JP6107041B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

この発明は、空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、トレッド部のゴムゲージをタイヤ周方向に均一化できる空気入りタイヤに関する。
グリーンタイヤの加硫成形工程では、セクター分割式のタイヤ加硫モールドが用いられる。かかるタイヤ加硫モールドは、タイヤ周方向に分割可能なタイヤ成形金型を有し、このタイヤ成形金型によりタイヤのトレッド面を形成する。
上記のようなセクター分割式のタイヤ加硫モールドでは、セクターを組み合わせてモールドを形成したときに、タイヤ成形金型の金型分割位置にてグリーンタイヤの噛み込みが生じ得る。すると、トレッド部のゴムゲージが金型分割位置にて厚くなり、タイヤ外径がタイヤ周方向に不均一となる課題がある。
かかる課題に関する従来の空気入りタイヤとして、特許文献1に記載される技術が知られている。
特開2004−188648号公報
この発明は、トレッド部のゴムゲージをタイヤ周方向に均一化できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝と、これらの周方向主溝に区画されて成る複数の陸部とを備えると共に、タイヤ周方向に分割可能なタイヤ成形金型を用いて成形されたトレッド面を備える空気入りタイヤであって、前記タイヤ成形金型の隣り合う金型分割位置の間隔をLとして、前記金型分割位置を中心とする0.2×Lの区間を金型分割区間と呼ぶと共に、残りの0.8×Lの区間を他の区間と呼ぶときに、前記金型分割区間における前記周方向主溝の溝幅Wa1の平均値Wa1_avと、前記他の区間における前記周方向主溝の溝幅Wa2の平均値Wa2_avとが、Wa1_av<Wa2_avの関係を有することを特徴とする。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝と、これらの周方向主溝に区画されて成る複数の陸部とを備えると共に、タイヤ周方向に分割可能なタイヤ成形金型を用いて成形されたトレッド面を備える空気入りタイヤであって、前記タイヤ成形金型の隣り合う金型分割位置の間隔をLとして、前記金型分割位置を中心とする0.2×Lの区間を金型分割区間と呼ぶと共に、残りの0.8×Lの区間を他の区間と呼ぶときに、前記金型分割区間における前記周方向主溝の溝壁角度θa1の平均値θa1_avと、前記他の区間における前記周方向主溝の溝壁角度θa2の平均値θa2_avとが、θa2_av<θa1_avの関係を有することを特徴とする。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝と、前記周方向主溝に区画されて成る複数の陸部と、前記陸部に形成された複数のラグ溝とを備えると共に、タイヤ周方向に分割可能なタイヤ成形金型を用いて成形されたトレッド面を備える空気入りタイヤであって、前記タイヤ成形金型の隣り合う金型分割位置の間隔をLとして、前記金型分割位置を中心とする0.2×Lの区間を金型分割区間と呼ぶと共に、残りの0.8×Lの区間を他の区間と呼ぶときに、前記金型分割区間における前記ラグ溝の溝幅Wb1の平均値Wb1_avと、前記他の区間における前記ラグ溝の溝幅Wb2の平均値Wb2_avとが、Wb1_av<Wb2_avの関係を有し、タイヤ赤道面を境界とする一方の領域に、前記ラグ溝を有する少なくとも2列の前記陸部を備え、且つ、タイヤ赤道面側にある前記陸部の前記金型分割区間における前記ラグ溝の溝幅Wb1_ceの平均値Wb1_ce_avと前記他の区間における前記ラグ溝の溝幅Wb2_ceの平均値Wb2_ce_avとの比Wb1_ce_av/Wb2_ce_avが、タイヤ幅方向外側にある前記陸部の前記金型分割区間における前記ラグ溝の溝幅Wb1_shの平均値Wb1_sh_avと前記他の区間における前記ラグ溝の溝幅Wb2_shの平均値Wb2_sh_avとの比Wb1_sh_av/Wb2_sh_avに対して、Wb1_ce_av/Wb2_ce_av<Wb1_sh_av/Wb2_sh_avの関係を有することを特徴とする。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝と、これらの周方向主溝に区画されて成る複数の陸部と、前記陸部に形成された複数のラグ溝とを備えると共に、タイヤ周方向に分割可能なタイヤ成形金型を用いて成形されたトレッド面を備える空気入りタイヤであって、前記タイヤ成形金型の隣り合う金型分割位置の間隔をLとして、前記金型分割位置を中心とする0.2×Lの区間を金型分割区間と呼ぶと共に、残りの0.8×Lの区間を他の区間と呼ぶときに、前記金型分割区間における前記ラグ溝の溝壁角度θb1の平均値θb1_avと、前記他の区間における前記ラグ溝の溝壁角度θb2の平均値θb2_avとが、θb2_av<θb1_avの関係を有し、タイヤ赤道面を境界とする一方の領域に、前記ラグ溝を有する少なくとも2列の前記陸部を備え、且つ、タイヤ赤道面側にある前記陸部の前記金型分割区間における前記ラグ溝の溝壁角度θb1_ceの平均値θb1_ce_avと前記他の区間における前記ラグ溝の溝壁角度θb2_ceの平均値θb2_ce_avとの比θb1_ce_av/θb2_ce_avが、タイヤ幅方向外側にある前記陸部の前記金型分割区間における前記ラグ溝の溝壁角度θb1_shの平均値θb1_sh_avと前記他の区間における前記ラグ溝の溝壁角度θb2_shの平均値θb2_sh_avとの比θb1_sh_av/θb2_sh_avに対して、θb1_sh_av/θb2_sh_av<θb1_ce_av/θb2_ce_avの関係を有することを特徴とする。
この発明にかかる空気入りタイヤでは、金型分割区間におけるトレッドゴムのゴムボリュームが周囲よりも大きくなる。これにより、タイヤ加硫成形時にて、金型分割区間における余剰ゴムが減少して、タイヤ成形金型の金型分割位置におけるグリーンタイヤの噛み込みが抑制される利点がある。
図1は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。 図2は、図1に記載した空気入りタイヤのトレッド面を示す平面図である。 図3は、タイヤ加硫モールドのタイヤ成形金型を示す説明図である。 図4は、図2に記載した空気入りタイヤの周方向主溝を示す平面図である。 図5は、図4に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図6は、図4に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図7は、図4に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図8は、図4に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図9は、溝壁角度の測定方法を示す説明図である。 図10は、溝壁角度の測定方法を示す説明図である。 図11は、図7および図8に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図12は、図7および図8に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図13は、図4に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図14は、図4に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図15は、図7および図8に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図16は、図7および図8に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図17は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの評価試験の結果を示す図表である。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
[空気入りタイヤ]
図1は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。同図は、タイヤ径方向の断面図の片側領域を示している。また、同図は、空気入りタイヤの一例として、長距離輸送用のトラック、バスなどに装着される重荷重用ラジアルタイヤを示している。なお、符号CLは、タイヤ赤道面である。また、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸(図示省略)に平行な方向をいい、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸に垂直な方向をいう。
この空気入りタイヤ1は、タイヤ回転軸を中心とする環状構造を有し、一対のビードコア11、11と、一対のビードフィラー12、12と、カーカス層13と、ベルト層14と、トレッドゴム15と、一対のサイドウォールゴム16、16と、一対のリムクッションゴム17、17を備える(図1参照)。
一対のビードコア11、11は、環状構造を有し、左右のビード部のコアを構成する。一対のビードフィラー12、12は、ローアーフィラー121およびアッパーフィラー122から成り、一対のビードコア11、11のタイヤ径方向外周にそれぞれ配置されてビード部を補強する。
カーカス層13は、左右のビードコア11、11間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。また、カーカス層13の両端部は、ビードコア11およびビードフィラー12を包み込むようにタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に巻き返されて係止される。また、カーカス層13は、スチールあるいは有機繊維材(例えば、ナイロン、ポリエステル、レーヨンなど)から成る複数のカーカスコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で85[deg]以上95[deg]以下のカーカス角度(タイヤ周方向に対するカーカスコードの繊維方向の傾斜角)を有する。
ベルト層14は、複数のベルトプライ141〜144を積層して成り、カーカス層13の外周に掛け廻されて配置される。これらのベルトプライ141〜144は、例えば、高角度ベルト141と、一対の交差ベルト142、143と、ベルトカバー144とから構成される。また、各ベルトプライ141〜144は、コートゴムで被覆されたスチールあるいは有機繊維材から成る複数のベルトコードを圧延加工して構成され、所定のベルト角度(タイヤ周方向に対するベルトコードの繊維方向の傾斜角)を有する。
トレッドゴム15は、カーカス層13およびベルト層14のタイヤ径方向外周に配置されてタイヤのトレッド部を構成する。一対のサイドウォールゴム16、16は、カーカス層13のタイヤ幅方向外側にそれぞれ配置されて左右のサイドウォール部を構成する。一対のリムクッションゴム17、17は、左右のビードコア11、11およびビードフィラー12、12のタイヤ幅方向外側にそれぞれ配置されて、左右のビード部を構成する。
[トレッドパターン]
図2は、図1に記載した空気入りタイヤのトレッド面を示す平面図である。同図は、オールシーズン用タイヤのトレッドパターンを示している。なお、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸周りの方向をいう。また、符号Xは、後述するタイヤ加硫モールドのタイヤ成形金型の分割位置を示している。
この空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝21、22と、これらの周方向主溝21、22に区画された複数の陸部31〜33と、これらの陸部31〜33に配置された複数のラグ溝411、412、42、43とをトレッド部に備える(図2参照)。
周方向主溝とは、3.0[mm]以上の溝幅を有する周方向溝をいう。また、ラグ溝とは、1.5[mm]以上の溝幅を有する横溝をいう。これらの溝幅は、トレッド踏面の溝開口部に形成された切欠部や面取部を除外して測定される。
例えば、図2の構成では、空気入りタイヤ1が、ストレート形状を有する左右一対のストレート主溝21、21と、ジグザグ形状を有する左右一対のジグザグ主溝22、22とを備えている。また、これらのストレート主溝21、21およびジグザグ主溝22、22がタイヤ赤道面CLを中心として左右対称に配置されている。また、空気入りタイヤ1が、タイヤ赤道面CL上にあり左右のストレート主溝21、21に区画されて成るセンター陸部31と、ストレート主溝21およびジグザグ主溝22に区画されて成る左右一対のセカンド陸部32、32と、ジグザグ主溝22に区画されて成る左右一対のショルダー陸部33、33とを備えている。これにより、5列の陸部31〜33が、タイヤ赤道面CLを中心として左右対称に配置されている。
また、センター陸部31が、第一ラグ溝411および第二ラグ溝412を有している。第一ラグ溝411は、一方の端部にてストレート主溝21に開口し、タイヤ幅方向に延在して、他方の端部にてセンター陸部31内に終端する。また、複数の第一ラグ溝411が、タイヤ周方向に所定間隔をあけつつ、センター陸部31の左右のエッジ部に交互に配置されている。第二ラグ溝412は、タイヤ赤道面CLに沿ってタイヤ周方向に延在する縦ラグ溝であり、タイヤ周方向に隣り合う左右一対の第一ラグ溝411、411を接続する。そして、左右一対の第一ラグ溝411、411と1本の第二ラグ溝412とから成る複数組の横断溝がタイヤ周方向に所定間隔で配置されることにより、センター陸部31がタイヤ周方向に分断されてブロック列となっている。
また、左右のセカンド陸部32、32が、複数のラグ溝42をそれぞれ有している。これらのラグ溝42は、タイヤ幅方向に延在してセカンド陸部32を貫通し、ストレート主溝21およびジグザグ主溝22にそれぞれ開口している。また、ラグ溝42は、ストレート主溝21側の開口部にて、センター陸部31の第一ラグ溝411に対向する位置に開口し、ジグザグ主溝22側の開口部にて、ジグザグ主溝22の屈曲部に開口している。また、複数のラグ溝42がタイヤ周方向に所定間隔で配置されることにより、左右のセカンド陸部32、32がそれぞれブロック列となっている。
また、左右のショルダー陸部33、33が、複数のラグ溝43をそれぞれ有している。これらのラグ溝43は、タイヤ幅方向に延在してショルダー陸部33を貫通し、ジグザグ主溝22およびトレッド端にそれぞれ開口している。また、ラグ溝43は、ジグザグ主溝22側の開口部にて、ジグザグ主溝22の屈曲部に開口し、また、セカンド陸部32のラグ溝42に対して異なる位置に開口している。また、複数のラグ溝43がタイヤ周方向に所定間隔で配置されることにより、左右のショルダー陸部33、33がそれぞれブロック列となっている。
なお、図2の構成では、上記のように、すべての陸部31〜33が、陸部31〜33をタイヤ周方向に分断するラグ溝411、412、42、43を有することにより、ブロック列となっている。しかし、これに限らず、一部あるいはすべての陸部が、タイヤ周方向に連続するリブであっても良い(図示省略)。
[セクター分割式モールドのタイヤ成形金型]
図3は、タイヤ加硫モールドのタイヤ成形金型を示す説明図である。同図は、セクター分割式モールドのタイヤ成形金型を用いたグリーンタイヤGTの加硫成形工程の様子を示している。
空気入りタイヤ1の製造工程では、ビードコア11を構成するビードワイヤ、カーカス層13を構成するカーカスプライ、ベルト層14を構成するベルトプライ141〜144、トレッドゴム15、サイドウォールゴム16、リムクッションゴム17などの各部材(図1参照)が成型機にかけられて、グリーンタイヤGTが成型される。次に、このグリーンタイヤGTがタイヤ加硫モールド100に充填される。
タイヤ加硫モールド100は、左右のサイドウォール部を成形するための一対のサイドプレートと、トレッド部およびショルダー部を成形するための複数のセクターとを備える(図示省略)。セクターは、モールドをタイヤ周方向に複数分割(例えば、8分割あるいは12分割)した分割部であり、タイヤのトレッド面を成形するための金型部101a〜101iをそれぞれ有する。そして、これらのセクターが環状に組み合わされることにより、複数の金型部101a〜101iが環状に配置されて、図3に示すようなタイヤ成形金型101が構成される。
次に、このタイヤ加硫モールド100が加熱され、加圧装置(図示省略)によりグリーンタイヤGTが径方向外方に拡張されてタイヤ加硫モールドのタイヤ成形金型101に当接する。次に、グリーンタイヤGTが加熱されることにより、トレッド部のゴム分子と硫黄分子とが結合して加硫が行われる。このとき、タイヤ成形金型101の形状がグリーンタイヤGTのトレッド面に転写されて、空気入りタイヤ1のトレッドパターンが成形される。そして、加硫成形後のタイヤがタイヤ加硫モールド100から引き抜かれて、製品タイヤが取得される。
[金型分割位置におけるトレッドゲージの均一化構造]
上記のようなセクター分割式のタイヤ加硫モールド100では、セクターを組み合わせてモールドを形成したときに、タイヤ成形金型101の金型分割位置X(図2および図3参照)にてグリーンタイヤGTの噛み込みが生じ得る。すると、トレッド部のゴムゲージが金型分割位置Xにて厚くなり、タイヤ外径がタイヤ周方向に不均一となる課題がある。
そこで、この空気入りタイヤ1では、トレッド部のゴムゲージをタイヤ周方向に均一化するために、以下の構成を採用する。
[周方向主溝の溝幅]
図4は、図2に記載した空気入りタイヤの周方向主溝を示す平面図である。同図は、タイヤ成形金型101の金型分割位置Xにおけるストレート主溝21の拡大平面図を示している。
まず、タイヤ成形金型101の隣り合う金型分割位置X、Xの間隔をL(図示省略)として、金型分割位置Xを中心とする0.2×Lの区間を金型分割区間と呼ぶ。また、残りの0.8×Lの区間を他の区間と呼ぶ。
このとき、この空気入りタイヤ1では、図4に示すように、タイヤ成形金型101の金型分割区間における周方向主溝21の溝幅Wa1の平均値Wa1_avと、他の区間における周方向主溝21(22)の溝幅Wa2の平均値Wa2_avとが、Wa1_av<Wa2_avの関係を有する。すなわち、周方向主溝21(22)は、金型分割区間の溝幅Wa1を他の区間の溝幅Wa2よりも狭めた構造を有する。したがって、金型分割区間では、周方向主溝21(22)の溝断面積および溝容積が他の区間よりも狭い。
上記の構成は、図4に示すストレート主溝21に限らず、図2に示すジグザグ主溝22に対しても同様に適用できる。
周方向主溝21、22の溝幅Wa1、Wa2は、溝開口部における左右の溝壁の距離であり、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に無負荷状態として測定される。ジグザグ形状あるいは湾曲形状を有する周方向主溝においても同様である(例えば、後述する図6の周方向主溝22参照)。
規定リムとは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、あるいはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、規定内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。また、規定荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。ただし、JATMAにおいて、乗用車用タイヤの場合には、規定内圧が空気圧180[kPa]であり、規定荷重が最大負荷能力の88[%]である。
例えば、図4の構成では、周方向主溝21を挟む左右の陸部31、32が、それぞれラグ溝411、42に区画されたブロック列となっている。また、金型分割位置Xにある各陸部31、32のブロックが、他の区間にあるブロックよりもタイヤ幅方向に拡幅することにより、金型分割区間における周方向主溝の溝幅Wa1が狭められている。
この空気入りタイヤ1では、金型分割区間における溝幅Wa1の平均値Wa1_avが他の区間における溝幅Wa2の平均値Wa2_avよりも小さい(Wa1_av<Wa2_av)ので、金型分割区間におけるトレッドゴム15のゴムボリュームが周囲よりも大きい。これにより、タイヤ加硫成形時にて、金型分割区間における余剰ゴムが減少して、タイヤ成形金型101の金型分割位置XにおけるグリーンタイヤGTの噛み込みが抑制される。
なお、上記の構成では、周方向主溝21(22)は、金型分割位置Xを含むタイヤ周方向に3[mm]以上50[mm]以下の区間にて、他の区間における周方向主溝21(22)の溝幅Wa2の平均値Wa2_avよりも幅狭な溝幅Wa1を有することが好ましい(Wa1<Wa2_av)。
また、金型分割区間における溝幅Wa1の平均値Wa1_avと、他の区間における溝幅Wa2の平均値Wa2_avとの比Wa1_av/Wa2_avが、0.70≦Wa1_av/Wa2_av≦0.99の範囲内にあることが好ましい。
また、周方向主溝の21、22の溝幅Wa1、Wa2が、タイヤ周方向に向かうに連れて変化しても良い(例えば、後述する図5参照)。また、周方向主溝21、22の溝幅が、金型分割位置Xにて最小となる必要はなく(図示省略)、金型分割区間の溝幅Wa1の平均値Wa1_avが上記の要件を満たせばよい。
図5は、図4に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。同図は、金型分割位置Xにおける周方向主溝21の拡大平面図を示している。
図4の構成では、周方向主溝21(22)の溝幅がブロックのピッチ長(ラグ溝411、42の配置間隔)に合わせて変化することにより、金型分割区間における周方向主溝21、22の溝幅Wa1が狭められている。このため、各ブロックが直線状のエッジ部を有している。
しかし、これに限らず、図5に示すように、周方向主溝21、22の溝幅が、金型分割位置Xに向かって連続的あるいは段階的に斬減することが好ましい。これにより、周方向主溝21の溝開口部の形状を緩やかに変化させ得るので、タイヤの外観性が向上する。
例えば、図5の構成では、金型分割区間における周方向主溝21、22の溝幅Wa1が、ステップ状に徐々に狭まり、金型分割位置Xにて最小となっている。また、各ステップにおける溝幅Wa1の減少量が、略同一に設定されている。これにより、溝幅Wa1が金型分割位置Xに向かって緩やかに狭められている。
また、周方向主溝21、22が、タイヤ周方向に向かって曲線状あるいは直線状に延在する溝開口部を有することにより、金型分割区間における周方向主溝21、22の溝幅Wa1を連続的(無段階)に狭めた構造を有しても良い(図示省略)。
図6は、図4に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。同図は、タイヤ赤道面CLを境界とする一方の領域に配置された隣り合う2本の周方向主溝21、22の拡大平面図を示している。
図2の構成では、空気入りタイヤ1が、タイヤ赤道面CLを境界とする各領域に複数の周方向主溝21、22をそれぞれ備えている。このとき、これらの周方向主溝21、22のうちの一部の周方向主溝21、21(22、22)のみが金型分割位置Xにて溝幅Wa1を狭める構成を有しても良いし、すべての周方向主溝21、22が金型分割位置Xにて溝幅Wa1を狭める構成を有しても良い。
また、図6に示すように、タイヤ赤道面CLの片側領域にある2本の周方向主溝21、22が金型分割位置Xにて溝幅を狭める構成では、これらの周方向主溝21、22の溝幅が、以下の要件を満たすことが好ましい。すなわち、タイヤ赤道面CL側にある周方向主溝21の金型分割区間における溝幅Wa1_ceの平均値Wa1_ce_avと他の区間における溝幅Wa2_ceの平均値Wa2_ce_avとの比Wa1_ce_av/Wa2_ce_avが、タイヤ幅方向外側にある周方向主溝22の金型分割区間における溝幅Wa1_shの平均値Wa1_sh_avと他の区間における溝幅Wa2_shの平均値Wa2_sh_avとの比Wa1_sh_av/Wa2_sh_avに対して、Wa1_ce_av/Wa2_ce_av<Wa1_sh_av/Wa2_sh_avの関係を有することが好ましい。したがって、タイヤ赤道面CL側にある周方向主溝21の溝幅の変化量Wa1_ce_av/Wa2_ce_avが、タイヤ幅方向外側にある周方向主溝22の溝幅の変化量Wa1_sh_av/Wa2_sh_avよりも小さく設定される。
トレッド部センター領域では、金型分割位置XにおけるグリーンタイヤGTの噛み込みが生じ易い。したがって、上記のように、タイヤ赤道面CL側にある周方向主溝21の溝幅の変化量Wa1_ce_av/Wa2_ce_avを小さく設定して、金型分割区間における溝幅Wa1_ceをより狭めることにより、センター領域におけるグリーンタイヤGTの噛み込みが効果的に抑制される。
[周方向主溝の溝壁角度]
図7および図8は、図4に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。これらの図において、図7は、金型分割位置Xにおけるストレート主溝21の拡大平面図を示し、図8は、図7におけるA視断面図およびB視断面図を示している。また、図9および図10は、溝壁角度の測定方法を示す説明図である。
図4の構成では、上記のように、金型分割区間における周方向主溝21(22)の溝幅Wa1の平均値Wa1_avが他の区間における溝幅Wa2の平均値Wa2_avよりも小さく(Wa1_av<Wa2_av)設定されている。これにより、金型分割区間におけるトレッドゴム15のゴムボリュームを増加し、タイヤ加硫成形時における金型分割区間の余剰ゴム量が減少して、タイヤ成形金型101の金型分割位置XにおけるグリーンタイヤGTの噛み込みを抑制している。
これに対して、図7および図8の構成では、金型分割区間における周方向主溝21(22)の溝壁角度θa1の平均値θa1_avと、他の区間における周方向主溝21(22)の溝壁角度θa2の平均値θa2_avとが、θa2_av<θa1_avの関係を有する。
上記の構成は、図7に示すストレート主溝21に限らず、図2に示すジグザグ主溝22に対しても同様に適用できる。
周方向主溝21(22)の溝壁角度θa1、θa2は、図8に示すように、溝長さ方向に垂直な断面視にて、陸部31、32(32、33)のエッジ部を通り陸部の踏面に垂直な直線と、溝壁面とのなす角として測定される。また、溝壁角度θa1、θa2は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて測定される。
また、図9のように、溝壁が溝深さ方向に傾斜角を変化させる多段構造を有する構成では、最も溝開口部側にある溝壁部分の溝壁角度θ(θa1、θa2)が用いられる。
また、図10のように、タイヤ子午線方向の断面視にて、溝壁面が複数の円弧を接続して成る構成(あるいは陸部がエッジ部に面取部を有する構成)では、最も溝開口部側にある溝壁部分の変曲点における接線と、陸部32(31、33)の踏面を延長した仮想線との交点をとり、この交点を通り陸部32(31、33)の踏面に垂直な直線と、前記変曲点における接線とのなす角が溝壁角度θ(θa1、θa2)となる。
例えば、図7および図8の構成では、周方向主溝21を挟む左右の陸部31、32が、それぞれラグ溝411、42に区画されたブロック列となっている。また、図7に示すように、周方向主溝21の溝幅Wa1、Wa2が、金型分割区間内であるか否かに関わらず一定(Wa1=Wa2)となっている。また、図8に示すように、周方向主溝21が、金型分割位置Xにある各陸部31、32のブロック間にて、他の区間にあるブロック間よりも溝底の幅を狭めることにより、金型分割区間における周方向主溝の溝壁角度θa1が拡大されている。
この空気入りタイヤ1では、金型分割区間における溝壁角度θa1の平均値θa1_avが他の区間における溝壁角度θa2の平均値θa2_avよりも大きい(θa2_av<θa1_av)ので、金型分割区間におけるトレッドゴム15のゴムボリュームが周囲よりも大きい。これにより、タイヤ加硫成形時にて、金型分割区間における余剰ゴムが減少して、タイヤ成形金型101の金型分割位置XにおけるグリーンタイヤGTの噛み込みが抑制される。
なお、図7の構成では、上記のように、周方向主溝21の溝幅Wa1、Wa2がタイヤ全周に渡って一定に設定(Wa1=Wa2)されている。かかる構成では、周方向主溝21の溝幅Wa1、Wa2が部分的に変化する構成と比較して、タイヤ新品時におけるトレッド面の外観が向上する点で好ましい。
しかし、これに限らず、図4の構成と図8の構成とを組み合わせることにより、周方向主溝21が、金型分割区間にて溝幅Wa1を狭めつつ溝壁角度θa1を増加させる構成を有しても良い(図示省略)。これにより、金型分割区間におけるトレッドゴム15のゴムボリュームを効率的に増加させて、金型分割区間における余剰ゴムを低減できる。
また、図8の構成では、周方向主溝21の左右の溝壁の溝壁角度θa1が金型分割区間にて増加している。かかる構成では、金型分割区間におけるトレッドゴム15のゴムボリュームを効率的に増加させ得る点で好ましい。
しかし、これに限らず、周方向主溝21の一方のみの溝壁の溝壁角度θa1が金型分割区間にて増加しても良い(図示省略)。
また、上記の構成では、周方向主溝21(22)は、金型分割位置Xを含むタイヤ周方向に3[mm]以上50[mm]以下の区間にて、他の区間における周方向主溝21(22)の溝壁角度θa2の平均値θa2_avよりも大きな溝壁角度θa1を有することが好ましい(θa2_av<θa1)。
また、金型分割区間における溝壁角度θa1の平均値θa1_avと、他の区間における溝壁角度θa2の平均値θa2_avとの比θa2_av/θa1_avが、0.70≦θa2_av/θa1_av≦0.99の範囲内にあることが好ましい。
また、上記の構成では、周方向主溝の21、22の溝壁角度θa1、θa2が、タイヤ周方向に向かうに連れて変化しても良い(例えば、後述する図11および図12参照)。また、周方向主溝21、22の溝壁角度が、金型分割位置Xにて最小となる必要はなく(図示省略)、金型分割区間の溝壁角度θa1の平均値θa1_avが上記の要件を満たせばよい。
図11および図12は、図7および図8に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。これらの図において、図11は、金型分割位置Xにおけるストレート主溝21の拡大平面図を示し、図12は、図11におけるC視断面図、D視断面図およびE視断面図を示している。
図7および図8の構成では、周方向主溝21(22)の溝壁角度がブロックのピッチ長(ラグ溝411、42の配置間隔)に合わせて変化することにより、金型分割区間における周方向主溝21、22の溝壁角度θa1が狭められている。このため、各ピッチ長の区間では、周方向主溝21(22)の溝底幅が一定となっている。
しかし、これに限らず、図11および図12に示すように、周方向主溝21、22の溝壁角度θa1(図示省略)が、金型分割位置Xに向かって連続的あるいは段階的に斬減することが好ましい。これにより、周方向主溝21の溝底幅を緩やかに変化させ得るので、タイヤの外観性が向上する。
また、図2の構成では、空気入りタイヤ1が、タイヤ赤道面CLを境界とする各領域に複数の周方向主溝21、22をそれぞれ備えている。このとき、これらの周方向主溝21、22のうちの一部の周方向主溝21、21(22、22)のみが金型分割位置にて溝壁角度θa1を拡大する構成を有しても良いし、すべての周方向主溝21、22が金型分割位置にて溝壁角度θa1を拡大する構成を有しても良い。
また、隣り合う周方向主溝の21、22の溝壁角度θa1、θa2についても、図6の変形例における考え方を適用できる。
すなわち、タイヤ赤道面CLの片側領域にある2本の周方向主溝21、22が金型分割位置にて溝壁角度θa1を狭める構成では、これらの周方向主溝21、22の溝壁角度θa1が、以下の要件を満たすことが好ましい(図示省略)。すなわち、タイヤ赤道面CL側にある周方向主溝21の金型分割区間における溝壁角度θa1_ceの平均値θa1_ce_avと他の区間における溝壁角度θa2_ceの平均値θa2_ce_avとの比θa1_ce_av/θa2_ce_avが、タイヤ幅方向外側にある周方向主溝22の金型分割区間における溝壁角度θa1_shの平均値θa1_sh_avと他の区間における溝壁角度θa2_shの平均値θa2_sh_avとの比θWa1_sh_av/θa2_sh_avに対して、θa1_sh_av/θa2_sh_av<θa1_ce_av/θa2_ce_avの関係を有することが好ましい。したがって、タイヤ赤道面CL側にある周方向主溝21の溝壁角度の変化量θa1_ce_av/θa2_ce_avが、タイヤ幅方向外側にある周方向主溝22の溝壁角度の変化量θa1_sh_av/θa2_sh_avよりも大きく設定される。
トレッド部センター領域では、金型分割位置XにおけるグリーンタイヤGTの噛み込みが生じ易い。したがって、上記のように、タイヤ赤道面CL側にある周方向主溝21の溝壁角度の変化量θa1_ce_av/θa2_ce_avを大きく設定して、金型分割区間における溝壁角度θa1_ceをより大きくすることにより、センター領域におけるグリーンタイヤGTの噛み込みが効果的に抑制される。
[ラグ溝の溝幅]
図13は、図4に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。同図は、タイヤ成形金型101の金型分割位置Xにおけるセカンド陸部32のラグ溝42の拡大平面図を示している。
図4の構成では、上記のように、金型分割区間における周方向主溝21(22)の溝幅Wa1の平均値Wa1_avが他の区間における溝幅Wa2の平均値Wa2_avよりも小さく(Wa1_av<Wa2_av)設定されている。これにより、金型分割区間におけるトレッドゴム15のゴムボリュームを増加し、タイヤ加硫成形時における金型分割区間の余剰ゴム量を減少して、タイヤ成形金型101の金型分割位置XにおけるグリーンタイヤGTの噛み込みを抑制している。
これに対して、図13の構成では、金型分割区間におけるラグ溝42(411、412、43)の溝幅Wb1の平均値Wb1_avと、他の区間におけるラグ溝42(411、412、43)の溝幅Wb2の平均値Wb2_avとが、Wb1_av<Wb2_avの関係を有する。すなわち、ラグ溝42(411、412、43)は、金型分割区間の溝幅Wb1を他の区間よりも狭めた構造を有する。したがって、金型分割区間では、ラグ溝42(411、412、43)の溝断面積および溝容積が他の区間よりも狭い。
上記の構成は、図13に示すストレート形状のラグ溝42に限らず、例えば、図2における屈曲形状あるいは湾曲形状を有するラグ溝411、43、タイヤ周方向に延在する連結ラグ溝412などに対しても同様に適用できる。
ラグ溝42(411、412、43)の溝幅Wb1、Wb2は、溝開口部における左右の溝壁の距離であり、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に無負荷状態として測定される。ジグザグ形状あるいは湾曲形状を有するラグ溝においても同様である。
この空気入りタイヤ1では、金型分割区間におけるラグ溝42(411、412、43)の溝幅Wb1の平均値Wb1_avが、他の区間におけるラグ溝42(411、412、43)の溝幅Wb2の平均値Wb2_avも小さい(Wb1_av<Wb2_av)ので、金型分割区間におけるトレッドゴム15のゴムボリュームが周囲よりも大きい。これにより、タイヤ加硫成形時にて、金型分割区間における余剰ゴムが減少して、タイヤ成形金型101の金型分割位置XにおけるグリーンタイヤGTの噛み込みが抑制される。
なお、上記の構成では、ラグ溝42(411、412、43)は、金型分割位置Xを含むタイヤ周方向に3[mm]以上50[mm]以下の区間にて、他の区間におけるラグ溝42(411、412、43)の溝幅Wb2の平均値Wb2_avよりも幅狭な溝幅Wb1を有することが好ましい(Wb1<Wb2_av)。
また、金型分割区間における溝幅Wb1の平均値Wb1_avと、他の区間における溝幅Wb2の平均値Wb2_avとの比Wb1_av/Wb2_avが、0.70≦Wb1_av/Wb2_av≦0.99の範囲内にあることが好ましい。
また、ラグ溝42(411、412、43)の溝幅Wb1、Wb2が、溝長さ方向に向かうに連れて変化しても良い(図示省略)。また、ラグ溝42(411、412、43)の溝幅が、金型分割位置Xにて最小となる必要はなく(図示省略)、金型分割区間における溝幅Wb1の平均値Wb1_avが上記の要件を満たせばよい。
また、ラグ溝42(411、412、43)の溝幅Wb1についても、図5の変形例における考え方を適用できる。
すなわち、ラグ溝42(411、412、43)の溝幅Wb1が、金型分割位置Xに向かって連続的あるいは段階的に斬減することが好ましい(図示省略)。また、ラグ溝42(411、412、43)の溝幅Wb1がステップ状に減少する構成では、各ステップにおける溝幅Wb1の減少量が略同一に設定されることが好ましい。これにより、ラグ溝42(411、412、43)の溝開口部の形状を緩やかに変化させ得るので、タイヤの外観性が向上する。
また、ラグ溝42(411、412、43)が、溝長さ方向に向かって曲線状あるいは直線状に延在する溝開口部を有することにより、金型分割区間におけるラグ溝42(411、412、43)の溝幅Wb1を連続的(無段階)に狭めた構造を有しても良い(図示省略)。
また、図2の構成では、空気入りタイヤ1が、タイヤ赤道面CLを境界とする各領域に複数の陸部31〜33を備えている。このとき、これらの陸部31〜33のうちの一部の陸部31(32、33)のラグ溝42(411、412、43)のみが金型分割区間にて溝幅Wb1を拡大する構成を有しても良いし、すべての陸部31〜33のラグ溝42(411、412、43)が金型分割区間にて溝幅Wb1を拡大する構成を有しても良い。
図14は、図4に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。同図は、タイヤ赤道面CLを境界とする一方の領域に配置された隣り合う2列の陸部31、32の拡大平面図を示している。
図14に示すように、図2における隣り合う陸部31、32(32、33)のラグ溝411、42(412、42;42、43)の溝幅Wb1、Wb2についても、図6の変形例における考え方を適用できる。
すなわち、タイヤ赤道面CLの片側領域にある2列の陸部31、32(32、33)のラグ溝411、42(412、42;42、43)が金型分割位置にて溝幅Wb1を狭める構成では、これらのラグ溝411、42(412、42;42、43)の溝幅Wb1が、以下の要件を満たすことが好ましい(図14参照)。すなわち、タイヤ赤道面CL側にある陸部31(32)の金型分割区間におけるラグ溝411(412、42)の溝幅Wb1_ceの平均値Wb1_ce_avと他の区間におけるラグ溝411(412、42)の溝幅Wb2_ceの平均値Wb2_ce_avとの比Wb1_ce_av/Wb2_ce_avが、タイヤ幅方向外側にある陸部32(33)の金型分割区間におけるラグ溝42(43)の溝幅Wb1_shの平均値Wb1_sh_avと他の区間におけるラグ溝42(43)の溝幅Wb2_shの平均値Wb2_sh_avとの比Wb1_sh_av/Wb2_sh_avに対して、Wb1_ce_av/Wb2_ce_av<Wb1_sh_av/Wb2_sh_avの関係を有することが好ましい。したがって、タイヤ赤道面CL側にあるラグ溝411(412、42)の溝幅の変化量Wb1_ce_av/Wb2_ce_avが、タイヤ幅方向外側にあるラグ溝42(43)の溝幅の変化量Wb1_sh_av/Wb2_sh_avよりも小さく設定される。
トレッド部センター領域では、金型分割位置XにおけるグリーンタイヤGTの噛み込みが生じ易い。したがって、上記のように、タイヤ赤道面CL側にあるラグ溝411(412、42)の溝幅の変化量Wb1_ce_av/Wb2_ce_avを小さく設定して、金型分割区間における溝幅Wb1_ceをより狭めることにより、センター領域におけるグリーンタイヤGTの噛み込みが効果的に抑制される。
[ラグ溝の溝壁角度]
図15および図16は、図7および図8に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。これらの図において、図15は、金型分割位置Xにおけるラグ溝42の拡大平面図を示し、図16は、図15におけるF視断面図およびG視断面図を示している。
図7および図8の構成では、上記のように、金型分割区間における周方向主溝21(22)の溝壁角度θa1の平均値θa1_avが、他の区間における周方向主溝21(22)の溝壁角度θa2の平均値θa2_avよりも大きく(θa2_av<θa1_av)設定されている。これにより、金型分割区間におけるトレッドゴム15のゴムボリュームを増加し、タイヤ加硫成形時における金型分割区間の余剰ゴム量を減少して、タイヤ成形金型101の金型分割位置XにおけるグリーンタイヤGTの噛み込みを抑制している。
これに対して、図15および図16の構成では、金型分割区間におけるラグ溝42(411、412、43)の溝壁角度θb1の平均値θb1_avと、他の区間におけるラグ溝42(411、412、43)の溝壁角度θb2の平均値θb2_avとが、θb2_av<θb1_avの関係を有する。
上記の構成は、図15に示すストレート形状のラグ溝42に限らず、例えば、図2における屈曲形状あるいは湾曲形状を有するラグ溝411、43、タイヤ周方向に延在する連結ラグ溝412などに対しても同様に適用できる。
ラグ溝42(411、412、43)の溝壁角度θb1、θb2は、図16に示すように、溝長さ方向に垂直な断面視にて、ラグ溝42(411、412、43)の溝開口部を通り陸部32(31、33)の踏面に垂直な直線と、溝壁面とのなす角として測定される。また、溝壁角度θb1、θb2は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて測定される。
例えば、図15および図16の構成では、陸部32が、複数のラグ溝42によりタイヤ周方向に分断されてブロック列となっている。また、図15に示すように、ラグ溝42の溝幅Wb1、Wb2が、金型分割区間内であるか否かに関わらず一定(Wb1=Wb2)となっている。また、図16に示すように、金型分割位置Xにあるラグ溝42が、他の区間にあるラグ溝42よりも溝底の幅を狭めることにより、金型分割区間におけるラグ溝42の溝壁角度θb1が拡大されている。
この空気入りタイヤ1では、金型分割区間における溝壁角度θb1の平均値θb1_avが他の区間における溝壁角度θb2の平均値θb2_avよりも大きい(θb2_av<θb1_av)ので、金型分割区間におけるトレッドゴム15のゴムボリュームが周囲よりも大きい。これにより、タイヤ加硫成形時にて、金型分割区間における余剰ゴムが減少して、タイヤ成形金型101の金型分割位置XにおけるグリーンタイヤGTの噛み込みが抑制される。
なお、図7の構成では、上記のように、ラグ溝42(411、412、43)の溝幅Wb1、Wb2がタイヤ全周に渡って一定に設定(Wb1=Wb2)されている。かかる構成では、ラグ溝42(411、412、43)の溝幅Wb1、Wb2が部分的に変化する構成と比較して、タイヤ新品時におけるトレッド面の外観が向上する点で好ましい。
しかし、これに限らず、図7の構成と図15および図16の構成とを組み合わせることにより、ラグ溝42(411、412、43)が、金型分割区間にて溝幅Wb1を狭めつつ溝壁角度θb1を増加させる構成を有しても良い(図示省略)。これにより、金型分割区間におけるトレッドゴム15のゴムボリュームを効率的に増加させて、金型分割区間における余剰ゴムを低減できる。
また、図16の構成では、ラグ溝42(411、412、43)の左右の溝壁の溝壁角度θb1が金型分割区間にて増加している。かかる構成では、金型分割区間におけるトレッドゴム15のゴムボリュームを効率的に増加させ得る点で好ましい。
しかし、これに限らず、ラグ溝42(411、412、43)の一方のみの溝壁の溝壁角度θb1が金型分割区間にて増加しても良い(図示省略)。
また、上記の構成では、ラグ溝42(411、412、43)は、金型分割位置Xを含むタイヤ周方向に3[mm]以上50[mm]以下の区間にて、他の区間におけるラグ溝42(411、412、43)の溝壁角度θb2の平均値θb2_avよりも大きな溝壁角度θb1を有することが好ましい(θb2_av<θb1)。
また、金型分割区間における溝壁角度θb1の平均値θb1_avと、他の区間における溝壁角度θb2の平均値θb2_avとの比θb2_av/θb1_avが、0.70≦θb2_av/θb1_av≦0.99の範囲内にあることが好ましい。
また、上記の構成では、ラグ溝42(411、412、43)の溝壁角度θb1、θb2が、タイヤ周方向に向かうに連れて変化しても良い(図示省略)。また、ラグ溝42(411、412、43)の溝壁角度が、金型分割位置Xにて最小となる必要はなく(図示省略)、金型分割区間の溝壁角度θb1の平均値θb1_avが上記の要件を満たせば良い。
また、ラグ溝42(411、412、43)の溝壁角度θb1、θb2についても、図11および図12の変形例における考え方を適用できる。
すなわち、ラグ溝42(411、412、43)の溝壁角度θb1が、金型分割位置Xに向かって連続的あるいは段階的に斬減することが好ましい。これにより、ラグ溝42(411、412、43)の溝底幅を緩やかに変化させ得るので、タイヤの外観性が向上する。
また、図2の構成では、空気入りタイヤ1が、タイヤ赤道面CLを境界とする各領域に複数の陸部31〜33を備えている。このとき、これらの陸部31〜33のうちの一部の陸部31(32、33)のラグ溝42(411、412、43)のみが金型分割区間にて溝壁角度θb1を拡大する構成を有しても良いし、すべての陸部31〜33のラグ溝42(411、412、43)が金型分割区間にて溝壁角度θb1を拡大する構成を有しても良い。
また、図2における隣り合う陸部31、32(32、33)のラグ溝411、42(412、42;42、43)の溝壁角度θb1、θb2についても、図6の変形例における考え方を適用できる。
すなわち、タイヤ赤道面CLの片側領域にある2列の陸部31、32(32、33)のラグ溝411、42(412、42;42、43)が金型分割位置にて溝壁角度θb1を狭める構成では、これらのラグ溝411、42(412、42;42、43)の溝壁角度θb1が、以下の要件を満たすことが好ましい(図示省略)。すなわち、タイヤ赤道面CL側にある陸部31(32)の金型分割区間におけるラグ溝411(412、42)の溝壁角度θb1_ceの平均値θb1_ce_avと他の区間におけるラグ溝411(412、42)の溝壁角度θb2_ceの平均値θb2_ce_avとの比θb1_ce_av/θb2_ce_avが、タイヤ幅方向外側にある陸部32(33)の金型分割区間におけるラグ溝42(43)の溝壁角度θb1_shの平均値θb1_sh_avと他の区間におけるラグ溝42(43)の溝壁角度θb2_shの平均値θb2_sh_avとの比θb1_sh_av/θb2_sh_avに対して、θb1_sh_av/θb2_sh_av<θb1_ce_av/θb2_ce_avの関係を有することが好ましい。したがって、タイヤ赤道面CL側の陸部31(32)にあるラグ溝411(412、42)の溝壁角度の変化量θb1_ce_av/θb2_ce_avが、タイヤ幅方向外側にある陸部32(33)のラグ溝42(43)の溝壁角度の変化量θb1_sh_av/θb2_sh_avよりも大きく設定される。
トレッド部センター領域では、金型分割位置XにおけるグリーンタイヤGTの噛み込みが生じ易い。したがって、上記のように、タイヤ赤道面CL側の陸部31(32)にあるラグ溝411(412、42)の溝壁角度の変化量θb1_ce_av/θb2_ce_avを大きく設定して、金型分割区間における溝壁角度θb1_ceをより大きくすることにより、センター領域におけるグリーンタイヤGTの噛み込みが効果的に抑制される。
[効果]
以上説明したように、この空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝21、22と、これらの周方向主溝21、22に区画されて成る複数の陸部31〜33とを備える(図1参照)。また、空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向に分割可能なタイヤ成形金型101(図3参照)を用いて成形されたトレッド面を備える(図2参照)。また、金型分割区間における周方向主溝21(22)の溝幅Wa1の平均値Wa1_avと、他の区間における周方向主溝21(22)の溝幅Wa2の平均値Wa2_avとが、Wa1_av<Wa2_avの関係を有する(図4参照)。
かかる構成では、金型分割区間における溝幅Wa1の平均値Wa1_avが他の区間における溝幅Wa2の平均値Wa2_avよりも小さい(Wa1_av<Wa2_av)ので、金型分割区間におけるトレッドゴム15のゴムボリュームが周囲よりも大きい。これにより、タイヤ加硫成形時にて、金型分割区間における余剰ゴムが減少して、タイヤ成形金型101の金型分割位置XにおけるグリーンタイヤGTの噛み込みが抑制される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、周方向主溝21(22)の溝幅Wa1が、金型分割位置Xに向かって連続的あるいは段階的に斬減する(図5参照)。これにより、周方向主溝21の溝開口部の形状を緩やかに変化させ得るので、タイヤの外観性が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1は、タイヤ赤道面CLを境界とする一方の領域に少なくとも2本の周方向主溝21、22を備える。また、タイヤ赤道面CL側にある周方向主溝21の金型分割区間における溝幅Wa1_ceの平均値Wa1_ce_avと他の区間における溝幅Wa2_ceの平均値Wa2_ce_avとの比Wa1_ce_av/Wa2_ce_avが、タイヤ幅方向外側にある周方向主溝22の金型分割区間における溝幅Wa1_shの平均値Wa1_sh_avと他の区間における溝幅Wa2_shの平均値Wa2_sh_avとの比Wa1_sh_av/Wa2_sh_avに対して、Wa1_ce_av/Wa2_ce_av<Wa1_sh_av/Wa2_sh_avの関係を有する(図6参照)。これにより、グリーンタイヤGTの噛み込みが生じ易いトレッド部センター領域における金型分割区間のトレッドゴム15のゴムボリュームを効果的に増加できる利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、周方向主溝21(22)が、金型分割位置Xを含むタイヤ周方向に3[mm]以上50[mm]以下の区間にて、他の区間における溝幅Wa2の平均値Wa2_avよりも幅狭な溝幅Wa1を有する(図4参照)。これにより、金型分割位置Xにおける周方向主溝21(22)の溝幅Wa1が適正化される利点がある。すなわち、幅狭な溝幅Wa1を有する区間を3[mm]以上とすることにより、タイヤ加硫成形時における金型分割部へのグリーンタイヤGTの噛み込み抑制作用を適正に確保できる。また、幅狭な溝幅Wa1を有する区間を50[mm]以下とすることにより、トレッドゴム15のゴム量が過大となることを抑制できる。
また、この空気入りタイヤ1では、金型分割区間における溝幅Wa1の平均値Wa1_avと、他の区間における溝幅Wa2の平均値Wa2_avとの比Wa1_av/Wa2_avが、0.70≦Wa1_av/Wa2_av≦0.99の範囲内にある。これにより、金型分割区間における周方向主溝21(22)の溝幅Wa1が適正化される利点がある。すなわち、0.70≦Wa1_av/Wa2_avであることにより、周方向主溝21(22)における排水性が確保される。また、Wa1_av/Wa2_av≦0.99であることにより、金型分割位置XにおけるグリーンタイヤGTの噛み込み抑制効果を得られる。
また、この空気入りタイヤ1では、金型分割区間における周方向主溝21(22)の溝壁角度θa1の平均値θa1_avと、他の区間における周方向主溝21(22)の溝壁角度θa2の平均値θa2_avとが、θa2_av<θa1_avの関係を有する(図7および図8参照)。
かかる構成では、金型分割区間における周方向主溝21(22)の溝壁角度θa1の平均値θa1_avが他の区間における溝壁角度θa2の平均値θa2_avよりも大きい(θa2_av<θa1_av)ので、金型分割区間におけるトレッドゴム15のゴムボリュームが周囲よりも大きい。これにより、タイヤ加硫成形時にて、金型分割区間における余剰ゴムが減少して、タイヤ成形金型101の金型分割位置XにおけるグリーンタイヤGTの噛み込みが抑制される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、周方向主溝21(22)の溝壁角度θa1が、金型分割位置Xに向かって連続的あるいは段階的に斬減する(図11および図12参照)。これにより、周方向主溝21の溝底幅を緩やかに変化させ得るので、タイヤの外観性が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1は、タイヤ赤道面CLを境界とする一方の領域に少なくとも2本の周方向主溝21(22)を備える(図2参照)。また、タイヤ赤道面CL側にある周方向主溝21の金型分割区間における溝壁角度θa1_ceの平均値θa1_ce_avと他の区間における溝壁角度θa2_ceの平均値θa2_ce_avとの比θa1_ce_av/θa2_ce_avが、タイヤ幅方向外側にある周方向主溝22の金型分割区間における溝壁角度θa1_shの平均値θa1_sh_avと他の区間における溝壁角度θa2_shの平均値θa2_sh_avとの比θWa1_sh_av/θa2_sh_avに対して、θa1_sh_av/θa2_sh_av<θa1_ce_av/θa2_ce_avの関係を有する(図示省略)。これにより、グリーンタイヤGTの噛み込みが生じ易いセンター領域における金型分割区間のトレッドゴム15のゴムボリュームを効果的に増加できる利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、周方向主溝21(22)が、金型分割位置Xを含むタイヤ周方向に3[mm]以上50[mm]以下の区間にて、他の区間における周方向主溝21(22)の溝壁角度θa2の平均値θa2_avよりも大きな溝壁角度θa1を有する(θa2_av<θa1)。これにより、金型分割位置Xにおける周方向主溝21(22)の溝壁角度θa1が適正化される利点がある。すなわち、大きな溝壁角度θa1を有する区間を3[mm]以上とすることにより、タイヤ加硫成形時における金型分割部へのグリーンタイヤGTの噛み込み抑制作用を適正に確保できる。また、大きな溝壁角度θa1を有する区間を50[mm]以下とすることにより、トレッドゴム15のゴム量が過大となることを抑制できる。
また、この空気入りタイヤ1では、金型分割区間における溝壁角度θa1の平均値θa1_avと、他の区間における溝壁角度θa2の平均値θa2_avとの比θa2_av/θa1_avが、0.70≦θa2_av/θa1_av≦0.99の範囲内にある。これにより、金型分割区間における周方向主溝21(22)の溝壁角度θa1が適正化される利点がある。すなわち、0.70≦θa2_av/θa1_avであることにより、周方向主溝21(22)における排水性が確保される。また、θa2_av/θa1_av≦0.99であることにより、金型分割位置XにおけるグリーンタイヤGTの噛み込み抑制効果を得られる。
また、この空気入りタイヤ1は、上記の構成において、陸部31〜33に形成された複数のラグ溝411、412、42、43を備える(図2参照)。また、金型分割区間におけるラグ溝42(411、412、43)の溝幅Wb1の平均値Wb1_avと、他の区間におけるラグ溝の溝幅Wb2の平均値Wb2_avとが、Wb1_av<Wb2_avの関係を有する(図13参照)。
かかる構成では、金型分割区間におけるラグ溝42(411、412、43)の溝幅Wb1の平均値Wb1_avが、他の区間におけるラグ溝42(411、412、43)の溝幅Wb2の平均値Wb2_avも小さい(Wb1_av<Wb2_av)ので、金型分割区間におけるトレッドゴム15のゴムボリュームが周囲よりも大きい。これにより、タイヤ加硫成形時にて、金型分割区間における余剰ゴムが減少して、タイヤ成形金型101の金型分割位置XにおけるグリーンタイヤGTの噛み込みが抑制される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、ラグ溝42(411、412、43)の溝幅Wb1が、金型分割位置Xに向かって連続的あるいは段階的に斬減する(図示省略)。これにより、ラグ溝42(411、412、43)の溝開口部の形状を緩やかに変化させ得るので、タイヤの外観性が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1は、タイヤ赤道面CLを境界とする一方の領域に、ラグ溝411、412、42、43を有する少なくとも2列の陸部31〜33を備える(図2参照)。また、タイヤ赤道面CL側にある陸部31(32)の金型分割区間におけるラグ溝411(412、42)の溝幅Wb1_ceの平均値Wb1_ce_avと他の区間におけるラグ溝411(412、42)の溝幅Wb2_ceの平均値Wb2_ce_avとの比Wb1_ce_av/Wb2_ce_avが、タイヤ幅方向外側にある陸部32(33)の金型分割区間におけるラグ溝42(43)の溝幅Wb1_shの平均値Wb1_sh_avと他の区間におけるラグ溝42(43)の溝幅Wb2_shの平均値Wb2_sh_avとの比Wb1_sh_av/Wb2_sh_avに対して、Wb1_ce_av/Wb2_ce_av<Wb1_sh_av/Wb2_sh_avの関係を有する。これにより、グリーンタイヤGTの噛み込みが生じ易いセンター領域における金型分割区間のトレッドゴム15のゴムボリュームを効果的に増加できる利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、ラグ溝42(411、412、43)は、金型分割位置Xを含むタイヤ周方向に3[mm]以上50[mm]以下の区間にて、他の区間におけるラグ溝42(411、412、43)の溝幅Wb2の平均値Wb2_avよりも幅狭な溝幅Wb1を有する(Wb1<Wb2_av)。これにより、金型分割位置Xにおけるラグ溝42(411、412、43)の溝幅Wb2が適正化される利点がある。すなわち、幅狭な溝幅Wb1を有する区間を3[mm]以上とすることにより、タイヤ加硫成形時における金型分割部へのグリーンタイヤGTの噛み込み抑制作用を適正に確保できる。また、幅狭な溝幅Wb1を有する区間を50[mm]以下とすることにより、トレッドゴム15のゴム量が過大となることを抑制できる。
また、この空気入りタイヤ1では、金型分割区間における溝幅Wb1の平均値Wb1_avと、他の区間における溝幅Wb2の平均値Wb2_avとの比Wb1_av/Wb2_avが、0.70≦Wb1_av/Wb2_av≦0.99の範囲内にある。これにより、金型分割区間におけるラグ溝42(411、412、43)の溝幅Wb1が適正化される利点がある。すなわち、0.70≦Wb1_av/Wb2_avであることにより、周方向主溝21(22)における排水性が確保される。また、Wb1_av/Wb2_av≦0.99であることにより、金型分割位置XにおけるグリーンタイヤGTの噛み込み抑制効果を得られる。
また、この空気入りタイヤ1は、上記の構成において、陸部31〜33に形成された複数のラグ溝411、412、42、43を備える(図2参照)。また、金型分割区間におけるラグ溝42(411、412、43)の溝壁角度θb1の平均値θb1_avと、他の区間におけるラグ溝42(411、412、43)の溝壁角度θb2の平均値θb2_avとが、θb2_av<θb1_avの関係を有する(図15および図16参照)。
かかる構成では、金型分割区間における溝壁角度θb1の平均値θb1_avが他の区間における溝壁角度θb2の平均値θb2_avよりも大きい(θb2_av<θb1_av)ので、金型分割区間におけるトレッドゴム15のゴムボリュームが周囲よりも大きい。これにより、タイヤ加硫成形時にて、金型分割区間における余剰ゴムが減少して、タイヤ成形金型101の金型分割位置XにおけるグリーンタイヤGTの噛み込みが抑制される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、ラグ溝42(411、412、43)の溝壁角度θa1が、金型分割位置Xに向かって連続的あるいは段階的に斬減する(図示省略)。これにより、ラグ溝42(411、412、43)の溝底幅を緩やかに変化させ得るので、タイヤの外観性が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、タイヤ赤道面CLを境界とする一方の領域に、ラグ溝411、412、42、43を有する少なくとも2列の陸部31〜33を備える(図2参照)。また、タイヤ赤道面CL側にある陸部31(32)の金型分割区間におけるラグ溝411(412、42)の溝壁角度θb1_ceの平均値θb1_ce_avと他の区間におけるラグ溝411(412、42)の溝壁角度θb2_ceの平均値θb2_ce_avとの比θb1_ce_av/θb2_ce_avが、タイヤ幅方向外側にある陸部32(33)の金型分割区間におけるラグ溝42(43)の溝壁角度θb1_shの平均値θb1_sh_avと他の区間におけるラグ溝42(43)の溝壁角度θb2_shの平均値θb2_sh_avとの比θb1_sh_av/θb2_sh_avに対して、θb1_sh_av/θb2_sh_av<θb1_ce_av/θb2_ce_avの関係を有する(図示省略)。これにより、グリーンタイヤGTの噛み込みが生じ易いセンター領域における金型分割区間のトレッドゴム15のゴムボリュームを効果的に増加できる利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、ラグ溝42(411、412、43)は、金型分割位置Xを含むタイヤ周方向に3[mm]以上50[mm]以下の区間にて、他の区間におけるラグ溝42(411、412、43)の溝壁角度θb2の平均値θb2_avよりも大きな溝壁角度θb1を有する(θb2_av<θb1)。これにより、金型分割位置Xにおけるラグ溝42(411、412、43)の溝壁角度θb1が適正化される利点がある。すなわち、大きな溝壁角度θb1を有する区間を3[mm]以上とすることにより、タイヤ加硫成形時における金型分割部へのグリーンタイヤGTの噛み込み抑制作用を適正に確保できる。また、大きな溝壁角度θb1を有する区間を50[mm]以下とすることにより、トレッドゴム15のゴム量が過大となることを抑制できる。
また、この空気入りタイヤ1では、金型分割区間における溝壁角度θb1の平均値θb1_avと、他の区間における溝壁角度θb2の平均値θb2_avとの比θb2_av/θb1_avが、0.70≦θb2_av/θb1_av≦0.99の範囲内にある。これにより、金型分割区間におけるラグ溝42(411、412、43)の溝壁角度θb1が適正化される利点がある。すなわち、0.70≦θb2_av/θb1_avであることにより、ラグ溝42(411、412、43)における排水性が確保される。また、θb2_av/θb1_av≦0.99であることにより、金型分割位置XにおけるグリーンタイヤGTの噛み込み抑制効果を得られる。
[適用対象]
また、この空気入りタイヤ1は、リモールド方式により製造される更生タイヤに適用されることが好ましい。かかる更生タイヤでは、特に、トレッド部センター領域におけるトレッドゲージが局所的に厚くなり易く、加硫成形時にて、この位置を起点としたアンダーキュアーが発生し易いという課題がある。したがって、かかる更生タイヤを適用対象として、トレッド部センター領域におけるトレッドゲージを均一化することにより、上記の課題を効果的に解決できる利点がある。
図17は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの評価試験の結果を示す図表である。
この評価試験では、図2のトレッドパターンを有するタイヤサイズ11R22.5の複数の空気入りタイヤを試作して、周方向主溝21、22の4箇所の金型分割位置Xにおける溝下ゲージと、他の4箇所の位置における溝下ゲージとをそれぞれ測定して平均値を算出した。また、トレッド部センター領域にある周方向主溝21の溝下ゲージと、ショルダー領域にある周方向主溝22の溝下ゲージとをそれぞれ測定した。溝下ゲージGa1_ce、Ga2_ce、Ga1_sh、Ga2_shの測定位置は、図6の溝幅Wa1_ce、Wa2_ce、Wa1_sh、Wa2_shの測定位置と同位置である。そして、トレッドゲージの均一性評価として、比Ga1_ce/Ga2_ceおよび比Ga1_ce/Ga1_shを算出した。これらの比は、数値が100に近いほどトレッドゲージが均一であり、好ましい。
実施例1の空気入りタイヤ1は、図1、図2および図4に記載した構成を有する。また、実施例2〜4の空気入りタイヤ1は、実施例1の空気入りタイヤ1の変形例である。また、周方向主溝21、22の溝幅Wa1_ce、Wa2_ce、Wa1_sh、Wa2_shの測定位置は、図6のとおりである。また、周方向主溝21、22の溝壁角度θa1_ce、θa2_ce、θa1_sh、θa2_shの測定位置は、図6の溝幅Wa1_ce、Wa2_ce、Wa1_sh、Wa2_shの測定位置と同位置である。また、周方向主溝21、22の溝深さは、一定である。また、周方向主溝21、22は、いずれも溝底の底上部を有していない。
従来例の空気入りタイヤは、実施例1の構成において、周方向主溝21、22の溝幅Wa1_ce、Wa2_ce、Wa1_sh、Wa2_shおよび溝壁角度θa1_ce、θa2_ce、θa1_sh、θa2_shが一定である。
試験結果に示すように、実施例1〜4の空気入りタイヤ1は、金型分割位置Xにおける溝下ゲージGa1_ce、Ga1_shと、他の位置における溝下ゲージGa2_ce、Ga2_shとが均一化されることが分かる。
1 空気入りタイヤ、11 ビードコア、12 ビードフィラー、121 ローアーフィラー、122 アッパーフィラー、13 カーカス層、14 ベルト層、141〜144 ベルトプライ、15 トレッドゴム、16 サイドウォールゴム、17 リムクッションゴム、21、22 周方向主溝、31〜33 陸部、411、412、42、43 ラグ溝、100 タイヤ加硫モールド、101 タイヤ成形金型、101a〜101i 金型部、GT グリーンタイヤ

Claims (19)

  1. タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝と、これらの周方向主溝に区画されて成る複数の陸部とを備えると共に、タイヤ周方向に分割可能なタイヤ成形金型を用いて成形されたトレッド面を備える空気入りタイヤであって、
    前記タイヤ成形金型の隣り合う金型分割位置の間隔をLとして、前記金型分割位置を中心とする0.2×Lの区間を金型分割区間と呼ぶと共に、残りの0.8×Lの区間を他の区間と呼ぶときに、
    前記金型分割区間における前記周方向主溝の溝幅Wa1の平均値Wa1_avと、前記他の区間における前記周方向主溝の溝幅Wa2の平均値Wa2_avとが、Wa1_av<Wa2_avの関係を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記周方向主溝の溝幅が、前記金型分割位置に向かって連続的あるいは段階的に漸減する請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. タイヤ赤道面を境界とする一方の領域に少なくとも2本の前記周方向主溝を備え、且つ、
    タイヤ赤道面側にある前記周方向主溝の前記金型分割区間における溝幅Wa1_ceの平均値Wa1_ce_avと前記他の区間における溝幅Wa2_ceの平均値Wa2_ce_avとの比Wa1_ce_av/Wa2_ce_avが、タイヤ幅方向外側にある前記周方向主溝の前記金型分割区間における溝幅Wa1_shの平均値Wa1_sh_avと前記他の区間における溝幅Wa2_shの平均値Wa2_sh_avとの比Wa1_sh_av/Wa2_sh_avに対して、Wa1_ce_av/Wa2_ce_av<Wa1_sh_av/Wa2_sh_avの関係を有する請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記周方向主溝が、前記金型分割位置を含むタイヤ周方向に3[mm]以上50[mm]以下の区間にて、前記他の区間における溝幅Wa2の平均値Wa2_avよりも幅狭な溝幅Wa1を有する請求項1〜3のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記金型分割区間における溝幅Wa1の平均値Wa1_avと、前記他の区間における溝幅Wa2の平均値Wa2_avとの比Wa1_av/Wa2_avが、0.70≦Wa1_av/Wa2_av≦0.99の範囲内にある請求項1〜4のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  6. タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝と、これらの周方向主溝に区画されて成る複数の陸部とを備えると共に、タイヤ周方向に分割可能なタイヤ成形金型を用いて成形されたトレッド面を備える空気入りタイヤであって、
    前記タイヤ成形金型の隣り合う金型分割位置の間隔をLとして、前記金型分割位置を中心とする0.2×Lの区間を金型分割区間と呼ぶと共に、残りの0.8×Lの区間を他の区間と呼ぶときに、
    前記金型分割区間における前記周方向主溝の溝壁角度θa1の平均値θa1_avと、前記他の区間における前記周方向主溝の溝壁角度θa2の平均値θa2_avとが、θa2_av<θa1_avの関係を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  7. 前記周方向主溝の溝壁角度が、前記金型分割位置に向かって連続的あるいは段階的に漸増する請求項6に記載の空気入りタイヤ。
  8. タイヤ赤道面を境界とする一方の領域に少なくとも2本の前記周方向主溝を備え、且つ、
    タイヤ赤道面側にある前記周方向主溝の前記金型分割区間における溝壁角度θa1_ceの平均値θa1_ce_avと前記他の区間における溝壁角度θa2_ceの平均値θa2_ce_avとの比θa1_ce_av/θa2_ce_avが、タイヤ幅方向外側にある前記周方向主溝の前記金型分割区間における溝壁角度θa1_shの平均値θa1_sh_avと前記他の区間における溝壁角度θa2_shの平均値θa2_sh_avとの比θa1_sh_av/θa2_sh_avに対して、θa1_sh_av/θa2_sh_av<θa1_ce_av/θa2_ce_avの関係を有する請求項6または7に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記周方向主溝が、前記金型分割位置を含むタイヤ周方向に3[mm]以上50[mm]以下の区間にて、前記他の区間における溝壁角度θa2の平均値θa2_avよりも大きな溝壁角度θa1を有する請求項6〜8のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記金型分割区間における溝壁角度θa1の平均値θa1_avと、前記他の区間における溝壁角度θa2の平均値θa2_avとの比θa2_av/θa1_avが、0.70≦θa2_av/θa1_av≦0.99の範囲内にある請求項6〜9のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  11. タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝と、前記周方向主溝に区画されて成る複数の陸部と、前記陸部に形成された複数のラグ溝とを備えると共に、タイヤ周方向に分割可能なタイヤ成形金型を用いて成形されたトレッド面を備える空気入りタイヤであって、
    前記タイヤ成形金型の隣り合う金型分割位置の間隔をLとして、前記金型分割位置を中心とする0.2×Lの区間を金型分割区間と呼ぶと共に、残りの0.8×Lの区間を他の区間と呼ぶときに、
    前記金型分割区間における前記ラグ溝の溝幅Wb1の平均値Wb1_avと、前記他の区間における前記ラグ溝の溝幅Wb2の平均値Wb2_avとが、Wb1_av<Wb2_avの関係を有し、
    タイヤ赤道面を境界とする一方の領域に、前記ラグ溝を有する少なくとも2列の前記陸部を備え、且つ、
    タイヤ赤道面側にある前記陸部の前記金型分割区間における前記ラグ溝の溝幅Wb1_ceの平均値Wb1_ce_avと前記他の区間における前記ラグ溝の溝幅Wb2_ceの平均値Wb2_ce_avとの比Wb1_ce_av/Wb2_ce_avが、タイヤ幅方向外側にある前記陸部の前記金型分割区間における前記ラグ溝の溝幅Wb1_shの平均値Wb1_sh_avと前記他の区間における前記ラグ溝の溝幅Wb2_shの平均値Wb2_sh_avとの比Wb1_sh_av/Wb2_sh_avに対して、Wb1_ce_av/Wb2_ce_av<Wb1_sh_av/Wb2_sh_avの関係を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  12. 前記複数のラグ溝の溝幅が、前記金型分割位置に向かって段階的に漸減する請求項11に記載の空気入りタイヤ。
  13. 前記ラグ溝が、前記金型分割位置を含むタイヤ周方向に3[mm]以上50[mm]以下の区間にて、前記他の区間におけるラグ溝の溝幅Wb2の平均値Wb2_avよりも幅狭な溝幅Wb1を有する請求項11または12に記載の空気入りタイヤ。
  14. 前記金型分割区間における溝幅Wb1の平均値Wb1_avと、前記他の区間における溝幅Wb2の平均値Wb2_avとの比Wb1_av/Wb2_avが、0.70≦Wb1_av/Wb2_av≦0.99の範囲内にある請求項11〜13のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  15. タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝と、これらの周方向主溝に区画されて成る複数の陸部と、前記陸部に形成された複数のラグ溝とを備えると共に、タイヤ周方向に分割可能なタイヤ成形金型を用いて成形されたトレッド面を備える空気入りタイヤであって、
    前記タイヤ成形金型の隣り合う金型分割位置の間隔をLとして、前記金型分割位置を中心とする0.2×Lの区間を金型分割区間と呼ぶと共に、残りの0.8×Lの区間を他の区間と呼ぶときに、
    前記金型分割区間における前記ラグ溝の溝壁角度θb1の平均値θb1_avと、前記他の区間における前記ラグ溝の溝壁角度θb2の平均値θb2_avとが、θb2_av<θb1_avの関係を有し、
    タイヤ赤道面を境界とする一方の領域に、前記ラグ溝を有する少なくとも2列の前記陸部を備え、且つ、
    タイヤ赤道面側にある前記陸部の前記金型分割区間における前記ラグ溝の溝壁角度θb1_ceの平均値θb1_ce_avと前記他の区間における前記ラグ溝の溝壁角度θb2_ceの平均値θb2_ce_avとの比θb1_ce_av/θb2_ce_avが、タイヤ幅方向外側にある前記陸部の前記金型分割区間における前記ラグ溝の溝壁角度θb1_shの平均値θb1_sh_avと前記他の区間における前記ラグ溝の溝壁角度θb2_shの平均値θb2_sh_avとの比θb1_sh_av/θb2_sh_avに対して、θb1_sh_av/θb2_sh_av<θb1_ce_av/θb2_ce_avの関係を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  16. 前記複数のラグ溝の溝壁角度が、前記金型分割位置に向かって段階的に漸増する請求項15に記載の空気入りタイヤ。
  17. 前記ラグ溝は、前記金型分割位置を含むタイヤ周方向に3[mm]以上50[mm]以下の区間にて、前記他の区間における溝壁角度θb2の平均値θb2_avよりも大きな溝壁角度θb1を有する請求項15または16に記載の空気入りタイヤ。
  18. 前記金型分割区間における溝壁角度θb1の平均値θb1_avと、前記他の区間における溝壁角度θb2の平均値θb2_avとの比θb2_av/θb1_avが、0.70≦θb2_av/θb1_av≦0.99の範囲内にある請求項15〜17のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  19. リモールド方式により製造される更生タイヤに適用される請求項1〜18のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
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