JP2018086803A - タイヤの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性の低下を抑制しつつ熱耐久性に優れるタイヤを製造しうる、タイヤの製造方法の提供。
【解決手段】このタイヤの製造方法は、ローカバー10がモールド2内で加硫されてタイヤが得られる加硫工程を備えている。この加硫工程は、閉じられたモールド2内でブラダ4にスチームが充てんされてローカバー10が加熱及び加圧される加熱工程と、閉じられたモールド2内でブラダ4に不活性ガスが充てんされてローカバー10が加熱及び加圧される加圧工程とを備えている。この加熱工程において、ブラダ4の内圧は、1000kPa以上2000kPa以下である。スチームの温度は180℃以上220℃以下である。加熱工程の時間Tiは、5分以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤの製造方法に関する。
タイヤの製造方法では、ローカバー(未加硫のタイヤ)がモールド内で加硫される。この加硫によって、ローカバーからタイヤが得られる。特開2015−189116公報には、タイヤの加硫方法の例が示されている。この加硫方法は、ブラダに高温のスチームが充てんされる加熱工程と、その後にブラダにガスが充てんされて高圧にされる加圧工程とを備えている。
特開2015−189116公報
ところで、タイヤは用途によって、種々の性能を要求される。例えば、トラック、バスに装着されるタイヤでは、高い熱耐久性が要求されるものがある。種々の試験の結果、前述の加圧工程の加硫温度を低くすることが、熱耐久性の向上に有効であることが確認された。しかし、加圧工程の加硫温度を低くする場合、その分、タイヤを十分に加硫するために、加硫時間を延ばす必要がある。この加硫時間を延ばすことは、タイヤの生産性を低下させる。
本発明の目的は、生産性の低下を抑制しつつ熱耐久性に優れるタイヤを製造しうる、タイヤの製造方法の提供にある。
本発明に係るタイヤの製造方法は、ローカバーがモールド内で加硫されてタイヤが得られる加硫工程を備えている。
上記加硫工程は、閉じられた上記モールド内でブラダにスチームが充てんされてローカバーが加熱及び加圧される加熱工程と、閉じられた上記モールド内で上記ブラダに不活性ガスが充てんされて上記ローカバーが加熱及び加圧される加圧工程とを備えている。
上記加熱工程において、上記ブラダの内圧は、1000kPa以上2000kPa以下である。上記スチームの温度が180℃以上220℃以下である。上記加熱工程の時間Tiは、5分以下である。
好ましくは、上記加圧工程において、上記ブラダの内圧は2000kPa以上3000kPa以下である。上記モールドの温度は、150℃以上155℃以下である。
好ましくは、上記加圧工程の時間Toは、28分以上33分以下である。
好ましくは、上記時間Tiと上記時間Toとを合わせた加硫時間をTaとしたときに、上記時間Taに対する上記時間Tiの比は、0.13以下である。
上記タイヤが路面に接地するトレッド面を備えている。好ましくは、上記トレッド面の赤道面における曲率半径は、500mm以上である。
本発明に係るタイヤの製造方法では、加熱工程の加圧時間が従来のそれより短い。加圧工程の時間が長くなっても、加硫工程全体の時間が長くなることが抑制される。この製造方法の加熱工程において、加圧時間が短くされている。これにより、タイヤの熱耐久性が向上している。この製造方法によれば、この加圧時間が短くされることで、加硫工程全体の時間が長くなることが抑制される。この製造方法によれば、生産性の低下を抑制しつつ熱耐久性に優れるタイヤを製造しうる。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤの製造方法のための加硫装置の一部が示された概念図である。 図2は、本発明の一実施形態に係るタイヤの製造方法で製造されるタイヤの断面図である。 図3は、本発明の一実施形態に係るタイヤの製造方法が示されたフローチャートである。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1に示される様に、加硫装置は、モールド2、ブラダ4、供給配管6及び排出配管8を備えている。この加硫装置は、図示されないが、モールド2を加熱する加熱手段として、プラテンジャケット及びコンテナジャケットを備えている。このプラテンジャケット及びコンテナジャケットは、モールド2の外側を囲っている。
図1には、モールド2に投入されたローカバー10が共に示されている。この図1において、上下方向はモールド2(ローカバー10)の軸方向であり、左右方向は半径方向であり、紙面に垂直な方向は周方向である。図1の左右方向左向きが半径方向外向きである。図1の一点鎖線CLは、ローカバー10の赤道面を示している。この赤道面は、モールド2の赤道面でもある。このローカバー10は、ブラダ4に当接する内表面10aと、モールド2に当接する外表面10bを備えている。
このモールド2は、上部サイドプレート12、下部サイドプレート14、多数のセグメント16、上部ビードリング20及び下部ビードリング22を備えている。図1は、このモールド2が閉じた閉姿勢が示されている。
モールド2の閉姿勢では、多数のセグメント16が周方向にリング状に並べられている。これらのセグメント16の軸方向上端面に、リング状の上部サイドプレート12が当接している。これらのセグメント16の軸方向下端面に、リング状の下部サイドプレート14が当接している。上部サイドプレート12の半径方向内側に、リング状の上部ビードリング20が当接している。下部サイドプレート14の半径方向内側に、リング状の下部ビードリング22が当接している。
このモールド2とブラダ4とによって、ローカバー10が加硫されるキャビティ24が形成されている。上部サイドプレート12、下部サイドプレート14、多数のセグメント16、上部ビードリング20及び下部ビードリング22は、加硫されるローカバー10の外表面10bが当接するキャビティ面26を形成している。
図示されないが、このモールド2は開かれた開姿勢にされうる。開姿勢では、上部サイドプレート及び上部ビードリング20と、下部サイドプレート14及び下部ビードリング22とが軸方向に離される。多数のセグメント16は、下部サイドプレート14から軸方向に離れつつ、半径方向外向きに移動する。周方向に当接していたセグメント16は、互いに周方向に間隔を空けて離される。このモールド2は、開姿勢と閉姿勢との間で姿勢変化可能にされている。
ブラダ4は、その内部に流体の媒体が充てんされることで膨張可能にされている。図1には、このブラダ4の膨張状態が示されている。この膨張状態のブラダ4と閉姿勢のモールド2とによって、キャビティ24が形成されている。膨張したブラダ4は、ローカバー10の内表面10aに当接している。このブラダ4は、充てんされた媒体が排出されることで収縮可能にされている。
供給配管6は、ブラダ4に媒体を供給する機能を備えている。この供給配管6は、本管28、スチーム供給配管30及びガス供給配管32を備えている。この本管28は、ブラダ4に媒体を供給する機能を備えている。スチーム供給配管30は本管28に接続されスチーム(蒸気)の供給及び供給停止をする機能を備えている。ガス供給配管32は本管28に接続され不活性ガスの供給及び供給停止をする機能を備えている。この不活性ガスは、例えば窒素ガスである。排出配管8は、ブラダ4から媒体の排出及び排出停止をする機能を備えている。
図2には、本発明に係る製造方法で製造されるタイヤ34が示されている。図2は、タイヤ34の周方向に垂直な断面を示している。図2において、上下方向がタイヤ34の半径方向であり、左右方向がタイヤ34の軸方向であり、紙面に対して垂直方向がタイヤ34の周方向である。図2において、一点鎖線CLは、タイヤ34の赤道面を表している。このタイヤ34の形状は、トレッドパターンを除き、赤道面に対して対称である。
このタイヤ34は、トレッド36、一対のサイドウォール38、一対のクリンチ40、一対のビード42、カーカス44、ベルト46及びインナーライナー48を備えている。このタイヤ34は、チューブレスタイプである。このタイヤ34は、トラック、バス等に装着される。言い換えると、このタイヤ34は、重荷重用空気入りタイヤである。
トレッド36は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド36は、路面と接地するトレッド面50を形成する。トレッド36には、溝が刻まれている。この溝により、トレッドパターンが形成されている。トレッド36は、ベース層とキャップ層とを有している。キャップ層は、ベース層の半径方向外側に位置している。キャップ層は、ベース層に積層されている。図2の矢印Rは、赤道面におけるトレッド面50の曲率半径を表している。
それぞれのサイドウォール38は、トレッド36の端から半径方向略内向きに延びている。それぞれのクリンチ40は、サイドウォール38の半径方向略内側に位置している。クリンチ40は、軸方向において、ビード42よりも外側に位置している。それぞれのビード42は、サイドウォール38の半径方向内側に位置している。カーカス44は、カーカスプライ52を備えている。カーカスプライ52は、両側のビード42の間に架け渡されている。カーカスプライ52は、トレッド36及びサイドウォール38の内側に沿っている。インナーライナー48は、タイヤ34の内表面を構成している。
ベルト46は、半径方向においてトレッド36の内側に位置している。ベルト46は、図2の断面において、軸方向一方から他方に延在している。このベルト46は、カーカス44の半径方向外側に位置している。ベルト46は、カーカス44を補強する。このベルト46は、第一層46a、第二層46b、第三層46c及び第四層46dからなる。この第一層46aから第四層46dまで、半径方向に積層されている。各層は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードは、スチールからなる。このコードは、赤道面に対して傾斜している。このコードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、15°から70°である。
図1の加硫装置を用いて、図2のタイヤ34の製造方法が説明される。このタイヤ34の製造方法は、ローカバー10が得られる予備成形工程と、このローカバー10からタイヤ34が得られる加硫工程を備えている。
予備成形工程では、未加硫のゴム部材が貼り合わされてローカバー10が形成される。このゴム部材は、トレッド36、サイドウォール38、クリンチ40、ビード42、カーカス44、ベルト46、インナーライナー48等のタイヤの各部を形成する部材である。
図3に示される様に、加硫工程は、投入工程、シェーピング工程、モールド閉工程、インフレーションスチーム工程、本加硫工程及びモールド開工程を備えている。このインフレーションスチーム工程は本発明の加熱工程である。本加硫工程は、本発明の加圧工程である。
投入工程では、図1の加硫装置のモールド2は、開姿勢にある。このモールド2は、プラテンジャケット及びコンテナジャケットによって加熱されている。ブラダ4は収縮状態にある。このモールド2に、ローカバー10が投入される。ローカバー10は、モールド2内の所定の位置に配置される。
シェーピング工程では、ブラダ4にシェーピング媒体が充てんされる。このシェーピング媒体は、特に限定されないが、スチーム又は窒素ガスであってもよい。ブラダ4がローカバー10の内側で膨張する。膨張したブラダ4が、ローカバー10の内表面10aに当接する。シェーピング媒体が充てんされて、ブラダ4は所定の内圧Psにされる。ブラダ4は、ローカバー10を所定の姿勢に保持する。この内圧Psは、例えば20kPa以上150kPa以下である。この内圧Psは、大気圧を基準圧の0Paとして表されている。
モールド閉工程では、モールド2が閉じられる。モールド2は、開姿勢から閉姿勢にされる。図1に示される様に、このモールド2は閉姿勢にされる。ローカバー10は、モールド2のキャビティ24内に配置される。
インフレーションスチーム工程では、スチーム供給配管30の弁30aが開かれる。加熱媒体としてのスチームが、ブラダ4に充てんされる。ブラダ4が膨張する。ブラダ4の内圧Piは、例えば1500kPaにされる。この内圧Piは、大気圧を基準圧の0Paとして表されている。ブラダ4は、ローカバー10を内表面10a側から押し広げる。スチームの温度Hiは例えば200℃にされる。このスチームは高温であり、熱容量も大きい。スチームは、ローカバー10に十分な熱量を供給しうる。スチームによって、ローカバー10が加熱される。
モールド2は、前述の様に加熱され、所定の温度Hoにされている。この温度Hoは、例えば150℃である。ローカバー10は、モールド2によって加熱される。このインフレーション工程では、ローカバー10は、その内表面10aから内圧Piで押圧され、内表面10a側から温度Hiで加熱される。ローカバー10は、外表面10b側から温度Hoで加熱される。ローカバー10は、この状態で、所定の時間Tiの間保持される。この時間Tiの間、ローカバー10では、加圧及び加熱によって、そのゴム組成物が流動しつつ、ゴム組成物の架橋反応が進展していく。この時間Tiは、例えば3.5分である。この時間Tiは、ブラダ4の内圧が内圧Piで保持されている時間として測定される。内圧Piで、この時間Tiが経過した後に、排出配管8の弁8aが開かれてスチームが排出される。
本加硫工程では、ガス供給配管32から本管28に加圧媒体としての不活性ガスが供給される。この不活性ガスとして常温の窒素ガスが供給される。この窒素ガスがブラダ4に充てんされる。この窒素ガスによって、ブラダ4の内圧Poは、例えば2500kPaにされる。この内圧Poは、大気圧を基準圧の0Paとして表されている。ブラダ4は、ローカバー10を内表面10a側から押し広げる。本加硫工程では、インフレーション工程と同様に、モールド2は、温度Hoにされている。この本加硫工程は、ブラダが内圧Poにされ、モールド2が温度Hoにされて、所定の時間Toの間保持される。この時間Toの間、ローカバー10では、更に、ゴム組成物の架橋反応が進展していく。この時間Toは、例えば30.5分である。この時間Toは、ブラダ4の内圧が内圧Poで保持されている時間として測定される。
この様にして、インフレーションスチーム工程及び本加硫工程において、モールド2内でローカバー10が加硫される。この加硫によって、ローカバー10からタイヤ34が得られる。
モールド開工程では、この時間Toの経過後に、ブラダ4から排出配管8を介して窒素ガスが排出される。ブラダ4が収縮させられる。モールド2が開かれる。モール2は、閉姿勢から開姿勢にされる。このモールド2からタイヤ34が取り出される。
発明者らは、種々の試験の結果、加熱工程の時間Tiを短くすることで、端Pt近傍においてトレッド36の厚さが大きくなり過ぎることを抑制しうることを見いだした。この知見に基づき、本発明の加硫工程では、加熱工程の時間Tiが短縮されている。これにより、トレッド36の厚さが大きくなり過ぎて、タイヤ34の熱耐久性が損なわれることが抑制されうる。
更に、この発明では、この本加硫工程の時間Toを長くして、ローカバー10は十分に加硫される。この加硫工程では、時間Toの延長分は、時間Tiの短縮分より短くされている。これにより、加硫工程全体の時間が短くされている。本発明の製造方法では、生産性の低下を抑制しつつ熱耐久性に優れるタイヤ34を製造しうる。
このインフレーション工程では、加圧時間Tiは従来の加圧時間より短縮されている。この加圧時間Tiの短縮は、加硫工程全体の時間短縮に寄与する。トレッド34の厚さが大きくなり過ぎることを抑制する観点から、この時間Tiは、5分以下であり、更に好ましくは4分以下である。一方で、ローカバー10のゴム組成物をキャビティ面26の細部にまで行き渡らせる観点から、この時間Tiは、好ましくは3分以上である。
このインフレーション工程では、短時間で十分な熱量を供給する観点から、温度Hiは180℃以上にされる。一方で、温度Hiが高過ぎるローカバー10では、内表面10a近くのゴム組成物と内表面10aから離れたゴム組成物との間で加硫速度の差が大きい。この加硫速度の差は、過加硫等を生じさせる。過加硫等が生じることを抑制する観点から、温度Tiは220℃以下にされる。
このインフレーション工程では、ゴム組成物をキャビティ面26の細部にまで行き渡らせる観点から、内圧Piは、1000kPa以上にされている。一方で、高過ぎる内圧Piでは、流動するゴム組成物がモールド2の隙間に入り込み易い。隙間に入り込んだゴムはバリを形成し、タイヤの外観を損なう。これらの観点から、内圧Piは、2000kPa以下にされている。
このインフレーション工程では、加圧時間Tiを短縮することで、モールド2の温度Hoを低くすることなく、熱耐久性の向上が図られている。加圧時間Tiを短縮して熱耐久性を向上させる観点から、温度Hoは、好ましくは155℃以下であり、更に好ましくは153℃以下である。一方で、加硫のための十分な熱量を供給する観点から、この温度Hoは、好ましくは150℃以上である。
本加硫工程において、ローカバー10が十分に加硫されるために、時間Toは長く設定されることが好ましい。この観点から、時間Toは、好ましくは28分以上であり、更に好ましくは29分以上である。一方で、生産性の観点から、この時間Toは好ましくは33分以下であり、更に好ましくは32分以下である。
この本加硫工程では、ローカバー10が十分に加硫されるために、モールド2の温度Hoは、好ましくは150℃以上である。一方で、本加硫工程において、温度Hoが高くなり過ぎると、熱耐久性の向上効果が得られ難い。この観点から、温度Hoは、好ましくは155℃以下である。
この加硫方法では、時間Tiが短くされている。これにより、本加硫工程の時間Toが長くなっても、加硫工程全体の時間が長くなることが抑制されている。この加硫方法は、生産性の低下を抑制しうる。ここで、時間Tiと時間Toと合わせた加硫時間をTaとする。このときに、時間Taに対する時間Tiの比(Ti/Ta)は、好ましくは0.13以下であり、更に好ましくは0.12以下であり、特に好ましくは0.11以下である。
タイヤ34は、二輪自動車のタイヤと比較して、トレッド面50の曲率半径Rが大きい。乗用車を含め、車体の左右に装着されるタイヤ34では、この曲率半径Rは、500mm以上にされている。車両によって、トレッド面50の輪郭は、略軸方向に直線上に延びることもある。この様なトレッド面50の曲率半径Rが大きいタイヤ34では、トレッド面50の軸方向端Ptで、ゴムの厚さが大きくなっている。
加硫工程では、ゴムの厚さが大きくなる部分で、特に、外表面10bと内部との加硫の程度に差を生じやすい。この加硫の程度の差は、タイヤ34の熱耐久性を損なう要因となる。この方法は、トレッド面の軸方向端Pt近傍においてトレッド36の厚さが大きくなり過ぎることを抑制する。この方法は、タイヤ34の熱耐久性の向上に寄与しうる。特に、トレッド面50の軸方向端Ptでゴムの厚さが大きいタイヤ34で、生産性の低下を抑制しつつ、耐久性を向上させうる。この方法は、トレッド面50の輪郭の曲率半径が500mm以上のタイヤ34で、生産性の低下を抑制しつつ耐久性の向上しうる。
タイヤ34は、重荷重用タイヤであり、乗用車用タイヤに比べて、ゴムボリュームが大きい。このタイヤ34では、乗用車用タイヤに比べて、トレッドの厚さが大きくなっている。トレッド面50の軸方向端Ptでゴムの厚さが一層大きくなっている。タイヤ34では、外表面10bと内部との加硫の程度の差を小さくすることは、一層耐久性の向上に寄与する。耐久性の向上の観点から、本発明に係る製造方法は、特に、タイヤ34の様な重荷重用タイヤに適している。
また、タイヤ34では、トラック、バス等に装着されて、大きな荷重が負荷される。このタイヤ34では、転がることで、大きな荷重による周期的な変形が繰り返される。このタイヤ34は、発熱量が大きい。また、大きな荷重の負荷により、トレッド36の半径方向内側のベルト46の端で、例えばベルトエッジルース等損傷を生じ易い。このタイヤ34では、軸方向端Pt近傍において外表面10bと内部との加硫の程度の差が小さい。このタイヤ34では、ベルトエッジルース等損傷の発生が抑制される。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
本発明に係るタイヤの製造方法によって、図2のタイヤを製作した。このタイヤのサイズは、235/75R17.5である。インフレーション工程及び本加硫工程の条件は、表1に示す通りであった。
[比較例1]
図2のタイヤが、従来のインフレーション工程及び本加硫工程で制作された。そのインフレーション工程及び本加硫工程の条件は、表1に示す通りであった。
[比較例2]
インフレーション工程及び本加硫工程の条件が表1に示される通りにされた他は、比較例1と同様にしてタイヤが制作された。
モールドの温度Hoが低い比較例2では、比較例1のタイヤに比べてより設計値に近い形状のタイヤが得られた。また、実施例1では、インフレーション工程の時間Tiが短くされることで、設計値に近い形状のタイヤが得られた。比較例1では、比較例2に比べて、モールドの温度が高く、実施例1に比べてインフレーション工程の時間Tiが長い。この比較例1のタイヤでは、実施例1や比較例2のタイヤに比べて、ベルトの軸方向端であるベルトエッジ近傍におけるトレッドの厚さが大きくなることが確認された。
[HTLC試験]
JISに規定する最大荷重の1.4倍の荷重を加え、70km/Hの速度より120分毎に10km/Hずつ速度を高め、タイヤが破壊するまでの速度と、その速度での走行時間を求めた。求められた速度と走行時間とが表1に示されている。この速度が大きい方が良好である。同じ速度では、走行時間が大きい方が良好である。
Figure 2018086803
表1の評価結果に表されるように、比較例1のタイヤでは、実施例1のタイヤ及び比較例2のタイヤに比べて、熱耐久性に劣る。比較例1のタイヤでは、ベルトエッジ近傍のトレッドの破損が、他のタイヤより早期に発生した。これは、ベルトエッジ近傍のトレッドのゴムボリュームが大きくなっており当該部分の発熱が大きいことと、ベルトエッジ近傍のゴムの厚さが大きくなっており当該部分の外表面と内部とで加硫の程度の差が大きいこととによると推定される。一方、比較例2のタイヤは、熱耐久性において、良好な評価結果が得られた。しかしながら、このタイヤでは加硫時間が長い。この比較例2のタイヤは生産性に劣る。
表1に示されるように、実施例の製造方法では、比較例の製造方法に比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された方法は、乗用車、ライトトラック、トラック、バス等のタイヤの製造方法に広く適用できる。この方法は、トラック、バス等の重荷重用タイヤの製造に特に適している。
2・・・モールド
4・・・ブラダ
6・・・供給配管
8・・・排出配管
10・・・ローカバー
12・・・上部サイドプレート
14・・・下部サイドプレート
16・・・セグメント
20・・・上部ビードリング
22・・・下部ビードリング
24・・・キャビティ
26・・・キャビティ面
28・・・本管
30・・・スチーム供給配管
32・・・ガス供給配管
34・・・タイヤ
36・・・トレッド
46・・・ベルト
50・・・トレッド面

Claims (5)

  1. ローカバーがモールド内で加硫されてタイヤが得られる加硫工程を備えており、
    上記加硫工程が、
    閉じられた上記モールド内でブラダにスチームが充てんされてローカバーが加熱及び加圧される加熱工程と、
    閉じられた上記モールド内で上記ブラダに不活性ガスが充てんされて上記ローカバーが加熱及び加圧される加圧工程と
    を備えており、
    上記加熱工程において、
    上記ブラダの内圧が1000kPa以上2000kPa以下であり、
    上記ブラダに充てんされる上記スチームの温度が180℃以上220℃以下であり、
    上記加熱工程の時間Tiが5分以下である、
    タイヤの製造方法。
  2. 上記加圧工程において、
    上記ブラダの内圧が2000kPa以上3000kPa以下であり、
    上記モールドの温度が150℃以上155℃以下である請求項1に記載のタイヤの製造方法。
  3. 上記加圧工程の時間Toが28分以上33分以下である請求項2に記載のタイヤの製造方法。
  4. 上記時間Tiと上記時間Toとを合わせた加硫時間をTaとしたときに、上記時間Taに対する上記時間Tiの比が0.13以下である請求項1から3のいずれかに記載のタイヤの製造方法。
  5. 上記タイヤが路面に接地するトレッド面を備えており、
    上記トレッド面の赤道面における曲率半径が500mm以上である請求項1から4のいずれかに記載のタイヤの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3711936A1 (en) * 2019-03-22 2020-09-23 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Method for producing pneumatic tire

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