JP2006326851A - タイヤ加硫用ブラダー - Google Patents

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JP2006326851A JP2005149243A JP2005149243A JP2006326851A JP 2006326851 A JP2006326851 A JP 2006326851A JP 2005149243 A JP2005149243 A JP 2005149243A JP 2005149243 A JP2005149243 A JP 2005149243A JP 2006326851 A JP2006326851 A JP 2006326851A
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昭憲 長榮
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Abstract

【課題】耐久性が向上されたタイヤ加硫用ブラダー2の提供。
【解決手段】タイヤ加硫用ブラダー2は、流体の充填により膨張する本体4と、この本体4の上端P1から半径方向略内向きに延びる上モールドグリップ6と、この本体4の下端P2から半径方向略内向きに延びる下モールドグリップ8と、この上モールドグリップ6からさらに半径方向略内向きに延びる上クランプ10と、この下モールドグリップ8からさらに半径方向略内向きに延びる下クランプ12とを備えている。この本体4は、架橋ゴムからなる。この本体4は、高モジュラスゴム18からなる第一ゴム領域14と、この第一ゴム領域14の下に位置し低モジュラスゴム20からなる第二ゴム領域16とを備えている。この第一ゴム領域14と第二ゴム領域16とは、軸方向に隣接して配されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤ加硫用ブラダーに関する。
ブラダーは、タイヤの加硫工程で用いられる。ブラダーはタイヤ加硫機に装着されているモールド内に組み込まれる。加硫成形前にあるタイヤ(ローカバー)がモールドとブラダー内に投入されると、モールドが型締めされ、ブラダー内に温水、水蒸気又はガス等の流体が充填される。ブラダー内に流体が充填されると、このブラダーはタイヤ内面と接触しながら膨張する。この膨張されたブラダーとモールドのキャビティ面とによって、ローカバーは加圧される。加硫温度に調整されたブラダー内の流体とモールドとによって、ローカバーは加熱される。この加圧と加熱とによって、ローカバーが加硫成形されタイヤが得られる。ブラダーは、タイヤ内面を形成する。
タイヤの加硫成形が完了すると、ブラダー内に充填されていた流体は排出される。流体が排出されると、ブラダーは収縮する。タイヤ加硫工程における流体の充填と排出とに応じて、ブラダーは膨張と収縮とを繰り返している。
ローカバーは種々の未加硫ゴム組成物及び種々のコードがシート状又は帯状に形成されたものが組み合わさって成形されているので、その内面は複雑な形状を有している。したがって、流体充填時にローカバー内面と接触しながら膨張するブラダー各部の伸長量は、均一ではない。ブラダーのモールド上型側に位置する領域は最後にローカバー内面と接触するので、特にこの領域にあるブラダー伸長量は他の部位に比して大きくなる。加硫回数が増えると、この領域におけるブラダーの厚みは薄くなりやすい。
ブラダーはローカバー内面を擦りながら膨張するので、摩擦による損傷も受ける。特にタイヤビードに相当する箇所と擦れる領域では、摩擦による損傷が激しい。そのため、この領域は、ブラダー破裂の起点になりやすい。
ブラダー内にガス及び蒸気等の流体が充填される加硫方式において、タイヤの品質低下が効果的に防止されうるタイヤ加硫用ブラダーが、特開平5−131454号に開示されている。モールド上型側のブラダー厚みは厚く、モールド下型側のブラダー厚みは薄くなるよう、このブラダーは構成されている。
特開平5−131454号公報
ブラダーの耐久性向上のためにその厚みが上げられると、ブラダーの熱伝導性が低下してしまう。このようなブラダーが用いられ従来通りの加硫条件でタイヤが製造された場合、加硫に必要な熱エネルギーが不足するので、タイヤ品質は低下する。不足した熱エネルギーが補われるために加硫時間が延ばされると、タイヤの生産性は低下する。このように加硫時間が延ばされて成形されたタイヤにおいても、タイヤの中で特に肉厚の薄い箇所であるサイドウォールが過加硫気味となり、タイヤ品質が低下する場合がある。
本発明の目的は、タイヤの生産性及び品質が損なわれることなく、耐久性の向上されたタイヤ加硫用ブラダーの提供にある。
本発明に係るタイヤ加硫用ブラダーは、流体の充填により膨張する本体と、この本体の上端から半径方向略内向きに延びる上モールドグリップと、この本体の下端から半径方向略内向きに延びる下モールドグリップとを備えている。この本体は、高モジュラスゴムからなる領域と低モジュラスゴムからなる領域とを備えている。この高モジュラスゴムからなる領域と低モジュラスゴムからなる領域とは、軸方向に隣接して配されている。
好ましくは、このブラダーでは、上記低モジュラスゴムの200%伸長時の引張応力MLに対する上記高モジュラスゴムの200%伸長時の引張応力MHの比(MH/ML)は、1.2以上1.8以下である。
好ましくは、このブラダーでは、上記引張応力MHは4.0MPa以上5.5MPa以下であり、上記引張応力MLは2.5MPa以上4.0MPa以下である。
好ましくは、このブラダーでは、上記本体は、上記高モジュラスゴムからなる第一ゴム領域と、この第一ゴム領域の下に位置し上記低モジュラスゴムからなる第二ゴム領域とを備えている。
好ましくは、このブラダーでは、上記本体の上端が点P1とされ、下端が点P2とされ、上記第一ゴム領域と上記第二ゴム領域との本体外周面上の境界位置が点P3とされたとき、この点P1と点P2との軸方向距離HAに対するこの点P1と点P3との軸方向距離HBの比(HB/HA)は0.10以上0.60以下である
好ましくは、このブラダーでは、上記本体は、上記高モジュラスゴムからなる第一ゴム領域と、この第一ゴム領域の下に位置し上記低モジュラスゴムからなる第二ゴム領域と、この第二ゴム領域の下に位置し上記高モジュラスゴムからなる第三ゴム領域とを備えている。
好ましくは、このブラダーでは、上記本体の上端が点P4とされ、下端が点P5とされ、上記第一ゴム領域と上記第二ゴム領域との本体外周面上の境界位置が点P6とされ、この第二ゴム領域と上記第三ゴム領域との本体外周面上の境界位置が点P7とされたとき、この点P4と点P5との軸方向距離HDに対するこの点P4と点P6との軸方向距離HEの比(HE/HD)は0.10以上0.40以下であり、このHDに対するこの点P5と点P7との軸方向距離HGの比(HG/HD)は0.10以上0.40以下である。
このタイヤ加硫用ブラダーは、高モジュラスゴムからなる領域と低モジュラスゴムからなる領域とを備えており、特に耐久性低下の著しい箇所に高モジュラスゴムが用いられているので、繰り返し伸長及び収縮に対するブラダーの耐久性は向上されている。ブラダーの耐久性向上のためにブラダーの厚みが変えられる必要はないので、タイヤ生産条件として既存の条件が適用できる。したがって、このブラダーは、タイヤ生産性及びタイヤ品質が損なわれることなくタイヤを生産できる。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤ加硫用ブラダー2が示された断面図である。この図1において、上下方向がタイヤ軸方向に相当する。この左右方向は、タイヤ半径方向に相当する。このブラダー2は、流体の充填により膨張する本体4と、この本体4の上端P1から半径方向略内向きに延びる上モールドグリップ6と、この本体4の下端P2から半径方向略内向きに延びる下モールドグリップ8と、この上モールドグリップ6からさらに半径方向略内向きに延びる上クランプ10と、この下モールドグリップ8からさらに半径方向略内向きに延びる下クランプ12とを備えている。この本体4の自由状態における厚みは、全体にわたって同じである。ここで、自由状態とは、ブラダー2がタイヤ加硫機に装着されているモールドに組み込まれていない状態を意味する。ブラダー2各部の寸法は、この自由状態において計測されている。なお、本体4の自由状態における最大厚みと最小厚みとの差が最小厚みの20%以下になるように、ブラダー2が成形されてもよい。
この本体4は、架橋ゴムからなる。この本体4は、第一ゴム領域14と、この第一ゴム領域14の下に位置する第二ゴム領域16とを備えている。この第一ゴム領域14と第二ゴム領域16とは、軸方向に隣接して配されている。この第一ゴム領域14、上モールドグリップ6及び上クランプ10には、高モジュラスゴム18が用いられている。この第二ゴム領域16、下モールドグリップ8及び下クランプ12には、低モジュラスゴム20が用いられている。なお、上モールドグリップ6と上クランプ10とに、第一ゴム領域14に配されている高モジュラスゴム18と異なる材質が用いられてもよい。下モールドグリップ8と下クランプ12とに、第二ゴム領域16に配されている低モジュラスゴム20と異なる材質が用いられてもよい。
このブラダー2がモールドに組み込まれると、この第一ゴム領域14はローカバー内面と最後に接触するモールド上型側に位置する。この第一ゴム領域14に高モジュラスゴム18が配されているので、特にこの領域におけるブラダー2の伸長量が他の部位に比して大きくなることはない。これに加え、ブラダー2とタイヤに備えられているビードとの摩擦による損傷が防止されるので、この領域はブラダー2の破裂の起点になることはない。このブラダー2は、耐久性に優れる。この第二ゴム領域16に低モジュラスゴム20が配されているので、ブラダー2の膨張機能は維持される。
この高モジュラスゴム18の200%伸長時の引張応力MHは、4.0MPa以上5.5MPa以下である。この引張応力MHが4.0MPa以上に設定されると、ブラダー2の耐久性は向上する。この観点から、この引張応力MHは4.2MPa以上がより好ましく、4.5MPa以上が特に好ましい。この引張応力MHが5.5MPa以下に設定されると、ブラダー2としての膨張機能が保持される。この観点から、この引張応力MHは5.3MPa以下がより好ましく、5.0MPa以下が特に好ましい。
200%伸張時の引張応力は、「JIS−K 6251」の規定に準拠して、下記に示される条件で測定される。
引張試験機:東洋精機製作所の商品名「ストログラフT型」
試験片形状:ダンベル3号
引張速度:500mm/min
この試験片は、ブラダー2から切り出される。切り出しが困難な場合は、ブラダー2のゴム組成物と同一のゴム組成物からなるスラブから試験片が打ち抜かれる。温度が160℃である金型内でゴム組成物が10分間保持されることで、このスラブは得られる。
この低モジュラスゴム20の200%伸長時の引張応力MLは、2.5MPa以上4.0MPa以下である。この引張応力MLが2.5MPa以上に設定されると、ブラダー2の耐久性は向上する。この観点から、この引張応力MLは2.7MPa以上がより好ましく、3.0MPa以上が特に好ましい。この引張応力MLが4.0MPa以下に設定されると、ブラダー2としての膨張機能が保持される。この観点から、この引張応力MLは3.8MPa以下がより好ましく、3.5MPa以下が特に好ましい。
この低モジュラスゴム20の200%伸長時の引張応力MLに対するこの高モジュラスゴム18の200%伸長時の引張応力MHの比(MH/ML)は、1.2以上1.8以下である。この比(MH/ML)が1.2以上に設定されると、ブラダー2の耐久性が向上する。この観点から、この比(MH/ML)は1.3以上がより好ましく、1.4以上が特に好ましい。この比(MH/ML)が1.8以下に設定されると、ブラダー2としての膨張機能が保持される。この観点から、この比(MH/ML)は1.7以下がより好ましく、1.6以下が特に好ましい。
この本体4に用いられるゴムの材質としては、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、クロロプレンゴム、イソブチレン−P−メチルスチレン共重合体臭化物が例示される。この材質が考慮され、高モジュラスゴム18と低モジュラスゴム20とが得られる。コストパフォーマンスの観点から、ブチルゴムが好ましい。なお、この高モジュラスゴム18と低モジュラスゴム20とは、異なるゴム材質から形成されてもよい。
この高モジュラスゴム18と低モジュラスゴム20とは、バンバリーミキサーなどの混練り機が用いられて製造されたゴム組成物が加硫成形されて得られる。このゴム組成物には、無機充填剤、架橋剤、加硫促進剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、可塑剤、有機補強剤、老化防止剤、耐熱性向上剤、難燃剤、熱伝導付与剤等の薬品が含有されうる。この薬品の種類及び量が調整され、高モジュラスゴム18と低モジュラスゴム20とが得られる。なお、ブラダー2の耐久性が向上されるために、このゴム組成物に繊維状又は粒子状にあるポリオレフィン及びナイロンが含有されてもよい。
耐摩耗性が向上されるために、この無機充填剤にカーボンブラックが用いられもよい。カーボンブラックとしては、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF等のファーネス系カーボンブラック及びアセチレンブラックが例示される。耐摩耗性の観点から、このゴム組成物における全ゴム成分100質量部に対するカーボンブラックが含有される場合の含有量は、20質量部以上が好ましい。ブラダー2としての膨張機能が保持されるという観点から、この含有量は80質量部以下が好ましい。このカーボンブラックの含有量が調整され、高モジュラスゴム18と低モジュラスゴム20とが得られる。高モジュラスゴム18においては、全ゴム成分100質量部に対する含有量は40質量部以上80質量部以下であるのが好ましい。低モジュラスゴム20においては、この含有量は20質量部以上60質量部以下であるのが好ましい。
このブラダー2の製造方法は、次の通りである。まず、未加硫状態にある高モジュラスゴム18と低モジュラスゴム20とが層状に押し出されたシートが形成される。このシートから、モールド上型側の領域に高モジュラスゴム18が配され、モールド下型側の領域に低モジュラスゴム20が配されるように予備成形体は成形される。次にこの予備成形体はブラダーモールド内に投入され、適切な圧力及び温度で加圧及び加熱される。この加圧と加熱とによって、この予備成形体のゴム組成物は流動する。さらに加熱によりこの予備成形体のゴム組成物が、架橋反応を起こす。この予備成形体のゴム組成物が完全に架橋され、ブラダー2が得られる。
図2は、図1のブラダー2がモールド22内に組み込まれ、タイヤ24が加硫成形されている状態の一部が示された断面図である。この図2において、上下方向がタイヤ24の軸方向に相当する。この左右方向は、タイヤ24の半径方向に相当する。なお、この一点鎖線LLは、タイヤ24の赤道面相当線である。このモールド22は、軸方向とタイヤ加硫機の上下方向とが一致するように装着されている。
このモールド22は、トレッドの外面が形成されるトレッドセグメント26と、サイドウォールの外面が形成される上型サイドモールド28及び下型サイドモールド30と、ビードの外面が形成される上部ビードリング32及び下部ビードリング34と、上モールドグリップ6と上クランプ10とが固定されるモールドリング36及び上部クランプリング38と、下モールドグリップ8と下クランプ12とが固定される下部クランプリング40とを備えている。このモールド22は、割モールドである。なお、モールド22として、2ピースモールドが用いられてもよい。
タイヤ24が製造されるためには、まず予備成形工程でローカバーが成形される。このローカバーは、種々の未架橋ゴム組成物及び種々のコードがシート状又は帯状に形成されたものが組み合わさって成形されている。なお、ローカバーは、加硫成形前のタイヤ24の成形体であり、グリーンタイヤとも称せられている。
ローカバーは、モールド22とブラダー2との間に投入される。ローカバーがモールド22内に投入されると、モールド22が型締めされる。次いでブラダー2内には温水、水蒸気又はガス等の流体が充填される。この流体充填に伴い、ブラダー2はモールド22内面に向かって膨張する。このブラダー2の膨張によって、ローカバーは加圧される。ローカバーは、モールド22内で適切な温度で加熱される。この加圧と加熱とによって、ローカバーのゴム組成物が流動する。さらに加熱によりローカバーのゴム組成物が架橋反応を起こす。ローカバーのゴム組成物が完全に架橋され、タイヤ24が得られる。
この図1において、点P3は、第一ゴム領域14と第二ゴム領域16との本体4の外周面上の境界位置を表している。両矢印線HAは、この本体4の上端P1と下端P2との軸方向距離を表している。両矢印線HBは、この点P1と点P3との軸方向距離を表している。両矢印線HCは、この点P2と点P3との軸方向距離を表している。
このHAに対するHBの比(HB/HA)は、0.10以上0.60以下である。この比(HB/HA)が0.10以上に設定されると、このブラダー2の耐久性が向上する。この観点から、この比率は0.20以上がより好ましく、0.30以上が特に好ましい。この比率が、0.60以下に設定されると、このブラダー2の膨張機能が保持される。この観点から、この比率は0.50以下がより好ましく、0.40以下が特に好ましい。
図3は、本発明の他の実施形態に係るタイヤ加硫用ブラダー42が示された断面図である。この図3においても、上下方向がタイヤ24の軸方向に相当する。この左右方向は、タイヤ24の半径方向に相当する。このブラダー42は、流体の充填により膨張する本体44と、この本体44の上端P4から半径方向略内向きに延びる上モールドグリップ46と、この本体44の下端P5から半径方向略内向きに延びる下モールドグリップ48と、この上モールドグリップ46からさらに半径方向略内向きに延びる上クランプ50と、この下モールドグリップ48からさらに半径方向略内向きに延びる下クランプ52とを備えている。
このブラダー42の本体44は、第一ゴム領域54と、この第一ゴム領域54の下に位置する第二ゴム領域16と、この第二ゴム領域56の下に位置する第三ゴム領域58とを備えている。この第一ゴム領域54、上モールドグリップ46及び上クランプ50には、高モジュラスゴム18が用いられている。この第二ゴム領域56には低モジュラスゴム20が用いられている。この第三ゴム領域58、下モールドグリップ48及び下クランプ52には、高モジュラスゴム18が用いられている。モールド22の下型側にありブラダー42とビードとの摩擦による損傷が懸念されるこの第三ゴム領域58にも高モジュラスゴム18が配されているので、このブラダー42は耐久性に優れる。なお、上モールドグリップ46と上クランプ50とに、第一ゴム領域54に配されている高モジュラスゴム18と異なる材質が用いられてもよい。下モールドグリップ48と下クランプ52とに、第三ゴム領域58に配されている高モジュラスゴム18と異なる材質が用いられてもよい。
この図3において、点P6は、上記第一ゴム領域54と上記第二ゴム領域56との本体44の外周面上の境界位置を表している。点P7は、この第二ゴム領域56と上記第三ゴム領域58との本体44の外周面上の境界位置を表している。両矢印線HDは、この点P4と点P5との軸方向距離を表している。両矢印線HEは、この点P4と点P6との軸方向距離を表している。両矢印線HGは、この点P5と点P7との軸方向距離を表している。両矢印線HFは、この点P6と点P7との軸方向距離を表している。
このHDに対するHEの比(HE/HD)は、0.10以上0.40以下である。この比(HE/HA)が0.10以上に設定されると、このブラダー42の耐久性が向上する。この観点から、この比(HE/HD)は0.15以上がより好ましく、0.20以上が特に好ましい。この比(HE/HD)が0.40以下に設定されると、このブラダー42の膨張機能が保持される。この観点から、この比(HE/HD)は0.35以下がより好ましく、0.30以下が特に好ましい。
このHDに対するHGの比(HG/HD)は、0.10以上0.40以下である。この比(HG/HD)が0.10以上に設定されると、このブラダー42の耐久性が向上する。この観点から、この比(HG/HD)は0.15以上がより好ましく、0.20以上が特に好ましい。この比(HG/HD)が0.40以下に設定されると、このブラダー42の膨張機能が保持される。この観点から、この比(HG/HD)は0.35以下がより好ましく、0.30以下が特に好ましい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示された基本構成が備えられ、下記表1に示された仕様を備えた実施例1のタイヤ加硫用ブラダーを得た。このブラダーで製造されるタイヤサイズは、175/60R14である。この本体の外周面の周長は、370mmである。このブラダーの本体は、高モジュラスゴムからなる第一ゴム領域と、この第一ゴム領域の下に位置し低モジュラスゴムからなる第二ゴム領域とを備えている。この高モジュラスゴムの200%伸長時の引張応力MHは、5.0MPaである。この低モジュラスゴムの200%伸長時の引張応力MLは、3.8MPaである。この本体の上端が点P1とされ、その下端が点P2とされ、第一ゴム領域と第二ゴム領域との本体外周面における境界位置が点P3とされたとき、この点P1と点P2との軸方向距離HAに対するこの点P1と点P3との軸方向距離HBの比(HB/HA)は、0.35である。
[実施例2から実施例9]
高モジュラスゴムの引張応力MHを下記表1及び表2に示される通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤ加硫用ブラダーを得た。
[実施例10から実施例15]
低モジュラスゴムの引張応力MLを下記表2に示される通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤ加硫用ブラダーを得た。
[実施例16及び実施例17]
比(HB/HA)を下記表2に示される通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤ加硫用ブラダーを得た。
[比較例1及び2]
単一の架橋ゴムで形成されその架橋ゴムのタイプを下記表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤ加硫用ブラダーを得た。比較例1の架橋ゴムには、引張応力MLが3.8MPaである低モジュラスゴムが用いられている。比較例2の架橋ゴムには、引張応力MHが5.0MPaである高モジュラスゴムが用いられている。
[実施例18]
図3に示された基本構成が備えられ、下記表3に示された仕様を備えた実施例18のタイヤ加硫用ブラダーを得た。このブラダーで製造されるタイヤサイズ及びこの本体の外周面の周長は、実施例1と同様である。このブラダーは、引張応力MHが5.0MPaである高モジュラスゴムと引張応力MLが3.8MPaである低モジュラスゴムとから形成されている。このブラダーの本体は、高モジュラスゴムからなる第一ゴム領域と、この第一ゴム領域の下に位置し低モジュラスゴムからなる第二ゴム領域と、この第二ゴム領域の下に位置し高モジュラスゴムからなる第三ゴム領域とを備えている。この本体の上端が点P4とされ、その下端が点P5とされ、第一ゴム領域と第二ゴム領域との本体外周面における境界位置が点P6とされ、第二ゴム領域と第三ゴム領域との本体外周面における境界位置が点P7とされたとき、点P4と点P5との軸方向距離HDに対する点P4と点P6との軸方向距離HEの比(HE/HD)は、0.25である。このHDに対する点P5と点P7との軸方向距離HGの比(HG/HD)は、0.25である。
[実施例19から実施例22]
高モジュラスゴムの引張応力MHを下記表3に示される通りとした他は実施例18と同様にして、タイヤ加硫用ブラダーを得た。
[実施例23から実施例26]
比(HE/HD)、比(HF/HD)及び比(HG/HD)を下記表3に示される通りとした他は実施例18と同様にして、タイヤ加硫用ブラダーを得た。
[実施例27]
第三ゴム領域に備えられる高モジュラスゴムを引張応力MHが5.6MPaである架橋ゴムとした他は実施例18と同様にして、タイヤ加硫用ブラダーを得た。
[ブラダーライフ評価]
試作ブラダーがタイヤ加硫機に組み込まれ、タイヤサイズが175/60R14であるタイヤが製造された。組み込んだブラダーが破裂するまでタイヤが製造され、ブラダーが破裂するまでの加硫回数が計測された。各試作ブラダー毎のサンプル数は、20個とした。この20個のブラダーの破裂するまでの加硫回数の平均値を求め、この平均値を比較例1が100とされた指数で表示した。この指数が、ブラダーライフである。このブラダーライフは、ブラダーの耐久性に関する指標値である。このブラダーライフが大きいブラダーほど、耐久性に優れていることを表している。この結果が、下記の表1、表2及び表3に示されている。
Figure 2006326851

Figure 2006326851
Figure 2006326851
表1、表2及び表3に示されるように、実施例のブラダーでは、ブラダーライフが大きい。したがってこのブラダーは、耐久性に優れている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係るタイヤ加硫用ブラダーは、種々のタイヤ加硫機で用いられうる。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤ加硫用ブラダーが示された断面図である。 図2は、図1のブラダーがモールド内に組み込まれ、タイヤが加硫成形されている状態の一部が示された断面図である。 図3は、本発明の他の実施形態に係るタイヤ加硫用ブラダーが示された断面図である。
符号の説明
2、42・・・ブラダー
4、44・・・本体
6、46・・・上モールドグリップ
8、48・・・下モールドグリップ
10、50・・・上クランプ
12、52・・・下クランプ
14、54・・・第一ゴム領域
16、56・・・第二ゴム領域
18・・・高モジュラスゴム
20・・・低モジュラスゴム
22・・・モールド
24・・・タイヤ
26・・・トレッドセグメント
28・・・上型サイドモールド
30・・・下型サイドモールド
32・・・上部ビードリング
34・・・下部ビードリング
36・・・モールドリング
38・・・上部クランプリング
40・・・下部クランプリング
58・・・第三ゴム領域

Claims (7)

  1. 流体の充填により膨張する本体と、この本体の上端から半径方向略内向きに延びる上モールドグリップと、この本体の下端から半径方向略内向きに延びる下モールドグリップとを備えており、
    この本体が、高モジュラスゴムからなる領域と低モジュラスゴムからなる領域とを備えており、
    この高モジュラスゴムからなる領域と低モジュラスゴムからなる領域とが、軸方向に隣接して配されているタイヤ加硫用ブラダー。
  2. 上記低モジュラスゴムの200%伸長時の引張応力MLに対する上記高モジュラスゴムの200%伸長時の引張応力MHの比(MH/ML)が、1.2以上1.8以下である請求項1に記載のブラダー。
  3. 上記引張応力MHが4.0MPa以上5.5MPa以下であり、上記引張応力MLが2.5MPa以上4.0MPa以下である請求項1又は2に記載のブラダー。
  4. 上記本体が、上記高モジュラスゴムからなる第一ゴム領域と、この第一ゴム領域の下に位置し上記低モジュラスゴムからなる第二ゴム領域とを備えている請求項1から3のいずれかに記載のブラダー。
  5. 上記本体の上端が点P1とされ、その下端が点P2とされ、上記第一ゴム領域と上記第二ゴム領域との本体外周面上の境界位置が点P3とされたとき、この点P1と点P2との軸方向距離HAに対するこの点P1と点P3との軸方向距離HBの比(HB/HA)が、0.10以上0.60以下である請求項4に記載のブラダー。
  6. 上記本体が、上記高モジュラスゴムからなる第一ゴム領域と、この第一ゴム領域の下に位置し上記低モジュラスゴムからなる第二ゴム領域と、この第二ゴム領域の下に位置し上記高モジュラスゴムからなる第三ゴム領域とを備えている請求項1から3のいずれかに記載のブラダー。
  7. 上記本体の上端が点P4とされ、下端が点P5とされ、上記第一ゴム領域と上記第二ゴム領域との本体外周面上の境界位置が点P6とされ、この第二ゴム領域と上記第三ゴム領域との本体外周面上の境界位置が点P7とされたとき、この点P4と点P5との軸方向距離HDに対するこの点P4と点P6との軸方向距離HEの比(HE/HD)が、0.10以上0.40以下であり、このHDに対するこの点P5と点P7との軸方向距離HGの比(HG/HD)が、0.10以上0.40以下である請求項6に記載のブラダー。
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JP2010000723A (ja) * 2008-06-20 2010-01-07 Sumitomo Rubber Ind Ltd 加硫ブラダー
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DE102008010112B4 (de) 2008-02-20 2020-06-10 Continental Reifen Deutschland Gmbh Vorrichtung zum Vulkanisieren von Fahrzeugreifen mit einem Vulkanisationsbalg

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