JP2014113742A - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】離型の際のベントスピューの切断が抑制された金型の提供と、その金型を用いた空気入りタイヤの製造方法の提供。
【解決手段】この空気入りタイヤ6の製造方法は、予備成形によりローカバーが得られる予備成形工程と、このローカバーが金型2に投入されてローカバーが加圧及び加熱される加硫工程とを含んでいる。この金型2は、セグメント8を備えている。このセグメント8は、ローカバーに接してトレッド面を形成するキャビティ面8aと、このキャビティ面8aからそのセグメント8の外側に貫通するベントホール20とを備えている。このベントホール20の軸線は、半径方向内側から外側に向かって軸方向外側から内側向きに傾斜している。好ましくは、この傾斜角度は2°以上6°以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤの加硫成型に用いられる金型と、この金型を用いたタイヤの製造方法に関する。
空気入りタイヤの製造方法では、トレッド、サイドウォール、インナーライナー等を構成する複数の部材が組み合わされて、未加硫のローカバー(グリーンタイヤ)が得られる。加硫工程において、このローカバーが、金型に投入されて所定の温度と圧力とで加硫成型される。この加硫工程を経て空気入りタイヤが得られる。
この加硫工程の加圧と加熱とにより、ローカバーからエアーが発生する。このエアーがキャビティに残留すると、ブロン(タイヤ内のエア残り)等が生じる。このブロン等は、タイヤの品質を低下させる。このブロン等の発生を抑制するために、金型には多数のべントホールが形成されている。このベントホールを通って、エアーが金型の外に排出される。このベントホールから空気を排出するのに伴って、ベントホールにゴムが流れ込む。この流れ込んだゴムにより、加硫成型されたタイヤの表面に突出するベントスピューが形成される。
加硫成型されたタイヤが金型から離型される。離型されたタイヤが金型から取り出される。この離型の際に、このベントスピューが切断されることがある。切断されたベントスピュー片は、ベントホール内に残り、ベントホールを詰まらせる。ベントスピュー片がベントホール内に詰まると、このベントスピュー片の除去作業が必要となる。このベントスピュー片の除去作業は、タイヤの生産効率を低下させる。
特開2010−17986号公報では、金型のベントホールは、特殊な断面形状を備えている。この断面形状は、離型の際にベントスピューに剪断力が作用する剪断方向と直交する方向の幅を大きくした形状である。この断面形状を備えることで、離型の際にベントスピューの切断が抑制される。これにより、金型のベントスピュー片の除去作業が軽減される。
特開2010−17986号公報
この金型では、ベントホールの断面形状を前述の特殊な断面形状にするために、金型の加工コストが増加する。また、特殊な断面形状のため、ベントホールのクリーニング作業が手間取る。
本発明の目的は、離型の際のベントスピューの切断が抑制された金型の提供と、その金型を用いた空気入りタイヤの製造方法の提供にある。
本発明に係る空気入りタイヤの製造方法は、予備成形によりローカバーが得られる予備成形工程と、このローカバーが金型に投入されてローカバーが加圧及び加熱される加硫工程とを含んでいる。この金型は、セグメントを備えている。このセグメントは、ローカバーに接してトレッド面を形成するキャビティ面と、このキャビティ面からそのセグメントの外側に貫通するベントホールとを備えている。このセグメントの開方向は、半径方向である。このベントホールの軸線は、半径方向内側から外側に向かって軸方向外側から内側向きに傾斜している。
好ましくは、この製造方法では、上記ベントホールの軸線の傾斜角度θは、2°以上6°以下である。
好ましくは、この製造方法では、上記トレッド面は、ショルダーブロックのトレッド面であり、上記キャビティ面は、このトレッド面を形成する。
本発明に係る空気入りタイヤの金型は、セグメントを備えている。このセグメントは、トレッド面を形成するキャビティ面と、このトレッド面を形成するキャビティ面からセグメントの半径方向外側に貫通するベントホールとを備えている。このセグメントの開方向は、半径方向である。このベントホールの軸線は、半径方向内側から外側に向かって軸方向外側から内側向きに傾斜している。
好ましくは、この金型では、上記ベントホールの軸線の傾斜角度θが2°以上6°以下である。
好ましくは、この金型では、上記トレッド面は、ショルダーブロックのトレッド面であり、上記キャビティ面は、このトレッド面を形成する。
好ましくは、この金型は、タイヤのサイドウォールの外側面を形成するサイドプレートを備えている。この金型では、このサイドプレートがタイヤを挟み込んだ状態で、セグメントが半径方向外向きに離型される。
本発明に係る空気入りタイヤでは、トレッド面にベントスピューが形成されている。このベントスピューの軸線は、半径方向に対して傾斜している。この軸線は、半径方向内側から外側に向かって軸方向外側から内側向きに傾斜している。
好ましくは、このタイヤでは、上記ベントスピューの軸線が半径方向に対して傾斜している傾斜角度αは、2°以上6°以下である。
好ましくは、このタイヤでは、上記トレッド面は、ショルダーブロックのトレッド面である。
好ましくは、上記ベントスピューの直径Dは、1.0mm以上1.8mm以下である。
好ましくは、このタイヤでは、カーカスの半径方向外側にベルトが積層されている。このベルトの半径方向外側にトレッドが積層されている。
好ましくは、このタイヤは、スタッドレスタイヤである。
本発明に係る金型では、離型の際にベントスピューが受ける剪断力が小さくされている。離型の際に、ベントスピューが切断されることが抑制されている。
図1は、本発明の一実施形態に係る金型の一部が示された断面図である。 図2は、図1の金型を使用した製造方法の説明図である。 図3は、図1の金型で加硫成型されたタイヤが示された断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明に係る金型2の一部が、ブラダー4及びタイヤ6と共に示されている。ここで説明する加硫成型装置は、金型2及びブラダー4を備えている。この図1において、上下方向はタイヤ6の軸方向であり、左右方向は半径方向であり、紙面に垂直な方向は周方向である。図1の一点鎖線CLは、タイヤ6の赤道面を示している。
この金型2は、セグメント8、上部サイドプレート10、下部サイドプレート12、上部ビードリング14及び下部ビードリング16を備えている。このセグメント8と、上部サイドプレート10及び下部サイドプレート12と、上部ビードリング14及び下部ビードリング16と、ブラダー4とにより、キャビティ18が形成される。このキャビティ18により、ローカバーがタイヤ6に成型される。
この金型2のセグメント8は、軸方向に見て、実質的に円弧状である。周方向に多数のセグメント8が連続してリング状に配置される。この金型2は、いわゆる「割モールド」である。セグメント8の数は、通常3以上20以下である。この金型2では、例えば、セグメント8の数は9である。図示されないが、このセグメント8が金型2に組み込まれたとき、このセグメント8の周方向に面する側面がその隣に配置される他のセグメント8の周方向に面する側面に当接する。
このセグメント8には、その円弧状の内周に、一対のキャビティ面8a、一対のキャビティ面8b及び一対の当接面8cが形成されている。キャビティ面8a及びキャビティ面8bは、軸方向中央に位置している。キャビティ面8a及びキャビティ面8bは、半径方向外向きに凹んだ面として形成されている。一対のキャビティ面8aは、一対のキャビティ面8bの軸方向外側に位置している。一対のキャビティ面8bは、軸方向中央に位置している。一対の当接面8cは、キャビティ面8a及びキャビティ面8bを間にして軸方向外側に位置している。キャビティ面8a及びキャビティ面8bは、タイヤ6のトレッド面を形成する。このセグメント8は、このキャビティ面8a及びキャビティ面8bを含むキャビティ面に、半径方向の凸凹が形成されている。半径方向内向きの凸部は、タイヤ6のトレッド溝を形成する。この凸凹により、タイヤ6にトレッドパターンが形成される。この凸凹の形状は、トレッドパターンに応じて、適宜決定される。
上部サイドプレート10は、実質的にリング状である。上部サイドプレート10には、軸方向内側に面するキャビティ面10aが形成されている。上部サイドプレート10の半径方向外周に、当接面10bが形成されている。上部サイドプレート10の半径方向内周に、当接面10cが形成されている。
下部サイドプレート12は、上部サイドプレート10と同様に、実質的にリング状である。下部サイドプレート12には、軸方向内側に面するキャビティ面12aが形成されている。下部サイドプレート12の半径方向外周に、当接面12bが形成されている。下部サイドプレート12の半径方向内周に、当接面12cが形成されている。
上部ビードリング14は、実質的にリング状である。上部ビードリング14には、外周に面するキャビティ面14a及び当接面14bが形成されている。キャビティ面14aは、当接面14bの軸方向内側に位置している。下部ビードリング16は、実質的にリング状である。下部ビードリング16には、外周に面するキャビティ面16a及び当接面16bが形成されている。キャビティ面16aは、当接面16bの軸方向内側に位置している。
セグメント8の一方の当接面8cが上部サイドプレート10の当接面10bに当接している。上部サイドプレート10の当接面10cが上部ビードリング14の当接面14bに当接している。セグメント8の他方の当接面8cが下部サイドプレート12の当接面12bに当接している。下部サイドプレート12の当接面12cが下部ビードリング16の当接面16bに当接している。
キャビティ18は、セグメント8のキャビティ面8a及びキャビティ面8bを含むキャビティ面と、上部サイドプレート10のキャビティ面10aと、下部サイドプレート12のキャビティ面12aと、上部ビードリング14のキャビテー面14aと、下部ビードリング16のキャビティ面16aとブラダー4とで囲まれて、形成されている。
このセグメント8には、ベントホール20が形成されている。このベントホール20は、キャビティ面8aのベントホールである。ベントホール20は、キャビティ面8aからセグメント8の半径方向外側に貫通する、貫通孔である。ベントホール20の断面は、例えば円形である。ベントホール20は、直線上に形成されている。このベントホール20は、半径方向に対して傾斜して形成されている。このベントホール20は、半径方向の内側から外側に向かって軸方向外側から内側向きに傾斜して形成されている。図1では、タイヤ6のキャビティ面8aに、ベントホール20が形成されている。図示されないが、ベントホール20は、キャビティ面8aに周方向に位置を変えて多数形成されている。ベントホール20は、キャビティ面8aに軸方向にも位置を変えて多数形成されてもよい。
図2(a)には、加硫成型されたタイヤ6と共に、金型2が示されている。図2(a)は、金型2でタイヤ6が加硫成型された状態を示している。このセグメント8、上部サイドプレート10、下部サイドプレート12及びプラダ−4は、タイヤ6の赤道面CLに対してほぼ対称であるので、図2(a)では下部サイドプレート12は図示されない。図2(a)では、セグメント8の一方の当接面8cが上部サイドプレート10の当接面10bに当接している。このセグメント8の他方の当接面8cが下部サイドプレート12の当接面12bに当接している。この図2(a)は、金型2の閉じた状態が示されている。
図2(b)の矢印Aは、半径方向外向きを示している。図2(b)では、図2(a)の状態から、金型2のセグメント8が矢印Aの向きに開いた状態が示されている。このセグメント8の開方向は、半径方向外向きである。
図2(a)及び(b)の一点鎖線L1は、半径方向に延びる直線を示している。一点鎖線L2は、ベントホール20の軸線を示している。両矢印θは、この直線L1に対する、直線L2の傾斜角度を示している。この傾斜角度θは、ベントホール20の傾斜角度である。この傾斜角度θは、タイヤ6の周方向に垂直な、金型2の断面において測定される。タイヤ6の半径方向を0°し、半径方向内側から外側に向かって軸方向外側から内側向きに傾斜する向きを正として測定される。
図3には、加硫成型されたタイヤ6の断面が示されている。このタイヤ6は、トレッド22、サイドウォール24、ビード26、カーカス28、ベルト30及びインナーライナー32を備えている。ビード26は、コア34とコア34から半径方向外向きに延びるエイペックス36とを備えている。
このトレッド22には、ショルダーブロック22a及びセンターブロック22bが形成されている。ショルダーブロック22aは、トレッド22の軸方向外側に形成されている。このショルダーブロック22aは、軸方向において最も外側に位置するブロックである。センターブロック22bは、トレッド22の軸方向内側に形成されている。軸方向において、このショルダーブロック22aとセンターブロック22bとの間に、更に他のブロックが形成されてもよい。
ベルト30は、内側層38と内側層38の半径方向外側に積層される外側層40とを備えている。軸方向において、内側層38の幅は外側層40の幅よりも若干大きい。図示されていないが、内側層38及び外側層40のそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードは、赤道面に対して傾斜している。傾斜角度の絶対値は、通常は10°以上35°以下である。内側層38のコードの赤道面に対する傾斜方向は、外側層40のコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。コードの好ましい材質は、スチールである。コードに、有機繊維が用いられてもよい。ベルト30の軸方向幅は、タイヤ6の最大幅の0.7倍以上が好ましい。ベルト30は、内側層38と外側層40との2層を備えているが、内側層38の1層からなってもよい。ベルト30は、3以上の層を備えてもよい。
タイヤ6では、赤道面において、カーカス28の半径方向外側にベルト30が積層されている。このベルト30の半径方向外側にトレッド22が積層されている。このタイヤ6は、カーカス28とトレッド22との間にバンドを備えない。
このタイヤ6がバンドを備えていてもよい。バンドを備えるタイヤ6では、バンドは、ベルト30の半径方向外側に積層される。軸方向において、バンドの幅はベルト30の幅よりも大きい。図示されていないが、バンドは、コードとトッピングゴムとからなる。コードは、螺旋状に巻かれている。このバンドは、いわゆるジョイントレス構造を有する。コードは、実質的に周方向に延びている。周方向に対するコードの角度は、5°以下、さらには2°以下である。このコードによりベルト30が拘束されるので、ベルト30のリフティングが抑制される。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。バンドを備えるタイヤ6では、このバンドの拘束により、トレッド22の剛性が向上し得る。
このショルダーブロック22a及びセンターブロック22bの半径方向外周面が、タイヤ6のトレッド面42を構成する。このトレッド面42にベントスピュー44が形成されている。このベントスピュー44は、ショルダーブロック22aに形成されている。一点鎖線L3は、半径方向に延びる直線である。一点鎖線L4は、ベントスピュー44の軸線である。この軸線L4は、半径方向に対して傾斜している。この軸線L4は、半径方向内側から外側に向かって軸方向外側から内側向きに傾斜している。両矢印αは、ベントスピュー44の軸線L4の傾斜角度である。このベントスピュー44の断面の形状は、円形である。両矢印Dは、このベントスピュー44の直径を示している。両矢印Hは、このベントスピュー44の高さを示している。この高さHは、ベントスピュー44の軸線L4の方向に沿って測られる。
金型2のキャビティ面8a及びキャビティ面8bは、主にタイヤ6のトレッド部46を形成する。キャビティ面10a及びキャビティ面12aは、主にタイヤ6のサイドウォール部48を形成する。キャビティ面14a及びキャビティ面16aは、主にタイヤ6のビード部50を形成する。
タイヤ6の製造方法が、この金型2を用いて説明される。このタイヤ6の製造方法は、予備成形工程と、加硫工程と、トリミング工程とを備えている。予備成型工程では、トレッド22、サイドウォール24、インナーライナー32等を構成する複数の部材が組み合わされて、未加硫のローカバーが得られる。加硫工程では、このローカバーが金型2に投入されて、所定の圧力及び温度で加硫成型されて、タイヤ6が得られる。トリミング工程では、タイヤ6の表面に形成されたベントスピュー44が切断される。
図2(a)及び図2(b)を参照しつつ、この加硫成型の一部が説明される。図示されないが、まず、金型2は開いた状態にあって、ブラダー4が収縮した待機状態にある。金型2が開いた状態では、上部サイドプレート10が、軸方向上方の待機位置にある。セグメント8が半径方向外側の待機位置にある。開いた状態にある金型2にローカバーが投入される。
ローカバーが投入された後に、ブラダー4は、ガスの充填により膨張する。上部サイドプレート10が下降して、上部サイドプレート10と下部サイドプレート12とがローカバーを挟み込む。セグメント8は、待機位置から半径方向内側に移動する。金型2は、開いた状態から図2(a)の閉じた状態に移行する。
この金型2が閉じた状態で、所定の圧力及び温度で加硫成型される。ブラダー4の内圧が高められる。ローカバーは、金型2のセグメント8、上部サイドプレート10、下部サイドプレート12、上部ビードリング14及び下部ビードリング16と、ブラダー4の外側表面とに挟まれて、加圧される。ローカバーは、金型2及びブラダー4からの熱伝導により、加熱される。この加圧と加熱とにより、ローカバーのゴム組成物が流動する。流動によって金型2内のエアーが移動し、ベントホール20を通って金型2から排出される。このエアーの排出に伴って、ベントホール20にゴム組成物が流入する。この様にして、ゴムが架橋反応を起こし、タイヤ6が得られる。ベントホール20に流入したゴム組成物により、タイヤ6のトレッド面42に突出するベントスピュー44が形成される。
図2(b)に示される様に、図2(a)の状態から、セグメント8が矢印Aの向きに開かれる。図示されないが、更に、セグメント8が半径方向外側の待機位置に移動する。上部サイドプレート10は、軸方向上方の待機位置に移動する。ブラダー4からガスが抜かれて、ブラダー4が収縮した待機状態になる。この様にして、金型2が開いた状態になる。金型2が開いた状態で、タイヤ6が金型2から取り出される。
トリミング工程では、トレッド面42に形成されたベントスピュー44が、トリミング刃で切断される。このようにして、タイヤ6の外観が整えられる。
前述通り、加硫工程では、図2(a)の状態から図2(b)の状態に移行する。図2(a)に示された金型2が閉じた状態から、セグメント8が矢印Aの向きに開かれる。このセグメント8の移動に伴い、ベントスピュー44はベントホール20から抜き取られる。このとき、タイヤ6のトレッド22のうち、ショルダーブロック22aから離型する。ショルダーブロック22aがサイドウォール側に引っ張られる様にして、最初に離型される。ショルダーブロック22aは、センターブロック22bに比べて、離型の際に、サイドウォール側に引っ張られる傾向が大きい。このベントスピュー44が、サイドウォール側に引っ張られる様にして抜ける。
この金型2では、ベントホール20が半径方向に対して傾いている。ベントスピュー44が引き抜けれる方向に、ベントホール20が傾いている。これにより、ベントスピュー44が受ける剪断力が小さくされている。剪断力が小さくされているので、離型の際にベントスピュー44が切断されることが抑制されている。
ショルダーブロック22aのベントスピュー44で、剪断力による切断が最も発生しやすい。この観点から、このタイヤ6では、ショルダーブロック22aに形成されたベントスピュー44が傾斜させられている。この金型2では、キャビティ面8aに位置するベントホール20が傾斜させられている。センターブロック22bに形成された他のベントスピューは、半径方向に平行に形成されてもよい。
この傾斜角度θが0°に近い金型2では、離型の際にベントスピュー44が受ける剪断力が大きくなりやすい。これにより、ベントスピュー44が切断され易い。この観点から、この傾斜角度θは、好ましくは2°以上であり、更に好ましくは3°以上である。一方で、この傾斜角度θが大き過ぎると、離型の際にサイドウォール側に引かれる向きとのずれが逆方向に大きくなる。このずれが大きくなると、離型の際にベントスピュー44が大きな剪断力を受けやすい。これにより、ベントスピュー44が切断され易い。この観点から、この傾斜角度θは、好ましくは6°以下であり、更に好ましくは5°以上である。
セグメント8が半径方向外向きに移動させられると、タイヤ6のトレッド22では、サイドウォール側に引っ張られる様にして離型する。このトレッド面42では、サイドウォール24に近いショルダーブロック22a側からセンターブロック22b側に向かって離型していく。特に、この金型2では、上部サイドプレート10と下部サイドプレート12とがタイヤ6を挟んだ状態で、セグメント8が半径方向外向きに移動させられる。このため、セグメント8の移動により、トレッド22はサイドウォール側に引っ張られ易い。このタイヤ6のベントスピュー44には半径方向に対して剪断力が生じ易い。この観点から、上部サイドプレート10と下部サイドプレート12とを備える金型2では、ベントホール20を傾斜させて、剪断力を小さくする効果を得られやすい。
この金型2では、ベントスピュー44が受ける剪断力が軽減されている。これにより直径の小さいベントスピュー44の切断が抑制され得る。この観点から、この金型2は、ベントスピュー44の直径Dが1.8mm以下のタイヤ6で、より大きな効果が得られる。更に好ましくは、このベントスピュー44の直径Dは、1.6mm以下である。一方で、ベントスピュー44の直径Dが小さすぎると、剪断力を抑制しても、ベントスピュー44が切断され易い。この観点から、ベントスピュー44の直径Dが1.0mm以上のタイヤ6に適している。更に好ましくは、このベントスピュー44の直径Dは、1.2mm以上である。
カーカス28とトレッド22の間にバンドを備えないタイヤ6では、トレッド22が変形し易い。トレッド22が変形し易いタイヤ6では、トレッド面42はサイドウォール側に変形し易い。このようなタイヤ6では、ベントホール20を傾斜させて、剪断力を小さくする効果を得られやすい。この観点から、この金型2は、バンドを備えないタイヤ6の加硫成型に適している。
トレッドゴムの軟らかいタイヤ6では、セグメント8が半径方向外向きに移動することにより、タイヤ6のトレッド22はサイドウォール側に変形し易い。トレッドゴムの軟らかいタイヤ6では、ベントホール20を傾斜させて、剪断力を小さくする効果を得られやすい。この観点から、この金型2は、スタッドレスタイヤの加硫成型に適している。
特に、トレッド面42のうち、ショルダーブロック22aのベントスピュー44では、離型の際にウォール側に大きく変形し易い。このため、ショルダーブロック22aのベントスピュー44において、傾斜角度αを設けることが好ましい。また、センターブロック22bのベントスピューにおいても、離型の際にサイドウォール側に引かれる力が作用する。このセンターブロックに形成されるベントスピューにも傾斜角度αを設けてもよい。
この金型2では、ベントホール20の軸線が傾斜させられて、離型の際の剪断力が小さくされている。この金型2は、ベントホール20の断面形状を特殊な形状にしなくとも、剪断力を小さくできる。この金型2では、ベントホール20の断面形状が円形のまま、ベントスピュー44の切断が抑制される。ベントスピュー44の断面が円形の金型2の制作は、その断面形状が複雑な断面形状の金型2の制作に比べて、容易である。金型2の制作コストが抑制される。ベントホール20では、その断面形状が複雑な断面形状のベントホール20に比べて、クリーニング作業が容易になっている。この金型2は、メンテナンス作業が容易にされている。
ここでは、ベントホール20の断面形状が円形の金型2を用いて説明がされたが、このベントホール20の断面形状は必ずしも円形でなくてもよい。ベントホール20の形状が特殊な金型2でも、ベントホール20の軸線を傾けることで、ベントスピュー44が受ける剪断力を小さく抑制しうる。ベントスピュー44の切断を抑制する効果が得られる。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1及び図2に示された金型を用いて、タイヤが得られた。この金型のベントホールの傾斜角度θは、4°であった。このタイヤのサイズは「195/65R15」である。このタイヤのベントスピューの断面形状は円形であり、その直径は1.2mmであった。このタイヤが500本製造された。
[比較例1]
ベントホールの傾斜角度θが0°とされた他は、実施例1と同様にして、タイヤが得られた。このタイヤが500本製造された。
[比較例2]
ベントホールの形状と傾斜角度θとが、表1に示される様にされた他は、実施例1と同様にしてタイヤが得られた。このタイヤのベントスピューでは、断面が円形であるが、トレッド面からその先端に向かって細くなるテーパー形状にされた。このベントスピューの根本の直径は1.2mmであった。高さ10mmの位置での直径は1.0mmであった。このタイヤが500本製造された。
[比較例3]
ベントホールの形状と傾斜角度θとが、表1に示される様にされた他は、実施例1と同様にしてタイヤが得られた。このタイヤのベントスピューでは、断面が円形であるベントスピューにリブが形成されていた。このリブのトレッド面からの高さは、4mmであった。ベントスピューの円形部分の直径は、1.2mmであった。このタイヤが500本製造された。
[比較例4]
ベントホールの形状と傾斜角度θとが、表1に示される様にされた他は、実施例1と同様にしてタイヤが得られた。このタイヤのベントスピューでは、断面が楕円形であった。この楕円形では、タイヤ周方向が短軸とされ、軸方向が長軸とされた。この楕円形の短軸は1.2mmであり、長軸は1.4mmであった。このタイヤが500本製造された。
[実施例2−7]
ベントホールの傾斜角度θが表2に示される様にされた他は、実施例1と同様にしてタイヤが得られた。それぞれのタイヤが500本製造された。
[ベントスピュー切断の評価]
それぞれ製造された500本のタイヤについて、加硫成型後にベントスピューの切断の有無が検査された。表1及び表2のベントスピュー切断の欄には、ベントスピューの切断が確認されたタイヤの本数が記載されている。
[金型加工工数の評価]
それぞれの金型の加工工数が評価された。表1及び表2の金型加工工数の欄には、比較例1の金型の加工工数を100としたときの、それぞれの金型の加工工数を指数で表示している。この指数が小さいほど、加工工数は少なく、良好と評価される。
[クリーニング工数の評価]
それぞれの金型のクリーニング工数が評価された。このクリーニング工数は、加硫成型後のベントホールのクリーニング工数である。表1及び表2のベントホールクリーニング工数の欄には、比較例1のベントホールのクリーニングに係る工数を100としたときの、それぞれのベントホールのクリーニングに係る工数を指数で表示している。この指数は小さいほど、工数が少なく、良好と評価される。
Figure 2014113742
Figure 2014113742
表1及び表2に示されるように、実施例の製造方法では、比較例の製造方法に比べて生産性が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された金型及びタイヤの製造法は、金型を用いて加硫成型される種々のタイヤの製造に適用されうる。
2・・・金型
4・・・ブラダー
6・・・タイヤ
8・・・セグメント
8a、8b、10a、12a、14a、16a・・・キャビティ面
10・・・上部サイドプレート
12・・・下部サイドプレート
14・・・上部ビードリング
16・・・下部ビードリング
18・・・キャビティ
20・・・ベントホール
22・・・トレッド
22a・・・ショルダーブロック
22b・・・センターブロック
24・・・サイドウォール
26・・・ビード
28・・・カーカス
30・・・ベルト
32・・・インナーライナー
34・・・コア
36・・・エイペックス
38・・・内側層
40・・・外側層
42・・・トレッド面
44・・・ベントスピュー
46・・・トレッド部
48・・・サイドウォール部
50・・・ビード部

Claims (13)

  1. 予備成形によりローカバーが得られる予備成形工程と、
    このローカバーが金型に投入されてローカバーが加圧及び加熱される加硫工程とを含み、
    この金型が、セグメントを備えており、
    このセグメントがローカバーに接してトレッド面を形成するキャビティ面と、このキャビティ面からそのセグメントの外側に貫通するベントホールとを備えており、
    このセグメントの開方向が半径方向であり、
    このベントホールの軸線が、半径方向内側から外側に向かって軸方向外側から内側向きに傾斜している空気入りタイヤの製造方法。
  2. 上記ベントホールの軸線の傾斜角度θが2°以上6°以下である請求項1に記載のタイヤの製造方法。
  3. 上記トレッド面がショルダーブロックのトレッド面であり、
    上記キャビティ面がこのトレッド面を形成する請求項1又は2に記載のタイヤの製造方法。
  4. セグメントを備えており、
    このセグメントがトレッド面を形成するキャビティ面と、このトレッド面を形成するキャビティ面からセグメントの半径方向外側に貫通するベントホールとを備えており、このセグメントの開方向が半径方向であり、
    このベントホールの軸線が、半径方向内側から外側に向かって軸方向外側から内側向きに傾斜している空気入りタイヤの金型。
  5. 上記ベントホールの軸線の傾斜角度θが2°以上6°以下である請求項4に記載の金型。
  6. 上記トレッド面がショルダーブロックのトレッド面であり、
    上記キャビティ面がこのトレッド面を形成する請求項4又は5に記載の金型。
  7. タイヤのサイドウォールの外側面を形成するサイドプレートを備えており、
    このサイドプレートがタイヤを挟み込んだ状態でセグメントが半径方向外向きに離型される請求項4から6のいずれかに記載の金型。
  8. トレッド面にベントスピューが形成されており、
    このベントスピューの軸線が半径方向に対して傾斜しており、
    この軸線が半径方向内側から外側に向かって軸方向外側から内側向きに傾斜している空気入りタイヤ。
  9. 上記ベントスピューの軸線が半径方向に対して傾斜している傾斜角度αが2°以上6°以下である請求項8に記載のタイヤ。
  10. 上記トレッド面がショルダーブロックのトレッド面である請求項8又は9に記載のタイヤ。
  11. 上記ベントスピューの直径Dが1.0mm以上1.8mm以下である請求項8から10のいずれかに記載のタイヤ。
  12. カーカスの半径方向外側にベルトが積層されており、
    このベルトの半径方向外側にトレッドが積層されている請求項8から11のいずれかに記載のタイヤ。
  13. スタッドレスタイヤである請求項8から12のいずれかに記載のタイヤ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016037001A (ja) * 2014-08-08 2016-03-22 東洋ゴム工業株式会社 タイヤ加硫金型及びスピュートリミング方法
JP2017094583A (ja) * 2015-11-24 2017-06-01 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤの金型
CN109414841A (zh) * 2016-06-22 2019-03-01 米其林企业总公司 用于制造降噪胎面的模制元件
CN109689327A (zh) * 2016-08-12 2019-04-26 通伊欧轮胎株式会社 轮胎硫化装置以及轮胎硫化装置的组装方法

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