JP2006327468A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】 サイドウォ−ル部におけるゴムの過加硫を抑制することにより、耐久性を向上させるようにした空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】 トレッド部4の最大ゴム厚さの60%以下に相当する厚さを有するサイドウォ−ル部3の領域Rに、熱伝導率が0.25kcal/mh・℃以下の低熱伝導ゴム層10を挿入した。
【選択図】 図1
【解決手段】 トレッド部4の最大ゴム厚さの60%以下に相当する厚さを有するサイドウォ−ル部3の領域Rに、熱伝導率が0.25kcal/mh・℃以下の低熱伝導ゴム層10を挿入した。
【選択図】 図1
Description
本発明は空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、サイドウォ−ル部におけるゴムの過加硫を抑制することにより、カーカス層の耐久性を向上するようにした空気入りタイヤに関する。
一般に、空気入りタイヤの加硫条件は、加硫されるまでの時間を最も長く必要とする部位を基準にして定められている。そして、この部位はゴム厚の大きいトレッド部であるため、通常、トレッド部のうち最大厚さの箇所を基準にして加硫条件を設定している。
したがって、トレッド部に比較してゴム厚の薄いサイドウォ−ル部では、ゴムが過加硫の状態になる傾向があるため、カ−カスコードとこれを被覆するゴムとの間の接着性が低下し、カ−カス層の耐久性が低下するという問題があった。
従来、上述するような過加硫を防止する対策として、タイヤの各部位における加硫進行度を把握し、これによりタイヤの加硫条件を設定する方法(例えば、特許文献1参照)、トレッド部を構成するゴムに特殊な化合物を配合して加硫速度を短縮させる方法(例えば、特許文献2参照)などの提案がある。しかしながら、前者の提案では制御方法が複雑であると共に、タイヤ仕様を変更する毎に設定条件を変更する必要があるため、製造管理が難しく、また後者の提案では最適な条件を見つけ出すことが難しいという問題がある。
特開2001−172432号
特開平7−9457号
本発明の目的は、かかる従来の問題点を解消し、簡単な手法でありながら、サイドウォ−ル部におけるゴムの過加硫を抑制して、カーカス層の耐久性を向上させるようにした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、トレッド部の最大ゴム厚さの60%以下に相当する厚さを有するサイドウォ−ル部の領域に、熱伝導率が0.25kcal/mh・℃以下の低熱伝導ゴム層を挿入したことを要旨とする。
本発明によれば、トレッド部の最大ゴム厚さの60%以下に相当する厚さを有するサイドウォ−ル部の領域に、熱伝導率が0.25kcal/mh・℃以下の低熱伝導ゴム層を挿入したので、タイヤ加硫時における金型及び/又はブラダーからの熱をカーカス層の被覆ゴムに伝導し難くして、被覆ゴムが過加硫の状態になることを防ぐことにより、カ−カスコードと被覆ゴムとの間の接着性の低下を抑制して、カーカス層の耐久性を向上することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の実施形態による空気入りタイヤの一例を示す半断面図である。
図1において、空気入りタイヤ1は左右一対のビ−ド部2、2と、これらビ−ド部2、2からそれぞれ半径方向外側に延びるサイドウォ−ル部3、3と、これらサイドウォ−ル部3、3の半径方向外側同士を連ねる円筒状のトレッド部4を備えている。
左右一対のビ−ド部2、2間にはカ−カス層5が装架され、カ−カス層5の両端部5a、5aがそれぞれビ−ド部2、2に埋設されたビ−ドコア6、6の周囲をタイヤ内側から外側に向かって折り返されている。タイヤクラウン部におけるカ−カス層5の半径方向外側には互いにコ−ドの方向が交差する2層のベルト層7a、7bが配置され、その半径方向外側にベルトカバ−層8が配置されている。なお、図中9はインナ−ライナ−層を示している。
本発明の空気入りタイヤ1は、トレッド部4の最大ゴム厚さTの60%以下に相当する厚さtを有するサイドウォ−ル部3の領域R(図ではカ−カス層5のタイヤ外側)に、熱伝導率がサイドウォ−ル部3のゴムよりも低い0.25kcal/mh・℃以下、好ましくは0.1〜0.2kcal/mh・℃の低熱伝導ゴム層10を挿入している。
ここで、トレッド部4の最大ゴム厚さTとは、トレッド部4におけるカ−カス層5に対して垂直方向に測定されるトレッド部4の最大ゴム厚さをいい、通例は、図1に示すようにタイヤショルダ−域におけるタイヤ壁の肉厚がこれに該当する。
このようにサイドウォ−ル部3の領域Rに低熱伝導ゴム層10を配置することにより、タイヤ加硫時における金型からの熱をカーカス被覆ゴムに伝導し難くして、被覆ゴムが過加硫の状態になることを防ぎ、カ−カスコードと被覆ゴムとの間の接着性の低下を抑制して、カーカス層の耐久性を向上することができる。
トレッド部4の最大ゴム厚さTの60%超に相当する厚さを有する領域では、最大ゴム厚さTにおける加硫度にほぼ近い状態で加硫が進行するため、上述する低熱伝導ゴム層10を配置する必要がない。なお、サイドウォ−ル部3を構成するゴム層には、通例、熱伝導率が0.27〜0.30kcal/mh・℃程度のゴムが使用される。
なお、本発明における熱伝導率は、25℃で測定される熱伝導率(kcal/mh・℃)であって、例えば、Shotherm QTM迅速熱伝導率計(昭和電工株式会社製)を用いて測定されるものである。
上述する熱伝導率が0.25kcal/mh・℃以下の低熱伝導ゴム層10を得る方法は特に限定されるものではない。例えば、好適にはゴム組成物中にシリカを配合することにより得られる。そして、シリカの配合量を調整することにより、熱伝導率の調整がなされる。また、ゴム組成物中に中空ポリマ−を混合したり、発泡ゴムの形態にすることにより、低熱伝導ゴムを得ることができる。
なお、図1では、低熱伝導ゴム層10をカ−カス層5のタイヤ外側に隣接させて挿入した場合を示したが、低熱伝導ゴム層10をカ−カス層5のタイヤ内側のインナ−ライナ−層9との間に挿入することができる。これにより、タイヤ加硫時におけるブラダ−からの熱をカーカス被覆ゴムに伝導し難くすることができる。
さらに好ましくは、上述する低熱伝導ゴム層9をサイドウォ−ル部3の領域R内におけるカ−カス層5のタイヤ内側と外側とに挿入するようにするとよい。これにより、タイヤ加硫時における金型及びブラダ−からの熱の伝導を効率的に低下させて、被覆ゴムが過加硫状態になるのを防ぎ、カ−カスコードと被覆ゴムとの間の接着性の低下を一層抑制することができる。
図2は上述するサイドウォ−ル部3の領域Rにおける本発明タイヤと従来タイヤとのカ−カス層5を被覆するゴムの熱履歴(加硫中の被覆ゴムの温度と等価加硫度との変遷)を示すもので、実線は従来タイヤの熱履歴を、破線は本発明タイヤの熱履歴をそれぞれ示している。図に示すように、本発明タイヤでは、サイドウォ−ル部3の領域R内に低熱伝導ゴム層10を配置しているため、カ−カス層5の被覆ゴムの加硫中の温度の上昇は、従来タイヤに比して抑制され、これに伴い、加硫の進行度(等価加硫度)も従来タイヤに比して抑制されている。
上述するように、本発明の空気入りタイヤは、トレッド部の最大ゴム厚さの60%以下に相当する厚さを有するサイドウォ−ル部の領域に、熱伝導率が0.25kcal/mh・℃以下の低熱伝導ゴム層を挿入することにより、この部位におけるカーカス被覆ゴムの過加硫を防いでカーカス層の耐久性を向上させるもので、タイヤの種類やサイズに関係なく各種のタイヤに幅広く適用することができる。
タイヤサイズを195/65R15、タイヤ構造を図1(トレッド部の最大ゴム厚さT=15.0mm)として、サイドウォ−ル部の領域R(厚さt≦9.0mm)内に低熱伝導ゴム層を挿入しなかった従来タイヤと、熱伝導率が0.2kcal/mh・℃の低熱伝導ゴム層を図1に示すように挿入した本発明タイヤとを作製した。
各タイヤについて、以下の方法によりカ−カス被覆ゴム層の等価加硫度及びカ−カスコ−ドと被覆ゴムとの剥離力を測定し、その結果をカ−カス被覆ゴム層の等価加硫度については表1に、カ−カスコ−ドと被覆ゴムとの剥離力については表2にそれぞれ示した。
〔カ−カス被覆ゴム層の等価加硫度〕
加硫中の最大ゴム厚のトレッド部及びタイヤ最大幅位置(図1のQ)におけるカ−カス層の温度を測定して、アレニウスの式により等価加硫度を計算し、その結果を従来タイヤを100とする指数により示した。
加硫中の最大ゴム厚のトレッド部及びタイヤ最大幅位置(図1のQ)におけるカ−カス層の温度を測定して、アレニウスの式により等価加硫度を計算し、その結果を従来タイヤを100とする指数により示した。
〔カ−カスコ−ドと被覆ゴムとの剥離力〕
加硫後のタイヤのタイヤ最大幅位置(図1のQ)の近傍におけるカ−カス層を取り出して、カ−カスコ−ドとタイヤ外側の被覆ゴムとの剥離力を測定し、その結果を従来タイヤを100とする指数により示した。
加硫後のタイヤのタイヤ最大幅位置(図1のQ)の近傍におけるカ−カス層を取り出して、カ−カスコ−ドとタイヤ外側の被覆ゴムとの剥離力を測定し、その結果を従来タイヤを100とする指数により示した。
表1の結果より、従来タイヤのタイヤ最大幅位置におけるカ−カス被覆ゴムは過加硫の状態であったものが、本発明タイヤでは同位置における等価加硫度の上昇が抑制されていることがわかる。
1 空気入りタイヤ
2 ビ−ド部
3 サイドウォ−ル部
4 トレッド部
5 カ−カス層
6 ビ−ドコア
7a、7b ベルト層
8 ベルトカバ−層
9 インナ−ライナ−層
10 低熱伝導ゴム層
2 ビ−ド部
3 サイドウォ−ル部
4 トレッド部
5 カ−カス層
6 ビ−ドコア
7a、7b ベルト層
8 ベルトカバ−層
9 インナ−ライナ−層
10 低熱伝導ゴム層
Claims (4)
- トレッド部の最大ゴム厚さの60%以下に相当する厚さを有するサイドウォ−ル部の領域に、熱伝導率が0.25kcal/mh・℃以下の低熱伝導ゴム層を挿入した空気入りタイヤ。
- 前記低熱伝導ゴム層をカ−カス層のタイヤ外側及び/又はタイヤ内側に挿入した請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記低熱伝導ゴム層がシリカを配合したゴム組成物からなる請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記低熱伝導ゴム層が中空ポリマーを配合したゴム組成物又は発泡ゴムからなる請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005155429A JP2006327468A (ja) | 2005-05-27 | 2005-05-27 | 空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Family
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JP2005155429A Pending JP2006327468A (ja) | 2005-05-27 | 2005-05-27 | 空気入りタイヤ |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2006327468A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5252091B2 (ja) * | 2010-06-04 | 2013-07-31 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ |
JP5494894B1 (ja) * | 2013-08-12 | 2014-05-21 | 横浜ゴム株式会社 | 乗用車用空気入りタイヤ |
-
2005
- 2005-05-27 JP JP2005155429A patent/JP2006327468A/ja active Pending
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WO2015022720A1 (ja) * | 2013-08-12 | 2015-02-19 | 横浜ゴム株式会社 | 乗用車用空気入りタイヤ |
CN105408130A (zh) * | 2013-08-12 | 2016-03-16 | 横滨橡胶株式会社 | 乘用车用充气轮胎 |
CN105408130B (zh) * | 2013-08-12 | 2017-10-20 | 横滨橡胶株式会社 | 乘用车用充气轮胎 |
US11453250B2 (en) | 2013-08-12 | 2022-09-27 | The Yokohama Rubber Co., Ltd. | Pneumatic tire for passenger vehicle |
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