JP2017094583A - 空気入りタイヤの金型 - Google Patents

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Abstract

【課題】ベントスピューの切断が低減された金型と、この金型で加硫成型された空気入りタイヤと、その金型を用いた空気入りタイヤの製造方法との提供。【解決手段】金型2は、周方向に並べられてリング状に配置されて、トレッド面を成型する複数のセグメント8を備えている。このセグメント8は、トレッド面を形成するキャビティー面16から外向きに延びるベントホール30を多数備えている。このベントホール30の延びる方向は、セグメント8毎に平行にされている。このベントホール30の延びる方向は、離型の際にトレッド面からセグメント8が離れる方向にされている。この金型2で製造されるタイヤ4は、ベントスピュー36の延びる方向は、セグメント8毎に平行にされている。このベントスピュー36の延びる方向は、離型の際にトレッド面からセグメント8が離れる方向にされている。【選択図】図2

Description

本発明は、タイヤの加硫成型に用いられる金型と、この金型で加硫成型された空気入りタイヤと、この金型を用いたタイヤの製造方法に関する。
空気入りタイヤの製造方法では、タイヤの各部を構成する未加硫のゴム部材等が準備される。これらのゴム部材等が組み合わされて、ローカバー(生タイヤ)が得られる。加硫成型工程において、このローカバーが、金型に投入される。ローカバーが加圧及び加熱される。これにより、ローカバーが加硫成型される。この加硫成型工程を経て、空気入りタイヤが得られる。
この加硫成型工程では、加圧と加熱とにより、ローカバーからエアーが発生する。このエアーが金型のキャビティに残留すると、ブロンラバー(内部に残留した空気による膨らみ)やベアー(空気により形成される表面疵)等が生じる。エアー残りは、タイヤの品質を低下させる。このエアー残りを抑制するために、金型には多数のべントホールが形成されている。このベントホールを通って、エアーがキャビティから金型の外に排出される。このベントホールから空気を排出するときに、ベントホールにゴムが流れ込む。この流れ込んだゴムにより、タイヤの表面に突出するベントスピューが形成される。
加硫成型された後に、タイヤが金型から離型される。この離型の際に、このベントスピューが切断されることがある。切断されたベントスピュー片が、ベントホール内に残留することがある。ベントホールに残留するベントスピュー片は、ベントホールを詰まらせる。加硫成型工程でのエアー残りを防ぐため、このベントスピュー片の除去作業が必要となる。このベントスピュー片の除去作業は、タイヤの生産効率を低下させる。
特開2004−98815号公報では、金型のベントホールの形状を、根元側から先端側に向けて直径を漸減させるテーパ形状にしている。このテーパ形状にすることで、離型の際に、ベントスピューが切断されることを抑制している。これにより、ベントホールの詰まりが抑制されている。
特開2004−98815号公報
特開2004−98815号公報の金型でも、離型の際にベントスピューが切断されることがある。生産性及び品質の向上の観点から、更に、このベントスピューの切断の低減が求められている。本発明の目的は、ベントスピューの切断が低減された金型と、この金型で加硫成型された空気入りタイヤと、その金型を用いた空気入りタイヤの製造方法との提供にある。
本発明に係る空気入りタイヤの金型は、周方向に並べられてリング状に配置されてトレッド面を成型する複数のセグメントを備えている。このセグメントは、トレッド面を成型するキャビティー面から外向きに延びるベントホールを多数備えている。このベントホールの延びる方向は、セグメント毎に平行にされている。このベントホールの延びる方向は、離型の際にトレッド面からセグメントが離れる方向にされている。
好ましくは、上記ベントホールの断面積は、キャビティー面の根元側からその先端側に向かって小さくされている。
好ましくは、上記ベントホールの延びる方向と、キャビティー面の法線とのなす角度αは、0°以上70°未満である。
本発明に係る空気入りタイヤは、周方向に複数のセグメントが並べられてリング状に配置されてトレッド面が成型されている。このトレッド面から外向きに延びるベントスピューが多数形成されている。このベントスピューの延びる方向は、セグメント毎に平行にされている。このベントスピューの延びる方向は、離型の際にトレッド面からセグメントが離れる方向にされている。
好ましくは、上記ベントスピューの断面積は、トレッド面の根元側からその先端側に向かって小さくされている。
好ましくは、上記ベントスピューの延びる方向と、トレッド面の法線とのなす角度βは、0°以上70°未満である。
本発明に係る空気入りタイヤの製造方法は、タイヤを構成する複数の部材が予備成型されてローカバーが得られる予備成型工程と、このローカバーが金型で加硫成型されてタイヤが得られる加硫成型工程とを含んでいる。
この金型は、周方向に並べられてリング状に配置されて、トレッド面を成型する複数のセグメントを備えている。このセグメントは、トレッド面を成型するキャビティー面から外向きに延びるベントホールを多数備えている。このベントホールの延びる方向は、セグメント毎に平行にされている。この加硫成型工程では、離型の際に、このセグメントは、ベントホールの延びる方向にトレッド面から離れている。
本発明に係る金型では、離型の際にベントスピューが受ける剪断力が小さくされている。離型の際に、ベントスピューが切断されることが抑制されている。ベントホールにベントスピュー片が残留することが低減されている。
図1は、本発明の一実施形態に係る金型の一部が示された断面図である。 図2は、図1の金型の一部が示された他の断面図である。 図3は、図1の金型の部分拡大断面図である。 図4は、図1の金型を使用して製造されたタイヤの部分拡大断面図である。 図5は、図1の金型の使用状態が示された説明図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明に係る金型2の一部が、タイヤ4及びブラダー6と共に示されている。ここで説明する加硫成型装置は、金型2及びブラダー6を備えている。この図1において、上下方向はタイヤ4の軸方向であり、左右方向は半径方向であり、紙面に垂直な方向は周方向である。図1の左右方向左向きが半径方向外向きである。図1の一点鎖線CLは、タイヤ4の赤道面を示している。
この金型2は、複数のセグメント8、一対のサイドプレート10及び一対のビードリング12を備えている。複数のセグメント8と、一対のサイドプレート10と、一対のビードリング12と、ブラダー6とにより、キャビティ14が成型される。このキャビティ14により、ローカバーがタイヤ4に成型される。
図2は、図1のII−II線に沿った断面の一部が示されている。それぞれのセグメント8は、軸方向に見て、実質的に円弧状である。多数のセグメント8が周方向に連続してリング状に配置される。この金型2は、いわゆる「割モールド」である。セグメント8の数は、通常3以上20以下である。例えば、セグメント8の数は8である。図2に示される様に、このセグメント8の周方向に面する側面は、隣接する他のセグメント8の周方向に面する側面に当接している。
図1に示す様に、このセグメント8には、その円弧状の内周に、キャビティ面16及び一対の当接面18が形成されている。キャビティ面16及び当接面18は、半径方向内向きに面して形成されている。キャビティ面16は、軸方向中央に位置している。キャビティ面16は、半径方向外向きに凹んだ面として形成されている。一対の当接面18は、キャビティ面16を間にして軸方向外側に位置している。キャビティ面16は、タイヤ4の外形を成型する。図示されないが、このキャビティ面16に、半径方向の凸凹が形成されてもよい。半径方向内向きの凸部は、タイヤ4のトレッド溝を成型する。この凸凹により、タイヤ4にトレッドパターンが形成される。
一対のサイドプレート10のそれぞれは、実質的にリング状である。サイドプレート10には、軸方向内側に面するキャビティ面20が形成されている。サイドプレート10の半径方向外周に、当接面22が形成されている。サイドプレート10の半径方向内周に、当接面24が形成されている。
一対のビードリング12のそれぞれは、実質的にリング状である。ビードリング12には、外周に面するキャビティ面26及び当接面28が形成されている。キャビティ面26は、当接面28の軸方向内側に位置している。
セグメント8の当接面18がサイドプレート10の当接面22に当接している。サイドプレート10の当接面24がビードリング12の当接面28に当接している。キャビティ14は、セグメント8のキャビティ面16と、サイドプレート10のキャビティ面20と、ビードリング12のキャビテー面26と、ブラダー6とで囲まれて、形成されている。
図1及び図2に示される様に、このセグメント8には、多数のベントホール30が形成されている。このベントホール30は、キャビティ面16からセグメント8の半径方向外面まで貫通している。ベントホール30は、キャビティ面16から外向きに延びている。
図1に示される様に、ベントホール30は、軸方向に位置を変えて多数形成されている。周方向に垂直な断面において、複数のベントホール30は、半径方向に延びている。複数のベントホール30は、互いに平行に延びている。
図2の一点鎖線L1は、キャビティ面16に垂直に延びる直線を示している。図2では、の直線L1は、半径方向に延びている。一点鎖線L2は、ベントホール30の軸線を示している。この直線L2は、ベントホール30の延びる方向を示している。直線L2は、ベントホール30の根元の円形断面の中心と先端の円形断面の中心とを通る直線である。直線L1は、直線L2とキャビティー面16との交点を通る直線である。直線L1の交点は、一つのセグメント8において、ベントホール30毎に位置が異なる。ベントホール30の延びる方向を表す直線L2は、一つのセグメント8において、平行にされている。両矢印αは、この直線L1に対する、直線L2の傾斜角度を示している。この傾斜角度αは、ベントホール30の傾斜角度である。この角度αは、直線L1の延びる方向を0°して、この直線L1に対する傾斜角度の絶対値として測定される。
図2に示される様に、ベントホール30は、周方向に位置を変えて多数形成されている。この図2では、一つのセグメント8の周方向中央に位置するベントホール30は、半径方向に延びている。この延びる方向は、このベントホール30の直線L1に一致している。このベントホール30の軸線を通る直線L2は、直線L1と一致している。この直線L2は、半径方向に延びている。このセグメント8に形成された他のベントホール30は、この半径方向に延びるベントホール30に平行に延びている。
ベントホール30の傾斜角度αは、半径方向に延びるベントホール30で0°である。他のベントホール30の傾斜角度αは、半径方向に延びるベントホール30から遠ざかるほど、大きくなっている。このセグメント8では、周方向両端に位置するベントホール30で、傾斜角度αは最大にされている。
図3には、図2に示されたベントホール30の拡大図が示されている。図3は、軸方向に垂直な断面を表している。このベントホール30は、根元部32と貫通部34とを備えている。根元部32はキャビティ面16からセグメント8の外側に向かって延びている。根元部32の先端から貫通部34がセグメント8の外側に向かって延びている。
このベントホール30は、その軸線L2に沿って直線上に延びている。このベントホール30の形状は、軸線L2に垂直な断面において、例えば円形である。このセグメント8では、根元部32の断面の直径は、キャビティ面16から貫通部34に向かって小さくされている。貫通部34の断面の直径は、根元部32の先端からセグメント8の外側まで同じにされている。根元部32の先端における直径は、貫通部34の直径と同じにされている。このベントホール30の内周面は、根元部32から貫通部34までの段差が形成されることなく、滑らかな連続面で形成されている。この根元部32の先端における直径は、貫通部34の直径より大きくされてもよい。根元部32の先端と貫通部34との間に段差が形成されてもよい。キャビティ面16において、根元部32の開口にざぐり部が形成されてもよい。
図4は、図2に示されたタイヤ4の一部の拡大図が示されている。図4は、タイヤ4の軸方向に垂直な断面を表している。この図4には、ベントスピュー36が示されている。このベントスピュー36は、トレッド面38から外向きに起立して形成されている。
図4の一点鎖線L3は、トレッド面38に垂直に延びる直線を表している。一点鎖線L4は、ベントスピューの軸線を表している。この直線L4は、ベントスピュー36の延びる方向を示している。直線L4は、ベントスピュー36の根元の円形断面の中心と先端の円形断面の中心とを通る直線である。直線L3は、直線L4とトレッド面38との交点を通る直線である。両矢印βは、この直線L3に対する、直線L4の傾斜角度を示している。この傾斜角度βは、ベントスピュー36の傾斜角度である。この角度βは、直線L3の方向を0°して、この直線L3に対する傾斜角度の絶対値として測定される。
このベントスピュー36は、その軸線L4に沿って直線上に延びている。このタイヤ4では、ベントスピュー36は、セグメント8のベントホール30により成型される。ベントスピュー36の形状は、軸線L4に垂直な断面において、円形である。このベントスピュー36の断面の直径は、トレッド面38から外側に向かって小さくされている。ベントスピュー36の先端が貫通部32で成型されて、円柱形状にされていてもよい。このベントスピュー36の外周面は、段差が形成されることなく、滑らかな連続面で形成されている。このベントスピュー36の外周面に、根元部32で成型される部分と貫通部34で成型される部分との間に段差が形成されてもよい。ベントスピュー36の根元にベントホール30の座ぐり部で成型される大径部が形成されてもよい。
図2から明らかな様に、ベントスピュー36は、周方向に位置を変えて多数形成されている。一のベントスピュー36は、半径方向に延びている。この延びる方向は、このベントスピュー36の直線L3に一致している。このベントスピュー36の直線L4は、直線L3と一致している。この直線L4は、半径方向に延びている。この一のベントスピュー36を成型するセグメント8によって、成型される他のベントスピュー36は、この半径方向に延びるベントスピュー36に平行に延びている。
ベントスピュー36の傾斜角度βは、半径方向に延びるベントスピュー36で0°である。他のベントスピュー36の傾斜角度βは、半径方向に延びるベントスピュー36から遠ざかるほど、大きくなっている。一つのセグメント8で成型される範囲において、セグメント8の周方向両端に位置するベントスピュー36で、傾斜角度βは最大にされている。
図5には、この金型2の使用状態が示されている。図5には、加硫成型されたタイヤ4とセグメント8の一部が示されている。図5の矢印Aは、離型の際に、タイヤ4からセグメント8が離れる向きを示している。この矢印Aは、セグメント8の離型方向を表している。この離型方向Aは、タイヤ4の半径方向外向きにされている。この金型2では、セグメント8はタイヤ4の半径方向外向きに離型されている。
タイヤ4の製造方法が、この金型2を用いて説明される。このタイヤ4の製造方法は、予備成型工程と、加硫成型工程と、トリミング工程とを備えている。予備成型工程では、トレッド、サイドウォール、インナーライナー等の、タイヤを構成する複数の部材が組み合わされて、未加硫のローカバー(生タイヤ)が得られる。加硫成型工程では、このローカバーが金型2に投入されて、所定の圧力及び温度で加硫成型されて、タイヤ4が得られる。トリミング工程では、トレッド面38に形成されたベントスピュー36が、トリミング刃で切断される。このようにして、タイヤ4の外観が整えられる。
図1、図2及び図5を参照しつつ、この加硫成型の一部が説明される。図示されないが、まず、金型2は開いた状態にあって、ブラダー6が収縮した待機状態にある。金型2が開いた状態では、サイドプレート10が、軸方向に互いに離れた待機位置にある。セグメント8が半径方向外側の待機位置にある。開いた状態にある金型2にローカバーが投入される。
ローカバーが投入された後に、ブラダー6は、ガスの充填により膨張する。一対のサイドプレート10が接近して、ローカバーを挟み込む。セグメント8は、待機位置から半径方向内側に移動する。金型2は、開いた状態から図1及び図2の閉じた状態に移行する。
この金型2が閉じた状態で、所定の圧力及び温度でローカバーが加硫成型される。ブラダー6の内圧が高められる。ローカバーは、金型2のセグメント8、一対のサイドプレート10、一対のビードリング12及びブラダー6に挟まれて、加圧される。ローカバーは、金型2及びブラダー6からの熱伝導により、加熱される。この加圧と加熱とにより、ローカバーのゴム組成物が流動する。この流動によって、タイヤのトレッド近傍のエアーは、ベントホール30を通って金型2から排出される。このエアーの排出に伴って、ベントホール30にゴム組成物が流入する。この様にして、ゴムが架橋反応を起こし、タイヤ4が得られる。ベントホール30に流入したゴム組成物により、タイヤ4のトレッド面38に突出するベントスピュー36が形成される。
離型の際に、図2の状態から、図5の状態にされる。セグメント8が矢印Aの向きに離される。図示されないが、更に、セグメント8が半径方向外側の待機位置に移動する。一対のサイドプレート10は、軸方向に互いに離れた待機位置に移動する。ブラダー6からガスが抜かれて、ブラダー6が収縮する。この様にして、金型2が開いた状態になる。金型2が開いた状態で、タイヤ4が金型2から取り出される。
この金型2では、一つのセグメント8において、ベントホール30は、平行に延びている。タイヤ4の製造方法の加硫成型工程では、離型の際に、このセグメント8がベントホール30の延びる方向にトレッド面38から離れている。ベントスピュー36の延びる方向に、セグメント8が離される。この金型2では、セグメント8がトレッド面38から離れるときに、ベントスピュー36に剪断力が作用することが抑制されている。この金型2では、離型の際に、ベントスピュー36の切断が低減されている。セグメント8のベントホール30にベントスピュー片が詰まることが抑制されている。これにより、ベントホール30からベントスピュー片を除去する作業が軽減される。この方法は、生産性及び品質の向上に寄与する。
この金型2では、ベントホール30の断面積は、キャビティー面14の根元側から先端側に向かって小さくされている。タイヤ4のベントスピュー36の断面積は、トレッド面38の根元側からその先端側に向かって小さくされている。これにより、ベントホール30からベントスピュー36が抜け出す抵抗が低減されている。この金型2では、ベントスピュー36が延びる方向にセグメント8が離されており、更に、ベントホール30からベントスピュー36が抜け出す抵抗が低減されることで、一層、ベントスピュー36の切断が低減されうる。このベントホール30の断面がトレッド面38の根元側からその先端側に向かって小さくされていればよく、ベントホール30の断面は円形でなくてもよい。
このベントスピュー36の傾斜角度βが大きいタイヤ4では、トレッド面38にベントスピュー36が付着し易い。トリミング工程での作業性及び品質の観点から、この傾斜角度βは、好ましくは70°以下であり、更に好ましくは45°以下である。この傾斜角度βは、0°以上である。ここでいう傾斜角度βは、一つのセグメント8に成型されるトレッド面38における、全てベントスピュー36の傾斜角度βをいう。同様の観点と、金型2の耐久性との観点から、ベントホール30の傾斜角度αは、一つのセグメント8において、好ましくは70°以下であり、更に好ましくは45°以下である。この傾斜角度αは、0°以上である。
この金型2では、一つのセグメント8において、ベントホール30の延びる方向は平行にされている。このため、半径方向の延びるベントホール30から周方向に離れたベントホール30ほど、傾斜角度αは大きくなる。この金型2では、周方向中央に位置するベントホール30が半径方向の形成されることで、周方向両端に位置するベントホール30の傾斜角度αが大きくなることを抑制している。
また、一つのセグメント8の周方向長さを短くすることで、周方向両端に位置するベントホール30の傾斜角度αを小さくできる。ベントホール30の傾斜角度αを小さくする観点から、セグメントの数は、好ましくは3以上であり、更に好ましくは4以上であり、特に好ましくは8以上である。
この金型2では、周方向に垂直な断面において、半径方向に延びるベントホール30を例に説明がされたが、周方向に垂直な断面においても、半径方向に対して傾斜する方向に、ベントホール30が延びていてもよい。本発明においては、セグメント8の離型方向は、半径方向に限られない。ベントホール30の延びる方向と、離型の際にセグメント8が離れる方向が一致してればよい。これらの方向が一致していれば、タイヤ4のベントスピュー36の切断が低減される。
このベントホール30の内周面は、根元部32から貫通部34までの段差が形成されることなく、滑らかな連続面で形成されているので、更に、ベントスピュー36の切断が低減されうる。根元部32から貫通部34までの段差が形成されていないので、ベントホール30のクリーニング作業が容易にされている。この金型2は、メンテナンス作業が容易にされている。
トレッド剛性の高いタイヤ4では、セグメント8が離されるときの、トレッド4の変形が小さい。トレッド4の変形が小さいので、セグメント8がトレッド面38から離れる際に、ベントスピュー36に発生する剪断力がより小さくされる。これにより、ベントスピュー36の切断低減効果が一層大きい。この観点から、この金型2は、トラック、バス等に装着される重荷重用タイヤの加硫成型に特に適している。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示された金型を用いて、タイヤが得られた。このタイヤのサイズは「195/65R15」である。8分割されたセグメントそれぞれには、トレッド面を成型するキャビティー面に80本のベントホールが形成されていた。
[比較例1]
従来の金型が準備された。この金型のベントホールは、それぞれがタイヤ半径方向に延びており、ベントホールは互いに平行に延びていなかった。このベントホールの根元部はキャビティー面からその先端まで同一の直径にされ、貫通部の直径は根元部の直径より小さく形成されていた。その他の構成は、実施例1と同様にされた。
[比較例2]
ベントホールの根元部の直径がキャビティー面からその先端に向かって漸減しており、貫通部の直径は根元部の先端における直径より小さく形成されていた。その他の構成は、比較例1と同様にされた。
[不良発生評価]
実施例1、比較例1及び2のそれぞれの金型で、タイヤが1500本を目標に製造された。但し、ブロンラバーやベアー等の不良が発生した時点で、タイヤの製造が中止された。その結果が表1の生産本数の欄に示されている。
[ベントスピュー切断の評価]
それぞれの金型で製造されたタイヤのスピューの切断の発生率が計算された。具体的には、それぞれ製造したタイヤで、スピューの切断が発生した切断スピューの総数が求められた。製造したタイヤの総本数とタイヤ一本に形成されるスピューの本数とが積算されてスピューの総数が計算された。このスピューの総数で、切断スピューの総数が除されて、スピュー切断発生率が計算された。その結果が表1に示されている。
Figure 2017094583
表1に示されるように、実施例の金型では、ベントスピューの切断が低減されている。タイヤのエアー残りによる不良も低減されている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
この実施例では、乗用車用タイヤを例に、本発明の効果が示された。実施例には示されないが、トレッド剛性が高い重荷重用タイヤで、乗用車用タイヤに比べて、スピュー切断発生率が更に低減され、生産本数もより多くできることは明らかである。
以上説明された金型及びタイヤの製造法は、金型を用いて加硫成型される種々のタイヤの製造に適用されうる。
2・・・金型
4・・・タイヤ
6・・・ブラダー
8・・・セグメント
10・・・サイドプレート
12・・・ビードリング
14・・・キャビティ
16、20、26・・・キャビティ面
18、22、24、28・・・当接面
30・・・ベントホール
32・・・根元部
34・・・貫通部
36・・・ベントスピュー
38・・・トレッド面

Claims (7)

  1. 周方向に並べられてリング状に配置されて、トレッド面を成型する複数のセグメントを備えており、
    このセグメントがトレッド面を成型するキャビティー面から外向きに延びるベントホールを多数備えており、
    このベントホールの延びる方向がセグメント毎に平行にされており、
    このベントホールの延びる方向が、離型の際にトレッド面からセグメントが離れる方向にされている空気入りタイヤの金型。
  2. 上記ベントホールの断面積がキャビティー面の根元側からその先端側に向かって小さくされている請求項1に記載の金型。
  3. 上記ベントホールの延びる方向と、キャビティー面の法線とのなす角度αが0°以上70°未満である請求項1又は2に記載の金型。
  4. 周方向に複数のセグメントが並べられてリング状に配置されてトレッド面が成型されており、
    このトレッド面から外向きに延びるベントスピューが多数形成されており、
    このベントスピューの延びる方向がセグメント毎に平行にされており、
    このベントスピューの延びる方向が、離型の際にトレッド面からセグメントが離れる方向にされている空気入りタイヤ。
  5. 上記ベントスピューの断面積がトレッド面の根元側からその先端側に向かって小さくされている請求項4に記載のタイヤ。
  6. 上記ベントスピューの延びる方向と、トレッド面の法線とのなす角度βが0°以上70°未満である請求項4又は5に記載のタイヤ。
  7. タイヤを構成する複数の部材が予備成型されてローカバーが得られる予備成型工程と、 このローカバーが金型で加硫成型されてタイヤが得られる加硫成型工程とを含み、
    この金型が、周方向に並べられてリング状に配置されてトレッド面を成型する複数のセグメントを備えており、このセグメントがトレッド面を成型するキャビティー面から外向きに延びるベントホールを多数備えており、このベントホールの延びる方向がセグメント毎に平行にされており、
    この加硫成型工程では、離型の際に、このセグメントがベントホールの延びる方向にトレッド面から離れているタイヤの製造方法。
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