JP2013079018A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤの各種性能を維持しつつ、転がり抵抗を十分に低減させることができる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】本発明の空気入りタイヤは、適用リムに装着したタイヤの、低内圧かつ無負荷状態のタイヤ姿勢での子午線断面において、最も幅の広い最大幅ベルト層のタイヤ幅方向長さをBWとし、最大幅ベルト層の、タイヤ幅方向中心位置からタイヤ幅方向側縁に至るタイヤ半径方向高さをBDとした場合に、BD/BWの値が0.01以上かつ0.04以下であり、カーカスの最大幅位置と最大幅ベルト層のタイヤ幅方向側縁とを結ぶ直線の、子午線に対する鋭角側の交角が30°以上かつ50°以下となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関するものであり、特には、タイヤの各種性能を維持しつつ転がり抵抗を低減できる技術を提案するものである。
近年、地球温暖化をはじめとする各種の環境問題を解決するものとして、より環境負荷の小さい製品が求められており、このことはタイヤについても例外ではない。このようなタイヤに関し、環境負荷を小さくする一つの方法は、自動車の低燃費化に寄与することであり、これを実現する一つの手段としては、タイヤの転がり抵抗を低減させることがある。
ここで、タイヤの転がり抵抗は、その多くがトレッドのゴム内にて発生することが知られていて、このゴムをtanδの小さいものに変更することでその低減を図ることが従来から行われているものの、一般にこの方法では、耐摩耗性をはじめとする他のタイヤ性能を十分に満足させることが困難となる。また、トレッドゴムの厚さを薄くして転がり抵抗を低減することも検討されているが、この場合は、耐久性の十分な確保が難しいことが問題となる。
このような問題に対応するタイヤとして、特許文献1には、タイヤの外表面の形状及びタイヤの内部構造を特定することで、耐摩耗性を維持しつつ転がり抵抗の低減を図ることができるタイヤが示されているものの、その他のタイヤの性能、特に、タイヤの質量の抑制、及び操縦安定性の十分な確保の点では、さらなる改善の余地が残されていた。
特開2006−231984号公報
本発明の課題は、タイヤの性能、特にタイヤの質量の増加や操縦安定性の低下をもたらすことなく、これらをはじめとする各種の性能を維持したまま、転がり抵抗を十分に低減させることができる新規な空気入りタイヤを提供することにある。
本発明は、一対のビードコア間にトロイダルに延在するカーカスと、複数本のベルトコードをタイヤ赤道面に対して傾斜させて配設したベルト層を、トレッドゴムの内周側に1層以上配設してなるベルトとを備える空気入りタイヤであって、
適用リムに装着したタイヤの、低内圧かつ無負荷状態のタイヤ姿勢でのタイヤ子午線断面において、
前記ベルトの、最も幅の広い最大幅ベルト層のタイヤ幅方向長さをBWとし、該最大幅ベルト層の、タイヤ幅方向中心位置からタイヤ幅方向側縁に至るタイヤ半径方向高さをBDとした場合に、BD/BWの値が0.01以上かつ0.04以下であり、
前記カーカスの最大幅位置と前記最大幅ベルト層のタイヤ幅方向側縁とを結ぶ直線の、タイヤ子午線に対する鋭角側の交角が30°以上かつ50°以下である空気入りタイヤである。
ところで、この明細書及び特許請求の範囲で、トレッド幅とは、タイヤを適用リムに装着し、規定の80%の空気圧を充填し、最大負荷能力の80%の荷重を負荷した時の接地幅をいうものとする。
ここで適用リムとは下記の規格に規定されたリムをいい、規定の空気圧とは、下記の規格において、最大負荷能力に対応して規定される空気圧をいい、最大負荷能力とは、下記の規格でタイヤに負荷することが許される最大の質量をいう。
そして規格とは、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格によって決められたものであって、日本では日本自動車タイヤ協会の“JATMA YEAR BOOK”をいう。
また、低内圧とは、適用リムに装着したタイヤが、自重に抗して形状を保持するに必要な空気圧であって、10kPa以上50kPa以下の範囲の圧力を示すものとする。
そして好ましくは、低内圧かつ無負荷状態のタイヤ姿勢でのタイヤ子午線断面において、前記カーカスの、前記最大幅ベルト層のタイヤ幅方向側縁に対応する位置から、該カーカスの最大幅位置に至る範囲における、タイヤ外表面との間の最も薄いゴム厚みをGとし、前記カーカスの最大半径位置からビードトウ部分の先端に至るタイヤ半径方向高さをCSHとした場合、G/CSHの値が0.030以上となる関係を満たすものとする。
ここで、カーカスの、最大幅ベルト層のタイヤ幅方向側縁に対応する位置とは、低内圧かつ無負荷状態のタイヤ姿勢でのタイヤ子午線断面において、最大ベルト層のタイヤ幅方向側縁から、カーカスに向けて下ろした垂線が、カーカスと交差する位置をいうものとする。
また好ましくは、適用リムに装着したタイヤに規定の空気圧を充填したタイヤ姿勢において、規定の質量の80%に対応する負荷を該タイヤに作用させる前後での、タイヤ赤道面位置における該タイヤのたわみ量をδとした場合に、δ/CSHの値が0.23以下となる関係を満たすものとする。ここで、「規定の質量」とは、上記の規格の「最大負荷能力」をいう。
そしてまた好ましくは、低内圧かつ無負荷状態のタイヤ姿勢でのタイヤ子午線断面において、前記カーカスの最大幅位置からビードトウ部分の先端に至るタイヤ半径方向高さをCSWHとした場合に、CSWH/CSHの値が0.6以上かつ0.9以下の関係を満たすものとする。
ところで、低内圧かつ無負荷状態のタイヤ姿勢でのタイヤ子午線断面において、前記最大幅ベルト層のタイヤ幅方向側縁からタイヤ赤道面に対して平行に延びる直線につき、この直線がタイヤの外表面と交差する点からトレッドの最大半径位置に至る半径方向高さをTDとした場合に、TDをBDよりも大きくすることが好ましい。
そして、BD/TDの値が、0.6以上かつ0.9以下であることが特に好ましい。
本発明に従う空気入りタイヤは、低内圧かつ無負荷状態のタイヤ姿勢でのタイヤ子午線断面において、トレッドゴムの内周側に1層以上配設されるベルト層のうち、最も幅が広い最大幅ベルト層に関し、その最大幅ベルト層のタイヤ幅方向長さ(BW)に対する、最大幅ベルト層のタイヤ幅方向中心位置からタイヤ幅方向側縁に至るタイヤ半径方向高さ(BD)の比(BD/BW)の値を、0.01以上かつ0.04以下とし、カーカスの最大幅位置と最大幅ベルト層のタイヤ幅方向側縁とを結ぶ直線の、タイヤ子午線に対する鋭角側の交角を30°以上かつ50°以下としてなるものである。
ここで、タイヤの転がり抵抗の低減のためには、タイヤ子午線断面におけるトレッドゴムの剪断変形を抑えることが効果的であり、そのためには、タイヤの接地時にベルトが平らに伸ばされる変形を抑制することが有効である。本発明に係るタイヤでは、上記の数値範囲を選択して、変形の影響が最も大きい最大幅ベルトをフラットに近い状態で予め配設しているので、転がり抵抗を有効に低減させることができる。
また、トレッド幅が広すぎる場合はタイヤの質量を抑制することが難しく、トレッド幅が狭すぎる場合は操縦安定性の確保が困難となるところ、最大幅ベルト層のタイヤ幅方向側縁を、カーカスの最大幅位置からそれに引いた直線が、タイヤ子午線に対して鋭角側で30°以上かつ50°以下の交角をなすように配設することで、トレッド及び最大幅ベルト層のタイヤ幅方向長さが最適化されるので、タイヤの質量の増加を十分に抑えて優れた操縦安定性を確保することができる。
また、カーカスの、最大幅ベルト層のタイヤ幅方向側縁に対応する位置から、このカーカスの最大幅位置に至る範囲における、タイヤ外表面との間の最も薄いゴム厚みをGと、カーカスの最大半径位置からビードトウ部分の先端に至るタイヤ半径方向高さをCSHとして、比(G/CSH)の値を0.030以上とした場合は、サイドウォール部の、半径方向外側部分のゴム厚みを薄くしてタイヤの質量の増加を十分に抑制してなお、路面上の石等によるカーカスの損傷を、有効に防止することができる。
適用リムに装着したタイヤに規定の空気圧を充填したタイヤ姿勢において、規定の質量の80%に対応する負荷を該タイヤに作用させる前後での、タイヤ赤道面位置における該タイヤのたわみ量をδとし、比(δ/CSH)の値を0.23以下とした場合は、ゴム厚みが比較的薄くなるサイドウォール部の半径方向外側部分が、路面に近づきにくくなるので、路面上の石等によるカーカスの損傷を、より一層有効に防止することができる。
低内圧かつ無負荷状態のタイヤ姿勢でのタイヤ子午線断面において、前記カーカスの最大幅位置からビードトウ部分の先端に至るタイヤ半径方向高さをCSWHとし、該CSWHの、CSHに対する比を0.6以上かつ0.9以下とした場合は、サイドウォール部の半径方向外側部分に、カーカスラインの曲率が局所的に大きくなる部分が形成されることになって、タイヤに負荷が加わった際に、その部分を大きく変形させることで、トレッドゴム内の変形を抑えることができて、タイヤの転がり抵抗をさらに低減させることができる。
低内圧かつ無負荷状態のタイヤ姿勢でのタイヤ子午線断面において、最大幅ベルト層のタイヤ幅方向側縁からタイヤ赤道面に対して平行に延びる直線の、タイヤの外表面と交差する点から、トレッドの最大半径位置に至る半径方向高さをTDとし、このTDを、前記BDよりも大きくした場合は、ショルダー部での接地圧が高くなりすぎることがないので、偏摩耗を有効に防止することができる。
特に、BD/TDの値が、0.6以上かつ0.9以下である場合は、偏摩耗をより効果的に防止することができる。
本発明に従う空気入りタイヤの実施の形態を模式的に示す、適用リム(図示せず)に装着して、低内圧かつ無負荷状態としたタイヤ姿勢の下での子午線断面図であり、併せて規定の質量の80%に対応する負荷を作用したタイヤ姿勢を破線で示す。
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に説明する。
図1に示す空気入りタイヤは、左右一対のビードコア1と、本体部分をこれらビードコア1間にトロイダルに延在させるとともに、両端部分を各ビードコア1の周りに半径方向外方へ巻き返してなるカーカス2とを備える。また、カーカス2のクラウン域の外周側に、複数本のベルトコードをタイヤ赤道面Eに対して傾斜させて配設した1層以上のベルト層、図示の例では内外2層のベルト層からなるベルト3を配設するとともに、そのさらに外周側にトレッド外表面を形成するトレッドゴム4を設けてなる。
それぞれのベルト層のベルトコードは、例えば赤道面Eに対して、相互に逆方向に延在させることで、層間で相互に交差させることができる。
ここで、ベルト3のうち、最も幅の広いベルト層である、図示の例では内層側の最大幅ベルト層3aは、トレッド幅の90%〜130%の範囲内に配設される。
また、図1に示す空気入りタイヤでは、適用リムに装着して、低内圧かつ無負荷状態のタイヤ姿勢において、最大幅ベルト層3aのタイヤ幅方向長さをBWとし、この最大幅ベルト層3aの、タイヤ幅方向中心位置aからタイヤ幅方向側縁bに至るタイヤ半径方向高さをBDとした場合に、BD/BWの値が0.01以上かつ0.04以下となるものとする。
この規定は、最大幅ベルト層3aの径差が少ないことを意味する。すなわち、最大幅ベルト層3aは、フラットに近い状態で配設されることを示す。
ここで、タイヤの転がり抵抗は、トレッドゴム4内で発生するエネルギーロスが支配的であるので、タイヤ子午線断面におけるトレッドゴム4の剪断変形を抑えることが、タイヤの転がり抵抗の軽減には効果的である。そして、その軽減のためには、タイヤの接地時にベルト3が平らに伸ばされる変形を抑制することが有効であり、変形の影響が最も大きい最大幅ベルト層3aを、フラットに近い状態で配設することが特に効果的である。
この一方で、最大幅ベルト層3aをフラットに近づけすぎて、BD/BWの値が極端に小さくなると、ショルダー部での接地圧が高くなりすぎて、ショルダー部に偏摩耗が発生しやすくなる。
本発明者が検討を重ねたところ、BD/BWの値が0.01以上かつ0.04以下であれば、偏摩耗の発生を抑制して、転がり抵抗を有効に低減することができることを見出した。ここで望ましくは、BD/BWの値を0.02以上かつ0.04以下とする。
さらに、上述した空気入りタイヤでは、カーカス2の最大幅位置cと最大幅ベルト層3aのタイヤ幅方向側縁bとを結ぶ直線Lが、タイヤ子午線となす鋭角側の交角θを、30°以上かつ50°以下の角度範囲とするものである。
本発明者が検討を重ねた結果、交角θが50°よりも大きい場合は、トレッド幅及び最大幅ベルト層のタイヤ幅方向長さが大きくなりすぎて、タイヤの質量の増加を抑制することが難しくなり、交角θが30°よりも小さい場合は、トレッド幅が狭くなりすぎて、操縦安定性の確保が困難となるところ、上記の範囲であれば、タイヤの質量の増加が十分に抑えられ、また操縦安定性も確保することができるとの知見を得た。なお、望ましくは交角θを42°以上かつ50°以下とする。
またこのタイヤは、図1に示すように、低内圧かつ無負荷状態のタイヤ姿勢でのタイヤ子午線断面において、カーカス2の、最大幅ベルト層3aのタイヤ幅方向側縁bに対応する位置b’から、カーカス2の最大幅位置cに至る範囲での、タイヤ外表面との間の最も薄いゴム厚みをGとし、また、カーカス2の最大半径位置dからビードトウ部分の先端eに至るタイヤ半径方向高さをCSHとした場合に、G/CSHの値が0.030以上となる関係を満たすことが好ましい。
タイヤの質量を抑制するためには、タイヤのゴム厚みをできるだけ薄くすることが望ましいものの、ゴム厚みが薄くなりすぎると、路面上の石等によってカーカスが損傷を受けるおそれがあるところ、G/CSHの値を0.030以上とした場合は、タイヤの質量を抑制しつつカーカスを十分に保護することができる。このことは、G/CSHの値を0.035以上かつ0.06以下とする場合に特に効果的である。
そして、このタイヤは、適用リムに装着したタイヤに規定の空気圧を充填したタイヤ姿勢において、規定の質量の80%に対応する負荷を該タイヤに作用させる前後での、タイヤ赤道面位置における該タイヤのたわみ量をδとした場合に、δ/CSHの値が0.23以下となる関係を満たすものとすることが好ましい。
上記範囲とすることで、タイヤに負荷を作用させる場合のたわみが十分に小さくなって、ゴム厚みが比較的薄くなるサイドウォール部の半径方向外側部分が、路面に近づきにくくなるので、路面上の石等によるカーカスの損傷を、より有効に防止することができる。なお、望ましくは、δ/CSHの値を0.20以上かつ0.23以下とする。
そしてまた、このタイヤは、図1に示すような、低内圧かつ無負荷状態のタイヤ姿勢でのタイヤ子午線断面において、カーカス2の最大幅位置cからビードトウ部分の先端eに至るタイヤ半径方向高さをCSWHとした場合に、CSWH/CSHの値が0.6以上かつ0.9以下の関係を満たすものとすることが好ましい。
この場合、特に、サイドウォール部の半径方向外側部分において、カーカスラインの曲率が局所的に大きくなる部分が形成されるので、タイヤに負荷が加わった際に、この部分が大きく変形することでトレッドゴム4内の変形を抑えることができ、タイヤの転がり抵抗をより一層低減させることができる。ここで望ましくは、CSWH/CSHの値を0.7以上かつ0.8以下とする。
ところで、このタイヤは、図に示すところにおいて、最大幅ベルト層3aのタイヤ幅方向側縁bからタイヤ赤道面Eに対して平行に延びる直線Lの、タイヤの外表面と交差する点fからトレッドの最大半径位置gに至る半径方向高さをTDとした場合に、TDをBDよりも大きくすることが好ましい。
上記の範囲とすることで、タイヤの外表面を形成するトレッド外表面の曲率が、最大幅ベルト層の曲率よりも大きくなって、路面接地時のショルダー部での接地圧が高くなりすぎることがないので、該ショルダー部の偏摩耗を有効に防止することができる。
なお、トレッド外表面の曲率が、最大幅ベルト層の曲率に対して極端に大きくなると、すなわち、TDの値がBDの値に対して極端に大きくなると、ショルダー部でのトレッドゴム4の厚みが薄くなりすぎるために、耐久性の確保が難しくなる。また、トレッド外表面の曲率が、最大幅ベルト層の曲率とほとんど変わらなくなれば、すなわち、TDの値が、BDの値とほぼ同一となる場合は、偏摩耗を防止する効果が薄れるため、BD/TDの値は0.6以上かつ0.9以下とすることがより好ましい。特に好ましくは、BD/TDの値を0.8以上かつ0.9以下とする。
以下、図1に示す基本構造を有し、ポリエチレンを撚った複数本のコードを、タイヤ赤道面に対して90°の方向に延在させた1枚のカーカスプライからなるカーカスと、複数本のスチールコードをタイヤ赤道面に対して傾斜させて配設した内外2層のベルト層を、それぞれのベルト層のコードが互いに交差するようにして重ねて配設したベルトとを備える本発明に従う適合タイヤ、及び比較タイヤを用いて、タイヤの質量、転がり抵抗、偏摩耗性、耐摩耗性、操縦安定性、及びサイドウォール部の損傷について調査を行った。その結果を、各タイヤの諸元とともに表1に示す。
Figure 2013079018
ここで、タイヤの質量は、タイヤのサイズが155/65R13の、従来例となる比較タイヤ1の質量をコントロールとして、同サイズとなるそれぞれのタイヤの質量を指数で示したものであり、指数値が小さいほどタイヤが軽いことを示す。なお、誤差等を考慮し、指数値で105までは市場性があるとみなす。
また、転がり抵抗は、それぞれのタイヤを4.5Jのリムに装着し、内圧を230kPaに調整した後、直径1.7mの鉄板表面を持つドラム試験機(速度:80km/h)を用いて、タイヤ軸に取り付けられた分力計でタイヤ軸への反力を計測する、いわゆるフォース式により評価を行った。表1の結果は、従来例となる比較タイヤ1をコントロールとして、それぞれの評価結果を指数で示したものであり、指数値が小さいほど転がり抵抗が小さいことを示す。なお、3%以上の改良を有意差とみなす。
そして、偏摩耗性は、それぞれのタイヤを4.5Jのリムに装着し、内圧を230kPaに調整した後、直径1.7mのドラムの表面に、摩耗を促す被覆を施したドラム試験機(速度:80km/h)を用いて、タイヤ軸に取り付けられた分力計でタイヤ軸への反力を計測する、いわゆるフォース式により評価を行った。タイヤに負荷をかけることなくドラムの回転に従動させて10分間回転させ、その後、ドラムはそのままの速度で回転させるとともにタイヤに制動力を作用させて(制動方向に0.1G)10分間回転させ、これを交互に繰り返して5000km走行させた。そして、センター部(トレッドの幅方向中央)と、ショルダー部(トレッド接地端から1.5mm内側に入った位置)のそれぞれにおいて、走行前後での溝深さを測定し、この差を摩耗量として、センター部とショルダー部の摩耗量の比によって評価を行った。表1の結果は、比の値が1よりも大きければ、センター部の方がショルダー部よりも摩耗していることを示す。また、比の値が大きいほど、偏摩耗性が劣る(より偏摩耗している)ことを示す。
そしてまた、耐摩耗性は、偏摩耗性の評価後に、上記偏摩耗性の試験を継続して行い、センター部又はショルダー部の何れかが先に残溝深さ1.6mmとなった時点での走行距離で評価を行った。表1の結果は、従来例となる比較タイヤ1をコントロールとして、それぞれの評価結果を指数で示したものであり、指数値が大きいほど耐摩耗性に優れることを示す。
また、操縦安定性は、それぞれのタイヤを4.5Jのリムに装着し、内圧を230kPaに調整した後、排気量660ccのFF車に装着して、熟練したテストドライバーのテストコース走行によって評価を行った。表1の結果は、時速120kmのレーンチェンジ、時速80kmの限界旋回、時速50kmからの加速を含む、各種の走行を行って、10点を満点とする点数で示したものである。6.5点以上であれば、市場の一般的なタイヤと比較して性能が良好であることを示し、5.5点以下であれば、市場の一般的なタイヤと比較して性能が劣ることを示す。
そして、サイドウォール部の損傷は、それぞれのタイヤを、サイズに応じた標準リムに装着し、何れのタイヤの内圧も230kPaに調整した後、該当サイズを標準装着しているFF車にそれぞれ装着して、尖った石が多く転がっている悪路コースを2000km走行し、サイドウォール部についた傷の数によって評価を行った。なお、走行途中でパンクが発生した場合は、新品のタイヤに交換し、パンクしたタイヤと交換したタイヤの、それぞれのタイヤの傷の数の総和によって評価を行った。表1の結果は、従来例となる比較タイヤ4をコントロールとして、それぞれの評価結果を指数で示したものであり、指数値が小さいほど傷の数が少ないことを示し、指数値で150までは市場性があるとみなす。
その結果、BD/BWの値が0.01以上かつ0.04以下であり、かつカーカスの最大幅位置と最大幅ベルト層のタイヤ幅方向側縁とを結ぶ直線の、タイヤ子午線に対する鋭角側の交角が30°以上かつ50°以下となるタイヤ(適合タイヤ1〜16)は、転がり抵抗を十分に低減させつつ、タイヤの質量の増加を抑えて操縦安定性も十分に確保することができることが明らかとなった。また、G/CSHの値が0.030以上となるタイヤ、及びδ/CSHの値が0.23以下となるタイヤ(適合タイヤ1〜15)は、サイドウォール部の損傷を十分に抑制できることが明らかとなった。そして、CSWH/CSHの値が0.6以上かつ0.9以下となるタイヤ(適合タイヤ1〜3、5〜6、8〜11)は、転がり抵抗をより一層低減させる事ができ、さらに、TDをBDよりも大きくしてなるタイヤ(適合タイヤ1〜7、9〜11)は、偏摩耗性に優れ、特にBD/TDの値が0.6以上かつ0.9以下となるタイヤ(適合タイヤ1〜7、10)は、偏摩耗性と耐摩耗性の両立に優れることが明らかとなった。
1 ビードコア
2 カーカス
3 ベルト
3a 最大幅ベルト層
4 トレッドゴム

Claims (6)

  1. 一対のビードコア間にトロイダルに延在するカーカスと、複数本のベルトコードをタイヤ赤道面に対して傾斜させて配設したベルト層を、トレッドゴムの内周側に1層以上配設してなるベルトとを備える空気入りタイヤであって、
    適用リムに装着したタイヤの、低内圧かつ無負荷状態のタイヤ姿勢でのタイヤ子午線断面において、
    前記ベルトの、最も幅の広い最大幅ベルト層のタイヤ幅方向長さをBWとし、該最大幅ベルト層の、タイヤ幅方向中心位置からタイヤ幅方向側縁に至るタイヤ半径方向高さをBDとした場合に、BD/BWの値が0.01以上かつ0.04以下であり、
    前記カーカスの最大幅位置と前記最大幅ベルト層のタイヤ幅方向側縁とを結ぶ直線の、タイヤ子午線に対する鋭角側の交角が30°以上かつ50°以下である空気入りタイヤ。
  2. 低内圧かつ無負荷状態のタイヤ姿勢でのタイヤ子午線断面において、前記カーカスの、前記最大幅ベルト層のタイヤ幅方向側縁に対応する位置から、該カーカスの最大幅位置に至る範囲における、タイヤ外表面との間の最も薄いゴム厚みをGとし、前記カーカスの最大半径位置からビードトウ部分の先端に至るタイヤ半径方向高さをCSHとした場合に、G/CSHの値が0.030以上である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 適用リムに装着したタイヤに規定の空気圧を充填したタイヤ姿勢において、規定の質量の80%に対応する負荷を該タイヤに作用させる前後での、タイヤ赤道面位置における該タイヤのたわみ量をδとした場合に、δ/CSHの値が0.23以下である請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 低内圧かつ無負荷状態のタイヤ姿勢でのタイヤ子午線断面において、前記カーカスの最大幅位置からビードトウ部分の先端に至るタイヤ半径方向高さをCSWHとした場合に、CSWH/CSHの値が0.6以上かつ0.9以下である請求項1〜3の何れかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 低内圧かつ無負荷状態のタイヤ姿勢でのタイヤ子午線断面において、前記最大幅ベルト層のタイヤ幅方向側縁からタイヤ赤道面に対して平行に延びる直線の、タイヤの外表面と交差する点から、トレッドの最大半径位置に至る半径方向高さをTDとした場合に、TDをBDよりも大きくしてなる請求項1〜4の何れかに記載の空気入りタイヤ。
  6. BD/TDの値が、0.6以上かつ0.9以下である請求項5に記載の空気入りタイヤ。
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