JP2013226869A - 空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐摩耗性を確保しつつ、軽量化及び製造コストの減少を実現できる空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法を提供する。
【解決手段】タイヤ周方向に対して傾斜して延びるコードからなる少なくとも一枚の傾斜ベルトからなる傾斜ベルト層と、該傾斜ベルト層の外周側に配設されて、タイヤ周方向に向けて延びるコードからなるスパイラルベルト層とを具える空気入りタイヤであって、該スパイラルベルト層の、少なくともタイヤ赤道面を中心としたトレッド接地幅の70%をコード疎領域13とするとともに、コード疎領域以外の領域をコード密領域14A,14Bとして、コード疎領域では、タイヤ幅方向にコードが所定の間隔で配設されているコード配設領域13Aと、コードが配設されていないゴム領域13Bとを、タイヤ幅方向に交互に20回以上繰り返して配置し、コード密領域では、タイヤ幅方向にコードが所定の間隔で配設する。
【選択図】図2

Description

この発明は、タイヤ幅方向に向けて延びるコードからなるカーカスプライにて形成されたカーカスと、該カーカスのクラウン域の外周側に配設されてタイヤ周方向に対して傾斜して延びるコードからなる傾斜ベルト層と、該傾斜ベルト層の外周側に配設されて、タイヤ周方向に向けて延びるコードからなるスパイラルベルト層と、該スパイラルベルト層の外周側に配設されてトレッド接地面を形成するトレッドとを具える空気入りタイヤ及び該空気入りタイヤの製造方法に関するものである。
空気入りタイヤの走行時の耐摩耗性を向上させること等を目的として、タイヤ周方向に向けて延びるコードからなるスパイラルベルト層を、傾斜ベルト層の外側に配置する技術が知られている。
ところで、空気入りタイヤの軽量化と、製造コストの減少とが大きな課題となっている。ここで、スパイラルベルト層のコード配置密度を減少させることで、空気入りタイヤの軽量化と製造コストの減少とを実現させることができる。
しかしながら、スパイラルベルト層のショルダー部付近のコード配置密度を減少させると、走行時にショルダー部のせり出し量が大きくなることによって、ショルダー部の摩耗量が大きくなるおそれがあるとともにベルト端セパレーション等の故障が発生しやすくなる。
一方、センター部も耐摩耗性を確保するために、ある程度のトレッド剛性を確保する必要がある。
この発明は、スパイラルベルト層を具える空気入りタイヤで、軽量化及び製造コストの減少を図る際に生じる、このような課題を有効に解決するものであり、トレッドのショルダー部及びセンター部での耐摩耗性を確保しつつ、軽量化及び製造コストの減少を実現できる空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法を提供することを目的とするものである。
この発明の空気入りタイヤは、一対のビード部間に跨ってラジアル方向に配置したコードによる一枚以上のカーカスプライにて形成されたカーカスと、該カーカスのクラウン域の外周側に配設されて、タイヤ周方向に対して傾斜して延びるコードからなる少なくとも一枚のベルトプライで構成される傾斜ベルト層と、該傾斜ベルト層の外周側に配設されて、タイヤ周方向に向けて延びるコードからなるスパイラルベルト層と、該スパイラルベルト層の外周側に配設されて、トレッド接地面を形成するトレッドとを具える空気入りタイヤであって、該スパイラルベルト層の、少なくともタイヤ赤道面を中心としたトレッド接地幅の70%の領域をコード疎領域とするとともに、コード疎領域以外の領域をコード密領域として、コード疎領域では、タイヤ幅方向にコードが所定の間隔で配設されているコード配設領域と、コードが配設されていないゴム領域とを、タイヤ幅方向に交互に20回以上繰り返して配置し、コード密領域では、タイヤ幅方向にコードが所定の間隔で配設されることを特徴とする。
上記の空気入りタイヤによれば、スパイラルベルト層の少なくともタイヤ赤道面を中心としたトレッド接地幅の70%をコード疎領域として、タイヤ幅方向にコードが所定の間隔で配設されているコード配設領域と、コードが配設されていないゴム領域とを、タイヤ幅方向に交互に繰り返すことで、センター部の幅方向全体にわたって十分な耐摩耗性を確保しつつ、タイヤの軽量化と製造コストの減少を実現することができる。
また、スパイラルベルト層のコード密領域では、タイヤ幅方向にコードを前記所定の間隔で配設することでトレッドショルダー部のトレッド剛性を十分確保して、摩耗が発生しやすいショルダー部での耐摩耗性を確保し、走行時にトレッドショルダー部のせり出しを押さえることでベルト端セパレーション等の故障を防止することができる。
加えて、スパイラルベルト層のコード疎領域で、コード配設領域とゴム領域との繰り返し数を20回以上とすることで、トレッドセンター部でのトレッド剛性を、タイヤ幅方向全体にわたって、より均一化させることができるため、センター部での耐偏摩耗性を向上させることができる。
なお、この発明でいう「トレッド接地幅」とは、タイヤ幅方向断面における接地部のペリフェリ長さをいうものとする。
また、この発明の空気入りタイヤでは、前記スパイラルベルト層の、車輌装着外側の端部付近を前記コード疎領域とすることが好ましい。この場合には、車輌の外側に位置するタイヤサイド部が走行時に大きく膨出変形することにより、大きな接地面積を確保して、直進走行および旋回走行のいずれに対してもすぐれた操縦安定性を発揮させることができる。
そして、この発明の空気入りタイヤでは、前記スパイラルベルト層のコード疎領域で、コード配設領域のタイヤ幅方向長さWcと、ゴム領域のタイヤ幅方向の長さWgの比Wc/Wgを1以上とすることが好ましい。この場合には、センター部の耐摩耗性を一層向上させることができる。
また、この発明の空気入りタイヤの製造方法は、この発明の空気入りタイヤを製造する方法であって、複数本の補強コードを互いに平行に並べてゴム被覆することにより、幅広のリボン状ストリップと、幅狭のリボン状ストリップとをそれぞれ形成する工程と、生ケースのカーカスの外周面に傾斜ベルト層部材を形成する工程と、該傾斜ベルト層部材の外周面のコード密領域に、該幅広のリボン状ストリップを、幅方向に隙間なく螺旋状に巻回し、該傾斜ベルト層部材の外周面のコード疎領域に、該幅狭のリボン状ストリップを、該幅広のリボン状ストリップの幅と実質的に等しい幅方向ピッチで螺旋状に巻回してスパイラルベルト層部材を形成する工程と、トレッドゴム部材を巻き付けてトレッドを形成する工程を含むことを特徴とする。
上記の空気入りタイヤの製造方法によれば、幅広のリボン状ストリップをコード密領域に、幅狭のリボン状ストリップをコード疎領域に、互いに等しい幅方向ピッチで巻回してスパイラルベルト層部材を形成する工程を含むことで、リボン状ストリップの幅方向ピッチを変化させることができない製造装置であっても、この発明の空気入りタイヤを製造することができる。
なお、ここでいうリボン状ストリップの幅方向ピッチとは、互いに隣接するリボン状ストリップの幅方向中心間の距離をいう。
そして、この発明の空気入りタイヤの製造方法では、前記幅狭のリボン状ストリップの幅Wnを、タイヤ接地幅Wtの2〜5%とすることが好ましく、この場合には、製造コストを抑えつつ、製造したタイヤのセンター部でのトレッド剛性を、幅方向全体にわたって、より均一化させることができるため、センター部での耐偏摩耗性を向上させることができる。
すなわち、幅狭のリボン状ストリップの幅Wnが、タイヤ接地幅Wtの2%未満の場合には、リボン状ストリップの巻回数が大きくなることによって製造コストが増大するおそれがあり、またタイヤ接地幅Wtの5%よりも大きい場合には、タイヤのセンター部で、タイヤ幅方向にわたってトレッド剛性に差が生じることで、センター部に偏摩耗が発生するおそれが高くなる。
なお、この明細書及び特許請求の範囲において、各寸法の測定は、特に断りのない限りタイヤを適用リムに装着して所定内圧を充填して車輌に装着するとともに最大負荷能力に相当する荷重を作用させた状態で行うものとする。
ここで「適用リム」とは、タイヤが生産され、または使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会) YEAR BOOK、欧州ではETRTO(European Tyre and Rim Technical Organisation)のSTANDARDS MANUAL、米国ではTRA(THE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.)のYEAR BOOK等に規定されたリムを指す。
また、「所定内圧」とは、上記JATMA等の規格で、タイヤサイズに応じて規定される、タイヤの最大負荷能力に対応する充填空気圧(最高空気圧)をいい、「最大負荷能力」とは、上記の規格でタイヤに負荷することが許される最大の質量をいう。
なお、ここでいう空気は、窒素ガスその他の不活性ガスに置換することもできる。
この発明の空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法によれば、トレッドショルダー部及びセンター部での耐摩耗性を確保しつつ、タイヤの軽量化及び製造コストの減少を実現できる。
この発明の第1の実施形態のタイヤを、適用リムに組み付けて所定内圧を充填して車輌に装着するとともに最大負荷能力に相当する荷重を作用させた状態のタイヤについて示す幅方向断面図である。 図1に示す第1の実施形態のタイヤのスパイラルベルト層に配設されるコードを示す幅方向部分断面図である。 この発明の第2の実施形態のタイヤを示す、図2と同様の幅方向部分断面図である。 この発明のタイヤの製造方法が含むスパイラルベルト層を形成する工程を示す、幅方向部分断面図である。
以下に、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態を例示説明する。
なお、タイヤの各部の構成や作用効果等は、下記の説明に限定されるものではない。
図1に例示する空気入りタイヤ1は、一対のビード部7間に跨ってラジアル方向に配置したコードによる、一枚以上のカーカスプライにて形成されたカーカス2と、カーカスのクラウン域の外周側に配設されて、タイヤ周方向に対して傾斜して延びるコードからなる、ここでは二枚のベルトプライで構成される傾斜ベルト層3と、傾斜ベルト層3の外周側に配設されて、タイヤ周方向に向けて延びるコードからなるスパイラルベルト層4と、スパイラルベルト層4の外周側に配設されて、トレッド接地面を形成するトレッド5とを具える。
カーカス2のタイヤ径方向外側に設けた傾斜ベルト層3は、多数本のスチール等のコードが埋設された少なくとも一枚、ここでは2枚のベルトプライを積層することにより構成されている。そして、これらのベルトプライにそれぞれ埋設されたコードは、ほぼ直線状に延び、タイヤ赤道面CLに対して15°〜35°の実質上一定の角度で傾斜させるとともに、ベルトプライ間でタイヤ赤道面CLに対して互いに逆方向に傾斜して交差している。
傾斜ベルト層3のタイヤ半径方向外側には、傾斜ベルト層3を全幅にわたって覆うスパイラルベルト層4が設けられている。
図2に示すように、スパイラルベルト層4には、タイヤ幅方向に延在する被覆ゴム11の中に、補強コード12が埋設されている。補強コード12は螺旋状に配置されている。
ここで、スパイラルベルト層4は、タイヤ赤道面CLを中心としたトレッド接地幅Wtの70%の領域を含むコード疎領域13と、コード疎領域13以外のコード密領域、ここではタイヤ幅方向の両側に配置されたコード密領域14A、14Bとで構成されている。
コード疎領域13は、コード配設領域13Aと、ゴム領域13Bとがタイヤ幅方向に交互に繰り返し配置されている。
また、コード配設領域13Aには、タイヤ幅方向にコード12が、互いに隣接するコードの軸心同士のタイヤ幅方向距離Wjを一定として配設されている。それに対し、ゴム領域13Bには、コードが配設されていない。
なお、コード配設領域13Aとゴム領域13Bとの境界とは、コード配設領域13Aの幅方向の最外コードのタイヤ幅方向最外端(隣接するコードとは反対側)を通り、コードの軸心同士を結ぶ線分に直交する平面をいうものとする。
それぞれのコード配設領域13A内に配設されたコードにより、コード配設領域13Aのタイヤ半径方向外側でのトレッド剛性を大きく向上させるとともに、隣接するゴム領域13Bのタイヤ半径方向外側でのトレッド剛性をも向上させることができる。そのため、コード疎領域13のタイヤ半径方向外側では、タイヤ幅方向全体にわたって十分なトレッド剛性を確保して、耐摩耗性を確保することができる。
また、ゴム領域13にはコードが配設されてないため、コードをタイヤ幅方向に同じ配設密度で、万遍なく配置した場合よりも、タイヤの重量を軽減することができ、製造コストを抑えることができる。
なお、センター部の耐摩耗性を向上させる観点から、コード配設領域のタイヤ幅方向長さWcと、ゴム領域のタイヤ幅方向長さWgとの比Wc/Wgを1以上とすることが好ましい。
また、コード疎領域13は、コードが配設されているコード配設領域13Aと、被覆ゴムのみが配設されているゴム領域13Bとが繰り返し配置されている。そのため、タイヤ幅方向で、コードの配設密度を一定とした場合と比較して、トレッド部で空洞共振が起こりにくくなり、ロードノイズを低減することができる。
一方、コード密領域14A、14Bでは、タイヤ幅方向にコード12が、互いに隣接するコードの軸心同士のタイヤ幅方向距離Wiを一定として配設されている。
このように、コード密領域14A、14Bでは、タイヤ幅方向全体にわたってコード12が配設されているために、ショルダー部のトレッド剛性を大きく向上させることができる。そのため、負荷転動時に摩耗が発生しやすいショルダー部でも、十分な耐摩耗性を確保することができる。
ここで、ショルダー部での耐摩耗性を十分に確保する観点から、スパイラルベルト層4のタイヤ幅方向両側のコード密領域14A、14Bのタイヤ幅方向長さWt1、Wt2のそれぞれを、トレッド接地幅の12.5%以上とすることが好ましい。
なお、コード疎領域13とコード密領域14A、14Bとの境界とは、コード密領域14A、14Bそれぞれのタイヤ幅方向最外コードの幅方向最外端(隣接するコードとは反対側)を通り、コードの軸心同士を結ぶ線分に直交する平面をいうものとする。
また、この実施形態では、スパイラルベルト層4のコード疎領域13で、コード配設領域13Aと、ゴム領域13Bとの繰り返し数を20回としている(但し、図2では簡略化のために繰り返し数を少なくした)が、このようにコード配設領域13Aと、ゴム領域13Bとの繰り返し数を20回以上とすることで、センター部のトレッド剛性を、幅方向全体にわたってより均一化させて、センター部での耐偏摩耗性を向上させることができる。
次に、図3に示す実施形態では、スパイラル層4のタイヤ幅方向中央部と車輌装着外側部とをコード疎領域13としている。これにより、車輌の外側に位置するタイヤサイド部6Bが走行時に大きく膨出変形することで大きな接地面積を確保して、直進走行および旋回走行のいずれに対してもすぐれた操縦安定性を発揮させることができる。またブレーキ性能を向上させることもできる。
以下、この発明の空気入りタイヤの製造方法について図4に基づいて説明する。最初に、リボン状ストリップで構成されるスパイラルベルト層部材を形成する工程について説明する。
複数本、図4の実施形態では6本の補強コード12を、一定の間隔Wiで引き揃えてコード束とした後、被覆ゴム11でコーティングすることで、幅広のリボン状ストリップ21を形成する。
そして、幅広のリボン状ストリップ21のコード本数よりも少ない本数、この実施形態では3本の補強コード12を、一定の間隔Wjを空けて引き揃えてコード束とした後、被覆ゴム11をコーティングすることで、幅狭のリボン状ストリップ22を形成する。
図4(a)に示すように、周知の方法で形成した傾斜ベルト層部材30の外周面の、コード密領域14A、14Bに、幅広のリボン状ストリップ21を隙間なく螺旋状に巻回した後、図4(b)に示すように、傾斜ベルト層部材30の外周面の、コード疎領域13に、幅狭のリボン状ストリップ22を、幅広のリボン状ストリップ21と同じ幅方向ピッチWsで螺旋状に巻回することで、スパイラルベルト層部材を形成する。
なお、幅広のリボン状ストリップ21及び幅狭のリボン状ストリップ22の幅方向ピッチWsは、幅広のリボン状ストリップ21の幅と実質的に等しくなる。
このように、この発明の空気入りタイヤの製造方法では、幅広のリボン状ストリップ21をコード密領域14A、14Bに、幅狭のリボン状ストリップ22をコード疎領域13に、互いに等しい幅方向ピッチWsで巻回しているため、リボン状ストリップを巻回する際に幅方向ピッチを変化させることができない製造装置であっても、この発明の空気入りタイヤを製造することができる。
なお、図示はしないが、コード疎領域13に、幅広のリボン状ストリップ21の端部同士をオーバーラップまたは突き合わせて巻回することで、コード疎領域13での幅方向のコード配置密度を増加させて、ショルダー部のトレッド剛性をより向上させることができる。ただし、オーバーラップさせるのは2層までとすることが好ましい。それ以上リボン状ストリップを巻回しても、ショルダー部の耐摩耗性を向上させることはできない。
ここで、傾斜ベルト層部材30の外周面のコード疎領域13に、幅狭のリボン状ストリップ22を、幅広のリボン状ストリップ21の幅Wsと実質的に等しい幅方向ピッチで螺旋状に巻回した後に、傾斜ベルト層部材30の外周面のコード密領域14A、14Bに、幅広のリボン状ストリップ21を、幅方向に隙間なく螺旋状に巻回することで、この発明の空気入りタイヤを製造することもでき、この場合にも、上記の製造方法と同様の効果を発揮することができる。
さらに、傾斜ベルト層部材30の外周面のコード密領域14Aに幅広のリボン状ストリップ21を巻回し、次にコード疎領域13に幅狭のリボン状ストリップ22を巻回し、その後コード密領域14Bに幅広のリボン状ストリップ21を巻回することもでき、逆にコード密領域14B、コード疎領域13、コード密領域14Aの順にリボン状ストリップを巻回することもできる。傾斜ベルト層部材30の中央部から幅方向の両側に向けてリボン状ストリップを巻回することもできる。
ここで、幅狭のリボン状ストリップ22の幅Wnを、タイヤ接地幅の2〜5%とすることが好ましい。この場合には、製造コストを抑えつつ、製造したタイヤのセンター部でのトレッド剛性を、幅方向全体にわたって、より均一化させて、センター部での耐偏摩耗性を向上させることができる。
最後に、上記の方法で形成したリボン状ストリップからなるスパイラルベルト層部材を用いて、空気入りタイヤを製造する方法について説明する。
未加硫ゴムを所要の外輪郭形状に押出成型してなるゴムストリップを、スパイラルベルト層部材の外周側に環状に巻き付けて、傾斜ベルト層部材、スパイラルベルト層部材及びトレッドゴム部材からなるベルト・トレッドバンドを形成する。
そして、形成されたベルト・トレッドバンドを、生ケースのクラウン域に貼着させて、グリーンタイヤを成型する。
このようにして形成したグリーンタイヤを、加硫モールド内で加硫成型することで、この発明の空気入りタイヤを製造することができる。
以下に示す仕様の下、タイヤをサイズ205/55R16で試作し、各試作タイヤについて試験を行ったので以下に説明する。ロードノイズ計測試験、操縦安定性評価試験及びブレーキ性能試験は、試作タイヤを4輪とも車輌に装着して行った。
ここで、試作タイヤはいずれもタイヤの半径方向内側から外側にかけて、カーカス、傾斜ベルト層、スパイラルベルト層、トレッドが配置される。また、スパイラルベルト層の幅方向長さを178mmとし、タイヤ赤道面を中心とする、タイヤ接地幅の70%の領域をセンター部、センター部よりも車輌装着内側を内側ショルダー部、センター部よりも車輌装着外側を外側ショルダー部とする。そして、それぞれの部分を製造する際に用いるリボン状ストリップ幅及び、巻回時の幅方向ピッチをそれぞれ表1のように変えて試験を行った。
実施例タイヤは、スパイラルベルト層のセンター部(コード疎領域)で、コード配設領域と、ゴム領域との繰り返し数を20回とし、比較例タイヤは該繰り返し数を10回とした。
なお、リボン状ストリップに埋設されるコード、及び隣接するコード同士の軸線間の幅方向長さは互いに等しいものとする。
<ロードノイズ計測試験>
上記車輌をロードノイズ評価路のテストコースで走行させ、運転席の背もたれの部分の中央側に集音マイクを取り付けてロードノイズを測定した。なお、ロードノイズの数値は、従来例タイヤを100としたものであり、値が小さいほどロードノイズが小さいことを示す。
<操縦安定性評価試験>
テストドライバーが、サーキット路で上記車輌を走行させて、テストドライバーのフィーリング結果から操縦安定性を感応評価した。なお、操縦安定性の数値は、従来例タイヤを10点としたものであり、数値が大きいほど操縦安定性が良いと感じたことを示す。
<ブレーキ性能試験>
上記車輛を所定の初速度の状態からフルブレーキをかけて、静止状態となるまでの制動距離を計測した。なお、ブレーキ性能の数値は、従来例タイヤを100としたものであり、数値が大きいほどブレーキ性能が良いと感じたことを示す。
<耐摩耗性試験、耐偏摩耗性能試験>
上記の試作タイヤのそれぞれについて、タイヤの摩耗試験を行うための回転ドラムを用いて室内試験を行い、ショルダー部の摩耗量を測定して、ショルダー部の耐摩耗性を評価した。また、センター部における最も摩耗している部分と最も摩耗していない部分との摩耗量の差を比較することによりセンター部の耐偏摩耗性を評価した。なお、ショルダー部耐摩耗性及びセンター部耐偏摩耗性の数値は、従来例タイヤの制動距離を100としたものであり、数値が小さいほどそれぞれ耐摩耗性及び耐偏摩耗性にすぐれていることを示す。
Figure 2013226869
試験結果から、スパイラルベルト層のセンター部(コード疎領域)で、コード配設領域と、ゴム領域との繰り返し数を20回以上とした実施例タイヤ1、2では、センター部の耐摩耗性能がより向上することが解った。また、スパイラルベルト層の、車輌装着外側の端部付近をコード疎領域とした実施例タイヤ2では、操縦安定性及びブレーキ性能が向上していることが明らかになった。
1 空気入りタイヤ
2 カーカス
3 傾斜ベルト層
4 スパイラルベルト層
5 トレッド
6A、6B サードウォール部
7 ビード部
11 被覆ゴム
12 補強コード
13 コード疎領域
13A コード配設領域
13B ゴム領域
14 コード密領域
21 幅広のリボン状ストリップ
22 幅狭のリボン状ストリップ
30 傾斜ベルト層部材
Wc コード配設領域のタイヤ幅方向長さ
Wg ゴム領域のタイヤ幅方向の長さ
Wi 幅広のリボン状ストリップでの互いに隣接するコード同士のタイヤ幅方向長さ
Wj 幅狭のリボン状ストリップでの互いに隣接するコード同士のタイヤ幅方向長さ
Wt1、Wt2 コード密領域のタイヤ幅方向長さ
Ws 幅広のリボン状ストリップの幅(幅広のリボン状ストリップ及び幅狭のリボン状ストリップの幅方向ピッチ)
CL タイヤ赤道面

Claims (5)

  1. 一対のビード部間に跨ってラジアル方向に配置したコードによる一枚以上のカーカスプライにて形成されたカーカスと、
    該カーカスのクラウン域の外周側に配設されて、タイヤ周方向に対して傾斜して延びるコードからなる少なくとも一枚のベルトプライで構成される傾斜ベルト層と、
    該傾斜ベルト層の外周側に配設されて、タイヤ周方向に向けて延びるコードからなるスパイラルベルト層と、
    該スパイラルベルト層の外周側に配設されて、トレッド接地面を形成するトレッドとを具える空気入りタイヤであって、
    該スパイラルベルト層の、少なくともタイヤ赤道面を中心としたトレッド接地幅の70%の領域をコード疎領域とするとともに、コード疎領域以外の領域をコード密領域として、
    コード疎領域では、タイヤ幅方向にコードが所定の間隔で配設されているコード配設領域と、コードが配設されていないゴム領域とを、タイヤ幅方向に交互に20回以上繰り返して配置し、
    コード密領域では、タイヤ幅方向にコードが所定の間隔で配設されることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記スパイラルベルト層の、車輌装着外側の端部付近を前記コード疎領域とする、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記スパイラルベルト層のコード疎領域で、コード配設領域のタイヤ幅方向長さWcと、ゴム領域のタイヤ幅方向の長さWgの比Wc/Wgを1以上としてなる、請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤを製造する方法であって、
    複数本の補強コードを互いに平行に並べてゴム被覆することにより、幅広のリボン状ストリップと、幅狭のリボン状ストリップとをそれぞれ形成する工程と、
    生ケースのカーカスの外周面に傾斜ベルト層部材を形成する工程と、
    該傾斜ベルト層部材の外周面のコード密領域に、該幅広のリボン状ストリップを、幅方向に隙間なく螺旋状に巻回し、該傾斜ベルト層部材の外周面のコード疎領域に、該幅狭のリボン状ストリップを、該幅広のリボン状ストリップの幅と実質的に等しい幅方向ピッチで螺旋状に巻回してスパイラルベルト層部材を形成する工程と、
    トレッドゴム部材を巻き付けてトレッドを形成する工程を含むことを特徴とする、空気入りタイヤの製造方法。
  5. 前記幅狭のリボン状ストリップの幅Wnを、トレッド接地幅Wtの2〜5%とする、請求項4に記載の空気入りタイヤの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11273674B2 (en) 2016-08-17 2022-03-15 Bridgestone Corporation Pneumatic tire

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