JP2014113733A - 空気入りタイヤの製造方法及び空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤ加硫機の構造を複雑にせずに、ブラダをタイヤ幅方向において対称的に膨張させることができ、高品質なタイヤを得る、空気入りタイヤの製造方法を提供する。
【解決手段】金型内に装着されたグリーンタイヤの内腔にブラダを挿入するとともに、上記ブラダ内に熱圧媒体を供給してブラダを膨張させることにより、上記ブラダをタイヤ内面に密着させて加硫を行う空気入りタイヤの製造方法である。上記グリーンタイヤのトレッド部の上記内腔側表面に、凹部又は凸部を形成するとともに、上記ブラダの上記グリーンタイヤ側表面に、凸部又は凹部を形成する。加硫前に、上記グリーンタイヤの凹部又は凸部と、上記ブラダの凸部又は凹部とを嵌合させる。
【選択図】図1
【解決手段】金型内に装着されたグリーンタイヤの内腔にブラダを挿入するとともに、上記ブラダ内に熱圧媒体を供給してブラダを膨張させることにより、上記ブラダをタイヤ内面に密着させて加硫を行う空気入りタイヤの製造方法である。上記グリーンタイヤのトレッド部の上記内腔側表面に、凹部又は凸部を形成するとともに、上記ブラダの上記グリーンタイヤ側表面に、凸部又は凹部を形成する。加硫前に、上記グリーンタイヤの凹部又は凸部と、上記ブラダの凸部又は凹部とを嵌合させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ブラダをグリーンタイヤ内面に密着させて加硫を行う、空気入りタイヤの製造方法に関する。また、本発明は、上記製造方法により得られた空気入りタイヤに関する。
従来、空気入りタイヤの加硫方法としては、金型内に装着されたグリーンタイヤの内腔にブラダを挿入し、次いでブラダ内に熱圧媒体を供給してブラダを膨張させる方法が知られている。また、この方法に使用する加硫機としては、例えば、ブラダの両端側を外面からガイドする一対のガイドリングを備え、これらのガイドリングの形状が限定され、かつそれらが近接配置されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記特許文献1の加硫機を用いた場合には、ブラダをタイヤ幅方向において対称的に膨張させることができ、高品質なタイヤを得ることができる。しかしながら、上型及び下型に均等にブラダを接触させるために、ブラダ内に一対のガイドリングを設けなければならず、タイヤ加硫機の構造が複雑である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、タイヤ加硫機の構造を複雑にせずに、ブラダをタイヤ幅方向において対称的に膨張させることができ、ひいては高品質なタイヤを得ることのできる、空気入りタイヤの製造方法、及びこの方法により得られた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明に係る空気入りタイヤの製造方法は、金型内に装着されたグリーンタイヤの内腔にブラダを挿入するとともに、上記ブラダ内に熱圧媒体を供給してブラダを膨張させることにより、上記ブラダをタイヤ内面に密着させて加硫を行う方法である。加硫を行うにあたり、上記グリーンタイヤのトレッド部の上記内腔側表面には、凹部又は凸部を形成するとともに、上記ブラダの上記グリーンタイヤ側表面には、凸部又は凹部を形成する。次いで、上記グリーンタイヤの凹部又は凸部と、上記ブラダの凸部又は凹部とを嵌合させる。
また、本発明に係る空気入りタイヤは、上記の製造方法により得られた空気入りタイヤである。
本発明に係る空気入りタイヤの製造方法によれば、加硫前に、グリーンタイヤとブラダとの位置合わせが高精度に実現されるため、加硫時にタイヤの熱履歴が均一化され、製品タイヤの転がり抵抗、耐久性及びユニフォミティを向上させることができる。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの製造方法の実施の形態(以下に示す、基本形態及び付加的形態1から5)を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、これらの実施の形態は、本発明を限定するものではない。また、上記実施の形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。さらに、上記実施の形態に含まれる各種形態は、当業者が自明の範囲内で任意に組み合わせることができる。
[基本形態]
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの製造方法について、その基本形態を説明する。以下では、当該製造方法に用いる、加硫機の構成及びグリーンタイヤの構成を説明した上で、当該製造方法における、加硫機の動作について説明する。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの製造方法について、その基本形態を説明する。以下では、当該製造方法に用いる、加硫機の構成及びグリーンタイヤの構成を説明した上で、当該製造方法における、加硫機の動作について説明する。
図1は、本発明に係る空気入りタイヤの製造方法に用いられる加硫機10とグリーンタイヤ20との関係を示す要部断面図である。実際には、同図に示す一点鎖線Lに対して左右対称に、その右側にも左側と同じ構成が存在する。
以下の説明において、タイヤ径方向とは、図1におけるグリーンタイヤ20の回転軸(図示せず)と直交する方向(同図の水平方向)をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、上記回転軸を中心軸とする周り方向をいう。さらに、タイヤ幅方向とは、上記回転軸と平行な方向(同図の鉛直方向)をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)CLに向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。なお、タイヤ赤道面(タイヤ赤道線)CLとは、グリーンタイヤ20の回転軸に直交するとともに、グリーンタイヤ20のタイヤ幅の中心を通る平面(線)である。
(加硫機)
本実施の形態の空気入りタイヤの製造方法においては、図1に示すように、加硫機10を用いる。加硫機10は、金型12と、金型12の開閉を行うための開閉機構14と、金型12内でグリーンタイヤ20を膨らませるブラダ16とを備える。
本実施の形態の空気入りタイヤの製造方法においては、図1に示すように、加硫機10を用いる。加硫機10は、金型12と、金型12の開閉を行うための開閉機構14と、金型12内でグリーンタイヤ20を膨らませるブラダ16とを備える。
金型12は、第1のセクタ12aと、加硫機10内で第1のセクタ12aのタイヤ径方向内側に配置される第2のセクタ12bと、加硫機10内で第1のセクタ12aのタイヤ径方向内側に配置されるとともに(後述するグリーンタイヤ接地時に)タイヤ赤道面CLに対して第2のセクタ12bと対称的に配置される第3のセクタ12cとから構成される。
金型12を構成する第1から第3のセクタ12aから12cの各表面は、以下のように構成されている。
第1のセクタ12aのタイヤ径方向内側表面のうち、そのタイヤ幅方向中央部はグリーンタイヤ20にトレッドパターンを付すための模様TPが形成された表面となっている。また、上記タイヤ径方向内側表面のうち、上記タイヤ幅方向中央部のタイヤ幅方向両外側部は第2のセクタ12b又は第3のセクタ12cとそれぞれ接触可能な表面となっている。さらに、第1のセクタ12aのタイヤ径方向外側表面は、開閉機構14に対して相対的に摺動可能な表面となっている。
第2のセクタ12bのタイヤ幅方向内側表面は、加硫時にグリーンタイヤ20の一方のビード部からサイドウォール部にかけての領域と接触し、これらの領域を所望形状とするような表面となっている。また、第2のセクタ12bのタイヤ幅方向外側表面は、開閉機構14に連結されている。さらに、第2のセクタ12bのタイヤ径方向外側表面は、第1のセクタ12aと接触可能な表面となっている。
第3のセクタ12cのタイヤ幅方向内側表面は、加硫時にグリーンタイヤ20の他方のビード部からサイドウォール部にかけての領域と接触し、これらの領域を所望形状とするような表面となっている。また、第3のセクタ12cのタイヤ幅方向外側表面は、加硫機10内に固定されている。さらに、第3のセクタ12cのタイヤ径方向外側表面は、第1のセクタ12aと接触可能な表面となっている。
開閉機構14は、上記第1から第3のセクタ12aから12cを、図1に示す連結していない状態(開放状態)から図示しない連結した状態(閉鎖状態)まで、及び、閉鎖状態から開放状態まで、案内する、セクタ閉鎖・開放用部材14aと、セクタ閉鎖・開放用部材14aのタイヤ幅方向内側表面の一部から突出し、第2のセクタ12bのタイヤ幅方向外側表面に連結された支柱14bとから構成される。
セクタ閉鎖・開放用部材14aは、タイヤ幅方向(同図の鉛直方向)に移動する部材である。セクタ閉鎖・開放用部材14aのタイヤ幅方向での移動は、例えば(図示しない)油圧シリンダを構成するピストンを、セクタ閉鎖・開放用部材14aに連結することで実現することができる。セクタ閉鎖・開放用部材14aは、タイヤ幅方向内側表面が、図1に示すように、V字型に屈曲している。このタイヤ幅方向内側表面のうち、同図において水平方向に延在する表面部分(水平面部分)は、第1のセクタ12a及び第2のセクタ12bの、セクタ閉鎖状態での位置を定める表面である。また、上記タイヤ幅方向内側表面のうち、上記水平面部分から(図1においては鈍角に)屈曲した表面部分(斜面部分)は、第1のセクタ12aのタイヤ径方向の動作を制御する表面である。
支柱14bは、セクタ閉鎖・開放用部材14aの(図示しない)内部から、上記水平面部分を超えてタイヤ幅方向内側に突出する部材である。支柱14bのタイヤ幅方向内側表面は、第2のセクタ12bのタイヤ幅方向外側表面に連結されている。支柱14bは、そのタイヤ幅方向内側表面が図1に示す位置からセクタ閉鎖・開放用部材14aの上記水平面部分と一致する位置まで移動するように、セクタ閉鎖・開放用部材14aに対して相対的に移動可能である。
ブラダ16は、金型12内に装着された(後述する)グリーンタイヤ20の内腔に挿入され、その内側に熱圧媒体を供給して膨張させることにより、タイヤ内面に密着させて加硫を行うために用いられる、加硫機の構成部材である。ブラダ16は、図1に示す一点鎖線Lに対して左右対称に、その右側にも左側と同じ構成を有する。ブラダ16のグリーンタイヤ20側の表面には、凹部又は凸部が形成されている。
ブラダ16へ予め凹部又は凸部を形成する態様としては、例えば、ブラダ16に形成する凹部又は凸部に対応する、所望の凸部又は凹部が形成されたブラダ−成形用金型内にゴム材料を充填し、これを所定時間加熱することにより製造することができる。
なお、ブラダ16のグリーンタイヤ20側表面(タイヤ径方向外側表面)へ予め凹部又は凸部を形成する場合には、これら凹部又は凸部のタイヤ幅方向位置に対応する、ブラダ16のタイヤ径方向内側表面に、凸部又は凹部を形成することが好ましい。例えば、図1に示す例では、ブラダ16のタイヤ径方向外側表面に3つの凹部が形成されているのに対し、これら3つの凹部のタイヤ幅方向位置に対応する、ブラダ16のタイヤ径方向内側表面には、3つの凸部が形成されている。このような構成によれば、ブラダ16の厚みをタイヤ幅方向において均一にすることができるため、加硫時におけるブラダの局所的な伸びを防止することができ、ひいてはブラダ16の耐久性を向上させることができる。
(グリーンタイヤ)
本実施の形態の空気入りタイヤの製造方法は、製品タイヤとして、乗用車用タイヤ、二輪車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、航空機用タイヤ、建設車輌用タイヤ、産業車輌用タイヤ、農業機械用タイヤ及び新交通用タイヤ、並びにその他のタイヤを想定した、空気入りタイヤの製造方法である。このため、本実施の形態において用いられるグリーンタイヤは、これらの様々な製品タイヤ用のグリーンタイヤであるため、多種多様な形状とすることができる。本実施の形態において用いられるグリーンタイヤには、加硫前のグリーンタイヤ成型工程においてその内腔側表面に形成された凹部又は凸部が存在する。
本実施の形態の空気入りタイヤの製造方法は、製品タイヤとして、乗用車用タイヤ、二輪車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、航空機用タイヤ、建設車輌用タイヤ、産業車輌用タイヤ、農業機械用タイヤ及び新交通用タイヤ、並びにその他のタイヤを想定した、空気入りタイヤの製造方法である。このため、本実施の形態において用いられるグリーンタイヤは、これらの様々な製品タイヤ用のグリーンタイヤであるため、多種多様な形状とすることができる。本実施の形態において用いられるグリーンタイヤには、加硫前のグリーンタイヤ成型工程においてその内腔側表面に形成された凹部又は凸部が存在する。
加硫前のグリーンタイヤ成型工程において、グリーンタイヤ20のタイヤ径方向内側表面に凹部を形成する態様としては、グリーンタイヤ20の成型ドラムに予め上記凹部に対応する凸部を設ける態様を採用することができる。
また、加硫前のグリーンタイヤ成型工程において、グリーンタイヤ20のタイヤ径方向内側表面に凸部を形成する態様としては、成型後のグリーンタイヤ20の内腔側表面に上記凸部となるゴム層を貼る態様を採用することができる。上記凸部の材料としては、例えば、インナーライナに使用する材料を用いることができる。
(加硫機の動作)
次に、上記構成の加硫機10及びグリーンタイヤ20を用いた場合の、加硫機10の動作について説明する。
次に、上記構成の加硫機10及びグリーンタイヤ20を用いた場合の、加硫機10の動作について説明する。
まず、図1に示すように、第1、第2及び第3のセクタ12a、12b、12cを、それぞれ他のセクタと連結していない状態(開放状態)とし、第2及び第3のセクタ12b、12cに、それぞれビード部が当接するようにグリーンタイヤ20をセットする。
次に、第2及び第3のセクタ12b、12cにセットされたグリーンタイヤ20の内腔に、ブラダ16を挿入する。ブラダ16の挿入に先立ち、グリーンタイヤ20のトレッド部の内腔側表面(タイヤ径方向内側表面)には、上述のとおり、凹部又は凸部を形成しておく。また、ブラダ16のグリーンタイヤ側表面(タイヤ径方向外側表面)には、上述のとおり、凸部又は凹部を形成しておく。そして、グリーンタイヤ20のタイヤ径方向内側表面の所定位置に、ブラダ16のタイヤ径方向外側表面の所定位置を接触させる。これにより、ブラダ16のタイヤ赤道面付近の領域が、対応するグリーンタイヤ20のトレッド部に一致し、所定の位置合わせ(センタリング)が行われる。このセンタリングの具体的態様は、以下のとおりである。
図2は、図1中、ブラダ16とグリーンタイヤ20とを抜粋して示す断面図である。図2に示す例は、グリーンタイヤ20のトレッド部の内腔側表面には予め3つの凸部20a、20b、20cを形成し、ブラダ16のグリーンタイヤ側表面には予め3つの凹部16a、16b、16cを形成した例である。
図2に示す例では、ブラダ16のグリーンタイヤ側表面に形成された各凹部16a、16b、16cを、それぞれ、グリーンタイヤ20のトレッド部の内腔側表面に形成された各凸部20a、20b、20cと嵌合させることにより、グリーンタイヤ20に対してブラダ16のセンタリングを行う。
センタリングは、様々な態様で行うことができる、例えば、ブラダ16の内腔にガスを充填して膨らませて、グリーンタイヤ20の凸部20a、20b、20cと、ブラダ16の凹部16a、16b、16cをそれぞれ嵌合させる態様で行うことができる。
センタリングが完了したら、第1のセクタ12aを第2及び第3のセクタ12b、12cに接触させて、金型を閉鎖状態とする。即ち、図1に示す加硫機10において、セクタ閉鎖・開放用部材14aを同図の下方に押し下げる。
上記押し下げ操作は、セクタ閉鎖・開放用部材14aの上記水平面部分と、第1及び第2のセクタ12a、12bのタイヤ幅方向外側表面とがそれぞれ当接するまでの前段階と、第2のセクタ12bのタイヤ幅方向外側表面から第3のセクタ12cのタイヤ幅方向外側表面までの距離が第1のセクタ12aのタイヤ幅方向長さと等しくなるまでの後段階とからなる。
上記前段階においては、セクタ閉鎖・開放用部材14aがタイヤ幅方向内側に押し下げられる。これにより、支柱14bがセクタ閉鎖・開放用部材14aの内部に徐々に収容されていくとともに、セクタ閉鎖・開放用部材14aの上記水平面部分と第2のセクタ12bとの間のタイヤ幅方向距離が徐々に小さくなる。
また、上記前段階においては、セクタ閉鎖・開放用部材14aの上記斜面部分が、第1のセクタ12aのタイヤ径方向外側表面上を、当該表面に対してタイヤ幅方向内側に摺動する。これにより、第1のセクタ12aはタイヤ径方向内側に押し込まれることとなり、第1のセクタ12aと第2のセクタ12bとのタイヤ径方向距離が徐々に小さくなる。
その結果、セクタ閉鎖・開放用部材14aのタイヤ幅方向内側表面の上記水平面部分が第1のセクタ12a及び第2のセクタ12bのタイヤ幅方向外側表面とそれぞれ当接するとともに、第1のセクタ12aのタイヤ径方向内側表面の一部(図1では上側部)と、第2のセクタ12bのタイヤ径方向外側表面とが当接する。
次に、上記後段階においては、セクタ閉鎖・開放用部材14aが、当接した状態の第1のセクタ12aと第2のセクタ12bとをタイヤ幅方向内側に押し下げる。これにより、第2のセクタ12bと、加硫機10内で固定されている第3のセクタ12cとの距離が、徐々に小さくなる。その結果、第1のセクタ12aのタイヤ径方向内側表面の他部(図1では下側部)と、第3のセクタ12cのタイヤ径方向外側表面とが当接し、金型12が閉鎖状態となる。
金型12が閉鎖状態となったら、従来どおり、ブラダ16内に熱圧媒体を供給し、ブラダ16を膨張させることにより加硫を行う。そして、加硫終了後には、金型12を開放状態から閉鎖状態とした上記操作を逆に行うことで、金型12を閉鎖状態から開放状態とする。
以上のように、加硫前に、グリーンタイヤ20のトレッド部の内腔側表面に形成した凹部又は凸部と、ブラダ16のグリーンタイヤ側表面に形成した凸部又は凹部とを嵌合させ、次いで加硫を行うことで、グリーンタイヤ20に対するブラダ16のセンタリングの精度が向上する。このため、グリーンタイヤ20とブラダ16との接触状態があらゆる接触箇所においてより均一化されることから、あらゆる箇所におけるグリーンタイヤ20の加硫時の熱履歴がより均一化される。従って、加硫後のタイヤが部分的に過加硫となったり、部分的に未加硫となったりすることが防止され、その結果、転がり抵抗、耐久性及びユニフォミティが向上した、高品質な空気入りタイヤを得ることができる。
なお、本実施形態の空気入りタイヤの製造方法中、加硫以外の工程(タイヤ材料の混合工程、タイヤ材料の加工工程、グリーンタイヤの成型工程及び加硫後の検査工程等)については、従来の空気入りタイヤの製造方法において用いられている各工程を採用することができる。
[付加的形態]
次に、本発明に係る空気入りタイヤの製造方法の上記基本形態に対して、任意選択的に実施可能な、付加的形態1から5を説明する。
次に、本発明に係る空気入りタイヤの製造方法の上記基本形態に対して、任意選択的に実施可能な、付加的形態1から5を説明する。
(付加的形態1)
本実施の形態のグリーンタイヤの製造方法においては、グリーンタイヤ20の凹部又は凸部と、ブラダ16の凸部又は凹部とを、それぞれ、タイヤ周方向に連続して形成することが好ましい。このような構成では、加硫前に行うグリーンタイヤ20に対するブラダ16のセンタリングの精度がさらに向上する。その結果、転がり抵抗、耐久性及びユニフォミティがさらに向上した、より高品質な空気入りタイヤを得ることができる。
本実施の形態のグリーンタイヤの製造方法においては、グリーンタイヤ20の凹部又は凸部と、ブラダ16の凸部又は凹部とを、それぞれ、タイヤ周方向に連続して形成することが好ましい。このような構成では、加硫前に行うグリーンタイヤ20に対するブラダ16のセンタリングの精度がさらに向上する。その結果、転がり抵抗、耐久性及びユニフォミティがさらに向上した、より高品質な空気入りタイヤを得ることができる。
(付加的形態2)
本実施の形態のグリーンタイヤの製造方法においては、グリーンタイヤ20のトレッド部の内腔側表面には凸部を形成するとともに、ブラダ16のグリーンタイヤ側表面には凹部を形成することが好ましい。空気入りタイヤを負荷状態で転動させると、接地するトレッド部が路面の凹凸によって振動し、この振動がタイヤ内部の空気を振動させて空洞共鳴音が生じる。上記構成では、空気入りタイヤ内に凸部が形成されているので、タイヤ内部の空気量(空洞容積)が減って振動が緩和されるという理由から、上記空洞共鳴音が幾分打ち消され、その結果空洞共鳴音を緩和することができる。
本実施の形態のグリーンタイヤの製造方法においては、グリーンタイヤ20のトレッド部の内腔側表面には凸部を形成するとともに、ブラダ16のグリーンタイヤ側表面には凹部を形成することが好ましい。空気入りタイヤを負荷状態で転動させると、接地するトレッド部が路面の凹凸によって振動し、この振動がタイヤ内部の空気を振動させて空洞共鳴音が生じる。上記構成では、空気入りタイヤ内に凸部が形成されているので、タイヤ内部の空気量(空洞容積)が減って振動が緩和されるという理由から、上記空洞共鳴音が幾分打ち消され、その結果空洞共鳴音を緩和することができる。
(付加的形態3)
本実施の形態のグリーンタイヤの製造方法においては、グリーンタイヤ20に形成する凸部のタイヤ幅方向寸法を5.0[mm]から20.0[mm]とすることが好ましい。ここで、グリーンタイヤ20の凸部とは、グリーンタイヤ20を金型12の第2及び第3のセクタ(12b、12c)の所定位置にセットし、グリーンタイヤ20にブラダ16を当接して金型20(第1から第3のセクタ12a、12b、12c)を閉鎖状態とした状況下(以下、単に「加硫状況下」と称することがある)における、グリーンタイヤ20に凸部を形成しない場合のグリーンタイヤ20の内腔側表面の外輪郭線よりも、タイヤ径方向内側に突出した部分をいう。また、上記凸部のタイヤ幅方向寸法とは、上記凸部のタイヤ幅方向に測定した最大幅をいう。
本実施の形態のグリーンタイヤの製造方法においては、グリーンタイヤ20に形成する凸部のタイヤ幅方向寸法を5.0[mm]から20.0[mm]とすることが好ましい。ここで、グリーンタイヤ20の凸部とは、グリーンタイヤ20を金型12の第2及び第3のセクタ(12b、12c)の所定位置にセットし、グリーンタイヤ20にブラダ16を当接して金型20(第1から第3のセクタ12a、12b、12c)を閉鎖状態とした状況下(以下、単に「加硫状況下」と称することがある)における、グリーンタイヤ20に凸部を形成しない場合のグリーンタイヤ20の内腔側表面の外輪郭線よりも、タイヤ径方向内側に突出した部分をいう。また、上記凸部のタイヤ幅方向寸法とは、上記凸部のタイヤ幅方向に測定した最大幅をいう。
グリーンタイヤ20に形成する凸部のタイヤ幅方向寸法を5.0[mm]以上とすることで、加硫前に行うグリーンタイヤ20に対するブラダ16のセンタリングの精度をさらに向上させることができる。このため、転がり抵抗、耐久性及びユニフォミティがさらに向上した、より高品質な空気入りタイヤを得ることができる。一方、グリーンタイヤ20に形成する凸部のタイヤ幅方向寸法を20.0[mm]以下とすることで、グリータイヤ20の凸部と嵌合させるブラダ16の凹部のタイヤ幅方向寸法が過大とならない。このため、加硫時のブラダ16の変形を抑制することができ、ブラダ16の耐久性を向上させることができる。
なお、このように、グリーンタイヤ20に凸部を形成する場合には、ブラダ16のグリーンタイヤ20側表面には、上記凸部と嵌合する凹部を形成しなければならない。このため、上記のようにグリーンタイヤ20に形成する凸部のタイヤ幅方向寸法を5.0[mm]から20.0[mm]とする場合には、ブラダ16の凹部のタイヤ幅方向寸法も5.0[mm]から20.0[mm]とする。
また、グリーンタイヤ20に形成する凸部のタイヤ幅方向寸法を10[mm]から15[mm]とすると、上記効果が、それぞれ、さらに高いレベルで奏される。
(付加的形態4)
本実施の形態のグリーンタイヤの製造方法においては、グリーンタイヤ20に形成する凸部のタイヤ径方向寸法を1.0[mm]から3.0[mm]とすることが好ましい。ここで、グリーンタイヤ20の凸部とは、上述のとおり、加硫状況下において、グリーンタイヤ20に凸部を形成しない場合のグリーンタイヤ20の内腔側表面の外輪郭線よりも、タイヤ径方向内側に突出した部分をいう。また、上記凸部のタイヤ径方向寸法とは、上記凸部のタイヤ径方向に測定した最大幅をいう。
本実施の形態のグリーンタイヤの製造方法においては、グリーンタイヤ20に形成する凸部のタイヤ径方向寸法を1.0[mm]から3.0[mm]とすることが好ましい。ここで、グリーンタイヤ20の凸部とは、上述のとおり、加硫状況下において、グリーンタイヤ20に凸部を形成しない場合のグリーンタイヤ20の内腔側表面の外輪郭線よりも、タイヤ径方向内側に突出した部分をいう。また、上記凸部のタイヤ径方向寸法とは、上記凸部のタイヤ径方向に測定した最大幅をいう。
グリーンタイヤ20に形成する凸部のタイヤ径方向寸法を1.0[mm]以上とすることで、加硫前に行うグリーンタイヤ20に対するブラダ16のセンタリングの精度をさらに向上させることができる。このため、転がり抵抗、耐久性及びユニフォミティがさらに向上した、より高品質な空気入りタイヤを得ることができる。一方、グリーンタイヤ20に形成する凸部のタイヤ径方向寸法を3.0[mm]以下とすることで、グリータイヤ20の凸部と嵌合させるブラダ16の凹部のタイヤ径方向寸法が過大とならない。このため、ブラダ16の厚みを過度に加硫時のブラダ16の変形を抑制することができ、ブラダ16の耐久性を向上させることができる。
なお、このように、グリーンタイヤ20に凸部を形成する場合には、ブラダ16のグリーンタイヤ20側表面には、上記凸部と嵌合する凹部を形成しなければならない。このため、上記のようにグリーンタイヤ20に形成する凸部のタイヤ径方向寸法を1.0[mm]から3.0[mm]とする場合には、ブラダ16の凹部のタイヤ径方向寸法も1.0[mm]から3.0[mm]とする。
また、グリーンタイヤ20に形成する凸部のタイヤ径方向寸法を1.5[mm]から2.5[mm]とすると、上記効果が、それぞれ、さらに高いレベルで奏される。
(付加的形態5)
本実施の形態のグリーンタイヤの製造方法においては、グリーンタイヤ20の凹部又は凸部と、ブラダ16の凸部又は凹部とを、それぞれタイヤ幅方向の中央部に形成することが好ましい。ここで、タイヤ幅方向の中央部とは、以下のように規定される領域をいう。
本実施の形態のグリーンタイヤの製造方法においては、グリーンタイヤ20の凹部又は凸部と、ブラダ16の凸部又は凹部とを、それぞれタイヤ幅方向の中央部に形成することが好ましい。ここで、タイヤ幅方向の中央部とは、以下のように規定される領域をいう。
即ち、上記中央部とは、加硫前のグリーンタイヤ20でみた場合に、加硫状況下における、タイヤ赤道面を中心とした、グリーンタイヤ20の幅方向最大寸法に対して0[%]から50[%]の範囲をいう。
また、このようにグリーンタイヤの所定箇所(中央部)に凹部又は凸部を形成して製造された空気入りタイヤでは、製品タイヤを正規リムに組んで、かつ正規内圧を充填するとともに、正規荷重の70[%]をかけた状況下において、タイヤ赤道面を中心とした、トレッド面の路面との接地領域のタイヤ幅方向最大寸法に対して0[%]から50[%]の範囲に凹部又は凸部が形成されている。
なお、正規リムとは、JATMAに規定される「標準リム」、TRAに規定される「Design Rim」、あるいはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、正規内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。さらに、正規荷重とは、JATMAで規定する「最大負荷能力」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「LOAD CAPACITY」をいう。
グリーンタイヤ20の凹部又は凸部を、上記のように規定される、タイヤ幅方向の中央部に形成する場合には、グリーンタイヤ20の凹部又は凸部と、凸部又は凹部が嵌合するブラダ16についても、上記凸部又は凹部の形成領域はタイヤ幅方向において所定の中央部に限定される。換言すれば、ブラダ16への凸部又は凹部の形成領域は、ブラダ16の赤道面を中心にそのタイヤ幅方向の比較的狭い領域に限られる。従って、このような構成によれば、1つのブラダで異なるサイズのタイヤを製造可能である。
以上に示す本実施の形態(基本形態、および基本形態を含み付加的形態1から5のいずれかを任意選択的に付加した形態)に従って製造した空気入りタイヤは、いずれも、グリーンタイヤ20に対するブラダ16のセンタリングの精度を向上させて得られたものである。即ち、上記空気入りタイヤは、グリーンタイヤ20とブラダ16との接触状態をあらゆる接触箇所においてより均一化し、あらゆる箇所におけるグリーンタイヤ20の加硫時の熱履歴をより均一化して得られたものである。従って、上記空気入りタイヤは、過加硫部分や未加硫部分を含まず、その結果、優れた転がり抵抗、耐久性及びユニフォミティを発揮する、高品質な空気入りタイヤである。
まず、表1に示す諸条件(本願の「発明を実施するための形態」の欄において説明した、グリーンタイヤのトレッドの内腔側表面における凹部又は凸部の形成の有無、ブラダのグリーンタイヤ側表面における凸部又は凹部の形成の有無、グリーンタイヤに凸部を形成した場合の上記凸部の幅及び深さ、及び凸部又は凹部を形成したタイヤ幅方向配置箇所)に従い、従来例1及び実施例1から9の空気入りタイヤを作製した。
従来例1及び実施例1から9の全てのタイヤについて、タイヤサイズは195/65R15 91Hとし、グリーンタイヤの凹部又は凸部と、ブラダの凸部又は凹部とは、それぞれタイヤ周方向に連続して形成した。また、実施例8、実施例9の中央部A、中央部Bは、加硫状況下における、タイヤ赤道面を中心にグリーンタイヤのタイヤ幅方向最大寸法に対して、それぞれ、20[%]、40[%]の範囲に凸部を設けたことを示す。
以上のよう作製した、従来例1及び実施例1から9の全てのタイヤについて、センタリング状況を測定するとともに、転がり抵抗、耐久性及びユニフォミティ、並びに空洞共鳴音に関する性能試験を行った。これらの結果を表2に示す。
(センタリング状況)
センタリング状況は、加硫状況下で、グリーンタイヤのクラウンセンタとブラダーセンタとの間のタイヤ幅方向のずれ[mm]を計測した。
センタリング状況は、加硫状況下で、グリーンタイヤのクラウンセンタとブラダーセンタとの間のタイヤ幅方向のずれ[mm]を計測した。
(転がり抵抗)
転がり抵抗は、ISOの規定に準拠して、転がり抵抗の値を測定した。そして、この測定結果に基づいて従来例を基準(100)とした指数評価を行った。この評価は、指数が大きいほど、転がり抵抗が小さいことを示す。
転がり抵抗は、ISOの規定に準拠して、転がり抵抗の値を測定した。そして、この測定結果に基づいて従来例を基準(100)とした指数評価を行った。この評価は、指数が大きいほど、転がり抵抗が小さいことを示す。
(耐久性)
耐久性は、空気圧を120[kPa]とするとともに負荷を7.24[kN]とし、ドラム式試験機にて、速度81[km]で80時間走行した際の、タイヤ外表面における故障発生箇所の個数を観察した。そして、この観察結果に基づいて従来例を基準(100)とした指数評価を行った。この評価は、指数が大きいほど、耐久性が高いことを示す。
耐久性は、空気圧を120[kPa]とするとともに負荷を7.24[kN]とし、ドラム式試験機にて、速度81[km]で80時間走行した際の、タイヤ外表面における故障発生箇所の個数を観察した。そして、この観察結果に基づいて従来例を基準(100)とした指数評価を行った。この評価は、指数が大きいほど、耐久性が高いことを示す。
(ユニフォミティ)
ユニフォミティは、JASOの規定に準拠して、コニシティの値を測定した。そして、この測定結果に基づいて従来例を基準(100)とした指数評価を行った。この評価は、指数が大きいほど、ユニフォミティが優れていることを示す。
ユニフォミティは、JASOの規定に準拠して、コニシティの値を測定した。そして、この測定結果に基づいて従来例を基準(100)とした指数評価を行った。この評価は、指数が大きいほど、ユニフォミティが優れていることを示す。
(空洞共鳴音)
各タイヤを、サイズが15x6.5Jのアルミホイールに組付け、2000[cc]のセダンタイプの試験車輌に装着して、走行時の音圧レベル(200[Hz]から250[Hz]帯のピーク音圧レベル[dB])を測定した。そして、この測定結果に基づいて従来例を基準(100)とした指数評価を行った。この評価は、指数が大きいほど、空洞共鳴音が小さいことを示す。
各タイヤを、サイズが15x6.5Jのアルミホイールに組付け、2000[cc]のセダンタイプの試験車輌に装着して、走行時の音圧レベル(200[Hz]から250[Hz]帯のピーク音圧レベル[dB])を測定した。そして、この測定結果に基づいて従来例を基準(100)とした指数評価を行った。この評価は、指数が大きいほど、空洞共鳴音が小さいことを示す。
表2によれば、本発明の技術的範囲に属する(加硫前に、グリーンタイヤの凹部又は凸部と、ブラダの凸部又は凹部とを嵌合させて得られた)実施例1から実施例9の空気入りタイヤについては、いずれも、本発明の技術的範囲に属しない、従来例1の空気入りタイヤよりも、総合的に性能が高いことが判る。
また、実施例1から実施例9の各空気入りタイヤを比較すると、加硫前に、グリーンタイヤの凹部と、ブラダの凸部とを嵌合させて得られた実施例1の空気入りタイヤに比べて、グリーンタイヤのトレッド部の内腔側表面には凸部を形成するとともに、ブラダの上記グリーンタイヤ側表面には凹部を形成して得られた実施例2から実施例9の空気入りタイヤは、総合的に性能が高いことが判る。
さらに、実施例2で得られた空気入りタイヤに比べて、グリーンタイヤに形成する凸部のタイヤ幅方向寸法、タイヤ径方向寸法及び凸部のタイヤ幅方向配置箇所の少なくともいずれかを好適に規定して得られた、実施例3から実施例9の空気入りタイヤは、総合的に性能が高いことが判る。
本発明は以下の態様を包含する。
(1)金型内に装着されたグリーンタイヤの内腔にブラダを挿入するとともに、上記ブラダ内に熱圧媒体を供給してブラダを膨張させることにより、上記ブラダをタイヤ内面に密着させて加硫を行う空気入りタイヤの製造方法であって、
上記グリーンタイヤのトレッド部の上記内腔側表面に、凹部又は凸部を形成するとともに、上記ブラダの上記グリーンタイヤ側表面に、凸部又は凹部を形成し、
加硫前に、上記グリーンタイヤの凹部又は凸部と、上記ブラダの凸部又は凹部とを嵌合させる、空気入りタイヤの製造方法。
上記グリーンタイヤのトレッド部の上記内腔側表面に、凹部又は凸部を形成するとともに、上記ブラダの上記グリーンタイヤ側表面に、凸部又は凹部を形成し、
加硫前に、上記グリーンタイヤの凹部又は凸部と、上記ブラダの凸部又は凹部とを嵌合させる、空気入りタイヤの製造方法。
(2)上記グリーンタイヤの凹部又は凸部と、上記ブラダの凸部又は凹部とを、それぞれタイヤ周方向に連続して形成する、(1)に記載の空気入りタイヤの製造方法。
(3)上記グリーンタイヤのトレッド部の上記内腔側表面には凸部を形成するとともに、上記ブラダの上記グリーンタイヤ側表面には凹部を形成する、(1)又は(2)に記載の空気入りタイヤの製造方法。
(4)グリーンタイヤに形成する凸部のタイヤ幅方向寸法を5.0mmから20.0mmとする、(3)に記載の空気入りタイヤの製造方法。
(5)グリーンタイヤに形成する凸部のタイヤ径方向寸法を1.0mm以上3.0mm以下とする、(3)又は(4)に記載の空気入りタイヤの製造方法。
(6)上記グリーンタイヤの凹部又は凸部と、上記ブラダの凸部又は凹部とを、それぞれタイヤ幅方向の中央部に形成する、(1)から(5)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤの製造方法。
(7)(1)から(6)のいずれか1つに記載の製造方法により得られた空気入りタイヤ。
10 加硫機
12 金型
12a 第1のセクタ
12b 第2のセクタ
12c 第3のセクタ
14 開閉機構14
14a セクタ閉鎖・開放用部材
14b 支柱
16 ブラダ
16a、16b、16c 凹部
20 グリーンタイヤ
20a、20b、20c 凸部
CL タイヤ赤道面(タイヤ赤道線)
L 一点鎖線
12 金型
12a 第1のセクタ
12b 第2のセクタ
12c 第3のセクタ
14 開閉機構14
14a セクタ閉鎖・開放用部材
14b 支柱
16 ブラダ
16a、16b、16c 凹部
20 グリーンタイヤ
20a、20b、20c 凸部
CL タイヤ赤道面(タイヤ赤道線)
L 一点鎖線
Claims (7)
- 金型内に装着されたグリーンタイヤの内腔にブラダを挿入するとともに、前記ブラダ内に熱圧媒体を供給してブラダを膨張させることにより、前記ブラダをタイヤ内面に密着させて加硫を行う空気入りタイヤの製造方法であって、
前記グリーンタイヤのトレッド部の前記内腔側表面に、凹部又は凸部を形成するとともに、前記ブラダの前記グリーンタイヤ側表面に、凸部又は凹部を形成し、
加硫前に、前記グリーンタイヤの凹部又は凸部と、前記ブラダの凸部又は凹部とを嵌合させる、空気入りタイヤの製造方法。 - 前記グリーンタイヤの凹部又は凸部と、前記ブラダの凸部又は凹部とを、それぞれタイヤ周方向に連続して形成する、請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記グリーンタイヤのトレッド部の前記内腔側表面には凸部を形成するとともに、前記ブラダの前記グリーンタイヤ側表面には凹部を形成する、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- グリーンタイヤに形成する凸部のタイヤ幅方向寸法を5.0mmから20.0mmとする、請求項3に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- グリーンタイヤに形成する凸部のタイヤ径方向寸法を1.0mm以上3.0mm以下とする、請求項3又は4に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記グリーンタイヤの凹部又は凸部と、前記ブラダの凸部又は凹部とを、それぞれタイヤ幅方向の中央部に形成する、請求項1から5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 請求項1から6のいずれか1項に記載の製造方法により得られた空気入りタイヤ。
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-
2012
- 2012-12-07 JP JP2012268725A patent/JP2014113733A/ja active Pending
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