JP7088402B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維コードをベルトカバー層に用いた空気入りラジアルタイヤに関し、更に詳しくは、耐久性を良好に維持しながら、ロードノイズを効果的に低減することを可能にした空気入りラジアルタイヤに関する。
乗用車用又は小型トラック用の空気入りラジアルタイヤにおいては、一対のビード部間にカーカス層が装架され、トレッド部におけるカーカス層の外周側に複数層のベルト層が配置され、ベルト層の外周側にタイヤ周方向に沿って螺旋状に巻回された複数本の有機繊維コードを含むベルトカバー層が配置されている。このようなベルトカバー層は高速耐久性の改善に寄与すると共に、中周波ロードノイズの低減にも寄与する。
従来、ベルトカバー層に使用される有機繊維コードはナイロン繊維コードが主流であるが、ナイロン繊維コードに比べて高弾性であり、かつ安価なポリエチレンテレフタレート繊維コードを使用することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、高弾性であるポリエチレンテレフタレート繊維コードをベルトカバー層に適用した場合、ベルト層とベルトカバー層との間の層間せん断歪が大きくなるため、セパレーション故障が生じ易いという問題がある。そのため、ポリエチレンテレフタレート繊維コードからなるベルトカバー層に基づいてロードノイズを低減するにあたって、空気入りラジアルタイヤの耐久性を良好に維持することが求められている。
日本国特開2001-63312号公報
本発明の目的は、耐久性を良好に維持しながら、ロードノイズを効果的に低減することを可能にした空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りラジアルタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えると共に、前記一対のビード部間にカーカス層が装架され、前記トレッド部における前記カーカス層の外周側に複数層のベルト層が配置され、該ベルト層の外周側にタイヤ周方向に沿って螺旋状に巻回されたポリエチレンテレフタレート繊維コードを含むベルトカバー層が配置された空気入りラジアルタイヤにおいて、
前記ポリエチレンテレフタレート繊維コードは、100℃における2.0cN/dtex負荷時の弾性率が3.5cN/(tex・%)~5.5cN/(tex・%)の範囲にあり、周波数20Hz、歪±0.1%、初荷重300g、昇温速度2℃/分の条件下で測定されるtanδのピーク値が0.15以下であることを特徴とするものである。
本発明者は、ポリエチレンテレフタレート繊維コードからなるベルトカバー層を備えた空気入りラジアルタイヤについて鋭意研究した結果、ポリエチレンテレフタレート繊維コードは、ナイロン繊維コードに比べて、tanδのピーク値が高く、発熱性が高いことを認識し、更には、ポリエチレンテレフタレート繊維コードに掛かる張力が低いほどtanδのピーク値が上昇することを知見した。そして、ベルトカバー層を構成するポリエチレンテレフタレート繊維コードの発熱はセパレーション故障を助長する要因となる。
そこで、本発明では、ベルトカバー層を構成するポリエチレンテレフタレート繊維コードの100℃における2.0cN/dtex負荷時の弾性率を3.5cN/(tex・%)~5.5cN/(tex・%)の範囲とすることでコード疲労性を十分に確保しながらロードノイズを効果的に低減すると同時に、ポリエチレンテレフタレート繊維コードの上記条件下で測定されるtanδのピーク値を0.15以下に設定することにより、ポリエチレンテレフタレート繊維コードの発熱を抑制し、ベルトカバー層の周辺でのセパレーション故障の発生を抑制することができる。これにより、耐久性を良好に維持しながら、ロードノイズを効果的に低減することが可能になる。
本発明において、ポリエチレンテレフタレート繊維コードのタイヤ中の張力は0.9cN/dtex以上であることが好ましい。これにより、ベルトカバー層を構成するポリエチレンテレフタレート繊維コードのtanδのピーク値を低下させ、耐久性の改善効果を高めることができる。
また、トレッド部のセンター領域におけるポリエチレンテレフタレート繊維コードのタイヤ中の張力Tceとトレッド部のショルダー領域におけるポリエチレンテレフタレート繊維コードのタイヤ中の張力Tshとの比Tce/Tshは1.0≦Tce/Tsh≦2.0の関係を満足することが好ましい。これにより、トレッド部のショルダー領域におけるポリエチレンテレフタレート繊維コードのタイヤ中の張力Tshを十分に確保し、トレッド部のショルダー領域を起点とするセパレーション故障の発生を効果的に抑制することができる。
ベルトカバー層は1本のポリエチレンテレフタレート繊維コードが螺旋状に巻回された構造を有することが好ましい。ベルトカバー層を構成するポリエチレンテレフタレート繊維コードの端末には張力が掛かり難いが、1本巻きとすることで、その影響を極力小さくすることができる。これにより、ベルトカバー層のより広い範囲においてポリエチレンテレフタレート繊維コードの張力を十分に確保し、耐久性の改善効果を高めることができる。
本発明において、2.0cN/dtex負荷時の弾性率[cN/(tex・%)]は、JIS-L1017の「化学繊維タイヤコード試験方法」に準拠し、温度100℃、つかみ間隔250mm、引張速度300±20mm/分の条件にて引張試験を実施し、荷重―伸び曲線における2.0cN/dtex負荷時の接線の傾きである。また、上記ベルトカバー層の補強コード1本当たりの張力(cN/dtex)は、以下の測定方法により測定されたものである。即ち、無負荷状態のタイヤのトレッドゴムの一部を除去してベルトカバー層の補強コードを露出させ、その補強コードに一定の長さLaの区間を示す印を付けた後、その補強コードをタイヤから切り出し、収縮後の長さLbを測定する。長さLaは、測定誤差を極力無くすために十分に大きく設定し、例えば、500mmとするのが良い。長さLbの測定時には、補強コードに対して表示繊度の1/20g/dtexの荷重を負荷する。その後、JIS L1017に規定される初期引張抵抗度の測定条件に準拠して補強コードの応力歪み曲線を求め、歪みLa-Lbでの力Ls(N)を前記応力歪み曲線から求める。このようにして得た力Lsをベルトカバー層の補強コード1本当たりの張力とする。なお、測定時の温度は20℃とし、湿度は65%とする。
図1は本発明の実施形態からなる空気入りラジアルタイヤを示す子午線断面図である。 図2は図1の空気入りラジアルタイヤにおけるベルト層及びベルトカバー層を抽出して示す平面図である。 図3はベルトカバー層の構造を示す断面図である。 図4(a),(b)はベルトカバー層に使用されるストリップを示し、図4(a)は複数本のコードを含むストリップを示す斜視図であり、図4(b)は1本のコードを含むストリップを示す斜視図である。 図5はポリエチレンテレフタレート繊維コードのtanδと温度との関係を示すグラフである。 図6ベルト層及びベルトカバー層を含むトレッドリングを成形するための成形ドラムを示す断面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の実施形態からなる空気入りラジアルタイヤを示し、図2はそのベルト層及びベルトカバー層を示すものである。また、図3はベルトカバー層の構造を示し、図4(a),(b)はベルトカバー層に使用されるストリップを示すものである。
図1に示すように、本実施形態の空気入りラジアルタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、サイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えている。トレッド部1にはタイヤ周方向に延びる複数本の主溝10が形成されているが、主溝10の他にタイヤ幅方向に延びるラグ溝を含む各種の溝を形成することができる。
一対のビード部3,3間にはタイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含むカーカス層4が装架されている。各ビード部3には、環状のビードコア5が埋設されており、そのビードコア5の外周上に断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラー6が配置されている。そして、カーカス層4はビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側へ巻き上げられている。カーカス層4の補強コードとしては、例えばポリエステルコード等の有機繊維コードが好ましく使用される。
一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には、複数層のベルト層7がタイヤ全周にわたって埋設されている。これらベルト層7は、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°~40°の範囲に設定されている。ベルト層7の補強コードとしては、例えばスチールコードが好ましく使用される。
ベルト層7の外周側には、高速耐久性の向上とロードノイズの低減を目的として、図2に示すように、補強コードC(図3参照)をタイヤ周方向に対して5°以下の角度で配列してなる少なくとも1層のベルトカバー層8がベルト層7の全域を覆うように配置されている。ベルトカバー層8は、ベルト層7の全域を覆うフルカバーだけであっても良く、或いは、ベルト層7の全域を覆うフルカバーとベルト層7の両エッジ部のみを覆うエッジカバーとの組み合わせであっても良い。ベルトカバー層8は、図3に示すように、補強コードCとそれを被覆するコートゴムRとから構成されている。ベルトカバー層8は少なくとも1本の補強コードCを引き揃えてゴム被覆してなるストリップS(図4(a),(b)参照)をタイヤ周方向に螺旋状に巻回したジョイントレス構造となっている。図4(a)のストリップSはコートゴムR中に複数本の補強コードCを含むものであり、図4(b)のストリップSはコートゴムR中に1本の補強コードCを含むものである。
上記空気入りラジアルタイヤにおいて、ベルトカバー層8を構成する補強コードCとして、100℃における2.0cN/dtex負荷時の弾性率が3.5cN/(tex・%)~5.5cN/(tex・%)の範囲にあると共に、周波数20Hz、歪±0.1%、初荷重300g、昇温速度2℃/分の条件下で測定されるtanδのピーク値が0.15以下であるポリエチレンテレフタレート繊維コードが使用されている。
上述した空気入りタイヤでは、ベルトカバー層8を構成する補強コードCとして2.0cN/dtex負荷時の弾性率を3.5cN/(tex・%)~5.5cN/(tex・%)の範囲にあるポリエチレンテレフタレート繊維コードを使用することにより、コード疲労性を十分に確保しながらロードノイズを効果的に低減することができる。しかも、ポリエチレンテレフタレート繊維コードの上記条件下で測定されるtanδのピーク値を0.15以下に設定することにより、ポリエチレンテレフタレート繊維コードの発熱を抑制し、ベルトカバー層8の周辺でのセパレーション故障の発生を抑制することができる。これにより、耐久性を良好に維持しながら、ロードノイズを効果的に低減することが可能になる。
ここで、ベルトカバー層8に使用されるポリエチレンテレフタレート繊維コードの2.0cN/dtex負荷時の弾性率が3.5cN/(tex・%)よりも小さいと中周波ロードノイズを十分に低減することができず、逆に5.5cN/(tex・%)よりも大きいとコードの耐疲労性が低下し、タイヤの耐久性が低下する。
また、ベルトカバー層8に使用されるポリエチレンテレフタレート繊維コードについて、上記条件下で測定されるtanδのピーク値が0.15よりも大きいとポリエチレンテレフタレート繊維コードの発熱性が高くなるためタイヤの耐久性が低下し、特に、ベルトカバー層8の周辺でのセパレーション故障が発生し易くなる。なお、ベルトカバー層8に使用されるポリエチレンテレフタレート繊維コードは多数のフィラメントから構成されているが、そのフィラメントカウントは300本以下であることが望ましい。フィラメントカウントが300本よりも多いと、ポリエチレンテレフタレート繊維コードのフィラメント間の摩擦が大きくなり、発熱が促進されてコード疲労性が低下する。
図5はポリエチレンテレフタレート繊維コードのtanδと温度との関係を示すグラフである。図5において、周波数20Hz、歪±0.1%、昇温速度2℃/分を共通条件とし、初荷重を50gとした場合のtanδの変化曲線A、初荷重を300gとした場合のtanδの変化曲線B、初荷重を500gとした場合のtanδの変化曲線Cが描写されている。ポリエチレンテレフタレート繊維コードのtanδは、温度の上昇に伴って変化し、例えば0℃~200℃の温度範囲においてピーク値(極大値)を持つ。また、ポリエチレンテレフタレート繊維コードのtanδは、初荷重が小さく張力が低いほどtanδのピーク値が上昇する傾向がある。本発明では、初荷重を300gとした場合のtanδのピーク値が0.15以下となるポリエチレンテレフタレート繊維コードを使用するのである。なお、tanδのピーク値は0.05以上であると良い。
上述のようにポリエチレンテレフタレート繊維コードのtanδは、初荷重が小さく張力が低いほどtanδのピーク値が上昇する傾向があるので、上記空気入りタイヤにおいて、ポリエチレンテレフタレート繊維コードのタイヤ中の張力は例えば0.2cN/dtex以上とすることが求められる。特に、ポリエチレンテレフタレート繊維コードのタイヤ中の張力は0.9cN/dtex以上であると良い。これにより、ベルトカバー層8を構成するポリエチレンテレフタレート繊維コードのtanδのピーク値を低下させ、耐久性の改善効果を高めることができる。
ここで、ポリエチレンテレフタレート繊維コードのタイヤ中の張力が小さ過ぎると、ベルトカバー層8を構成するポリエチレンテレフタレート繊維コードのtanδのピーク値を低下させる効果が不十分になる。なお、ポリエチレンテレフタレート繊維コードのタイヤ中の張力の実用上の上限値は3.0cN/dtex程度である。また、ベルトカバー層8を構成するポリエチレンテレフタレート繊維コード(ストリップ)の端末から2周分の周回部分は張力が不可避的に低下する傾向があるので、上述した張力の規定はポリエチレンテレフタレート繊維コード(ストリップ)の端末から2周分の周回部分を除外した部分に適用される。つまり、ポリエチレンテレフタレート繊維コードの端末から2周分の周回部分を除外した部分の全域において上述した張力の規定を満たしている。
また、ベルトカバー層8を構成するポリエチレンテレフタレート繊維コードについて、トレッド部1のセンター領域におけるポリエチレンテレフタレート繊維コードのタイヤ中の張力Tceとトレッド部1のショルダー領域におけるポリエチレンテレフタレート繊維コードのタイヤ中の張力Tshとの比Tce/Tshは1.0≦Tce/Tsh≦2.0の関係を満足すると良い。これにより、トレッド部1のショルダー領域におけるポリエチレンテレフタレート繊維コードのタイヤ中の張力Tshを十分に確保し、トレッド部1のショルダー領域を起点とするセパレーション故障の発生を効果的に抑制することができる。
ここで、比Tce/Tshが2.0よりも大きいとトレッド部1のショルダー領域におけるポリエチレンテレフタレート繊維コードのタイヤ中の張力Tshが相対的に小さくなるため、ショルダー領域に配置されたカバーコードの発熱が上昇してしまい、セパレーション故障の発生を効果的に抑制することができなくなる。トレッド部1のセンター領域におけるポリエチレンテレフタレート繊維コードのタイヤ中の張力Tceはタイヤ赤道位置において測定される張力であり、トレッド部1のショルダー領域におけるポリエチレンテレフタレート繊維コードのタイヤ中の張力Tshはベルトカバー層8を構成するポリエチレンテレフタレート繊維コード(ストリップ)の端末から2周分の周回部分を除外した部分の幅方向最外側位置において測定される張力である。
図6はベルト層及びベルトカバー層を含むトレッドリングを成形するための成形ドラムの一例を示すものである。図6において、成形ドラムDはその外周面にタイヤ幅方向に沿って湾曲する曲率を有している。つまり、成形ドラムDは、幅方向中央部において外径が最も大きくなり、幅方向外側に向かって外径が徐々に小さくなるような断面形状を有している。このような成形ドラムDを用いてベルト層7及びベルトカバー層8を含むトレッドリングを成形した場合、ベルトカバー層8がタイヤ中の最終形状に近似した形状で成形されるので、上述した1.0≦Tce/Tsh≦2.0の関係を達成する上で有利である。
上記空気入りタイヤにおいて、ベルトカバー層8は1本のポリエチレンテレフタレート繊維コードが螺旋状に巻回された構造を有していると良い。つまり、図4(b)のように1本の補強コードCを含むストリップSがタイヤ周方向に沿って螺旋状に巻回された構造であると良い。ベルトカバー層8を構成するポリエチレンテレフタレート繊維コードの端末には張力が掛かり難いが、1本巻きとすることで、その影響を極力小さくすることができる。これにより、ベルトカバー層8のより広い範囲においてポリエチレンテレフタレート繊維コードの張力を十分に確保し、耐久性の改善効果を高めることができる。
ベルトカバー層8を構成するポリエチレンテレフタレート繊維コードの弾性率やtanδのピーク値は、撚り構造やディップ条件により適宜調整することが可能である。例えば、撚り構造について、撚り数が低いほどtanδのピーク値が低くなる傾向がある。
上記空気入りタイヤにおいて、ベルトカバー層8を構成するポリエチレンテレフタレート繊維コードの下記(1)式で表される撚り係数Kは1300~1800の範囲にあると良い。これにより、耐久性の改善効果とロードノイズの低減効果をより高い次元で両立することができる。
K=T√D ・・・(1)
但し、T:コードの上撚り数(回/10cm)
D:コードの総繊度(dtex)
ここで、ベルトカバー層8を構成するポリエチレンテレフタレート繊維コードの撚り係数Kが1300よりも小さいとコードの耐疲労性が低下し、タイヤの耐久性が低下することになり、逆に1800よりも大きいとコードモジュラスが低下し、中周波ロードノイズを効果的に低減することができない。ベルトカバー層8を構成するポリエチレンテレフタレート繊維コードの総繊度は1000dtex~3000dtexの範囲にあり、その上撚り数は20.0回/10cm~40.0回/10cmの範囲にあることが望ましい。
タイヤサイズが225/60R18であり、トレッド部と一対のサイドウォール部と一対のビード部とを備えると共に、一対のビード部間にカーカス層が装架され、トレッド部におけるカーカス層の外周側に2層のベルト層が配置され、ベルト層の外周側にタイヤ周方向に沿って螺旋状に巻回されたポリエチレンテレフタレート繊維コードを含むベルトカバー層が配置された空気入りラジアルタイヤにおいて、ベルトカバー層に使用されるポリエチレンテレフタレート繊維コード(1100dtex/2)について、100℃における2.0cN/dtex負荷時の弾性率、所定の条件下(周波数20Hz、歪±0.1%、初荷重300g、昇温速度2℃/分)で測定されるtanδのピーク値、タイヤ中の張力(Tce,Tsh)を表1及び表2のように設定した従来例1、比較例1~4及び実施例1~5のタイヤを製作した。
これら試験タイヤについて、下記の評価方法により、ロードノイズ、耐久性を評価し、その結果を表1及び表2に併せて示した。
ロードノイズ:
各試験タイヤをリムサイズ18×7Jのホイールに組み付けて排気量2500ccの乗用車の前後車輪として装着し、空気圧を230kPaとし、運転席の窓の内側に集音マイクを設置し、アスファルト路面からなるテストコースを平均速度50km/hの条件で走行させた際の周波数315Hz付近の音圧レベルを測定した。評価結果としては、従来例1を基準とし、その基準に対する変化量(dB)を示した。
耐久性:
各試験タイヤをリムサイズ18×7Jのホイールに組み付け、内圧230kPaで酸素を封入した状態で温度70℃及び湿度95%に保持されたチャンバー内に30日間保管した後、内部の酸素を解放し、内圧230kPaで空気を充填する。このように前処理された試験タイヤを、表面が平滑な鋼製で直径1707mmのドラムを備えたドラム試験機に装着し、周辺温度を38±3℃に制御し、初期速度を120km/hとし、0.5時間ごとに速度を10km/hずつ増加させ、タイヤが破壊するまで試験を継続し、その走行距離を計測した。評価結果は、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど耐久性が優れていることを意味する。また、タイヤの故障形態を調べ、カーカス層の巻き上げ端末付近での破壊である場合を「A」にて示し、ベルトカバー層のセパレーション故障である場合を「B」にて示し、その他の故障である場合を「C」にて示した。
Figure 0007088402000001
Figure 0007088402000002
表1及び表2から判るように、実施例1~5のタイヤは、基準となる従来例1との対比において、耐久性を良好に維持しながら、ロードノイズを効果的に低減することができた。一方、比較例1,2のタイヤは、いずれもベルトカバー層を構成するポリエチレンテレフタレート繊維コードの2.0cN/dtex負荷時の弾性率が高過ぎるため、ロードノイズの低減効果が得られるものの、ベルトカバー層にセパレーション故障が発生し、耐久性が悪化していた。比較例3のタイヤは、ベルトカバー層を構成するポリエチレンテレフタレート繊維コードの2.0cN/dtex負荷時の弾性率が低過ぎるため、ロードノイズの低減効果が不十分であった。比較例4のタイヤは、ベルトカバー層を構成するポリエチレンテレフタレート繊維コードの上記条件下で測定されるtanδのピーク値が高過ぎるため、ベルトカバー層にセパレーション故障が発生し、耐久性が悪化していた。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルトカバー層
10 主溝

Claims (4)

  1. タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えると共に、前記一対のビード部間にカーカス層が装架され、前記トレッド部における前記カーカス層の外周側に複数層のベルト層が配置され、該ベルト層の外周側にタイヤ周方向に沿って螺旋状に巻回されたポリエチレンテレフタレート繊維コードを含むベルトカバー層が配置された空気入りラジアルタイヤにおいて、
    前記ポリエチレンテレフタレート繊維コードは、100℃における2.0cN/dtex負荷時の弾性率が3.5cN/(tex・%)~5.5cN/(tex・%)の範囲にあり、周波数20Hz、歪±0.1%、初荷重300g、昇温速度2℃/分の条件下で測定されるtanδのピーク値が0.15以下であることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記ポリエチレンテレフタレート繊維コードのタイヤ中の張力が0.9cN/dtex以上であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記トレッド部のセンター領域における前記ポリエチレンテレフタレート繊維コードのタイヤ中の張力Tceと前記トレッド部のショルダー領域における前記ポリエチレンテレフタレート繊維コードのタイヤ中の張力Tshとの比Tce/Tshが1.0≦Tce/Tsh≦2.0の関係を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  4. 前記ベルトカバー層は1本のポリエチレンテレフタレート繊維コードが螺旋状に巻回された構造を有することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
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