JP4983021B2 - 透明導電積層体とそれを用いた有機el素子、及びそれらの製造方法 - Google Patents

透明導電積層体とそれを用いた有機el素子、及びそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、透明導電積層体とそれを用いた有機EL素子、及びそれらの製造方法に関し、より詳しくは、液晶バックライト等の光源やディスプレイ等の表示装置に適用される有機エレクトロルミネッセンス素子(以後、有機EL素子と記す)を製造する際、その構成材料として用いられる透明導電積層体、それを用いた有機EL素子、及びそれらの製造方法に関するものである。
エレクトロルミネッセンス素子は、液晶素子と違って自発光素子であり、無機蛍光体を発光材料として用いた無機エレクトロルミネッセンス素子(以後、無機EL素子と記す)が、ディスプレイ等の表示装置の一部に用いられている。ただし、無機EL素子は、発光色が限られていることや、作動電圧が高い等の問題があるため、適用分野が限られていた。
近年、有機発光層と有機電荷輸送化合物層とを積層した2層構造を有する有機EL素子が提案された(例えば、特許文献1参照)。この有機EL素子は、低電圧で駆動し、高輝度であって、種々の発光波長が容易に得られる等の特徴を有することから、実用化を目指して盛んに研究が行われている。
有機EL素子における有機発光層の形成方法としては、低分子発光材料を蒸着法で形成する方法(特許文献1参照)と、高分子発光材料又はその前駆体を塗布する方法(例えば、特許文献2、3参照)が主に行われているが、有機EL素子の製造工程が簡便で、低コスト化が可能となることから後者の方法が注目されている。
また、上記有機発光層の形成に用いる高分子発光材料としては、溶媒に可溶な前駆体の塗布・乾燥・高温加熱処理による重合反応で得られる共役系高分子のポリ−p−フェニレンビニレン(特許文献3参照)、溶媒に可溶で高温加熱処理が不要な共役系高分子(特許文献2参照)等が提案されている。
更に、有機EL素子においては、発光効率並びに耐久性を向上させるために、例えばポリチオフェン誘導体等の導電性高分子からなる正孔注入層(ホール注入層)を、陽極と発光層の間に形成することが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
上記有機EL素子を構成する各層のうち、有機発光層や正孔注入層(ホール注入層)は、それぞれ高分子発光材料や導電性高分子を塗布・乾燥して形成する塗布法が適用されている。一方、アノード電極に用いられる透明導電膜は、インジウム錫酸化物(ITO)、錫アンチモン酸化物(ATO)等の導電性酸化物からなり、スパッタリング等の物理的方法で形成されている。しかし、この物理的方法で透明導電膜を得る方法は、大型の装置を必要とし、更に真空中において膜形成する必要があるため、コスト面から見て好ましいとは言えず、更には膜形成時に基板加熱が必要なため、耐熱性の乏しいプラスチック基板への膜形成ができない等の制約もあった。
そこで、より簡便で且つ低温成膜可能な透明導電膜の形成方法として、溶媒に導電性微粒子を分散させた透明導電膜形成用塗布液を塗布・乾燥し、必要に応じて加熱処理する方法が提案されている。
例えば、導電性微粒子としてITO微粒子を分散させた透明導電膜形成用塗布液を用いて透明導電膜を得る方法(例えば、特許文献5参照)、あるいは、導電性微粒子として金や銀等の貴金属含有微粒子を分散させた透明導電膜形成用塗布液を用いて、抵抗値や透過率等の膜特性の面でさらに優れた透明導電膜を得る方法(例えば、特許文献6参照)が挙げられる。
しかしながら、上記透明導電膜形成用塗布液を用いて透明導電膜を形成する方法は、前述の有機EL素子のアノード電極に適用した場合、以下の問題があった。即ち、塗布法により得られる透明導電アノード電極は、微粒子を含む塗布液を用いるために前述の物理的方法で得られた透明導電アノード電極に比べて必然的に表面の凹凸が大きくなるうえ、更には塗布液の塗布・乾燥工程において、透明導電膜形成用塗布液に微量混入している導電性微粒子の粗大粒子、導電性微粒子の凝集に起因する粗大粒子や塗布ムラ等が発生するため、これらの塗布欠陥に起因した著しい突起部の形成が避けられなかった。
この透明導電アノード電極層の凹凸ないし突起部が著しく大きくなると、有機EL素子の透明導電アノード電極層とカソード電極層の間で電気的短絡(ショート)が発生し、有機EL素子が発光しなかったり、発光効率が著しく低下したりする等の問題が生じていた。
そのため、有機EL素子の透明導電アノード電極層として、塗布法で形成された透明導電膜を適用することは困難であった。
特開昭59−194393号公報 特開平03−244630号公報 特開平10−092577号公報 特表2000−514590号公報 特開平4−26768号公報 特開2000−268639号公報
本発明の目的は、このような従来の事情に鑑み、簡便且つ低コストで、低温成膜可能な塗布法により形成された透明導電膜を透明導電アノード電極層としながら、透明導電アノード電極層とカソード電極層の間に電気的短絡(ショート)を生じない有機EL素子の製造に用いられる透明導電積層体、有機EL素子、及びそれらの製造方法を提供することにある。
本発明者は、かかる課題を解決するために鋭意研究を行った結果、平滑な基板上に塗布法により透明導電アノード電極層を形成すると、該電極層は、他方の面が透明基材に接着層を介して接合されており平滑な基板が剥離除去可能となり、一方、平滑な基板を剥離した剥離面が十分に平滑でありながら、透明導電アノード電極層自体が接着剤層によって透明基材で支持されているため、透明導電積層体から平滑な基板を剥離した状態の透明導電アノード電極層の平滑な剥離面上には、凹凸や突起部のないポリマー発光層やカソード電極層を容易に形成することができ、カソード電極層との間で電気的短絡を生じなくなるために、液晶バックライト等の光源やディスプレイ等の表示装置として有用な有機EL素子が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、平滑な基板と、該平滑な基板上に塗布法により形成された、導電性微粒子を主成分とする透明導電アノード電極層と、該透明導電アノード電極層に接着剤層により接合された透明基材とを備え、かつ前記平滑な基板は、透明導電アノード電極層から剥離可能であり、前記接着剤層は、有機樹脂以外に、さらに、脱水剤および/又は脱酸素剤を含有することを特徴とする透明導電積層体が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1の発明において、平滑な基板と透明導電アノード電極層の間に、さらに塗布法により形成されたホール注入層を有し、かつ前記平滑な基板は、ホール注入層から剥離可能であることを特徴とする透明導電積層体が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1の発明において、前記透明導電アノード電極層上の一部分に、さらに金属補助電極が塗布・形成されていることを特徴とする透明導電積層体が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1の発明において、前記透明導電アノード電極層と接着剤層の間に、さらに塗布法により形成された透明コート層を備えることを特徴とする透明導電積層体が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第の発明において、前記導電性微粒子は、平均粒径1〜100nmの貴金属含有微粒子であり、かつ透明導電アノード電極層内で網目状構造を呈することを特徴とする透明導電積層体が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第の発明において、前記貴金属含有微粒子は、金および/又は銀を含有する金属微粒子であることを特徴とする透明導電積層体が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第の発明において、前記透明導電アノード電極層は、導電性酸化物微粒子を主成分していることを特徴とする透明導電積層体が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第の発明において、前記導電性酸化物微粒子は、酸化インジウム、酸化錫、または酸化亜鉛から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする透明導電積層体が提供される。
さらに、本発明の第の発明によれば、第1の発明において、前記接着剤層は、透明導電アノード電極層の表面を形成する導電性微粒子の突起部を覆うのに十分な厚さを有することを特徴とする透明導電積層体が提供される。
一方、本発明の第10の発明によれば、第1の発明において、その上に積層される塗布層から剥離可能で十分に平滑な基板上に、溶媒中に導電性微粒子を含む透明導電アノード電極層形成用塗布液を塗布し、乾燥させて透明導電アノード電極層を形成し、その後、得られた透明導電アノード電極層上に、有機樹脂以外に、さらに、脱水剤および/又は脱酸素剤を含有する接着剤を用いて透明基材を接合することを特徴とする透明導電積層体の製造方法が提供される。
また、本発明の第11の発明によれば、第10の発明において、平滑な基板上に、溶媒中にホール注入性物質を含むホール注入層形成用塗布液を塗布・乾燥させてホール注入層を形成した後、該ホール注入層上に、溶媒中に導電性微粒子を含む透明導電アノード電極層形成用塗布液を塗布することを特徴とする透明導電積層体の製造方法が提供される。
また、本発明の第12の発明によれば、第10の発明において、透明導電アノード電極層を形成した後、その表面上の一部分に、溶媒中に金属微粒子を含む金属補助電極形成用ペーストを印刷・硬化させて、金属補助電極を形成することを特徴とする透明導電積層体の製造方法が提供される。
また、本発明の第13の発明によれば、第10の発明において、透明導電アノード電極層を形成した後、その上に、溶媒中にバインダーを含む透明コート層形成用塗布液を塗布・乾燥させて、透明コート層を形成し、次いで、該透明コート層に接着剤を用いて透明基材を接合することを特徴とする透明導電積層体の製造方法が提供される。
一方、本発明の第14の発明によれば、第1〜のいずれかの発明に係る透明導電積層体から平滑な基板を剥離した透明導電アノード電極層又はホール注入層の剥離面上に、塗布法により形成されたポリマー発光層と、該ポリマー発光層上に設けたカソード電極層とを備えることを特徴とする有機EL素子が提供される。
また、本発明の第15の発明によれば、第10〜13のいずれかの発明に係る製造方法で得られた透明導電積層体から平滑な基板を剥離除去した後、透明導電アノード電極層又はホール注入層の剥離面上に、溶媒中に高分子発光材料又はその前駆体を含むポリマー発光層形成用塗布液を塗布・乾燥してポリマー発光層を形成し、該ポリマー発光層上にカソード電極層を形成することを特徴とする、第14の発明に係る有機EL素子の製造方法が提供される。
本発明の透明導電積層体においては、透明導電積層体から平滑な基板を剥離した状態の透明導電アノード電極層の平滑な剥離面上には、凹凸や突起部のないポリマー発光層やカソード電極層を容易に形成することができるため、有機EL素子の構成部分の一部として用いることができる。
本発明の有機EL素子は、透明導電アノード電極層を塗布法により形成できるため、簡便且つ低コストで、低温成膜が可能であり、ポリマー発光層の劣化を起こしにくく、液晶バックライト等の光源やディスプレイ等の表示装置に適用可能な有機EL素子を提供することができる。
図1は、本発明に係わる基本的構造の透明導電積層体を示す断面図である。 図2は、本発明に係わる基本的構造の有機EL素子で、突起部を模式的に示した断面図である。 図3は、従来の基本的構造の有機EL素子で、突起部を模式的に示した断面図である。 図4は、本発明に係わる別な構造の透明導電積層体を示す断面図である。 図5は、図4の透明導電積層体から平滑な基板を剥離した状態を示す断面図である。 図6は、図4の透明導電積層体から作製した有機EL素子を示す断面図である。 図7は、本発明に係わる更に別な構造の透明導電積層体を示す断面図である。 図8は、図7の透明導電積層体から作製した有機EL素子を示す断面図である。 図9は、本発明に係わるパターン形成された透明導電アノード電極層を有する有機EL素子を示す断面図である。 図10は、従来のパターン形成された透明導電アノード電極層を有する有機EL素子を示す断面図である。 図11は、本発明に係わる透明導電アノード電極層に補助電極層を形成した有機EL素子を示す断面図である。 図12は、本発明に係わる透明導電アノード電極層に補助電極層を形成した有機EL素子を示す断面図である。 図13は、本発明に係わる接着剤層に脱水剤、脱酸素剤を有する有機EL素子を示す断面図である。
符号の説明
1 平滑な基板
2 透明導電アノード電極層
3 接着剤層
4 透明基材
5 ホール注入層
6 ポリマー発光層
7 カソード電極層
8 透明コート層
9 突起部
10 補助電極層
11 脱水剤、および/又は脱酸素剤
以下、本発明の透明導電積層体、有機EL素子、及びそれらの製造方法について、図面を参照して項目毎に説明する。
1.透明導電積層体
本発明の透明導電積層体は、第1の態様では、平滑な基板と、該平滑な基板上に塗布法により形成された、導電性微粒子を主成分とする透明導電アノード電極層と、該透明導電アノード電極層に接着剤層により接合された透明基材とを備え、かつ前記平滑な基板は、透明導電アノード電極層から剥離可能とされている。
また、同様に、第2の態様では、平滑な基板と、該平滑な基板上に塗布法により形成されたホール注入層と、該ホール注入層上に塗布法により形成された、導電性微粒子を主成分とする透明導電アノード電極層と、該透明導電アノード電極層に接着剤層により接合された透明基材とを備え、かつ前記平滑な基板は、ホール注入層から剥離可能とされている。
従来、有機EL素子を製造する場合は、図3に示すように、平滑な基板を用いることなく、透明基材4上に透明導電層形成用塗布液を塗布・乾燥して透明導電アノード電極層2を形成し、その上にポリマー発光層6とカソード電極層7を積層していた。そのため、塗布欠陥等によって透明導電アノード電極層2に大きな突起部9が発生した場合、カソード電極層7との間で電気的短絡(ショート)が発生しやすくなり、有機EL素子が発光しなくなったり、発光効率が著しく低下したりし易く、またポリマー発光層6の絶縁破壊が起き易かった。
そこで、本発明では、下記に詳述する転写法を応用した透明導電積層体により上記の問題点を解決した。即ち、図1に示すように、まず、第1の態様においては、有機EL素子の構成に用いない平滑な基板1上に、後で詳述する透明導電アノード電極層形成用塗布液を塗布・乾燥して透明導電アノード電極層2を形成し、得られた透明導電アノード電極層2の平滑な基板1との反対面に、有機EL素子の構成に用いる透明基材4を接着剤で貼り合わせた後、接着剤を硬化させて接合する。
このようにして得られる本発明の透明導電積層体は、図1に示すような基本的な構造を有している。すなわち、透明導電アノード電極層2を成膜するための仮の基板として用いた平滑な基板1と、平滑な基板1上に塗布法により形成された透明導電アノード電極層2と、その透明導電アノード電極層2に接着剤層3で接合された透明基材4とを備え、この平滑な基板1は透明導電アノード電極層2から剥離することが可能とされている。
本発明で用いる平滑な基板は、透明導電アノード電極層又はホール注入層との界面で剥離可能であれば、特に限定されるものではない。具体的には、ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)等のプラスチック、ステンレス等の金属を用いることができる。なかでも、安価で且つ表面の平坦度が高く、フレキシブルで剥離しやすい等の観点から、PETフィルムが好ましい。
一方、透明基材は、従来から有機EL素子に使用されているものでよく、例えば、可視光線を透過するポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)等のプラスチックのフィルム又は板、あるいはガラス板等を用いることができる。プラスチックを透明基材として用いるときは、有機EL素子の水分による劣化防止のため、予め防湿コーティングを施しておくことが好ましい。また、透明基材には、接着剤との密着力を高める易接着処理、具体的には、プライマー処理、プラズマ処理、コロナ放電処理、短波長紫外線照射処理、シリコンカップリング処理等を予め施すことが好ましい。
透明基材として、ガラス板、プラスチックフィルムの上に予めカラーフィルターが形成されたものを用いても良い。この場合、ポリマー発光層として、例えば発光色が白色の発光材料を用いることで、有機EL表示デバイスを得ることが可能となる。
接着剤としては、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系等の常温硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂など、各種のものを用いることができるが、少なくとも平滑な基板の剥離の際に、透明導電アノード電極層又は透明コート層を透明基材に接着しておくことができ、しかも平滑な基板の剥離性に悪影響を及ぼさない限り、これらに限定されない。
また、接着剤の使用量は、透明導電アノード電極層の表面に位置する突起部が覆われるに十分な量であればよい。ここで、接着剤層の適正な膜厚は、透明導電アノード電極層の膜厚にも依存するが、一般的には、0.5μm程度以上となれば、塗布方法も特に限定されない。膜厚が0.5μm未満では、場合によっては、透明導電アノード電極層の突起部を十分に覆うことができない可能性がある。ただし、500μmを超えても接着剤層の機能に変わりがないため、経済的でなく、また、接着剤の種類によっては接着剤層の収縮が大きくなり、透明導電積層体が歪んでしまうこともあり好ましいとは言えない。
本発明の透明導電積層体の大きな特徴は、平滑な基板を剥離した際に、その表面が平滑になっていることである。平滑とは、剥離面の中心線平均粗さ(Ra)が10nm以下、好ましくは8nm以下、より好ましくは5nm以下であることを意味し、本発明によって塗布液の種類、塗布条件、接着剤の種類やその使用量などを最適化すれば、Raが3nm以下の極めて平滑な面も提供される。
ここで、中心線平均粗さ(Ra)とは、原子間力顕微鏡で測定し、具体的には、膜表面の任意の10箇所に対して、それぞれ1μm×1μmの領域内で測定し、その平均値を算出したものである。剥離面のRaが10nmを超えると、特に、有機EL素子の場合、この上にポリマー発光層などを形成した素子の特性劣化が起き易くなるため、膜のエッチングや研磨などによる平滑化処理の工程を付加しなければならないことがある。
接着剤は、有機樹脂以外に、さらに脱水剤および/又は脱酸素剤を含有することが望ましい。脱水剤、脱酸素剤の添加により、ポリマー発光層6、カソード電極層7の劣化を抑制することができる。例えば、脱水剤には、シリカゲル、ゼオライト、五酸化りん、硫酸ナトリウム、酸化カルシウム、酸化バリウム等が挙げられ、脱酸素剤には、酸素と結合しやすい鉄、マグネシウム、カルシウム等の各種金属、又は有機系の脱酸素剤が挙げられるが、その機能さえ有していれば、微粒子の形態でも分子状に溶解していても良く、これらに限定されない。
また、脱水剤、脱酸素剤が透光性であれば、図12に示す様に、接着剤に均一に混合すればよく、仮に不透明の場合でも、図13に示す様に、接着剤層のポリマー発光層の発光領域に面していない部分(例えば、ポリマー発光層をパターニングした場合、各発光領域の間の部分等)に配置されるようにしても良い。
図1の透明導電積層体から、平滑な基板1を剥離して除去すると、平滑な基板1の剥離除去により露出した透明導電アノード電極層2の剥離面は、平滑な基板1の表面を反映した平坦度が高い面となって現われる。そのため、図2に示すように、この透明導電アノード電極層2の平滑な剥離面上に、ポリマー発光層形成用塗布液を塗布・乾燥してポリマー発光層6を形成し、更に、そのポリマー発光層6の上にカソード電極層7を形成することにより、後で詳述する本発明の有機EL素子を得ることができる。
一方、第2の態様においては、図4に示すように、有機EL素子の構成に用いない平滑な基板1上に、まず、ホール注入層形成用塗布液を塗布・乾燥してホール注入層5を形成し、次に、透明導電アノード電極層形成用塗布液を塗布・乾燥して透明導電アノード電極層2を形成し、得られた平滑な基板1のホール注入層5、透明導電アノード電極層2が形成されていない側の面に、有機EL素子の構成に用いる透明基材4を接着剤で貼り合わせた後、接着剤を硬化させて接合する。
このように透明導電アノード電極層を形成する前に、導電性高分子からなるホール注入層を設けることで、有機EL素子の発光効率及び耐久性を向上させることができる。
ホール注入層形成用塗布液は、溶媒とホール注入性物質とを含んでいる。ホール注入性物質としては、ポリシラン、ポリアニリン、ポリチオフェン、これらの誘導体、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸の混合物(PEDOT/PSS)(バイエル社製、商品名バイトロン)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
こうして得られる本発明の第2態様の透明導電積層体は、図4に示すような基本的な構造を有している。すなわち、仮の基板として用いた平滑な基板1と、平滑な基板1上に塗布法により形成されたホール注入層5と、同様にして形成された透明導電アノード電極層2と、その透明導電アノード電極層2に接着剤層3で接合された透明基材4とを備え、この平滑な基板1はホール注入層5から剥離することが可能とされている。
さらに、本発明の透明導電積層体には、透明導電アノード電極層と接着剤層の間に、塗布法により形成される透明コート層を備えることができる。
透明コート層形成用塗布液は、溶媒とバインダーとで構成される。バインダーとしては、透明導電アノード電極層形成用塗布液に添加するバインダーと同様のものであってよく、有機及び/又は無機バインダーを用いることができ、中でもシリカゾルを主成分とするバインダーが好ましい。透明コート層の形成により、透明導電アノード電極層中の導電性微粒子を強固に結合させ、膜抵抗値を低下させる効果が得られる。
尚、上記した本発明の透明導電積層体は、そのままの形で保管することが可能であり、有機EL素子を製造するに際して、ポリマー発光層を形成する直前に平滑な基板を剥離除去すれば良いため、剥離面への異物やホコリ等の付着を効果的に防止できる利点もある。
2.透明導電積層体の製造方法
本発明の透明導電積層体の製造方法は、平滑な基板上に、溶媒と導電性微粒子を主成分とする透明導電アノード電極層形成用塗布液を塗布する工程、塗布液を乾燥させて透明導電アノード電極層を形成する工程、得られた透明導電アノード電極層上に接着剤を用いて透明基材を接合する工程を含んでいる。
本発明の透明導電積層体を製造するには、まず、表面が平滑な基板を用意し、この基板上に、溶媒と導電性微粒子を主成分とする透明導電アノード電極層形成用塗布液を塗布する。なお、透明導電アノード電極層形成用塗布液及びそれを用いた塗布工程は、後で詳述する。
また、前記の通り、有機EL素子の発光効率及び耐久性を向上させるために、透明導電アノード電極層を形成する前に、導電性高分子からなるホール注入層を設けることもできる。
透明導電積層体の製造に際しては、図7に示すように、平滑な基板1上に、必要に応じてホール注入層5を形成し、透明導電アノード電極層2を形成した後、この透明導電アノード電極層2上に透明コート層形成用塗布液を塗布・乾燥して、透明コート層8を形成することもできる。その後、この透明コート層8の平滑な基板1との反対面に、接着剤を用いて透明基材4を接合する。
このように、透明導電アノード電極層2上に透明コート層形成用塗布液をオーバーコートすると、透明コート層形成用塗布液中のバインダー成分が透明導電アノード電極層2の導電性微粒子間の空隙にしみ込み、導電性微粒子同士の接触を強化することができる。その結果、透明導電アノード電極層2の導電性を向上させ、同時に透明導電アノード電極層2自体の強度を向上させることができる。
上記した透明導電アノード電極層2、ホール注入層5、及び透明コート層8の形成は、塗布法によって行うことができる。即ち、透明導電アノード電極層形成用塗布液、ホール注入層形成用塗布液、あるいは透明コート層形成用塗布液を、スピンコート、スプレーコート、ドクターブレードコート、ロールコート、グラビア印刷、インクジェット印刷、スクリーン印刷等の手法により塗布・乾燥し、必要に応じて、例えば50〜200℃程度の温度で加熱処理を施すことにより、上記各層を形成することができる。
平滑な基板上に形成された透明導電アノード電極層などを形成した後、接着剤により透明基材と貼り合わせるには、透明導電アノード電極層などの上、あるいは透明基材の上、若しくはその両方に接着剤を塗布し、必要に応じて乾燥した後、一般的にはスチールロール又はゴムロール等を用いて0.1〜2.94×10N/m程度の線圧力を掛けながら行う。尚、接着剤の塗布は、スピンコート、スプレーコート、ドクターブレードコート、ロールコート、グラビア印刷、スクリーン印刷等の汎用の方法が適用できる。上記貼り合せを行った後、接着剤を硬化させて接合が完了する。
接着剤の硬化は、熱硬化性樹脂を用いた場合は加熱により行うが、紫外線硬化樹脂を用いた場合には、平滑な基板側又は透明基材側から紫外線照射を行うため、平滑な基板又は透明基材のいずれか一方は、紫外線を透過する材質のものでなければならない。
3.透明導電アノード電極層を形成する具体的方法
次に、平滑な基板上又はホール注入層上に、透明導電アノード電極層を形成する方法を具体的に説明する。
ここで用いる透明導電アノード電極層形成用塗布液は、溶媒と、その溶媒中に分散された導電性微粒子とを主成分とする。導電性微粒子としては、平均粒径1〜100nmの貴金属含有微粒子(A)、あるいは、平均粒径1〜200nmの微粒状及び/又は異形状(例えば針状や板状)の導電性酸化物微粒子(B)が適用できる。本発明においては、抵抗値や透過率などの膜特性の面から貴金属含有微粒子(A)の方が導電性酸化物微粒子(B)よりも好ましい。
(A)貴金属含有微粒子を用いた場合
まず、導電性微粒子として貴金属含有微粒子を用いた場合を説明する。貴金属含有微粒子を用いた透明導電アノード電極層形成用塗布液は、得られる膜の透過率が幾分低下するものの、膜抵抗値を低くすることが可能となるため、透明導電アノード電極層の導電性を優先する場合には好適である。
上記貴金属含有微粒子の平均粒径は、1〜100nm、好ましくは3〜20nmとする。その理由は、1nm未満だと透明導電層形成用塗布液の製造が困難となり、100nmを超えると透明導電アノード電極層において高透過率と低抵抗値を同時に達成することが困難になるからである。
上記貴金属含有微粒子としては、金又は銀の金属微粒子や、金と銀を含有する金属微粒子が好ましい。その理由は、銀、金、白金、ロジウム、ルテニウム、パラジウムなどの比抵抗を比較した場合、白金、ロジウム、ルテニウム、パラジウムの比抵抗は、それぞれ10.6、4.51、7.6、10.8μΩ・cmであり、銀及び金の1.62、2.2μΩ・cmに比べて高いため、表面抵抗の低い透明導電アノード電極層を形成するには、銀や金の金属微粒子又は金と銀を含む金属微粒子を適用した方が有利と考えられるからである。
更に、銀微粒子が単独で適用された場合、酸化・硫化等による劣化や、紫外線による劣化が激しく、耐候性の面で制約がある。他方、金微粒子が単独で適用された場合には、上記耐候性の問題はないが、コスト面で不利である。そのため、金及び銀を含有する金属微粒子の適用が更に望ましい。
金及び銀を含有する金属微粒子としては、銀微粒子の表面に金をコーティングした金コート銀微粒子を用いることが好ましい。例えば、前記特許文献6(特開平2000−268639号公報)には、表面に金がコーティングされた平均粒径1〜100nmの貴金属コート銀微粒子を適用した透明導電層形成用塗布液、並びにその製造方法が開示されている。金コート銀微粒子における金のコーティング量は、上記耐候性を考慮すれば、銀100重量部に対し100〜1900重量部の範囲に設定することが好ましい。
上記貴金属含有微粒子が、金又は銀の金属微粒子若しくは金と銀を含有する金属微粒子であることが好ましい理由は、これらの金属微粒子で形成される透明導電膜が、高透過率と低抵抗値を示すだけでなく、この膜の仕事関数が比較的高いため、透明導電アノード電極層からのポリマー発光層(又はホール注入層)へのホール注入を容易にすることができるためでもある。
ところで、貴金属含有微粒子は、可視光線に対し本来的に透明ではないことから、貴金属含有微粒子が適用された透明導電アノード電極層において、高透過率と低抵抗を両立させるためには、できるだけ少量の貴金属含有微粒子が効率よく導電パスを形成していることが望ましい。つまり、透明導電アノード電極層形成用塗布液を塗布して得られた透明導電アノード電極層は、貴金属含有微粒子の導電層に微小な空孔が導入された構造、即ち網目状構造を呈していることが好ましい。このような網目状構造が形成されると、貴金属含有微粒子からなる網目状部分が導電パスとして機能する一方、網目状構造に形成された穴の部分が光透過率を向上させる機能を果たすため、低抵抗で且つ高透過率の透明導電アノード電極層が得られるものと考えられている。
上記貴金属含有微粒子の網目状構造を形成させるためには、予め連鎖状に凝集した貴金属含有微粒子(貴金属含有微粒子の連鎖状凝集体)が分散した透明導電膜形成用塗布液を用意し、これを塗布・乾燥させることによって透明導電アノード電極層を形成することが望ましい。上記連鎖状凝集体の平均主鎖長さは20〜500nmが好ましく、30〜300nmが更に好ましい。平均主鎖長さが20nm未満では得られる透明導電アノード電極層の抵抗が高くなり、500nmを超えると透明導電アノード電極層形成用塗布液の濾過が困難になると同時に、透明導電アノード電極層形成用塗布液の保存安定性が悪化するからである。
また、上記連鎖状凝集体の平均主鎖長さと貴金属含有微粒子の平均粒径(連鎖状凝集体の平均太さ)の比は、3〜100の範囲にあることが好ましい。この範囲を外れると、上記と同様に、良好な導電性を有する透明導電アノード電極層の形成が難しくなったり、透明導電アノード電極層形成用塗布液の濾過が困難になると同時に、透明導電アノード電極層形成用塗布液の保存安定性が悪化することがあるからである。尚、上記した連鎖状凝集体の平均主鎖長さと貴金属含有微粒子の平均粒径は、透過電子顕微鏡(TEM)で観察された凝集体に対する値を示している。
透明導電アノード電極層形成用塗布液には、少量のバインダーを添加してもよい。バインダーを添加した透明導電アノード電極層形成用塗布液を用いると、単層で、膜強度の高い透明導電アノード電極層を得ることができる。バインダーとしては、有機及び/又は無機バインダーを用いることが可能であり、適用する平滑な基板、ホール注入層の材質、透明導電アノード電極層の膜形成条件等を考慮して、適宜選定することができる。
上記有機バインダーとしては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、常温硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等から選定することができる。例えば、熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、PET樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、PVP樹脂、ポリビニルアルコール樹脂などがあり、熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂など、常温硬化性樹脂としては2液性のエポキシ樹脂やウレタン樹脂など、紫外線硬化性樹脂としては各種オリゴマー、モノマー、光開始剤を含有する樹脂など、電子線硬化性樹脂としては各種オリゴマー、モノマーを含有する樹脂などを挙げることができるが、これら樹脂に限定されるものではない。
また、無機バインダーとしては、シリカゾルを主成分とするバインダーを挙げることができる。無機バインダーは、弗化マグネシウム微粒子、アルミナゾル、ジルコニアゾル、チタニアゾル等や、一部有機官能基で修飾されたシリカゾルを含んでいてもよい。上記シリカゾルとしては、オルトアルキルシリケートに水や酸触媒を加えて加水分解し、脱水縮重合を進ませた重合物、あるいは既に4〜5量体まで重合を進ませた市販のアルキルシリケート溶液を、更に加水分解と脱水縮重合を進行させた重合物等を利用することができる。
尚、脱水縮重合が進行し過ぎると、溶液粘度が上昇して最終的には固化してしまうので、脱水縮重合の度合いについては、ガラス基板やプラスチック基板などの透明基板上に塗布可能な上限粘度以下に調整する。ただし、脱水縮重合の度合いは上記上限粘度以下のレベルであれば特に限定されないが、膜強度、耐候性等を考慮すると、重量平均分子量で500〜50000程度が好ましい。そして、このアルキルシリケート加水分解重合物(シリカゾル)は、透明導電アノード電極層形成用塗布液の塗布・乾燥後の加熱時において脱水縮重合反応がほぼ完結し、硬いシリケート膜(酸化ケイ素を主成分とする膜)になる。
次に、本発明で用いる透明導電アノード電極層形成用塗布液の製造方法を、まず、導電性微粒子が金コート銀微粒子である場合を例にとって説明する。
まず、既知の方法[例えば、カレー−リー(Carey−Lea)法:Am.J.Sci.,37,38,47(1889)参照]により、単分散銀微粒子のコロイド分散液を調製する。具体的には、硝酸銀水溶液に硫酸鉄(II)水溶液とクエン酸ナトリウム水溶液の混合液を加えて反応させ、沈降物を濾過・洗浄した後、純水を加えることによって、単分散銀微粒子のコロイド分散液が得られる。
この銀微粒子コロイド分散液に、ヒドラジン等の還元剤溶液と、金酸塩溶液を加えることにより、銀微粒子表面に金がコーティングされた金コート銀微粒子の分散液が得られる。尚、必要に応じて、上記金コーティング工程において、銀微粒子のコロイド分散液又は金酸塩溶液のいずれか片方若しくは両方に、少量の分散剤を添加しても良い。
その後、透析、電気透析、イオン交換、限外濾過等の方法で、分散液内の電解質濃度を下げることが好ましい。電解質濃度を下げないと、一般にコロイドは電解質で凝集してしまうからであり、この現象は、シュルツ−ハーディー(Schulze−Hardy)則として知られている。このように電解質濃度を下げた金コート銀微粒子分散液は、減圧エバポレーター、限外濾過等の方法で濃縮処理して、単分散金コート銀微粒子の分散濃縮液とする。この濃縮度合いによって、最終的な透明導電アノード電極層形成用塗布液中の水分濃度を、好ましくは1〜50重量%の範囲に制御することができる。
この単分散金コート銀微粒子の分散濃縮液を撹拌しながら、ヒドラジン溶液を少量ずつ添加し、例えば室温で数分から数時間程度保持することにより、金コート銀微粒子を連鎖状に凝集させる。その後、過酸化水素溶液を添加してヒドラジンを分解することで、連鎖状凝集金コート銀微粒子分散(濃縮)液が得られる。ヒドラジン溶液の添加により金コート銀微粒子に連鎖状の凝集が生じる理由は明らかではないが、ヒドラジンのアルカリイオンとしての働き、あるいは還元剤として系の電位を低下させる働きにより、金銀含有微粒子の安定性が低下して連鎖状に凝集するものと考えられる。
尚、上記した凝集過程において、金コート銀微粒子の分散濃縮液にヒドラジン(N)溶液を添加すると、金コート銀微粒子の安定性が低下(系のゼータ電位[絶対値]は低下)して連鎖状に凝集し、更に過酸化水素(H)溶液を添加すると上記ヒドラジンが分解除去され、連鎖状金コート銀微粒子の凝集状態は保ったままで、その安定性が再度向上(系のゼータ電位[絶対値]は増加)する。しかも、これら一連の反応は、下記反応式1に示されるように、反応生成物が水(HO)及び窒素ガス(N)だけで不純物イオンの副生がないため、金コート銀微粒子の連鎖状凝集体を得る方法としては極めて簡便で有効な方法である。
[反応式1]
+2H→4HO+N
上記連鎖状凝集金コート銀微粒子における直鎖や分岐などの凝集形態の制御に関しては、現時点では系統だった解析はまだ行われていないが、金コート銀微粒子濃度、ヒドラジン溶液濃度、ヒドラジン溶液添加速度、処理液の撹拌速度、処理液の温度等を調整することにより、凝集形態の制御が可能である。
得られた連鎖状凝集金コート銀微粒子分散(濃縮)液に有機溶剤等を添加し、導電性微粒子濃度、水分濃度、高沸点有機溶剤濃度等の成分調整を行うことにより、連鎖状凝集金コート銀微粒子を含有する透明導電アノード電極層形成用塗布液が得られる。ここで、透明導電アノード電極層形成用塗布液中の連鎖状凝集金コート銀微粒子量は0.1〜10重量%、水分は1〜50重量%、有機溶剤その他添加物が残部となるように成分調整することが好ましい。
連鎖状凝集金コート銀微粒子が0.1重量%未満では、透明導電アノード電極層に十分な導電性能が得られず、5重量%を超えると連鎖状凝集金コート銀微粒子が不安定になり凝集しやすくなる。また、水分濃度が1重量%よりも少ない場合、つまり金コート銀微粒子分散(濃縮)液の濃縮度を高めた場合は、前述と同様に連鎖状凝集金コート銀微粒子の濃度が高くなり過ぎるため、連鎖状凝集金コート銀微粒子が不安定になり凝集しやすくなる。逆に、水分濃度が50重量%を超えると、透明導電アノード電極層形成用塗布液の塗布性が著しく悪化する可能性がある。
(B)導電性酸化物微粒子を用いた場合
次に、導電性微粒子に導電性酸化物微粒子を用いて透明導電アノード層を形成する場合について説明する。上記導電性酸化物微粒子には、酸化インジウム、酸化錫、または酸化亜鉛から選ばれる1種を含む微粒子が適用できる。
より具体的には、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)微粒子、インジウム亜鉛酸化物(IZO)微粒子、インジウム−タングステン酸化物(IWO)微粒子、インジウム−チタン酸化物(ITiO)微粒子、インジウムジルコニウム酸化物微粒子、錫アンチモン酸化物(ATO)微粒子、フッ素ドープ錫酸化物(FTO)微粒子、アルミニウム−亜鉛酸化物(AZO)微粒子、ガリウム−亜鉛酸化物(GZO)微粒子等が挙げられるが、透光性と導電性を併せ持つ酸化物微粒子であれば良く、これらに限定されない。
上記導電性酸化物微粒子の中では、ITO微粒子を用いた透明導電アノード電極層形成用塗布液が好適であり、それは得られる膜の透過率と導電性が優れているからである。また、上記導電性酸化物微粒子の平均粒径は、粒状の微粒子を用いる場合は、1〜200nm、好ましくは10〜50nmが良い。その理由は、1nm未満だと透明導電層形成用塗布液の製造が困難となり、かつ、膜の抵抗値が大幅に上昇し、一方、200nmを超えると透明導電アノード電極層において高透過率と低抵抗値を同時に達成することが困難になるからである。尚、上記導電性酸化物微粒子の平均粒径は、透過電子顕微鏡(TEM)で観察された値を示している。
尚、導電性酸化物微粒子として、微粒状及び/又は異形状(例えば針状や板状)の導電性酸化物微粒子を用いた場合は、その微粒子の大きさ(針状:長さ、板状:幅)は、0.1〜100μm、好ましくは0.2〜10μmが良く、アスペクト比(針状:長さ/幅、板状:幅/厚さ)は、5〜30程度が好ましい。その理由は、0.1μm未満の大きさの微粒子は、それ自体の製造が困難で、かつ、膜の抵抗値が大幅に上昇してしまい、また、100μmを超えると、高透過率領域で、低抵抗値を達成することが困難になるからである。
従来の透明導電アノード電極層上に、ホール注入層、ポリマー発光層を形成する方法では、透明導電アノード電極層の凹凸を極めて平坦にする必要があり、異形状(例えば針状や板状)の導電性酸化物微粒子自体を適用することができなかったが、本発明では、平滑な基板からの転写により極めて平滑な表面を得ているため、異形状(例えば針状や板状)の導電性酸化物微粒子を適用することが可能となっている。
次に、本発明において、導電性微粒子として導電性酸化物微粒子を用いた場合の透明導電アノード電極層形成用塗布液の製造方法を説明する。
まず、導電性酸化物微粒子を分散剤、溶剤と混合した後、分散処理を行う。分散剤としては、シリコンカップリング剤等の各種カップリング剤、各種高分子分散剤、アニオン系・ノニオン系・カチオン系等の各種界面活性剤が挙げられる。これら分散剤は、用いる導電性酸化物微粒子の種類や分散処理方法に応じて適宜選定される。また、分散剤を全く用いなくても、適用する導電性酸化物微粒子と溶剤の組合せ、及び分散方法の如何によっては、良好な分散状態を得ることができる場合がある。分散剤の使用は、膜の抵抗値や耐候性を悪化させる可能性があるので、分散剤を用いない透明導電層形成用塗布液が最も好ましい。
分散処理としては、超音波処理、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ビーズミル等の汎用の方法を適用することができる。
得られた導電性酸化物微粒子分散(濃縮)液に溶剤等を添加し、導電性微粒子濃度、溶剤濃度等の成分調整を行うことにより、導電性酸化物微粒子を含有する透明導電層形成用塗布液が得られる。ここで、透明導電層形成用塗布液中の導電性酸化物微粒子量は1〜70重量%、溶剤その他添加物が残部となるように成分調整することが好ましい。
導電性酸化物微粒子が1重量%未満では、透明導電層に十分な導電性能が得られず、70重量%を超えると導電性酸化物微粒子分散(濃縮)液の製造が困難となるからである。具体的な導電性酸化物微粒子量は、用いる塗布方法に応じて、上記範囲内で適宜設定すればよい。
ここで、透明導電アノード電極層形成用塗布液に用いる溶媒としては、特に制限はなく、塗布方法や製膜条件により適宜に選定することができる。
例えば、水、メタノール(MA)、エタノール(EA)、1−プロパノール(NPA)、イソプロパノール(IPA)、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール(DAA)等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル(MCS)、エチレングリコールモノエチルエーテル(ECS)、エチレングリコールイソプロピルエーテル(IPC)、プロピレングリコールメチルエーテル(PGM)、プロピレングリコールエチルエーテル(PE)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGM−AC)、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート(PE−AC)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコール誘導体;ホルムアミド(FA)、N−メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、メシチレン、ドデシルベンゼン等のベンゼン誘導体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ホール注入層形成用塗布液、透明コート層形成用塗布液、ポリマー発光層形成用塗布液についても、ホール注入性物質、バインダー、高分子発光材料の溶解性あるいは分散性を損なわない範囲内で、上記溶媒を用いることができる。
上記した方法により製造される本発明の透明導電積層体では、平滑な基板上に塗布法により形成された少なくとも透明導電アノード電極層を有する層が、同時に反対面で透明基材に接着剤層を介して接合されており、且つ透明導電積層体から平滑な基板を剥離除去することが可能である。従って、平滑な基板を剥離除去した透明導電積層体の剥離面は平滑であるから、その剥離面上にポリマー発光層等を更に形成することによって、高分子発光材料を用いるタイプの有機EL素子の部材として適用することができる。
4.有機EL素子の製造方法
本発明の有機EL素子は、こうして得られた透明導電積層体から平滑な基板を剥離除去した後、透明導電アノード電極層又はホール注入層の剥離面上に、溶媒と高分子発光材料又はその前駆体とを含むポリマー発光層形成用塗布液を塗布・乾燥してポリマー発光層を形成し、引き続き該ポリマー発光層上にカソード電極層を形成して製造される。
すなわち、本発明によって有機EL素子を製造する場合、まず、透明導電積層体から平滑な基板を剥離除去する。その後、平滑な基板を剥離除去した後の透明導電アノード電極層又はホール注入層の平滑な剥離面上に、ポリマー発光層形成用塗布液を塗布・乾燥してポリマー発光層を形成し、更に、そのポリマー発光層上にカソード電極層を形成することにより、有機EL素子を得ることができる。
平滑な基板と透明導電アノード電極層又はホール注入層との間での剥離性は、平滑な基板の材質、透明導電アノード電極層形成用塗布液又はホール注入層形成用塗布液の成分により、更には接着剤の種類や透明コート層形成用塗布液の成分(接着剤や透明コート層形成用塗布液は、透明導電アノード電極層内にしみ込んだ場合や、透明導電アノード電極層をパターン形成した場合には、平滑な基板の表面に達する場合があるため)により影響を受ける。しかし、平滑な基板がガラス、プラスチック、又は金属で且つその表面が通常の平滑面であれば、塗布法で形成される透明導電アノード電極層又はホール注入層との界面で、容易に剥離可能な状態とすることができる。
容易に剥離可能とは、透明導電積層体の透明基材と平滑な基板を引き剥がすようにそれぞれ反対方向に軽く引っ張った場合でも、剥離が生じ、かつ、平滑な基板上に透明導電アノード電極層やホール注入層の成分が残留しないような状態を言う。そのため、平滑な基板の剥離方法としては、特別な方法によることはないが、例えば量産工程においては、Roll−to−Rollで、平滑な基板をロールに巻き取りながら行う方法などを採用することができる。ただし、剥離の際に、膜が傷つかないような条件に設定しなければならない。
次に、上記した剥離面へポリマー発光層を形成する。ポリマー発光層の形成は、塗布法によって行うことができる。即ち、あるいはポリマー発光層形成用塗布液を、スピンコート、スプレーコート、ドクターブレードコート、ロールコート、グラビア印刷、インクジェット印刷、スクリーン印刷等の手法により塗布・乾燥し、必要に応じて、例えば50〜200℃程度の温度で加熱処理を施すことにより、上記各層を形成することができる。
本発明において使用されるポリマー発光層形成用塗布液は、溶媒と高分子発光材料又は高分子発光材料の前駆体とを含んでいる。
高分子発光材料を用いる場合は、ポリマー発光層形成用塗布液を塗布・乾燥するだけで、簡単にポリマー発光層を形成することができる。高分子発光材料としては、例えば、ポリ−p−フェニレンビニレン(PPV)系、ポリフェニレン系、ポリフルオレン系、ポリビニルカルバゾール系等の高分子、これらに低分子蛍光色素(例えば、クマリン、ペリレン、ローダミン、又はそれらの誘導体)を加えたもの等があるが、溶媒に溶解し且つ塗布形成できるものであれば良く、これらに限定されない。
また、高分子発光材料の前駆体を用いる場合は、ポリマー発光層形成用塗布液を塗布・乾燥した後、200℃程度の高温加熱処理を行い、前駆体を重合させて高分子化発光材料に転換させる必要がある。一般によく用いられる高分子発光材料の前駆体としては、高分子発光材料であるポリ−p−フェニレンビニレン(PPV)の前駆体が挙げられるが、これに限定されるものではない。
ポリマー発光層の上に形成されるカソード電極層としては、ポリマー発光層への電子注入性の観点から、仕事関数の低い金属、例えば、リチウム(Li)、K(カリウム)、Na(ナトリウム)等のアルカリ金属、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)等のアルカリ土類金属、アルミニウム(Al)等が好ましい。カソード電極層の安定性を考慮して、上記金属と、インジウム(In)、銀(Ag)等の安定性の良い金属とを、併用し又は積層して用いることが好ましい。
上記カソード電極層の形成は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の公知の方法を用いて行うことができる。また、カソード電極層とポリマー発光層との間に、フッ化リチウム(LiF)やフッ化マグネシウム(MgF)等からなる厚さ数nm程度の薄膜を挟みこんだ構造も、電子注入性を高めることができるので好ましい。
上記において、本発明の透明導電積層体は、ポリマー発光層形成用塗布液で形成された発光層を有する有機EL素子に適用できることを示したが、もちろん前述の低分子発光材料の蒸着等で形成される発光層を有する有機EL素子に適用した場合においても、同様に電極間ショートや発光層の絶縁破壊等を効果的に抑制することができる。
5.有機EL素子
本発明の有機EL素子は、本発明に係る透明導電積層体を用い、上記の製造方法によって得られるものであり、平滑な基板の表面が転写された剥離面上に、塗布法により形成されたポリマー発光層と、該ポリマー発光層上に設けたカソード電極層とを備えた構造を有している。
例えば、図2に示す基本的構造の有機EL素子は、透明基材4、接着剤層3、塗布法で形成された透明導電アノード電極層2、ポリマー発光層6、及びカソード電極層7で構成されている。この本発明の有機EL素子では、透明導電アノード電極層2に導電性微粒子の粗大粒子、導電性微粒子の凝集による粗大粒子、塗布ムラ、異物等の塗布欠陥に起因した突起部9が発生した場合であっても、その突起部9は接着剤層3の側に突き出し、反対側のポリマー発光層6と透明導電アノード電極層2の界面には全く影響を及ぼさない。従って、カソード電極層7との間での電気的短絡(ショート)の発生、及びポリマー発光層6の絶縁破壊の発生等を、効果的に抑制することができる。
本発明の有機EL素子の構造については、上記以外にも、例えば、ホール注入層5とポリマー発光層6の間にホール輸送層を設けても良いし、ホール注入層5としてホール輸送層を兼ねたホール注入輸送層を用いても良い。また、カソード電極層7とポリマー発光層6の間に、電子輸送層を設けても良い。これらホール輸送層や電子輸送層を設けると、ポリマー発光層6に注入されたキャリアである正孔(ホール)と電子とが効率よく再結合できるため、より発光効率を高めることができる。
更に、有機EL素子は、その用途に応じて、透明導電アノード電極層を所定のパターンに形成する場合がある。例えば、図9に示すように、本発明の有機EL素子において、透明導電アノード電極層2を印刷等により所定のパターンに塗布・乾燥して形成した場合、その透明導電アノード電極層2は、塗布法によりホール注入層6上に形成されるので、透明導電アノード電極層2のパターンが形成された部分と形成されていない部分がなす凹凸は、必ずホール注入層6と反対側、即ち接着剤層3側に存在することになる。そして、透明導電アノード電極層2とホール注入層5との界面は、凹凸のない平滑な面となるため、透明導電アノード電極層2のパターニングがホール注入層5やポリマー発光層6の膜厚均一性に影響を及ぼすことがない。
更に、上記パターンに形成された透明導電アノード電極層の一部分に金属補助電極を形成することができる。例えば、図11に示すように、本発明の透明導電アノード電極層2を印刷等により所定のパターンに塗布・乾燥して形成した後、その透明導電アノード電極層2の一部部分に、金、銀、銅等の金属微粒子と溶媒を主成分とする(バインダーが含まれていても良い)金属補助電極形成用ペーストを印刷・硬化させて、金属補助電極10を形成できる。このように、透明導電アノード電極層2及び金属補助電極10をそれぞれパターン形成した場合であっても、上記と同様の理由のより、透明導電アノード電極層2とホール注入層5との界面は凹凸のない平滑な面となるため、ホール注入層5やポリマー発光層6の膜厚均一性に影響を及ぼすことがない。
一方、従来の有機EL素子の製造方法においては、図10に示すように、透明基材4上に透明導電アノード電極層2やホール注入層5などを順次形成していくので、塗布法で形成されたか又はスパッタリング等の物理的方法で形成されたかにかかわらず、パターン形成された透明導電アノード電極層2の凹凸は透明基材4と反対側に現われる。特に透明導電アノード電極層が塗布法で形成された場合には、エッジ部分の形状がシャープでなく、だれた傾斜面になるため、透明導電アノード電極層の凹凸の差はますます大きくなる。
そのため、従来法で得られた有機EL素子では、上記のごとく表面が凹凸な透明導電アノード電極層2上にホール注入層5やポリマー発光層6が形成されると、膜厚の不均一が生じることになり、電極間ショート、ポリマー発光層6の絶縁破壊、発光輝度ムラ等が起き易くなる。尚、図10では、便宜的に、ホール注入層5、ポリマー発光層6、カソード電極層7の間の各界面が平坦なように描かれているが、実際には、上記したようにパターン形成された透明導電アノード電極層2の影響を受けるため凹凸が生じ、ホール注入層5やポリマー発光層6には膜厚の不均一が生じている。
これに対して、本発明の有機EL素子は、簡便な塗布法により形成された透明導電アノード電極層を有するにもかかわらず、その透明導電アノード電極層のカソード電極層側に凹凸や突起部が存在しないため、透明導電アノード電極層とカソード電極層との間で電気的短絡を生じることがない。従って、簡便で低温成膜可能な塗布法により製造でき、安価であると共に、ポリマー発光層の劣化を起こし難い有機EL素子を提供することができ、液晶バックライト等の光源やディスプレイ等の表示装置に適用することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の記述において「%」は、透過率、ヘイズ値の%を除いて、「重量%」を示している。
[実施例1](参考例)
前述の方法に従って、まず、カレー−リー(Carey−Lea)法により銀微粒子のコロイド分散液を調製し、銀微粒子表面への金のコーティング、脱塩処理、凝集処理、濃縮処理、成分調整等を行って、金コート銀微粒子を含む透明導電アノード電極層形成用塗布液を得た。
この透明導電アノード電極層形成用塗布液の組成は、AuコートAg微粒子(Ag/Au重量比=1/4):0.5%、水:10.6%、エタノール(EA):63.85%、プロピレングリコールメチルエーテル(PGM):15.0%、ジアセトンアルコール(DAA):10.0%、ホルムアミド(FA):0.05%であった。
また、この透明導電アノード電極層形成用塗布液を透過電子顕微鏡で観察したところ、AuコートAg微粒子は、一次粒径6.5nm程度のAuコートAg微粒子が連鎖状に連なり、且つ一部分岐した連鎖状凝集体を形成していた。その連鎖状凝集体の主鎖長さ(個々の連鎖状凝集金コート銀微粒子における主鎖長さの最大値)は100〜500nmであった。
平滑な基板として、PETフィルム(帝人(株)製、厚さ100μm)を使用した。この平滑な基板を40℃に予熱した後、上記透明導電アノード電極層形成用塗布液をスピンコーティング(130rpm、100秒間)し、120℃にて10分間加熱処理して、平滑な基板上に透明導電アノード電極層を形成した。この透明導電アノード電極層の膜特性は、可視光透過率=77%、ヘイズ値=0.1%、表面抵抗値=140Ω/□であった。
得られた透明導電アノード電極層上に、アクリル系紫外線硬化性接着剤(東亜合成株式会社製、商品名UV−3701)を平均3μmの厚さで塗布し、透明基材としてのガラス基板(ソーダライムガラス、厚さ1mm)に貼り合わせた後、高圧水銀ランプを用いて接着剤を硬化させて、平滑な基板/透明導電アノード電極層/接着剤層/透明基材からなる実施例1に係る透明導電積層体を得た。この透明導電積層体において、平滑な基板としてのPETフィルムは、透明導電アノード電極層との界面で簡単に剥離することができた。
上記透明導電積層体の平滑な基板(PETフィルム)を剥離して得られた透明導電アノード電極層の平滑な剥離面上に、透明基材を40℃に予熱した後、ポリマー発光層形成用塗布液をスピンコーティング(150rpm、60秒間)し、80℃で60分間真空加熱処理してポリマー発光層を形成した。使用した上記ポリマー発光層形成用塗布液の組成は、ポリ[2−メトキシ−5−(3’、7’−ジメチルオクチロキシ)−1,4−フェニレンビニレン:0.25%、トルエン:99.75%であった。また、上記平滑な透明導電アノード電極層(平滑な基板が剥離された剥離面)の平坦度はRa:5.4nmであった。
このポリマー発光層上に、カルシウム(Ca)、銀(Ag)の順番で真空蒸着を行い、CaとAgからなる2層のカソード電極層(サイズ:1cm×1.5cm)を形成して、実施例1に係る有機EL素子を得た。得られた有機EL素子の透明導電アノード電極層とカソード電極層の間に15Vの直流電圧を印加(アノード:+、カソード:−)したところ、オレンジ色の発光が確認できた。
尚、上述の透明導電アノード電極層の透過率及びヘイズ値は、透明導電アノード電極層だけの値であり、それぞれ下記計算式1及び2により求められる。
[計算式1]
透明導電アノード電極層の透過率(%)=[(透明導電アノード電極層形成後の積層体ごと測定した透過率)/(透明導電アノード電極層形成前の積層体又は基板)の透過率]]×100
[計算式2]
透明導電アノード電極層のヘイズ値(%)=(透明導電アノード電極層形成後の積層体ごと測定したヘイズ値)−(透明導電アノード電極層形成前の積層体又は基板のヘイズ値)
また、透明導電アノード電極層の表面抵抗は、三菱化学(株)製の表面抵抗計ロレスタAP(MCP−T400)を用い測定した。ヘイズ値と可視光透過率は、村上色彩技術研究所製のヘイズメーター(HR−200)を用いて測定した。また、連鎖状凝集金コート銀微粒子の形状、粒子サイズ(長さ)は、日本電子(株)製の透過電子顕微鏡で評価した。
[実施例2](参考例)
ポリスチレンスルホン酸がドープされたポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT:PSS)分散液(バイエル社製、バイトロンP−VP−CH8000)を、有機溶媒に希釈してホール注入層形成用塗布液を調整した。このホール注入層形成用塗布液の組成は、バイトロンP−VP−CH8000:20.0%、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:1.0%、N−メチル−2−ピロリドン:1.5%、PGM:5.0%、イソプロピルアルコール(IPA):72.5%であった。
平滑な基板としてのPETフィルム(帝人(株)製、厚さ100μm)を40℃に予熱した後、その上に上記ホール注入層形成用塗布液をスピンコーティング(150rpm、100秒間)し、120℃で10分間加熱処理して、ホール注入層を形成した。
更に、平滑な基板を40℃に予熱した後、上記ホール注入層上に、実施例1と同じ透明導電アノード電極層形成用塗布液をスピンコーティング(130rpm、100秒間)し、120℃で10分間加熱処理して、透明導電アノード電極層を形成した。この透明導電アノード電極層の膜特性は、実施例1と同様の方法で測定した結果、可視光透過率=75%、ヘイズ値=0.2%、表面抵抗値=200Ω/□であった。
上記透明導電アノード電極層上にエポキシ系接着剤(株式会社テスク社製、商品名C−1064)を平均10μmの厚さで塗布した後、透明基材としてのガラス基板(ソーダライムガラス、厚さ1mm)に貼り合わせ、接着剤を硬化させて、平滑な基板/ホール注入層/透明導電アノード電極層/接着剤層/透明基材からなる実施例2に係る透明導電積層体を得た。この透明導電積層体において、平滑な基板としてのPETフィルムは、ホール注入層との接着界面で簡単に剥離することができた。
上記透明導電積層体から平滑な基板(PETフィルム)を剥離して得られたホール注入層の平滑な剥離面上に、透明基材を40℃に予熱した後、実施例1と同じポリマー発光層形成用塗布液をスピンコーティング(150rpm、60秒間)し、更に80℃で60分間真空加熱処理して、ポリマー発光層を形成した。また、上記平滑な透明導電アノード電極層(平滑な基板が剥離された剥離面)の平坦度はRa:5.6nmであった。
このポリマー発光層上に、カルシウム(Ca)、銀(Ag)の順番で真空蒸着を行い、CaとAgからなる2層のカソード電極層(サイズ:1cm×1.5cm)を形成して、実施例2に係る有機EL素子を得た。この有機EL素子の透明導電アノード電極層とカソード電極層の間に15Vの直流電圧を印加(アノード:+、カソード:−)したところ、オレンジ色の発光が確認できた。
[実施例3](参考例)
実施例2と同様に、平滑な基板上にホール注入層と透明導電アノード電極層を形成した後、更に続けてシリカゾル液を主成分とする透明コート層形成用塗布液をスピンコーティング(130rpm、80秒間)し、120℃で10分間加熱処理して、透明コート層を形成した。この透明導電アノード電極層/透明コート層からなる2層膜の膜特性は、実施例1と同様の方法で測定した結果、可視光透過率=76%、ヘイズ値=0.2%、表面抵抗値=180Ω/□であった。
上記透明コート層形成用塗布液の組成は、シリカゾル液(SiO=10%):5.0%、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン:0.005%、PGM:10.0%、DAA:5.0%、EA:79.9%であった。また、上記シリカゾル液は、メチルシリケート51(コルコート社製、商品名)を19.6部、エタノール57.8部、1%硝酸水溶液7.9部、純水14.7部を用いて、SiO(酸化ケイ素)固形分濃度が10%で、重量平均分子量が1400となるように調製したものである。
上記透明コート層上にエポキシ系接着剤(株式会社テスク社製、商品名C−1064)を平均10μmの厚さで塗布した後、透明基材としてのガラス基板(ソーダライムガラス、厚さ1mm)に貼り合わせ、接着剤を硬化させて、平滑な基板/ホール注入層/透明導電アノード電極層/透明コート層/接着剤層/透明基材からなる実施例3に係る透明導電積層体を得た。この透明導電積層体において、平滑な基板としてのPETフィルムは、ホール注入層との界面で簡単に剥離することができた。
上記透明導電積層体から平滑な基板(PETフィルム)を剥離し、実施例2と同様にして、ポリマー発光層と、CaとAgからなる2層のカソード電極層を形成して、実施例3に係る有機EL素子を得た。この有機EL素子の透明導電アノード電極層とカソード電極層の間に15Vの直流電圧を印加(アノード:+、カソード:−)したところ、オレンジ色の発光が確認できた。また、上記平滑な透明導電アノード電極層(平滑な基板が剥離された剥離面)の平坦度はRa:5.6nmであった。
[比較例1]
40℃に予熱したガラス基板(ソーダライムガラス、厚さ1mm)上に、実施例1で用いた透明導電アノード電極層形成用塗布液をスピンコーティング(130rpm、100秒間)し、120℃で10分間加熱処理して、ガラス基板上に透明導電アノード電極層を形成した。この透明導電アノード電極層の膜特性は、可視光透過率=77%、ヘイズ値=0.1%、表面抵抗値=125Ω/□であった。
上記透明導電アノード電極層を形成したガラス基板を40℃に予熱した後、透明導電アノード電極層上に、実施例1と同じポリマー発光層形成用塗布液をスピンコーティング(150rpm、60秒間)し、80℃で60分間真空加熱処理して、ポリマー発光層を形成した。このポリマー発光層上に、実施例1と同様にして、CaとAgからなる2層のカソード電極層(サイズ:1cm×1.5cm)を形成し、平滑な基板、接着剤を用いない比較例1に係る有機EL素子を得た。
上記と同じ手順で比較例1に係る有機EL素子を10個作製し、各有機EL素子の透明導電アノード電極層とカソード電極層の間に15Vの直流電圧を印加(アノード:+、カソード:−)したところ、全ての素子において透明導電アノード電極層とカソード電極層の間で電気的短絡(ショート)が起こり、発光は起きなかった。
[実施例4](参考例)
平均粒径30nmのITO微粒子(商品名:SUFP−HX、住友金属鉱山(株)製)60gを溶剤としてのイソホロン40gと混合した後、分散処理を行い、平均分散粒径110nmのITO微粒子が分散した透明導電アノード電極層形成用塗布液を得た。
平滑な基板として、PETフィルム(帝人(株)製、厚さ100μm)を使用した。この平滑な基板に、上記透明導電アノード電極層形成用塗布液をワイヤーバーコーティング(線径:0.3mm)し、40℃で15分間、および120℃で30分間加熱処理して、平滑な基板上にITO微粒子で構成される透明導電アノード電極層(膜厚:3μm)を形成した。この透明導電アノード電極層の膜特性は、可視光透過率:80.3%、ヘイズ値:3.2%、表面抵抗値:4500Ω/□であった。
得られた透明導電アノード電極層上に、アクリル系紫外線硬化性接着剤(東亜合成株式会社製、商品名UV−3701)を平均3μmの厚さで塗布し、透明基材としてのガラス基板(ソーダライムガラス、厚さ1mm)に貼り合わせた後、高圧水銀ランプを用いて接着剤を硬化させて、平滑な基板/透明導電アノード電極層/接着剤層/透明基材からなる実施例4(参考例)に係る透明導電積層体を得た。この透明導電積層体において、平滑な基板としてのPETフィルムは、透明導電アノード電極層との界面で簡単に剥離することができた。
上記透明導電積層体から平滑な基板(PETフィルム)を剥離して得られた平滑な透明導電アノード電極層を具備した積層体における、透明導電アノード電極層の膜特性は、可視光透過率:82.2%、ヘイズ値:2.0%、表面抵抗値:800Ω/□であった(紫外線硬化性接着剤が透明導電アノード電極層のITO微粒子間にしみ込み硬化したため、ヘイズ値と表面抵抗値が改善している)。また、上記平滑な透明導電アノード電極層(平滑な基板が剥離された剥離面)の平坦度はRa:5.5nmであった。
上記透明導電積層体の平滑な基板(PETフィルム)を剥離して得られた透明導電アノード電極層の平滑な剥離面上に、透明基材を40℃に予熱した後、実施例1と同じポリマー発光層形成用塗布液をスピンコーティング(150rpm、60秒間)し、更に80℃で60分間真空加熱処理して、ポリマー発光層を形成した。
このポリマー発光層上に、カルシウム(Ca)、銀(Ag)の順番で真空蒸着を行い、CaとAgからなる2層のカソード電極層(サイズ:0.5cm×0.5cm)を形成して、実施例4(参考例)に係る有機EL素子を得た。得られた有機EL素子の透明導電アノード電極層とカソード電極層の間に15Vの直流電圧を印加(アノード:+、カソード:−)したところ、オレンジ色の発光が確認できた。
ここで、上記導電性酸化物微粒子の平均粒径は、日本電子(株)製の透過電子顕微鏡で評価した。透明導電アノード電極層形成用塗布液の導電性微粒子の分散粒径は、大塚電子(株)のレーザー散乱式粒度分析計(ELS−800)で評価している。
[実施例5](参考例)
実施例2と同様の方法で、平滑な基板としてのPETフィルム(帝人(株)製、厚さ100μm)上に、ホール注入層を形成した。
更に、上記ホール注入層上に、実施例4(参考例)に記載の透明導電アノード電極層形成用塗布液を塗布し透明導電アノード電極層を得た以外は、実施例2と同様に行い、平滑な基板/ホール注入層/透明導電アノード電極層/接着剤層/透明基材からなる実施例5に係る透明導電積層体を得た。この透明導電積層体において、平滑な基板としてのPETフィルムは、ホール注入層との接着界面で簡単に剥離することができた。また、上記平滑な透明導電アノード電極層(平滑な基板が剥離された剥離面)の平坦度はRa:5.6nmであった。
上記透明導電積層体から平滑な基板(PETフィルム)を剥離して得られたホール注入層の平滑な剥離面上に、透明基材を40℃に予熱した後、実施例1と同じポリマー発光層形成用塗布液をスピンコーティング(150rpm、60秒間)し、更に80℃で60分間真空加熱処理して、ポリマー発光層を形成した。
このポリマー発光層上に、カルシウム(Ca)、銀(Ag)の順番で真空蒸着を行い、CaとAgからなる2層のカソード電極層(サイズ:0.5cm×0.5cm)を形成して、実施例5に係る有機EL素子を得た。得られた有機EL素子の透明導電アノード電極層とカソード電極層の間に15Vの直流電圧を印加(アノード:+、カソード:−)したところ、オレンジ色の発光が確認できた。
[実施例6](参考例)
平均粒径30nmのITO微粒子(商品名:SUFP−HX、住友金属鉱山(株)製)60gを溶剤としてのイソホロン70gと混合した後、ポリエステル樹脂(東洋紡績株式会社製、商品名バイロン200)10gを添加し、分散処理を行い、平均分散粒径130nmのITO微粒子が分散した透明導電アノード電極層形成用塗布液を得た。
実施例2と同様の方法で、平滑な基板としてのPETフィルム(帝人(株)製、厚さ100μm)上に、ホール注入層を形成した。
更に、上記ホール注入層上に、上記透明導電アノード電極層形成用塗布液をスクリーン印刷した後、40℃で15分間、および120℃で30分間加熱処理して、1mm幅のライン状の透明導電アノード電極層を得た。この透明導電アノード電極層の膜特性は、可視光透過率:91.0%、ヘイズ値:5.8%、表面抵抗値:950Ω/□であった。
上記透明導電アノード電極層上に、平均粒径6nmの銀コロイド粒子と溶剤を主成分とする補助電極層形成用ペースト(DCG−310C−CN20、住友金属鉱山(株)製)を塗布し、120℃で30分間加熱処理して、幅:0.2mm、厚さ:3μmのライン状で表面抵抗値:0.08Ω/□の不透明な補助電極層を形成した。それ以外は、実施例5と同様に行い、平滑な基板/ホール注入層/補助電極層、及び透明導電アノード電極層/接着剤層/透明基材からなる実施例6に係る透明導電積層体を得た。この透明導電積層体において、平滑な基板としてのPETフィルムは、ホール注入層との接着界面で簡単に剥離することができた。
上記透明導電積層体から平滑な基板(PETフィルム)を剥離して得られたホール注入層の平滑な剥離面上に、透明基材を40℃に予熱した後、実施例1と同じポリマー発光層形成用塗布液をスピンコーティング(150rpm、60秒間)し、更に80℃で60分間真空加熱処理して、ポリマー発光層を形成した。また、上記平滑な透明導電アノード電極層(平滑な基板が剥離された剥離面)の平坦度はRa:5.6nmであった。
このポリマー発光層上に、カルシウム(Ca)、銀(Ag)の順番で真空蒸着を行い、CaとAgからなる2層のカソード電極層(サイズ:0.5cm×0.5cm)を形成して、実施例5に係る有機EL素子を得た。得られた有機EL素子の透明導電アノード電極層とカソード電極層の間に15Vの直流電圧を印加(アノード:+、カソード:−)したところ、オレンジ色の発光が確認できた。
[実施例7](参考例)
平均長さ250nmで、平均幅30nmの針状ITO微粒子(同和鉱業(株)製)60gを溶剤としてのイソホロン70gと混合した後、アクリル樹脂(三菱レイヨン株式会社製、商品名ダイヤナールBR83)20gを添加し、分散処理を行い、平均分散粒径180nmのITO微粒子が分散した透明導電アノード電極層形成用塗布液を得た。
実施例2と同様の方法で、平滑な基板としてのPETフィルム(帝人(株)製、厚さ100μm)上に、ホール注入層を形成した。
更に、上記ホール注入層上に、上記透明導電アノード電極層形成用塗布液をワイヤーバーコーティング(線径:0.4mm)し、40℃で15分間、および120℃で30分間加熱処理して、平滑な基板上にITO微粒子で構成される透明導電アノード電極層(膜厚:3μm)を形成した。この透明導電アノード電極層の膜特性は、可視光透過率:81.0%、ヘイズ値:18.9%、表面抵抗値:1500Ω/□であった。
それ以外は、実施例5と同様に行い、平滑な基板/ホール注入層/透明導電アノード電極層/接着剤層/透明基材からなる実施例7に係る透明導電積層体を得た。この透明導電積層体において、平滑な基板としてのPETフィルムは、ホール注入層との接着界面で簡単に剥離することができた。また、上記平滑な透明導電アノード電極層(平滑な基板が剥離された剥離面)の平坦度はRa:5.6nmであった。
実施例5と同様に、ポリマー発光層、カソード電極層を形成して、実施例7に係る有機EL素子を得た。得られた有機EL素子の透明導電アノード電極層とカソード電極層の間に15Vの直流電圧を印加(アノード:+、カソード:−)したところ、オレンジ色の発光が確認できた。
ここで、上記導電性酸化物微粒子の粒子形状は、日本電子(株)製の透過電子顕微鏡で評価した。透明導電アノード電極層形成用塗布液の導電性微粒子の分散粒径は、大塚電子(株)のレーザー散乱式粒度分析計(ELS−800)で評価している。
[実施例8]
実施例5において、接着剤に脱水剤としてシリカゲル微粒子を添加し、その接着剤を平均100μmの厚さで塗布した以外は、実施例5と同様に行い、平滑な基板/ホール注入層/透明導電アノード電極層/接着剤層/透明基材からなる実施例8に係る透明導電積層体を得た。この透明導電積層体において、平滑な基板としてのPETフィルムは、ホール注入層との接着界面で簡単に剥離することができた。なお、脱水剤の添加により、接着剤中の水分が実質的に存在しなくなったのを確認している。また、上記平滑な透明導電アノード電極層(平滑な基板が剥離された剥離面)の平坦度はRa:5.6nmであった。
実施例5と同様に、ポリマー発光層、カソード電極層を形成して、実施例8に係る有機EL素子を得た。得られた有機EL素子の透明導電アノード電極層とカソード電極層の間に15Vの直流電圧を印加(アノード:+、カソード:−)したところ、オレンジ色の発光が確認できた。
[比較例2]
ガラス基板(ソーダライムガラス、厚さ1mm)上に、実施例4(参考例)で用いた透明導電アノード電極層形成用塗布液をワイヤーバーコーティング(線径:0.3mm)し、40℃で15分間、および120℃で30分間加熱処理して、平滑な基板上にITO微粒子で構成される透明導電アノード電極層(膜厚:3μm)を形成した。この透明導電アノード電極層の膜特性は、可視光透過率:80.5%、ヘイズ値:3.1%、表面抵抗値:4200Ω/□であった。
上記透明導電アノード電極層を形成したガラス基板を40℃に予熱した後、透明導電アノード電極層上に、実施例1と同じポリマー発光層形成用塗布液をスピンコーティング(150rpm、60秒間)し、80℃で60分間真空加熱処理して、ポリマー発光層を形成した。このポリマー発光層上に、実施例4(参考例)と同様にして、CaとAgからなる2層のカソード電極層(サイズ:0.5cm×0.5cm)を形成し、平滑な基板、接着剤を用いない比較例2に係る有機EL素子を得た。
上記と同じ手順で比較例2に係る有機EL素子を10個作製し、各有機EL素子の透明導電アノード電極層とカソード電極層の間に15Vの直流電圧を印加(アノード:+、カソード:−)したところ、全ての素子において透明導電アノード電極層とカソード電極層の間で電気的短絡(ショート)が起こり、発光は起きなかった。
これら比較例1、2の結果から、塗布法により形成された透明導電アノード電極層を備え、これにポリマー発光層とカソード電極層を積層させた従来タイプの有機EL素子の構造では、透明導電アノード電極層とカソード電極層との間で電気的短絡(ショート)が発生し、安定した発光を得ることが非常に困難なことが判る。
一方、本発明の実施例1〜8に係わる有機EL素子は、塗布法により形成された透明導電アノード電極層を備えているにもかかわらず、特定の透明導電積層体を用いているため、直流電圧の印加により安定した発光を確認することができた。
本発明の透明導電積層体においては、透明導電積層体から平滑な基板を剥離した状態の透明導電アノード電極層の平滑な剥離面上には、凹凸や突起部のないポリマー発光層やカソード電極層を容易に形成することができるため、有機EL素子の構成部分の一部として用いることができる。本発明の有機EL素子は、透明導電アノード電極層を塗布法により形成できるため、簡便且つ低コストで、低温成膜が可能であり、ポリマー発光層の劣化を起こしにくく、液晶バックライト等の光源やディスプレイ等の表示装置に適用可能な有機EL素子を提供することができる。

Claims (15)

  1. 平滑な基板と、該平滑な基板上に塗布法により形成された、導電性微粒子を主成分とする透明導電アノード電極層と、該透明導電アノード電極層に接着剤層により接合された透明基材とを備え、かつ前記平滑な基板は、透明導電アノード電極層から剥離可能であり、前記接着剤層は、有機樹脂以外に、さらに、脱水剤および/又は脱酸素剤を含有することを特徴とする透明導電積層体。
  2. 平滑な基板と透明導電アノード電極層の間に、さらに塗布法により形成されたホール注入層を有し、かつ前記平滑な基板は、ホール注入層から剥離可能であることを特徴とする請求項1に記載の透明導電積層体。
  3. 前記透明導電アノード電極層上の一部分に、さらに、金属補助電極が塗布・形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の透明導電積層体。
  4. 前記透明導電アノード電極層と接着剤層の間に、さらに、塗布法により形成された透明コート層を備えることを特徴とする、請求項1に記載の透明導電積層体。
  5. 前記導電性微粒子は、平均粒径1〜100nmの貴金属含有微粒子であり、かつ透明導電アノード電極層内で網目状構造を呈することを特徴とする、請求項に記載の透明導電積層体。
  6. 前記貴金属含有微粒子は、金および/又は銀を含有する金属微粒子であることを特徴とする、請求項に記載の透明導電積層体。
  7. 前記導電性微粒子は、導電性酸化物微粒子であることを特徴とする請求項に記載の透明導電積層体。
  8. 前記導電性酸化物微粒子は、酸化インジウム、酸化錫、または酸化亜鉛から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項に記載の透明導電積層体。
  9. 前記接着剤層は、透明導電アノード電極層の表面を形成する導電性微粒子の突起部を覆うのに十分な厚さを有することを特徴とする、請求項1に記載の透明導電積層体。
  10. その上に積層される塗布層から剥離可能で十分に平滑な基板上に、溶媒中に導電性微粒子を含む透明導電アノード電極層形成用塗布液を塗布し、乾燥させて透明導電アノード電極層を形成し、その後、得られた透明導電アノード電極層上に、有機樹脂以外に、さらに、脱水剤および/又は脱酸素剤を含有する接着剤を用いて透明基材を接合することを特徴とする、請求項に記載の透明導電積層体の製造方法。
  11. 平滑な基板上に、溶媒中にホール注入性物質を含むホール注入層形成用塗布液を塗布・乾燥させてホール注入層を形成した後、該ホール注入層上に、溶媒中に導電性微粒子を含む透明導電アノード電極層形成用塗布液を塗布することを特徴とする、請求項10に記載の透明導電積層体の製造方法。
  12. 透明導電アノード電極層を形成した後、その表面上の一部分に、溶媒中に金属微粒子を含む金属補助電極形成用ペーストを印刷・硬化させて、金属補助電極を形成することを特徴とする、請求項10に記載の透明導電積層体の製造方法。
  13. 透明導電アノード電極層を形成した後、その上に、溶媒中にバインダーを含む透明コート層形成用塗布液を塗布・乾燥させて、透明コート層を形成し、次いで、該透明コート層上に接着剤を用いて透明基材を接合することを特徴とする、請求項10に記載の透明導電積層体の製造方法。
  14. 請求項1〜のいずれかに記載の透明導電積層体から平滑な基板を剥離除去した透明導電アノード電極層又はホール注入層の剥離面上に、塗布法により形成されたポリマー発光層と、該ポリマー発光層上に設けたカソード電極層とを備えることを特徴とする有機EL素子。
  15. 請求項10〜14のいずれかに記載の製造方法で得られた透明導電積層体から平滑な基板を剥離除去した後、透明導電アノード電極層又はホール注入層の剥離面上に、溶媒中に高分子発光材料又はその前駆体を含むポリマー発光層形成用塗布液を塗布・乾燥してポリマー発光層を形成し、該ポリマー発光層上にカソード電極層を形成することを特徴とする、請求項14に記載の有機EL素子の製造方法。
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