JP4976697B2 - 環状化合物、並びにそれからなるフォトレジスト基材及び組成物 - Google Patents
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本発明によれば、以下の環状化合物等が提供される。
1.一般式(1)で表される環状化合物。
2.R’が、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、フェニル基、p−ヒドロキシフェニル基、p−フェニルフェニル基、又はp−tert−ブチルフェニル基である1記載の環状化合物。
3.一般式(4)で表される環状化合物。
4.1〜3のいずれか記載の環状化合物からなる極端紫外光用及び/又は電子線用フォトレジスト基材。
5.4記載のフォトレジスト基材と、溶剤を含有する極端紫外光用及び/又は電子線用フォトレジスト組成物。
6.さらに、光酸発生剤を含有する5記載の極端紫外光用及び/又は電子線用フォトレジスト組成物。
7.さらに、塩基性有機化合物をクエンチャーとして含有する5又は6記載の極端紫外光用及び/又は電子線用フォトレジスト組成物。
8.5〜7のいずれか記載の極端紫外光用及び/又は電子線用フォトレジスト組成物を用いた極端紫外光及び/又は電子線リソグラフィーによる微細加工方法。
9.8に記載の極端紫外光及び/又は電子線リソグラフィーによる微細加工方法により作製した半導体装置。
式(3)において、xは好ましくは0又は1である。
式(4)において、yは好ましくは0又は1である。
式(1)、(3)、(4)において、R及びR’’は、好ましくは、水素又は酸解離性溶解抑止基であり、酸解離性溶解抑止基は、好ましくはtert-ブチルエーテル基、tert-ブチルエステル基、アセタール基、シリルエーテル基であり、さらに好ましくは式(2)で表わされる基から選択される置換基の組み合わせである。より好ましくは、水素と、t−ブチルオキシカルボニル基又はt−ブチルオキシカルボニルメチレニル基の組み合わせである。
本発明のフォトレジスト基材は、解像度において低ラインエッジラフネスに寄与する。式(1)、(4)中のRの置換基はEUV及び電子線に対する直接的あるいは間接的に高い反応性を有するため感度の面で優れており、かつエッチング耐性の面でも優れるため、超微細加工用のフォトレジスト基材として好適に使用できる。
また、本発明のフォトレジスト基材は、溶媒に対する溶解性に優れる。
さらに、本発明のフォトレジスト基材は、レジストアウトガスが低減する。これは、本発明の環状化合物は、主鎖構造が環状構造であるので、レジストアウトガスの構成分子である低分子量化合物が放出されるためには2箇所以上の結合切断が必要となるためと推察される。
さらに、本発明の化合物は、通常、分子の平均直径が、所望のパターンのサイズ、具体的には、100nm以下、特に50nm以下のサイズにおいて求められているラインエッジラフネスの値よりも小さい。そのため、基材として用いると、極端紫外光や電子線による超微細加工の特徴である20〜50nmの加工に用いたときに、ラインエッジラフネスを、2nm、好ましくは1nm以下(3σ)に抑制することができる。
本発明のフォトレジスト組成物は、本発明のフォトレジスト基材とこれを溶解させ液体状組成物とするための溶媒からなる。フォトレジスト組成物は、超微細加工を施すべき基板等にスピンコーティング、ディップコーティング、ペインティング等の手法で均一に塗布するために液体状組成物にすることが必要である。
本発明では、フォトレジスト組成物への溶解度やフォトレジスト層における分散性や安定性の観点から、クエンチャーとして塩基性有機化合物を用いることが好ましい。
塩基性有機化合物としては、具体的に、キノリン、インドール、ピリジン、ビピリジン等のピリジン類の他、ピリミジン類、ピラジン類、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、トリエチルアミン、トリオクチルアミン等の脂肪族アミン類の他、水酸化テトラブチルアンモニウム等が挙げられる。
本発明のフォトレジスト組成物は、スピンコーティング、ディップコーティング、ペインティング等の方法により液体コーティング組成物として基板に塗布し、溶媒を除くため、フォトレジストコーティング層が不粘着性になるまで、例えば80℃〜160℃に加熱して乾燥するのが一般的である。また、基板との密着性向上等の目的で、例えばヘキサメチルジシラザン(HMDS)等を中間層として用いることができる。これらの条件は、用いる基材や溶媒の種類、あるいは、所望のフォトレジスト層の膜厚等に合わせて規定できる。
十分乾燥し窒素ガスにて置換した滴下漏斗、ジム・ロート氏冷却管、温度計を設置した三口フラスコ(容量1リットル)に、窒素気流下でピロガロール(50g、400ミリモル)とベンズアルデヒド(42.4g、400ミリモル)、及び蒸留メタノール240ミリリットルを封入し、メタノール溶液を作成した。次いでこの溶液に、濃塩酸40ミリリットルを滴下漏斗より滴下しながら徐々に加えた後、75℃で3時間加熱攪拌を行った。反応終了後、放冷し室温に到達させた後、氷浴にて冷却した。1時間静置後、白色の目的物粗結晶が生成し、これを濾別した。この粗結晶を純水(1リットル)で2回洗浄した後、エタノールと水の混合溶液より再結晶を行い精製し、減圧乾燥することにより、下記式(5)に示す環状化合物(収率69%)を合成し、これをフォトレジスト基材とした。この環状化合物は、1H−NMR(図1)によりその構造を確認した。
十分乾燥し窒素ガスにて置換した滴下漏斗、ジム・ロート氏冷却管、温度計を設置した三口フラスコ(容量500ミリリットル)に、窒素気流下でピロガロール(26.5g、210ミリモル)とp−ヒドロキシベンズアルデヒド(25.7g、210ミリモル)を封入した後、窒素微加圧下、蒸留メタノール(128ミリリットル)を投入しメタノール溶液を作成した。このメタノール溶液にを油浴中にて攪拌しながら75℃に加熱した。次いで濃塩酸21ミリリットルを滴下漏斗より滴下しながら徐々に加えた後、引き続き2時間、75℃で加熱攪拌を継続した。反応終了後、放冷し室温に到達させた後、氷浴にて冷却した。1時間静置後、白色の目的物粗結晶が生成し、これを濾別した。この粗結晶を純水(100ミリリットル)で2回洗浄した後、エタノールと水の混合溶液より再結晶を行い精製し、減圧乾燥することにより、下記式(6)に示す環状化合物(収率55%)を合成し、これをフォトレジスト基材とした。この環状化合物は、1H−NMR(図2)によりその構造を確認した。
十分乾燥し窒素ガスにて置換した滴下漏斗、ジム・ロート氏冷却管、温度計を設置した三口フラスコ(容量500ミリリットル)に、窒素気流下でレゾルシノール(33g、300ミリモル)とベンズアルデヒド(31.8g、300ミリモル)を封入した後、窒素微加圧下、蒸留メタノール(300ミリリットル)を投入しメタノール溶液を作成した。このメタノール溶液にを油浴中にて攪拌しながら75℃に加熱した。次いで濃塩酸75ミリリットルを滴下漏斗より滴下しながら徐々に加えた後、引き続き2時間、75℃で加熱攪拌を継続した。反応終了後、放冷し室温に到達させた後、氷浴にて冷却した。1時間静置後、白色の目的物粗結晶が生成し、これを濾別した。この粗結晶を純水(100ミリリットル)で2回洗浄した後、エタノールと水の混合溶液より再結晶を行い精製し、減圧乾燥することにより、下記式(7)に示すカリックスレゾルシナレン化合物(収率82%)を合成した。このカリックスレゾルシナレン化合物は、1H−NMR(図3)によりその構造を確認した。
十分乾燥し窒素ガスにて置換したジム・ロート氏冷却管、温度計を設置した三口フラスコ(容量500ミリリットル)に、製造例1において合成した環状化合物(34g、39.7ミリモル)と炭酸ナトリウム(63g、595ミリモル)、15−crown−5(15g、71ミリモル)を封入し窒素置換した。次いでジメチルホムルムアミド(DMF)200ミリリットルを加えて溶液とした後に、ブロモ酢酸tert−ブチル(63g、476ミリモル)を加えて、窒素雰囲気下、75℃のオイルバス中において、24時間攪拌しながら加熱還流した。放冷し濾別した後、濾液を室温に到達させ、反応溶液に氷水を注ぎ1時間攪拌することにより白色沈殿として得た。これを濾別し、ジエチルエーテル(200ミリリットル)に溶解し、酢酸水溶液(0.5モル/リットル、900ミリリットル)に注ぎ白色結晶を得た(収量25g)。これを濾別し、ヘキサン1.5Lで再沈殿を行い、減圧乾燥することにより、下記式(8)に示す環状化合物を得た。この環状化合物は、1H−NMR(図4)によりその構造を確認した。
十分乾燥し窒素ガスにて置換したジム・ロート氏冷却管、温度計を設置した三口フラスコ(容量300ミリリットル)に、製造例2において合成した環状化合物(20g、21.7ミリモル)と炭酸ナトリウム(46g、27.1ミリモル)、15−crown−5(11.4g、52.1ミリモル)を封入し窒素置換した。次いでDMF120ミリリットルを加えて溶液とした後に、ブロモ酢酸tert−ブチル(67g、347ミリモル)を加えて、窒素雰囲気下、75℃のオイルバス中において、24時間攪拌しながら加熱還流した。放冷し濾別した後、濾液を室温に到達させ、反応溶液に氷水を注ぎ1時間攪拌することにより白色沈殿として得た。これを濾別し、ジエチルエーテル(200ミリリットル)に溶解し、酢酸水溶液(0.5モル/リットル、900ミリリットル)にて分液洗浄を実施した。エーテル層を濃縮した後、この溶液をヘキサン1.5Lで再沈殿を行い、減圧乾燥することにより、上記式(9)に示す化合物を得た(収量19.8g)。この環状化合物は、1H−NMR(図5)により、その構造を確認した。
十分乾燥し窒素ガスにて置換したジム・ロート氏冷却管、温度計を設置した二口フラスコ(容量100ミリリットル)に、製造例3において合成したカリックスレゾルシナレン化合物(3.01g、3.8ミリモル)と炭酸ナトリウム(3.18g、30ミリモル)、15−crown−5(0.77g、3.18ミリモル)を封入し窒素置換した。次いでアセトン38ミリリットルを加えて溶液とした後に、ブロモ酢酸tert−ブチル(6.82g、35ミリモル)を加えて、窒素雰囲気下、75℃のオイルバス中において、24時間攪拌しながら加熱還流した。放冷し濾別した後、濾液を室温に到達させ、反応溶液に氷水を注ぎ1時間攪拌することにより白色沈殿として得た。これを濾別し、ジエチルエーテル(10ミリリットル)に溶解し、酢酸水溶液(0.5モル/リットル、300ミリリットル)に注ぎ白色結晶を得た。これを濾別、減圧乾燥することにより、下記式(10)に示すカリックスレゾルシナレン化合物を得た(収量2.5g)。このカリックスレゾルシナレン化合物は、1H−NMR(図6)により、その構造を確認した。
◎ :易溶
○ :50℃加熱で可溶
× :不溶(溶媒に着色あり)
××:完全不溶
「易溶」とは、目視にて透明溶液になる程度の溶解性を示す。
「50℃加熱で可溶」とは液を50℃に加熱することにより目視にて透明液体になることを示す。
「不溶」とは、目視にて固体は残るが液が着色する程度は溶けている状態を示す。
「完全不溶」とは、目視にて液に着色が確認できずに固体が残っている状態を示す。
尚、表中で、PGMEAはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを示し、MAKはメチルアミルケトンを示す。
Claims (6)
- 請求項1又は2記載の環状化合物からなる極端紫外光用及び/又は電子線用フォトレジスト基材。
- 請求項3記載のフォトレジスト基材と、溶剤を含有する極端紫外光用及び/又は電子線用フォトレジスト組成物。
- さらに、光酸発生剤を含有する請求項4記載の極端紫外光用及び/又は電子線用フォトレジスト組成物。
- さらに、塩基性有機化合物をクエンチャーとして含有する請求項4又は5記載の極端紫外光用及び/又は電子線用フォトレジスト組成物。
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