JP5013755B2 - 更生タイヤ - Google Patents

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Description

本発明は更生タイヤ関し、特に繰り返し更生しても耐久性の低下が小さく、高い耐久性を有する更生タイヤ関するものである。
従来、航空機用タイヤ等の高価なタイヤにおいては、トレッドゴムが摩耗した場合、該トレッドゴムを除去し、摩耗したトレッドゴムの代わりに更生ゴムを貼り付けてタイヤを更生することが一般に行われている。ここで、トレッドゴムのみを精度良く取り除くことが一般に難しいため、更生が予定されているタイヤにおいては、トレッドゴムのタイヤ半径方向内側で且つカーカスのタイヤ半径方向外側にクッションゴムを配設し、更生の際には、トレッドゴムとクッションゴムの一部を除去し、クッションゴムのタイヤ半径方向内側に位置するカーカスを傷つけないようにするのが一般的である。
しかしながら、上記のようにして作製された更生タイヤにおいては、トレッドゴムとクッションゴムの一部を除去された後の台タイヤと更生ゴムとの界面、即ち、更生界面に剥離が生じやすいため、更生界面での剥離強力の向上が求められている。そして、これまで更生界面における剥離強力を向上させるための様々な技術が提案されてきた。
例えば、特開2004−43640号公報(特許文献1)には、特定構造の化合物を特定量配合してなり、低温且つ短時間での加硫特性に優れ、高い耐破壊特性を示すゴム組成物をクッションゴムに使用することが開示されている。
また、特許第3502176号公報(特許文献2)には、更生クッションゴムの100%モジュラスと、台タイヤのカーカスプライのコーティングゴムの100%モジュラスとの比率を特定の範囲にコントロールすることで、更生タイヤの耐久性を向上させる技術が開示されている。
しかしながら、上記特許文献に記載の技術によっても、更生界面での剥離強力に依然として改良の余地があり、更に耐久性の高い更生タイヤが求められている。
特開2004−43640号公報 特許第3502176号公報
ところで、従来技術においては、繰り返し更生を行った後の更生タイヤの耐久性低下の抑制に関して検討した例は少なく、特に何度も更生が行われる航空機用タイヤ等の高速高荷重用タイヤの耐久性低下を十分に抑制することができていない。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、繰り返し更生された後でも高い耐久性を有する更生タイヤ提供することにある
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、更生タイヤの更生界面近傍における硫黄含有量が更生タイヤの耐久性と密接に関連しており、更生を繰り返すことで更生界面近傍に硫黄が濃縮され、即ち、更生毎に更生ゴム(新ゴム)側から台タイヤ(加硫ゴム)側に硫黄が移行して、台タイヤの更生界面近傍に硫黄が濃縮され、それによって更生界面近傍のゴムの熱劣化が促進され、更生タイヤの更生界面での剥離強力が低下することを解明した。また、本発明者は、更に検討を進めた結果、(1)クッションゴム中の硫黄濃度を所定の範囲に制御したり、(2)カーカスとクッションゴムの間にベルトを配置する場合は、該ベルトに用いるベルトゴム中の硫黄濃度を所定の範囲に制御したり、(3)貼付される更生ゴムの更生界面から所定範囲内の硫黄濃度を所定の範囲に制御することで、ベルトゴム及び/又はクッションゴム中の硫黄濃度を低いレベルに抑え、或いはベルトゴム及び/又はクッションゴム中の硫黄濃度の上昇を抑制することができ、それにより、更生タイヤの更生界面での剥離強力の低下が抑制され、更生タイヤの耐久性の低下を抑制できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
また、本発明更生タイヤは、トレッドセンター部が少なくともタイヤ半径方向内側からカーカス、ベルト及び/又はクッションゴム、並びに更生ゴムを有し、前記ベルトが複数のコードをベルトゴムで被覆してなるベルト層の一層以上からなり、前記更生ゴムの更生界面から5mm以内の部分の硫黄濃度が0.75〜1.80質量%であることを特徴とする。
なお、上記更生界面は、上記クッションゴムのトレッド部のタイヤ半径方向最外面でもあるし、上記更生ゴムのタイヤ半径方向最内面でもある。
また、上記更生ゴムの更生界面から5mm以内の部分の硫黄濃度は、0.80〜1.40質量%の範囲が好ましく、0.90〜1.20質量%の範囲が更に好ましい。
本発明更生タイヤの好適例においては、未更生時(新品時)の前記ベルトゴム及び/又はクッションゴム中の硫黄濃度が0.75〜1.80質量%である。
この場合、更生後のベルトゴム及び/又はクッションゴム中の硫黄濃度を更に低減して、更生界面での剥離強力の低下並びにタイヤの耐久性の低下を更に抑制することができる。
ここで、未更生時の上記ベルトゴム及び/又はクッションゴム中の硫黄濃度は、0.80〜1.40質量%の範囲が好ましく、0.90〜1.20質量%の範囲が更に好ましい。
本発明更生タイヤの他の好適例においては、前記カーカスが複数のコードをコーティングゴムで被覆してなるカーカスプライの一枚以上からなり、タイヤ半径方向最外側のカーカスプライを構成するコード又は前記ベルト層を構成するコードと前記更生界面との距離が5mm以下である
更に、本発明更生タイヤは、トレッドセンター部が少なくともタイヤ半径方向内側からカーカス、ベルト及び/又はクッションゴム、並びに更生ゴムを有し、前記ベルトが複数のコードをベルトゴムで被覆してなるベルト層の一層以上からなり、前記ベルトゴム及び/又はクッションゴム中の硫黄濃度Cと更生回数Nとが、下記式(I): C ≦ −0.015×N2+0.65×N+1.80 ・・・ (I)[式中、Cはベルトゴム及び/又はクッションゴム中の硫黄濃度(質量%)であり、Nは更生回数である]の関係を満たすことを特徴とする。
本発明更生タイヤの好適例においては、前記更生回数Nが10以下の自然数である。この場合、更生タイヤが十分に高い耐久性を有する。
本発明によれば更生ゴムの更生界面から5 m m以内の部分の硫黄濃度が0 . 7 5〜 1 . 8 0質量% の範囲にあり、繰り返し更生された後でも高い耐久性を有する更生タイヤ提供することができる。更に、ベルトゴム及び/ 又はクッションゴム中の硫黄濃度C と更生回数N とが上記式( I )の関係式を満たし、繰り返し更生された後でも高い耐久性を有する更生タイヤを提供することができる。なお、本発明によれば、従来よりもタイヤの更生可能回数が増えるため、ユーザー側の費用を削減することができ、また、タイヤのトータルライフが延びるため、省資源化を実現することもできる。
以下に、図を参照して本発明のタイヤ及び更生タイヤを詳細に説明する。図1は、本発明のタイヤのトレッドセンター部の一例の断面図であり、図2は、図1に示すタイヤからトレッドゴム、タイヤ半径方向外側のベルト及びクッションゴムの一部を除去して形成した台タイヤのトレッドセンター部の一例の断面図であり、図3は、図2に示す台タイヤのトレッド部のタイヤ半径方向外側に更生ゴムを貼り付けて形成された更生タイヤのトレッドセンター部の一例の断面図である。
図1に示すタイヤ(新品タイヤ)は、トレッドセンター部がタイヤ半径方向内側からインナーライナー1、カーカス2、ベルト3、クッションゴム4、ベルト5及びトレッドゴム5を有する。クッションゴム4のタイヤ半径方向内側に位置するベルト3及びクッションゴム4のタイヤ半径方向外側に位置するベルト5は、それぞれ複数のコード3A,5Aをベルトゴム3B,5Bで被覆してなるベルト層の一層以上からなる。なお、図示例のタイヤのベルト3,5はそれぞれ二層のベルト層から構成されるが、本発明のタイヤ及び後述する本発明の更生タイヤのベルト層の層数は、これに限られるものではない。ここで、本発明のタイヤは、クッションゴム4のタイヤ半径方向内側に位置するベルト3のベルトゴム3B及び/又はクッションゴム4中の硫黄濃度が0.75〜1.80質量%であることを特徴とする。
一般に、更生タイヤは、加硫ゴムを主とする台タイヤに未加硫ゴムを主とする更生ゴムを貼り付けて製造される。そのため、更生タイヤの台タイヤのゴム部分は繰り返し加硫されることとなり、該ゴム部分が熱劣化して、そのゴム物性が低下し、更には更生界面での剥離強力が低下し、結果として、更生タイヤの耐久性が低下してしまう。ここで、本発明者は、更生タイヤの更生界面近傍のゴム、特に繰り返し加硫されることとなる台タイヤ側のベルトゴム及びクッションゴムの組成変化及び物性変化について詳細に検討したところ、更生を繰り返すことで、台タイヤ側の更生界面近傍のベルトゴム及び/又はクッションゴム中に更生ゴム(未加硫ゴム)から移行した硫黄が蓄積し、例えば、新品時に1.5質量%程度であった硫黄濃度が、2〜4回の更生で2〜3質量%と増加し、この硫黄の蓄積が物性低下の一因となっていることを発見した。この知見から、更生使用されるタイヤは、新品の時点での台タイヤ側の硫黄濃度及び/又は更生ゴム側の硫黄濃度の最適化が必要と考えられる。そして、本発明のタイヤは、ベルトゴム3B及び/又はクッションゴム4中の硫黄濃度が0.75〜1.80質量%であり、通常のタイヤのベルトゴム及び/又はクッションゴムより新品時の硫黄濃度が低いため、更生後でも、従来のタイヤのベルトゴム及び/又はクッションゴムよりも硫黄濃度が低い。そのため、本発明のタイヤは、繰り返し更生しても耐久性の低下が小さい。なお、台タイヤ側のベルトゴム3B及び/又はクッションゴム4中の硫黄濃度が1.80質量%を超えると、更生ゴム側の硫黄濃度を低減しない限り、更生後のベルトゴム及び/又はクッションゴムの硫黄濃度が高くなるため、更生界面での剥離強力が小さくなり、タイヤの耐久性が大きく低下する。一方、ベルトゴム3B及び/又はクッションゴム4中の硫黄濃度が0.75質量%未満では、ベルトゴム及び/又はクッションゴムの引張強さ(Tb)等の破壊特性が低下してしまう。ここで、上記ベルトゴム3B及び/又はクッションゴム4中の硫黄濃度は、更生界面での剥離強力、並びにベルトゴム及び/又はクッションゴムの破壊特性の観点から、0.80〜1.40質量%の範囲が好ましく、0.90〜1.20質量%の範囲が更に好ましい。
上述した本発明のタイヤは、硫黄濃度が0.75〜1.80質量%のゴム組成物をベルトゴム3B及び/又はクッションゴム4に用いる以外特に制限は無く、常法に従って製造することができる。なお、ベルトゴム3B及び/又はクッションゴム4に用いるゴム組成物は、ゴム成分に、硫黄と共に各種配合剤を配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。図示例のタイヤのインナーライナー1としては、一般に空気透過性の低いゴムを用いることが好ましい。また、本発明のタイヤのカーカス2は、一枚以上のカーカスプライから構成され、各カーカスプライは、コード2Aをコーティングゴム2Bで被覆してなる。なお、図示例のカーカスは、2枚のカーカスプライから構成されるが、本発明のタイヤ及び後述する本発明の更生タイヤのカーカスプライの枚数は、これに限られるものではない。また、トレッドゴム6としては、耐摩耗性、破壊特性等に優れたゴムを用いることが好ましく、該トレッドゴム6は、キャップ/ベース構造のような複層構造であってもよい。
図2に示す台タイヤは、図1に示すタイヤからトレッドゴム6、クッションゴム4のタイヤ半径方向外側に位置するベルト5及びクッションゴム4の一部を除去して形成されたものであり、トレッドセンター部がタイヤ半径方向内側からインナーライナー1、カーカス2、ベルト3及びクッションゴム4を有する。なお、本発明においては、未更生タイヤから形成した台タイヤ及び更生タイヤから形成した台タイヤのいずれも用いることができる。ここで、未更生タイヤから形成した台タイヤは、未更生タイヤから少なくともトレッドゴム6が除去されていればよく、トレッドゴム6と共にクッションゴム4の一部が除去されていてもよいし、クッションゴム4のタイヤ半径方向外側にベルト5を具える場合は、トレッドゴム6と共にベルト5が除去されていてもよい。また、1回以上の更生を受けた更生タイヤから形成した台タイヤは、少なくとも前回の更生で貼付された更生ゴムが除去されていればよく、更生ゴムと共にクッションゴム4の一部が除去されていてもよい。
図3に示す更生タイヤは、図2に示す台タイヤのトレッド部のタイヤ半径方向外側に更生ゴム7を貼り付けて形成されたものであり、トレッドセンター部がタイヤ半径方向内側からインナーライナー1、カーカス2、ベルト3、クッションゴム4及び更生ゴム7を有する。ここで、本発明の第1の更生タイヤは、更生ゴム7の更生界面Sから5mm以内の部分7’の硫黄濃度が0.75〜1.80質量%であることを特徴とする。
上述のように、更生界面近傍のゴム、即ち、台タイヤ側のベルトゴム3B及び/又はクッションゴム4中の硫黄濃度を更生後も低く抑える手段としては、新品時のベルトゴム3B及び/又はクッションゴム4中の硫黄濃度を低く抑えることが有効であるが、更生によってベルトゴム3B及び/又はクッションゴム4に移行してくる硫黄は、更生ゴム7の更生界面S近傍から移行してくるため、更生ゴム7の更生界面S近傍、特に更生ゴム7の更生界面Sから5mm以内の部分7’の硫黄濃度を低減しておくことも有効である。
そして、本発明更生タイヤは、更生ゴム7の更生界面Sから5mm以内の部分7’の硫黄濃度が0.75〜1.80質量%である場合、通常の更生ゴムの硫黄濃度よりも低いため、更生によってベルトゴム3B及び/又はクッションゴム4に移行する硫黄の量が少ない。
そのため、本発明更生タイヤは、繰り返し更生を行った後でも高い耐久性を有する。
なお、更生ゴム7の更生界面Sから5mm以内の部分7’の硫黄濃度が1.80質量%を超えると、更生ゴム7側からベルトゴム3B及び/又はクッションゴム4側に移行する硫黄量が多くなり、ベルトゴム3B及び/又はクッションゴム4中の新品時の硫黄濃度を低減しておかない限り、更生後のベルトゴム3B及び/又はクッションゴム4中の硫黄濃度が高くなるため、更生界面での剥離強力が小さくなり、タイヤの耐久性が大きく低下する。
一方、更生ゴム7の更生界面Sから5mm以内の部分7’の硫黄濃度が0.75質量%未満では、更生ゴム7の引張強さ(Tb)等の破壊特性が低下してしまう。
ここで、上記更生ゴム7の更生界面Sから5mm以内の部分7’の硫黄濃度は、台タイヤ側への硫黄の移行量及び更生ゴム7の破壊特性の観点から、0.80〜1.40質量%の範囲が好ましく、0.90〜1.20質量%の範囲が更に好ましい。
本発明更生タイヤにおいては、タイヤ半径方向最外側のカーカスプライを構成するコード2A又はベルト層を構成するコード3Aと前記更生界面Sとの距離Dが5mm以下であることが好ましい。
ここで、距離Dは、(1)更生タイヤがクッションゴム4のタイヤ半径方向内側にベルト3を具えない場合は、タイヤのトレッドセンター部の横断面図において、タイヤ半径方向最外側のカーカスプライを構成するコード2Aのタイヤ半径方向最外側の点から更生界面Sまでの最短距離であり、また、(2)更生タイヤがカーカス2のタイヤ半径方向外側にベルト3を具える場合は、タイヤのトレッドセンター部の横断面図において、タイヤ半径方向最外側のベルト層を構成するコード3Aのタイヤ半径方向最外側の点から更生界面Sまでの最短距離である。
本発明更生タイヤは、更生ゴム7の更生界面Sから5mm以内の部分7’の硫黄濃度が0.75〜1.80質量%であればよく、未更生時(新品時)のベルトゴム3B及び/又はクッションゴム4中の硫黄濃度に特に制限はないが、未更生時のベルトゴム3B及び/又はクッションゴム4中の硫黄濃度が0.75〜1.80質量%であることが好ましい。
更生ゴム7の更生界面Sから5mm以内の部分7’の硫黄濃度を0.75〜1.80質量%とすることに加えて、未更生時のベルトゴム3B及び/又はクッションゴム4中の硫黄濃度を0.75〜1.80質量%とすることで、更生後のベルトゴム3B及び/又はクッションゴム4中の硫黄濃度を更に低減して、更生界面での剥離強力の低下並びにタイヤの耐久性の低下を更に抑制することができる。
なお、未更生時のベルトゴム3B及び/又はクッションゴム4中の硫黄濃度は、更生界面での剥離強力の低下並びにタイヤの耐久性の低下をより一層抑制する観点から、0.80〜1.40質量%の範囲が好ましく、0.90〜1.20質量%の範囲が更に好ましい。
上述した本発明更生タイヤは、トレッドセンター部が少なくともタイヤ半径方向内側からカーカス、ベルト及び/又はクッションゴム、並びにトレッドゴム又は更生ゴムを有するタイヤ又は更生タイヤから少なくともトレッドゴム又は更生ゴムを除去して台タイヤを形成し、該台タイヤのトレッド部のタイヤ半径方向外側に、更生界面(即ち、台タイヤと更生ゴムとの界面)から5mm以内の部分の硫黄濃度が0.75〜1.80質量%である更生ゴムを貼り付け、常法に従って製造することができる。
ここで、台タイヤの形成においては、トレッドゴム又は更生ゴムを除去した後に、バフを行っておくことが好ましい。
なお、図3に示す更生タイヤのインナーライナーは、図1に示すタイヤのインナーライナーと同様であり、また、本発明の更生タイヤのカーカスは、新品時のタイヤのカーカスと同様であり、更に、本発明の更生タイヤの更生ゴムは、新品時のタイヤのトレッドゴムと同様であり、キャップ/ベース構造のような複層構造であってもよいし、カーカス2の保護を目的としてベルト5を更に具えていてもよいし、クッションゴム4を更に具えていてもよい。
また、更生ゴムに用いるゴム組成物は、ゴム成分に、硫黄と共に各種配合剤を配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
そして、本発明更生タイヤは、ベルトゴム3B及び/又はクッションゴム4中の硫黄濃度Cと更生回数Nとが、下記式(I):C ≦ −0.015×N2+0.65×N+1.80 ・・・ (I)[式中、Cはベルトゴム及び/又はクッションゴム中の硫黄濃度(質量%)であり、Nは更生回数である]の関係を満たすことを特徴とする。
上述のように、台タイヤ側の更生界面近傍のゴム、即ち、ベルトゴム3B及び/又はクッションゴム4中の硫黄濃度を更生後も低く抑える手段としては、(1)新品時のベルトゴム3B及び/又はクッションゴム4中の硫黄濃度を低く抑えること、並びに、(2)更生ゴム7の更生界面Sから5mm以内の部分7’の硫黄濃度を低く抑えることが有効であるが、更生後のタイヤのベルトゴム3B及び/又はクッションゴム4中の硫黄濃度Cと更生回数Nとの関係に着目して更に検討したところ、上記式(I)の関係を満たす更生タイヤが、高い耐久性を有することを見出した。そして、上記式(I)の関係を満たす更生タイヤは、仮に新品時のベルトゴム3B及び/又はクッションゴム4中の硫黄濃度が0.75〜1.80質量%の範囲から外れ、更生ゴム7の更生界面Sから5mm以内の部分7’の硫黄濃度が0.75〜1.80質量%の範囲から外れても、更生界面での剥離強力が大きく、高い耐久性を有する。なお、ベルトゴム3B及び/又はクッションゴム4中の硫黄濃度Cが式(I)の右辺より大きいと、ベルトゴム3B及び/又はクッションゴム4の物性の低下が大きく、また、更生界面での剥離強力の低下が大きくなる。上記式(I)において、更生回数Nは10以下の自然数であることが好ましく、この場合、更生タイヤが十分に高い耐久性を有する。
上述した本発明更生タイヤは、新品時のベルトゴム及び/又はクッションゴムの硫黄濃度や、更生ゴムの更生界面から5mm以内の部分の硫黄濃度や、加硫条件等をコントロールして、式(I)の関係を満たすようにして製造することができる。
なお、台タイヤの形成方法及び更生ゴムの貼り付け方法に特に制限はない。
本発明更生タイヤにおいては、新品時のベルトゴム及び/又はクッションゴムの硫黄濃度や更生ゴムの更生界面から5mm以内の部分の硫黄濃度に特に制限はないが、新品時のベルトゴム及び/又はクッションゴムの硫黄濃度は0.75〜1.80質量%の範囲が好ましく、0.80〜1.40質量%の範囲が更に好ましく、0.90〜1.20質量%の範囲がより一層好ましく、また、更生ゴムの更生界面から5mm以内の部分の硫黄濃度は0.75〜1.80質量%の範囲が好ましく、0.80〜1.40質量%の範囲が更に好ましく、0.90〜1.20質量%の範囲がより一層好ましい。
上述した本発明更生タイヤは、バイアスタイヤであってもよいが、ラジアルタイヤであることが好ましい。
また、本発明更生タイヤは、更生を繰り返しても更生界面の剥離強力が高いため、高価で複数回の更生が行われる航空機用タイヤ等の高速高荷重用タイヤとして特に好適である。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
表1に示す配合処方に従ってクッションゴム用ゴム組成物を調製した。また、表2に示す配合処方に従って更生ゴム用ゴム組成物を調製した。
Figure 0005013755
Figure 0005013755
*1 N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン.
*2 N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド.
次に、表3に示す組み合わせで、クッションゴム用ゴム組成物及び更生ゴム用ゴム組成物を用いて、クッションゴムのタイヤ半径方向外側に更生ゴム(トレッドゴム)を貼り付け加硫して、サイズ:50×20R22の航空機用ラジアルタイヤ(新品タイヤ、更生回数0回)を作製した。また、新品タイヤから更生ゴム及びクッションゴムの一部を除去し、バフ掛けした後、更生ゴムを再度貼り付け加硫して更生タイヤを作製し、更に、同様に更生を行い更生回数2回の更生タイヤ、更生回数4回の更生タイヤ、更生回数6回の更生タイヤをそれぞれ準備した。
上記のようにして準備した新品タイヤ及び更生タイヤに対し、トレッドセンター部において、トレッド踏面側からインナーライナー方向に幅1cm×長さ10cmの寸法のサンプルを切り出し、カーカス及びトレッドゴムを切り捨て、残ったクッションゴムについて、トレッド踏面側から厚さ0.5mm間隔でスライスして試験サンプルとした。なお、採取した試験サンプルは、更生界面近傍のクッションゴム及び更生時に貼り付けた更生ゴムである。採取した試験サンプルに対して、下記の方法で、引張強さ(Tb)、硫黄濃度及び剥離強力を測定した。結果を表3に示す。
(1)引張強さ(Tb)
試験サンプルに対して、JIS K6251「加硫ゴムの引張試験方法」に準拠して引張試験を行い、引張強さ(Tb)を測定し、比較例3(従来例)の新品タイヤから採取した試験サンプルの引張強さを100として指数表示した。指数値が大きい程、引張強さが大きいことを示す。
(2)硫黄濃度
試験サンプル200mgに対して、東洋精機製比重測定機を用いて比重を測定すると共に、LECO社製SC-432を用いて硫黄含有量を測定し、硫黄濃度(質量%)を算出した。
(3)剥離強力
試験サンプルに対して、JIS K6256「加硫ゴムの接着試験方法」に準拠して剥離試験を行い、剥離強力を測定し、比較例3(従来例)の新品タイヤから採取した試験サンプルの剥離強力を100として指数表示した。指数値が大きい程、剥離強力が大きいことを示す。
Figure 0005013755
表3中、比較例1のタイヤは、新品時のクッションゴムの引張強さが非常に低かったため、また、比較例2のタイヤは、新品時の更生ゴム(トレッドゴム)の引張強さが非常に低かったため、タイヤとしての検討及び更生を実施しなかった。
実施例1のタイヤは、硫黄濃度が0.75〜1.80質量%のゴム組成物をクッションゴムに用いているため、更生後の硫黄濃度が比較例3(従来例)のタイヤよりも低く、剥離強力の低下も抑制されていた。
また、実施例3のタイヤは、硫黄濃度が0.75〜1.80質量%のゴム組成物を更生ゴムに用いているため、更生によるクッションゴム中の硫黄濃度の上昇が抑制されており、更生後の硫黄濃度が比較例3(従来例)のタイヤよりも低く、剥離強力の低下も抑制されていた。
更に、実施例2のタイヤは、硫黄濃度が0.75〜1.80質量%のゴム組成物をクッションゴムに用いていることに加え、硫黄濃度が0.75〜1.80質量%のゴム組成物を更生ゴムに用いて、更生によるクッションゴム中の硫黄濃度の上昇が抑制されているため、更生後の硫黄濃度が比較例3(従来例)のタイヤよりも大幅に低く、剥離強力の低下も大幅に抑制されていた。
なお、実施例1〜3の更生タイヤは、クッションゴム中の硫黄濃度Cと更生回数Nとが式(I)の関係式を満たしており、このことから、式(I)の関係を満たすタイヤは、クッションゴムと更生ゴムとの剥離強力が大きいことが分る。
本発明のタイヤのトレッドセンター部の一例の断面図である。 図1に示すタイヤからトレッドゴム、タイヤ半径方向外側のベルト及びクッションゴムの一部を除去して形成した台タイヤのトレッドセンター部の一例の断面図である。 図2に示す台タイヤのトレッド部のタイヤ半径方向外側に更生ゴムを貼り付けて形成された更生タイヤのトレッドセンター部の一例の断面図である。
符号の説明
1 インナーライナー
2 カーカス
2A コード
2B コーティングゴム
3,5 ベルト
3A,5A コード
3B,5B ベルトゴム
4 クッションゴム
6 トレッドゴム
7 更生ゴム
7’ 更生ゴムの更生界面から5mm以内の部分
S 更生界面
D タイヤ半径方向最外側のカーカスプライを構成するコード又はベルト層を構成するコードと更生界面との距離

Claims (4)

  1. トレッドセンター部が少なくともタイヤ半径方向内側からカーカス、ベルト及び/又はクッションゴム、並びに更生ゴムを有する更生タイヤにおいて、
    前記ベルトが複数のコードをベルトゴムで被覆してなるベルト層の一層以上からなり、前記更生ゴムは、更生界面から5mm以内の部分の硫黄濃度が0.75〜1.80質量%であり、かつ
    前記ベルトゴム及び/ 又はクッションゴム中の硫黄濃度C と更生回数N とが、下記式(I):
    C ≦ −0.015× N 2 + 0.65× N + 1.80 ・・・ ( I )
    [式中、C はベルトゴム及び/ 又はクッションゴム中の硫黄濃度( 質量% )であり、Nは10以下の整数である] の関係を満たすことを特徴とする更生タイヤ。
  2. 前記更生回数N が10以下の自然数であることを特徴とする請求項に記載の更生タイヤ。
  3. 未更生時の前記ベルトゴム及び/又はクッションゴム中の硫黄濃度が0.75〜 1.80質量%であることを特徴とする請求項に記載の更生タイヤ。
  4. 前記カーカスが複数のコードをコーティングゴムで被覆してなるカーカスプライの一枚
    以上からなり、
    タイヤ半径方向最外側のカーカスプライを構成するコード又は前記ベルト層を構成する
    コードと前記更生界面との距離が5mm以下であることを特徴とする請求項に記載の更生タイヤ。
JP2006163585A 2005-08-22 2006-06-13 更生タイヤ Expired - Fee Related JP5013755B2 (ja)

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