JP5750843B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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本発明は、トレッド部のセンター領域においてタイヤ幅方向に分割されたカーカス層とトレッド部においてタイヤ周方向に配向する補強コードを含むベルトカバー層とを備えた空気入りラジアルタイヤに関し、更に詳しくは、耐久性を良好に維持しながら、耐偏摩耗性を改善することを可能にした空気入りラジアルタイヤに関する。
近年、空気入りラジアルタイヤにおいて、燃費向上のための軽量化や乗心地の更なる改善のため、少なくとも1層のカーカス層をトレッド部のセンター領域においてタイヤ幅方向に分割することが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。このような分割カーカス構造を有する空気入りラジアルタイヤでは、カーカス層とベルト層とが一体となって圧力容器を構成する一方で、ベルト層の下方域からカーカス層の一部を排除することが軽量化と乗心地の改善に寄与する。
しかしながら、上記のような分割カーカス構造を有する空気入りラジアルタイヤにおいて、高速耐久性を改善するために、トレッド部におけるベルト層の外周側にタイヤ周方向に配向する補強コードを含むベルトカバー層を設けた場合、ベルトカバー層を構成する補強コードの加硫後の熱収縮応力によりトレッド部のセンター領域が窪む傾向があり、その影響により、耐偏摩耗性が悪くなるという問題を生じている。
特開2008−37265号公報 特開2008−37266号公報 特開2008−279820号公報
本発明の目的は、トレッド部のセンター領域においてタイヤ幅方向に分割されたカーカス層とトレッド部においてタイヤ周方向に配向する補強コードを含むベルトカバー層とを備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、耐久性を良好に維持しながら、耐偏摩耗性を改善することを可能にした空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りラジアルタイヤは、トレッド部のセンター領域においてタイヤ幅方向に分割された少なくとも1層のカーカス層を一対のビード部間に配置し、前記トレッド部におけるカーカス層の外周側に複数層のベルト層を配置し、これらベルト層の外周側に補強コードをタイヤ周方向に対して5度以下の角度で配列してなる少なくとも1層のベルトカバー層を配置した空気入りラジアルタイヤであって、前記ベルトカバー層を構成する補強コードとして、総繊度が1000dtex〜3500dtexの有機繊維コードを用い、該補強コードは下式(1)で表される撚り係数Kが1000〜2000の範囲にあり、前記ベルトカバー層を前記トレッド部のセンター領域を除く両ショルダー領域に選択的に配置し、前記ベルトカバー層を構成する補強コードの2.34cN/dtex負荷時の伸び率Elを6.0%〜10.0%の範囲とすると共に、前記ベルトカバー層の補強コード1本当たりの残留張力をSとし、前記ベルトカバー層の層幅1cm当たりのコード打ち込み本数をEとしたとき、前記残留張力Sと前記コード打ち込み本数Eとの積からなるベルト締め付け指数を20〜120とし、インフレート時のタイヤセンター位置での径方向成長率Icが0.0%〜1.0%の範囲にあり、インフレート時のタイヤショルダー位置での径方向成長率Isが0.0%〜0.6%の範囲にあり、かつ、Ic≧Isの関係を満足することを特徴とするものである。
K=T√D ・・・(1)
但し、T:コードの上撚り数(回/10cm)
D:コードの総繊度(dtex)
本発明では、トレッド部のセンター領域においてタイヤ幅方向に分割されたカーカス層とトレッド部においてタイヤ周方向に配向する補強コードを含むベルトカバー層とを備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、ベルトカバー層をトレッド部のセンター領域を除く両ショルダー領域に選択的に配置することにより、ベルトカバー層の補強コードの熱収縮によりトレッド部のセンター領域が窪むのを防止するので、耐偏摩耗性を改善することができる。しかも、ベルトカバー層の補強コードの伸び率El及びベルトカバー層のベルト締め付け指数をそれぞれ上記範囲に設定することにより、トレッド部のセンター領域からベルトカバー層を排除した場合であっても、荷重耐久性及び高速耐久性を十分に確保することができる。従って、本発明によれば、耐久性を良好に維持しながら、耐偏摩耗性を改善することができる。
上記ベルトカバー層の補強コードの伸び率Elは、JIS L1017に規定される一定荷重時伸び率の測定条件に準拠して測定されたものであり、補強コードへの負荷荷重を2.34cN/dtexとしたときの伸び率である。
上記ベルトカバー層の補強コード1本当たりの残留張力Sは、以下の測定方法により測定されたものである。即ち、無負荷状態のタイヤのトレッドゴムの一部を除去してベルトカバー層の補強コードを露出させ、その補強コードに一定の長さLaの区間を示す印を付けた後、その補強コードをタイヤから切り出し、収縮後の長さLbを測定する。長さLaは、測定誤差を極力無くすために十分に大きく設定し、例えば、500mmとするのが良い。長さLbの測定時には、補強コードに対して表示繊度の1/20g/dtexの荷重を負荷する。その後、JIS L1017に規定される初期引張抵抗度の測定条件に準拠して補強コードの応力歪み曲線を求め、歪みLa−Lbでの力Ls(N)を前記応力歪み曲線から求める。このようにして得た力Lsをベルトカバー層の補強コード1本当たりの残留張力Sとする。なお、測定時の温度は20℃とし、湿度は65%とする。
本発明において、インフレート時のタイヤセンター位置での径方向成長率Icが0.0%〜1.0%の範囲にあり、インフレート時のタイヤショルダー位置での径方向成長率Isが0.0%〜0.6%の範囲にあり、かつ、Ic≧Isの関係を満足することが必要である。インフレート時のタイヤセンター位置での径方向成長率Icとタイヤショルダー位置での径方向成長率Isを上記範囲に設定することにより、耐疲労性を改善することができる。また、タイヤセンター位置での径方向成長率Icをタイヤショルダー位置での径方向成長率Isと同じ又はそれ以上とすることにより、耐偏摩耗性の改善効果を高めることができる。
ここで、径方向成長率Ic,Isとは、非インフレート時の径方向寸法に対するインフレート時の径方向寸法の成長率である。インフレート時の径方向寸法は、JATMA規格にて規定されるタイヤ測定方法に準拠して測定されるタイヤ径方向の寸法であって、乗用車用タイヤにおいては、タイヤを適用リムに嵌合させて内圧を180kPaとした状態でのタイヤ径方向の寸法である。非インフレート時の径方向寸法は、タイヤを適用リムに嵌合させて内圧を0kPaとした状態でのタイヤ径方向の寸法である。また、タイヤセンター位置とは、タイヤ幅方向の中央位置、即ち、タイヤ赤道の位置である。一方、タイヤショルダー位置とは、最大幅を有するベルト層のエッジ位置に相当するタイヤ幅方向の位置である。
本発明において、カーカス層の分割部のタイヤ幅方向の長さWaはベルト層の最大幅Wに対して0.10≦Wa/W≦0.95の関係を満足することが好ましい。これにより、耐久性の悪化を伴うことなく、分割カーカス構造に基づく乗心地の改善効果と軽量化の効果を十分に得ることができる。
また、ショルダー領域に配置された各ベルトカバー層の幅Wbはベルト層の最大幅Wに対してWb/W≦0.25の関係を満足することが好ましい。これにより、耐偏摩耗性の改善効果を高めることができる。
本発明の実施形態からなる空気入りラジアルタイヤを示す子午線断面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の実施形態からなる空気入りラジアルタイヤを示すものである。図1において、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。左右一対のビード部3,3間にはトレッド部1のセンター領域においてタイヤ幅方向に分割された少なくとも1層のカーカス層4が配置されている。このカーカス層4はタイヤ径方向に延びる複数本のカーカスコードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されている。カーカスコードとしては、有機繊維コードを用いることが好ましいが、スチールコードを使用しても良い。カーカスコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は80°〜90°の範囲に設定されている。ビードコア5の外周上にはビードフィラー6が配置され、このビードフィラー6がカーカス層4の折り返し部分で包み込まれている。
トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層のベルト層7が埋設されている。これらベルト層7はタイヤ周方向に対して傾斜する複数本のベルトコードを含み、かつ層間でベルトコードが互いに交差するように配置されている。ベルトコードとしては、スチールコードを用いることが好ましいが、有機繊維コードを使用しても良い。ベルトコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は15°〜40°の範囲に設定されている。
ベルト層7の外周側には、高速耐久性の向上を目的として、補強コードをタイヤ周方向に対して5°以下の角度で配列してなる少なくとも1層のベルトカバー層8が配置されている。ベルトカバー層8の補強コードとしては、ナイロン繊維コード、ポリオレフィンケトン繊維コード(POK)、ポリエチレンナフタレート繊維コード(PEN)、リヨセル繊維コード、ポリエチレンテレフタレート繊維コード(PET)等を使用することができる。このベルトカバー層8は少なくとも1本の補強コードを引き揃えてゴム被覆してなるストリップ材をタイヤ周方向に連続的に巻回したジョイントレス構造とすることが望ましい。
ベルトカバー層8は、図1に示すように、トレッド部1のセンター領域を除く両ショルダー領域に選択的に配置されている。つまり、ベルトカバー層8はベルト層7の両端部を局部的に覆うエッジカバーである。ベルトカバー層8は単層であっても良く、或いは、2層以上に積層されていても良い。
上記空気入りラジアルタイヤにおいて、ベルトカバー層8を構成する補強コードの2.34cN/dtex負荷時の伸び率Elは6.0%〜10.0%の範囲に設定されている。また、ベルトカバー層8の補強コード1本当たりの残留張力をSとし、ベルトカバー層8の層幅1cm当たりのコード打ち込み本数をEとしたとき、残留張力Sとコード打ち込み本数Eとの積(S×E)からなるベルト締め付け指数は20〜300の範囲に設定されることが必要であるが、その中でも特に20〜120の範囲とする
上述のようにトレッド部1のセンター領域においてタイヤ幅方向に分割されたカーカス層4とトレッド部1においてタイヤ周方向に配向する補強コードを含むベルトカバー層8とを備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、ベルトカバー層8をトレッド部1のセンター領域を除く両ショルダー領域に選択的に配置することにより、ベルトカバー層8の補強コードの熱収縮によりトレッド部1のセンター領域が窪むのを防止し、耐偏摩耗性を改善することができる。つまり、ベルトカバー層8をトレッド部1のセンター領域にも配置した場合、加硫後の補強コードの熱収縮によりタイヤ表面に窪みが形成され、耐偏摩耗性の低下を招くことになる。
また、ベルトカバー層8の補強コードの伸び率Elを上記範囲に設定することにより、トレッド部1のセンター領域からベルトカバー層8を排除した場合であっても、荷重耐久性及び高速耐久性を十分に確保することができる。ここで、伸び率Elが6.0%未満の補強コードを用いると荷重耐久性が低下し、逆に10.0%を超える補強コードを用いると高速耐久性が低下する。
伸び率Elが6.0%〜10.0%となる補強コードとしては、総繊度が1000dtex〜3500dtexの有機繊維コードを用いると良い。また、この補強コードは、下式(1)で表される撚り係数Kが1000〜2000の範囲にあると良い。
K=T√D ・・・(1)
但し、T:コードの上撚り数(回/10cm)
D:コードの総繊度(dtex)
更に、ベルトカバー層8のベルト締め付け指数を上記範囲に設定することにより、トレッド部1のセンター領域からベルトカバー層を排除した場合であっても、高速耐久性を十分に確保することができる。好ましくは、ベルト締め付け指数は20〜120であるのが良い。ここで、ベルト締め付け指数が20未満であるとベルト層7の拘束力が不十分になるため高速耐久性が低下し、逆に300を超えると加硫成形時におけるベルトカバー層8による過度の締め付けによりタイヤのユニフォミティーが悪化する傾向がある。
上記ベルト締め付け指数は残留張力Sとコード打ち込み本数Eとの積であるが、ベルトカバー層8の補強コード1本当たりの残留張力Sは、補強コードを巻き付ける際の張力や未加硫タイヤでのベルトカバー層8の寸法に基づいて適宜調整することができる。例えば、未加硫タイヤでのベルトカバー層8の寸法を大きく設計すれば、加硫後のベルトカバー層8の補強コード1本当たりの残留張力Sを下げることができる。
上記空気入りラジアルタイヤにおいては、インフレート時のタイヤセンター位置Pcでの径方向成長率Icは0.0%〜1.0%の範囲にあり、インフレート時のタイヤショルダー位置Psでの径方向成長率Isは0.0%〜0.6%の範囲にあり、かつ、Ic≧Isの関係を満足することが好ましい。
例えば、非インフレート時のタイヤセンター位置Pcでのタイヤ外径がDcnであり、インフレート時のタイヤセンター位置Pcでのタイヤ外径がDciであるとき、径方向成長率Icは(Dci−Dcn)/Dcn×100%にて算出される。同様に、非インフレート時のタイヤショルダー位置Psでのタイヤ外径がDsnであり、インフレート時のタイヤショルダー位置Psでのタイヤ外径がDsiであるとき、径方向成長率Isは(Dsi−Dsn)/Dsn×100%にて算出される。
上述のようにトレッド部1のセンター領域においてタイヤ幅方向に分割されたカーカス層4とトレッド部1においてタイヤ周方向に配向する補強コードを含むベルトカバー層8とを備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、インフレート時のタイヤセンター位置Pcでの径方向成長率Icとタイヤショルダー位置Psでの径方向成長率Isを所定の範囲に設定することにより、耐疲労性を改善することができる。また、タイヤセンター位置での径方向成長率Icをタイヤショルダー位置での径方向成長率Isと同じ又はそれ以上とすることにより、耐偏摩耗性の改善効果を高めることができる。
ここで、インフレート時のタイヤセンター位置Pcでの径方向成長率Icが1.0%より大きい場合、又は、インフレート時のタイヤショルダー位置Psでの径方向成長率Isが0.6%より大きい場合、補強コードの張力が過大になり、耐疲労性が低下する。また、Ic<Isであると、トレッド部のセンター領域に窪みが生じ易くなるため耐偏摩耗性の悪化を招くことになる。
上記空気入りラジアルタイヤにおいて、インフレート時のタイヤセンター位置での径方向成長率Icとタイヤショルダー位置での径方向成長率Isは、タイヤの加硫後のポストキュアインフレーション工程の内圧又は加圧時間により調整することができる。例えば、ポストキュアインフレーション工程の内圧を高くし、加圧時間を長くすることにより、径方向成長率Ic,Isを小さくすることができる。ポストキュアインフレーション工程の内圧は150kPa〜250kPaの範囲に設定し、加圧時間は20分〜30分に設定することが望ましい。
上記空気入りラジアルタイヤにおいて、カーカス層4の分割部のタイヤ幅方向の長さWaは、ベルト層7の最大幅Wに対して、0.10≦Wa/W≦0.95、より好ましくは、0.20≦Wa/W≦0.70の関係になっている。これにより、耐久性の悪化を伴うことなく、分割カーカス構造に基づく乗心地の改善効果と軽量化の効果を十分に得ることができる。Wa/Wの値が小さ過ぎると、トレッド部1の柔軟性が低下するため乗心地が悪化し、しかもタイヤ重量の軽減効果も小さくなる。一方、Wa/Wの値が大き過ぎると、タイヤの空気圧を保持する能力が低下し、荷重耐久性が低下する恐れがある。
また、ショルダー領域に配置された各ベルトカバー層8の幅Wbは、ベルト層7の最大幅Wに対してWb/W≦0.25、より好ましくは、0.02≦Wb/W≦0.25の関係になっている。これにより、耐偏摩耗性の改善効果を高めることができる。Wb/Wの値が大き過ぎると、加硫後にベルトカバー層8の補強コードの熱収縮によりタイヤ表面に窪みが形成され、耐偏摩耗性の低下を招くことになる。
上述した実施形態では分割構造を有する1層のカーカス層を備えた空気入りラジアルタイヤについて説明したが、本発明は2層以上のカーカス層を備えた空気入りラジアルタイヤに適用することも可能である。2層以上のカーカス層を備えた空気入りラジアルタイヤにおいては、少なくとも1層のカーカス層を分割構造とすることが必要であるが、全てのカーカス層を分割構造としても良い。
タイヤサイズ235/45R17で、トレッド部のセンター領域においてタイヤ幅方向に分割された1層のカーカス層を一対のビード部間に配置し、トレッド部におけるカーカス層の外周側に2層のベルト層を配置し、これらベルト層の外周側に補強コードをタイヤ周方向に対して5度以下の角度で配列してなるベルトカバー層を配置した空気入りラジアルタイヤにおいて、インフレート時のタイヤセンター位置での径方向成長率Ic、インフレート時のタイヤショルダー位置での径方向成長率Is、カーカス層の分割部のタイヤ幅方向の長さWaとベルト層の最大幅Wとの比Wa/W、ベルトカバー層の構造、ベルトカバー層(エッジカバー)の幅Wbとベルト層の最大幅Wとの比Wb/W、ベルトカバー層のコード材質、そのコード構造、そのコード撚り数、そのコード撚り係数K、そのコードの2.34cN/dtex負荷時の伸び率El、ベルトカバー層の補強コード1本当たりの残留張力S、ベルトカバー層の層幅1cm当たりのコード打ち込み本数E、ベルト締め付け指数を表1のように設定した比較例1〜3及び実施例1〜3のタイヤを製作した。
表1のベルトカバー層の構造について、「JE」はベルト層の両端部を選択的に覆う1層のベルトカバー層(エッジカバー)を備えるものを示し、「2JE」はベルト層の両端部を選択的に覆う2層のベルトカバー層(エッジカバー)を備えるものを示し、「JEF」はベルト層の両端部を選択的に覆う1層のベルトカバー層(エッジカバー)とベルト層の全体を覆う1層のベルトカバー層(フルカバー)とを備えるものを示す。これらベルトカバー層はいずれも複数本の補強コードを引き揃えてゴム被覆してなる幅5mmのストリップ材をタイヤ周方向に連続的に巻回したジョイントレス構造を有するものである。
これら試験タイヤについて、下記の評価方法により、耐偏摩耗性、高速耐久性、荷重耐久性を評価し、その結果を表1に併せて示した。
耐偏摩耗性:
各試験タイヤをリムサイズ17×7.5JJのホイールに組付けて試験車両に装着し、空気圧230kPaとして、舗装した一般車道を50000km走行した後、ショルダーリブに発生した偏摩耗量を測定した。評価結果は、測定値の逆数を用い、比較例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど耐偏摩耗性が小さいことを意味する。
高速耐久性:
ドラム表面が平滑で直径1707mmの鋼製ドラムを備えたドラム試験機を用い、周辺温度を38±3℃に制御し、リムサイズ17×7.5JJ、試験内圧180kPaにてインフレートさせた試験タイヤについて、負荷荷重をJATMAで規定された最大負荷能力の120%とし、走行速度を120km/hとして2時間の走行を行い、次いで、同一荷重にて走行速度を150km/hとして30分間の走行を行い、以下30分毎に走行速度を10km/hずつステップアップさせ、タイヤが破壊するまでの走行距離を測定した。評価結果は、比較例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど高速耐久性が優れていることを意味する。
荷重耐久性:
ドラム表面が平滑で直径1707mmの鋼製ドラムを備えたドラム試験機を用い、周辺温度を38±3℃に制御し、リムサイズ17×7.5JJ、試験内圧180kPaにてインフレートさせた試験タイヤについて、走行速度を81km/hとし、負荷荷重をJATMAで規定された最大負荷能力の88%として走行試験を開始し、2時間毎に13%ずつ荷重を増加させ、タイヤが破壊するまでの走行距離を測定した。評価結果は、比較例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど荷重耐久性が優れていることを意味する。
Figure 0005750843
表1から明らかなように、実施例1〜3のタイヤは、比較例1との対比において、高速耐久性及び荷重耐久性を良好に維持しながら、耐偏摩耗性を改善することができた。一方、比較例2のタイヤは、ベルトカバー層を構成する補強コードの伸び率Elが小さいため荷重耐久性が低下していた。比較例3のタイヤは、ベルトカバー層を構成する補強コードの伸び率Elが大きいため高速耐久性が低下していた。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルトカバー層

Claims (3)

  1. トレッド部のセンター領域においてタイヤ幅方向に分割された少なくとも1層のカーカス層を一対のビード部間に配置し、前記トレッド部におけるカーカス層の外周側に複数層のベルト層を配置し、これらベルト層の外周側に補強コードをタイヤ周方向に対して5度以下の角度で配列してなる少なくとも1層のベルトカバー層を配置した空気入りラジアルタイヤであって、前記ベルトカバー層を構成する補強コードとして、総繊度が1000dtex〜3500dtexの有機繊維コードを用い、該補強コードは下式(1)で表される撚り係数Kが1000〜2000の範囲にあり、前記ベルトカバー層を前記トレッド部のセンター領域を除く両ショルダー領域に選択的に配置し、前記ベルトカバー層を構成する補強コードの2.34cN/dtex負荷時の伸び率Elを6.0%〜10.0%の範囲とすると共に、前記ベルトカバー層の補強コード1本当たりの残留張力をSとし、前記ベルトカバー層の層幅1cm当たりのコード打ち込み本数をEとしたとき、前記残留張力Sと前記コード打ち込み本数Eとの積からなるベルト締め付け指数を20〜120とし、インフレート時のタイヤセンター位置での径方向成長率Icが0.0%〜1.0%の範囲にあり、インフレート時のタイヤショルダー位置での径方向成長率Isが0.0%〜0.6%の範囲にあり、かつ、Ic≧Isの関係を満足することを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
    K=T√D ・・・(1)
    但し、T:コードの上撚り数(回/10cm)
    D:コードの総繊度(dtex)
  2. 前記カーカス層の分割部のタイヤ幅方向の長さWaが前記ベルト層の最大幅Wに対して0.10≦Wa/W≦0.95の関係を満足することを特徴とする請求項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記ショルダー領域に配置された各ベルトカバー層の幅Wbが前記ベルト層の最大幅Wに対してWb/W≦0.25の関係を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
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