JP2003017267A - 有機エレクトロルミネセンス表示素子および製造方法 - Google Patents
有機エレクトロルミネセンス表示素子および製造方法Info
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Abstract
つ生産性を向上して、より安価な有機EL素子およびそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】基板上に電極と発光層と対向電極とを設け
た有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記発
光層が少なくとも高分子材料と溶媒からなる発光層形成
用溶液を用いる塗工法または印刷法にて形成されてな
り、かつ、偏光度0.3以上の偏光性を有する。更に、
発光層が分子量1万以上の高分子材料からなること、及
び、基板上及び電極上に発光層をせん断をかけながら形
成することも含まれる。
Description
ネセンス表示素子に関し、より詳細には、偏光を発する
有機エレクトロルミネセンス表示素子に関する。
(以下有機EL素子)は、陽極層、発光層、陰極層の積
層体であり、陽極、陰極からそれぞれ注入された正孔、
電子が発光層で再結合して蛍光を発する。
られた陽極上に、単層または複数層の低分子の発光層、
次いで金属からなる陰極を真空成膜して作られる。近
年、発光層を構成する物質が高分子材料であるものも報
告されており、この場合、発光層の形成方法として、乾
式成膜法である真空成膜に代わり、湿式成膜法である塗
布法、印刷法を採用することができる。
め、液晶表示素子のバックライトとしても使用できる。
従来、液晶表示素子のバックライトとして有機EL素子
を使用する場合には、有機EL素子が発光する自然光
(無偏光)を偏光板により偏光させる必要があった。し
かし、偏光板の透過率が入射光の50%であるため、光
の利用効率が悪い。
公報には、一軸方向に配向した分子からなる発光層が開
示されている。有機EL素子の発光層を発光面に対して
一定方向に配向した場合、偏光の発光が得られ、偏光板
が不要となり、偏光板による約50%の光の損失をなく
すことが可能となる。しかしながら、該発光層は水平展
開法やLB法を用いて形成しており、素子の生産性が悪
いという問題があった。
を鑑みてなされたものであり、その目的は、偏光を発光
させ光の利用効率が改善された、かつ生産性を向上し
て、より安価な有機EL素子およびその製造方法を提供
することである。
鑑みてなされたものであり、請求項1は、基板上に電極
と発光層と対向電極とを設けた有機エレクトロルミネッ
センス素子において、前記発光層が少なくとも高分子材
料と溶媒からなる発光層形成用溶液を用いる塗工法また
は印刷法にて形成されてなり、かつ、偏光度0.3以上
の偏光性を有する事を特徴とする有機エレクトロルミネ
センス表示素子である。請求項2は、請求項1に記載の
有機エレクトロルミネセンス表示素子において、前記発
光層が分子量1万以上の高分子材料からなることを特徴
とする有機エレクトロルミネセンス表示素子である。請
求項3は、基板上及び電極上に発光層をせん断をかけな
がら形成することを特徴とする請求項1から請求項3に
記載の有機エレクトロルミネセンス表示素子の製造方法
である。請求項4は、請求項3に記載の有機エレクトロ
ルミネセンス表示素子の製造方法において、発光層を形
成するのに必要な発光層形成用溶液が少なくとも前記高
分子材料と溶媒からなり、溶媒中に50℃〜160℃の
沸点を有する溶媒を少なくとも1種類以上含むことを特
徴とする有機エレクトロルミネセンス表示素子の製造方
法である。
の一例を詳細に説明する。先ず、透光性絶縁の基板上に
スパッタリング法等により透明導電膜を形成し、フォト
リソグラフィー法で透明導電膜をパターニングし、陽極
層を形成する。
ガラス基板、プラスチック基板等が使用できる。プラス
ティク基板を使用すれば、巻き取りによる有機EL表示
素子の製造が可能になり、より安価に有機EL表示素子
を提供でき、好ましい。プラスティク基板の材料として
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、
ポリアミド、ポリエーテルサンフォン、ポリメチルメタ
クリレート、ポリカーボネートなどを用いることができ
る。また、セラミック蒸着フィルム、ポリ塩化ビニレ
ン、ポリ塩化ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体鹸
化物などのバリア性フィルムを積層しても良い。さらに
は、カラーフィルター層を設けても良い。
TO(インジウムスズ複合酸化物)やインジウム亜鉛複
合酸化物、亜鉛アルミニウム複合酸化物等の透明電極材
料が使用できる。
銅、クロム、アルミニウム、チタン等の金属もしくはこ
れらの積層物を補助電極として部分的に併設させること
ができる。また、陽極上に短絡防止用絶縁層を形成して
も良い。
の単層であっても、正孔輸送層、高分子発光層、電子輸
送層などからなる多層膜で形成することができる。発光
層の材料は公知の高分子材料を使用することができる。
発光層を形成する高分子材料は、それぞれ単独で使用し
ても良く、混合して使用しても良い。
ン、ポリチオフェン、ポリビニルカルバゾール、ポリ
(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレ
ンスルホン酸との混合物を用いることができる。
やポリフルオレン系などの高分子蛍光体があげられる。
また、クマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン
系、ポリフィレン系、キナクリドン系、N,N'−ジアル
キル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N'−
ジアリール置換ピロロピロール系などの蛍光性色素をポ
リスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカ
ルバゾールなどの高分子材料中に溶解させたものを用い
ることもできる。
ン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサン、アニソール、メタノール、エ
タノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸
ブチルなど有機溶剤や水などの単独または混合溶液に溶
解または分散液としてインク化することができる。この
時、乾燥速度を上げる為に、溶媒中に50℃〜160℃
の沸点を有する溶媒を少なくとも1種類以上含んでいる
ことが好ましい。インク化する際には、界面活性剤、粘
度調整剤、酸化防止剤などを添加しても良い。
ト法、スロットコート法、カーテンコート法、グラビア
法、フレキソ法、オフセット法、凸版法、凹版オフセッ
ト法、スクリーン法などのコーティング方法または印刷
方法により形成することができる。発光層の膜厚は、単
層または積層により形成する場合においても1μm以下
であり、好ましくは50nm〜150nmである。
布ヘッドの間で高速せん断場を発生させることが可能で
ある。上述した発光層を形成する高分子は剛直な主鎖を
有する為、高速せん断場では、基材の搬送方向に平行に
主鎖が配向し、偏光性を有するEL発光が得られた。
0°)] である。式中、I(0°)はせん断方向に平行な偏光の
EL強度、I(90°)はせん断方向に垂直な偏光のE
L強度である。偏光度は0.3以上、好ましくは0.5
以上でないと、従来の技術であるバックライトと偏向板
の組み合わせと比較して、実際上利点がない。
好ましくは10万以上、さらに好ましくは100万以上
では、配向性が向上することが見出された。
度は早い方が望ましい。そこで、前述の発光層形成用イ
ンクが、溶媒中に50℃〜160℃の沸点を有する溶媒
を少なくとも1種類以上含んでいることが好ましい。
性の低下を防ぐ為に窒素ガスやアルゴンなどの不活性ガ
ス下で行うのが好ましい。また、黄色灯、赤色灯、暗室
などの遮光下で行うことがいっそう好ましい。
物質を用いる。具体的にはMg,Al, Yb等の金属単
体を用いたり、発光媒体と接する界面にLiや酸化L
i,LiF等の化合物を1nm程度挟んで、安定性・導
電性の高いAlやCuを積層して用いる。
ため、低仕事関数なLi,Mg,Ca,Sr,La,C
e,Er,Eu,Sc,Y,Yb等の金属1種以上と、
安定なAg,Al,Cu等の金属元素との合金系が用い
られる。具体的にはMgAg,AlLi,CuLi等の
合金が使用できる。
加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオン
プレーティング法、スパッタリング法を用いることがで
きる。陰極の厚さは、10nm〜1μm程度が望まし
い。
はこれに限定されるものではない。
る。ポリエチレンテレフタレートからなる透光性基板1
上にスパッタリング法で陽極層としてITO膜2を形成
した。次に、フォトリソグラフィー法およびウェットエ
ッチング法によってITO膜2を所定のパターンにパタ
ーンニングし、陽極層2を形成した。次に、陽極層表面
をUVオゾン装置で洗浄した。次に、発光層3として、
ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェンとポリスチ
レンスルフォネートとの混合物層、ポリ(2−メトキ
シ,5−(2’−エチル−ヘキシロキシ)−1,4−フ
ェニレンビニレン層を順に、マイクログラビア法によ
り、それぞれ30nm、100nmの膜厚で形成した。
この時、基材の搬送速度は20m/min、マイクログ
ラビアロールの回転速度は20m/minとした。次
に、陰極層4としてCa層、Al層を順に、真空蒸着法によ
り、それぞれ20nm、200nmの膜厚で形成した。
印加したところ、輝度700cd/m2の発光が得られ
た。さらに上記EL発光の偏光度(V)を求めたとこ
ろ、V=0.6であり、偏光フィルムの偏光度0.7〜
0.9と比較して遜色ない偏光性が確認された。
形成する以外は、実施例と同様の方法で有機EL表示素
子を作製した。基材の搬送速度は20m/minであ
り、基材とダイヘッド間の間隔は10μmであった。得
られた有機EL表示素子に5Vの電圧を印加したとこ
ろ、輝度700cd/m2の発光が得られた。さらに上
記EL発光の偏光度V=0.7であり、偏光フィルムの
偏光度0.7〜0.9と比較して遜色ない偏光性が確認
された。
利用効率が改善された、かつ生産性を向上して、より安
価な有機EL素子を製造することが可能となった。
示す説明図である。
Claims (4)
- 【請求項1】基板上に電極と発光層と対向電極とを設け
た有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記発
光層が少なくとも高分子材料と溶媒からなる発光層形成
用溶液を用いる塗工法または印刷法にて形成されてな
り、かつ、偏光度0.3以上の偏光性を有する事を特徴
とする有機エレクトロルミネセンス表示素子。 - 【請求項2】請求項1に記載の有機エレクトロルミネセ
ンス表示素子において、前記発光層が分子量1万以上の
高分子材料からなることを特徴とする有機エレクトロル
ミネセンス表示素子。 - 【請求項3】基板上及び電極上に発光層をせん断をかけ
ながら形成することを特徴とする請求項1から請求項3
に記載の有機エレクトロルミネセンス表示素子の製造方
法。 - 【請求項4】請求項3に記載の有機エレクトロルミネセ
ンス表示素子の製造方法において、発光層を形成するの
に必要な発光層形成用溶液が少なくとも前記高分子材料
と溶媒からなり、溶媒中に50℃〜160℃の沸点を有
する溶媒を少なくとも1種類以上含むことを特徴とする
有機エレクトロルミネセンス表示素子の製造方法。
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