JP5515873B2 - 空気入りタイヤおよびタイヤ成形金型 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ周方向に複数のセクタで分割されたタイヤ成形金型により成形されて、タイヤ周方向に沿って設けられた縦溝と、この縦溝に交差して設けられた横溝とによりなるトレッドパターンをトレッド部に有した空気入りタイヤ、および前記空気入りタイヤを成形するタイヤ成形金型に関するものである。
空気入りタイヤには、タイヤ周方向に沿って設けられた縦溝と、この縦溝に交差して設けられた横溝とによりなるトレッドパターンをトレッド部に有したものがある。このような空気入りタイヤでは、タイヤ周方向のピッチノイズを低減して騒音特性を向上する工夫が成されている。
例えば、特許文献1に記載の空気入りタイヤは、ピッチバリエーション構造が採用された空気入りタイヤにおいて、ユニフォミティを改善するものである。この空気入りタイヤでは、タイヤ周方向に沿うブロック列をピッチ長の異なる複数のピッチを適宜に組み合わせたピッチ列に配列すると共に、ピッチ長に対する横溝のタイヤ周方向幅の比率をピッチ長の大きいピッチほど小さくした空気入りタイヤにおいて、ピッチ長が最も大きい最長ピッチと最も小さい最短ピッチとにおけるタイヤ周方向幅の比率差を0.5%未満にすると共に、最短ピッチ上にセクタの分割位置の少なくとも半数以上を配置している。
特開2009−113768号公報
一般に、空気入りタイヤは、タイヤ周方向に複数のセクタで分割されたタイヤ成形金型により成形されている。かかる空気入りタイヤでは、セクタの分割数の成分が、タイヤ周方向の均一性(RFV:Radial Force Variation)を悪化させる要因となる。
RFVを悪化させる要因には、未加硫グリーンタイヤの外面曲率半径と、セクタの内側曲率半径とが完全一致ではないことや、横溝がトレッド部の表面の法線方向に沿って開口しており、加硫時でのセクタの可動方向(タイヤ加硫時にセクタがグリーンタイヤ側に閉じる方向)に対し、セクタに設けられた横溝成形用の突部の向き(角度)が異なることなどがある。そして、このような要因により、セクタのタイヤ周方向の端部と中央部とで突部による加硫ゴムの押圧量が異なることで、横溝の溝下ゲージ(溝底とベルトとの間隔)が不均一になりやすい。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、タイヤ周方向の均一性を向上することのできる空気入りタイヤおよびタイヤ成形金型を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に複数分割されたセクタを有するタイヤ成形金型により成形され、タイヤ周方向に沿って設けられた縦溝と、当該縦溝に交差して設けられた横溝とからなる陸部をトレッド部に有した空気入りタイヤにおいて、前記横溝がタイヤ周方向に所定のピッチで設けられ、全ての前記セクタのタイヤ周方向の割位置寄りと前記セクタのタイヤ周方向の中央寄りとに対応する前記陸部での1ピッチあたりの横溝体積比率が異なり、前記セクタのタイヤ周方向の割位置寄りに対応する前記陸部での1ピッチあたりの横溝体積比率V1と、前記セクタのタイヤ周方向の中央寄りに対応する前記陸部での1ピッチあたりの横溝体積比率V2とを、V1<V2とし、かつ前記横溝の溝壁が前記トレッド部の表面の法線に対して対称に形成されていることを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、加硫ゴムの押圧量を変化させて横溝の溝下ゲージをタイヤ周方向で均一にできる。このため、未加硫グリーンタイヤの外面曲率半径と、セクタの内側曲率半径とが全一致でなかったり、加硫時でのセクタの可動方向に対し、突部の向き(角度)が異なったりしていても、セクタの分割数の成分での溝下ゲージを均一化させ、タイヤ周方向の均一性(RFVのセクタにおける次数成分)を向上できる。この結果、タイヤ周方向不均一に起因して発生する高速走行時の車内騒音を低減することができる。
セクタのタイヤ周方向の割位置寄りに対応する陸部では、加硫時でのセクタの可動方向にタイヤ周方向で隣接するセクタ同士の割位置間に加硫ゴムが入り込むことで、横溝の溝下ゲージが厚くなる傾向にある。したがって、この空気入りタイヤによれば、横溝体積比率V1<横溝体積比率V2とすることで、横溝の溝下ゲージをタイヤ周方向でより均一にすることができる。
また、本発明の空気入りタイヤでは、前記セクタのタイヤ周方向の中央寄りに対応する前記陸部での1ピッチあたりの横溝体積比率V2から、前記セクタのタイヤ周方向の割位置寄りに対応する前記陸部での1ピッチあたりの横溝体積比率V1を差し引いた横溝体積比率差Vdを、2[%]≦Vd≦10[%]の範囲に設定したことを特徴とする。
横溝体積比率差Vdが2[%]未満の場合、セクタのタイヤ周方向の割位置寄りに対応する陸部で横溝の溝下ゲージが厚くなる傾向を十分に改善できず、横溝の溝下ゲージをタイヤ周方向でより均一にする効果が得られ難い。一方、横溝体積比率差Vdが10[%]を超える場合、セクタのタイヤ周方向の中央寄りに対応する陸部での1ピッチあたりの横溝体積比率V2が大きすぎるため、横溝の溝下ゲージをタイヤ周方向でより均一にする効果が得られ難い。したがって、この空気入りタイヤによれば、横溝体積比率差Vdを2[%]≦Vd≦10[%]の範囲に設定することが、横溝の溝下ゲージをタイヤ周方向でより均一にするうえで好ましい。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のタイヤ成形金型は、タイヤ周方向に沿って設けられた縦溝と、当該縦溝に交差して設けられた横溝とからなる陸部をトレッド部に有した空気入りタイヤを成形する態様でタイヤ周方向に複数分割されたセクタを備えるタイヤ成形金型において、前記セクタに前記横溝をタイヤ周方向に所定のピッチで成形する突部が設けられており、全ての前記セクタのタイヤ周方向の割位置寄りと前記セクタのタイヤ周方向の中央寄りとで1ピッチあたりの前記突部の形状を変えて、1ピッチあたりの横溝体積比率を異ならせ、前記セクタのタイヤ周方向の割位置寄りでの1ピッチあたりの横溝体積比率V1と、前記セクタのタイヤ周方向の中央寄りでの1ピッチあたりの横溝体積比率V2とを、V1<V2となる態様で、前記突部の形状を設定し、かつ前記突起が前記横溝の溝壁を前記トレッド部の表面の法線に対して対称に形成するように設けられていることを特徴とする。
このタイヤ成形金型によれば、加硫ゴムの押圧量を変化させて横溝の溝下ゲージをタイヤ周方向で均一にできる。このため、未加硫グリーンタイヤの外面曲率半径と、セクタの内側曲率半径とが全一致でなかったり、加硫時でのセクタの可動方向に対し、突部の向き(角度)が異なったりしていても、セクタの分割数の成分での溝下ゲージを均一化させ、タイヤ周方向の均一性(RFVのセクタにおける次数成分)を向上できる。この結果、タイヤ周方向不均一に起因して発生する高速走行時の車内騒音を低減することができる。
セクタのタイヤ周方向の割位置寄りでは、加硫時でのセクタの可動方向にタイヤ周方向で隣接するセクタ同士の割位置間に加硫ゴムが入り込むことで、横溝の溝下ゲージが厚くなる傾向にある。したがって、このタイヤ成形金型によれば、横溝体積比率V1<横溝体積比率V2とすることで、横溝の溝下ゲージをタイヤ周方向でより均一にすることができる。
また、本発明のタイヤ成形金型では、前記セクタのタイヤ周方向の中央寄りでの1ピッチあたりの横溝体積比率V2から、前記セクタのタイヤ周方向の割位置寄りでの1ピッチあたりの横溝体積比率V1を差し引いた横溝体積比率差Vdが、2[%]≦Vd≦10[%]の範囲となる態様で、前記突部の形状を設定したことを特徴とする。
横溝体積比率差Vdが2[%]未満の場合、セクタのタイヤ周方向の割位置寄りで横溝の溝下ゲージが厚くなる傾向を十分に改善できず、横溝の溝下ゲージをタイヤ周方向でより均一にする効果が得られ難い。一方、横溝体積比率差Vdが10[%]を超える場合、セクタのタイヤ周方向の中央寄りでの1ピッチあたりの横溝体積比率V2が大きすぎるため、横溝の溝下ゲージをタイヤ周方向でより均一にする効果が得られ難い。したがって、このタイヤ成形金型によれば、横溝体積比率差Vdを2[%]≦Vd≦10[%]の範囲に設定することが、横溝の溝下ゲージをタイヤ周方向でより均一にするうえで好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤおよびタイヤ成形金型は、タイヤ周方向の均一性を向上できる。
図1は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤのトレッド部の平面図である。 図2は、図1に示した横溝のタイヤ周方向の概略断面図である。 図3は、本発明の実施の形態に係るタイヤ成形金型の側面図である。 図4は、図3に示したタイヤ成形金型のセクタの側面図である。 図5は、本発明の実施例に係る空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
以下の説明において、タイヤ幅方向とは、空気入りタイヤ1の回転軸(図示せず)と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)Cに向かう側、タイヤ幅方向外側とは、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面Cから離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、前記回転軸を中心軸とする周方向である。また、タイヤ径方向とは、前記回転軸と直交する方向である。タイヤ赤道面Cとは、空気入りタイヤ1の回転軸に直交すると共に、空気入りタイヤ1のタイヤ幅の中心を通る平面である。タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面C上にあって空気入りタイヤ1の周方向に沿う線をいう。本実施の形態では、タイヤ赤道線にタイヤ赤道面と同じ符号「C」を付す。
本実施の形態の空気入りタイヤ1は、一般的な乗用車に装着されるタイヤとして好適である。この空気入りタイヤ1は、図1に示すように、トレッド部2を有している。トレッド部2は、ゴム材からなり、空気入りタイヤ1のタイヤ径方向の最も外側で露出し、その表面が空気入りタイヤ1の輪郭となる。
トレッド部2の表面21には、タイヤ周方向に沿って延在する複数の縦溝22が設けられている。本実施の形態における縦溝22は、4本の周方向主溝22aと2本の周方向細溝22bとを含んでいる。そして、トレッド部2の表面21には、複数の周方向主溝22aにより、タイヤ周方向に沿って延び、タイヤ赤道線Cと平行なリブ状の陸部23が複数形成されている。本実施の形態における陸部23は、周方向主溝22aを境にして5本設けられている。このうち、タイヤ幅方向最外側から2本目の陸部23は、周方向細溝22bを含む。
トレッド部2の表面21において、各陸部23には、縦溝22(周方向主溝22a)に交差する横溝24が設けられている。タイヤ幅方向の中央(タイヤ赤道線C上)の陸部23に設けられた横溝24は、周方向主溝22aに一端が開口すると共に他端が閉塞し、かつタイヤ幅方向およびタイヤ周方向に対して傾斜した突起溝24aとして形成されている。この突起溝24aは、タイヤ赤道線Cを間において対向する突起溝24a同士で傾斜方向が逆方向に形成されている。
また、タイヤ幅方向最外側から2本目の陸部23に設けられた横溝24は、タイヤ幅方向外側の周方向主溝22aに一端が開口すると共に周方向細溝22bに他端が開口し、かつタイヤ幅方向およびタイヤ周方向に対して傾斜しつつ湾曲した傾斜溝24bとして形成されている。この傾斜溝24bは、タイヤ赤道線Cを間において対向する傾斜溝24b同士で傾斜方向が逆方向に形成されている。
また、タイヤ幅方向最外側の陸部23に設けられた横溝24は、トレッド部2の表面21のタイヤ幅方向最外端からタイヤ幅方向内側に湾曲して延在しつつ延在端が周方向主溝22aに開口する第一円弧溝24c、およびトレッド部2の表面21のタイヤ幅方向最外端からタイヤ幅方向内側に湾曲して延在しつつ延在端が閉塞する第二円弧溝24dとして形成されている。第一円弧溝24cと第二円弧溝24dとは、タイヤ周方向で交互に配置されている。この第一円弧溝24cおよび第二円弧溝24dは、タイヤ赤道線Cを間において対向する第一円弧溝24c同士および第二円弧溝24d同士で湾曲方向が逆方向に形成されている。
上述した横溝24は、タイヤ周方向に所定ピッチで配置されている。そして、本実施の形態の空気入りタイヤ1は、各ピッチにおいて、ピッチ体積に対する横溝体積比率が規定されている。ピッチ体積とは、図2に示すように、1つの横溝24を含む陸部23の体積であって、タイヤ周方向では、横溝24の両側の陸部23の中央を1ピッチPの区切りの範囲とし、タイヤ径方向では、トレッド部2の表面21から横溝24の溝底までの範囲とし、タイヤ幅方向では、陸部23をなす周方向主溝22aの溝壁面までの範囲とする。また、横溝体積比率とは、ピッチ体積における横溝24の溝内体積(容積)の占める割合である。
この横溝体積比率は、空気入りタイヤ1を成形する図3に示すタイヤ成形金型3のセクタ4により設定できる。タイヤ成形金型3は、セクタ(モールドセクタ)4と、サイドプレート5と、ビードリング6とにより構成されている。
セクタ4は、空気入りタイヤ1のトレッド部2(縦溝22、陸部23、および横溝24)を成形するための金型であり、円環がタイヤ周方向に等分割されている。本実施の形態では、図3に示すように、セクタ4がタイヤ周方向に9個に等分割されている。分割された全てのセクタ4においては、図4に示すように、横溝24を成形するための突部41が、ピッチPごとに1つずつ、円環の内周面に設けられている。すなわち、分割された1つのセクタ4は、トレッド部2に複数のピッチPを成形し、これによりピッチ体積および横溝体積比率が規定される。
また、図3に示すように、サイドプレート5は、空気入りタイヤ1のショルダー部およびサイドウォール部を成形するための金型であり、ビードリング6は、空気入りタイヤ1のビード部を成形するための金型である。
そして、空気入りタイヤ1の加硫成形時には、まず、未加硫グリーンタイヤがビードリング6を軸として配置され、サイドプレート5が未加硫グリーンタイヤをタイヤ幅方向両側から挟み込んで配置され、セクタ4が環状に組み合わされて未加硫グリーンタイヤをタイヤ周方向から囲んで配置される。次に、タイヤ成形金型3が加熱され、加圧装置(図示省略)により未加硫グリーンタイヤが径方向外方に拡張されつつ、セクタ4およびサイドプレート5の内周面に当接する。このとき、各セクタ4を未加硫グリーンタイヤ側に閉じる方向に可動させる。次に、未加硫グリーンタイヤが加熱されることにより、トレッド部2のゴム分子と硫黄分子とが結合して加硫が行われる。このとき、セクタ4の内周面形状(タイヤ成形金型の形状)が未加硫グリーンタイヤのトレッド部2に転写されて、空気入りタイヤ1のトレッドパターンが成形される。そして、成形された空気入りタイヤ1がタイヤ成形金型3から引き抜かれて取り出される。
上述のタイヤ成形金型3により成形される本実施の形態の空気入りタイヤ1では、分割された全てのセクタ4のタイヤ周方向の割位置寄りに対応する陸部23と、分割された全てのセクタ4のタイヤ周方向の中央寄りに対応する陸部23とで、1ピッチあたりの横溝体積比率が異なり成形されている。
そして、本実施の形態のタイヤ成形金型3では、上述の空気入りタイヤ1を成形する態様でタイヤ周方向に複数分割されたセクタ4を備え、セクタ4に横溝24をタイヤ周方向に所定のピッチで成形する突部41が設けられており、全てのセクタ4のタイヤ周方向の割位置寄りとセクタ4のタイヤ周方向の中央寄りとで1ピッチあたりの突部41の形状を変えて、1ピッチあたりの横溝体積比率を異ならせる。
セクタ4のタイヤ周方向の割位置寄りや、セクタ4のタイヤ周方向の中央寄りとは、セクタ4をタイヤ周方向でほぼ4分割にし、タイヤ周方向の各端部の1分割分ずつを割位置寄りとし、その間の2分割分を中央寄りとする。また、セクタ4のタイヤ周方向の割位置寄りや、セクタ4のタイヤ周方向の中央寄りとは、セクタ4のタイヤ周方向の展開長の各端から15[%]以上35[%]以下を割位置寄りとし、その間を中央寄りとする。図2および図4に示す例では、セクタ4のタイヤ周方向の端部の2つのピッチが割位置寄りPoutとされ、その他のタイヤ周方向の内側の5つのピッチが中央寄りPinとされている。そして、一方の割位置寄りPoutと中央寄りPinとで、1ピッチあたりの横溝体積比率の平均値が異なるように空気入りタイヤ1が成形され、かつ他方の割位置寄りPoutと中央寄りPinとで、1ピッチあたりの横溝体積比率の平均値が異なるように空気入りタイヤ1が成形される。
横溝体積比率を異ならせるには、横溝24の溝体積(容積)を変えればよい。この場合、セクタ4の突部41の形状により、横溝24の溝壁の角度を変えたり、横溝24の溝壁の形状を変えたり、横溝24の溝長さを変えたり、横溝24の溝幅を変えたり、横溝24の溝深さを変化させればよい。
このように、本実施の形態の空気入りタイヤ1では、分割された全てのセクタ4のタイヤ周方向の割位置寄りに対応する陸部23と、分割された全てのセクタ4のタイヤ周方向の中央寄りに対応する陸部23とで、1ピッチあたりの横溝体積比率を異ならせることにより、加硫ゴムの押圧量を変化させて横溝24の溝下ゲージ(溝底とベルトとの間隔)をタイヤ周方向で均一にすることが可能になる。このため、未加硫グリーンタイヤの外面曲率半径と、セクタ4の内側曲率半径とが全一致でなかったり、加硫時でのセクタ4の可動方向に対し、突部41の向き(角度)が異なったりしていても、セクタ4の分割数の成分での溝下ゲージを均一化させ、タイヤ周方向の均一性(RFVのセクタ4における次数成分)を向上することが可能となる。この結果、タイヤ周方向不均一に起因して発生する高速走行時の車内騒音を低減することが可能である。
また、本実施の形態の空気入りタイヤ1では、セクタ4のタイヤ周方向の割位置寄りPoutに対応する陸部23での1ピッチあたりの横溝体積比率V1と、セクタ4のタイヤ周方向の中央寄りPinに対応する陸部23での1ピッチあたりの横溝体積比率V2とが、V1<V2とされていることが好ましい。
そして、本実施の形態のタイヤ成形金型3では、セクタ4のタイヤ周方向の割位置寄りPoutでの1ピッチあたりの横溝体積比率V1と、セクタ4のタイヤ周方向の中央寄りPinでの1ピッチあたりの横溝体積比率V2とが、V1<V2となる態様で、突部41の形状を設定することが好ましい。
セクタ4のタイヤ周方向の割位置寄りPoutでは、加硫時でのセクタ4の可動方向にタイヤ周方向で隣接するセクタ4同士の割位置間に加硫ゴムが入り込むことで、横溝24の溝下ゲージが厚くなる傾向にある。したがって、横溝体積比率V1<横溝体積比率V2とすることで、横溝24の溝下ゲージをタイヤ周方向でより均一にすることが可能になる。
また、本実施の形態の空気入りタイヤ1では、横溝体積比率V1<横溝体積比率V2とする場合、セクタ4のタイヤ周方向の中央寄りPinに対応する陸部23での1ピッチあたりの横溝体積比率V2から、セクタ4のタイヤ周方向の割位置寄りPoutに対応する陸部23での1ピッチあたりの横溝体積比率V1を差し引いた横溝体積比率差Vdが、2[%]≦Vd≦10[%]の範囲に設定されていることが好ましい。
そして、本実施の形態のタイヤ成形金型3では、横溝体積比率V1<横溝体積比率V2とする場合、セクタ4のタイヤ周方向の中央寄りPinでの1ピッチあたりの横溝体積比率V2から、セクタ4のタイヤ周方向の割位置寄りPoutでの1ピッチあたりの横溝体積比率V1を差し引いた横溝体積比率差Vdが、2[%]≦Vd≦10[%]の範囲となる態様で、突部41の形状を設定することが好ましい。
横溝体積比率差Vdが2[%]未満の場合、セクタ4のタイヤ周方向の割位置寄りPoutで横溝24の溝下ゲージが厚くなる傾向を十分に改善できず、横溝24の溝下ゲージをタイヤ周方向でより均一にする効果が得られ難い。一方、横溝体積比率差Vdが10[%]を超える場合、セクタ4のタイヤ周方向の中央寄りPinに対応する陸部23での1ピッチあたりの横溝体積比率V2が大きすぎるため、横溝24の溝下ゲージをタイヤ周方向でより均一にする効果が得られ難い。したがって、2[%]≦Vd≦10[%]の範囲に設定することが、横溝24の溝下ゲージをタイヤ周方向でより均一にするうえで好ましい。
なお、タイヤ新品時での車内騒音を低減するためには、トレッド部2の表面21での各ピッチPにおいて、ピッチ長さ(1ピッチPのタイヤ周方向での長さ)に対する横溝24の溝幅(開口部のタイヤ周方向での幅)比率を一定にすることが好ましい。
また、タイヤ摩耗時の性能変化を大きくしないためには、横溝24の溝深さを変化させないで溝体積を設定することが好ましい。
また、高速走行時の振動を発生させないためには、未加硫グリーンタイヤによるトレッド部2のゲージ(タイヤ径方向厚さ)をタイヤ周方向で一定にすることが好ましい。本実施の形態の空気入りタイヤ1は、未加硫グリーンタイヤの外周面の曲率半径Rgが、セクタ4の内周面の曲率半径Rmより小さいときに効果が大きい。さらに好ましくは、1.01≦Rm/Rg≦1.03がより効果が大きい。Rm/Rgが1.01未満の場合、RFVのセクタ4における次数成分が向上し難い。一方、Rm/Rgが1.03を超える場合、加硫時に変形される(膨らます)量が増えるため、未加硫グリーンタイヤと金型との中心がずれ易くなり(偏心し易くなり)、RFVの1次成分が大きくなり、結果としてRFVが大きくなる。
また、耐偏摩耗性を維持するため、横溝24の溝壁は、トレッド部2の表面21の法線に対して対称に形成されていることが好ましい。
なお、上述した本実施の形態の空気入りタイヤ1は、横溝24をタイヤ周方向に複数ピッチで配置したピッチバリエーション構造が適用されていることが望ましい。このピッチバリエーション構造によれば、タイヤ周方向のピッチノイズを広い周波数に分散させ、騒音特性が向上できる。ピッチの配列は、タイヤ周方向で周期的に配列しても、任意に配置してもよい。
本実施例では、条件が異なる複数種類の空気入りタイヤについて、RFV1次成分(タイヤ1回転のRFV)、RFV9次成分(9分割されたセクタ4ごとに応じたRFV)、および車内騒音に関する性能試験が行われた(図5参照)。
RFVの評価方法では、タイヤサイズ275/40R20の空気入りタイヤを、正規リム(JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、あるいは、ETRTOで規定する「Measuring Rim」)に組み付け、空気圧(200[kPa])を充填し、荷重(6.3[kN])を加え、フォースバリエーション試験機により、JIS D4230のタイヤユニフォミティ測定方法に従うRFVを測定した。そして、RFV1次成分およびRFV9次成分を算出し、従来例を基準(100)とした指数で示し、この指数が高いほどRFVが向上し好ましい。
車内騒音の評価方法では、RFVの評価方法と同じタイヤサイズの空気入りタイヤを、リム径20×9.0Jのリムに組み付け、空気圧(フロント260[kPa]、リア290[kPa])を充填し、試験車両(4.6リットルクラスのスポーツユーティリティビークル(SUV:Sport Utility Vehicle))に装着した。そして、試験車両にて周回路のテストコースを40〜150[km/h]で走行し、熟練ドライバーが車内騒音について官能評価し、従来例を基準(100)とした指数で示し、この指数が高いほど車内騒音が低減され好ましい。
従来例の空気入りタイヤは、9分割されたセクタのうち5つのセクタに対応する陸部の横溝体積比率差Vdを0[%]とした。また、比較例の空気入りタイヤは、9分割されたセクタのうち8つのセクタに対応する陸部の横溝体積比率差Vdを5[%]とした。一方、実施例1〜実施例3の空気入りタイヤは、9分割されたセクタのうち9つ全てのセクタに対応する陸部の横溝体積比率差Vdを設定したもので、実施例1の空気入りタイヤは横溝体積比率差Vdを2[%]とし、実施例2の空気入りタイヤは横溝体積比率差Vdを5[%]とし、実施例3の空気入りタイヤは横溝体積比率差Vdを10[%]とした。
図5の試験結果に示すように、実施例1〜実施例3の空気入りタイヤでは、それぞれRFV1次成分を維持しつつ、RFV9次成分を向上し、かつ車内騒音が低減されていることが分かる。
以上のように、本発明に係る空気入りタイヤおよびタイヤ成形金型は、タイヤ周方向に複数のセクタで分割されたタイヤ成形金型および該タイヤ成形金型で成形される空気入りタイヤにおいて、タイヤ周方向の均一性を向上することに適している。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
21 表面
22 縦溝
23 陸部
24 横溝
3 タイヤ成形金型
4 セクタ
41 突部
C タイヤ赤道線(タイヤ赤道面)
P ピッチ
Rg 曲率半径
Rm 曲率半径
V1 横溝体積比率
V2 横溝体積比率
Vd 横溝体積比率差

Claims (4)

  1. タイヤ周方向に複数分割されたセクタを有するタイヤ成形金型により成形され、タイヤ周方向に沿って設けられた縦溝と、当該縦溝に交差して設けられた横溝とからなる陸部をトレッド部に有した空気入りタイヤにおいて、
    前記横溝がタイヤ周方向に所定のピッチで設けられ、全ての前記セクタのタイヤ周方向の割位置寄りと前記セクタのタイヤ周方向の中央寄りとに対応する前記陸部での1ピッチあたりの横溝体積比率が異なり、前記セクタのタイヤ周方向の割位置寄りに対応する前記陸部での1ピッチあたりの横溝体積比率V1と、前記セクタのタイヤ周方向の中央寄りに対応する前記陸部での1ピッチあたりの横溝体積比率V2とを、V1<V2とし、かつ前記横溝の溝壁が前記トレッド部の表面の法線に対して対称に形成されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記セクタのタイヤ周方向の中央寄りに対応する前記陸部での1ピッチあたりの横溝体積比率V2から、前記セクタのタイヤ周方向の割位置寄りに対応する前記陸部での1ピッチあたりの横溝体積比率V1を差し引いた横溝体積比率差Vdを、2[%]≦Vd≦10[%]の範囲に設定したことを特徴とする請求項に記載の空気入りタイヤ。
  3. タイヤ周方向に沿って設けられた縦溝と、当該縦溝に交差して設けられた横溝とからなる陸部をトレッド部に有した空気入りタイヤを成形する態様でタイヤ周方向に複数分割されたセクタを備えるタイヤ成形金型において、
    前記セクタに前記横溝をタイヤ周方向に所定のピッチで成形する突部が設けられており、全ての前記セクタのタイヤ周方向の割位置寄りと前記セクタのタイヤ周方向の中央寄りとで1ピッチあたりの前記突部の形状を変えて、1ピッチあたりの横溝体積比率を異ならせ、前記セクタのタイヤ周方向の割位置寄りでの1ピッチあたりの横溝体積比率V1と、前記セクタのタイヤ周方向の中央寄りでの1ピッチあたりの横溝体積比率V2とを、V1<V2となる態様で、前記突部の形状を設定し、かつ前記突起が前記横溝の溝壁を前記トレッド部の表面の法線に対して対称に形成するように設けられていることを特徴とするタイヤ成形金型。
  4. 前記セクタのタイヤ周方向の中央寄りでの1ピッチあたりの横溝体積比率V2から、前記セクタのタイヤ周方向の割位置寄りでの1ピッチあたりの横溝体積比率V1を差し引いた横溝体積比率差Vdが、2[%]≦Vd≦10[%]の範囲となる態様で、前記突部の形状を設定したことを特徴とする請求項に記載のタイヤ成形金型。
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