に位置し、コードをゴム被覆してなる少なくとも1層のベルト層を具える安全タイヤにおいて、
    タイヤ幅方向断面にて、前記カーカスの外面上に、金属コードをゴム被覆してなり、少なくともベルト層の幅端部からバットレス域を越えて延びる左右一対の補強層を、それらを構成するコードがタイヤ周方向を挟んで互いに交差するよう配置し、
    標準リムに装着し規定の内圧を充填した状態にて、前記補強層のタイヤ径方向内側端部が前記ビードフィラーのタイヤ径方向外端部よりもタイヤ径方向外側に位置し、前記補強層のタイヤ径方向内側端部と前記ビードフィラーのタイヤ径方向外端部との間のタイヤ径方向距離が、タイヤ断面高さの20%以下であることを特徴とする安全タイヤ。
  3. 前記ビードフィラーは、ヤング率が14.7kPa未満のゴムで構成される、請求項1又は2に記載の安全タイヤ。
  4. 標準リムに装着し規定の内圧を充填した状態にて、前記補強層のタイヤ径方向内側端部は、リムラインよりもタイヤ径方向内側に位置する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の安全タイヤ。
  5. 前記補強層を構成するコードとタイヤ周方向のなす角が80°以上90°未満の範囲内にある、請求項1〜4のいずれか一項に記載の安全タイヤ。
  6. 前記ベルト層のタイヤ径方向外側に位置し、金属コードをゴム被覆してなり、該金属コードがタイヤ周方向を横切って延びる補助ベルト層をさらに具える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の安全タイヤ。
  7. 前記補助ベルト層を構成するコードとタイヤ周方向のなす角が40°以上90°以下の範囲内にある、請求項6に記載の安全タイヤ。
  8. 前記カーカスと補強層の間に補助ゴム層をさらに具える、請求項1〜7のいずれか一項に記載の安全タイヤ。

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