JP6682860B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。詳細には、本発明は、荷重支持層を備えたランフラットタイヤに関する。
サイドウォールの内側に荷重支持層を備えたランフラットタイヤでは、パンクによって内圧が低下すると、支持層によって荷重が支えられる。このランフラットタイヤでは、パンク状態でも、ある程度の距離の走行が可能である。このパンク状態での走行は、ランフラット走行と称される。ランフラット走行が継続されると、支持層の変形と復元とが繰り返される。この繰り返しにより支持層で熱が生じ、タイヤが高温に達する。これらの変形や高温に耐えて、長時間のランフラット走行が可能なタイヤが望まれている。ランフラット耐久性に優れたタイヤが望まれている。
近年の車両の低燃費化に対する要求から、ランフラットタイヤに対しても、転がり抵抗の低減が求められている。荷重支持層は、転がり抵抗が増大する要因となりうる。さらに、高い剛性を有する荷重支持層は、タイヤの縦バネ定数を大きくする。大きな縦バネ定数は、乗り心地を損ねる。転がり抵抗が小さく、通常走行時の乗り心地に優れたランフラットタイヤに対する要求も大きい。
ランフラットタイヤについての検討が特開2010−137853公報に開示されている。このタイヤでは、高いランフラット耐久性と通常走行時の良好な乗り心地とを実現するために、インサート(荷重支持層)が硬いゴムと柔らかいゴムとの二層構造とされている。
特開2010−137853公報
ランフラット耐久性、乗り心地及び低い転がり抵抗を、さらに改善したランフラットタイヤが求められている。これまでは、インナーライナーに着目してこれらを改善する試みはなされていなかった。
本発明の目的は、良好なランフラット耐久性を維持したうえで、乗り心地の向上及び転がり抵抗の低減が実現されたタイヤを提供することにある。
本発明に係る空気入りタイヤは、カーカスと、このタイヤのサイド部に位置しランフラット走行時に荷重を支える一対の荷重支持層と、このカーカス及びこの荷重支持層の内側に位置するインナーライナーとを備えている。上記インナーライナーは、主層と、この主層に積層され上記荷重支持層及び上記カーカスに接合されているタイ層とを有している。上記荷重支持層と接合されている位置における上記タイ層の厚みTtの、上記荷重支持層の厚みTiに対する比(Tt/Ti)は、0.20以上0.30以下である。
好ましくは、上記タイ層の硬さは40以上60以下である。
好ましくは、このタイヤは、トロイダル状の中子の外面において組み立てられ、モールドとこの中子との間に形成されたキャビティ内で加圧及び加熱されることにより形成されている。
本発明に係る空気入りタイヤの製造方法は、カーカスと、このタイヤのサイド部に位置しランフラット走行時に荷重を支える一対の荷重支持層と、このカーカス及びこの荷重支持層の内側に位置するインナーライナーとを備え、
上記インナーライナーが、主層と、この主層に積層され上記荷重支持層及び上記カーカスに接合されているタイ層とを有しているタイヤを製造するための方法である。
この製造方法は、
(1)トロイダル状の中子が用意される工程、
(2)上記中子の外面に、上記主層、上記タイ層、上記荷重支持層、その他のタイヤの構成要素が積層されることでローカバーが得られる工程、
及び
(3)このローカバーが、モールドとこの中子との間に形成されたキャビティ内で加圧及び加熱することでタイヤが得られる工程
を備えている。上記(2)の工程では、上記荷重支持層と接合されている位置における上記タイ層の厚みTtの、上記荷重支持層の厚みTiに対する比(Tt/Ti)が0.20以上0.30以下となるように、上記タイ層及び上記荷重支持層が積層される。
発明者らは、ランフラットタイヤのサイド部の構成について、詳細に検討を行った。その結果、適切な範囲までは、荷重支持層を薄くしても、その分インナーライナーのタイ層の厚みを厚くすることで、ランフラット耐久性が維持されることを見出した。
本発明に係るタイヤでは、上記荷重支持層と接合されている位置における上記タイ層の厚みTtの、上記荷重支持層の厚みTiに対する比(Tt/Ti)は0.20以上0.30以下である。このタイヤでは、従来と比べ、タイ層の厚みTtは厚く、上記荷重支持層の厚みTiは薄い。このタイヤでは、荷重支持層の厚みが薄くされても、荷重支持層の厚みとタイ層の厚みとの比が適正に調整されているため、良好なランフラット耐久性が維持される。このタイヤでは、荷重支持層の厚みが薄いため、転がり抵抗が小さい。さらに、荷重支持層の厚みが薄いため、このタイヤの縦バネ定数は小さい。このタイヤは、乗り心地に優れる。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤの一部が示された拡大断面図である。 図3は、図1のタイヤの製造工程の一部が示された断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤ2が示されている。図1において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。図1において、一点鎖線CLはタイヤ2の赤道面を表わす。このタイヤ2の形状は、トレッドパターンを除き、赤道面に対して対称である。
このタイヤ2は、トレッド4、一対のサイドウォール6、一対のクリンチ8、一対のビード10、カーカス12、一対の荷重支持層14、ベルト16、バンド18、一対のチェーファー20及びインナーライナー22を備えている。このタイヤ2のうち、トレッド4の端近辺から半径方向内側に延びる部分は、サイド部24と称される。サイドウォール6、クリンチ8、ビード10、荷重支持層14及びチェーファー20は、サイド部24に位置している。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。このタイヤ2は、乗用車に装着される。
トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、路面と接地するトレッド面26を形成する。トレッド面26には、溝28が刻まれている。この溝28により、トレッドパターンが形成されている。トレッド4は、ベース層30とキャップ層32とを有している。キャップ層32は、ベース層30の半径方向外側に位置している。キャップ層32は、ベース層30に積層されている。ベース層30は、接着性に優れた架橋ゴムからなる。ベース層30の典型的な基材ゴムは、天然ゴムである。キャップ層32は、耐摩耗性、耐熱性及びグリップ性に優れた架橋ゴムからなる。
それぞれのサイドウォール6は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6の半径方向外側端は、トレッド4と接合されている。このサイドウォール6の半径方向内側端は、クリンチ8と接合されている。このサイドウォール6は、耐カット性及び耐候性に優れた架橋ゴムからなる。サイドウォール6は、軸方向においてカーカス12よりも外側に位置している。サイドウォール6は、カーカス12の損傷を防止する。
損傷防止の観点から、サイドウォール6の硬さは50以上が好ましく、55以上がより好ましい。通常状態の乗り心地性の観点から、硬さは70以下が好ましく、65以下がより好ましい。本願において、硬さは「JIS K6253」の規定に準じ、タイプAのデュロメータによって測定される。図1に示された断面にこのデュロメータが押し付けられて、硬さが測定される。測定は、23℃の温度下でなされる。後述するクリンチ8、エイペックス、荷重支持層14及びタイ層の硬さも同様にして測定される。
それぞれのクリンチ8は、サイドウォール6の半径方向略内側に位置している。クリンチ8は、軸方向において、ビード10及びカーカス12よりも外側に位置している。クリンチ8は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。図示されないが、クリンチ8は、リムのフランジと当接する。
耐摩耗性の観点から、クリンチ8の硬さは60以上が好ましく、65以上がより好ましい。通常状態の乗り心地性の観点から、硬さは90以下が好ましく、80以下がより好ましい。
サイドウォール6とクリンチ8との境界近辺に、軸方向外側に向かってテーパー状に突出したリムプロテクター34が形成されている。図示されないが、このタイヤ2がリムに装着されたとき、リムプロテクター34の端面は、軸方向において、リムのフランジの端よりも外側に位置している。リムプロテクター34は、軸方向において、フランジの端から突出している。車両が路肩に寄せられたとき、リムプロテクター34が縁石に接触する。これにより、リムフランジと縁石との接触が回避される。リムプロテクター34は、フランジの損傷を防止する。
それぞれのビード10は、クリンチ8よりも軸方向内側に位置している。この実施形態では、ビード10は、第一コア36と、第二コア38と、エイペックス40とを備えている。より詳細には、このビード10は、第一コア36、第二コア38及びエイペックス40から構成されている。
第一コア36は、カーカス12よりも軸方向内側に位置している。第一コア36は、リング状である。第一コア36は、巻回された非伸縮性の第一ワイヤーを含む。このタイヤ2の第一コア36は、第一ワイヤーを周方向に沿って渦巻き状に巻き回すことにより形成されている。第一ワイヤーの典型的な材質は、スチールである。
第二コア38は、第一コア36よりも軸方向外側に位置している。第二コア38は、カーカス12よりも軸方向外側に位置している。第二コア38は、リング状である。第二コア38は、巻回された非伸縮性の第二ワイヤーを含む。このタイヤ2の第二コア38は、第二ワイヤーを周方向に沿って渦巻き状に巻き回すことにより形成されている。第二ワイヤーの典型的な材質は、スチールである。このタイヤ2では、第一ワイヤーと同等のワイヤーが第二ワイヤーとして用いられている。
エイペックス40は、高硬度な架橋ゴムからなる。エイペックス40は、カーカス12よりも軸方向外側に位置している。図から明らかなように、エイペックス40は、第二コア38を覆い、かつ、この第二コア38から半径方向略外向きに延在している。このタイヤ2では、エイペックス40の外側端は、クリンチ8の外側端よりも半径方向内側に位置している。
ビード10の部分が適切な剛性を有するとの観点から、エイペックス40の硬さは60以上が好ましく、65以上がより好ましい。通常走行時の乗り心地性の観点から、硬さは90以下が好ましく、80以下がより好ましい。
このタイヤ2では、エイペックス40は十分な大きさを有している。このエイペックス40を含むビード10は、タイヤ2をリムに十分に締め付ける。このビード10には、カーカス12よりも軸方向内側に位置する別のエイペックス40は不要である。このビード10は、タイヤ2を構成する部品数の低減に寄与しうる。しかもカーカス12の軸方向外側にのみエイペックス40を設ければよいので、このビード10の製造は容易である。このビード10は、生産性の向上に寄与しうる。
カーカス12は、カーカスプライ42を備えている。このタイヤ2のカーカス12は、一枚のカーカスプライ42からなる。このカーカス12が2枚以上のカーカスプライ42から形成されてもよい。カーカスプライ42は、両側のビード10の間に架け渡されている。カーカスプライ42は、トレッド4及びサイドウォール6の内側に沿っている。この実施形態では、カーカスプライ42の端の部分はビード10の第一コア36とその第二コア38との間に挟まれている。
この実施形態のタイヤ2では、カーカス12の形成に際し、従来のタイヤのように、カーカスプライ42を折り返す必要はない。このタイヤ2では、カーカス12の形成は容易である。このカーカス12は、生産性の向上に寄与しうる。
図示されていないが、カーカスプライ42は並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、75°から90°である。換言すれば、このカーカス12はラジアル構造を有する。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ポリエチレンテレフタレート繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
それぞれの荷重支持層14は、架橋ゴムからなる。荷重支持層14は、サイドウォール6よりも軸方向内側に位置している。荷重支持層14は、カーカス12よりも軸方向内側に位置している。荷重支持層14は、インナーライナー22よりも軸方向外側に位置している。荷重支持層14の半径方向内側部分は、ビード10の第一コア36を覆う。この荷重支持層14は、この第一コア36から半径方向略外向きに延在している。荷重支持層14の半径方向外側部分は、先細りな形状を呈している。荷重支持層14の半径方向外側端は、軸方向において、ベルト16の外側層の端よりも内側に位置している。
荷重支持層14は、高硬度な架橋ゴムからなる。タイヤ2がパンクしたとき、この荷重支持層14が荷重を支える。この荷重支持層14により、パンク状態であっても、タイヤ2はある程度の距離を走行しうる。このタイヤ2は、ランフラットタイヤ2とも称されている。このタイヤ2は、サイド補強タイプである。このタイヤ2が、図1に示された荷重支持層14の形状とは異なる形状を有する荷重支持層14を備えてもよい。
ランフラット走行時に荷重を支えうるとの観点から、荷重支持層14の硬さは60以上が好ましく、65以上がより好ましい。通常状態の乗り心地性の観点から、硬さは90以下が好ましく、80以下がより好ましい。
ベルト16は、トレッド4の半径方向内側に位置している。ベルト16は、カーカス12と積層されている。ベルト16は、カーカス12を補強する。ベルト16は、内側層16a及び外側層16bからなる。図1から明らかなように、内側層16aの幅は、外側層16bの幅よりも若干大きい。図示されていないが、内側層16a及び外側層16bのそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードは、赤道面に対して傾斜している。傾斜角度の絶対値は、通常は10°以上35°以下である。内側層16aのコードの赤道面に対する傾斜方向は、外側層16bのコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。コードの好ましい材質は、スチールである。コードに、有機繊維が用いられてもよい。ベルト16が、3以上の層を備えてもよい。
バンド18は、ベルト16の半径方向外側に位置している。軸方向において、バンド18の幅はベルト16の幅と略同等である。図示されていないが、バンド18は、コードとトッピングゴムとからなる。コードは、螺旋状に巻かれている。このバンド18は、いわゆるジョイントレス構造を有する。コードは、実質的に周方向に延びている。周方向に対するコードの角度は、5°以下、さらには2°以下である。このコードによりベルト16が拘束されるので、ベルト16のリフティングが抑制される。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
ベルト16及びバンド18は、補強層を構成している。ベルト16のみから、補強層が構成されてもよい。バンド18のみから、補強層が構成されてもよい。
それぞれのチェーファー20は、ビード10の近傍に位置している。タイヤ2がリムに組み込まれると、このチェーファー20がリムと当接する。この当接により、ビード10の近傍が保護される。この実施形態では、チェーファー20は、布とこの布に含浸したゴムとからなっている。チェーファー20がクリンチ8と一体となっていてもよい。この場合、チェーファー20の材質はクリンチ8の材質と同じである。
インナーライナー22は、カーカス12及び荷重支持層14の内側に位置している。インナーライナー22は、一方の荷重支持層14の内側から、もう一方の荷重支持層14の内側まで延びている。インナーライナー22は、主層44及びタイ層46を備えている。インナーライナー22は、主層44とタイ層46とからなる。
主層44は、タイヤ2の内面を構成している。主層44は、空気遮蔽性に優れた架橋ゴムからなる。主層44は、一方の荷重支持層14の内側から、もう一方の荷重支持層14の内側まで延びている。主層44は、内圧を保持する役割を果たす。タイ層46は、主層44に積層されている。タイ層46は、カーカス12及び荷重支持層14の内側に沿っている。タイ層46は、一方の荷重支持層14の内側から、もう一方の荷重支持層14の内側まで延びている。タイ層46は接着性に優れた架橋ゴムよりなる。タイ層46は、カーカス12及び荷重支持層14の内面に接合されている。タイ層46は、主層44に接合されている。タイ層46を介して、主層44と、カーカス12及び荷重支持層14とは、堅固に接合されている。タイ層46は低発熱である。タイ層46は、荷重支持層14を構成する架橋ゴムよりも低発熱な架橋ゴムよりなる。タイ層46は、主層44を構成する架橋ゴムよりも低発熱な架橋ゴムよりなる。
主層44は、第一ゴム組成物を架橋したものからなる。第一ゴム組成物は、第一基材ゴムを含む。このタイヤ2では、第一基材ゴムの主成分はブチル系ゴムである。ブチル系ゴムは、他のゴムに比して小さな空気透過係数を有する。ブチル系ゴムは、空気遮蔽性に優れる。
ブチル系ゴムとしては、ブチルゴム及びハロゲン化ブチルゴムが例示される。ハロゲン化ブチルゴムとしては、クロロブチルゴム及びブロモブチルゴムが例示される。空気遮蔽性の観点から、ブチル系ゴムとしてはブチルゴムが好ましい。二種類以上のブチル系ゴムが併用されてもよい。
このタイヤ2では、加工性の観点から、ブチル系ゴム以外の他のゴムを第一基材ゴムは含むことができる。この他のゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム及びエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体が例示される。前述したように、このタイヤ2では、第一基材ゴムの主成分はブチル系ゴムである。第一基材ゴムがブチル系ゴム以外の他のゴムを含む場合には、第一基材ゴム全量に対するこのブチル系ゴムの量の比率は、60質量%以上、特には80質量%以上が好ましい。
第一ゴム組成物は、補強剤を含む。典型的な補強剤は、カーボンブラックである。FEF、GPF、HAF、ISAF、SAF等が用いられうる。主層44の強度の観点から、カーボンブラックの量は、第一基材ゴム100質量部に対して5質量部以上が好ましく、10質量部以上が特に好ましい。主層44の軟質の観点から、カーボンブラックの量は50質量部以下が好ましく、40質量部以下が特に好ましい。カーボンブラックと共に、又はカーボンブラックに代えて、シリカが用いられてもよい。この場合、乾式シリカ及び湿式シリカが用いられうる。
第一ゴム組成物は、充填剤を含むことができる。この充填剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミナ、クレー、タルク及び酸化マグネシウムが例示される。第一ゴム組成物に、2以上の充填剤が併用されてもよい。第一ゴム組成物は、充填剤以外に、軟化剤、粘着性付与剤、硫黄などの架橋剤、加硫促進剤、架橋助剤、老化防止剤等の薬品も含むことができる。タイヤ2の加工性及び性能が考慮されて、最適な薬品が最適な量でこの第一ゴム組成物に配合される。このタイヤ2では、主層44が、従来のタイヤのインナーライナーにおける主層のためのゴム組成物と同等のゴム組成物で構成されてもよい。
タイ層46は、第二ゴム組成物を架橋したものからなる。第二ゴム組成物は、第二基材ゴムを含む。このタイヤ2では、第二基材ゴムの主成分は好ましくはジエン系ゴムである。ジエン系ゴムは、接着性に寄与する。
ジエン系ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム及びアクリロニトリルブタジエンゴムが例示される。接着性の観点から、このジエン系ゴムとしては、天然ゴムが好ましい。二種以上のジエン系ゴムが併用されてもよい。
このタイヤ2では、加工性の観点から、ジエン系ゴム以外の他のゴムを第二基材ゴムは含むことができる。この他のゴムとしては、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム及びアクリルゴムが例示される。前述したように、第二基材ゴムの主成分は好ましくはジエン系ゴムである。第二基材ゴムがジエン系ゴム以外の他のゴムを含む場合には、第二基材ゴム全量に対するこのジエン系ゴムの量の比率は、60質量%以上、特には80質量%以上が好ましい。
第二ゴム組成物は、補強剤を含む。主たる補強剤は、シリカである。第二ゴム組成物を架橋したタイ層46の損失正接LTtは、荷重支持層14の損失正接LTiよりも小さい。第二ゴム組成物の損失正接LTtは、主層44の損失正接LTmよりも小さい。シリカの量は、基材ゴム100質量部に対して35質量部以上が好ましく、45質量部以上が特に好ましい。この量は、100質量部以下が好ましい。シリカと共に、又はシリカに代えてカーボンブラックが用いられてもよい。
本発明では、上記損失正接LTt、LTi及びLTmは、「JIS K 6394」の規定に準拠して、粘弾性スペクトロメーター(岩本製作所製の「VESF−3」)を用いて、下記に示される条件で計測される。
初期歪み:10%
振幅:±2.0%
周波数:10Hz
変形モード:引張
測定温度:100℃
第二ゴム組成物は、充填剤を含むことができる。この充填剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミナ、クレー、タルク及び酸化マグネシウムが例示される。第二ゴム組成物に、2以上の充填剤が併用されてもよい。第二ゴム組成物は、充填剤以外に、軟化剤、粘着性付与剤、硫黄などの架橋剤、加硫促進剤、架橋助剤、老化防止剤等の薬品も含むことができる。タイヤ2の加工性及び性能が考慮されて、最適な薬品が最適な量でこの第二ゴム組成物に配合される。このタイヤ2では、タイ層46が、従来のタイヤのインナーライナーにおけるタイ層のためのゴム組成物と同等のゴム組成物で構成されてもよい。
図2は、図1のタイヤ2のサイド部24の拡大図である。図2において、上下方向が半径方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向が周方向である。
図に示されるとおり、タイ層46の厚みは、荷重支持層14と接合している部分において、他の部分よりも厚くなっている。荷重支持層14と接合している部分において、タイ層46の厚みは、従来のタイヤのタイ層に比べて、厚くなっている。このタイヤ2では、タイ層46の厚みが厚い分、荷重支持層14の厚みは薄くなっている。タイ層46の厚みは、荷重支持層14と接合している部分における半径方向中央近辺にて、最も厚くなっている。前述の通り、荷重支持層14は、半径方向外側部分は、先細りな形状を呈している。タイ層46の厚みも荷重支持層14の厚みに対応して、荷重支持層14の半径方向外側に向けて徐々に細くなっている。タイ層46の厚みは、第一コア36の近辺で、内側に向けて徐々に細くなっている。荷重支持層14と接合していない部分において、タイ層46の厚みは、一定である。
図において、符号Pは、この点における荷重支持層14の厚みが最大となる、荷重支持層14の軸方向内側面上の点である。両矢印Tiは、荷重支持層14の最大厚みである。すなわち、厚みTiは、点Pにおける法線Lnに沿って計測した荷重支持層14の内側面から外側面までの距離である。両矢印Ttは、点Pにおけるタイ層46の厚みである。厚みTtは、法線Lnに沿って計測したタイ層46の内側面から外側面までの距離である。この明細書では、単に「荷重支持層14の厚み」とは、厚みTiを意味する。「荷重支持層14と接合されている部分におけるタイ層46の厚み」とは、厚みTtを意味する。このタイヤ2では、厚みTtの厚みTiに対する比(Tt/Ti)は、0.2以上0.3以下である。
以下ではこのタイヤ2の製造方法が説明される。このタイヤ2の製造方法は、
(1)トロイダル状の中子が準備される工程、
(2)中子の外面に、タイヤ2の構成要素が積層されることでローカバーが得られる工程、
(3)このローカバーが、モールドとこの中子との間に形成されたキャビティ内で加圧及び加熱されることによりタイヤ2が得られる工程
を備えている。
上記(1)の工程では、図1のタイヤ2を製造するための中子が準備される。図3は、このタイヤの製造工程の一部が示された図である。中子48はトロイダル状の外面を備えている。この中子48の外面は、空気が充填されその内圧が正規内圧の5%に保持された状態にあるタイヤ2の内面形状に近似されている。中子48は、剛体である。通常中子48は金属材料からなる。
上記(2)の工程では、まず、主層44のためのゴム組成物を押し出して、テープ状の第一ストリップが用意される。この第一ストリップが、中子48の外面に巻かれる。タイ層46のためのゴム組成物を押し出して、テープ状の第二ストリップが用意される。この第二ストリップが、この第一ストリップの外面に巻かれる。このとき、第二ストリップは、荷重支持層14と接合する部分において、その厚みが厚くなるように巻かれる。これにより、中子48の外面にインナーライナー22が積層される。荷重支持層14のためのゴム組成物を押し出して、テープ状の第三ストリップが用意される。この第三ストリップが、インナーライナー22の外面に巻かれる。これにより、荷重支持層14が積層される。この工程では、後に説明する(3)の工程後に得られるタイヤ2において、比(Tt/Ti)が0.2以上0.3以下となるように、第二ストリップと第三ストリップとが巻かれる。後の(3)の工程後に得られるタイヤ2において比(Tt/Ti)が0.2以上0.3以下となるように、タイ層46と荷重支持層14とが積層される。
さらに、この荷重支持層14にビード10の一部をなす第一コア36が組み合わされる。インナーライナー22、荷重支持層14及び第一コア36の外側に、カーカスプライ42が積層される。このカーカスプライ42の端部に、ビード10の他の一部をなす第二コア38が組み合わされる。さらに、エイペックス40、ベルト16、サイドウォール6、トレッド4等の要素が積層され、ローカバー50が得られる。この製造方法では、ローカバー50が組み立てられる工程は成形工程と称されている。
上記のとおり、この製造方法では、中子48の外面において、インナーライナー22や荷重支持層14等の多数の要素が積層されてローカバー50が得られる。言い換えれば、ローカバー50は中子48の外面において組み立てられる。前述したように、中子48の外面は、空気が充填されその内圧が正規内圧の5%に保持された状態にあるタイヤ2の内面形状に近似されている。この製造方法では、従来の製造方法のようなローカバーのシェーピングは不要である。この製造方法では、成形工程においてローカバー50は引き延ばされない。
上記(3)の工程では、ローカバー50は、開かれたモールド52に投入される。図3に、モールド52に投入されたローカバー50が示されている。ローカバー50は中子48に積層された状態でモールド52に投入される。したがって、モールド52に投入されたローカバー50の内側には、中子48が位置している。モールド52は、剛体である。通常モールド52は、金属材料からなる。
図3に示されているように、モールド52が締められると、ローカバー50はモールド52のキャビティ面と中子48の外面とに挟まれて加圧される。ローカバー50は、中子48及びモールド52からの熱伝導により、加熱される。加圧と加熱とにより、ローカバー50のゴム組成物が流動する。加熱によりゴム組成物が架橋反応を起こし、図1に示されたタイヤ2が得られる。このタイヤ2は、ローカバー50をモールド52と中子48との間に形成されたキャビティ内で加圧及び加熱することにより形成される。この製造方法では、ローカバー50が加圧及び加熱される工程は架橋工程と称される。
以下では、本発明の作用効果が説明される。
発明者らは、ランフラットタイヤのサイド部の構成について、詳細に検討を行った。その結果、適切な範囲までは、荷重支持層を薄くしても、その分インナーライナーのタイ層の厚みを厚くすることで、ランフラット耐久性が維持されることを見出した。前述の通り、このタイヤ2では、タイ層46の損失正接LTtは、荷重支持層14の損失正接LTiよりも小さい。荷重支持層14を薄くし、インナーライナー22のタイ層46の厚みを厚くすることで、発熱を小さくすることができる。これはタイヤ2の転がり抵抗を低減する。さらに、硬さが高い荷重支持層14を薄くすることで、縦バネ定数が小さくできる。これは、乗り心地の向上に寄与する。このタイヤ2では、サイド部24の厚みが一定のもとで、荷重支持層14と接合されている位置におけるタイ層46の厚みTtと荷重支持層14の厚みTiとの比を適正に整えることで、良好なランフラット耐久性を維持したまま、転がり抵抗の削減と乗り心地の向上が実現されている。
このタイヤ2では、厚みTtの、荷重支持層14の厚みTiに対する比(Tt/Ti)は、0.30以下である。比(Tt/Ti)を0.30以下にすることで、良好なランフラット耐久性が維持される。このタイヤ2は、ランフラット耐久性に優れる。この観点から、比(Tt/Ti)は、0.28以下がより好ましい。このタイヤ2では、比(Tt/Ti)は0.20以上である。比(Tt/Ti)を0.20以上とすることで、転がり抵抗及び縦バネ定数が効果的に削減できる。このタイヤ2では、低い転がり抵抗と良好な乗り心地が実現されている。この観点から、比(Tt/Ti)は0.22以上がより好ましい。
タイ層46の硬さHDは、40以上が好ましい。硬さHDを40以上とすることで、このタイ層46は、ランフラット耐久性に効果的に寄与しうる。このタイヤ2は、ランフラット耐久性に優れる。この観点から、硬さHDは45以上がより好ましい。硬さHDは、60以下が好ましい。硬さHDを60以下とすることで、このタイ層46が縦バネ定数に与える影響は抑えられている。このタイヤ2では、優れた乗り心地が実現されている。この観点から、硬さHDは55以下がより好ましい。
前述のとおり、主層44の損失正接LTmは、タイ層46の損失正接LTtより大きい。主層44はタイ層46よりも発熱し易い。さらに、一般に主層44は、タイ層46よりも比重が重い。この実施形態では示されていないが、このタイヤ2では、タイ層46が厚くされているため、空気保持性能を維持したままで、主層44を薄くすることができる。これにより、タイヤ2の発熱及び質量を減らすことができる。これにより、さらに転がり抵抗を小さくすることができる。
荷重支持層14は、剛性が大きい。剛性が大きい荷重支持層14は、その固有振動数により決まる特定の周波数域にあるノイズを増加させることがある。ランフラットタイヤ2では、通常走行時の静粛性が損なわれる恐れがある。
タイ層46と荷重支持層14とは、それぞれが有する固有振動数が異なる。走行時に、それぞれの層が発するノイズの周波数が異なる。このタイヤ2では、従来のタイヤに比べて、タイ層46は厚くされ、荷重支持層14は薄くされている。これは、特有の周波数を有するノイズのピーク値を低減する。これは、通常走行時の静寂性の向上に寄与する。
従来、成形工程では、ドラムの周りにインナーライナー等の多数の要素を巻き付けることで、ローカバーが得られた。加硫工程では、ローカバーがモールドに投入された後に、ブラダーが膨張される。この膨張により、ローカバーは引き延ばされる。ローカバーは、モールドのキャビティ面とブラダーとに挟まれて、加圧される。同時にローカバーは加熱される。この加圧と加熱とにより、タイヤが得られた。
従来の製造方法では、タイヤの形状が、正しく形成されないことがある。例えば、成形工程において、要素をドラムに巻回したとき、その始端と終端とが重なる部分(ジョイント部と称される)は、その周囲の部分に比べて、厚みが大きくなる。ブラダーが膨張したとき、ジョイント部が十分に引き延ばされず、厚みが不均一になることが起こりうる。これは、タイヤのユニフォミティの悪化を招来する。
前述のとおり、この製造方法では、ローカバー50は、剛体である中子48と剛体であるモールド52との間で、加熱及び加圧される。この製造方法では、ローカバー50は引き延ばされない。タイヤ2は、中子48とモールド52との間のキャビティの形状と、同じ形状に成形される。この方法では、従来の方法よりも、精度よくタイヤ2の形状が形成される。このタイヤ2では、厚みの不均一は抑えられている。このタイヤ2は、ユニフォミティに優れる。
荷重支持層の厚みは、ランフラット耐久性、転がり抵抗及び乗り心地に影響する。これらのバランスを最適にするために、一度タイヤを製造し、このタイヤのランフラット耐久性、縦バネ定数及び転がり抵抗の測定結果をもとに、荷重支持層の厚みを厚くする、あるいは薄くすることが起こりうる。中子を使用したタイヤの製造方法では、タイヤの形状は、中子とモールドとの間のキャビティの形状で決まる。荷重支持層の厚みが変更されると、タイヤの形状が変更される。中子とモールドとの間の空間の形状の変更が必要となる。これまでのタイヤの製造においては、荷重支持層の厚みを厚くするために、中子の形状を変更する必要があった。中子の変更には、多くの日数と費用が必要となる。これまでのタイヤでは、一度得られたタイヤについて、短期間及び低コストで、荷重支持層の厚みを変更することは困難であった。
このタイヤ2では、荷重支持層14と接合する部分において、タイ層46の厚みが厚くされている。荷重支持層14の厚みを厚くする変更をするとき、タイヤ2の形状を維持するように、タイ層46の厚みを薄くすることができる。もちろん、荷重支持層14の厚みを厚くするとき、タイヤ2の形状を維持するように、タイ層46の厚みを薄くすることもできる。このタイヤ2では、荷重支持層14の厚みを変更する際に、中子48の形状を変更する必要がない。このタイヤ2では、中子48の形状を変更することなく、荷重支持増の厚みを変更することができる。これにより、短期間及び低コストで、荷重支持層14の厚みが適切に調整されたタイヤ2が得られうる。このタイヤ2では、短期間及び低コストで、良好なユニフォミティ、ランフラット耐久性及び乗り心地並びに低い転がり抵抗が実現されうる。
このタイヤ2では、タイヤ2の各部材の寸法及び角度は、特に言及のない限り、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。なお、タイヤ2が乗用車用である場合は、内圧が180kPaの状態で、寸法及び角度が測定される。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示された構成を備え、下記の表1に示された仕様を備えた実施例1の空気入りタイヤ(ランフラットタイヤ)を得た。このタイヤのサイズは、225/60R18とされた。このタイヤでは、荷重支持層の厚みTiは8.0mmである。荷重支持層と接合されている部分でのタイ層の厚みTtは2.0mmである。従って比(Tt/Ti)は、0.25である。なお、荷重支持層と接合していない部分でのタイ層の厚みは一定であり、その値は1.0mmである。
[比較例1]
比較例1のタイヤは、従来のブラダーを用いた方法で製造されている。このタイヤでは、タイ層は一定の厚みを備えている。タイ層は、荷重支持層と接合されている部分においても、厚くされていない。厚みTtと厚みTiとの和は、実施例1のこれらの和と同じである。タイ層の硬さは表1の通りである。その他は実施例1と同様である。比較例1のタイヤは、従来の荷重支持層を有するランフラットタイヤである。
[比較例2]
中子を用いて製造されていることの他は比較例1と同様にして、比較例2のタイヤを得た。
[実施例2−5及び比較例3−5]
厚みTtと厚みTiとの和が一定のもとで比(Tt/Ti)を表2の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2−5及び比較例3−5のタイヤを得た。これらのタイヤの製造にあたっては、同じ中子が使用された。中子の変更はされていない。
[実施例6−9]
タイ層の硬さHDを表3の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例6−9のタイヤを得た。
[タイヤ質量]
タイヤの質量を計測した。この結果が、比較例2を100とした指数値で下記の表1から3に示されている。数値が小さいほど、質量が小さいことが示されている。数値が小さいほど、好ましい。
[縦バネ定数の評価]
下記の条件にて、タイヤの縦バネ定数を測定した。
使用リム:6.5J
内圧:220kPa
荷重:5.0kN
この結果が、比較例2を100とした指数値で下記の表1から3に示されている。数値が小さいほど、縦剛性が小さいことを表している。数値が小さいほど、好ましい。
[転がり抵抗]
転がり抵抗試験機を用い、下記の測定条件で転がり抵抗を測定した。
使用リム:6.5J
内圧:220kPa
荷重:JATMAにて規定される最大負荷荷重の80%
速度:80km/h
この結果が、比較例2を100とした指数値で下記の表1から3に示されている。数値が小さいほど、転がり抵抗が小さいことを表している。数値が小さいほど、好ましい。
[ランフラット耐久性]
タイヤを正規リム(サイズ=6.5J)に組み込み、市販の前輪駆動の乗用車に装着した。このタイヤの内圧を常圧としてパンク状態を再現した。装着後、JATMAにて規定される最大負荷荷重の65%に相当する縦荷重をタイヤに負荷した。この車両を80km/hの速度で走行試験機のドラム上を走行させ、タイヤが破壊するまでの走行距離を測定した。この結果が、比較例2を100とした指数値で下記の表1から3に示されている。数値が大きいほど、好ましい。数値が大きいほど、ランフラット耐久性に優れる。
[ユニフォミティ]
「JASO C607:2000」に規定されたユニフォミティ試験の条件に準拠して、ラジアル・フォース・バリエーション(RFV)を測定した。荷重は、JATMAにて規定される最大負荷荷重の80%とされ、速度は80km/hとされた。RFVのピーク値が、比較例2を100とした指数で、下記の表1から3に示されている。数値が小さいほど好ましい。
Figure 0006682860
Figure 0006682860
Figure 0006682860
表1から3の実施例で示されたとおり、実施例のタイヤは比較例のタイヤに比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明されたタイヤは、種々の車両に適用されうる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・クリンチ
10・・・ビード
12・・・カーカス
14・・・荷重支持層
16・・・ベルト
16a・・・内側層
16b・・・外側層
18・・・バンド
20・・・チェーファー
22・・・インナーライナー
24・・・サイド部
26・・・トレッド面
28・・・溝
30・・・ベース層
32・・・キャップ層
34・・・リムプロテクター
36・・・第一コア
38・・・第二コア
40・・・エイペックス
42・・・カーカスプライ
44・・・主層
46・・・タイ層
48・・・中子
50・・・ローカバー
52・・・モールド

Claims (6)

  1. カーカスと、このタイヤのサイド部に位置しランフラット走行時に荷重を支える一対の荷重支持層と、このカーカス及びこの荷重支持層の内側に位置するインナーライナーとを備えており、
    上記インナーライナーが、主層と、この主層に積層され上記荷重支持層及び上記カーカスに接合されているタイ層とを有しており、
    上記荷重支持層と接合されている位置における上記タイ層の厚みTtの、上記荷重支持層の厚みTiに対する比(Tt/Ti)が0.20以上0.30以下であり、
    上記タイ層の損失正接が、上記荷重支持層の損失正接より小さい空気入りタイヤ。
  2. カーカスと、このタイヤのサイド部に位置しランフラット走行時に荷重を支える一対の荷重支持層と、このカーカス及びこの荷重支持層の内側に位置するインナーライナーとを備えており、
    上記インナーライナーが、主層と、この主層に積層され上記荷重支持層及び上記カーカスに接合されているタイ層とを有しており、
    上記荷重支持層と接合されている位置における上記タイ層の厚みTtの、上記荷重支持層の厚みTiに対する比(Tt/Ti)が0.20以上0.30以下であり、
    上記タイ層が一方の荷重支持層の内側から他方の荷重支持層の内側まで延びており、このタイ層の厚みが、上記荷重支持層と接合している部分において他の部分より厚い空気入りタイヤ。
  3. 上記タイ層の硬さが40以上60以下である請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. 上記比(Tt/Ti)が0.22以上である請求項1から3のいずれかに記載のタイヤ。
  5. カーカスと、このタイヤのサイド部に位置しランフラット走行時に荷重を支える一対の荷重支持層と、このカーカス及びこの荷重支持層の内側に位置するインナーライナーとを備え、
    上記インナーライナーが、主層と、この主層に積層され上記荷重支持層及び上記カーカスに接合されているタイ層とを有しているタイヤを製造するための方法であって、
    (1)トロイダル状の中子が用意される工程、
    (2)上記中子の外面に、上記主層、上記タイ層、上記荷重支持層、その他のタイヤの構成要素が積層されることでローカバーが得られる工程、
    及び
    (3)このローカバーが、モールドとこの中子との間に形成されたキャビティ内で加圧及び加熱することでタイヤが得られる工程
    を備え、
    上記(2)の工程では、上記荷重支持層と接合されている位置における上記タイ層の厚みTtの、上記荷重支持層の厚みTiに対する比(Tt/Ti)が、0.20以上0.30以下となるように、上記タイ層及び上記荷重支持層が積層され、
    上記タイ層の損失正接が上記荷重支持層の損失正接よりも小くされるタイヤの製造方法。
  6. カーカスと、このタイヤのサイド部に位置しランフラット走行時に荷重を支える一対の荷重支持層と、このカーカス及びこの荷重支持層の内側に位置するインナーライナーとを備え、
    上記インナーライナーが、主層と、この主層に積層され上記荷重支持層及び上記カーカスに接合されているタイ層とを有しているタイヤを製造するための方法であって、
    (1)トロイダル状の中子が用意される工程、
    (2)上記中子の外面に、上記主層、上記タイ層、上記荷重支持層、その他のタイヤの構成要素が積層されることでローカバーが得られる工程、
    及び
    (3)このローカバーが、モールドとこの中子との間に形成されたキャビティ内で加圧及び加熱することでタイヤが得られる工程
    を備え、
    上記(2)の工程では、上記荷重支持層と接合されている位置における上記タイ層の厚みTtの、上記荷重支持層の厚みTiに対する比(Tt/Ti)が、0.20以上0.30以下となるように、上記タイ層及び上記荷重支持層が積層され、
    上記タイ層が一方の荷重支持層の内側から他方の荷重支持層の内側まで延びており、このタイ層の厚みが、それぞれの荷重支持層と接合している部分において他の部分より厚くされるタイヤの製造方法。
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