JP6462271B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、空気入りタイヤに関する。詳細には、本発明は、サイドウォールの内側に荷重支持層を備えた空気入りタイヤに関する。
タイヤは、ビード、カーカス、トレッド及びサイドウォールを備えている。トレッドとサイドウォールとの境界の近傍は、バットレスと称されている。
タイヤは、リムに装着されて用いられる。タイヤが路面に敷設されたキャッツアイを乗り越えるとき、タイヤは過剰に変形する。この変形によりタイヤがリムとキャッツアイとに挟まれ、カーカスが破損することがある。この破損は、ピンチカットと称されている。タイヤが縁石を乗り越えるときにも、ピンチカットが発生しうる。タイヤが路面の穴に落ちたときも、ピンチカットが発生しうる。セクションハイトの小さなタイヤにおいて、ピンチカットが生じやすい。特に、偏平率が55%以下であるタイヤにおいて、ピンチカットが生じやすい。
ピンチカットは、ビードの近傍において生じやすい。ピンチカットはさらに、バットレスにおいても生じやすい。セクションハイトの小さなタイヤは、通常は、リムプロテクターを有している。このリムプロテクターにより、ビードの近傍におけるピンチカットは抑制されうる。バットレスにおけるピンチカットの抑制が、急務である。
カーカスが複数のプライを有するタイヤでは、ピンチカットが抑制される。しかし、このタイヤの質量は大きい。このタイヤは、低燃費性能に劣る。
カーカスが太いコードを含むタイヤでは、ピンチカットが抑制される。しかし、このタイヤの質量は大きい。このタイヤは、低燃費性能に劣る。
バットレスの厚みが大きなタイヤでは、ピンチカットが抑制される。しかし、このタイヤの転がり抵抗は大きい。このタイヤは、低燃費性能に劣る。
近年、サイドウォールの内側に荷重支持層を備えたランフラットタイヤが開発され、普及しつつある。この支持層には、高硬度な架橋ゴムが用いられている。このランフラットタイヤは、サイド補強タイプと称されている。このタイプのランフラットタイヤでは、パンクによって内圧が低下すると、支持層によって荷重が支えられる。この支持層は、パンク状態でのタイヤの撓みを抑制する。パンク状態で走行が継続されても、高硬度な架橋ゴムが、支持層での発熱を抑制する。このランフラットタイヤでは、パンク状態でも、ある程度の距離の走行が可能である。このランフラットタイヤが装着された自動車には、スペアタイヤの常備は不要である。このランフラットタイヤの採用により、不便な場所でのタイヤ交換が避けられうる。支持層を有するランフラットタイヤが、特開2009−298397公報に開示されている。
特開2009−298397公報
支持層を有するランフラットタイヤでは、この支持層がピンチカットを抑制する。特に、厚い支持層は、ピンチカットを抑制する。しかし、厚い支持層を有するタイヤの質量は大きい。しかもこのタイヤの転がり抵抗は、大きい。このタイヤは、低燃費性能に劣る。さらにこのタイヤは、乗り心地に劣る。
本発明の目的は、ピンチカットが生じにくく、低燃費性能に優れ、かつ乗り心地にも優れる空気入りタイヤの提供にある。
本発明に係る空気入りタイヤは、トレッド、一対のサイドウォール、一対のビード、カーカス、ベルト及び一対の荷重支持層を備える。それぞれのサイドウォールは、トレッドの端から半径方向略内向きに延びる。それぞれのビードは、サイドウォールよりも半径方向略内側に位置する。カーカスは、トレッド及びサイドウォールに沿って一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されている。ベルトは、トレッドの半径方向内側においてカーカスと積層されている。それぞれの荷重支持層は、サイドウォールの軸方向内側に位置している。この荷重支持層は、半径方向においてベルトとオーバーラップしている。一対の荷重支持層の合計質量Msの、タイヤの質量Mtに対する比率Psは、10%以下である。ベルトの端の直下における荷重支持層の厚みT1は、2.0mm以上である。
好ましくは、ベルトと荷重支持層とのオーバーラップの、軸方向距離における距離L2は、10mm以上40mm以下である。
好ましくは、荷重支持層の最大厚みT2は、2.0mm以上10.0mm以下である。
好ましくは、荷重支持層の複素弾性率Eは、7.0以上14.0以下である。好ましくは、荷重支持層の損失正接tanδは、0.03以上0.08以下である。
好ましくは、荷重支持層の損失正接tanδは、サイドウォールのtanδよりも小さい。
荷重支持層は、ゴムテープが周方向に巻かれることで形成されうる。
タイヤが、一対のストリップエイペックスをさらに備えてもよい。それぞれのストリップエイペックスは、サイドウォールの軸方向内側に位置する。
前述の通り、荷重支持層は、パンク状態での走行を可能にする役割を果たす。本発明者は、荷重支持層が、本来の役割に加えて、ピンチカット抑制の役割を果たすことを見いだし、本発明を完成させた。本発明に係る空気入りタイヤでは、ピンチカットは生じにくい。このタイヤは、低燃費性能に優れ、かつ乗り心地にも優れる。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤの一部が示された拡大断面図である。 図3は、図1のタイヤの荷重支持層が示された模式図である。 図4は、図3の荷重支持層の形成のためのゴムテープが示された斜視図である。 図5は、図3の荷重支持層の形成の過程が示された断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、空気入りタイヤの一例であるランフラットタイヤ2が示されている。図1において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。図1において、一点鎖線Eqはタイヤ2の赤道面を表わす。このタイヤ2の形状は、トレッドパターン(後に詳説)を除き、赤道面Eqに対して対称である。図1において、矢印HはベースラインBL(後に詳説)からのタイヤ2の高さを表す。高さHは、セクションハイトと称される。
このタイヤ2は、トレッド4、一対のウイング6、一対のサイドウォール8、一対のクリンチ10、一対のビード12、カーカス14、一対のストリップエイペックス15、一対の荷重支持層16、ベルト18、バンド20、一対のインスレーション21、インナーライナー22及び一対のチェーファー24を備えている。ベルト18及びバンド20は、補強層を構成している。ベルト18のみから、補強層が構成されてもよい。
トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、路面と接地するトレッド面26を形成する。トレッド面26には、溝28が刻まれている。この溝28により、トレッドパターンが形成されている。トレッド4は、キャップ層30とベース層32とを有している。キャップ層30は、架橋ゴムからなる。ベース層32は、他の架橋ゴムからなる。キャップ層30は、ベース層32の半径方向外側に位置している。キャップ層30は、ベース層32に積層されている。
それぞれのサイドウォール8は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール8は、架橋ゴムからなる。サイドウォール8は、カーカス14の外傷を防止する。サイドウォール8は、リムプロテクター34を備えている。リムプロテクター34は、軸方向外側に向かって突出している。パンク状態での走行のとき、このリムプロテクター34がリムのフランジ36と当接する。この当接により、ビード12の変形が抑制されうる。変形が抑制されたタイヤ2は、パンク状態での耐久性に優れる。リムプロテクター34はさらに、ビード12の近傍におけるピンチカットを抑制する。
図1において矢印Hrで示されているのは、リムプロテクター34の高さである。ビード12の近傍におけるピンチカットが抑制されるとの観点から、高さHrは10mm以上が好ましく、15mm以上が特に好ましい。タイヤ2の軽量の観点から、高さHrは25mm以下が好ましい。
それぞれのクリンチ10は、サイドウォール8の半径方向略内側に位置している。クリンチ10は、軸方向において、ビード12及びカーカス14よりも外側に位置している。クリンチ10は、リムのフランジ36と当接している。
それぞれのビード12は、サイドウォール8の半径方向内側に位置している。ビード12は、コア38と、このコア38から半径方向外向きに延びるエイペックス40とを備えている。コア38はリング状であり、巻回された非伸縮性ワイヤーを含む。典型的には、ワイヤーは、スチール製である。エイペックス40は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス40は、高硬度な架橋ゴムからなる。
図1において矢印Haで示されているのは、ベースラインBLからのエイペックス40の高さである。換言すれば、高さHaは、ビードの半径方向外側端E1の、ベースラインBLからの距離である。このベースラインBLは、コア38の、半径方向における最も内側地点を通過する。このベースラインBLは、軸方向に延びる。タイヤ2の高さHに対するエイペックス40の高さHaの比(Ha/H)は、0.1以上0.7以下が好ましい。比(Ha/H)が0.1以上であるエイペックス40は、パンク状態において車重を支持しうる。このエイペックス40は、パンク状態でのタイヤ2の耐久性に寄与する。この観点から、比(Ha/H)は0.2以上が特に好ましい。比(Ha/H)が0.7以下であるタイヤ2は、乗り心地性に優れる。この観点から、比(Ha/H)は0.6以下が特に好ましい。
カーカス14は、カーカスプライ42からなる。カーカスプライ42は、両側のビード12の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール8に沿っている。カーカスプライ42は、コア38の周りを、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、カーカスプライ42には、主部44と折り返し部46とが形成されている。折り返し部46の端48は、ベルト18の直下にまで至っている。換言すれば、折り返し部46はベルト18とオーバーラップしている。このカーカス14は、いわゆる「超ハイターンアップ構造」を有する。超ハイターンアップ構造を有するカーカス14は、パンク状態におけるタイヤ2の耐久性に寄与する。このカーカス14は、パンク状態での耐久性に寄与する。
カーカスプライ42は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、45°から90°である。特には、角度の絶対値は、75°から90°である。換言すれば、このカーカス14はラジアル構造を有する。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
それぞれのストリップエイペックス15は、架橋ゴムからなる。ストリップエイペックス15は、シート状である。図1の断面において、ストリップエイペックス15は、概して半径方向に延在している。ストリップエイペックス15は、その半径方向内側端E3の近傍において、エイペックス40と積層されている。ストリップエイペックス15は、その半径方向内側端E4の近傍において、主部44及び折り返し部46に挟まれている。ストリップエイペックス15は、ピンチカットを抑制する。
図1において矢印Hbで示されているのは、ストリップエイペックス15の高さである。高さHbは、半径方向に沿って測定される。ピンチカットの抑制の観点から、高さHbは20mm以上が好ましく、30mm以上が特に好ましい。タイヤ2の軽量の観点から、高さHbは60mm以下が好ましく、50mm以下が特に好ましい。ストリップエイペックス15の厚みは、0.5mm以上2.0mm以下が好ましい。ストリップエイペックス15のJIS−A硬度は、85以上98以下が好ましい。
それぞれの荷重支持層16は、サイドウォール8の軸方向内側に位置している。この支持層16は、カーカス14とインスレーション21とに挟まれてる。支持層16は、半径方向において、内向きに先細りであり外向きにも先細りである。この支持層16は、三日月に類似の形状である。支持層16は、高硬度な架橋ゴムからなる。タイヤ2がパンクしたとき、この支持層16が荷重を支える。この支持層16により、パンク状態であっても、タイヤ2はある程度の距離を走行しうる。このランフラットタイヤ2は、サイド補強タイプである。タイヤ2が、図1に示された支持層16の形状とは異なる形状を有する支持層を備えてもよい。
カーカス14のうち、支持層16とオーバーラップしている部分は、インナーライナー22と離れている。換言すれば、支持層16の存在により、カーカス14は湾曲されられている。パンク状態のとき、支持層16には圧縮荷重がかかり、カーカス14のうち支持層16と近接している領域には引張り荷重がかかる。支持層16はゴム塊なので、圧縮荷重に十分に耐えうる。カーカス14のコードは、引張り荷重に十分に耐えうる。支持層16とカーカスコードとにより、パンク状態でのタイヤ2の縦撓みが抑制される。縦撓みが抑制されたタイヤ2は、パンク状態での操縦安定性に優れる。
パンク状態での縦歪みの抑制の観点から、支持層16の硬度は60以上が好ましく、65以上が特に好ましい。通常状態での乗り心地性の観点から、硬度は90以下が好ましく、80以下が特に好ましい。硬度は、「JIS K6253」の規定に準じ、タイプAのデュロメータによって測定される。図1に示された断面にこのデュロメータが押し付けられ、硬度が測定される。測定は、23℃の温度下でなされる。
支持層16の下端E5は、エイペックス40の上端E1(すなわちビードの半径方向外側端)よりも、半径方向において内側に位置している。換言すれば、支持層16はエイペックス40とオーバーラップしている。図1において矢印L1で示されているのは、支持層16の下端E5とエイペックス40の上端E1との半径方向距離である。距離L1は、2mm以上50mm以下が好ましい。距離L1がこの範囲であるタイヤ2では、均一な剛性分布が得られる。距離L1は10mm以上が特に好ましい。距離L1は40mm以下が特に好ましい。
支持層16の上端E6は、ベルト18の端E7よりも軸方向において内側に位置している。換言すれば、支持層16は半径方向においてベルト18とオーバーラップしている。ベルト18の端E7の近傍は、タイヤ2が変形するときに応力が集中する。ベルト18とオーバーラップする支持層16は、ベルト18の端E7の近傍(すなわちバットレス)におけるピンチカットを抑制する。
図1において矢印L2で示されているのは、支持層16の上端E6とベルト18の端E7との軸方向距離である。距離L2は、10mm以上40mm以下が好ましい。距離L2が10mm以上であるタイヤ2では、ピンチカットが抑制される。この観点から、距離L2は15mm以上が特に好ましい。距離L2が40mm以下であるタイヤ2は、軽量である。この観点から、距離L2は30mm以下が特に好ましい。
支持層16の複素弾性率Eは、7.0以上14.0以下が好ましい。複素弾性率Eが7.0以上であるタイヤ2は、パンク状態での耐久性に優れる。この観点から、複素弾性率Eは8.0以上が特に好ましい。複素弾性率Eが14.0以下であるタイヤ2の転がり抵抗は、小さい。この観点から、複素弾性率Eは12.0以下が特に好ましい。
支持層16の損失正接tanδは、0.03以上0.08以下が好ましい。損失正接tanδが0.03以上であるタイヤ2は、パンク状態での耐久性に優れる。この観点から、損失正接tanδは0.04以上が特に好ましい。損失正接tanδが0.08以下であるタイヤ2の転がり抵抗は、小さい。この観点から、損失正接tanδは12.0以下が特に好ましい。
複素弾性率E及び損失正接tanδは、「JIS K 6394」の規定に準拠して、測定される。測定条件は、以下の通りである。
粘弾性スペクトロメーター:岩本製作所の「VESF−3」
初期歪み:10%
動歪み:±2%
周波数:10Hz
変形モード:引張
測定温度:70℃
支持層16の損失正接tanδは、サイドウォール8のtanδよりも小さい。このタイヤ2の転がり抵抗は、小さい。この観点から、サイドウォール8のtanδに対する支持層16の損失正接tanδの比率は80%以下が好ましく、60%以下が特に好ましい。
一対の支持層16の合計質量Msの、タイヤ2の質量Mtに対する比率Psは、10%以下である。このタイヤ2は、軽量である。このタイヤ2の転がり抵抗は、小さい。このタイヤ2は、低燃費性能に優れる。このタイヤ2は、乗り心地にも優れる。これらの観点から、この比率Psは8%以下が特に好ましい。パンク状態での耐久性の観点から、この比率Psは4%以上が好ましい。
ベルト18は、カーカス14の半径方向外側に位置している。ベルト18は、カーカス14と積層されている。ベルト18は、カーカス14を補強する。ベルト18は、内側層58及び外側層60からなる。図1から明らかなように、内側層58の幅は、外側層60の幅よりも若干大きい。図示されていないが、内側層58及び外側層60のそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードは、赤道面に対して傾斜している。傾斜角度の絶対値は、通常は10°以上35°以下である。内側層58のコードの赤道面に対する傾斜方向は、外側層60のコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。コードの好ましい材質は、スチールである。コードに、有機繊維が用いられてもよい。トッピングゴムが、多数の短繊維を含んでもよい。ベルト18の軸方向幅は、タイヤ2の最大幅の0.85倍以上1.0倍以下が好ましい。ベルト18が、3以上の層を備えてもよい。
バンド20は、ベルト18を覆っている。図示されていないが、このバンド20は、コードとトッピングゴムとからなる。コードは、螺旋状に巻かれている。このバンド20は、いわゆるジョイントレス構造を有する。コードは、実質的に周方向に延びている。周方向に対するコードの角度は、5°以下である。特には、この角度は、2°以下である。このコードによりベルト18が拘束されるので、ベルト18のリフティングが抑制される。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
タイヤ2が、バンド20に代えて、ベルト18の端E7の近傍のみを覆うエッジバンドを備えてもよい。タイヤ2が、バンド20と共に、エッジバンドを備えてもよい。
それぞれのインスレーション21は、支持層16とインナーライナー22との間に位置している。インスレーション21は、架橋ゴムからなる。インスレーション21は、支持層16と堅固に接合する、インスレーション21はさらに、インナーライナー22とも堅固に接合する。インスレーション21により、支持層16からのインナーライナー22の剥離が抑制される。インスレーション21の典型的な材質は、「Tie Gum」である。
インスレーション21の複素弾性率Eは、3.0以上6.0以下が好ましい。複素弾性率Eがこの範囲であるタイヤ2では、インナーライナー22が支持層16から剥離しにくい。インスレーション21の損失正接tanδは、0.10以上0.20以下が好ましい。損失正接tanδがこの範囲であるタイヤ2では、インナーライナー22が支持層16から剥離しにくい。複素弾性率E及び損失正接tanδは、「JIS K 6394」の規定に準拠して、測定される。測定条件は、以下の通りである。
粘弾性スペクトロメーター:岩本製作所の「VESF−3」
初期歪み:10%
動歪み:±2%
周波数:10Hz
変形モード:引張
測定温度:70℃
インナーライナー22は、カーカス14及びインスレーション21の内周面に接合されている。インナーライナー22は、架橋ゴムからなる。インナーライナー22には、空気遮蔽性に優れたゴムが用いられている。インナーライナー22は、タイヤ2の内圧を保持する。
図2は、図1のタイヤの一部が示された拡大断面図である。図2に示された線分S1は、ベルト18の端E7を通過する。線分S1は、点P1も通過する。点P1は、支持層16の表面に位置する。点P1において、線分S1は、支持層16の表面と直交する。図2において矢印T1で示されているのは、ベルト18の端E7の直下における支持層16の厚みである。厚みT1は、線分S1に沿って測定される。
厚みT1は、2.0mm以上である。厚みT1が2.0mm以上である支持層16は、端E7の近傍におけるピンチカットを抑制する。この観点から、厚みT1は2.2mm以上がより好ましく、2.4mm以上が特に好ましい。タイヤ2の軽量の観点から、厚みT1は4.0mm以下が好ましい
前述の通り、一対の支持層16の合計質量Msの、タイヤ2の質量に対する比率Psは、10%以下である。この支持層16のボリュームは、小さい。にもかかわらず、この支持層16は、十分な厚みT1を有する。このタイヤ2では、耐ピンチカット性能、低燃費性能及び乗り心地に優れる。
図3は、図1のタイヤの支持層16が示された模式図である。図3において、上下方向はタイヤ2の半径方向であり、左右方向はタイヤ2の軸方向である。図3には、従来のタイヤの支持層60も示されている。
支持層16の最大厚みT2は、2.0mm以上10.0mm以下が好ましい。最大厚みT2が2.0mm以上であるタイヤ2は、パンク状態での耐久性に優れる。この観点から、最大厚みT2は2.5mm以上がより好ましく、3.0mm以上が特に好ましい。最大厚みT2が10.0mm以下であるタイヤ2は、低燃費性能及び乗り心地に優れる。この観点から、最大厚みT2は8.0mm以下がより好ましく、6.0mm以下が特に好ましい。
図3から明らかなように、最大厚みT2は、従来の支持層60の最大厚みT3よりも小さい。このタイヤ2は、低燃費性能に優れる。このタイヤ2は、乗り心地にも優れる。
図3において、点P2は支持層16の表面に位置しており、点P3は従来の支持層60の表面に位置している。支持層16の最大厚みT2の線分S2は、点P2を通過する。従来の支持層60の最大厚みT3の線分S3は、点P3を通過する。点P2は、点P3よりも半径方向において外側に位置する。換言すれば、点P2と支持層16の上端E6との距離L3は、小さい。従って、この支持層16では、最大厚みT2が小さいにもかかわらず、十分な厚みT1(図2も参照)を有する。この支持層16は、ピンチカットを抑制し、かつ低燃費性能及び乗り心地にも寄与する。
耐ピンチカット性能、低燃費性能及び乗り心地の観点から、距離L3は50mm以下が好ましく、35mm以下が特に好ましい。距離L3は、10mm以上が好ましい。距離L3は、半径方向に沿って測定される。
耐ピンチカット性能、低燃費性能及び乗り心地の観点から、最大厚みT2に対する厚みT1の比率Ptは30%以上が好ましく、40%以上がより好ましく、50%以上が特に好ましい。比率Ptは80%以下が好ましい。
距離L3が小さく、最大厚みT2が小さく、厚みT1が大きい支持層16は、いわゆるストリップワインド法によって容易に得られる。このストリップワインド法では、ゴムテープが用いられる。図4に、このゴムテープ62が示されている。このゴムテープ62は、未架橋であるゴム組成物からなる。ゴムテープ62の厚みT3は、0.5mm以上2.0mm以下が好ましい。テープ62の幅Wは、3.0mm以上10.0mm以下が好ましい。
図5に示されるように、ゴムテープ62が螺旋状に巻かれる。巻の方向は、概ね周方向である。ゴムテープ62は、重ね合わされる。この重ね合わせの部分が、図5(a)から(d)に示されるように、徐々に成長する。この成長により、三日月状の成形体64が得られる。この成形体64が他のゴム部材とアッセンブリーされて、ローカバー(グリーンタイヤ)が得られる。このローカバーが、モールドに投入される。ローカバーの外面は、モールドのキャビティ面と当接する。ローカバーの内面は、ブラダー又は中子に当接する。ローカバーは、モールド内で加圧及び加熱される。加圧及び加熱により、ローカバーのゴム組成物が流動する。加熱によりゴムが架橋反応を起こし、タイヤが得られる。成形体64からは、支持層16が得られる。ストリップワインド法により、バットレスでのピンチカットが生じにくく、低燃費性能及び乗り心地に優れたタイヤ2が得られうる。
図5では、軸方向における外側から内側に向かって、ゴムテープ62が巻かれている。軸方向における内側から外側に向かって、ゴムテープ62が巻かれてもよい。
厚みT1が大きな支持層16は、セクションハイトHの小さなタイヤ2において、特に効果を発揮する。この支持層16は、偏平率が55%以下であるタイヤ2において、特に効果を発揮する。
タイヤ2の各部位の寸法及び角度は、特に言及のない限り、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。但し、乗用車タイヤ2の場合、内圧が180kPaの状態で、寸法及び角度が測定される。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1−3に示されたランフラットタイヤを製作した。このタイヤのサイズは、「235/45R18 94Y S/M」である。このタイヤの、支持層及びストリップエイペックスの仕様が、下記の表1に示されている。このタイヤのサイドウォールの損失正接tanδは、0.10である。
[実施例2−4及び比較例1]
支持層の形状を変更し、比率Psを下記の表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2−4及び比較例1のタイヤを得た。
[実施例5−7及び比較例2]
支持層の形状を変更し、厚みT1を下記の表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例5−7及び比較例2のタイヤを得た。
[実施例8]
ストリップエイペックスを設けなかった他は実施例1と同様にして、実施例8のタイヤを得た。
[実施例9−11]
他のゴム組成物からなる支持層を設けた他は実施例1と同様にして、実施例9−11のタイヤを得た。
[耐ピンチカット性能]
タイヤをリムに組み込み、このタイヤに内圧が240kPaとなるように空気を充填した。このリムを、排気量が4500ccであり後輪駆動である乗用車に、前輪として装着した。高さが65mmであり、幅が120mmであり、長さが1000mmであり、コーナーの丸めが2mmであるコンクリートブロックを準備した。乗用車を60km/hの速度で走行させ、前輪をブロックに衝突させた。衝突時の侵入角度は、45°であった。この衝突によりピンチカットが生じたか否かを、目視で判定した。ピンチカットが生じたときは、タイヤのサイド部が膨れるか、タイヤから空気が漏れ出す。ピンチカットが生じていないときは、乗用車の速度を5km/hアップして、前輪をブロックに衝突させた。この速度アップと衝突とを、繰り返した。ピンチカットが生じたときの速度を、限界速度とした。この試験を5回行い、限界速度の平均値を算出した。この結果が、指数として下記の表1−3に示されている。数値が大きいほど好ましい。
[転がり抵抗係数]
転がり抵抗試験機を用い、下記の測定条件で転がり抵抗係数(RRC)を測定した。
内圧:230kPa
荷重:4.4kN
速度:80km/h
この抵抗係数の逆数を、算出した。この結果が、指数として下記の表1−3に示されている。数値が大きいほど好ましい。
[縦バネ定数]
下記の条件にて、タイヤの縦バネ定数を測定した。
内圧:230kPa
荷重:4.2kN
この縦バネ定数の逆数を算出した。この結果が、指数として下記の表1−3に示されている。数値が大きいほど好ましい。
[官能評価]
タイヤをリムに組み込み、このタイヤに内圧が240kPaとなるように空気を充填した。このタイヤを、排気量が4500ccであり後輪駆動である乗用車に、装着した。ドライバーに、この乗用車をレーシングサーキットで運転させて、操縦安定性及び乗り心地を格付けさせた。この結果が、指数として下記の表1−3に示されている。数値が大きいほど好ましい。
Figure 0006462271
Figure 0006462271
Figure 0006462271
表1−3に示されるように、各実施例のタイヤは諸性能に優れている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係る空気入りタイヤは、種々の車輌に装着されうる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
8・・・サイドウォール
10・・・クリンチ
12・・・ビード
14・・・カーカス
15・・・ストリップエイペックス
16・・・荷重支持層
18・・・ベルト
20・・・バンド
62・・・ゴムテープ
64・・・成形体

Claims (6)

  1. トレッド、一対のサイドウォール、一対のビード、カーカス、ベルト及び一対の荷重支持層を備えており、
    それぞれのサイドウォールが、上記トレッドの端から半径方向略内向きに延びており、
    それぞれのビードが、上記サイドウォールよりも半径方向略内側に位置しており、
    上記カーカスが上記トレッド及び上記サイドウォールに沿って一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されており、
    上記ベルトが、上記トレッドの半径方向内側において上記カーカスと積層されており、
    それぞれの荷重支持層が、上記サイドウォールの軸方向内側に位置しており、かつ半径方向において上記ベルトとオーバーラップしており、
    上記一対の荷重支持層の合計質量Msの、タイヤの質量Mtに対する比率Psが10%以下であり、
    上記ベルトの端の直下における上記荷重支持層の厚みT1が2.5mm以上であり、
    上記荷重支持層の最大厚みの線分がこの荷重支持層の外側面と交差する点までの、この荷重支持層の上端との半径方向距離L3が、50mm以下であり、
    上記荷重支持層の最大厚みT2が3.0mm以上6.0mm以下である空気入りタイヤ。
  2. 上記ベルトと上記荷重支持層とのオーバーラップの、軸方向距離における距離L2が、10mm以上40mm以下である請求項1に記載のタイヤ。
  3. 上記荷重支持層の損失正接tanδが0.03以上0.08以下である請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. 上記荷重支持層の損失正接tanδが上記サイドウォールのtanδよりも小さい請求項1から3のいずれかに記載のタイヤ。
  5. 上記荷重支持層が、ゴムテープが周方向に巻かれることで形成された請求項1から4のいずれかに記載のタイヤ。
  6. 一対のストリップエイペックスをさらに備えており、それぞれのストリップエイペックスが上記サイドウォールの軸方向内側に位置する請求項1から5のいずれかに記載のタイヤ。
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