JP2016175252A - 空気入りタイヤの製造方法、タイヤ成形用金型及び空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤの製造方法、タイヤ成形用金型及び空気入りタイヤ Download PDF

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【課題】サイプを成形するためのブレードにベント孔を設ける際に、そのベント孔に基づいてゴム流れ不良による外観不良を防止すると共に、ベント孔内に形成されるゴム柱に起因するトレッド部の欠損を効果的に防止することを可能にした空気入りタイヤの製造方法、タイヤ成形用金型及び空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】金型内に未加硫タイヤを装填し、未加硫タイヤを金型の内面に向かって加圧しながら加熱して、トレッド部にサイプを備えた空気入りタイヤを成形するようにした空気入りタイヤの製造方法において、金型の内面にサイプを成形するためのブレード15を植え込み、ブレード15にその厚さ方向に貫通する少なくとも1つのベント孔16を形成し、ベント孔16からトレッド部21の踏面までの距離dを1.0mm以上に設定すると共に、ブレード15の少なくとも片面にベント孔16からトレッド部21の踏面まで延在するスリット17を設ける。
【選択図】図3

Description

本発明は、トレッド部にサイプを備えた空気入りタイヤを製造する方法、その製造方法に使用されるタイヤ成形用金型及びその製造方法によって得られる空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、サイプを成形するためのブレードにベント孔を設ける場合において、そのベント孔に基づいてゴム流れ不良による外観不良を防止すると共に、ベント孔内に形成されるゴム柱に起因するトレッド部の欠損を効果的に防止することを可能にした空気入りタイヤの製造方法、タイヤ成形用金型及び空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤの外観を向上するために、金型の内面に形成されるベント孔を可及的に少なくすることが行われている。しかしながら、金型の内面に多数のサイプ成形用ブレードを植え込んだ場合、タイヤ加硫時にサイプ成形用ブレードにより仕切られた空間に空気が滞留し易くなり、空気入りタイヤのトレッド部にゴム流れ不良による外観不良を生じ易くなる。このような外観不良を防止するために、サイプ成形用ブレードにベント孔を形成し、ブレードにより仕切られた空間同士の通気性を確保することが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
ところが、サイプ成形用ブレードにベント孔を設けた場合、ベント孔内に形成されるゴム柱が離型時において円滑に切断される必要があるが、そのゴム柱が切断されずにブレードのベント孔内に留まった状態で離型が行われると、トレッド部が欠損してしまうことがある。サイプ成形用ブレードに形成されるベント孔をトレッド部の踏面から十分に離れた位置に配置すれば、トレッド部の欠損を抑えることが可能であるが、この場合、タイヤ加硫時にサイプ成形用ブレードにより仕切られた空間に空気が滞留し易くなり、空気入りタイヤのトレッド部にゴム流れ不良による外観不良を生じ易くなる。
特に、近年では、自動車の燃費を改善するために、空気入りタイヤのトレッド部に低発熱性のゴムコンパウンドが使用されているが、このようなゴムコンパウンドは、その背反作用として、強度が低くなり、破断伸びが小さくなる傾向がある。そのため、この種のゴムコンパウンドをトレッドゴムコンパウンドとして採用した空気入りタイヤでは、トレッド部の欠損が益々生じ易くなっている。
特許第2754036号公報 特開2002−67042号公報 特開2013−75593号公報
本発明の目的は、サイプを成形するためのブレードにベント孔を設ける場合において、そのベント孔に基づいてゴム流れ不良による外観不良を防止すると共に、ベント孔内に形成されるゴム柱に起因するトレッド部の欠損を効果的に防止することを可能にした空気入りタイヤの製造方法、タイヤ成形用金型及び空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤの製造方法は、金型内に未加硫タイヤを装填し、前記未加硫タイヤを前記金型の内面に向かって加圧しながら加熱して、トレッド部にサイプを備えた空気入りタイヤを成形するようにした空気入りタイヤの製造方法において、前記金型の内面に前記サイプを成形するためのブレードを植え込み、該ブレードにその厚さ方向に貫通する少なくとも1つのベント孔を形成し、該ベント孔から前記トレッド部の踏面までの距離dを1.0mm以上に設定すると共に、前記ブレードの少なくとも片面に前記ベント孔から前記トレッド部の踏面まで延在するスリットを設けたことを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するための本発明のタイヤ成形用金型は、トレッド部にサイプを備えた空気入りタイヤを成形するためのタイヤ成形用金型において、金型内面に前記サイプを成形するためのブレードを植え込み、該ブレードにその厚さ方向に貫通する少なくとも1つのベント孔を形成し、該ベント孔から前記トレッド部の踏面までの距離dを1.0mm以上に設定すると共に、前記ブレードの少なくとも片面に前記ベント孔から前記トレッド部の踏面まで延在するスリットを設けたことを特徴とするものである。
更に、本発明の空気入りタイヤは、上述した空気入りタイヤの製造方法によって得られる空気入りタイヤであって、前記サイプの内壁面に前記ベント孔に対応するゴム柱と前記スリットに対応するゴム筋とを有し、前記ゴム柱が切断された状態にあることを特徴とするものである。
本発明では、サイプを成形するためのブレードにベント孔を設けるにあたって、ベント孔からトレッド部の踏面までの距離dを1.0mm以上とし、ベント孔をトレッド部の踏面から十分に離れた位置に配置することにより、ベント孔内に形成されるゴム柱が離型時に切断される際にトレッド部が欠損し難くなる。そのため、ベント孔内に形成されるゴム柱に起因するトレッド部の欠損を効果的に防止することが可能になる。その一方で、ブレードの少なくとも片面にベント孔からトレッド部の踏面まで延在するスリットを設けることにより、ベント孔をトレッド部の踏面から離れた位置に配置した場合であっても、スリットがトレッド部の踏面からベント孔までの通気路として機能するので、これらスリット及びベント孔に基づいてブレードにより仕切られた空間同士の通気性を確保し、ゴム流れ不良による外観不良を防止することができる。
本発明において、ブレードの両面にスリットを設けることが好ましい。これにより、ブレードの両面においてスリットが通気路として機能するので、ゴム流れ不良による外観不良を効果的に防止することができる。
また、スリットの深さtとブレードの厚さTとは0.2T≦t≦0.8Tの関係を満足することが好ましい。このようにブレードの厚さTに対してスリットの深さtを規定することにより、ブレードの強度を確保しながらスリットを通気路として有効に機能させ、空気の滞留を防止することができる。
更に、スリットの幅aとベント孔の直径φとは0.3φ≦a≦φの関係を満足することが好ましい。このようにベント孔の直径φに対してスリットの幅aを規定することにより、スリットを通気路として有効に機能させ、空気の滞留を防止することができる。
本発明は、加硫後における100℃での破断伸びが200%〜300%の範囲にあるゴム組成物を空気入りタイヤのトレッド部に採用した場合に好適である。低発熱性のゴム組成物は一般的に破断伸びが小さいが、このような破断伸びが小さいゴム組成物を空気入りタイヤのトレッド部に採用した場合、トレッド部の欠損が生じ易くなる傾向がある。これに対して、上述のようなベント孔を採用することにより、トレッド部の欠損を効果的に防止することができる。
本発明において、100℃での破断伸びとは、ゴム試験片が引っ張りを受けて生じる引張り方向の変形割合であり、ゴム試験片の元の長さに対する破断時の長さの百分率(%)である。この破断伸びはJIS K6251に準拠して測定されるものである。
本発明の空気入りタイヤの製造方法で使用されるタイヤ加硫装置の一例を示す断面図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法によって得られる空気入りタイヤのトレッドパターンの一例を示す展開図である。 金型の内面に植え込まれたブレードを示す断面図である。 図3のX−X矢視断面図である。 図3のブレードにより成形されたサイプを示す断面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の空気入りタイヤの製造方法で使用されるタイヤ加硫装置の一例を示すものである。図1に示すように、このタイヤ加硫装置は、空気入りタイヤTを成形するための金型10を備えている。金型10は、タイヤTのサイドウォール部を成形するための下側サイドプレート1及び上側サイドプレート2と、タイヤTのビード部を成形するための下側ビードリング3及び上側ビードリング4と、タイヤTのトレッド部を成形するための複数のセクターモールド5とを備え、そのキャビティ内に回転軸を鉛直方向にして装填された未加硫のタイヤTを加硫成形するようになっている。加硫時において、タイヤTの内側には円筒状に成形されたゴム製のブラダー6が挿入される。
ブラダー6の下端部は下側ビードリング3と下側クランプリング7との間に挟み込まれ、ブラダー6の上端部は鉛直方向に移動自在に構成された上側クランプリング8と補助リング9との間に挟み込まれている。そのため、閉型時には上側クランプリング8が図示のような下方位置に配置されることでブラダー6の膨張を許容する一方で、開型時には上側クランプリング8が上方位置に移動することでタイヤTの内側からブラダー6が引き出されるようになっている。
上記タイヤ加硫装置には、ブラダー6の内部に加圧媒体を導入するための不図示の加圧媒体供給手段が設けられており、その加圧媒体の圧力に基づいて加硫時にタイヤTを内側から金型10の内面に向かって押圧するようになっている。加圧媒体としては、例えば、窒素ガスのような不活性ガスやスチームを使用することができる。
一方、下側サイドプレート1、上側サイドプレート2及びセクターモールド5の外部には熱源11が配設されている。これら熱源11は、その構造が特に限定されるものではないが、例えば、内部に空洞を設け、該空洞内にスチーム等の加熱媒体を導入するようにした構造を採用することができる。
図2は本発明の空気入りタイヤの製造方法によって得られる空気入りタイヤTのトレッドパターンの一例を示すものである。図2に示すように、空気入りタイヤTのトレッド部21には、タイヤ周方向に延びる複数本の主溝22と、タイヤ周方向に延びる1本の周方向細溝23と、タイヤ幅方向に延びる複数本のラグ溝24と、タイヤ幅方向に延びる複数本のサイプ25とが形成されている。
上述したタイヤ加硫装置において、金型10を構成するセクターモールド5の内面には、図1に示すように、主溝22を成形するための溝成形骨12や周方向細溝23を成形するための溝成形骨13やラグ溝24を成形するための溝成形骨14が設けられていると共に、図3及び図4に示すように、サイプ25を成形するためのブレード15が植え込まれている。ブレード15にはその厚さ方向に貫通する少なくとも1つのベント孔16が形成されている。ベント孔16は円筒形状を有している。
ベント孔16からトレッド部21の踏面(即ち、金型内面S)までの距離dは1.0mm以上に設定されている。つまり、従来は距離dが0.5mm程度であるが、ここでは距離dが従来よりも大きく設定されている。また、ブレード16の両面にはそれぞれベント孔16からトレッド部21の踏面まで延在するスリット17が配設されている。図3及び図4において、スリット17はブレード16の縁部まで延在するため、スリット17の一部がセクターモールド5に埋め込まれた状態になっている。
上述のように構成されるタイヤ加硫装置を用いて空気入りタイヤTを製造する場合、金型10内に未加硫のタイヤTを装填し、未加硫のタイヤTをブラダー6により金型10の内面に向かって加圧しながら加熱して空気入りタイヤTを成形する。これにより、加硫後の空気入りタイヤTのトレッド部21には、溝成形骨12〜14に基づいて主溝22、周方向細溝23及びラグ溝24からなる所定の溝パターンが成形され、ブレード15に基づいて所定のサイプ25が成形される。
上述した空気入りタイヤTの製造方法においては、サイプ25を成形するためのブレード15にベント孔16を設けるにあたって、ベント孔16からトレッド部21の踏面(即ち、金型内面S)までの距離dを1.0mm以上とし、ベント孔16をトレッド部21の踏面から十分に離れた位置に配置することにより、ベント孔16内に形成されるゴム柱26(図5参照)が離型時に切断される際にトレッド部21が欠損し難くなる。つまり、ベント孔16がトレッド部21の踏面付近にあると、離型時にゴム柱26が引っ張られる際にトレッド部21の踏面付近の部分が欠損し易くなるが、ベント孔16をサイプ25の深い位置に配置することで、ゴム柱26の方が優先的に切断されるようになる。そのため、ベント孔16内に形成されるゴム柱26に起因するトレッド部21の欠損を効果的に防止することができる。
その一方で、ブレード15の両面にベント孔16からトレッド部21の踏面まで延在するスリット17を設けることにより、ベント孔16をトレッド部21の踏面から離れた位置に配置した場合であっても、スリット17がトレッド部21の踏面からベント孔16までの通気路として機能するので、これらスリット17及びベント孔16に基づいてブレード15により仕切られた空間同士の通気性を確保し、ゴム流れ不良による外観不良を防止することができる。
而して、上述した製造方法によれば、サイプ25の内壁面にベント孔16に対応するゴム柱26とスリット17に対応するゴム筋27とを有し、ゴム柱26が切断された状態にある空気入りタイヤTが成形される。このような空気入りタイヤTでは、ゴム流れ不良による外観不良が少なく、かつベント孔16内に形成されるゴム柱26に起因するトレッド部21の欠損が少ないという利点がある。
上述した空気入りタイヤTの製造方法において、ベント孔16からトレッド部21の踏面までの距離dは1.0mm以上に設定することが必要であるが、この距離dが1.0mm未満であるとゴム柱26に起因するトレッド部21の欠損を生じ易くなる。特に、ベント孔16からトレッド部21の踏面までの距離dは1.0mm〜5.0mmの範囲に設定することが望ましい。
スリット17の深さtとブレード15の厚さT(図4参照)とは、0.2T≦t≦0.8Tの関係を満足すると良い。このようにブレード15の厚さTに対してスリット17の深さtを上記の如く規定することにより、ブレード15の強度を確保しながらスリット17を通気路として有効に機能させ、空気の滞留を防止することができる。ここで、スリット17の深さtが0.2Tよりも小さいと通気路の大きさが不十分になるため空気の滞留が起こり易くなり、逆に0.8Tよりも大きいとブレード15の強度が低下し、ブレード15の折損が懸念される。
また、ブレード15の厚さtは0.5mm〜1.0mmの範囲に設定すると良い。ブレード15の厚さtが0.5mmよりも小さいとブレード15の耐久性が不十分になり、逆に1.0mmよりも大きいとブレード15の加工性が低下する。
更に、スリット17の幅aとベント孔16の直径φ(図3参照)とは、0.3φ≦a≦φの関係を満足すると良い。このようにベント孔16の直径φに対してスリット17の幅aを上記の如く規定することにより、スリット17を通気路として有効に機能させ、空気の滞留を防止することができる。ここで、スリット17の幅aが0.3φよりも小さいと通気路の大きさが不十分になるため空気の滞留が起こり易くなる。また、スリット17の幅aがφよりも大きい場合も、スリット17内に未加硫ゴムが侵入し易くなるため空気の滞留が起こり易くなる。
ベント孔16の直径φは0.5mm〜2.0mmの範囲に設定すると良い。ベント孔16の直径φが0.5mmよりも小さいと空気の滞留が起こり易くなり、逆に2.0mmよりも大きいと離型性が悪化する。
上述した空気入りタイヤの製造方法において、空気入りタイヤTの構成は特に限定されるものではないが、特に、空気入りタイヤTのトレッド部21に加硫後における100℃での破断伸びが200%〜300%の範囲にあるゴム組成物を採用した場合に好適である。つまり、空気入りタイヤTの転がり抵抗を低減するために、トレッドゴムコンパウンドとして、カーボンブラックの配合量を少なくした低発熱性のゴム組成物を採用した場合、そのような低発熱性のゴム組成物は破断伸びが小さくなる傾向があり、トレッド部21の欠損が生じ易くなる傾向がある。
そこで、低発熱性のゴム組成物をトレッド部に採用した空気入りタイヤを製造するにあたって、上述のようなベント孔16及びスリット17を備えたブレード15を採用することにより、トレッド部21の欠損を防止することができる。勿論、100℃での破断伸びが上記範囲から外れる場合においても、トレッド部21の欠損を防止する効果が得られることは言うまでもない。
上述した実施形態ではブレードの両面にベント孔からトレッド部の踏面まで延在するスリットを設けた場合について説明したが、本発明ではスリットをブレードの片面だけに設けるようにしても良い。但し、ゴム流れ不良による外観不良を効果的に防止するために、スリットをブレードの両面に設けることが望ましい。
また、上述した実施形態ではブレードにおいてスリットをベント孔からタイヤ径方向外側に向かって直線状に延在させた場合について説明したが、本発明ではスリットをタイヤ径方向に対して傾斜するように配置したり、或いは、スリットを湾曲した形状や屈曲した形状に加工したりすることも可能である。
タイヤサイズが195/65R15であり、加硫後における100℃での破断伸びが250%であるゴム組成物をトレッド部に採用し、そのトレッド部にサイプを含む溝パターンを設けた空気入りタイヤを製造するにあたって、サイプを成形するためのブレードにその厚さ方向に貫通するベント孔を形成し、ブレードの少なくとも片面にベント孔からトレッド部の踏面まで延在するスリットを設け、ベント孔からトレッド部の踏面までの距離d、スリットの配置(ブレードの片面又は両面)、スリットの深さt、ブレードの厚さT、スリットの幅a、及び、ベント孔の直径φを表1のように設定した実施例1〜4の製造方法により空気入りタイヤを得た。
比較のため、ベント孔からトレッド部の踏面までの距離dを0.5mmとし、ブレードからスリットを排除したこと以外は実施例1〜4と同じ条件とした従来例1の製造方法により空気入りタイヤを得た。また、ベント孔からトレッド部の踏面までの距離dを1.0mmとしたこと以外は従来例1と同じ条件とした比較例1の製造方法により空気入りタイヤを得た。
上述した従来例1、比較例1及び実施例1〜4の製造方法によりそれぞれ1,000本の空気入りタイヤを製造し、得られた空気入りタイヤについてトレッド部の欠損の発生状況及びゴム流れ不良による外観不良の発生状況を目視により検査し、トレッド部の欠損の発生率及び外観不良の発生率を求め、その結果を表1に併せて示した。なお、トレッド部の欠損及び外観不良については厳格な判断を適用した。
Figure 2016175252
表1から明らかなように、実施例1〜4の製造方法では、従来例1との対比において、いずれもトレッド部の欠損の発生率及び外観不良の発生率が大幅に低減されていた。これに対して、ブレードにスリットを付加せずにベント孔からトレッド部の踏面までの距離dを大きくした比較例1では、トレッド部の欠損の発生率が低減されるものの、外観不良の発生率が大きくなっていた。
10 金型
15 ブレード
16 ベント孔
17 スリット
21 トレッド部
25 サイプ
26 ゴム柱
27 ゴム筋
T 空気入りタイヤ

Claims (10)

  1. 金型内に未加硫タイヤを装填し、前記未加硫タイヤを前記金型の内面に向かって加圧しながら加熱して、トレッド部にサイプを備えた空気入りタイヤを成形するようにした空気入りタイヤの製造方法において、前記金型の内面に前記サイプを成形するためのブレードを植え込み、該ブレードにその厚さ方向に貫通する少なくとも1つのベント孔を形成し、該ベント孔から前記トレッド部の踏面までの距離dを1.0mm以上に設定すると共に、前記ブレードの少なくとも片面に前記ベント孔から前記トレッド部の踏面まで延在するスリットを設けたことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記ブレードの両面に前記スリットを設けたことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 前記スリットの深さtと前記ブレードの厚さTとが0.2T≦t≦0.8Tの関係を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  4. 前記スリットの幅aと前記ベント孔の直径φとが0.3φ≦a≦φの関係を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  5. 加硫後における100℃での破断伸びが200%〜300%の範囲にあるゴム組成物を前記空気入りタイヤのトレッド部に採用したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  6. トレッド部にサイプを備えた空気入りタイヤを成形するためのタイヤ成形用金型において、金型内面に前記サイプを成形するためのブレードを植え込み、該ブレードにその厚さ方向に貫通する少なくとも1つのベント孔を形成し、該ベント孔から前記トレッド部の踏面までの距離dを1.0mm以上に設定すると共に、前記ブレードの少なくとも片面に前記ベント孔から前記トレッド部の踏面まで延在するスリットを設けたことを特徴とするタイヤ成形用金型。
  7. 前記ブレードの両面に前記スリットを設けたことを特徴とする請求項6に記載のタイヤ成形用金型。
  8. 前記スリットの深さtと前記ブレードの厚さTとが0.2T≦t≦0.8Tの関係を満足することを特徴とする請求項6又は7に記載のタイヤ成形用金型。
  9. 前記スリットの幅aと前記ベント孔の直径φとが0.3φ≦a≦φの関係を満足することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載のタイヤ成形用金型。
  10. 請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法によって得られる空気入りタイヤであって、前記サイプの内壁面に前記ベント孔に対応するゴム柱と前記スリットに対応するゴム筋とを有し、前記ゴム柱が切断された状態にあることを特徴とする空気入りタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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