JP2989750B2 - 高速重荷重用ラジアルタイヤ - Google Patents

高速重荷重用ラジアルタイヤ

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JP2989750B2
JP2989750B2 JP6323810A JP32381094A JP2989750B2 JP 2989750 B2 JP2989750 B2 JP 2989750B2 JP 6323810 A JP6323810 A JP 6323810A JP 32381094 A JP32381094 A JP 32381094A JP 2989750 B2 JP2989750 B2 JP 2989750B2
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清志 上横
秀一 坂本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、航空機用タイヤとして
好適に使用でき、高いビード耐久性を発揮しうる高速重
荷重用ラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高荷重、高速条件で使用されるタ
イヤ、例えば航空機用タイヤにおいても構造耐久性能、
走行性能、燃費性能等の向上のためにラジアル構造のも
のが採用されつつある。しかしながらこのような航空機
用タイヤは、高内圧、高荷重、高速しかも30%以上大
きくたわむ条件下で使用されるため、ビード部での変形
量は極めて高い。しかも、航空機用タイヤには、複輪使
用時に片側のタイヤがパンクした際残る側のタイヤに大
荷重が作用することを想定した200%標準荷重の負荷
状態においても充分な安全性が要求されており、従っ
て、特にビード耐久性の向上は重要となる。
【0003】通常、このような大荷重におけるビード部
耐久性を向上させるためには、タイヤ変形に対するビー
ド部の追従性を高めることが必要であり、そのために、
従来、ビードコア及びカーカス等を囲んでビード部の外
皮を構成するビードゴムには、100伸張時のモジュラ
ス(以下に100%モジュラスという)が40kgf/cm2
以下の比較的低弾性のゴム組成物を採用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記の手
段では、特に、ビードコア下部分でのビードゴムの剛性
が不足して、走行時の加速・制動の際、ビード部がタイ
ヤ軸方向に変動しやすく、その結果、ビードコア下部分
でカーカスコードのルースが発生したり、又タイヤとリ
ムとの間にズレが生じてビードコア下部分のゴムに損傷
を招来するという問題が発生する。
【0005】本発明は、ビードゴムのうちビードベース
面をなすコア下ゴム層に100%モジュラスMb及び損
失弾性率E”bを特定した高弾性ゴムを用いることを基
本として、特に200%標準荷重の負荷状態においても
高いビード耐久性を発揮しうる高速重荷重用ラジアルタ
イヤの提供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の高速重荷重用ラジアルタイヤは、トレッド
部からサイドウオール部を通りビード部のビードコアに
至る本体部の両端に前記ビードコアの底面を通る巻付け
部を介して折り返される折返し部を設けたはカーカス
と、このカーカスの本体部と折返し部との間に介在して
前記ビードコアから半径方向外側にのびるビードエーペ
ックスゴムとを具える高速重荷重用ラジアルタイヤであ
って、前記ビード部に、前記ビードコアの半径方向内方
に位置するとともにビードベース面をなす下ゴム部を有
するコア下ゴム層を含みかつカーカスの前記巻付け部か
ら折返し部に沿って配されるビードゴムを具えるととも
に、前記コア下ゴム層は、100%伸張時のモジュラス
Mbが50〜80kgf/cm2 、かつ損失弾性率E”bが3
0kgf/cm2 以下のゴム組成物からなることを特徴として
いる。
【0007】
【作用】ビードゴムのうち、ビードベース面をなすこと
によって、ビードコアとリムベースとの間に挟まれる部
分に、100%モジュラスMbを50〜80kgf/cm2
範囲に高めた高弾性のコア下ゴム層を形成している。従
って、タイヤ変形に対するビード部の追従性を高く維持
しながら、ビードコア下での剛性が適度に増加し、ビー
ド部のタイヤ軸方向への変動を効果的に抑制できる。
【0008】なお100%モジュラスMbが50kgf/cm
2 未満では、前記ビード部の変動を充分に抑制できず、
ビードコア下においてカーカスコードにルースが発生し
たり、タイヤとリムがズレてコア下ゴム層自体に損傷が
発生する。又80kgf/cm2 を越えると、コア下ゴム層に
応力が集中してクラック等が発生する。
【0009】又コア下ゴム層は、損失弾性率E”bが3
0kgf/cm2 を越えると、発熱が大となり、ビードコア下
の付近でコードルース等の損傷が発生しやすくなる。
【0010】
【実施例】以下本発明の一実施例をタイヤサイズ46×
17R20の航空機用タイヤの場合を例にとり、図面に
基づき説明する。
【0011】図1は、リムRに装着されかつ正規内圧を
付加した正規内圧状態におけるタイヤ断面を示す。
【0012】なお航空機用タイヤのリムRは、図4に示
すように、タイヤのビード部3を締りばめ保持するよう
に5度又は15度、通常5度の角度を有したテーパリム
であって、タイヤ軸と平行な軸方向線に対して5度であ
る傾斜角度α2を有してタイヤ軸方向にのびるリムベー
ス面31と、このリムベース面31のタイヤ軸方向の外
端点31eに滑らかに連なるとともに凹円弧でタイヤ軸
方向外方かつ半径方向外方にのびるリムヒール面32
と、該リムヒール面32の外端から立上がるフランジ面
33とを有する。又前記フランジ面33は、リムヒール
面32から半径方向線に沿って半径方向外方に垂直にの
びる基部33Aと、その外端から凸円弧状にタイヤ軸方
向外側に向かって湾曲する湾曲部33Bとを具え、前記
リムベース外端点31eまでの直径Dをもってリム公称
径をなす。
【0013】又高速重荷重用ラジアルタイヤ1(以下タ
イヤ1という)は、図1に示すように、前記リムRに嵌
合るビード部3と、該ビード部3に連なりかつタイヤ半
径方向外向きにのびるサイドウォール部4と、その外端
間を継ぐトレッド部5とを具えている。さらにタイヤ1
には、ビード部3、3間に架け渡されるカーカス6と、
このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド5部
内方に配されるベルト層9と、前記ビード部3のビード
コア2からタイヤ半径方向外側に立ち上がるビードエー
ペックスゴム10とが設けられる。
【0014】なお前記ベルト層9は、低伸長性のベルト
コードをタイヤ赤道Cに対して0〜20度の角度で配列
した複数枚、例えば8枚のベルトプライからなり、タイ
ヤ全巾Wの70〜85%程度の範囲に亘って配されるこ
とによって、トレッド部5を補強しかつタガ効果を有し
てタイヤ剛性を高めている。なおベルト層9の外面に
は、耐カット性を高める保護層11を設けるとともに、
ベルト層9と前記カーカス6との間には、カットブレー
カ12が配される。
【0015】該カットブレーカ12は、例えば2層のカ
ットブレーカプライを用いる一方、このカットブレーカ
12は、トレッド部5の中央側ではカーカス6に沿うと
ともに、タイヤ軸方向外側に向かってカーカス6から徐
々に離間してのび、その外端は、タイヤ全巾Wの65〜
85%程度の位置、好ましくは70〜78%程度の範囲
の位置で終端する。なおベルト層9は、カットブレーカ
12に接しかつその外端は、カットブレーカ12の外端
を外方に越えて延在するとともにタイヤ外表面に沿う斜
面で整一する。
【0016】又前記カーカス6は、トレッド部5からサ
イドウォール部4をへてビードコア2に至るトロイド状
の本体部6Aの両端に、前記ビードコア2の底面を通る
巻付け部6Bを介して内側から外側に折り返される折返
し部6Cを設けた主カーカス7を具え、本実施例では、
この主カーカス7の外側には、前記折返し部6C及び巻
付け部6Bを覆ってタイヤの外側から内側に巻下すアウ
ターカーカスである副カーカス8を付設している。
【0017】前記主カーカス7は、複数枚、例えば4枚
のカーカスプライからなり、又副カーカス8は例えば2
枚のカーカスプライから形成している。各カーカスプラ
イは、有機繊維コードからなるカーカスコードをタイヤ
赤道Cに対して70度〜90度の角度で並べたラジアル
配列をなし、各プライは、隣り合うカーカスプライ間に
おいて、カーカスコードが互いに交差するごとく円周方
向に対する向きを交互に違えて配している。なお有機繊
維コードとして、レーヨン、ポリエステル、ビニロン、
ナイロン、芳香族ポリアミド等を用いうる。
【0018】前記ビードコア2は、その断面において角
部を有する場合には、その角部に応力集中を招きやす
く、従って、本実施例では、この応力集中を避ける目的
から断面円形状のものが用いられる。この時、ビードコ
ア2の前記底面は、図2に示すように、ビードコア2の
重心点Qから、この重心点Qを通るタイヤ半径方向線S
2に対して45度の角度を有してタイヤ軸方向の内外に
下傾斜でのびる傾線T1、T2間の周面領域として定義
される。このビードコア2から立ち上がる前記ビードエ
ーペックスゴム10は、カーカス6の本体部6Aと折返
し部6Cとの間に介在する断面三角形状をなし、ビード
部3からサイドウオール部4にかけて補強しかつ必要な
剛性を付与している。
【0019】又ビード部3には、前記ビードコア2及び
カーカス6を囲むことによってビード部3の外皮をなす
ビードゴム13が配される。なお本実施例では、前述の
ごとく副カーカス8を付設するとともに、さらに副カー
カス8の巻下し部8A外面に隣接するコード層である補
強フィラ14が形成される。従って、本例では、前記ビ
ードゴム13は、副カーカス8及び補強フィラ14を介
して前記カーカスの巻付け部6Bから折返し部6Cに沿
って配される。
【0020】前記ビードゴム13は、本実施例では、カ
ーカス6の外側面に沿って半径方向内外にのびる小厚さ
のサイドパッキングゴム15と、前記ビードコア2の半
径方向内方に位置するコア下ゴム層16と、このコア下
ゴム層16に連なるとともに前記サイドパッキンゴム1
5を覆って半径方向外方にのびるチェーファゴム17と
を具え、このチェーファゴム17は、前記サイドウオー
ル部4の外側面をなすサイドウォールゴム18と連結す
る。
【0021】前記サイドパッキングゴム15は、本実施
例では、最大厚さtを有する中央部分15Aの上下に、
その厚さを漸減させた先細状の上、下部分を延設した略
三日月状をなす。前記最大厚さtは、2.5〜4.5mm
の範囲、もしくはビードコア2の直径dの0.1〜0.
18倍とすることが好ましい。又サイドパッキングゴム
15は、タイヤ外側面のうち、タイヤ軸方向外方に向か
って凹状に湾曲するビード外側面23と、凸状に湾曲す
るサイドウォール外側面との間の偏曲点位置P近傍に、
前記中央部分15Aを位置して配されるとともに、下方
部下端は、前記補強フィラ14の上端を被覆しかつ前記
ビードコア2の上縁高さ位置を下方にこえて途切れる。
【0022】前記コア下ゴム層16は、前記リムRのリ
ムベース面31に支持されるビードベース面21をなす
下ゴム部16Aと、これに連なる側ゴム部16Bとを有
する。この側ゴム部16Bは、前記補強フィラ14等を
介してカーカスの折返し部6Cに沿って立ち上がること
によって、本例では、前記ビードベース面21のタイヤ
軸方向の外端点21eに連なる円弧状のビードヒール面
22と、該ビードヒール面22から半径方向外方にのび
かつ前記フランジ面33に支持されるビード外側面23
の下方部分とを形成する。又側ゴム部16Bの上端は、
タイヤ軸方向外方に向かって下傾斜する斜面Kをなし、
前記ビード外側面23の上方部分を形成するチェーファ
ゴム17との間の剛性段差を減じている。
【0023】ここで前記コア下ゴム層16は、ビードゴ
ム13における他のゴムより高弾性のゴム組成物から形
成され、該コア下ゴム層16の100%モジュラスMb
を50〜80kgf/cm2 に高めるとともに、損失弾性率
E”bを30kgf/cm2 以下に設定している。
【0024】100%モジュラスMbが50kgf/cm2
満では、コア下ゴム層16の剛性が過少となり、走行中
にビード部3がタイヤ軸方向に動くのを充分に抑制でき
ず、ビードコア2の下部でカーカスコードにルースが発
生したり、タイヤとリムがズレてコア下ゴム層16に損
傷が発生しやすくなる。又80kgf/cm2 を越えると、コ
ア下ゴム層16に応力が集中してコア下ゴム層16にク
ラック等が発生する。従って、100%モジュラスMb
は、好ましくは50〜65kgf/cm2 範囲である。又損失
弾性率E”bが30kgf/cm2 を越えると、コア下ゴム層
16での発熱が大となり、ビードコア2の下部付近でコ
ードルース等の損傷が発生しやすくなる。従って損失弾
性率E”bは、好ましくは25kgf/cm2 以下である。
【0025】なお本実施例では、前記サイドパッキング
ゴム15の100%モジュラスMpを20〜60kg/cm
2 、前記ビードエーペックスゴム10の100%モジュ
ラスMaを20〜60kg/cm2 、前記チェーファゴム1
7の100%モジュラスMcを10〜45kg/cm2 、か
つ前記サイドウォールゴム18の100%モジュラスM
sを10〜45kg/cm2 の範囲とし、100%モジュラ
スMbは、各100%モジュラスMp、Ma、Mc、M
sより大としている。
【0026】又本実施例では、前記サイドパッキングゴ
ム15、ビードエーペックスゴム10、チェーファゴム
17、サイドウォールゴム18の各損失弾性率E”p、
E”a、E”c、E”sを夫々、E”p≦20kg/c
m2 、E”a≦20kg/cm2 、E”c≦15kg/cm2
E”s≦15kg/cm2 としている。
【0027】このようにビードエーペックスゴム10、
サイドパッキングゴム15、チェーファゴム17とし
て、100%モジュラスが前記範囲の低弾性ゴムを用い
ているため、ビード剛性を適度に緩和でき、ビード変形
を広範囲に分散させることができる。これによりビード
エーペックス10上端での局部的な屈曲を防ぎ、該上端
近傍におけるカーカスコードの強力低下を防止しうる。
またカーカス7との追従性が高まりカーカス6のセパレ
ーションを防止しうる。さらに前記損失弾性率E”p、
E”a、E”c、E”sを前記範囲とした低発温性ゴム
を用いているため、ビード変形に伴う温度上昇を効果的
に抑制しうる。なお各損失弾性率の下限は1kgf/cm2
である。
【0028】なお損失弾性率は、タイヤから試験片を切
り出し、岩本製作所(株)製の粘弾性スペクトロメータ
を用いて温度70℃、周波数10Hz、初期歪10%、動
歪2%の条件下で測定した値である。
【0029】さらに、前記コア下ゴム層16の側ゴム部
16B上端の前記ビードベース面21からの高さCr
は、前記ビードコアの重心点Qのビードベース面21か
らの高さBrと前記ビードコア2の直径dの1.0倍と
の和の長さ(Br+1.0d)以下、かつ前記高さBr
から前記直径dの0.7倍を減じた長さ(Br−0.7
d)以上としている。すなわち(Br+1.0d)≧C
r≧(Br−0.7d)としている。なお本例のごとく
ビードベース面21がタイヤ軸方向に対して傾斜してい
る時、各高さCr、Brは、前記ビードベース面21の
前記外端点21eからの半径方向の高さとして得られ
る。
【0030】又ビードゴム13は、前記タイヤ半径方向
線S2上における前記下ゴム部16の厚さTzと、前記
ビードコア2の重心点Qを通るタイヤ軸方向線S1上に
おける前記側ゴム部16Bの厚さTgとの比Tz/Tg
を0.2〜0.9の範囲にしている。
【0031】前記高さCrが前記長さ(Br+1.0
d)を越えると、高弾性のコア下ゴム層16の端部が、
変形が大な位置に来てしまい、該上端に歪みが集中して
ルースが発生しやすくなる。逆に(Br−0.7d)未
満の時、ビードコア2とリムベース面31及びリムヒー
ル面との間で圧縮変形を受ける部分にコア下ゴム層16
の端部が来てしまい、この端部でルースが発生しやすく
なる。従って、より好ましくは、高さCrは(Br+
0.5d)≧Cr≧Brである。
【0032】又前記比Tz/Tgが0.9を越えると、
走行中のビード部3のタイヤ軸方向の動きが過大とな
り、ビードコア2の下方でカーカスコードにルースが発
生したり、タイヤとリムがズレてコア下ゴム層16に損
傷が発生しやすくなる。逆に0.2未満の時、コア下ゴ
ム層16及びカーカスの前記ビードコア2の真下に位置
する部分に応力が集中してしまい、この部分でゴムの破
断、カーカスコードの破断が発生しやすくなる。従っ
て、より好ましくは、比Tz/Tgは0.4〜0.7の
範囲である。
【0033】さらにタイヤ1は、本実施例では、リム組
み前における、ビード部3の外形プロファイルを下記の
ごとく規制している。
【0034】すなわち、図3に示すように、リム組み前
にタイヤ赤道Cを垂直に向けたタイヤの基準状態におい
て、ビード部3は、ビード外側面23に、前記ビードヒ
ール面22のタイヤ軸方向最外点22eを通る半径方向
線Lよりもタイヤ軸方向内側に窪む凹部25を形成して
いる。なお前記リムRのリムヒール面32のタイヤ軸方
向最外点32eは、前記半径方向線L上に位置する。
【0035】従って前記凹部25の形成によって、リム
との嵌合の際、フランジ面33との間のしめ代が大巾に
低減され、リム組自体により発生する圧縮応力を減ずる
他、ビード変形時に副カーカス8に作用する圧縮応力を
広範囲に分散・緩和でき、これらに相乗効果によってル
ースを防ぎかつコードキングを抑制する。又凹部25
は、カーカス6とビード外側面23との間のゴム厚さを
減じビード温度を低減するのに役立ち、前記効果をさら
に高めうる。
【0036】又前記ビード部3は、前記ビードベース面
21を、軸方向線に対して、前記リムベース面31と同
じ方向、即ちタイヤ軸方向内側に向かって下傾斜する傾
斜面部21A、及びこの傾斜面部21Aに連なりかつタ
イヤ軸方向内側に向かって上傾斜してのびるトウ側傾斜
面部分21Bで形成している。
【0037】前記傾斜面部21Aの軸方向線に対する傾
斜角度α1を、リムベース面31の前記傾斜角度α2の
1.2〜3.0倍の範囲で高めている。このことにより
リムベース31との間の締め代をヒール側で小かつトウ
側で大に設定することができ、リムRとの嵌合力を維持
しながら、ビードコア2のコア中心下でのリムベースと
の接触圧を低減し、ビードコアの重心点下でのルースの
発生を抑制する。なお傾斜角度α1を前記範囲で高める
ことは、前記重心点下でのゴム圧縮量自体を減じる効果
に加え、前記圧縮量が一定の場合であっても、200%
負荷状態においては、前記重心点下での接触圧を減ずる
効果を発揮しうる。これはヒール側の締め代が大きい場
合には、200%負荷状態において、トウが浮き上がる
方向に変形し重心点下での接触圧を著増させるからであ
り、逆にヒール側の締め代を減ずることにより、重心点
下での接触圧を低減しうるのである。
【0038】従って、前記傾斜角度α1が角度α2の
1.2倍より小の時、タイヤとの締め代が小となり、リ
ムずれ及びビードベース部のゴム及びケースのルースが
発生しやすくなりビード部の耐久性が低下する。又角度
α1を角度α2の1.2倍より小とした構成において、
タイヤのビード径Dtを小さくすれば、タイヤとリムと
の締め代は大きくなるが、この場合ビードヒール部のタ
イヤとリムの締め代が大きくなりすぎて、このヒール部
においてルースが発生しやすくなる。逆に角度α2の
3.0倍より大の時、逆にトウ側を起点としてルースを
誘発し、またリムの着脱性を大巾に低下する。従って好
ましくは傾斜角度α1は角度α2の1.2〜2.0倍の
範囲である。なおトウ側傾斜面部21Bの軸方向線との
角度βは0〜10度であって、0度より小の時リム組性
の向上効果を十分発揮できず、又10度より大の時、加
硫成形に際し、ビードベースでのゴム流れが不良とな
り、ベアーを発生しやすい。従って好ましくは前記角度
βは0〜5度の範囲とする。
【0039】なお、図5に、ビード部3の他の実施例を
開示する。図において、ビード外側面23は、半径方向
線Lよりもタイヤ軸方向外側に位置し、リムフランジと
の締め代を形成している。又ビードベース面21は、そ
の外端21eからトウ先端に至りリムベース面31の傾
斜角度α2の1.0〜1.2倍の角度α3を有して同方
向に傾斜している。又サイドパキングゴム15の下端
は、補強フィラ14上端で整一している。
【0040】このように本発明の高速重荷重用ラジアル
タイヤは、種々のビードプロファイルを採用することが
できる。
【0041】
【具体例】図1に示すタイヤ構造を有しかつタイヤサイ
ズが46×17R20である航空機用タイヤを表1に示
す仕様に基づき試作するとともに、該試作タイヤのビー
ド耐久性をドラムテストA、Bによって比較した。また
表1で使用したゴムの配合例を表2に示す。
【0042】・ドラムテストA:200%標準荷重(2
0870kgの2倍)、規格速度(362km/h)、規格内
圧(15.6kg/cm2 )の条件下で、米国航空局規格T
SO−C62dの離陸テストに準じて行った。 ・ドラムテストB:200%標準荷重(20870kgの
2倍)、規格速度(64m/h)、規格内圧(15.6kg
/cm2 )の条件下で、米国航空局規格TSO−C62d
のTAXIテストに準じて行った。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】本発明の高速重荷重用ラジアルタイヤ
は、叙上の如く構成しているため、高いビード耐久性を
発揮しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】ビードゴムを説明するビード部の拡大断面図で
ある。
【図3】ビード部のプロファイルを説明するビード部の
拡大断面図である。
【図4】リムの拡大断面図である。
【図5】本発明の他の実施例を示すビード部の拡大断面
図である。
【符号の説明】
2 ビードコア 3 ビード部 4 サイドウォール部 5 トレッド部 6 カーカス 6A 本体部 6B 巻付け部 6C 折返し部 10 ビードエーペックスゴム 13 ビードゴム 16 コア下ゴム層 16A 下ゴム部 16B 側ゴム部 21 ビードベース面 Q ビードコアの重心点
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−92709(JP,A) 特開 平3−42308(JP,A) 特開 平3−16812(JP,A) 特開 平2−200504(JP,A) 特開 平7−172118(JP,A) 特開 平7−144516(JP,A) 特開 平7−164840(JP,A) 特開 平7−164839(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60C 15/00 B60C 15/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部からサイドウオール部を通りビ
    ード部のビードコアに至る本体部の両端に前記ビードコ
    アの底面を通る巻付け部を介して内側から外側に折り返
    される折返し部を設けたはカーカスと、このカーカスの
    本体部と折返し部との間に介在して前記ビードコアから
    半径方向外側にのびるビードエーペックスゴムとを具え
    る高速重荷重用ラジアルタイヤであって、 前記ビード部に、前記ビードコアの半径方向内方に位置
    するとともにビードベース面をなす下ゴム部を有するコ
    ア下ゴム層を含みかつカーカスの前記巻付け部から折返
    し部に沿って配されるビードゴムを具えるとともに、前
    記コア下ゴム層は、100%伸張時のモジュラスMbが
    50〜80kgf/cm2 、かつ損失弾性率E”bが30kgf/
    cm2 以下のゴム組成物からなることを特徴とする高速重
    荷重用ラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】前記コア下ゴム層は、前記下ゴム部から前
    記折返し部に沿って立ち上がる側ゴム部を有し、この側
    ゴム部のビードベース面からの高さCrは、前記ビード
    コアの重心点のビードベース面からの高さBrと前記ビ
    ードコアの直径dの1.0倍との和の長さ(Br+1.
    0d)以下、かつ前記高さBrから前記直径dの0.7
    倍を減じた長さ(Br−0.7d)以上であることを特
    徴とする高速重荷重用ラジアルタイヤ。
  3. 【請求項3】前記ビードコアの重心点を通るタイヤ半径
    方向線S2上における前記下ゴム部の厚さTzと、前記
    ビードコアの重心点を通るタイヤ軸方向線S1上におけ
    る前記側ゴム部の厚さTgとの比Tz/Tgは、0.2
    〜0.9であることを特徴とする請求項1記載の高速重
    荷重用ラジアルタイヤ。
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