JP2010017986A - タイヤ成型用金型及び空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】トリミング装置のメンテナンス及びベントスピューの切断痕に起因するタイヤ外観上の問題点を改善しながら、金型離型時におけるベントスピューの切断を抑制することが可能なタイヤ成型用金型及び空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】タイヤ成型面2a,3aにエア抜き用のベントホール4を設けたタイヤ成型用金型1である。ベントホール4は、金型離型時にベントホール4内に残留するベントスピュー5に剪断力が作用する剪断方向Aの幅W1より剪断方向Aと直交する方向Bの幅W2が広くなる横断面形状を有している。
【選択図】図2
【解決手段】タイヤ成型面2a,3aにエア抜き用のベントホール4を設けたタイヤ成型用金型1である。ベントホール4は、金型離型時にベントホール4内に残留するベントスピュー5に剪断力が作用する剪断方向Aの幅W1より剪断方向Aと直交する方向Bの幅W2が広くなる横断面形状を有している。
【選択図】図2
Description
本発明は、タイヤ成型用金型及びそれを用いて製造した空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、金型離型時におけるベントスピュー切れを抑制するようにしたタイヤ成型用金型及び空気入りタイヤに関する。
タイヤ成型用金型は、加硫中のグリーンタイヤと金型との間に残留するエアを外部に逃がすために、タイヤ成型面にエア抜き用のベントホールが設けられている。加硫時にベントホールからエアが排出されると、そこに加硫中の未加硫ゴムが流れ込み、加硫終了時にベントホール内に加硫済みのゴム(ベントスピュー)が残留する。加硫が終了すると、加硫済みタイヤから金型を離型するが、その際に作用する剪断力によりベントホール内に残留するベントスピューが切断されてベントホール内に残り、ベントホールが詰まる問題がしばしば発生する。ベントホールが詰まるとそれを除去する作業が必要となり、生産効率が低下する。それを回避するために、そのまま使用すると、エアが残留して加硫故障を招く。
そこで、従来、ベントホールの径を大きくする手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。このようにベントホールの直径を大きくすると、残留するベントスピューも太くなり、作用する剪断力に対して切断され難くなるが、その反面、タイヤに残ったベントスピューを切断するトリミング作業においてトリミング刃を交換する頻度が増加し、トリミング装置のメンテナンスが煩雑になるという問題がある。また、ベントスピューの切断痕が大きく残り、外観上好ましくないという問題もある。
特開2005−324477号公報
本発明の目的は、トリミング装置のメンテナンス及びベントスピューの切断痕に起因するタイヤ外観上の問題点を改善しながら、金型離型時におけるベントスピューの切断を抑制することが可能なタイヤ成型用金型及び空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成する本発明のタイヤ成型用金型は、タイヤ成型面にエア抜き用のベントホールを設けたタイヤ成型用金型において、該ベントホールを金型離型時にベントホール内に残留するベントスピューに剪断力が作用する剪断方向の幅より該剪断方向と直交する方向の幅が広くなる横断面形状を有するように形成したことを特徴とする。
本発明の空気入りタイヤは、上記タイヤ成型用金型を用いて製造することを特徴とする。
上述した本発明によれば、ベントホールの横断面形状において剪断方向と直交する方向の幅を広くすることにより、ベントスピューの単位幅当たりに作用する剪断力を下げることができる。そのため、切断の基点となる亀裂の発生を抑えることができるので、ベントスピュー切れの抑制が可能になる。
また、ベントホール全体を広くせずに、剪断方向と直交する方向の幅のみを広くすればよいので、ベントホール全体を広くしたものに比べ、タイヤに残ったベントスピューを切断するトリミング作業でのトリミング刃に対する負担を軽減することができる。その結果、トリミング刃の交換頻度を下げることができるので、トリミング装置のメンテナンス性の改善ができ、かつベントスピューの断面積もベントホール全体を広くしたものより小さくなるので、ベントスピューの切断痕に起因するタイヤの外観も改善することができる。
以下、本発明の実施の形態について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明のタイヤ成型用金型の一実施形態を示し、1はタイヤ成型用金型である。このタイヤ成型用金型1は、上型2と下型3とから構成されている。上型2と下型3はタイヤ成型面2a,3aをそれぞれ有し、そのタイヤ成型面2a,3aには金型外側に向けて延在するエア抜き用のベントホール4が設けられている。
タイヤ成型用金型1は、タイヤ加硫機に取り付けれ、上型2が矢印Rで示す上方向に離型することで、成型された加硫済みのタイヤを金型から取り出すことができるようになっている。
ベントホール4は、図2に示すように、金型離型時にベントホール4内に残留するベントスピュー5に剪断力が作用する剪断方向Aの幅W1より剪断方向Aと直交する方向Bの幅W2が広くなる横断面形状を有するように形成されている。即ち、図3に示すように、加硫終了時、ベントホール4内には流れ込んだ未加硫ゴムが硬化したベントスピュー5が残留し、上型2が上方向に向けて離型する際に、上型2のベントホール4内のベントスピュー5に対して矢印Aで示す方向に剪断力が作用する。その剪断方向Aに沿って切断した横断面形状(換言すると、ベントホール4が延在する方向と直交する平面でベントホール4を切断した横断面形状)において、剪断方向Aの幅W1より剪断方向Aと直交する方向Bの幅W2を広くするのである。
下型3のベントホール4も、図4に示すように、加硫終了時、ベントホール4内には流れ込んだ未加硫ゴムが硬化したベントスピュー5が形成され、下型3から加硫済みのタイヤを離型する際に、下型3のベントホール4内のベントスピュー5に対して矢印Aで示す方向に剪断力が作用する。その剪断方向Aに沿って切断した横断面形状(換言すると、ベントホール4が延在する方向と直交する平面でベントホール4を切断した横断面形状)において、剪断方向Aの幅W1より剪断方向Aと直交する方向Bの幅W2を広くするのである。このような形状のベントホール4は、通常、金型がアルミでできているので、ポンチ加工により容易に形成することができる。
本発明の空気入りタイヤは、上述したタイヤ成型用金型1を用いて製造されたタイヤである。この加硫済みのタイヤは、成形したグリーンタイヤをタイヤ加硫機に取り付けたタイヤ成型用金型1内にセットした後、グリーンタイヤを加圧加熱して加硫することにより得ることができる。
図3に示すベントスピュー5は金型離型時に下側から亀裂が発生し、図4に示すベントスピュー5は金型離型時に上側から亀裂が発生し、それらが剪断方向Aに広がってベントスピュー5が切断されるが、本発明では、上述したように剪断方向Aと直交する方向Bの幅W2を広くすることで、ベントスピュー5の単位幅当たりに作用する剪断力を低下させることができるので、亀裂の発生を抑制し、ベントスピュー5が切断されるのを防ぐことができる。
他方、ベントホール全体を広くせずに、剪断方向Aと直交する方向Bの幅W2のみを広くすればよいため、ベントホール全体を広くしたものに比べ、タイヤに残ったベントスピュー5を切断するトリミング作業におけるトリミング刃に対する負担が軽減され、その交換する頻度を下げることができるので、トリミング装置のメンテナンスが煩雑になる問題を改善することができる。また、ベントスピュー5の断面積もベントホール全体を広くしたものより小さくなるので、ベントスピュー5の切断痕に起因するタイヤ外観も改善することができる。
本発明において、ベントホール5の横断面形状は、図2に示す形状に限定されず、図5に示す三角形状や図6に示す楕円形状であってもよく、剪断力が作用する剪断方向Aの幅W1より剪断方向Aと直交する方向Bの幅W2が広く、ベントスピュー5の単位幅当たりに作用する剪断力を下げることができれば、いずれの横断面形状であってもよい。好ましくは、図2,5に示すように、直交する方向Bの幅W2が最大となる位置Pが、横断面形状において剪断方向Aとは反対方向の反剪断側に位置するようにするのが、ベントスピュー5の切断をより効果的に抑える上でよい。
剪断力が作用する剪断方向Aの幅W1より剪断方向Aと直交する方向Bの幅W2が広くなる横断面形状は、ベントホール4の深さ方向全域にわたって必ずしも形成される必要はなく、タイヤ成型面2a,3aから少なくともベントホール4の最大幅(直交する方向Bの幅W2)の1/4の深さまで形成されるようにすればよい。その理由は、ベントスピュー5の切断が略この領域で発生するからである。
上記実施形態では、タイヤ成型用金型1が、上型2と下型3の2つ割りの金型構造をとるが、本発明は、一方のサイド部を成型する上型と他方のサイド部を成型する下型、及びトレッド部を成型する複数のセクターを備えたセクショナル型のタイヤ成型用金型であってもよい。
2つ割りのタイヤ成型用金型において、ベントホールの形状を表1のようにした本発明金型1〜3(本実施例1〜3)と従来金型1,2(従来例1,2)を用いて、タイヤサイズ175/70R13のタイヤをそれぞれ各500本製造した。
製造した各500本のタイヤにおいて、ベントスピュー切れ発生本数(合計)を調べると共に、トリミング作業を実施し、トリミング刃の交換周期を調べたところ、表1に示す結果を得た。なお、交換周期は、従来金型1で製造したタイヤにおけるトリミング刃の交換周期を100とする指数で示す。この指数値が小さいほど、交換周期が短く、メンテナンスが煩雑であることを意味する。
表1から、本発明の金型は、従来金型1に対してベントスピュー切れを大幅に改善することができ、かつトリミング装置のメンテナンス性が従来金型2のように大きく低下するのを回避できることがわかる。
1 タイヤ成型用金型
2 上型
2a タイヤ成型面
3 下型
3a タイヤ成型面
4 ベントホール
5 ベントスピュー
A 剪断方向
B 直交する方向
W1,W2 幅
2 上型
2a タイヤ成型面
3 下型
3a タイヤ成型面
4 ベントホール
5 ベントスピュー
A 剪断方向
B 直交する方向
W1,W2 幅
Claims (4)
- タイヤ成型面にエア抜き用のベントホールを設けたタイヤ成型用金型において、該ベントホールを金型離型時にベントホール内に残留するベントスピューに剪断力が作用する剪断方向の幅より該剪断方向と直交する方向の幅が広くなる横断面形状を有するように形成したタイヤ成型用金型。
- 直交する方向の幅が最大となる位置が、前記横断面形状において剪断方向とは反対方向の反剪断側に位置する請求項1に記載のタイヤ成型用金型。
- 前記横断面形状がタイヤ成型面から少なくともベントホールの最大幅の1/4の深さまで形成される請求項1または2に記載のタイヤ成型用金型。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のタイヤ成型用金型を用いて製造した空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008182471A JP2010017986A (ja) | 2008-07-14 | 2008-07-14 | タイヤ成型用金型及び空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008182471A JP2010017986A (ja) | 2008-07-14 | 2008-07-14 | タイヤ成型用金型及び空気入りタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2010017986A true JP2010017986A (ja) | 2010-01-28 |
Family
ID=41703343
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008182471A Pending JP2010017986A (ja) | 2008-07-14 | 2008-07-14 | タイヤ成型用金型及び空気入りタイヤ |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2010017986A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014188770A1 (ja) * | 2013-05-20 | 2014-11-27 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ成型用金型の製造方法及びタイヤ成型用金型 |
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JP2020044749A (ja) * | 2018-09-20 | 2020-03-26 | 横浜ゴム株式会社 | 加硫用モールドおよびタイヤの製造方法 |
-
2008
- 2008-07-14 JP JP2008182471A patent/JP2010017986A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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