JP2971058B1 - 重荷重用ラジアルタイヤ - Google Patents

重荷重用ラジアルタイヤ

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JP2971058B1
JP2971058B1 JP10133660A JP13366098A JP2971058B1 JP 2971058 B1 JP2971058 B1 JP 2971058B1 JP 10133660 A JP10133660 A JP 10133660A JP 13366098 A JP13366098 A JP 13366098A JP 2971058 B1 JP2971058 B1 JP 2971058B1
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Abstract

【要約】 【課題】 タイヤ強度を維持しながらビード耐久性を向
上できかつ軽量化に貢献できる。 【解決手段】 プライ折返し部とプライ本体部とが近接
して平行にのびる近接部を有するカーカスプライからな
るカーカスと、このカーカスに沿いかつビードコアの廻
りでビードエーペックスゴム8の外方端8eよりも外方
まで折り返すことなく終端するカーカス補強プライとを
具える。半径方向内外で隣り合うカーカスコード21と
ベルトコード25との間のゴム厚さT1は、細い側のコ
ード直径D1の1.0〜3.0倍、かつ半径方向内外で
隣り合うカーカスコード21と補強コード26との間の
ゴム厚さT2は、細い側のコード直径D2の1.0〜
3.0倍である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤ強度を維持
しつつビード耐久性を向上できかつ軽量化を達成しうる
重荷重用ラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】カーカスをスチールコードで形成した、
例えばトラック、バス用等の重荷重用ラジアルタイヤで
は、従来、図6(A) に示すように、ビード耐久性を保持
するために、カーカスのプライ本体部a1とプライ折返
し部a2との間に充填するビードエーペックスゴムbの
ゴムボリュウムを増加し、ビード剛性を大巾に高めるこ
とによって負荷荷重によるタイヤ変形自体を減じてい
る。
【0003】これに対して、近年、タイヤの軽量化のた
めにビード構造が見直され、図6(B) に示すように、逆
にビードエーペックスゴムbのボリュウム及び高さhを
大巾に減じるとともに、プライ折返し部a2を高くして
プライ本体部a1と近接させる(以下に新ビード構造と
いう)ことにより、ビード耐久性を向上しながら軽量化
を図る技術が提案されている。
【0004】この新ビード構造では、ビードエーペック
スゴムbの高さhとビード耐久性とに強い相関関係があ
り、ビード耐久性のためには前記高さhができるだけ小
さいことが好ましいことが判明している。
【0005】しかしこの高さhの減少は、ビードエーペ
ックスゴムbの外方端近傍beで生じる前記プライ折返
し部a2の折れ曲がりの度合いを、著しく増加させてし
まう。その結果、タイヤを生産するにあたり、加硫成形
中において前記折れ曲がりが強く戻ろうとして前記外方
端近傍beにエアー溜まりが発生しやすくなり、ビード
損傷の原因となる。
【0006】従って、新ビード構造では、前記エアー溜
まりの発生を抑えるため、カーカスコードの太さを従来
のものに比して減じた細くしなやかなコードを用いるこ
とが望まれる。しかし、このカーカスコードの細径化
は、プランジャー強度を損ねるとともに、縁石などへの
乗上げ時に受ける衝撃によってサイドウォールの肩部に
おいてカーカスコード破断(サイドコンカッション)を
誘発させるなど、タイヤ強度を低下させるという解決す
べき新たな問題が発生する。
【0007】そこで本発明は、ビードコアの廻りでビー
ドエーペックスゴムの外方端よりも外方まで折返さない
カーカス補強プライを設け、その補強効果によってサイ
ドコンカッションを抑制するとともに、トレッド部での
コード間のゴム厚さを特定してクッション効果を付与す
ることを基本として、タイヤ強度を維持しながら、細く
しなやかなカーカスコードを採用することが可能とな
り、新ビード構造におけるビードエーペックスゴムの高
さを、エアー溜まりを招くことなくより減じることがで
き、ビード耐久性を向上しうる重荷重用ラジアルタイヤ
の提供を目的としている。
【0008】なお前記タイヤ強度の維持は、カーカス補
強プライを加えたカーカス全体のコードのスチール量
を、むしろ減じながら達成することが可能であり、軽量
化のさらなる促進にも貢献しうる。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、トレッド部からサイドウォール部をへて
ビード部のビードコアに至るプライ本体部に、前記ビー
ドコアの廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返すプ
ライ折返し部を連設したラジアル配列のカーカスプライ
からなるカーカスと、トレッド部の内方かつ前記カーカ
スの外側に配される複数のベルトプライからなるベルト
層と、カーカスの前記プライ本体部とプライ折返し部と
の間を通って前記ビードコアからタイヤ半径方向外方に
のびるビードエーペックスゴムとを具える重荷重用ラジ
アルタイヤであって、前記カーカスは、前記プライ折返
し部が前記ビードエイペックスゴムの半径方向外方端よ
りも外方に突出することによりこのプライ折返し部がプ
ライ本体部と近接して実質的に平行にのびる近接部を有
し、かつ、このカーカスに沿いトレッド部からのび前記
ビードコアの廻りでビードエーペックスゴムの外方端よ
りも外方まで折り返すことなく終端するカーカス補強プ
ライを隣設するとともに、前記カーカスプライのカーカ
スコードと、このカーカスプライに半径方向外側で隣り
合うベルトプライのベルトコードとの間のタイヤ赤道面
におけるゴム厚さT1は、このカーカスコード及びベル
トコードのうちの細い側のコード直径D1の1.0〜
4.0倍、かつ前記カーカスプライのカーカスコード
と、このカーカスプライに半径方向内側で隣り合うカー
カス補強プライの補強コードとの間のタイヤ赤道面にお
けるゴム厚さT2は、このカーカスコード及び補強コー
ドのうちの細い側のコード直径D2の1.0〜4.0倍
であることを特徴としている。
【0010】なお、トレッド部からサイドウォール部に
かけて、タイヤ強度をバランス良く保つために、カーカ
スコードと補強コードとを同一材料で形成することが好
ましい。
【0011】又ビード耐久性をより高める上で、タイヤ
の正規状態において、前記ビードエーペックスゴムの外
方端のビードベースラインからのビードエーペックス高
さを、タイヤ赤道面における前記カーカスの内面のビー
ドベースラインからのカーカス高さの0.07〜0.2
0倍とすることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面に基づき説明する。図1は、重荷重用ラジアルタイヤ
1(以下タイヤ1という)を正規リムJにリム組しかつ
正規内圧を充填した無負荷の正規状態における子午断面
であって、本例では、タイヤ1がトラック、バスなどに
使用されるチューブレスの重荷重用ラジアルタイヤであ
る場合を例示している。
【0013】なお本明細書において、「正規リム」と
は、JATMAで規定する標準リム、「正規内圧」と
は、JATMAで規定する最高空気圧として定義する。
【0014】図において、タイヤ1は、トレッド部2
と、その両端からタイヤ半径方向内方にのびる一対のサ
イドウォール部3と、各サイドウオール部3の内方端に
位置するビード部4とを具える。又タイヤ1には、前記
ビード部4、4間に跨るトロイド状のカーカス6と、こ
のカーカス6の外側かつトレッド部2の内方に配置され
るベルト層7と、前記カーカス6に沿うカーカス補強プ
ライ9とが配される。
【0015】なお前記ベルト層7は、2枚以上のベルト
プライからなり、本例では、ベルトコード25をタイヤ
赤道Cに対して、例えば60±10°程度の角度で傾け
た最も内のベルトプライ7aと、タイヤ赤道Cに対して
30°以下の小角度で傾けたベルトプライ7b、7c、
7dとを、前記ベルトコード25がプライ間で互いに交
差する箇所を1箇所以上設けて重ね合わせた4層構造を
なす。ベルトコード25には、スチールコードが好適で
あるが、必要に応じてレーヨン、ナイロン、芳香族ポリ
アミド等の有機繊維コードも用いうる。
【0016】又前記カーカス6は、カーカスコード21
をタイヤ赤道Cに対して70〜90°の角度範囲で配列
した1枚以上のカーカスプライ6aからなる。該カーカ
スプライ6aは、前記トレッド部2からサイドウオール
部3をへてビード部4のビードコア5に至る本体部6A
と、この本体部6Aに連なり前記ビードコア5の廻りを
内側から外側に折り返される折返し部6Bとを有すると
ともに、このプライ本体部6Aとプライ折返し部6Bと
の間には、前記ビードコア5からタイヤ半径方向外方に
先細状にのびるビードエーペックスゴム8が配される。
【0017】なお前記ビードコア5は、本例では、スチ
ール製のビードワイヤを所定回数螺旋巻きすることによ
り断面略六角形状に形成したものをゴム被覆することに
より形成され、その下辺5iがタイヤ軸方向線に対して
10〜17°、本例では約15°、すなわちリムのリム
シート面J1の傾斜に沿うように構成されている。な
お、ビードコア5には、スチールの他、芳香族ポリアミ
ドのワイヤ素材なども採用しうる。
【0018】又前記ビードエーペックスゴム8は、図2
に示すように、本例では、その外方端8eのビードベー
スラインBLからのビードエーペックス高さL1を、カ
ーカス高さH(図1に示す)の7〜20%の範囲まで大
巾に減じている。これによって、前述の新ビード構造に
よるビード耐久性の向上効果を図っている。ここで、前
記「ビードベースラインBL」とは、前記JATMAの
規格で定められるリム径を通るタイヤ軸方向線として定
義し、また「カーカス断面高さH」とは、前記正規状態
において、タイヤ赤道面におけるカーカス6の内面のビ
ードベースラインBLからの高さとして定義する。
【0019】なお、前記ビードエーペックス高さL1を
0.07×H未満に下げることは、タイヤ製造上困難で
あり、又0.2×Hをこえると、ビード耐久性の向上効
果が薄れるとともにタイヤ重量を不必要に増加するなど
新ビード構造によるメリットが得られなくなる。
【0020】またビードエーペックスゴム8は、本例で
はタイヤ軸方向の内側面をプライ本体部6Aに沿って傾
斜させた略直線状に形成するとともに、タイヤ軸方向の
外側面をタイヤ軸方向内側に凹む凹円弧状に形成してい
る。さらに、ビードエーペックスゴム8は、例えばJI
SA硬度を60〜99度、より好ましくは70〜95度
の硬質ゴムにて形成する。
【0021】次に、前記カーカス6は、本例では、スチ
ールコードをタイヤ赤道Cに対して60〜90°の角度
で配列した1枚のカーカスプライ6aからなり、カーカ
スコード21として、コード断面積Sを従来のものに比
して略半減させた、細くしなやかなコードを用いてい
る。詳しくは、カーカスに用いる従来のスチールコード
の断面積Sが、通常、0.385mm2 (コード構成:3
×0.20+7 ×0.23)程度であるに対し、本例では、コー
ド断面積Sがその0.45倍、すなわち0.172mm2
(コード構成:1 ×3/0.27)とした極めて小径なものを
使用している。
【0022】これによって、前記ビードエーペックス高
さL1を前記0.07×H〜0.2×Hの範囲に減じた
場合にも、カーカスコード21がビードエーペックスゴ
ム8に沿って柔軟に湾曲し、その外方端8eでのエアー
溜まりを確実に防止できる。このエアー溜まりの防止の
ために、カーカスコード21のコード断面積Sは、0.
10〜0.25mm2 の範囲、かつビードコア下における
コード断面積Sとプライ巾5cm当たりのコード打ち込
み数Nとの積S×Nであるスチール量を5.0〜10.
0mm2 の範囲とするのが好ましい。なお本例のスチール
量は6.88mm 2 であり、従来コードのスチール量は1
4.63mm2 程度である。
【0023】又カーカスプライ6aは、前記プライ本体
部6Aがビードエーペックスゴム8の前記外方端8eに
最も近接する位置Yoと、前記プライ本体部6Aがビー
ドコア5から半径方向外方に向かって離間を始める位置
Yiとの間の領域Yにおいて、プライ本体部6Aは略直
線状に形成される。
【0024】又前記プライ折返し部6Bは、前記ビード
エーペックスゴム8に沿って一旦凹円弧状に湾曲した
後、その外方端8eからはプライ本体部6Aと近接して
実質的に平行にのびる近接域Gを形成するとともに、タ
イヤ最大巾点P1よりも半径方向内方の位置で終端す
る。
【0025】このように、前記ビードエーペックス高さ
L1を大巾に減じるとともに、プライ本体部6Aとプラ
イ折返し部6Bとが近接域Gを形成している。その結
果、プライ折返し部6Bがタイヤ変形時の応力のニュト
ラルラインに近づき、プライ折返し部6Bとプライ本体
部6Aとの間のせん断応力が減じてコード破断損傷等を
効果的に抑制できる。又プライ本体部6Aが少なくとも
前記領域Yにおいて、本例では前記近接域Gを含む広い
領域範囲で略直線状をなすため、そのコードパスが短く
なり、正規内圧を充填した際、さらには荷重が負荷され
た際、カーカス6が外側へせり出すのを抑制でき、ビー
ド部4の変形量自体を効果的に低減する。又前記略直線
状となることによって、ビード部4の厚さがさらに減じ
て内部発熱を抑制するとともに、プライ折返し部6Bが
前記応力のニュトラルラインに一段と近づき、プライ折
返し部6Bとプライ本体部6Aとの間のプライルースの
損傷やコードの疲労破断損傷などを防止する。
【0026】前記近接域Gの長さL2は、前記正規状態
において、前記ビードコア5の断面最大巾BW(ワイヤ
部分を対象として測定する)の1.0〜4.0倍であっ
て、長さL2が、1.0×BWを下回る時には、ビード
耐久性が著しく低下する。逆に4.0×BWを上回る
と、ビード耐久性の向上効果が見込まれず、しかもプラ
イ折返し部6Bの外端が、サイドウォール部3における
ゴムゲージの薄い位置に配されることとなるため、外観
上、段付きラインが発生したり、サイドウォールのゴム
への歪みが大きくなってゴム割れなどの外観損傷が発生
する。又重量増による軽量化効果がうすれる。
【0027】また、図3に示すように、近接域Gにおい
て互いに隣り合うプライ本体部6Aのカーカスコード2
1と、プライ折返し部6Bのカーカスコード21との間
のコード間ゴム厚さTgは、カーカスコード21のコー
ド直径Kの0.15〜4.5倍、好ましくは1.3〜
3.5倍として離間させ、隣接するカーカスコード21
間に作用するせん断力を、このカーカスコード21間に
介在するゴム材22の弾性によって緩和するのが望まし
い。前記コード間ゴム厚さTgが、0.15×K未満の
とき、せん断力の緩和効果が不十分となり、又時にカー
カスコード21が部分的に接触するおそれがありコード
ルースなどの原因にもなりかねない。また、コード間ゴ
ム厚さTgが、4.5×Kを超えると、プライ本体部6
Aとプライ折返し部6Bとが平行にのびる場合でも、プ
ライ折返し部6Bに圧縮の破断損傷を招きやすくなり、
またビード部4の厚さを不必要に増大するなど、発熱性
の点からも好ましくない。なお前記ゴム材22は、カー
カスプライ6aのトッピングゴムであっても良いが、本
例ではプライ本体部6Aとプライ折返し部6Bとの間に
トッピングゴムと略等しい硬度のクッションゴム層23
を別途設けたものを例示している。
【0028】またタイヤ1では、コード断面積Sを0.
25mm2 以下とした細いカーカスコード21を使用する
ことに原因する、タイヤ強度の低下を抑制するため、前
記カーカス6の本例では、タイヤ内腔に向く内側面に沿
って、1枚のカーカス補強プライ9を設けている。
【0029】このカーカス補強プライ9は、タイヤ赤道
Cに対して70〜90°の角度範囲で配列する補強コー
ド26を有し、本例では、トレッド部2からタイヤ最大
巾点P1をこえて半径方向内方にのびるとともに、前記
ビードコア5で折り返すことなく終端している。
【0030】前記補強コード26としては、ナイロン、
ポリエステル、レーヨン、芳香族ポリアミド等の有機繊
維コード或いはスチールコードを用いうる。しかし、好
ましくはカーカスコード21と同一材料、すなわちカー
カスコード21と材質及びコード構成を同じとした、細
く柔軟なコードが使用でき、特にコード打ち込み数Nも
実質的に同じ、すなわちスチール量S×Nを同じとして
形成することが、タイヤ強度をバランス良く向上させる
上で好ましい。
【0031】このカーカス補強プライ9は、少なくとも
ベルト層7の外方端からカーカス6に直交するベルト外
端線7Eをこえて半径方向内方にのび、好ましくは前記
タイヤ最大巾点P1をこえることにより、前記サイドウ
ォール部3の肩部で生じるサイドコンカッションを抑制
する。本例では、カーカス補強プライ9の内端点9e
が、ビードコア5で折返すことなく、ビードコア5の側
部で終端する場合を例示している。
【0032】又トレッド部2では、図4に示すように、
前記カーカスプライ6aのカーカスコード21と、この
カーカスプライ6aに隣り合う前記ベルトプライ7aの
ベルトコード25との間のタイヤ赤道面COにおけるゴ
ム厚さT1を、カーカスコード21及びベルトコード2
5のうちの細い側のコード直径D1の1.0〜4.0倍
に高めるとともに、前記カーカスプライ6aのカーカス
コード21と、このカーカスプライ6aに隣り合う前記
カーカス補強プライ9の補強コード26との間のタイヤ
赤道面COにおけるゴム厚さT2を、カーカスコード2
1及び補強コード26のうちの細い側のコード直径D2
の1.0〜4.0倍に高めている。
【0033】従って、カーカス補強プライ9の補強効果
に加え、前記ゴム厚さT1、T2の増加によって、トレ
ッド部2にクッション性を付与でき、その結果、トレッ
ド部2に作用する衝撃力を広範囲に分散してプランジャ
ー強度(破壊エネルギ)を向上する。
【0034】なお前記ゴム厚さT1、T2とプランジャ
ー強度との関係を図5(A) 、(B) に示す。図の如く、プ
ランジャー強度は、ゴム厚さT1、T2が1.0×Dま
ではゴム厚さT1、T2とともに増加するが、1.0×
Dからは略一定値に保たれる。従って、ゴム厚さT1、
T2を1.0×D以上とすることにより、略最大のプラ
ンジャー強度を安定して得ることができる。なお3.0
×Dより大では、厚さが過大となって発熱性を損ねると
ともに材料の無駄を招き、しかも操縦安定性などに悪影
響を及ぼす。
【0035】なおこのサイドコンカッションの抑制、及
びプランジャー強度の向上により、カーカスプライ6a
のスチール量とカーカス補強プライ9のスチール量との
和が、従来の1枚のカーカスプライのスチール量より小
な場合にも、タイヤ強度を従来タイヤと同レベルまで高
めることが可能になる。言い換えると、タイヤ強度を従
来タイヤと同レベルに維持しながら、本例では、少なく
とも前記プライ折返し部6Bに相当するカーカス補強プ
ライ9の長さ部分の重量を軽減することが可能となる。
【0036】なお、カーカス補助プライ9としては、図
7(A) 、(B) に示すように、ビードコア5で折返すこと
なく、前記ベルト外端線7Eからタイヤ最大巾点P1に
至る領域、或いは前記タイヤ最大巾点P1からビードコ
ア横に至る領域で終端させても良い。又ビードコア5で
折返しても良く、係る場合には、少なくともビードエー
ペックスゴム8の外方端8eよりも半径方向内方位置で
終端させることが、本願の効果を発揮する上で必要であ
る。しかし好ましくは、カーカス補助プライ9は、前記
図1及び図7(A) 、(B) の如く、折り返さないで終端さ
せるのが良い。なお当然のことながら、カーカス補助プ
ライ9はカーカスプライ6aの外側面に沿って形成する
こともできる。
【0037】他方、本例の如き新ビード構造において
は、ビード剛性の減少により操縦安定性などの走行性能
が低下傾向となる恐れがある。従って、本例では、リム
ずれ防止用の前記チェーファーゴム11の高さL3を、
前記ビードエーペックス高さL1より大(L3>L1)
とし、このチェーファーゴム11にビード剛性の向上機
能を付加させている。
【0038】詳しくは、前記チェーファーゴム11は、
前記ビードコア5の下方からプライ折返し部6Bに接し
ながらタイヤ半径方向外側にのび、その外端部は、サイ
ドウオール部3をなす柔らかなサイドウオールゴム10
と隣接する。
【0039】ここで、チェーファーゴム11は、前記サ
イドウオールゴム10の100%モジュラスが10〜2
0kgf/cm2 であるのに対して、その100%モジュラス
を55〜75kgf/cm2 とした高弾性のゴムから形成され
る。なおチェーファーゴム11の100%モジュラスが
55kgf/cm2 未満の時、ビード剛性が不充分となり、又
75kgf/cm2 を越えると、ビード部4の発熱が上がり、
逆に耐久性能が低下する。又サイドウオールゴム10の
100%モジュラスが10kgf/cm2 未満では、外傷から
カーカス6を保護し得ず、20kgf/cm2 を越えると、柔
軟性を損ね外表面にクラックの発生を招く。
【0040】又チェーファーゴム11は、タイヤ外表面
で露出する露出面11Sによって、ビード底面4Sを含
むリムJとの接触面を形成する。この露出面11Sの半
径方向外端のビードベースラインBLからの露出面高さ
L4は、前記フランジ高さLfの1.2〜2.5倍とす
ることが好ましい。露出面高さL4が1.2×Lf未満
の時、前記サイドウオールゴム10の下端部がタイヤ変
形時にリムフランジJfと接触し、このサイドウオール
ゴム10に局部的な摩滅を招く。逆に2.5×Lfを越
えると、ビード部4の発熱が上がり、又チェーファーゴ
ム11の表面にクラックを招き耐久性を低下させる。
【0041】又チェーファーゴム11とサイドウオール
ゴム10との境界面12は、カーカス6からタイヤ外表
面に向かって半径方向内方にのびる滑らかな斜面をな
し、これによってゴム弾性差によるゴム10、11間の
応力集中を緩和している。
【0042】なお本願の構造は、カーカスコード21が
スチールコードの場合に、効果をより顕著に発揮する
が、カーカスコード21として、他にナイロン、ポリエ
ステル、レーヨン、芳香族ポリアミド等の有機繊維コー
ドを使用することもできる。
【0043】
【実施例】タイヤサイズが11R22.5の重荷重用ラ
ジアルタイヤを表1の仕様に基づき試作するとともに、
試供タイヤのビード耐久性、操縦安定性、プランジャー
強度、タイヤ重量を測定した。
【0044】従来タイヤの基本仕様は次の通りである。 <カーカス> ・プライ数 1枚 ・コード構成 スチールコード(3 ×0.20+7 ×0.2
3) ・コード角度 タイヤ赤道に対して90度 ・コード密度 38本/5cm ・スチール量 14.63mm2 <ベルト層> ・プライ数 4枚 ・コード構成 スチールコード(3 ×0.20+6 ×0.3
5) ・コード角度 タイヤ赤道に対して内側プライから+
67度/+18度/−18度/−18度 ・コード密度 26本/5cm ・スチール量 17.47mm2
【0045】実施例及び比較例タイヤの基本仕様は次の
通りである。 <カーカス> ・プライ数 1枚 ・コード構成 スチールコード(1 ×3/0.27) ・コード角度 タイヤ赤道に対して90度 ・コード密度 40本/5cm ・スチール量 6.88mm2 <カーカス補強プライ> ・コード構成 スチールコード(1×3/0.27) ・コード角度 タイヤ赤道に対して80〜90度 ・コード密度 40本/5cm ・スチール量 6.88mm2 <ベルト層> 従来タイヤと同じ。
【0046】また、テストの内容は次の通りである。 <ビード耐久性>試供タイヤを8.25×22.5の正
規リムに装着して内圧1000kPaを充填し、荷重9
000kgf 、速度20km/hでドラム上を走行させ、
外観目視にて確認可能な損傷が発生した時点で走行を終
了し、損傷発生距離Liと完走距離Lo(10000k
m)との比Li/Loを、従来例を100とする指数に
よって評価した。数値が大きいほど優れている。
【0047】<操縦安定性>試供タイヤを8.25×2
2.5の正規リムに装着して内圧800kPaを充填
し、10トン車の全輪に装着するとともに、一般道路を
走行し、ハンドル応答性、剛性感、グリップ等に関する
特性をドライバーの官能評価により従来例を100とす
る指数で表示した。数値が大きいほど良好である。
【0048】<プランジャー強度>試供タイヤを8.2
5×22.5の正規リムに装着して内圧800kPaを
充填し、JIS D4230に準じたプランジャー破壊
試験を行った。その時の破壊エネルギーを、従来例を1
00とする指数で表示した。数値が大きいほど良好であ
る。 <タイヤ重量>タイヤ1本当たりの重量を、従来例を1
00とする指数により評価した。数値が小さいほど軽量
である。テストの結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】テストの結果、実施例のタイヤは、エアー
溜まりを招くことなく新ビード構造におけるビードエー
ペックス高さをいっそう減じることができ、ビード耐久
性を大巾に向上しうる。又細いカーカスコードを採用し
た場合にもタイヤ強度を従来と略同レベルに維持でき
る。しかも、このタイヤ強度の維持を、カーカス補強プ
ライを加えたカーカス全体におけるスチール量を減じな
がら達成することができ、軽量化をさらに促進しうる。
【0051】
【発明の効果】叙上の如く本発明の重荷重用ラジアルタ
イヤは、少なくともビードエーペックスゴムの外方端ま
では、折返さないカーカス補強プライを設け、その補強
効果によってサイドコンカッションを抑制するととも
に、トレッド部でのコード間のゴム厚さを特定してクッ
ション効果を付与している。従って、タイヤ強度を維持
しながら、細くしなやかなカーカスコードを採用するこ
とが可能となり、スリムビード構造におけるビードエー
ペックス高さを、エアー溜まりを招くことなくより減じ
ることができ、ビード耐久性を向上しうる。又軽量化の
さらなる促進にも貢献しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のタイヤの断面図である。
【図2】ビード部を拡大して示す断面図である。
【図3】近接域のコード間ゴム厚さを示す線図である。
【図4】隣り合うベルトプライとカーカスプライとカー
カス補強プライとの間におけるコード間のゴム厚さを説
明する断面図である。
【図5】(A) はベルトプライ及びカーカスプライ間にお
けるコード間のゴム厚さとプランジャー強度の関係を示
す線図、(B) はカーカスプライ、カーカス補強プライ間
におけるコード間のゴム厚さとプランジャー強度の関係
を示す線図である。
【図6】(A) 、(B) は従来技術を説明するビード部の断
面図である。
【図7】(A) 、(B) 、(C) は、カーカス補助プライの他
の例を示す略図である。
【符号の説明】
2 トレッド部 3 サイドウォール部 4 ビード部 5 ビードコア 6 カーカス 6a カーカスプライ 6A プライ本体部 6B プライ折返し部 7 ベルト層 7a〜7d ベルトプライ 8 ビードエーペックスゴム 8e ビードエイペックスゴムの外方端 9 カーカス補強プライ 21 カーカスコード 25 ベルトコード 26 補強コード BL ビードベースライン CO タイヤ赤道面 C タイヤ赤道 G 近接域 H カーカス高さ L1 ビードエーペックス高さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60C 9/08 B60C 9/18 - 9/20 B60C 15/00,15/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部からサイドウォール部をへてビ
    ード部のビードコアに至るプライ本体部に、前記ビード
    コアの廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返すプラ
    イ折返し部を連設したラジアル配列のカーカスプライか
    らなるカーカスと、トレッド部の内方かつ前記カーカス
    の外側に配される複数のベルトプライからなるベルト層
    と、カーカスの前記プライ本体部とプライ折返し部との
    間を通って前記ビードコアからタイヤ半径方向外方にの
    びるビードエーペックスゴムとを具える重荷重用ラジア
    ルタイヤであって、 前記カーカスは、前記プライ折返し部が前記ビードエイ
    ペックスゴムの半径方向外方端よりも外方に突出するこ
    とによりこのプライ折返し部がプライ本体部と近接して
    実質的に平行にのびる近接部を有し、 かつ、このカーカスに沿いトレッド部からのび前記ビー
    ドコアの廻りで前記ビードエーペックスゴムの外方端よ
    りも外方まで折り返すことなく終端するカーカス補強プ
    ライを隣設するとともに、 前記カーカスプライのカーカスコードと、このカーカス
    プライに半径方向外側で隣り合うベルトプライのベルト
    コードとの間のタイヤ赤道面におけるゴム厚さT1は、
    このカーカスコード及びベルトコードのうちの細い側の
    コード直径D1の1.0〜4.0倍、かつ前記カーカス
    プライのカーカスコードと、このカーカスプライに半径
    方向内側で隣り合うカーカス補強プライの補強コードと
    の間のタイヤ赤道面におけるゴム厚さT2は、このカー
    カスコード及び補強コードのうちの細い側のコード直径
    D2の1.0〜4.0倍であることを特徴とする重荷重
    用ラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】前記カーカスコードは、前記補強コードと
    同一材料から形成されることを特徴とする請求項1記載
    の重荷重用ラジアルタイヤ。
  3. 【請求項3】タイヤを正規リムにリム組みしかつ正規内
    圧を充填した正規状態において、前記ビードエーペック
    スゴムの外方端のビードベースラインからのビードエー
    ペックス高さは、タイヤ赤道面における前記カーカスの
    内面のビードベースラインからのカーカス高さの0.0
    7〜0.20倍であることを特徴とする請求項1、又は
    2記載の重荷重用ラジアルタイヤ。
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