JP2015105031A - 空気入りタイヤ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量で、耐久性に優れたサイド補強層を備えた空気入りタイヤを提供する。【解決手段】サイド補強層10を備える。サイド補強層10は、間隔を空けて特定方向に延びるように配置された複数の線材13を含む基材11を備える。基材11は、2次元的に繰り返し形成された複数の多角形部14を含む。各多角形部14は、捩合部15と単線部16とにより画定される各捩合部15は、線材13のうち、隣接して配置された線材同士を2回以上捩り合わせることにより形成される。各単線部16は、捩合部15を構成する線材13の一方である。【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤ及びその製造方法に関するものである。
従来、特許文献1として、長手方向に並設した複数本のワイヤコイルに対して交差する2方向から他のワイヤコイルをからげるようにした構成のタイヤのベルト(補強部材)が公知である。
また特許文献2として、交差する3方向にそれぞれ延びる複数本のベルトコードを織り合わせた構成のタイヤのベルトが公知である。
また特許文献3として、網目構造を有する金属薄板からなるタイヤのベルトが公知である。
しかしながら、特許文献1では、長手方向に延びるワイヤコイルに交差する他のワイヤコイルをからげているだけであるので、互いに擦れて摩耗し、場合によっては破断する恐れがある。特に軽量化のためにワイヤコイルに樹脂材料を使用した場合等にはこの問題が顕著なものとなる。
また特許文献2でも前記特許文献1に記載のものと同様に、ベルトコード同士が互いに摺接して摩耗し、場合によっては破断する恐れがある。
また特許文献3では、全体が単一の金属薄材で構成されているため、組み込まれたタイヤが縁石等に乗り上げることにより、その一部に外力が集中すると破断する恐れがある。
また前記いずれの特許文献でも、サイド補強層の軽量化を図り、耐久性を向上させるための構成に関する記載はない。
特開平1−237203号公報 特開平5−162508号公報 特開2000−25412号公報
本発明は、軽量で、耐久性に優れたサイド補強層を備えた空気入りタイヤ及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するための手段として、
サイド補強層を備えた空気入りタイヤであって、
前記サイド補強層は、
間隔を空けて特定方向に延びるように配置された複数の線材を含む基材を備え、
前記基材は、2次元的に繰り返し形成された複数の多角形部を含み、
前記各多角形部は、捩合部と単線部とにより画定され、
前記各捩合部は、前記線材のうち、隣接して配置された線材同士を2回以上捩り合わせることにより形成され、
前記各単線部は、前記捩合部を構成する線材の一方である空気入りタイヤを提供する。
この構成により、線材を2回以上捩り合わせて形成した捩合部で、線材同士の擦れを効果的に防止できる。したがって、線材同士が擦れて摩耗により破断する恐れを大幅に低減できる。また多角形部で多方向の剛性を高めることができる。さらに多角形部は同一平面上に連続的に形成されただけであるので多層化する必要がなく、軽量化が可能となる。つまり、サイド補強層の耐久性を維持しつつ軽量化が可能となる。
前記サイド補強層は、一端がベルトの一端内面とカーカスプライの外面との間に配置され、他端がビードフィラーに配置されるようにすればよい。
前記サイド補強層は、一端がカーカスプライの外面でタイヤ断面高さの60%以下の範囲に配置され、他端がビードフィラーに配置されるようにすればよい。
前記サイド補強層は、ベルトとビードフィラーの間でカーカスプライの外面に配置されるようにすればよい。
前記サイド補強層は、他端が前記ビード部で外側から内側に折り返され、ビード部で内側から外側に折り返されたカーカスプライの内側に配置されるようにすればよい。
前記サイド補強層は、他端が前記ビード部で内側から外側に折り返され、ビード部で内側から外側に折り返されたカーカスプライの内側に配置されるようにすればよい。
前記サイド補強層は、前記基材が帯状であり、両側部が長手方向に延びる縦線材でそれぞれ構成されているのが好ましい。
この構成により、基材の両側部の縦線材で、サイド補強層を安定した形状に維持しやすくなり、剛性バランスを優れたものとすることができる。
前記サイド補強層は、前記基材が、前記縦線材を3本以上備え、前記各縦線材の間の各分割領域にそれぞれ複数の多角形部を形成してなるのが好ましい。
この構成により、サイド補強層に適切なものとなるように、各分割領域での剛性を変更することができる。
前記サイド補強層は、前記基材を構成する各多角形部の形状を変更可能であるのが好ましい。
この構成により、必要とされる剛性に方向性がある場合であっても、それに応じて多角形部の形状を変更することにより対応することができる。例えば、剛性が必要とされる方向には短く、必要とされない方向には長くなるように形成すればよい。
前記サイド補強層は、前記各分割領域間で形状の相違する多角形部をそれぞれ配置してなるのが好ましい。
この構成により、各分割領域での剛性の高低をサイド補強層に適した値に設定することができる。
前記サイド補強層は、前記多角形部の形状が捩合部ピッチを変更することにより調整可能であればよい。
前記サイド補強層は、前記捩合部ピッチが、線材同士の捩合回数、捩合部から延びる単線材の傾斜角度、又は、隣接する線材の間隔を変更することにより調整可能であればよい。
前記サイド補強層は、前記基材の全体をコーティングする被覆部をさらに備えるようにすればよい。
本発明は、前記課題を解決するための手段として、
サイド補強層を備えた空気入りタイヤであって、
前記サイド補強層は、
線材同士を互いに捩り合わせてなる捩合部と、
前記捩合部から延びる、前記線材の一方からなる単線部と、
で囲まれた多角形部を、同一平面上に連続的に形成してなる基材を備え、
前記基材の捩合部は2本の線材同士を2回以上捩り合わせることにより形成したものである。
この構成により、線材を2回以上捩り合わせて形成した捩合部で、線材同士の擦れを効果的に防止できる。したがって、線材同士が擦れて摩耗により破断する恐れを大幅に低減できる。また多角形部で多方向の剛性を高めることができる。さらに多角形部は同一平面上に連続的に形成されただけであるので多層化する必要がなく、軽量化が可能となる。つまり、サイド補強層の耐久性を維持しつつ軽量化が可能となる。
また本発明は、前記課題を解決するための手段として、
線材同士を互いに捩り合わせてなる捩合部と、前記捩合部から延びる、前記線材の一方からなる単線部と、で囲まれた多角形部を、同一平面上に連続的に形成する基材を備えたサイド補強層の形成工程を備えた空気入りタイヤの製造方法を提供するものである。
さらに、前記基材の全体を被覆部でコーティングするベルトの形成工程を備えるのが好ましい。
本発明によれば、タイヤのサイド補強層を、捩合部と単線部とで囲まれた複数の多角形部からなる基材を備え、捩合部を2本の線材同士を2回以上捩り合わせた構成としたので、線材同士の擦れが殆どなく、摩耗により切断する恐れがない。したがって、サイド補強層の耐久性を高めて、長期に亘って所望の性能を発揮させることができる。
本実施形態に係る空気入りタイヤの部分断面図である。 図1のサイド補強層の斜視図である。 図2に示す基材の平面図である。 図3に示す1つの多角形部の拡大図である。 図2の変形例を示す基材の平面図である。 図2の変形例を示す基材の平面図である。 図2の変形例を示す基材の平面図である。 図2の変形例を示す基材の平面図である。 第2実施形態に係るサイド補強層を備えた空気入りタイヤの部分断面図である。 第3実施形態に係るサイド補強層を備えた空気入りタイヤの部分断面図である。 第4実施形態に係るサイド補強層を備えた空気入りタイヤの部分断面図である。 第5実施形態に係るサイド補強層を備えた空気入りタイヤの部分断面図である。 第6実施形態に係るサイド補強層を備えた空気入りタイヤの部分断面図である。 他の実施形態に係るサイド補強層を備えた空気入りタイヤの部分断面図である。 他の実施形態に係るサイド補強層を備えた空気入りタイヤの部分断面図である。 他の実施形態に係るサイド補強層を備えた空気入りタイヤの部分断面図である。 他の実施形態に係るサイド補強層を備えた空気入りタイヤの部分断面図である。 他の実施形態に係るサイド補強層を備えた空気入りタイヤの部分断面図である。 他の実施形態に係る基材の平面図である。 他の実施形態に係る基材の平面図である。
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。また図中、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは相違している。
図1は、第1実施形態に係る空気入りタイヤの部分断面図を示す。この空気入りタイヤでは、外部構造は、トレッド部1、ショルダー部2、サイド部3及びビード部4で構成されている。また内部構造は、トレッド部1からショルダー部2にかけて設けられるベルト5を備える。ベルト5の外周側に補強プライ6が設けられている。ベルト5の内周側にはカーカスプライ7が設けられている。カーカスプライ7はトレッド部1からビード部4に向かい、そこに内蔵されるビードコア8で折り返して、これに隣接するビードフィラー9を超えて外面側に至る。またカーカスプライ7の外面側にはサイド補強層10が設けられている。なお、ここでは他の部材の説明については省略する。
(第1実施形態)
第1実施形態に係るサイド補強層10は、一端がベルト5の一端内面と、カーカスプライ7の外面との間に配置され、他端がビードフィラー9の内面と、カーカスプライ7の外面との間に配置されている。
図2に示すように、サイド補強層10は基材11の表面を被覆部12で覆ってシート状としたものである。
図3に示すように、基材11は、複数本の線材13を所定位置で捩り合わせて複数の多角形部14を形成してシート状としたものである。
線材13には、スチール等の金属材料、ポリエステル、アラミド、レーヨン、ナイロン等の有機繊維からなる樹脂材料等を使用することができる。各線材13は、1本で構成してもよいが、より細い複数本を束ねてあるいは撚り合わせて1本とした構成とすることもできる。
基材11は、1本の線材13を、上下方向(縦方向)に複数本並設し、隣り合う線材同士を上下方向に所定ピッチで捩り合わせたものである。すなわち、隣り合う線材同士が捩り合わされた捩合部15と、この捩合部15から延びる一方の線材13からなる単線部16とで囲まれた多角形部14が形成される。ここでは、多角形部14は正六角形で構成されている。また捩合部15は、線材同士を2回以上捩り合わせることにより形成する。ここでは、線材同士を2回半捩り合わせることで捩合部15を形成している(図2では、捩合部15の中心位置に円形の空間部が示されているが、これは捩合状態をわかりやすくするためのものであって、実際には空間部は形成されない。)。両側部の線材13(縦線材17)は上下方向に真っ直ぐ延びたままで使用する。多角形部14は、縦線材17の間で同一平面上に連続的に形成され、ハニカム形態を構成する。
図4に示すように、1つの多角形部14に着目してより詳細に説明する。この多角形部14は、隣接する2本の線材13を捩り合わせた捩合部15から分岐してそれぞれ延びる第1線材13Aからなる第1単線部16Aと、第2線材13Bからなる第2単線部16Bとを有する。また、第1線材13Aと、この第1線材13Aに対して第2線材13Bとは反対側に隣接する第3線材13Cとを捩り合わせた第1捩合部15Aを有する。さらに、第2線材13Bと、この第2線材13Bに対して第1線材13Aとは反対側に隣接する第4線材13Dとを捩り合わせた第2捩合部15Bを有する。さらにまた、第1捩合部15Aから分岐した第1線材13Aからなる第3単線部16Cと、第2捩合部15Bから分岐した第2線材13Bからなる第4単線部16Dとを有する。第3単線部16C(第1線材13A)と第4単線部16D(第2線材13B)とは捩り合わされて捩合部15となる。
多角形部14の形状は捩合部ピッチすなわちハニカム密度を変更することにより、縦長あるいは横長の形状に変更することができる。ここに、捩合部ピッチとは、図3に示すように、縦方向の捩合部15の間隔(ここでは中心位置の間隔を使用)である縦ピッチP1と、横方向の捩合部15の間隔である横ピッチP2とを意味する。
縦ピッチP1の調整は、捩合部15の捩合回数の増減、あるいは、単線部16の傾斜角度の調整により行うことができる。
捩合部15の捩合回数は増やせば増やすほど、線材同士が擦れにくい構成とすることができるが、前述の通り使用時の線材同士の擦れを十分に防止できる2回以上であればよい。捩合回数を調整することで、捩合部15の長さを変更して縦ピッチP1を調整することができる。例えば、図7に示すように、捩合回数を増やすことで、各正六角形を縦長の形状とすることができるし、捩合回数を減少させることで、図示しないが横長の形状とすることもできる。
また捩合部15から延びる単線部16の傾斜角度(図3の上下方向(縦方向)に対する単線部16の傾斜角度θ)を変更することによっても縦ピッチP1を調整することができる。図5では、捩合部15に対する傾斜角度、すなわち縦方向に対する傾斜角度θを大きくして横長形状としている。図6では、捩合部15に対する傾斜角度、すなわち縦方向に対する傾斜角度θを小さくして縦長形状としている。
横ピッチP2の調整は、線材13の間隔を調整することにより行うことができる。すなわち、線材13の間隔を広くすることにより多角形部14を横長とすることができ、狭くすることにより縦長とすることができる。
このように、捩合部15の捩合回数の増減又は単線部16の傾斜角度θの調整により正六角形を縦長又は横長のいずれの形状にも調整することができる。縦長形状とすることにより、横方向に比べて縦方向の剛性を小さくすることができる。一方、横長形状とすることにより、縦方向に比べて横方向の剛性を小さくすることができる。
前者の場合、すなわち縦長形状とすることにより横方向に比べて縦方向(タイヤ径方向)の剛性を小さくしたサイド補強層10の場合、このサイド補強層10を有するタイヤを使用した車両による走行時の操縦安定性能(操安性)を高めることができる。また前記構成のサイド補強層10を使用することで、サイド部3の側面からの強度を、重量を増大させることなく十分に高めることができる。
また基材11の多角形部14の形状は六角形(正六角形のほか、縦長又は横長の六角形を含む)に限らず、図8に示す四角形としてもよい。すなわち、捩合部15に対して単線部16の長さを十分に大きくすることにより四角形とすることができる。図8では多角形部14は菱形形状となっている。
前記構成からなる基材11は、図示しない薄いゴム(トッピングゴム)で被覆したり、フィルム状の合成樹脂を熱溶着させてコーティングしたりして被覆部12を形成することによりサイド補強層10となる。
前記構成からなるサイド補強層10を備えたタイヤでは、線材同士の捩合部15が2回以上の捩合回数で捩り合わせされているので、使用(タイヤによる走行)状態で線材同士が擦れることがない。したがって、線材13が摩耗により損傷して切断に至る心配がない。
(第2実施形態)
第2実施形態に係るサイド補強層10は、図9に示すように、一端がカーカスプライ7の外面で、最下端位置からタイヤ断面高さの60%以下の範囲に配置され、他端がビードフィラー9の内面と、カーカスプライ7の外面との間に配置されている。
(第3実施形態)
第3実施形態に係るサイド補強層10は、図10に示すように、ベルト5とビードフィラー9の間でカーカスプライ7の外面に配置されている。
(第4実施形態)
第4実施形態に係るサイド補強層10は、図11に示すように、一端がベルト5の一端内面とカーカスプライ7の外面との間に配置され、他端がビードフィラー9の手前のベルト5とビードフィラー9の間で終端している。
この構成によれば、タイヤのトレッド部1とサイド部3とを連結するバットレス部の断面2次モード(タイヤ走行時の振動によるタイヤ断面の振動)による変形を抑制することができ、この変形に起因する250〜315Hzのロードノイズを低減することが可能となる。
(第5実施形態)
第5実施形態に係るサイド補強層10は、図12に示すように、一端がベルト側に配置され、他端が、カーカスプライ7と共にビードコア8の外側から内側へと折り返している(DOWN構造)。詳しくは、サイド補強層10の一端は、ベルト5の端部から±(ベルト幅×5〜10%)の位置(+の場合、ベルト5と重なり、−の場合、ベルト5の端部から離れる。)である。一方、サイド補強層10の他端は、ビードフィラー9の下端からその高さ(タイヤ径方向の寸法)の0〜100%の範囲であり、望ましいのは20〜50%の範囲である。
この構成によれば、サイド補強層自身の張力を大きくでき、タイヤの横剛性、縦剛性及び前後剛性を高めて変形を防止し、この変形に起因する250〜315Hzのロードノイズを低減することが可能となる。
(第6実施形態)
第6実施形態に係るサイド補強層10は、図13に示すように、一端がベルト側に配置され、他端が、カーカスプライ7と共にビードコア8の内側から外側へと折り返している。詳しくは、サイド補強層10の一端は、ベルト5の端部から±(ベルト幅×5〜10%)の位置(+の場合、ベルト5と重なり、−の場合、ベルト5の端部から離れる。)である。一方、サイド補強層10の他端は、カーカスプライ7の高さ(ビードコア8の下端位置からのタイヤ径方向の寸法)の20〜50%の範囲である。
この構成によれば、サイド補強層10によりカーカスプライ7に作用させる張力を大きくすることができる。またタイヤのトレッド部1とサイド部3とを連結するバットレス部の断面2次モードによる変形を抑制することができ、この変形に起因する250〜315Hzのロードノイズを低減することが可能となる。
比較例のサイド補強層10を備えたタイヤと、本発明に係る実施例のサイド補強層10を備えたタイヤとで実車フィーリングテストを行った。詳しくは、タイヤサイズ195/65R15の空気入りタイヤを使用し、質量、前後剛性、横剛性、縦剛性、操縦安定性、乗心地、ロードノイズ(R/N)について評価した。以下に示す数値は、比較例1を100とした場合の指数を示す。
質量では、指数が小さい方が軽量であることを示す。
前後剛性とは、車両指定の空気圧としたうえで、実車の荷重に相当する荷重を負荷した状態において、タイヤに幅方向の横力を更に負荷したときの変位を測定し、その逆数を算出したものである。
横剛性とは、車両指定の空気圧としたうえで、実車の荷重に相当する荷重を負荷した状態において、タイヤに幅方向の横力を更に負荷したときの変位を測定し、その逆数を算出したものである。
縦剛性とは、縦剛性では、車両指定の空気圧としたうえで、実車の荷重に相当する荷重を負荷した状態における変位を測定し、その逆数を算出したものである。
操縦安定性では、ドライ路面走行及びウエット路面走行の官能評価により比較を実施した。数値が大きいほど操縦安定性能が高く好ましい。
乗心地は、ドライバーのフィーリングにより判断した。
ロードノイズ(R/N)とは、時速100kmで舗装良路のテストコースを走行したときのドライバーの窓側の耳の位置において測定した値を指数化したものである。数値が小さいほど性能が良いことを示す。
Figure 2015105031
比較例1では、補強構造としてカーカスプライ7のみを設けた構成としている。
比較例2では、補強構造としてカーカスプライ7のみを設けただけであるが、比較例1に比べて質量及び剛性の高い構成としている。
比較例3では、補強構造としてカーカスプライ7のほかに、従来同様なスチール製の線材13を並設してゴム層で被覆してなる補強層を設けた構成としている。補強層の上端位置をタイヤ断面高さの75%の位置とし、線材13が延びる方向をタイヤ周方向(0°方向)としている。
比較例4では、比較例3と同様な被覆層を設けた構成としている。但し、線材13が延びる方向をタイヤ周方向に対して45°傾斜した方向(45°方向)としている。
実施例1では、図1に示す補強層を備えた構成としている。
実施例2では、図9に示す補強層を備えた構成としている。
実施例3では、図10に示す補強層を備えた構成としている。
実施例4では、図11に示す補強層を備えた構成としている。
実施例5では、図12に示す補強層を備えた構成としている。
実施例6では、図13に示す補強層を備えた構成としている。
前記表1から明らかなように、実施例1から6のいずれの構成であっても、比較例2から4に比べて質量を増大させることなく、比較例1に比べて剛性を増大させ、操縦安定性を向上させることができた。また比較例2から4ほどの乗心地の悪化もなく、ロードノイズが増大することもなかった。
なお、本発明は、前記実施形態に記載された構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
(他の実施形態)
前記第1実施形態では、サイド補強層10の他端は、ビードフィラー9の内側でカーカスプライ7の外面との間に配置するようにしたが、図14に示すように、カーカスプライ7の折り返し部分の外面に位置させるようにしてもよい。また、サイド補強層10の他端は、図15に示すように、カーカスプライ7の折り返し部分の内面(ビードフィラー9との間)に位置させるようにしてもよい。さらに、サイド補強層10の他端は、図16に示すように、ビードフィラー9に至らない、その上方側の任意の位置としてもよい。
前記第2実施形態では、サイド補強層10の他端は、ビードフィラー9の内側でカーカスプライ7の外面との間に配置するようにしたが、図17に示すように、カーカスプライ7の折り返し部分の外面側に配置するようにしてもよいし、図18に示すように、カーカスプライ7の折り返し部分の内面とビードフィラー9の外面との間に配置するようにしてもよい。
前記第1実施形態では、サイド補強層10を構成する多角形部14の密度を均一なものとしたが、タイヤ径方向の2領域で、多角形部14の密度を相違させるようにしてもよい。
例えば、図19に示すように、縦線材17を3本設けることにより2箇所の分割領域(第1分割領域18及び第2分割領域19)を有する構成とし、各分割領域18、19で多角形部14の密度を相違させるようにしてもよい。この場合、密度の高い第2分割領域19をベルト5の端部側に配置し、密度の低い第1分割領域18をビードフィラー側に向かって配置すればよい。これにより、軽量であるにも拘わらず、ベルト5の端部での剛性を高めて操縦安定性を確保することができ、乗心地が悪化することもない。
また、基材11を3本の縦線材17により2つの分割領域を形成するようにしたが、図20に示すように、3つの分割領域を形成し、各分割領域で多角形部14の密度を相違させるようにしてもよい。この場合、中央部分の分割領域の密度を高くして、タイヤのトレッド部1とサイドウォール部とを連結するバットレス部に配置し、両端側の密度の低い分割領域を、トレッド部1と、サイド部3及びビード部4とにそれぞれ配置すればよい。これにより、バットレス部での断面2次モードによる変形を防止し、この変形に伴うロードノイズの発生を低減することができる。
さらに、図20に示す3つの分割領域で中央部と一端側とで多角形部14の密度を大きくし、残る他端側で小さくすることにより、操縦安定を確保しつつ、サイド補強層10の軽量化を図り、ロードノイズを低減することができるようにすることも可能である。
1…トレッド部
2…ショルダー部
3…サイド部
4…ビード部
5…ベルト
6…補強プライ
7…カーカスプライ
8…ビードコア
9…ビードフィラー
10…サイド補強層
11…基材
12…被覆部
13…線材
14…多角形部
15…捩合部
16…単線部
17…縦線材

Claims (16)

  1. サイド補強層を備えた空気入りタイヤであって、
    前記サイド補強層は、
    間隔を空けて特定方向に延びるように配置された複数の線材を含む基材を備え、
    前記基材は、2次元的に繰り返し形成された複数の多角形部を含み、
    前記各多角形部は、捩合部と単線部とにより画定され、
    前記各捩合部は、前記線材のうち、隣接して配置された線材同士を2回以上捩り合わせることにより形成され、
    前記各単線部は、前記捩合部を構成する線材の一方であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記サイド補強層は、一端がベルトの一端内面とカーカスプライの外面との間に配置され、他端がビードフィラーに配置されることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記サイド補強層は、一端がカーカスプライの外面でタイヤ断面高さの60%以下の範囲に配置され、他端がビードフィラーに配置されることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記サイド補強層は、ベルトとビードフィラーの間でカーカスプライの外面に配置されることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記サイド補強層は、他端が前記ビード部で外側から内側に折り返され、ビード部で内側から外側に折り返されたカーカスプライの内側に配置されることを特徴とする請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記サイド補強層は、他端が前記ビード部で内側から外側に折り返され、ビード部で内側から外側に折り返されたカーカスプライの内側に配置されることを特徴とする請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記サイド補強層は、前記基材が帯状であり、両側部が長手方向に延びる縦線材でそれぞれ構成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記サイド補強層は、前記基材が、前記縦線材を3本以上備え、前記各縦線材の間の各分割領域にそれぞれ複数の多角形部を形成してなることを特徴とする請求項7に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記サイド補強層は、前記基材を構成する各多角形部の形状を変更可能であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記サイド補強層は、前記各分割領域間で形状の相違する多角形部をそれぞれ配置してなることを特徴とする請求項8に従属する請求項9に記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記サイド補強層は、前記多角形部の形状が捩合部ピッチを変更することにより調整可能であることを特徴とする請求項9又は10に記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記サイド補強層は、前記捩合部ピッチが、線材同士の捩合回数、捩合部から延びる単線材の傾斜角度、又は、隣接する線材の間隔を変更することにより調整可能であることを特徴とする請求項11に記載の空気入りタイヤ。
  13. 前記サイド補強層は、前記基材の全体をコーティングする被覆部をさらに備えたことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  14. サイド補強層を備えた空気入りタイヤであって、
    前記サイド補強層は、
    線材同士を互いに捩り合わせてなる捩合部と、
    前記捩合部から延びる、前記線材の一方からなる単線部と、
    で囲まれた多角形部を、同一平面上に連続的に形成してなる基材を備え、
    前記基材の捩合部は2本の線材同士を2回以上捩り合わせることにより形成したことを特徴とする空気入りタイヤ。
  15. 線材同士を互いに捩り合わせてなる捩合部と、前記捩合部から延びる、前記線材の一方からなる単線部と、で囲まれた多角形部を、同一平面上に連続的に形成する基材を備えたサイド補強層の形成工程を備えることを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  16. さらに、前記基材の全体を被覆部でコーティングするベルトの形成工程を備えることを特徴とする請求項15に記載の空気入りタイヤの製造方法。
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