JP3240119B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
空気入りタイヤInfo
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- JP3240119B2 JP3240119B2 JP20038796A JP20038796A JP3240119B2 JP 3240119 B2 JP3240119 B2 JP 3240119B2 JP 20038796 A JP20038796 A JP 20038796A JP 20038796 A JP20038796 A JP 20038796A JP 3240119 B2 JP3240119 B2 JP 3240119B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カーカスをラジア
ル配列のカーカスプライとバイアス配列のカーカスプラ
イとで形成することによって、操縦安定性と高速耐久性
とを両立して向上しうる空気入りタイヤに関する。
ル配列のカーカスプライとバイアス配列のカーカスプラ
イとで形成することによって、操縦安定性と高速耐久性
とを両立して向上しうる空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】カー
カスプライのコード角度をタイヤ周方向に対して略90
度とした、いわゆるラジアルタイヤでは、カーカスプラ
イを複数枚使用した際にも、プライ間でコードが交差し
ないために、ビード部からサイドウオール部にかけての
剛性が不足しがちとなる。その結果、この剛性不足に原
因してコーナリング性能が損なわれ、又特に負担荷重の
大きい車両においては直進性能も低下することとなる。
従って、従来、この剛性不足を補うために、ビード部か
らサイドウオール部にかけて補強コードフィラーを添設
することが行われているが、重量増加、コスト増加を招
くという問題がある。
カスプライのコード角度をタイヤ周方向に対して略90
度とした、いわゆるラジアルタイヤでは、カーカスプラ
イを複数枚使用した際にも、プライ間でコードが交差し
ないために、ビード部からサイドウオール部にかけての
剛性が不足しがちとなる。その結果、この剛性不足に原
因してコーナリング性能が損なわれ、又特に負担荷重の
大きい車両においては直進性能も低下することとなる。
従って、従来、この剛性不足を補うために、ビード部か
らサイドウオール部にかけて補強コードフィラーを添設
することが行われているが、重量増加、コスト増加を招
くという問題がある。
【0003】他方、カーカスコード角度をタイヤ周方向
に対して約50〜70度とした、いわゆるバイアスタイ
ヤでは、プライ間でコードが交差して互いに拘束し合う
ために、ビード部からサイドウオール部にかけての剛性
が増加し、前記コーナリング性能、直進性能を向上させ
るという利点を具えている。しかしその半面、ベルト層
における高速耐久性に劣るという問題がある。
に対して約50〜70度とした、いわゆるバイアスタイ
ヤでは、プライ間でコードが交差して互いに拘束し合う
ために、ビード部からサイドウオール部にかけての剛性
が増加し、前記コーナリング性能、直進性能を向上させ
るという利点を具えている。しかしその半面、ベルト層
における高速耐久性に劣るという問題がある。
【0004】これは下記の原因によると考えられる。す
なわち、ラジアルタイヤにあっては、タイヤ側面側から
見たカーカスコードaを示す図5(A)の如く、ビード
コアbからベルト端までのカーカス高さが高速走行時に
h1からh2までΔh増加したとき、カーカスコード自
体にはh2/h1の伸び率の伸びが発生する。これに反
して、バイアスタイヤでは、図5(B)に示すように、
コード角がθ1からθ2に増加しながらH2/H1の伸
び率の伸びが発生するが、この時、H2=h2/sin θ
2、H1=h1/sin θ1であるため、バイアスタイヤ
ではラジアルタイヤに比してsin θ1/sin θ2倍だけ
カーカスコードの伸びが小となる。従って、ベルト層の
剛性が大きくカーカス高さの増加量Δhが同じ時には、
このカーカスコードの伸びが小となる分だけベルト端に
負担される応力が大きくなり、従って、バイアスタイヤ
では高速走行時にベルト端に損傷を発生しやすくなる。
なわち、ラジアルタイヤにあっては、タイヤ側面側から
見たカーカスコードaを示す図5(A)の如く、ビード
コアbからベルト端までのカーカス高さが高速走行時に
h1からh2までΔh増加したとき、カーカスコード自
体にはh2/h1の伸び率の伸びが発生する。これに反
して、バイアスタイヤでは、図5(B)に示すように、
コード角がθ1からθ2に増加しながらH2/H1の伸
び率の伸びが発生するが、この時、H2=h2/sin θ
2、H1=h1/sin θ1であるため、バイアスタイヤ
ではラジアルタイヤに比してsin θ1/sin θ2倍だけ
カーカスコードの伸びが小となる。従って、ベルト層の
剛性が大きくカーカス高さの増加量Δhが同じ時には、
このカーカスコードの伸びが小となる分だけベルト端に
負担される応力が大きくなり、従って、バイアスタイヤ
では高速走行時にベルト端に損傷を発生しやすくなる。
【0005】このようにラジアルタイヤ、バイアスタイ
ヤでは夫々の構造に固有の特性を有しており、近年、各
構造の利点を兼ね備えたタイヤの出現が望まれている。
ヤでは夫々の構造に固有の特性を有しており、近年、各
構造の利点を兼ね備えたタイヤの出現が望まれている。
【0006】そこで本発明のうち請求項1記載の発明
は、ラジアルカーカスプライとバイアスカーカスプライ
とでカーカスを形成することを基本として、従来の補強
コードフィラーを用いることなくタイヤ横剛性を高めう
るとともにベルト端への負担応力を低減でき、操縦安定
性と高速耐久性とを両立して向上しうる空気入りタイヤ
の提供を目的としている。
は、ラジアルカーカスプライとバイアスカーカスプライ
とでカーカスを形成することを基本として、従来の補強
コードフィラーを用いることなくタイヤ横剛性を高めう
るとともにベルト端への負担応力を低減でき、操縦安定
性と高速耐久性とを両立して向上しうる空気入りタイヤ
の提供を目的としている。
【0007】請求項2記載の発明は、前記目的に加え
て、直進性能の向上をより確実化しうる空気入りタイヤ
の提供を目的としている。
て、直進性能の向上をより確実化しうる空気入りタイヤ
の提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のうちで請求項1記載の発明は、トレッド部
からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至
る本体部にこのビードコアで折り返す折返し部を一連に
設けたカーカスプライを含むカーカスと、このカーカス
の半径方向外側かつトレッド部の内方に配されるベルト
層と、前記カーカスプライの本体部と折返し部との間で
前記ビードコアから半径方向外側にのびるビードエーペ
ックスとを具え、前記カーカスは、カーカスコードがタ
イヤ周方向に対して85〜90度の傾き角度αで配列さ
れるラジアルカーカスプライと、カーカスコードがタイ
ヤ周方向に対して、前記傾き角度αよりも20度以上の
差のある60〜70度の傾き角度βで配列されるバイア
スカーカスプライとからなり、かつ前記ベルト層は、高
弾性のベルトコードがタイヤ周方向に対して10〜40
度の角度で配列する2枚以上のベルトプライを有すると
ともに、前記バイアスカーカスの折返し部を、ハイター
ンアップ構造としたことを特徴とする空気入りタイヤで
ある。
に、本発明のうちで請求項1記載の発明は、トレッド部
からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至
る本体部にこのビードコアで折り返す折返し部を一連に
設けたカーカスプライを含むカーカスと、このカーカス
の半径方向外側かつトレッド部の内方に配されるベルト
層と、前記カーカスプライの本体部と折返し部との間で
前記ビードコアから半径方向外側にのびるビードエーペ
ックスとを具え、前記カーカスは、カーカスコードがタ
イヤ周方向に対して85〜90度の傾き角度αで配列さ
れるラジアルカーカスプライと、カーカスコードがタイ
ヤ周方向に対して、前記傾き角度αよりも20度以上の
差のある60〜70度の傾き角度βで配列されるバイア
スカーカスプライとからなり、かつ前記ベルト層は、高
弾性のベルトコードがタイヤ周方向に対して10〜40
度の角度で配列する2枚以上のベルトプライを有すると
ともに、前記バイアスカーカスの折返し部を、ハイター
ンアップ構造としたことを特徴とする空気入りタイヤで
ある。
【0009】又請求項2記載の発明は、バイアスカーカ
スプライを偶数枚設け、このうちの半数を、カーカスコ
ードが右上がりの傾き角度βaで配列される右上がりプ
ライで、又残りの半数を、カーカスコードが左上がりの
傾き角度βbで配列される左上がりプライで形成すると
ともに、右上がりプライの各傾き角度βaの総和Σβa
を、左上がりプライの各傾き角度βbの総和Σβbと実
質的に同じとしたことを特徴とし、かつ請求項3記載の
発明は、カーカスを、ともに1枚のラジアルカーカス、
バイアスカーカスにより形成している。
スプライを偶数枚設け、このうちの半数を、カーカスコ
ードが右上がりの傾き角度βaで配列される右上がりプ
ライで、又残りの半数を、カーカスコードが左上がりの
傾き角度βbで配列される左上がりプライで形成すると
ともに、右上がりプライの各傾き角度βaの総和Σβa
を、左上がりプライの各傾き角度βbの総和Σβbと実
質的に同じとしたことを特徴とし、かつ請求項3記載の
発明は、カーカスを、ともに1枚のラジアルカーカス、
バイアスカーカスにより形成している。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
示例とともに説明する。図1において空気入りタイヤ1
は、本例では、小型トラック用等の重荷重用タイヤであ
って、トレッド部2と、その両端からタイヤ半径方向内
方にのびる一対のサイドウォール部3と、各サイドウオ
ール部3の内方端に位置するビード部4とを具える。又
タイヤ1には、前記ビード部4、4間にカーカス6が架
け渡されるとともに、このカーカス6の半径方向外側か
つトレッド部2内方には強靭なベルト層7が巻装され
る。
示例とともに説明する。図1において空気入りタイヤ1
は、本例では、小型トラック用等の重荷重用タイヤであ
って、トレッド部2と、その両端からタイヤ半径方向内
方にのびる一対のサイドウォール部3と、各サイドウオ
ール部3の内方端に位置するビード部4とを具える。又
タイヤ1には、前記ビード部4、4間にカーカス6が架
け渡されるとともに、このカーカス6の半径方向外側か
つトレッド部2内方には強靭なベルト層7が巻装され
る。
【0011】前記カーカス6は、前記トレッド部2から
サイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に
至る本体部Aに、このビードコア5の廻りをタイヤ軸方
向の内から外に折り返す折返し部Bを一連に設けた折返
しのカーカスプライ10を含み、又この本体部Aと折返
し部Bとの間には、前記ビードコアから半径方向外側に
のびるビードエーペックス9が充填される。
サイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に
至る本体部Aに、このビードコア5の廻りをタイヤ軸方
向の内から外に折り返す折返し部Bを一連に設けた折返
しのカーカスプライ10を含み、又この本体部Aと折返
し部Bとの間には、前記ビードコアから半径方向外側に
のびるビードエーペックス9が充填される。
【0012】本例では、カーカス6は、本体部Aa、A
bの外端に折返し部Ba、Bbを設けた、内外2枚の折
返しのカーカスプライ10a、10bからなり、少なく
とも一方の折返し部、本例では、内のカーカスプライ1
0aの折返し部Baを、タイヤ最大巾近傍位置まで延在
させたハイターンアップ構造とすることによって、前記
折返し部Baと本体部Aa、Abとが、ビードエーペッ
クス9上端より高所において互いに隣接している。
bの外端に折返し部Ba、Bbを設けた、内外2枚の折
返しのカーカスプライ10a、10bからなり、少なく
とも一方の折返し部、本例では、内のカーカスプライ1
0aの折返し部Baを、タイヤ最大巾近傍位置まで延在
させたハイターンアップ構造とすることによって、前記
折返し部Baと本体部Aa、Abとが、ビードエーペッ
クス9上端より高所において互いに隣接している。
【0013】なお前記ビードエーペックス9は、JIS
A硬度が例えば50〜80度の比較的硬質のゴムからな
る断面略三角形状をなし、リムフランジ上端をタイヤ半
径方向外側にこえた高さ位置で終端することによって、
前記ハイターンアップの折返し部Baとともにビード4
を補強する。
A硬度が例えば50〜80度の比較的硬質のゴムからな
る断面略三角形状をなし、リムフランジ上端をタイヤ半
径方向外側にこえた高さ位置で終端することによって、
前記ハイターンアップの折返し部Baとともにビード4
を補強する。
【0014】又前記カーカス6は、図2に示すように、
カーカスコードをタイヤ周方向に対して85〜90度の
傾き角度αで配列した少なくとも1枚のラジアルカーカ
スプライ11と、カーカスコードをタイヤ周方向に対し
て60〜70度の傾き角度βで配列した少なくとも1枚
のバイアスカーカスプライ12とを含み、本例では、例
えば外のカーカスプライ10bをラジアルカーカスプラ
イ11で形成するとともに、内のカーカスプライ10a
をバイアスカーカスプライ12で形成している。前記の
ごとく、内のカーカスプライ10aの折返し部Baをハ
イターンアップ構造としており、即ち本発明において
は、バイアスカーカスプライ12をハイターンアップ構
造とする。なおカーカスコードとして、本例の如きポリ
エステルの他、ナイロン、レーヨン等の有機繊維コー
ド、及びスチールコードが好適に採用できる。
カーカスコードをタイヤ周方向に対して85〜90度の
傾き角度αで配列した少なくとも1枚のラジアルカーカ
スプライ11と、カーカスコードをタイヤ周方向に対し
て60〜70度の傾き角度βで配列した少なくとも1枚
のバイアスカーカスプライ12とを含み、本例では、例
えば外のカーカスプライ10bをラジアルカーカスプラ
イ11で形成するとともに、内のカーカスプライ10a
をバイアスカーカスプライ12で形成している。前記の
ごとく、内のカーカスプライ10aの折返し部Baをハ
イターンアップ構造としており、即ち本発明において
は、バイアスカーカスプライ12をハイターンアップ構
造とする。なおカーカスコードとして、本例の如きポリ
エステルの他、ナイロン、レーヨン等の有機繊維コー
ド、及びスチールコードが好適に採用できる。
【0015】このように、カーカス6が、ラジアルカー
カスプライ11とバイアスカーカスプライ12とを含む
ため、プライ間でカーカスコードが交差して互いに拘束
し合い、ビード部4からサイドウオール部3にかけての
剛性を増加しうる。特にハイターンアップ側のカーカス
プライ10aをバイアスカーカスプライ12としている
ので、図3に示すように、このプライ11の折返し部B
aと本体部Aa、及びプライ12の本体部Abの各コー
ドが互いに交差するトラス構造をなすため、剛性をより
増加しうる。又少なくとも1枚のラジアルカーカスプラ
イ11を含むため、タイヤの負荷応力を、このプライ1
1のコードがその長さ方向に適正に支承でき、ベルト端
にかかる応力/歪みを減少させる。この結果、コーナリ
ング性能、直進性能などの操縦安定性、及び高速耐久性
を両立して向上できる。
カスプライ11とバイアスカーカスプライ12とを含む
ため、プライ間でカーカスコードが交差して互いに拘束
し合い、ビード部4からサイドウオール部3にかけての
剛性を増加しうる。特にハイターンアップ側のカーカス
プライ10aをバイアスカーカスプライ12としている
ので、図3に示すように、このプライ11の折返し部B
aと本体部Aa、及びプライ12の本体部Abの各コー
ドが互いに交差するトラス構造をなすため、剛性をより
増加しうる。又少なくとも1枚のラジアルカーカスプラ
イ11を含むため、タイヤの負荷応力を、このプライ1
1のコードがその長さ方向に適正に支承でき、ベルト端
にかかる応力/歪みを減少させる。この結果、コーナリ
ング性能、直進性能などの操縦安定性、及び高速耐久性
を両立して向上できる。
【0016】従って、ラジアルカーカスプライ11のコ
ードの傾き角度αは、ベルト端での応力/歪みの低減の
ために、87度以上であることが好ましい。又バイアス
カーカスプライ12のコードの傾き角度βは、サイドウ
オール部3などでの前記剛性の増加効果を高めるため
に、前記傾き角度αとの差を20度以上とする。即ち、
前記のように傾き角度αをタイヤ周方向に対して85〜
90度とするとき、コードの傾き角度βは60〜70度
となる。
ードの傾き角度αは、ベルト端での応力/歪みの低減の
ために、87度以上であることが好ましい。又バイアス
カーカスプライ12のコードの傾き角度βは、サイドウ
オール部3などでの前記剛性の増加効果を高めるため
に、前記傾き角度αとの差を20度以上とする。即ち、
前記のように傾き角度αをタイヤ周方向に対して85〜
90度とするとき、コードの傾き角度βは60〜70度
となる。
【0017】又カーカス6は、タイヤ成型時、予め複数
のカーカスプライを重ね張りしたのち、この重ね張り体
をトロイド状に膨満させて環状のベルト層と一体化させ
るのであるが、前記傾き角度βが60度未満では、この
膨満が難しくタイヤ成形性に劣り、従って、好ましく
は、70度以上、即ちバイアスカーカスプライ12では
前記のようにコードの傾き角度βは60〜70度とす
る。
のカーカスプライを重ね張りしたのち、この重ね張り体
をトロイド状に膨満させて環状のベルト層と一体化させ
るのであるが、前記傾き角度βが60度未満では、この
膨満が難しくタイヤ成形性に劣り、従って、好ましく
は、70度以上、即ちバイアスカーカスプライ12では
前記のようにコードの傾き角度βは60〜70度とす
る。
【0018】なおこのようなカーカス6として、内のカ
ーカスプライ10aをラジアルカーカスプライ11で、
外のカーカスプライ10bをバイアスカーカスプライ1
2で形成してもよい。
ーカスプライ10aをラジアルカーカスプライ11で、
外のカーカスプライ10bをバイアスカーカスプライ1
2で形成してもよい。
【0019】又カーカス6としては、図4に示すよう
に、1枚以上の折返しのカーカスプライ10と、この折
返しのカーカスプライ10の外側に配されかつ本体部A
0が前記折返しのカーカスプライ10の折返し部Bを覆
う1枚以上の巻下ろしのカーカスプライ14とで構成す
ることもでき、これらカーカスプライ10、14をラジ
アルカーカスプライ11とバイアスカーカスプライ12
との自在な組み合わせで形成できる。
に、1枚以上の折返しのカーカスプライ10と、この折
返しのカーカスプライ10の外側に配されかつ本体部A
0が前記折返しのカーカスプライ10の折返し部Bを覆
う1枚以上の巻下ろしのカーカスプライ14とで構成す
ることもでき、これらカーカスプライ10、14をラジ
アルカーカスプライ11とバイアスカーカスプライ12
との自在な組み合わせで形成できる。
【0020】又カーカス6を3枚以上のプライで構成す
る時には、そのうちの偶数枚をバイアスカーカスプライ
11で形成し、しかもこのバイアスカーカスプライ11
のうちの半数を、カーカスコードがタイヤ周方向に対し
て右上がりの傾き角度βaで配列される右上がりプライ
11Rとするとともに、残りの半数を前記カーカスコー
ドがタイヤ周方向に対して左上がりの傾き角度βbで配
列される左上がりプライ11Lとする。又前記右上がり
プライ11Rの各傾き角度βaの総和Σβaを、前記左
上がりプライ11Lの各傾き角度βbの総和Σβbと実
質的に同じとすることが好ましい。なお「実質的に同
じ」とは、各総和の差|Σβa−Σβb|が3度以下で
あることを意味する。
る時には、そのうちの偶数枚をバイアスカーカスプライ
11で形成し、しかもこのバイアスカーカスプライ11
のうちの半数を、カーカスコードがタイヤ周方向に対し
て右上がりの傾き角度βaで配列される右上がりプライ
11Rとするとともに、残りの半数を前記カーカスコー
ドがタイヤ周方向に対して左上がりの傾き角度βbで配
列される左上がりプライ11Lとする。又前記右上がり
プライ11Rの各傾き角度βaの総和Σβaを、前記左
上がりプライ11Lの各傾き角度βbの総和Σβbと実
質的に同じとすることが好ましい。なお「実質的に同
じ」とは、各総和の差|Σβa−Σβb|が3度以下で
あることを意味する。
【0021】これは、バイアスカーカスプライ11を用
いた場合、そのコード角度に原因してタイヤに横力が発
生し、片流れを誘発させるなど直進性能を損ねる傾向が
あり、従ってバイアスカーカスプライ11の半数を、右
上がりプライ11R及び左上がりプライ11Lで形成
し、かつ総和Σβaを総和Σβbと実質的に同じとする
ことによって、各プライ11からの横力を打ち消し合う
ことができる。これによって直進走行の安定性を確実化
しうる。
いた場合、そのコード角度に原因してタイヤに横力が発
生し、片流れを誘発させるなど直進性能を損ねる傾向が
あり、従ってバイアスカーカスプライ11の半数を、右
上がりプライ11R及び左上がりプライ11Lで形成
し、かつ総和Σβaを総和Σβbと実質的に同じとする
ことによって、各プライ11からの横力を打ち消し合う
ことができる。これによって直進走行の安定性を確実化
しうる。
【0022】又前記ベルト層7は、ベルトコードをタイ
ヤ周方向に対して10〜40度の角度で配列した2枚以
上、本例では内外2枚のベルトプライ7a、7bから形
成され、各ベルトコードがプライ間で交差するように向
きを違えて配されることによって、タガ効果を有してト
レッド部2を補強しかつその剛性を高めている。なおベ
ルトコードとしては、例えばスチールコード、及び芳香
族ポリアミド繊維コード、芳香族ポリエステル繊維コー
ド等の高弾性コードが使用される。なおベルト層7とし
ては、前記内のベルトプライ7aとカーカス6との間
に、40〜70度のコード角度を有することによって、
このベルトプライ7aと最外側のカーカスプライとの間
の応力集中を緩和するとともにベルト剛性をさらに高め
る他のベルトプライを付設しても良い。
ヤ周方向に対して10〜40度の角度で配列した2枚以
上、本例では内外2枚のベルトプライ7a、7bから形
成され、各ベルトコードがプライ間で交差するように向
きを違えて配されることによって、タガ効果を有してト
レッド部2を補強しかつその剛性を高めている。なおベ
ルトコードとしては、例えばスチールコード、及び芳香
族ポリアミド繊維コード、芳香族ポリエステル繊維コー
ド等の高弾性コードが使用される。なおベルト層7とし
ては、前記内のベルトプライ7aとカーカス6との間
に、40〜70度のコード角度を有することによって、
このベルトプライ7aと最外側のカーカスプライとの間
の応力集中を緩和するとともにベルト剛性をさらに高め
る他のベルトプライを付設しても良い。
【0023】
【実施例1】図1に示すカーカスの構造をなすタイヤサ
イズが245/70R16のタイヤを表1の仕様に基づ
き試作し、操縦安定性(コーナリング性能、直進性能)
及び高速耐久性を測定し、その結果を、従来のバイアス
タイヤ(比較例1)及びラジアルタイヤ(比較例2)と
比較した。なおカーカス構造以外は同一としており、又
ビードベースラインから各カーカスプライの折返し部上
端までの高さをLh、Hhとしている。
イズが245/70R16のタイヤを表1の仕様に基づ
き試作し、操縦安定性(コーナリング性能、直進性能)
及び高速耐久性を測定し、その結果を、従来のバイアス
タイヤ(比較例1)及びラジアルタイヤ(比較例2)と
比較した。なおカーカス構造以外は同一としており、又
ビードベースラインから各カーカスプライの折返し部上
端までの高さをLh、Hhとしている。
【0024】操縦安定性は、試供タイヤを標準リム(7
J×16)、前輪内圧(2.1kgf/cm2 )、後輪の内圧
(2.4kgf/cm2 )の条件下で車両(3200CC、4W
D車両)の全輪に装着し、積載荷重なしの状態で乾燥舗
装路を実車走行し、そのときのドライバーによる、官能
評価を行うとともに、そのときの評価を比較例1を10
0として指数表示した。指数値が大なほど優れている。
J×16)、前輪内圧(2.1kgf/cm2 )、後輪の内圧
(2.4kgf/cm2 )の条件下で車両(3200CC、4W
D車両)の全輪に装着し、積載荷重なしの状態で乾燥舗
装路を実車走行し、そのときのドライバーによる、官能
評価を行うとともに、そのときの評価を比較例1を10
0として指数表示した。指数値が大なほど優れている。
【0025】高速耐久性は、試供タイヤを標準リム(7
J×16)、内圧(2.6kgf/cm2)、負荷荷重(80
0kg)の条件下で、ドラム上を開始速度140km/hから
30分毎に走行スピードを10km/hずつステップアッ
プさせ、ベルト端にコードルースなどの損傷が発生する
までの走行速度の差を比較例1を基準(0)として表示
した。表中+10は、比較例1より損傷発生速度が10
km/h高いことを意味する。
J×16)、内圧(2.6kgf/cm2)、負荷荷重(80
0kg)の条件下で、ドラム上を開始速度140km/hから
30分毎に走行スピードを10km/hずつステップアッ
プさせ、ベルト端にコードルースなどの損傷が発生する
までの走行速度の差を比較例1を基準(0)として表示
した。表中+10は、比較例1より損傷発生速度が10
km/h高いことを意味する。
【0026】
【表1】
【0027】
【実施例2】図4に示すカーカスの構造をなすタイヤサ
イズが7.00R16のタイヤを表2の仕様に基づき試
作し、操縦安定性(コーナリング性能、直進性能)及び
高速耐久性を測定し、その結果を、従来のバイアスタイ
ヤ(比較例3)及びラジアルタイヤ(比較例4)と比較
した。なおカーカス構造以外は同一としており、又ビー
ドベースラインから各カーカスプライの折返し部上端ま
での高さ及び巻下ろし下端までの高さをLh、Hh、D
hとしている。
イズが7.00R16のタイヤを表2の仕様に基づき試
作し、操縦安定性(コーナリング性能、直進性能)及び
高速耐久性を測定し、その結果を、従来のバイアスタイ
ヤ(比較例3)及びラジアルタイヤ(比較例4)と比較
した。なおカーカス構造以外は同一としており、又ビー
ドベースラインから各カーカスプライの折返し部上端ま
での高さ及び巻下ろし下端までの高さをLh、Hh、D
hとしている。
【0028】操縦安定性は、試供タイヤを標準リム
(5.50F×16)、内圧(5.0kgf/cm2 )、の条
件下で車両(2Dタイプの重荷重車両)の全輪に装着
し、積載荷重(3トン)の状態で乾燥舗装路を実車走行
し、そのときのドライバーによる、官能評価を行うとと
もに、そのときの評価を比較例3を100として指数表
示した。指数値が大なほど優れている。
(5.50F×16)、内圧(5.0kgf/cm2 )、の条
件下で車両(2Dタイプの重荷重車両)の全輪に装着
し、積載荷重(3トン)の状態で乾燥舗装路を実車走行
し、そのときのドライバーによる、官能評価を行うとと
もに、そのときの評価を比較例3を100として指数表
示した。指数値が大なほど優れている。
【0029】高速耐久性は、試供タイヤを標準リム
(5.50F×16)、内圧(6.0kgf/cm2 )、負荷
荷重(1100kg)の条件下で、ドラム上を開始速度1
10km/hから30分毎に走行スピードを10km/hず
つステップアップさせ、ベルト端にコードルースなどの
損傷が発生するまでの走行速度の差を比較例3を基準
(0)として表示した。表中+10は、比較例1より損
傷発生速度が10km/h高いことを意味する。
(5.50F×16)、内圧(6.0kgf/cm2 )、負荷
荷重(1100kg)の条件下で、ドラム上を開始速度1
10km/hから30分毎に走行スピードを10km/hず
つステップアップさせ、ベルト端にコードルースなどの
損傷が発生するまでの走行速度の差を比較例3を基準
(0)として表示した。表中+10は、比較例1より損
傷発生速度が10km/h高いことを意味する。
【0030】
【表2】
【0031】表1、2に示すように、本実施例のタイヤ
は、操縦安定性をバイアスタイヤと略同程度に維持しな
がら高速耐久性をラジアルタイヤ並に約10km/h高
めているのが確認できる。
は、操縦安定性をバイアスタイヤと略同程度に維持しな
がら高速耐久性をラジアルタイヤ並に約10km/h高
めているのが確認できる。
【0032】
【発明の効果】叙上の如く本発明は構成しているため、
従来の補強コードフィラーを用いることなくタイヤ横剛
性を高めうるとともにベルト端への負担応力を低減で
き、操縦安定性と高速耐久性とを両立して向上できる。
従来の補強コードフィラーを用いることなくタイヤ横剛
性を高めうるとともにベルト端への負担応力を低減で
き、操縦安定性と高速耐久性とを両立して向上できる。
【図1】本発明の一実施例のタイヤの断面図である。
【図2】そのカーカスプライのコード配列をベルトプラ
イのコード配列とともに示す略図である。
イのコード配列とともに示す略図である。
【図3】本願のカーカスプライの効果を示す線図であ
る。
る。
【図4】カーカスのプライ構成の他の一例を示す略図で
ある。
ある。
【図5】(A)は、高速走行時における、ラジアルタイ
ヤのカーカスの伸び変形を説明する略図であり、(B)
は、バイアスタイヤのカーカスの伸び変形を説明する略
図である。
ヤのカーカスの伸び変形を説明する略図であり、(B)
は、バイアスタイヤのカーカスの伸び変形を説明する略
図である。
2 トレッド部 3 サイドウォール部 4 ビード部 5 ビードコア 6 カーカス 7 ベルト層 7a、7b ベルトプライ 9 ビードエーペックス 10、10a、10b カーカスプライ 11 ラジアルカーカスプライ 11R 右上がりプライ 11L 左上がりプライ 12 バイアスカーカスプライ A、A0、Aa、Ab 本体部 B、Ba、Bb 折返し部
Claims (3)
- 【請求項1】トレッド部からサイドウォール部をへてビ
ード部のビードコアに至る本体部にこのビードコアで折
り返す折返し部を一連に設けたカーカスプライを含むカ
ーカスと、このカーカスの半径方向外側かつトレッド部
の内方に配されるベルト層と、前記カーカスプライの本
体部と折返し部との間で前記ビードコアから半径方向外
側にのびるビードエーペックスとを具え、 前記カーカスは、カーカスコードがタイヤ周方向に対し
て85〜90度の傾き角度αで配列されるラジアルカー
カスプライと、カーカスコードがタイヤ周方向に対し
て、前記傾き角度αよりも20度以上の差のある60〜
70度の傾き角度βで配列されるバイアスカーカスプラ
イとからなり、 かつ前記ベルト層は、高弾性のベルトコードがタイヤ周
方向に対して10〜40度の角度で配列する2枚以上の
ベルトプライを有するとともに、 前記バイアスカーカスの折返し部を、ハイターンアップ
構造とした ことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 【請求項2】前記カーカスは、偶数枚の前記バイアスカ
ーカスプライを具え、しかもこのバイアスカーカスプラ
イのうちの半数は、前記カーカスコードがタイヤ周方向
に対して右上がりの傾き角度βaで配列される右上がり
プライからなり、 かつ残りの半数は前記カーカスコードがタイヤ周方向に
対して左上がりの傾き角度βbで配列される左上がりプ
ライからなるとともに、 前記右上がりプライの各傾き角度βaの総和Σβaを、
前記左上がりプライの各傾き角度βbの総和Σβbと実
質的に同じとしたことを特徴とする請求項1記載の空気
入りタイヤ。 - 【請求項3】前記カーカスは、ともに1枚のラジアルカ
ーカス、バイアスカーカスからなることを特徴とする請
求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20038796A JP3240119B2 (ja) | 1996-07-30 | 1996-07-30 | 空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20038796A JP3240119B2 (ja) | 1996-07-30 | 1996-07-30 | 空気入りタイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1044709A JPH1044709A (ja) | 1998-02-17 |
JP3240119B2 true JP3240119B2 (ja) | 2001-12-17 |
Family
ID=16423485
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20038796A Expired - Fee Related JP3240119B2 (ja) | 1996-07-30 | 1996-07-30 | 空気入りタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3240119B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5193502B2 (ja) * | 2007-06-04 | 2013-05-08 | 株式会社ブリヂストン | 空気入りタイヤ |
JP2013169847A (ja) * | 2012-02-20 | 2013-09-02 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 空気入りタイヤ |
JP6134579B2 (ja) * | 2013-05-15 | 2017-05-24 | 株式会社ブリヂストン | 空気入りタイヤ |
-
1996
- 1996-07-30 JP JP20038796A patent/JP3240119B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1044709A (ja) | 1998-02-17 |
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