JP3779893B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤ重量を軽減しかつ操縦性能を向上でき特に乗用車用として好適に採用しうる空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
空気入りラジアルタイヤ、特に乗用車用ラジアルタイヤは、そのカーカス層が、1又は2枚のカーカスコードプライから形成される。通常このカーカスコードプライが1枚のものは、ビードコアの回りを内側から外側に巻き上げることによって係止されている。又カーカスコードプライが2枚のものでは、2枚とも巻き上げるものと、1枚のみを巻き上げ他の1枚をタイヤ軸方向外側で巻き下ろすことも行われている。そしていずれの場合も、高剛性のゴムで形成されたビードエーペックスと、カーカスコードプライの巻上げ部の高さによって、サイドウォール部の剛性を確保し、タイヤ横剛性を高めて必要な操縦性能を維持してきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年の車両の高性能化、省燃費化に伴い、タイヤの軽量化が強く望まれているが、このタイヤ軽量化と操縦性能とは、二律背反する性能となり、従来、双方を十分満足するタイヤを得るに至っていない。すなわち従来のように、操縦性能を高めるために、カーカスコードプライ数を2枚に増加しかつこれらの巻上げ高さを高める手法、またはビードエーペックスの高さを増加させる手法等では、タイヤ重量の増加を招来する。逆に、カーカスコードプライの巻上げ高さ、ビードエーペックスの高さを減少させてタイヤ重量を軽減させれば、操縦性能の低下を引き起こすこととなる。
【0004】
本発明は、ベルト層外端部とタイヤ最大巾位置との間の領域においてカーカスコードプライが互いに隣り合う部分に、プライ離間部分を形成することを基本として、操縦性能を向上させつつタイヤ重量を軽減する空気入りラジアルタイヤの提供を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至る本体部を有する複数枚のカーカスコードプライからなるカーカス層、該カーカス層のタイヤ半径方向外側に配された高弾性コードからなるベルト層、及び前記ビードコアのタイヤ半径方向外側からのびるビードエーペックスを有する空気入りラジアルタイヤであって、
前記カーカス層が、前記本体部と、この本体部に連なりかつビードコアの回りをタイヤの内側から外側にかけて巻上げ前記ビードエーペックスのタイヤ軸方向外面側をのびる巻上げ部とを有する1枚のカーカスコードプライ(以下、カーカスプライともいう)、及びこのカーカスコードプライの前記本体部の外側をへてビードエーペックスのタイヤ軸方向外側と前記カーカスコードプライの巻上げ部との間を通りかつビードコアを折り返すことなく終端する、前記本体部のみの1枚のカーカスコードプライとからなり、
前記ベルト層の軸方向外端部からタイヤがタイヤが最大巾となる最大巾位置までの間の前記2枚のカーカスコードプライの本体部が隣り合う隣り合い部分に、スペーサゴムを介在させることにより、隣り合う本体部のコード間距離をコード径の0.55〜5.5倍としたプライ離間部分を形成するとともに
前記スペーサゴムは、そのタイヤ半径方向の内端が前記ビードエーペックスの外端をタイヤ半径方向内側に越えて位置することにより、前記ビードエーペックスと前記スペーサゴムとが互いに重なり合う重複部を具えることを特徴とする。
【0006】
ベルト層のタイヤ軸方向外端部からタイヤ最大巾位置に至る領域Yは、タイヤ転動時最も曲げ変形の大きい部分であり、この領域Yにおける剛性を高め曲げ変形を抑制することが操縦性の向上に最も効果を発揮する。
【0007】
一般に、タイヤが荷重を受けて屈曲するとき、前記領域Yは、図4に模式的に示すように、曲げモーメントMにより曲げ変形を受け、その変形時の曲げ中心線Xは、ほぼカーカスコードプライA、Bの中間にある。従って各プライが隣接し、前記中心線Xからカーカスコードまでの距離が小な従来タイヤにおいては、前記曲げモーメントMは、カーカスコード自体の曲げ剛性のみに負担されることとなり、その補強効果は極めて低いものである。
【0008】
図5に模式的に示すように、前記プライ6A、6Bが隣接する部分にスペーサゴム9を介在させてプライ離間部分10を形成した本発明のタイヤにあっては、曲げ中心線Xからカーカスコードまでの距離が大となる。その結果、曲げ変形の際内のプライ6Aには圧縮応力が又外のプライ6Bには引張応力が夫々作用することとなる。すなわち、前記曲げモーメントMは、カーカスコードの曲げ剛性に加え、さらに高い値のコード引張弾性率によっても支承されることとなり、従来と同じコードプライを使用した場合にも、極めて高い曲げ剛性を発揮でき、タイヤ重量を増加させることなく、操縦性能を向上できる。
【0009】
また、このため、操縦性能を犠牲にすることなしに、タイヤ重量に占める割合の大きなビードエーペックスを減少させてタイヤ軽量化を図ることも可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述する。
【0011】
図1は、正規リムにリム組みされかつ正規内圧を充填した状態のタイヤの子午断面の右の一部を示している。なお以下、タイヤの基本構成を図3に基づき説明するが、この図3は、カーカス層6の構造、スペーサゴム9の配置が本発明と異なるため、カーカス層6,スペーサゴム9に関しては図1による。
【0012】
図3において、空気入りラジアルタイヤ1(以下タイヤ1という)は、トレッド部2と、このトレッド部2の両端からタイヤ半径方向内方にのびる一対のサイドウォール部3と、各サイドウォール部3の内方端に位置しかつ環状のビードコア5に補強されるビード部4とを具え、本例では、タイヤ最大巾Wに対するタイヤ断面高さHの比である偏平率H/Wを0.60以下とした、乗用車用偏平ラジアルタイヤとして形成される。
【0013】
又タイヤ1には、前記ビード部4、4間に、カーカス層6が架け渡されるとともに、該カーカス層6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2内方には、強靱なベルト層7がタガ効果を有して配置され、前記高偏平率を有してタイヤを拘束する。
【0014】
なお前記ビード部4には、前記ビードコア5からタイヤ半径方向外側に向かって先細状にのびる断面略三角形状の高剛性のゴムからなるビードエーペックス8が設けられ、ビード部4からサイドウォール部3に至り補強する。ビードエーペックス8は、ビードベースラインBLからのエーペックス高さHBを、従来タイヤより小とすることができ、本例では、タイヤ断面高さHの0.50倍以下、例えば0.48倍程度としている。なおビードエーペックス8のゴムのJISA硬度は80〜95度、複素弾性率E*は300〜600kg/cm2 であることが好ましい。
【0015】
又前記ベルト層のタイヤ半径方向外側には、タイヤ円周方向にほぼ平行な有機繊維コードよりなるバンド層25を設けている。このバンド層25は、本実施例では、ナイロンコードを用いるとともに、前記ベルト層7の略全巾を覆うフルバンド23と、前記ベルト層7の両ショルダ部を覆う一対のエッジバンド24からなるものを例示している。
【0016】
前記ベルト層7は、例えばスチール繊維、芳香族ポリアミド繊維等を用いた高弾性のベルトコードをタイヤ赤道Cに対して30度以下の小角度で配列した複数枚、本例では、2枚のベルトプライ7A、7Bから形成される。
【0017】
又前記カーカス層6は、図1に示すごとく、トレッド部からサイドウォール部3をへてビードコア5に至る本体部20Dの両端に、ビードコア5の回りをタイヤ内側から外側にかけて巻上げられる巻上げ部21Dを形成した1枚のカーカスプライ6Dと、このカーカスプライ6Dのタイヤ軸方向外側で、トレッド部からサイドウォール部3をへてビードエーペックス8のタイヤ軸方向外側かつ巻上げ部21Dの内側を通ってビードコア5に至る本体部20Eのみからなる1枚のカーカスプライ6Eからなるカーカス層6を設けている。
【0018】
カーカスプライ6Dの巻上げ部21Dは、前記ビードエーペックス8のタイヤ軸方向外側をのびかつその上端及びタイヤ最大巾位置P1をこえてタイヤ半径方向外側に延在し、その端部6Deは、ベルト層7の外端部7eと離間したものを例示するが、重複する態様をも含めうる。又カーカスプライ6Eは、図1に明示するように、ビードベースラインBLから距離Sを隔てて終端する。又カーカスプライ6Eは、カーカスコードプライ6Dの前記本体部20Dの外側をへてビードエーペックス8のタイヤ軸方向外側と前記カーカコードスプライ6Dの巻上げ部21Dとの間を通りかつビードコア5を折り返すことなく終端する。
【0019】
又前記カーカス6は、2枚のカーカスプライ6D、6Eの本体部20D、20Eが前記領域Y内において、互いに隣り合う隣り合い部分K3を形成する。そしてこの隣り合い部分K3にスペーサゴム9を配設することによって、一方のカーカスプライ6Dの本体部20D内のカーカスコードを他方のカーカスプライ6Eの本体部20E内のカーカスコードとの間のコード間距離Dをコードの直径dの0.55〜5.5倍とするプライ離間部分10を、隣り合い部分K3内に形成している。
【0020】
各カーカスプライ6D、6Eは、図3に示すように、ポリエステル繊維等の有機繊維を用いたカーカスコード22をタイヤ赤道Cに対して70〜90度の角度で配列したコード配列体を有し、このコード配列体をトッピングゴム12で被覆することによってカーカスプライ6D、6Eを形成する。
【0021】
前記スペーサゴム9は均一厚さのシート状、又は中央部を厚肉とし、かつこの中央部からタイヤ半径方向内外に向けた両端部を先細状とした形状が好ましく、本実施例では前記両端部を除いて均一厚さとしたシート状の挿入ゴムを用いている。なお、ここでスペーサゴム9の両端部とは、タイヤ半径方向内外の両端から中央部に向けて後述するカーカスコードのコード間距離Dの3倍に至る部分をいう。
【0022】
かかるスペーサゴム9を前記本体部20D、20E間に介在させることによって、図1に示すように、本体部20D内のカーカスコード22と本体部20E内のカーカスコード22との間のコード間距離Dがカーカスコード22のコードの直径dの0.55倍以上かつ5.5倍以下となるプライ離間部分10を、前記隣り合い部分K2に形成している。そしてこのプライ離間部分10の形成によって、最も曲げ変形の大きい前記領域Yでの曲げ剛性を高め、操縦性能の向上とタイヤの軽量化との両立を達成する。
【0023】
ここで前記コードの直径dを一定とし、コード間距離Dを種々変化させたタイヤを試作し操縦性能・乗り心地性能をテストした。テスト評価の方法や、タイヤの詳細は、後述する表1及び実施例1に従っている。このテストは、具体的には、図3(カーカスコードプライの構成は図10に生じされる)に示すような、2枚の巻上げ部を有するカーカスコードプライ6A,6Bを有するタイヤを用いてテストしている。その結果、2枚の巻上げ部を有するカーカスコードプライ6A,6Bを有するタイヤにおいては、図6に示すように操縦性能はコード間距離Dを大とすることにより向上する一方で、乗り心地性能は逆に低下することが判明した。この両性能を同時に満足しつつタイヤ重量の増加を防止しうる範囲として、前記のごとくコード間距離Dは、コード径dの0.55〜5.5倍としている。
【0024】
前記コード間距離Dがコードの直径dの0.55倍未満では、曲げ剛性の向上効果が得られないため操縦性能が向上せず、又5.5倍をこえても、操縦性能は殆ど向上せず、逆に乗り心地性能が急激に悪化する他、タイヤ重量の不必要な増加及びカーカス層6のプロファイルが歪となるタイヤユニフォミティーの悪化を招く。この範囲中、特に好ましくは、1.5〜2.5倍の範囲である。なお乗用車用ラジアルタイヤにおいては、一般に前記コード間距離Dは0.3〜3.0mm程度、より好ましくは0.8〜1.5mm程度である。
【0025】
又前記コード間距離Dは、スペーサゴム9の上端から下端にわたる全領域のうち、スペーサーゴム9がベルト層7及びビードエーペックス8に夫々重ならない部分の平均値を意味するが、好ましくは前記全領域に亘ってコード径の0.55〜5.5倍、より好ましくは1.5〜2.5倍が良い。但し、スペーサゴム9の両端部が前述の如く先細状をなす場合には、該両端部においては、前記範囲外であっても良い。
【0026】
次に、前記スペーサゴム9の上端9aは、前記領域Yに位置することによりベルト層の外端部7eとの間に隙間を設けても良く、又前記領域Yを半径方向外側に越えてベルト層の外端部7eと重ね合わせて終端させても良い。ここで前記タイヤ断面高さHを一定とし、スペーサゴム9の上端9aの位置を変えて前記隙間の距離Z、又は重複部の距離Z′を種々変化させたタイヤを試作し、操縦性能、乗り心地性能をテストを行った。テスト評価の方法や、タイヤの詳細は、後述する表1及び実施例1に従っており、その結果は図7に示すとおりである。このテストは、具体的には、図3(カーカスコードプライの構成は図10に生じされる)に示すような、2枚の巻上げ部を有するカーカスコードプライ6A,6Bを有するタイヤを用いてテストしている。その結果、2枚の巻上げ部を有するカーカスコードプライ6A,6Bを有するタイヤにおいては、図から明らかなように、スペーサゴム9の上端9aを、ベルト層の外端部7eと重ね合わせることなく隙間を設けて位置させた場合には、乗り心地性能の向上を図りうる点で好ましい。特に前記隙間の距離Zを、タイヤ断面高さHの0.05〜0.3倍、より好ましくは0.05〜0.2倍とすることが望ましい。前記値が0.05倍未満では、スペーサゴム9とベルト層の外端部7eとの間に歪が集中し易くタイヤ損傷を招く傾向にある一方で、0.3倍、より明確には0.2倍を越えても乗り心地性能の大きな向上を期待し得ない傾向にある。
【0027】
又スペーサゴム9の上端9aを、図9に示すようにベルト層の外端部7eと重ね合わせると、操縦性能を向上しうる点で好ましい。特に、重ね合わせた重複部の距離Z′を、タイヤ断面高さHの0.05〜0.4倍、より好ましくは0.05〜0.2倍とすることが望ましい。前記値が0.05倍未満ではスペーサゴム9とベルト層の外端部7eとの間に歪が集中し易くタイヤ損傷を招く傾向にある一方で、0.4倍、より明確には0.2倍を越えても操縦性能の向上が期待できず、タイヤ重量のみが増加する傾向にあるためである。
【0028】
又前記試作タイヤについて、ドラム耐久テスト(荷重:700kg、内圧:2.0kg/cm2 、リムサイズ:16×7JJ、ドラム径:0.9m、速度:80km/h、走行距離:50000km)を併せて実施した所、Z=0(Z′=0)のタイヤのみ距離42000km時に、ベルト端部でエッジルースが発生し、走行不能になったが、他のタイヤには損傷発生は無く完走したことが判明している。
【0029】
同様にスペーサゴム9の下端9bは、図1に示すようにビードエーペックス8の上端をタイヤ半径方向内側に越えて位置することにより互いに重なり合う重複部Jを設けている。
【0030】
以上の点に関し、タイヤ断面高さHを一定とし、スペーサゴム9の下端9bの位置を種々変化させたタイヤを試作し、操縦性能、乗り心地性能をテストした。テスト評価の方法やタイヤの詳細は後述する表1及び実施例1に従っている。このテストは、具体的には、図3(カーカスコードプライの構成は図10に生じされる)に示すような、2枚の巻上げ部を有するカーカスコードプライ6A,6Bを有するタイヤを用いてテストしている。その結果、2枚の巻上げ部を有するカーカスコードプライ6A,6Bを有するタイヤにおいては、テストの結果は図8に示す通りである。なお、図中Lは、スペーサゴム9とビードエーペックスの重複部の距離、L′は同隙間の距離である。
【0031】
図8から明らかなように、スペーサゴム9の下端9bとビードエーペックス8を重複させると、タイヤの横剛性がより高められる結果、操縦性能を向上させることができる。このタイヤの横剛性の向上は、重複部の距離Lに略比例するが、前記距離Lがタイヤ断面高さHの0.2倍を越えると、操縦性能の向上が殆ど見られず、逆に乗心地の低下を大とし、しかもタイヤ重量が増加する傾向にある。又前記距離Lがタイヤ断面高さHの0.05倍を下回ると、この重複部に歪が集中しがちとなりタイヤ損傷を誘発する傾向にある。従って、前記重複部の距離Lは、タイヤ断面高さHの0.05〜0.2倍が好ましい範囲として実施しうる。
【0032】
他方、スペーサゴム9と、ビードエーペックスとを重複させることなく、隙間を設けた場合には、図11から明らかなように乗り心地性能を向上させることができる。この際、隙間の距離L′が、タイヤ断面高さHの0.05倍未満では、隙間が小となり、この隙間部分に歪が集中し易くタイヤ損傷を招く恐れがあるため、隙間を設ける場合には、L′/Hの値は0.05以上が好ましい範囲として採用しうる。
【0033】
加うるに、これらの試作タイヤについて、前述のドラム耐久テストを行った後、解体調査を行った結果、L=0(L′=0)のタイヤについてのみ、ビードエーペックス8の上端部でプライルースが発生していることが判明した。
【0034】
又前記スペーサゴム9は、少なくともカーカスプライの前記トッピングゴム12と同等もしくはそれ以上の複素弾性率E*を有するゴム組成物を用いることが好ましく、さらにはそのJISA硬度及び複素弾性率Eを前記ビードエーペックス8のJISA硬度及び複素弾性率E*よりも低く設定することが好ましい。
【0035】
【表1】
Figure 0003779893
【0036】
【表2】
Figure 0003779893
【0037】
実車テストは、2.2kg/cm2 の内圧を充填した各タイヤを4本ずつ用意し、これらを排気量3000ccの国産乗用車に装着した後、2名乗車状態(タイヤ1本当たり約360kg)にてテストコースを走行させ、運転者の官能評価によって各操縦性能を5点法で評価した。数値が大きいほうが良い結果であることを示す。
【0038】
本発明のタイヤはいずれも従来品である比較例に比べ、実車テストにおいて、どの評価にあっても、同等以上の性能を示した。
【0039】
【発明の効果】
叙上のごとく本発明の空気入りラジアルタイヤは、これまで、困難であったタイヤ重量の軽減、操縦性能の向上という二律背反の二性能を同時に向上させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示すタイヤの子午断面図である。
【図2】 スペーサゴムを拡大して例示する断面図である。
【図3】 カーカス層、スペーサゴム配置以外の他の構成を説明する断面図である。
【図4】 従来タイヤの作用を説明するための略線図である。
【図5】 本発明の作用を説明するための略線図である。
【図6】 操縦性能、乗り心地性能とD/dの関係を示すグラフである。
【図7】 操縦性能、乗り心地性能とZ/H、Z′/Hの関係を示すグラフである。
【図8】 操縦性能、乗り心地性能とL/H、L′/Hの関係を示すグラフである。
【図9】 本発明の他の実施例を示すタイヤ断面の略図である。
【図10】 比較例タイヤを例示する断面図である
【符号の説明】
1 空気入りラジアルタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス層
6A、6B、6C、6D、6E カーカスプライ
6Ae、6Be、6Ce 端部
7 ベルト層
8 ビードエーペックス
9 スペーサゴム
10 プライ離間部分
20、20A、20B、20C、20D、20E 本体部
21、21A、21B、21C、21D 巻上げ部
K1、K2 隣り合い部分
P タイヤ最大巾位置
Y 領域

Claims (2)

  1. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至る本体部を有する複数枚のカーカスコードプライからなるカーカス層、該カーカス層のタイヤ半径方向外側に配された高弾性コードからなるベルト層、及び前記ビードコアのタイヤ半径方向外側からのびるビードエーペックスを有する空気入りラジアルタイヤであって、
    前記カーカス層が、前記本体部と、この本体部に連なりかつビードコアの回りをタイヤの内側から外側にかけて巻上げ前記ビードエーペックスのタイヤ軸方向外面側をのびる巻上げ部とを有する1枚のカーカスコードプライ、及びこのカーカスコードプライの前記本体部の外側をへてビードエーペックスのタイヤ軸方向外側と前記カーカスコードプライの巻上げ部との間を通りかつビードコアを折り返すことなく終端する、前記本体部のみの1枚のカーカスコードプライとからなり、
    前記ベルト層の軸方向外端部からタイヤがタイヤが最大巾となる最大巾位置までの間の前記2枚のカーカスコードプライの本体部が隣り合う隣り合い部分に、スペーサゴムを介在させることにより、隣り合う本体部のコード間距離をコード径の0.55〜5.5倍としたプライ離間部分を形成するとともに
    前記スペーサゴムは、そのタイヤ半径方向の内端が前記ビードエーペックスの外端をタイヤ半径方向内側に越えて位置することにより、前記ビードエーペックスと前記スペーサゴムとが互いに重なり合う重複部を具えることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記スペーサゴムは、少なくともカーカスプライのトッピングゴムと同等もしくはそれ以上の複素弾性率E*を有するとともに、前記ビードエーペックスのゴムのJISA硬度は80〜95度、複素弾性率E*は300〜600kg/cm2 、しかもスペーサゴムは該ビードエーペックスのJISA硬度及び複素弾性率E*よりも低いゴム組成物からなることを特徴とする請求項1記載の空気入りラジアルタイヤ。
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