JP2011084152A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐摩耗性能に優れ、転がり抵抗を低減し、かつサイド部外観の耐久性も確保する空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスを骨格として、該カーカスのクラウン部の径方向外側に、傾斜ベルト層を有するベルトおよびトレッドを順に配置した空気入りタイヤであって、該タイヤを適用リムに装着した状態のタイヤ幅方向断面における、傾斜ベルト層の最外側層の幅BWに対する、当該最外側層の幅方向中心部と幅方向端部との径差BDの比BD/BWが0.01以上0.04以下である空気入りタイヤにおいて、少なくとも1層のカーカスプライの折り返し部の先端と、ビードトゥにタイヤの回転軸と平行に引いた線分との最短距離CSEhが、タイヤの最大幅位置にタイヤの回転軸と平行に引いた線分とビードトゥにタイヤの回転軸と平行に引いた線分との最短距離SWhよりも大きい。
【選択図】図2

Description

本発明は、耐偏摩耗性能に優れかつ転がり抵抗の低い空気入りタイヤに関するものである。
近年、より環境負荷の小さい製品の開発が活発に行われている。この原因は、地球温暖化をはじめとする環境問題にあり、タイヤについても例外ではない。このタイヤに関し、前記環境問題に対応するためには、自動車の低燃費化に寄与する性能の確保が大切になる。これを達成する一つの手段として、タイヤの転がり抵抗を減らすことが挙げられ、従来、様々な技術開発が行われている。
以下に、従来の改良方法をいくつか紹介する。
まず、タイヤの転がり抵抗は、トレッド部のゴム内にて多く発生することが知られている。直接的な改良方法として、このトレッド部に使用されるゴムを損失正接が小さいものに変更することが有効である。しかしながら、この方法では、タイヤの、例えば耐摩耗性能をはじめとする他の性能が犠牲になることも知られている。一方、転がり抵抗を増す発生源であるゴムを減らすために、トレッド厚さを薄くする方法も容易に考えられるが、この場合はタイヤの摩耗寿命を確保できないことが問題になる。
さらには、特許文献1では、タイヤの断面形状を工夫して転がり抵抗を低減することが提案されている。この提案によって、転がり抵抗の低減が確かに図られるが、サイド部外観の耐久性は十分ではなく、さらに他性能、とりわけ優れた耐摩耗性との両立を考えた場合、より詳細なタイヤ設計が求められている。
特開2006−327502号公報
そこで、本発明の目的は、耐摩耗性能に優れかつ転がり抵抗が少ないタイヤを提供するための、タイヤ形状の詳細について提案すること、かつ該新形状のサイド部外観の耐久性も確保することにある。
発明者らは、タイヤの形状を詳細に規制することによって、所期した性能の改良が可能であること、特に形状設計という場合、タイヤの外表面の形状のみならず、タイヤの骨格となる補強構造の形状もタイヤ性能への影響が大きいため、個別に規制することが有効であるとの知見を得た。すなわち、タイヤ幅方向断面内のせん断変形を、特に幅方向外側のトレッド内において抑制することが、この変形によるエネルギーロスの結果である転がり抵抗の低減と、この変形の結果生じるせん断力とすべりにて記述されることが多い摩耗を同時に改良できることを見出した。
またさらに、ベルトラインがフラットなタイヤにしばしば見られるタイヤのサイド部の外観の耐久性についても、カーカスプライの折り返し高さを規定することにより、上述した耐摩耗性能および転がり抵抗低減性能を損なうことなく向上できることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明の要旨は、以下のとおりである。
なお、後述するタイヤ寸法に関しては、一般的なタイヤの幅方向断面を示す図1を参照されたい。
(1)一対のビードコアを埋設するビード部間にトロイダル状に跨るとともに、前記ビードコアの周りにタイヤ幅方向内側から外側に折り返してなるカーカスプライからなるカーカスを骨格として、該カーカスのクラウン部の径方向外側に、少なくとも1層の傾斜ベルト層を有するベルトおよびトレッドを順に配置した空気入りタイヤであって、
該タイヤを適用リムに装着した状態のタイヤ幅方向断面における、前記傾斜ベルト層の最外側層の幅BWに対する、当該最外側層の幅方向中心部と幅方向端部との径差BDの比BD/BWが0.01以上0.04以下である空気入りタイヤにおいて、
少なくとも1層のカーカスプライの折り返し部の先端と、ビードトゥにタイヤの回転軸と平行に引いた線分との最短距離CSEhが、タイヤの最大幅位置にタイヤの回転軸と平行に引いた線分とビードトゥにタイヤの回転軸と平行に引いた線分との最短距離SWhよりも大きいことを特徴とする空気入りタイヤ。
ここで、前記タイヤを適用リムに装着した状態とは、日本自動車タイヤ協会規格(JATMA)に規定の標準リムまたはその他の適用リムに組み込んだ状態にて、内圧を付加せずに若しくは、30kPa程度までの極低内圧を付加した状態を意味する。
(2)カーカスの径方向最外側とビードトゥとの間のタイヤ径方向の距離CSHに対する、前記カーカスの最大幅位置にタイヤの回転軸と平行に引いた線分とビードトゥにタイヤの回転軸と平行に引いた線分との最短距離CSWhの比CSWh/CSHが0.6以上0.9以下であることを特徴とする上記(1)に記載の空気入りタイヤ。
(3)前記タイヤの断面高さSHに対する前記最短距離SWhの比SWh/SHが0.5以上0.8以下であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の空気入りタイヤ。
一般的なタイヤの幅方向断面を示す図である。 本発明のタイヤの幅方向断面を示す図である。 従来タイヤの荷重負荷前後の挙動を示す図である。 本発明のタイヤの荷重負荷前後の挙動を示す図である。 曲げの中立軸を変更した際の引張り歪を説明するための図である。 本発明のタイヤの幅方向断面を示す図である。 本発明のタイヤの幅方向断面を示す図である。 従来タイヤの幅方向断面を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明を具体的に説明する。
図2に、本発明の空気入りタイヤ(以下、タイヤと称する)について、その幅方向断面を示す。本発明のタイヤ6は、一対のビードコア1を埋設するビード部間にトロイダル状に跨るとともに、ビードコア1の周りにタイヤ幅方向内側から外側に折り返してなる少なくとも1層、図示例では1層のカーカスプライからなるカーカス2を骨格として、該カーカス2のクラウン部の径方向外側に、タイヤの赤道面CLに対して傾斜した向きに延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも1層、図示例では2層の傾斜ベルト層3a、3bを配置し、その径方向外側にタイヤの赤道面CLに沿って延びるコードの多数本をゴムで被覆した、1層の周方向ベルト層4を配置し、このベルトの径方向外側にトレッド5を配置してなる。
なお、傾斜ベルト層は1層でも構わないが、その際には、少なくとも1層の周方向ベルト層との組み合わせにてベルトを構成することが好ましい。
かようなタイヤ6は、適用リム7に装着されて使用に供される。ここで、該タイヤ6を適用リム7に装着した状態のタイヤ幅方向断面において、前記傾斜ベルト層の最外側層3bの幅BWに対する、当該最外側層3bの幅方向中心部(赤道面CL)と幅方向端部との径差BDの比BD/BWが0.01以上0.04以下である。
なお、ここでいう傾斜ベルト層とは、カーカス2の最大幅CSWの0.6倍以上の幅を有するものである。
この規定は、傾斜ベルト層3について、その幅方向における径差が少ないことを意味する。つまり、ベルトがフラットに近い状態であることを示す。
転がり抵抗は、前述したように、タイヤトレッド部のゴム中で発生するエネルギーロスが支配的であり、その変形の一つである幅方向断面内のせん断変形を抑えることが、転がり抵抗の低減に有効である。このせん断変形は、図3にサイズ195/65 R15の通常の断面形状を有するラジアルタイヤ(比BD/BW:0.052)の内圧充填前の無負荷状態を実線にておよび、210kPaの内圧充填後に4.41kNの荷重を負荷した状態を点線にて示すように、荷重負荷の前後における変形(矢印参照)によって、接地部分において湾曲していたベルトが平らに伸ばされる変形に起因している。さらに、図3に示すように、通常のラジアルタイヤでは、タイヤセンター対比ショルダーの半径が小さく径差を持っているため、ショルダー付近のベルトはタイヤ周方向に伸ばされる。すると、コードが交差して配置された傾斜ベルト層はパンタグラフ状に変形して周方向に伸びる結果として幅方向に縮むことになるため、上記せん断変形を助長することになり、結果としてトレッドゴムのヒステリシスロスを増加することになる。
この変形を、タイヤの形状面から最も簡便に抑制するには、ベルトをなるべく平坦にする必要がある。すなわち、ベルトを平坦(比BD/BW:0.026)にした、図3のタイヤと同サイズのタイヤについて、図3の場合と同じ条件における、荷重を負荷する前後における変形を、図4に示すように、比BD/BWを0.04以下にすると、荷重負荷の前後における変形(矢印参照)を極めて小さく抑えることができる。従って、比BD/BWを0.04以下にすることによって、トレッドゴムのヒステリシスロスは減少することになって、低い転がり抵抗のタイヤが得られるのである。
また、トレッド形状の観点から、上記のせん断変形を抑制する改良を行った場合、接地面内のせん断力やすべり分布も縮小される方向に変化するため、耐摩耗性能を同時に改良することができることも解明するに到った。
なお、実際のタイヤ設計では、サイド部の変形に伴った変形成分や、偏摩耗を起こさないための接地形状並びに接地圧分布を考慮しなければいけないことから、完全に平坦にすることなく適正な範囲に設定することが肝要である。この適正な範囲について鋭意究明したところ、上記した比BD/BWが0.01以上であることが判明した。
さらに、図2において、カーカスプライの折り返し部2Oの先端2OEと、ビードトゥ10にタイヤの回転軸と平行に引いた線分との最短距離(以下、折り返し高さとも称する)CSEhが、タイヤの最大幅位置WMAXにタイヤの回転軸と平行に引いた線分とビードトゥ10にタイヤの回転軸と平行に引いた線分との最短距離(以下、最大幅高さとも称する)SWhよりも大きいことが肝要である。以下、この理由を説明する。
上述したように、ベルトがフラットに近いタイヤでは荷重時にタイヤがたわむ際、ベルトを含むクラウン部のたわみが少なく、サイド部にたわみによる曲げが集中しやすい。これにより、サイド表層部にひび割れが生ずるというタイヤ外観上の問題が生じていた。
サイド表層部のひび割れを抑制するためには、すなわち、サイド表層部の歪を抑制するためには、サイド部のたわみを抑制するようにサイド部の曲げ剛性を高めることが考えられる。しかし、たわみによる曲げをこのサイド部に集中させたのは、上述したように、トレッド部における変形を減らしてトレッド部のエネルギーロスを減らすためであるので、サイド部のたわみは大きいままで、サイド表面歪を低減することが必要である。本発明者らは、サイド部のたわみが大きいままで、サイド表面歪を低減する方途を各種試行したところ、カーカスプライのビード部からの折り返し高さCSEhを最大幅高さSWhよりも高くすることによって、サイド表層部の歪を抑制できることを確認した。サイド部の曲げが集中するタイヤの最大幅位置WMAXにおいて、カーカスプライの本体部にカーカスプライの折り返し部を重ねて2重にすることにより、この部分での曲げの中立軸を表層側に移動させている。その結果、表層の歪を抑制することができる。
すなわち、図5を用いて説明すると、曲げの中立軸に対し内側は圧縮応力、外側は引張応力が作用する。ゴムは、圧縮応力に対する剛性は高いが、引張応力に対する剛性は低い。それゆえ、図5(a)のように、曲げの中立軸からサイド表面までの距離dが大きいと、曲げの中立軸の外側に働く引張り歪が大きくなるので、この部分にひび割れが発生しやすい。そこで、図5(b)のように、曲げの中立軸からサイド表面までの距離dを小さくすると、曲げの中立軸の外側に働く引張り歪が小さくなるので、この部分にひび割れが発生しにくくなる。
本発明では、カーカスプライのビード部からの折り返し高さCSEhを最大幅高さSWhよりも高くすることによって、サイド部の曲げが集中するタイヤの最大幅位置WMAXにおいて、カーカスプライを2重にして、曲げの中立軸を表層側に移動させ、サイド部の表層の歪を抑制することができる。
なお、カーカスプライの折り返し高さCSEhを変更するだけであるため、タイヤ全体のたわみには大きな影響を及ぼさない。
折り返し高さCSEhの最大幅高さSWhに対する比CSEh/SWhは1より大きいことが肝要であるが、好ましくは1.02以上2.0以下である。また、さらに好ましくは1.02以上1.25以下である。
比CSEh/SWhが1のとき、すなわち、カーカスプライの折り返し部2Oの先端2OEが最大幅位置WMAXにある場合、曲げの中心に折り返し部2Oの先端2OEが位置することとなり、この折り返し部2Oの先端2OEが起点となってひび割れが発生するおそれがある。よって、比CSEh/SWhは1より大きいことが肝要である。
比CSEh/SWhの好適範囲の下限を1.02としたのは、折り返し高さCSEhは製造によりわずかにばらつくためであり、折り返し高さCSEhが必ず最大幅高さSWhを超えさせるためである。
一方、比CSEh/SWhの好適範囲の上限を2.0としたのは、折り返し高さCSEhを、最大幅高さSWhを超えてさらに高くしても表面歪を抑制する効果は向上しないためである。さらに、多くのタイヤの場合、この比が2.0を超えるとカーカスプライの折り返し部2Oの先端2OEがベルト端を超える位置関係になるためである。また、過剰に折り返し部2Oを大きくすると、たわみにも影響を及ぼし、縦バネ増加による乗り心地悪化を引き起こすおそれもある。
後述する実施例により、比CSEh/SWhが1.25のとき、本発明の効果が十分に得られることが確認されている。
次に、図2に示すように、カーカス2の径方向最外側とビードトゥ10との間のタイヤ径方向の距離CSHに対する、カーカス2の本体部の最大幅位置WCMAXにタイヤの回転軸と平行に引いた線分とビードトゥ10にタイヤの回転軸と平行に引いた線分との最短距離CSWhの比CSWh/CSHが0.6以上0.9以下であることが好ましい。さらに望ましくは、0.7以上0.8以下である。
この規定によれば、特に、路面に近い位置でタイヤサイド部のカーカスラインが局所的に曲がった領域を持ち、曲げ剛性はこの部分で小さくなる。すると、ベルト幅よりも幅方向外側である、この屈曲部周辺が荷重時に大きく変形するため、トレッド部における変形は少なくなる。つまり、上記断面内のせん断変形をトレッドにおいて減らすことができる。荷重時の変形を効果的に減ずるための寸法を各種試行したところ、比CSWh/CSHが0.6以上0.9以下であることが判明したのである。
また、図2に示すように、タイヤの断面高さSHに対する最大幅高さSWhの比SWh/SHが0.5以上0.8以下であることが好ましい。さらに望ましくは、0.6以上0.75以下である。
さて、本来サイド部の形状については骨格であるカーカスラインで規定することが重要である。しかし、ゴム内部にてエネルギーロスが発生して転がり抵抗に寄与するという現象においては、サイド部も例外ではない。つまり、サイド部もカーカスラインに追従して従来のタイヤとは異なる形状を取ることが効率よい改良につながるといえる。これは、たとえばサイドゴムを薄くすることなどを意味し、自明ながらサイドゴムをなくすことができたとすれば、この寸法はカーカスラインの最大幅と同じ位置を示す。実際には、縁石への接触時にカーカスを保護する役割などからサイドゴムに所定の厚さを与える必要があるため、このときのサイド部の最大幅位置をタイヤ断面高さ対比でみたところ、上記の比の範囲にあることが分かった。また、タイヤ設計においては、加硫金型の設計も大切なポイントであるため、外表面寸法として定義することはタイヤ設計法としても必要である。
次に、図6および図7を用いて、本発明のタイヤのその他の実施例について説明する。
図6は、カーカス2が2層のカーカスプライ2a、2bからなり、半径方向最内側に配置されたカーカスプライ2aの折り返し部2aOの先端2aOEと、ビードトゥ10にタイヤの回転軸と平行に引いた線分との最短距離CSEhが、最大幅高さSWhよりも大きい。
また、図7は、カーカス2が2層のカーカスプライ2a、2bからなり、カーカスプライ2aおよびカーカスプライ2bの折り返し高さCSEhが、最大幅高さSWhよりも大きい。
図6および図7に示すように、カーカス2が2層のカーカスプライ2a、2bからなる場合は、最内層のカーカスプライ2aの折り返し高さCSEhが、最大幅高さSWhよりも大きく、タイヤの最大幅位置WMAXにおいて、カーカスプライが3重以上となり、この位置における曲げの中立軸を表層側に移動させ、サイド部の表層の歪を抑制することができる。
また、図6および図7に示すように、カーカス2が2層のカーカスプライ2a、2bからなる場合、最内側層のカーカスプライ2aの径方向最外側とビードトゥ10との間のタイヤ径方向の距離CSHに対する、カーカスプライ2aの本体部の最大幅位置WCMAXにタイヤの回転軸と平行に引いた線分とビードトゥ10にタイヤの回転軸と平行に引いた線分との最短距離CSWhの比CSWh/CSHが0.6以上0.9以下であることが好ましい。
サイズ195/65R15の従来例タイヤ、発明例タイヤおよび比較例タイヤを、表1に示す仕様の下に試作し、各試作タイヤについて、サイド部のひび割れ発生の耐久性能、転がり抵抗および耐摩耗性能の試験を行ったので以下に説明する。
従来例タイヤは図8に示すタイヤ形状および構造を有する。
発明例タイヤおよび比較例タイヤはいずれも、図2に示すタイヤ形状および構造を有し、カーカスプライの折り返し部の高さCSEhおよび最大幅高さSWhを変化させたものである。タイヤ最大幅位置WMAXのタイヤ内表面からタイヤ外表面までの厚さはほぼ同じである。
サイド部のひび割れ発生の耐久試験は、各供試タイヤを標準リムに装着し、内圧を210kPaに調整した後、正規荷重の2.5倍の荷重条件(サイド部のひび割れ発生を促進する条件)下で、直径1.7mの鉄板表面を持つドラム試験機(速度:80.0km/h)を用いて、サイド部にひび割れが発生するまでの走行距離を測定して行った。測定結果は指数化し、値が大きいほどひび割れが発生しにくいことを示している。
転がり抵抗試験は、各供試タイヤを標準リムに装着し、内圧を210kPaに調整した後、直径1.7mの鉄板表面を持つドラム試験機(速度:80km/h)を用いて、車軸の転がり抵抗力を求めることにより行った。この転がり抵抗の測定はISO18164に準拠し、スムースドラム、フォース式にて実施したものである。表1に示す測定結果は、従来例タイヤの転がり抵抗を100として指数化し、値が小さいほど転がり抵抗が小さいことを示している。
また、縦バネ性能は転がり抵抗試験の際に、たわみ量を測定し、「荷重/たわみ量」で算出したバネを指数化したものであり、値が大きいほどたわみにくいことを示している。すなわち、値が小さい程たわみやすく乗り心地がよいことを意味する。たわみ量の測定は、無負荷時のタイヤ軸高さ−荷重負荷時の軸高さによって求める。
耐摩耗性試験は、各供試タイヤを標準リムに装着し、内圧を210kPaに調整した後、転がり抵抗試験と同一の荷重条件下で、直径1.7mの表面にセーフティウォークを有する室内ドラム試験機(速度:80km/h)を用いて実施した。入力はフリーローリング10分、そして制動方向に0.1Gを10分、を交互に繰り返す。この条件にて、1200km走行後の摩耗重量(摩耗したゴムの量)を測定した。表1に示す測定結果は、従来例タイヤの摩耗重量を100として指数化しており、この摩耗重量は少ないほど良く、5%未満の違いなら同等とみなし、さらに、10%以上の違いがある場合は顕著な差があるといえる。
なお、この試験法では摩耗した重量を比較するため、耐摩耗試験の意味合いが強い。しかし偏摩耗性能が悪いタイヤでは早期に摩耗が進むため、本試験でも検出が可能である。つまり、この見方は耐偏摩耗並びに耐摩耗の両面からの見方を行うことができるものである。
Figure 2011084152
表1より、発明例タイヤは、従来例タイヤと比較して、転がり抵抗性能および耐摩耗性能が向上していることが分かる。さらに、発明例タイヤは、比較例タイヤと比較して、サイド割れに対する耐久性能が向上していることが分かる。
比CSEh/SWhが1.25までは(発明例1〜3、5〜8)、サイド割れに対する耐久性能が向上しているが、比CSEh/SWhが1.25から1.36になっても(発明例3、4の比較)サイド割れに対する耐久性能が1しか向上していないこと、および縦バネ性能も2.6と大きく増加していることから、比CSEh/SWhが1.25以下で十分に本発明の効果が得られるといえる。
一方、比CSEh/SWhが1.0以下となる比較例タイヤ1、2ではサイド割れに対する耐久性能が確実に低下する傾向となっている。
以上の結果から、比CSEh/SWhが1.0を超える設定により、サイド部のひび割れに対する耐久性能を向上できることを確認できた。
1 ビードコア
2 カーカス
2a カーカスプライ
2b カーカスプライ(最外側層)
2O カーカスプライの折り返し部
3a 傾斜ベルト層
3b 傾斜ベルト層(最外側層)
4 周方向ベルト層
5 トレッド
6 タイヤ
7 リム
10 ビードトゥ

Claims (3)

  1. 一対のビードコアを埋設するビード部間にトロイダル状に跨るとともに、前記ビードコアの周りにタイヤ幅方向内側から外側に折り返してなるカーカスプライからなるカーカスを骨格として、該カーカスのクラウン部の径方向外側に、少なくとも1層の傾斜ベルト層を有するベルトおよびトレッドを順に配置した空気入りタイヤであって、
    該タイヤを適用リムに装着した状態のタイヤ幅方向断面における、前記傾斜ベルト層の最外側層の幅BWに対する、当該最外側層の幅方向中心部と幅方向端部との径差BDの比BD/BWが0.01以上0.04以下である空気入りタイヤにおいて、
    少なくとも1層のカーカスプライの折り返し部の先端と、ビードトゥにタイヤの回転軸と平行に引いた線分との最短距離CSEhが、タイヤの最大幅位置にタイヤの回転軸と平行に引いた線分とビードトゥにタイヤの回転軸と平行に引いた線分との最短距離SWhよりも大きいことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. カーカスの径方向最外側とビードトゥとの間のタイヤ径方向の距離CSHに対する、前記カーカスの最大幅位置にタイヤの回転軸と平行に引いた線分とビードトゥにタイヤの回転軸と平行に引いた線分との最短距離CSWhの比CSWh/CSHが0.6以上0.9以下であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記タイヤの断面高さSHに対する前記最短距離SWhの比SWh/SHが0.5以上0.8以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
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