JP2004203170A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】転がり抵抗や重量の増大を招くことなく、サイドウォール部の剛性をバランスよく高めて、タイヤの前後剛性と横剛性をバランスよく高めることができる空気入りタイヤ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】上記目的を達成するために、トレッド部1、サイドウォール部2及びそれぞれのビード部3を具え、両ビード4間にトロイダルに配設されたカーカス5のクラウン部の外周側に、一層以上のベルト層6を配設し、三方向に延在させた補強糸群により構成した三軸織物からなる補強層7を、サイドウォール部2に配設する。
製造方法としては、製品タイヤの内面形状にほぼ対応する外周面形状を有する分割タイプの円環状の剛性コア上で生タイヤを形成するにあたり、その剛性コア上に貼着配置したカーカスコードの外側で、剛性コアのクラウン域を隔てた両側部域に、サイドウォール部の配設に先立って、三軸織物からなる補強層素材を配設する。
【選択図】 図1
【解決手段】上記目的を達成するために、トレッド部1、サイドウォール部2及びそれぞれのビード部3を具え、両ビード4間にトロイダルに配設されたカーカス5のクラウン部の外周側に、一層以上のベルト層6を配設し、三方向に延在させた補強糸群により構成した三軸織物からなる補強層7を、サイドウォール部2に配設する。
製造方法としては、製品タイヤの内面形状にほぼ対応する外周面形状を有する分割タイプの円環状の剛性コア上で生タイヤを形成するにあたり、その剛性コア上に貼着配置したカーカスコードの外側で、剛性コアのクラウン域を隔てた両側部域に、サイドウォール部の配設に先立って、三軸織物からなる補強層素材を配設する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、サイドウォール部を補強し、操縦安定性および駆動、制動の応答性を向上させた空気入りタイヤ及びその製造方法、なかでも生タイヤの成型方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の車両の高速化、高運動性能化に伴って、旋回走行時の速度が向上し、タイヤに発生する横力も大きくなってきたので、これに対応して操縦安定性を向上させるためには、従来タイヤに比して横剛性を高めることが必要であり、また、これに併せて駆動性能および制動性能をも向上させるためには、タイヤの前後剛性も従来タイヤに比して高めることが必要である。
【0003】
タイヤの操縦安定性を向上する手法として、サイドウォール部に螺旋状にコードを巻回した一層の補強層を配設して、サイドウォール部の剛性を高めることが提案されているが(例えば特許文献1参照)、この手法では、コードの延在方向が一方向のみであるため、前後剛性と横剛性とを高い次元でバランスよく向上させることが困難であった。
これがため、複数層の引き揃えコードよりなる補強層を、各々の補強層コードが交差するように積層して配設することも試みられてきたが、複数層の補強層の層間にせん断歪が発生して転がり抵抗が増大し、かつ、タイヤ重量が増大するという問題点があった。
ところで、補強層全体の厚みを軽減するために、仮に各々の厚みが薄い複数層の補強層を積層できたとしても、各層間相互に作用する拘束力が十分でないことから、前述のような転がり抵抗の増大を防止できないという問題点が依然としてあった。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−59714号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術が抱えるこのような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、転がり抵抗や重量の増大を招くことなく、サイドウォール部の剛性をバランスよく高めて、タイヤの前後剛性と横剛性をバランスよく高めることができる空気入りタイヤ及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の空気入りタイヤは、トレッド部、サイドウォール部及びそれぞれのビード部と、それぞれのビード部内に設けたそれぞれのビード間にトロイダルに配設されたカーカスクラウン部の外周側に、一層以上のベルト層を配設し、サイドウォール部に、三方向に延在させた補強糸群により構成される三軸織物からなる補強層を配設してなる。
【0007】
ここで三軸織物とは、好ましくは、高強度、高弾性の長繊維を束ねた補強糸が用いられ、平面内で一定方向へ互いに平行に延在する補強糸からなる第一の補強糸群と、第一の補強糸群に対して所定の角度で斜め方向に交差する方向に互に平行に配列される多数本の補強糸からなる第二の補強糸群と、第一および第二のそれぞれの補強糸群に対して斜め方向に交差する方向へ互いに平行に延在する多数本の補強糸からなる第三の補強糸群とを、互い違いに交差させて織った一層のシート状の織物である。
【0008】
かかる三軸織物をサイドウォール部に配設することにより、サイドウォール部に作用する複数方向の力を、補強層内の三方向に延在させたそれぞれの補強糸群で分散させて支持して、タイヤの前後剛性および横剛性を高めることができる。また、三軸織物からなる補強層では、複数方向の力を一枚の補強層で分散させて支持することができるので、たとえば簾織のコード補強層を複数枚配設する場合に比し、タイヤ全体の重量増加、複数補強層の相互間のせん断歪に起因する転がり抵抗の増大を防止することができる。
【0009】
ここで好ましくは、補強層を、サイドウォール部のタイヤ最大幅位置もしくはその近傍を中心に、それの半径方向の内方及び外方のそれぞれの領域に配設する。
これによれば、サイドウォール部の最も屈曲の大きい部分に補強層を位置させて、サイドウォール部の剛性をより効果的に高めて、タイヤの前後剛性および横剛性をバランスよく高めることができる。
【0010】
また、好ましくは、補強層の半径方向の幅を、タイヤの断面高さの10〜50%の範囲とする。
ここで、断面高さとは、タイヤの外径とリム径の差の1/2であり、外径とはタイヤに適用リムを装着し、最大負荷能力に対応する規定の空気圧を充填し、無負荷状態でのタイヤの最大径である。また、適用リムとは下記の規格に規定されたリムをいい、最大負荷能力とは、下記の規格でタイヤに負荷することが許される最大の質量をいう。
そして規格とは、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格によって決められている。例えば、アメリカ合衆国では”The Tire and Rim AssociationInc.のYear Book”であり、欧州では”The European Tire and Rim Technical OrganizationのStandards Manual”であり、日本では日本自動車タイヤ協会の”JATMA Year Book”である。
【0011】
これによれば、さらに効果的に、タイヤの前後剛性および横剛性をバランスよく高めることができる。
10%未満ではタイヤの前後剛性および横剛性を向上させる効果が小さく、50%を超えると、タイヤの上下剛性が大きくなりすぎて、タイヤの振動伝達率が大きくなり、屈曲性能が悪化して、車両の乗り心地が悪くなるおそれがある。
【0012】
そしてまた好ましくは、三軸織物を構成する補強糸群のそれぞれを相互に約60度の角度で交差させる。
【0013】
これによれば、補強層の剛性の等方性をさらに高めることができ、サイドウォール部に作用する複数方向の力を、補強層内の三方向に延在させた補強糸群により、さらにバランスよく分散させて支持して、タイヤの前後剛性および横剛性をともにバランスよく高めることができる。
【0014】
ここで、補強糸は、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリアミド等の有機繊維の撚りコードまたはモノフィラメント、あるいは、スチールコード等の金属繊維の撚りコードまたはモノフィラメントにて構成することができる。
【0015】
以上に述べたような空気入りタイヤの製造方法は、製品タイヤの内面形状にほぼ対応する外周面形状を有する分割タイプの円環状の剛性コア上に貼着配置したカーカスコードの外側で、剛性コアのクラウン域を隔てた両側部域に、サイドウォールゴムの配設に先立って、三軸織物からなる補強層素材を配設して生タイヤを成型することにある。
【0016】
これによれば、生タイヤの成型に際して、剛性コア上の配設部材を変形させることなく、その成型を行うことができるので、いわゆるシェーピング工程等で生じるグリーンケースの拡径変形を防止することができる。また、剛性コア上の生タイヤを剛性コアとともに加硫モールド内へ装入することで、その生タイヤを拡径変形等させることなく加硫することができるので、生タイヤのモールド内での加硫に際する拡径変形が不要となる。
【0017】
これがため、三軸織物からなる補強層をサイドウォール部に配設するにあたり、従来のいわゆるブラダーを用いた生タイヤの成型において発生するタイヤの拡張により、三軸織物からなる補強層素材の織り目がずれて、補強糸群の延在方向がずれ、剛性の等方性が損なわれ、あるいは補強層素材それ自体の位置がずれて、サイドウォール部に発生する力をバランスよく支持できなくなり、製品タイヤのユニフォミティが低下することを防止することができ、より品質の高い、三軸織物からなる補強層をサイドウォール部に配設した空気入りタイヤを製造することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態を図面に示すところに基づいて説明する。
図1はこの発明の実施の形態をタイヤの半部について示す幅方向断面図であり、図中1はトレッド部を、2はトレッド部1の側部に連続して半径方向内方へ延びる一対のサイドウォール部を、そして3は各サイドウォール部2の半径方向の内周側に連続するビード部をそれぞれ示す。
さらに、それぞれのビード部内に配設された一対のビード4間にトロイダルに延在して上記各部1、2、3を補強するカーカス5を形成する。また、このようなカーカス5のクラウン部の外周側に、図では二層のベルト層7を配設する。
【0019】
図2はカーカス5を形成するカーカスコードの延在態様を模式的に表わす展開図である。一方の幅方向端部側においてカーカスコードをタイヤ周方向に延在させた部分aを形成した後、他方の幅方向端部側に向かってカーカスコードを子午線方向に延在させた部分bを形成して、他方の幅方向端部側においてカーカスコードをタイヤ周方向に延在させた部分cを形成して、再び一方の幅方向端部側に向かってカーカスコードを子午線方向に延在させた部分dを形成し、以降これらを繰り返して、それぞれのビード4間にトロイダルに延在する上記各部1、2、3を補強するカーカス5を形成する。
【0020】
ここで、サイドウォール部2には三軸織物からなる補強層7を配設し、この場合の補強層7の配設領域は、好ましくはタイヤ幅方向断面内の最大幅位置Wmaxを中心として、補強層7の半径方向の幅Lのタイヤの断面高さSHに対する比率L/SH×100(%)を10〜50%の範囲としている。
【0021】
ここで三軸織物は、それぞれの補強糸群が図3に示すような延在形態を有するものとすることができ、同一平面内において、第一の方向xに互いに平行に配列される補強糸11からなる第一の補強糸群10と、第一の方向xに対して所定の角度αで右斜め方向に交差する第二の方向yに互に平行に配列される多数本の補強糸21からなる第二の補強糸群20と、第一の方向に対して所定の角度βで左斜め方向に交差する第三の方向に互いに平行に配列される多数本の補強糸31からなる第三の補強糸群30とを備え、第一、第二及び第三の補強糸群を構成する各補強糸を、互い違いに交差させて織った一層のシート状の織物である。
ここでは、第一の方向xと第二の方向yとのなす角度αと、第一の方向xと第三の方向とのなす角度βはともに60度としている。
【0022】
これによれば、サイドウォール部2に作用する複数方向の力を、補強層内の三方向に相互に60度の角度をもって延在させた補強糸群10、20、30で分散して支持して、サイドウォール部2の剛性を三方向にバランスよく向上させて、タイヤの前後剛性および横剛性を向上させることができる。
【0023】
ここで、補強糸としては、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリアミド等の有機繊維材料のモノフィラメントコードまたは、スチール等の金属繊維材料のモノフィラメントコードとすることができる。前者によれば、タイヤ全体の重量の増加を有利に抑制することができ、また、後者によれば、サイドウォール部に複数の力に対する支持能力をより大きく高めることができる。
【0024】
図4〜9は、本発明の空気入りタイヤの製造方法を例示する断面斜視図である。図中51は製品タイヤの内面形状にほぼ対応する外周面形状を有する円環状の剛性コアの一部を示す。
ここではじめに5〜20mm程度の幅の長尺のゴムストリップを剛性コアの外周面上の円周方向に延在させてその幅方向にほぼ螺旋状に巻回して、図4に示すように、剛性コア51の外周面を覆う形態にて、インナーライナー素材52を形成して、インナーライナー素材52の外周側の半径方向内側端近傍に、図5に示すように、コードのほぼ渦巻状の巻回構造による内側ビード素材53を配設する。さらに、カーカスコード54を、剛性コア51のそれぞれの内周側端近傍にて剛性コア51の子午線方向への延在部分と、周方向への延在部分とを交互に形成して、内側ビード素材53間にトロイダルに配設して、カーカス素材55を形成する。
【0025】
さらに、カーカス素材55の周方向への延在部分の外周側に、図6に示すように、コードのほぼ渦巻状の巻回構造による外側ビード素材56を配設する。加えて、カーカス素材54のクラウン部の外周側に、二層のベルト層素材57を配設する。
さらに、図7に示すように、カーカス素材55の、剛性コア51のクラウン域を隔てた両側部域に、三軸織物からなる補強層7を形成する補強層素材58を配設したのち、図8に示すように、その幅方向外側にサイドウォールゴム59を貼り付け、その後、図9に示すように、カーカス素材55のクラウン部の外周部にトレッドゴム60を貼り付ける。
【0026】
この方法によれば、三軸織物からなる補強層素材58を、剛性コア51の内周側からの支持をもって、サイドウォール部に配設して補強層7を形成し、そのままサイドウォール部およびトレッド部を形成し、タイヤの拡径変形を不要とすることができ、補強層素材を配設した後にタイヤが拡径することを防止することができる。これにより、従来のブラダーを用いたタイヤの成型において発生する、補強層素材の織り目がずれて剛性の等方性が損なわれて、あるいは補強層素材の配設位置自体がずれて、サイドウォール部に発生する力をバランスよく支持できなくなり、補強層の密度が乱れて製品タイヤのユニフォミティが低下する問題点を解消することができ、より品質の高い、三軸織物からなる補強層をサイドウォール部に配設した空気入りタイヤを製造することができる。
【0027】
【実施例】
(実施例1)
本発明に係る、サイドウォール部に三軸織物からなる補強層を配設したタイヤの操縦安定性能と振動乗り心地性能を評価する目的で、サイズが205/65 R15の、サイドウォール部に簾織の一層の補強層を設けた比較例タイヤと、三軸織物からなる補強層を配設した実施例タイヤを、サイズが6JJ×15のリムに装着し、タイヤへの充填空気圧を200kPaとし、試験車両に装着して、専門のドライバーにより、操縦安定性能と振動乗り心地性能のフィーリングテストを行った。評価は比較例タイヤ1をコントロールタイヤとした10点法の相対評価にてコントロール対比で、
0:変らない、
±2:やや良い(悪い)と思われる
±4:良い(悪い)
と区別した。なお、+のタイヤは操縦安定性がコントロールタイヤより良いことを示している。その結果を表1に示す。
ここで、供試タイヤはこれも表1に示すように、補強層の種類、材質、配設層数、半径方向の幅の組み合わせにより、三種類の実施例タイヤおよび、三種類の比較例タイヤとした。
【0028】
【表1】
【0029】
(実施例2)
本発明に係る、サイドウォール部に三軸織物からなる補強層を配設したタイヤの製造方法により製造されたタイヤの、操縦安定性能と振動乗り心地性能を評価する目的で、サイズが205/65 R15の、サイドウォール部に補強層を設けていない比較例タイヤと、ブラダーを用いた従来の一般的な製法で製造された三軸織物からなる補強層を配設した比較例タイヤと、三軸織物からなる補強層を配設した実施例タイヤとを、サイズが6JJ×15のリムに装着し、タイヤへの充填空気圧を230kPaとし、試験車両に装着して、専門のドライバーにより、操縦安定性能と振動乗り心地性能のフィーリングテストを行った。評価は比較例タイヤ1をコントロールタイヤとした10点法の相対評価にてコントロール対比で、
0:変らない、
±2:やや良い(悪い)と思われる
±4:良い(悪い)
と区別した。なお、+のタイヤは操縦安定性がコントロールタイヤより良いことを示している。その結果を表1に示す。
ここで、供試タイヤはこれも表1に示すように、補強層の種類、材質、配設層数、半径方向の幅の組み合わせにより、三種類の実施例タイヤおよび、四種類の比較例タイヤとした。
【0030】
【表2】
【0031】
表2において、比較例タイヤ1と比較例タイヤ3、4とを比較すると、ブラダーによる製法で、三軸織物からなる補強層をサイドウォール部に配設した場合には、操縦安定性は向上するものの、振動乗り心地が悪化する場合があることが分かる。これは、ブラダーによる製法では補強層を配設した後に、タイヤが拡径するため、三軸織物の密度が均一とならないためタイヤのユニフォミティが低下することが原因である。
それに対し、剛性コアを用いた製法で製造した実施例タイヤ1〜3と比較例タイヤ2〜4を比較すると、実施例タイヤは全て、比較例タイヤよりも操縦安定性が向上した上で、振動乗り心地も向上することが分かる。これは剛性コア上で形成されたカーカス素材の、製品タイヤとなってサイドウォール部となる部分に、補強層を配設することにより、補強層にタイヤの拡径に伴う力が働くことを防止することができるためである。
【0032】
【発明の効果】
以上に述べたところから明らかなように、この発明によれば、両ビード部内に設けられた両ビード間にトロイダルに配設されたカーカスクラウン部の外周側に、一層以上のベルト層を配設することにより、サイドウォール部に作用する複数方向の力を、補強層内の三方向に延在させた補強糸群で分散させて支持して、サイドウォール部の剛性をともにバランスよく高めて、タイヤの前後剛性および横剛性をバランスよく高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態をタイヤの半部について示す幅方向断面図である。
【図2】カーカスコードの延在態様を模式的に表わす展開図である。
【図3】三軸織物の構造を表わす模式図である。
【図4】本発明の空気入りタイヤの製造方法を例示する断面斜視図である。
【図5】本発明の空気入りタイヤの製造方法を例示する断面斜視図である。
【図6】本発明の空気入りタイヤの製造方法を例示する断面斜視図である。
【図7】本発明の空気入りタイヤの製造方法を例示する断面斜視図である。
【図8】本発明の空気入りタイヤの製造方法を例示する断面斜視図である。
【図9】本発明の空気入りタイヤの製造方法を例示する断面斜視図である。
【符号の説明】
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 ビード
5 カーカス
6 ベルト層
7 補強層
10、20、30 補強糸群
11、21、31 補強糸
51 剛性コア
52 インナーライナー素材
53 内側ビード素材
54 カーカスコード
55 カーカス素材
56 外側ビード
57 ベルト層素材
58 補強層素材
59 サイドウォールゴム
60 トレッドゴム
【発明の属する技術分野】
この発明は、サイドウォール部を補強し、操縦安定性および駆動、制動の応答性を向上させた空気入りタイヤ及びその製造方法、なかでも生タイヤの成型方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の車両の高速化、高運動性能化に伴って、旋回走行時の速度が向上し、タイヤに発生する横力も大きくなってきたので、これに対応して操縦安定性を向上させるためには、従来タイヤに比して横剛性を高めることが必要であり、また、これに併せて駆動性能および制動性能をも向上させるためには、タイヤの前後剛性も従来タイヤに比して高めることが必要である。
【0003】
タイヤの操縦安定性を向上する手法として、サイドウォール部に螺旋状にコードを巻回した一層の補強層を配設して、サイドウォール部の剛性を高めることが提案されているが(例えば特許文献1参照)、この手法では、コードの延在方向が一方向のみであるため、前後剛性と横剛性とを高い次元でバランスよく向上させることが困難であった。
これがため、複数層の引き揃えコードよりなる補強層を、各々の補強層コードが交差するように積層して配設することも試みられてきたが、複数層の補強層の層間にせん断歪が発生して転がり抵抗が増大し、かつ、タイヤ重量が増大するという問題点があった。
ところで、補強層全体の厚みを軽減するために、仮に各々の厚みが薄い複数層の補強層を積層できたとしても、各層間相互に作用する拘束力が十分でないことから、前述のような転がり抵抗の増大を防止できないという問題点が依然としてあった。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−59714号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術が抱えるこのような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、転がり抵抗や重量の増大を招くことなく、サイドウォール部の剛性をバランスよく高めて、タイヤの前後剛性と横剛性をバランスよく高めることができる空気入りタイヤ及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の空気入りタイヤは、トレッド部、サイドウォール部及びそれぞれのビード部と、それぞれのビード部内に設けたそれぞれのビード間にトロイダルに配設されたカーカスクラウン部の外周側に、一層以上のベルト層を配設し、サイドウォール部に、三方向に延在させた補強糸群により構成される三軸織物からなる補強層を配設してなる。
【0007】
ここで三軸織物とは、好ましくは、高強度、高弾性の長繊維を束ねた補強糸が用いられ、平面内で一定方向へ互いに平行に延在する補強糸からなる第一の補強糸群と、第一の補強糸群に対して所定の角度で斜め方向に交差する方向に互に平行に配列される多数本の補強糸からなる第二の補強糸群と、第一および第二のそれぞれの補強糸群に対して斜め方向に交差する方向へ互いに平行に延在する多数本の補強糸からなる第三の補強糸群とを、互い違いに交差させて織った一層のシート状の織物である。
【0008】
かかる三軸織物をサイドウォール部に配設することにより、サイドウォール部に作用する複数方向の力を、補強層内の三方向に延在させたそれぞれの補強糸群で分散させて支持して、タイヤの前後剛性および横剛性を高めることができる。また、三軸織物からなる補強層では、複数方向の力を一枚の補強層で分散させて支持することができるので、たとえば簾織のコード補強層を複数枚配設する場合に比し、タイヤ全体の重量増加、複数補強層の相互間のせん断歪に起因する転がり抵抗の増大を防止することができる。
【0009】
ここで好ましくは、補強層を、サイドウォール部のタイヤ最大幅位置もしくはその近傍を中心に、それの半径方向の内方及び外方のそれぞれの領域に配設する。
これによれば、サイドウォール部の最も屈曲の大きい部分に補強層を位置させて、サイドウォール部の剛性をより効果的に高めて、タイヤの前後剛性および横剛性をバランスよく高めることができる。
【0010】
また、好ましくは、補強層の半径方向の幅を、タイヤの断面高さの10〜50%の範囲とする。
ここで、断面高さとは、タイヤの外径とリム径の差の1/2であり、外径とはタイヤに適用リムを装着し、最大負荷能力に対応する規定の空気圧を充填し、無負荷状態でのタイヤの最大径である。また、適用リムとは下記の規格に規定されたリムをいい、最大負荷能力とは、下記の規格でタイヤに負荷することが許される最大の質量をいう。
そして規格とは、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格によって決められている。例えば、アメリカ合衆国では”The Tire and Rim AssociationInc.のYear Book”であり、欧州では”The European Tire and Rim Technical OrganizationのStandards Manual”であり、日本では日本自動車タイヤ協会の”JATMA Year Book”である。
【0011】
これによれば、さらに効果的に、タイヤの前後剛性および横剛性をバランスよく高めることができる。
10%未満ではタイヤの前後剛性および横剛性を向上させる効果が小さく、50%を超えると、タイヤの上下剛性が大きくなりすぎて、タイヤの振動伝達率が大きくなり、屈曲性能が悪化して、車両の乗り心地が悪くなるおそれがある。
【0012】
そしてまた好ましくは、三軸織物を構成する補強糸群のそれぞれを相互に約60度の角度で交差させる。
【0013】
これによれば、補強層の剛性の等方性をさらに高めることができ、サイドウォール部に作用する複数方向の力を、補強層内の三方向に延在させた補強糸群により、さらにバランスよく分散させて支持して、タイヤの前後剛性および横剛性をともにバランスよく高めることができる。
【0014】
ここで、補強糸は、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリアミド等の有機繊維の撚りコードまたはモノフィラメント、あるいは、スチールコード等の金属繊維の撚りコードまたはモノフィラメントにて構成することができる。
【0015】
以上に述べたような空気入りタイヤの製造方法は、製品タイヤの内面形状にほぼ対応する外周面形状を有する分割タイプの円環状の剛性コア上に貼着配置したカーカスコードの外側で、剛性コアのクラウン域を隔てた両側部域に、サイドウォールゴムの配設に先立って、三軸織物からなる補強層素材を配設して生タイヤを成型することにある。
【0016】
これによれば、生タイヤの成型に際して、剛性コア上の配設部材を変形させることなく、その成型を行うことができるので、いわゆるシェーピング工程等で生じるグリーンケースの拡径変形を防止することができる。また、剛性コア上の生タイヤを剛性コアとともに加硫モールド内へ装入することで、その生タイヤを拡径変形等させることなく加硫することができるので、生タイヤのモールド内での加硫に際する拡径変形が不要となる。
【0017】
これがため、三軸織物からなる補強層をサイドウォール部に配設するにあたり、従来のいわゆるブラダーを用いた生タイヤの成型において発生するタイヤの拡張により、三軸織物からなる補強層素材の織り目がずれて、補強糸群の延在方向がずれ、剛性の等方性が損なわれ、あるいは補強層素材それ自体の位置がずれて、サイドウォール部に発生する力をバランスよく支持できなくなり、製品タイヤのユニフォミティが低下することを防止することができ、より品質の高い、三軸織物からなる補強層をサイドウォール部に配設した空気入りタイヤを製造することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態を図面に示すところに基づいて説明する。
図1はこの発明の実施の形態をタイヤの半部について示す幅方向断面図であり、図中1はトレッド部を、2はトレッド部1の側部に連続して半径方向内方へ延びる一対のサイドウォール部を、そして3は各サイドウォール部2の半径方向の内周側に連続するビード部をそれぞれ示す。
さらに、それぞれのビード部内に配設された一対のビード4間にトロイダルに延在して上記各部1、2、3を補強するカーカス5を形成する。また、このようなカーカス5のクラウン部の外周側に、図では二層のベルト層7を配設する。
【0019】
図2はカーカス5を形成するカーカスコードの延在態様を模式的に表わす展開図である。一方の幅方向端部側においてカーカスコードをタイヤ周方向に延在させた部分aを形成した後、他方の幅方向端部側に向かってカーカスコードを子午線方向に延在させた部分bを形成して、他方の幅方向端部側においてカーカスコードをタイヤ周方向に延在させた部分cを形成して、再び一方の幅方向端部側に向かってカーカスコードを子午線方向に延在させた部分dを形成し、以降これらを繰り返して、それぞれのビード4間にトロイダルに延在する上記各部1、2、3を補強するカーカス5を形成する。
【0020】
ここで、サイドウォール部2には三軸織物からなる補強層7を配設し、この場合の補強層7の配設領域は、好ましくはタイヤ幅方向断面内の最大幅位置Wmaxを中心として、補強層7の半径方向の幅Lのタイヤの断面高さSHに対する比率L/SH×100(%)を10〜50%の範囲としている。
【0021】
ここで三軸織物は、それぞれの補強糸群が図3に示すような延在形態を有するものとすることができ、同一平面内において、第一の方向xに互いに平行に配列される補強糸11からなる第一の補強糸群10と、第一の方向xに対して所定の角度αで右斜め方向に交差する第二の方向yに互に平行に配列される多数本の補強糸21からなる第二の補強糸群20と、第一の方向に対して所定の角度βで左斜め方向に交差する第三の方向に互いに平行に配列される多数本の補強糸31からなる第三の補強糸群30とを備え、第一、第二及び第三の補強糸群を構成する各補強糸を、互い違いに交差させて織った一層のシート状の織物である。
ここでは、第一の方向xと第二の方向yとのなす角度αと、第一の方向xと第三の方向とのなす角度βはともに60度としている。
【0022】
これによれば、サイドウォール部2に作用する複数方向の力を、補強層内の三方向に相互に60度の角度をもって延在させた補強糸群10、20、30で分散して支持して、サイドウォール部2の剛性を三方向にバランスよく向上させて、タイヤの前後剛性および横剛性を向上させることができる。
【0023】
ここで、補強糸としては、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリアミド等の有機繊維材料のモノフィラメントコードまたは、スチール等の金属繊維材料のモノフィラメントコードとすることができる。前者によれば、タイヤ全体の重量の増加を有利に抑制することができ、また、後者によれば、サイドウォール部に複数の力に対する支持能力をより大きく高めることができる。
【0024】
図4〜9は、本発明の空気入りタイヤの製造方法を例示する断面斜視図である。図中51は製品タイヤの内面形状にほぼ対応する外周面形状を有する円環状の剛性コアの一部を示す。
ここではじめに5〜20mm程度の幅の長尺のゴムストリップを剛性コアの外周面上の円周方向に延在させてその幅方向にほぼ螺旋状に巻回して、図4に示すように、剛性コア51の外周面を覆う形態にて、インナーライナー素材52を形成して、インナーライナー素材52の外周側の半径方向内側端近傍に、図5に示すように、コードのほぼ渦巻状の巻回構造による内側ビード素材53を配設する。さらに、カーカスコード54を、剛性コア51のそれぞれの内周側端近傍にて剛性コア51の子午線方向への延在部分と、周方向への延在部分とを交互に形成して、内側ビード素材53間にトロイダルに配設して、カーカス素材55を形成する。
【0025】
さらに、カーカス素材55の周方向への延在部分の外周側に、図6に示すように、コードのほぼ渦巻状の巻回構造による外側ビード素材56を配設する。加えて、カーカス素材54のクラウン部の外周側に、二層のベルト層素材57を配設する。
さらに、図7に示すように、カーカス素材55の、剛性コア51のクラウン域を隔てた両側部域に、三軸織物からなる補強層7を形成する補強層素材58を配設したのち、図8に示すように、その幅方向外側にサイドウォールゴム59を貼り付け、その後、図9に示すように、カーカス素材55のクラウン部の外周部にトレッドゴム60を貼り付ける。
【0026】
この方法によれば、三軸織物からなる補強層素材58を、剛性コア51の内周側からの支持をもって、サイドウォール部に配設して補強層7を形成し、そのままサイドウォール部およびトレッド部を形成し、タイヤの拡径変形を不要とすることができ、補強層素材を配設した後にタイヤが拡径することを防止することができる。これにより、従来のブラダーを用いたタイヤの成型において発生する、補強層素材の織り目がずれて剛性の等方性が損なわれて、あるいは補強層素材の配設位置自体がずれて、サイドウォール部に発生する力をバランスよく支持できなくなり、補強層の密度が乱れて製品タイヤのユニフォミティが低下する問題点を解消することができ、より品質の高い、三軸織物からなる補強層をサイドウォール部に配設した空気入りタイヤを製造することができる。
【0027】
【実施例】
(実施例1)
本発明に係る、サイドウォール部に三軸織物からなる補強層を配設したタイヤの操縦安定性能と振動乗り心地性能を評価する目的で、サイズが205/65 R15の、サイドウォール部に簾織の一層の補強層を設けた比較例タイヤと、三軸織物からなる補強層を配設した実施例タイヤを、サイズが6JJ×15のリムに装着し、タイヤへの充填空気圧を200kPaとし、試験車両に装着して、専門のドライバーにより、操縦安定性能と振動乗り心地性能のフィーリングテストを行った。評価は比較例タイヤ1をコントロールタイヤとした10点法の相対評価にてコントロール対比で、
0:変らない、
±2:やや良い(悪い)と思われる
±4:良い(悪い)
と区別した。なお、+のタイヤは操縦安定性がコントロールタイヤより良いことを示している。その結果を表1に示す。
ここで、供試タイヤはこれも表1に示すように、補強層の種類、材質、配設層数、半径方向の幅の組み合わせにより、三種類の実施例タイヤおよび、三種類の比較例タイヤとした。
【0028】
【表1】
【0029】
(実施例2)
本発明に係る、サイドウォール部に三軸織物からなる補強層を配設したタイヤの製造方法により製造されたタイヤの、操縦安定性能と振動乗り心地性能を評価する目的で、サイズが205/65 R15の、サイドウォール部に補強層を設けていない比較例タイヤと、ブラダーを用いた従来の一般的な製法で製造された三軸織物からなる補強層を配設した比較例タイヤと、三軸織物からなる補強層を配設した実施例タイヤとを、サイズが6JJ×15のリムに装着し、タイヤへの充填空気圧を230kPaとし、試験車両に装着して、専門のドライバーにより、操縦安定性能と振動乗り心地性能のフィーリングテストを行った。評価は比較例タイヤ1をコントロールタイヤとした10点法の相対評価にてコントロール対比で、
0:変らない、
±2:やや良い(悪い)と思われる
±4:良い(悪い)
と区別した。なお、+のタイヤは操縦安定性がコントロールタイヤより良いことを示している。その結果を表1に示す。
ここで、供試タイヤはこれも表1に示すように、補強層の種類、材質、配設層数、半径方向の幅の組み合わせにより、三種類の実施例タイヤおよび、四種類の比較例タイヤとした。
【0030】
【表2】
【0031】
表2において、比較例タイヤ1と比較例タイヤ3、4とを比較すると、ブラダーによる製法で、三軸織物からなる補強層をサイドウォール部に配設した場合には、操縦安定性は向上するものの、振動乗り心地が悪化する場合があることが分かる。これは、ブラダーによる製法では補強層を配設した後に、タイヤが拡径するため、三軸織物の密度が均一とならないためタイヤのユニフォミティが低下することが原因である。
それに対し、剛性コアを用いた製法で製造した実施例タイヤ1〜3と比較例タイヤ2〜4を比較すると、実施例タイヤは全て、比較例タイヤよりも操縦安定性が向上した上で、振動乗り心地も向上することが分かる。これは剛性コア上で形成されたカーカス素材の、製品タイヤとなってサイドウォール部となる部分に、補強層を配設することにより、補強層にタイヤの拡径に伴う力が働くことを防止することができるためである。
【0032】
【発明の効果】
以上に述べたところから明らかなように、この発明によれば、両ビード部内に設けられた両ビード間にトロイダルに配設されたカーカスクラウン部の外周側に、一層以上のベルト層を配設することにより、サイドウォール部に作用する複数方向の力を、補強層内の三方向に延在させた補強糸群で分散させて支持して、サイドウォール部の剛性をともにバランスよく高めて、タイヤの前後剛性および横剛性をバランスよく高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態をタイヤの半部について示す幅方向断面図である。
【図2】カーカスコードの延在態様を模式的に表わす展開図である。
【図3】三軸織物の構造を表わす模式図である。
【図4】本発明の空気入りタイヤの製造方法を例示する断面斜視図である。
【図5】本発明の空気入りタイヤの製造方法を例示する断面斜視図である。
【図6】本発明の空気入りタイヤの製造方法を例示する断面斜視図である。
【図7】本発明の空気入りタイヤの製造方法を例示する断面斜視図である。
【図8】本発明の空気入りタイヤの製造方法を例示する断面斜視図である。
【図9】本発明の空気入りタイヤの製造方法を例示する断面斜視図である。
【符号の説明】
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 ビード
5 カーカス
6 ベルト層
7 補強層
10、20、30 補強糸群
11、21、31 補強糸
51 剛性コア
52 インナーライナー素材
53 内側ビード素材
54 カーカスコード
55 カーカス素材
56 外側ビード
57 ベルト層素材
58 補強層素材
59 サイドウォールゴム
60 トレッドゴム
Claims (6)
- トレッド部、サイドウォール部及びそれぞれのビード部と、それぞれのビード部内に設けたそれぞれのビード間にトロイダルに配設されたカーカスクラウン部の外周側に、一層以上のベルト層を配設した空気入りタイヤであって、
サイドウォール部に、三方向に延在させた補強糸群により構成される三軸織物からなる補強層を配設してなる空気入りタイヤ。 - 補強層を、サイドウォール部のタイヤ最大幅位置もしくはその近傍を中心に、それの半径方向の内方及び外方のそれぞれの領域に配設してなる請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 補強層の半径方向の幅を、タイヤの断面高さの10〜50%の範囲としてなる請求項1もしくは2に記載の空気入りタイヤ。
- 三軸織物を構成する補強糸群のそれぞれを相互に約60度の角度で交差させてなる請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 補強糸群を構成する補強糸を、有機繊維または金属繊維としてなる請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 製品タイヤの内面形状にほぼ対応する外周面形状を有する分割タイプの円環状の剛性コア上で生タイヤを形成するにあたり、その剛性コア上に貼着配置したカーカスコードの外側で、剛性コアのクラウン域を隔てた両側部域に、サイドウォールゴムの配設に先立って、三軸織物からなる補強層素材を配設する空気入りタイヤの製造方法。
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