JP2000191600A - 環状化合物、該環状化合物からなる2―シアノアクリレ―ト用硬化促進剤、並びに2―シアノアクリレ―ト系組成物 - Google Patents

環状化合物、該環状化合物からなる2―シアノアクリレ―ト用硬化促進剤、並びに2―シアノアクリレ―ト系組成物

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JP2000191600A
JP2000191600A JP10372151A JP37215198A JP2000191600A JP 2000191600 A JP2000191600 A JP 2000191600A JP 10372151 A JP10372151 A JP 10372151A JP 37215198 A JP37215198 A JP 37215198A JP 2000191600 A JP2000191600 A JP 2000191600A
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cyclic compound
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Seitaro Tajima
誠太郎 田島
Mitsuyoshi Sato
三善 佐藤
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 広範囲の基材での接着、充填又はポッティン
グにおいて硬化物が白濁せず、十分に硬化速度が高い2
−シアノアクリレート系組成物を提供する。 【解決手段】 一般式1の環状化合物を硬化促進剤とす
る2−シアノアクリレート系組成物。 (Yは水素、OH又はOR(Rは2−シアノアクリレー
トの重合を開始しない置換基)で、全てのYの内1つ以
上はORであって、残りのYの1つ以上はOH又はO
R。nは4以上の整数。Rは水素又はメチル基。R
は水素又は2−シアノアクリレートの重合を開始しない
置換基。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な環状化合
物、該環状化合物からなる2−シアノアクリレート用の
硬化促進剤、この硬化促進剤を配合してなり、硬化速度
が速く、硬化物が白濁を起こさない2−シアノアクリレ
ート系組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】2−シアノアクリレートは瞬間的に重合
し、強固な接着力を発現するので、各種産業分野で、接
着剤、ポッティング剤又は充填剤として幅広く利用され
ている。しかし、この重合はアニオン重合であるため、
被着体が木材であったり、酸化皮膜が生成し易い表面等
被着体が酸性を呈する物質の場合、重合が抑制され、セ
ットタイムが遅くなり接着強度も必ずしも十分でないと
いう問題点があった。
【0003】このような問題点を解決するために、従来
から種々の硬化促進剤が検討されてきた。例えば、米国
特許第4171416号はクラウンエーテル化合物を、
米国特許第4170585号は特定の構造を有するポリ
アルキレングリコール誘導体を、米国特許第43774
90号は脂肪族乃至芳香族のポリオールとポリエーテル
の混合物を、米国特許第4386193号は特定の構造
を有する3乃至4本のアームポリオールポダンド化合物
を、米国特許第5589554号はシアノ基とカルボン
酸基を持つ化合物を、それぞれ硬化促進剤として使用す
ることを開示している。
【0004】しかしながら、これら硬化促進剤を含有し
てなる2−シアノアクリレート系組成物を接着剤、ポッ
ティング剤又は充填剤として使用する場合には、硬化速
度は改善されるものの、張り合わせた部分や充填箇所周
辺からはみ出した該組成物の硬化物が、接着しようとす
る被着体の種類によっては白濁してしまうという欠点を
有している。
【0005】ここでいう硬化物の白濁とは、シアノアク
リレート業界で長年に渡って問題視されてきた白化現象
とは異なり、硬化物そのものの外観を指している。硬化
促進剤及び被着体の組合せによって硬化物が白濁する現
象を例示すると、硬化促進剤としてクラウンエーテル又
はポリエチレングリコール誘導体を含有する2−シアノ
アクリレート系組成物を使用し、被着体をEPDMゴム
又はメタクリル樹脂とすると硬化物が白濁する。また硬
化促進剤としてカリックスアレン誘導体を含有する2−
シアノアクリレート系組成物を使用し、被着体を軟質P
VCとすると同様に硬化物が白濁する。またこの現象
は、より速い硬化速度を得んとして硬化促進剤を多量に
配合した場合には一層顕著になる。逆に種々の被着体で
も白濁が起こらないように硬化促進剤の添加量を低減し
た場合には、後述の実施例及び比較例に示す通り、2−
シアノアクリレート系組成物の瞬間接着性も低下してし
まう。さらにある種のクラウンエーテル系の硬化促進剤
においては、極微量の添加でも硬化物が白濁してしまう
ものもある。
【0006】従って、硬化物の外観が問題となる用途に
は、被着体に合わせてこれら硬化促進剤を選択しなけれ
ばならないということになる。このことは、被着体の材
質が何であるか知る術も無い一般消費者にとって、2−
シアノアクリレート系接着剤は非常に使いづらい接着剤
であると言わざるを得ない。従って、どのような被着体
でも硬化物の白濁が生じず、かつ速硬化性を有する2−
シアノアクリレート系組成物が求められていた。しか
し、従来の硬化促進剤ではこの要求を達成することは困
難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のごと
き従来技術の持つ欠点を改善し、極めて広範囲の基材で
の接着、充填又はポッティングにおいても硬化物の白濁
が起こらず、かつ十分に硬化速度が高い2−シアノアク
リレート系組成物を提供することを課題としてなされた
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、特定の構造を有す
る環状化合物を2−シアノアクリレートの硬化促進剤と
して用いると、驚くべき事に上記問題点を尽く解消さ
れ、この2−シアノアクリレート系組成物は、極めて広
範囲の基材での接着、充填又はポッティングにおいても
硬化物の白濁が起こらず、かつ十分に硬化速度の高いこ
とを見出し本発明を完成したのである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。 ◎環状化合物 本発明の2−シアノアクリレート用硬化促進剤で使用す
る特定の構造を有する環状化合物(以下、単に「環状化
合物」と言う。)は、下記の一般式(3)で示される化
合物である。
【0010】
【化3】
【0011】Yは水素原子、OH又はOR(但し、Rは
2−シアノアクリレートの重合を開始しない置換基)
で、全てのYの内、少なくとも1つはORであって、残
りのYの少なくとも1つはOH又はOR。nは、4以上
の整数。R1 は水素原子又はメチル基。R2 は水素原子
又は2−シアノアクリレートの重合を開始しない置換
基。
【0012】一般式(3)において、Yは水素原子、O
H又はOR(ここで、Rは2−シアノアクリレートの重
合を開始しない置換基(以下、「シノアクリレート非反
応性基」と称する。))から選ばれた一種又は2種以上
である。Yとしては、2−シアノアクリレートへの溶解
性が優れている点から、OHとORが好ましく、ORが
さらに好ましく、全てがORであることが特に好まし
い。シアノアクリレート非反応性基としては、−R'
化水素基、−COR' アシル基、−SOR' スルホキシ
ド基、−SO2 ' スルホン基等が挙げられる。さらに
−R' 炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、脂環式
炭化水素基及び芳香族炭化水素基が挙げられ、これら
は、ニトリル基、ニトロ基、ハロゲン基、イミド基、ス
ルホキシド基、スルホン基等で置換されていてもよい。
これらの中でも酸素原子を有する基、特に酸素原子を2
個以上有する基の場合は、環状化合物の2−シアノアク
リレートへの溶解性が優れるため特に好ましい種類であ
る。酸素原子を有する基としては、−CH2 COR3
−COCH2 COR4 及び−CH2 COOR5 OR6
ら選択される1種以上の置換基が特に好ましく用いられ
る。ここで、R3 、R4 及びR6 はアルキル基。R5
アルキレン基であり、2−シアノアクリレートへの溶解
性に優れる点から、R3 、R4 及びR6 は、炭素数が1
〜4の低級アルキル基、R5 は炭素数1〜4の低級アル
キレン基がさらに好ましい。
【0013】また、nについては、2−シアノアクリレ
ート系組成物の硬化速度を速めることから4以上の偶数
が好ましく、合成のし易さからn=4の化合物がさらに
好ましい。また、R1 、R2 としては、2−シアノアク
リレートへの溶解性に優れる点から共に水素であること
が好ましい。
【0014】従って、本発明の2−シアノアクリレート
用硬化促進剤として、特に好ましい環状化合物は下記の
一般式(4)で示される化合物である。
【0015】
【化4】
【0016】但し、Rの全てが、−CH2 COR3 、−
COCH2 COR4 及び−CH2 COOR5 OR6 から
選択される1種以上の置換基(なお、R3 、R4 及びR
6 は炭素数が1〜4の低級アルキル基、R5 は炭素数1
〜4の低級アルキレン基)。
【0017】本発明の環状化合物は、例えば次の方法で
得られる。まず酸触媒の存在下にピロガロールと1,1-ジ
エトキシエタンや1,1-ジプロポキシエタン等のアセター
ル又はホルムアルデヒドと縮合させて一般式(5)で示
される化合物を合成する。
【0018】
【化5】
【0019】但しR1 は水素又はメチル基。次いで、該
化合物中のフェノール性水酸基を化学修飾することによ
り、本発明の環状化合物を得ることができる。
【0020】なお、前記一般式(5)の化合物は、既に
公知の物質であり、ジャーナル オブ ケミカル ソサ
イエテー、ケミカル コミュニケーション(Journal of
Chemical Society, Chemical Communication )p.1
63(1990)や、欧州特許第0405516A2に
記載されている。
【0021】しかし、一般式(5)の化合物は2−シア
ノアクリレートに対して不溶であるため、2−シアノア
クリレートの硬化促進剤としての機能を発現しない。こ
れに対して本発明で使用する環状化合物は一般式(5)
の化合物のフェノール性水酸基に対して化学修飾を行っ
たもので、これにより2−シアノアクリレートへの可溶
化が可能となったものである。
【0022】本発明の環状化合物は、2−シアノアクリ
レートの硬化促進剤として1種類だけを用いても良い
し、2種類以上を混合して使用しても良い。また、本発
明の環状化合物のうち、とりわけ3,4,5,10,11,12,17,1
8,19,24,25,26−ドデカエトキシカルボメトキシ−C-1,C
-8,C-15,C-22 −テトラメチル[14]−メタシクロファ
ンが、硬化物の白濁を防止しかつ速硬化性を有するた
め、好ましい種類である。
【0023】本発明の環状化合物の2−シアノアクリレ
ートに対する好ましい含有率は0.01〜5重量%であ
る。0.01重量%未満では、2−シアノアクリレート
の硬化を速める能力が乏しく、5重量%を超えて含有さ
せると、2−シアノアクリレートの保存安定性が大きく
損なわれる。さらに好ましい含有率は0.1〜2重量%
である。この濃度は2種類以上の本発明の環状化合物を
使用する場合には、その総和について言えることであ
る。
【0024】◎2−シアノアクリレート 本発明の環状化合物を用いて硬化速度を向上し得る2−
シアノアクリレートとしては、例えばシアノアクリレー
ト系接着剤用途などに使用されるものである。その具体
例としては、メチル−2−シアノアクリレート、エチル
−2−シアノアクリレート、プロピル−2−シアノアク
リレート、イソプロピル−2−シアノアクリレート、ブ
チル−2−シアノアクリレート、イソブチル−2−シア
ノアクリレート、アミル−2−シアノアクリレート、ヘ
キシル−2−シアノアクリレート、シクロヘキシル−2
−シアノアクリレート、オクチル−2−シアノアクリレ
ート、2−エチルヘキシル−2−シアノアクリレート、
アリル−2−シアノアクリレート、プロパルギル−2−
シアノアクリレート、フェニル−2−シアノアクリレー
ト、ベンジル−2−シアノアクリレート、メトキシエチ
ル−2−シアノアクリレート、エトキシエチル−2−シ
アノアクリレート、テトラヒドロフルフリル−2−シア
ノアクリレート、2−クロロエチル−2−シアノアクリ
レート、3−クロロプロピル−2−シアノアクリレー
ト、2−クロロブチル−2−シアノアクリレート、2.
2.2−トリフルオロエチル−2−シアノアクリレート
及びヘキサフルオロイソプロピル−2−シアノアクリレ
ート等が挙げられる。
【0025】これらの2−シアノアクリレートは、1種
類だけを用いて接着剤、ポッティング剤又は充填剤用の
組成物としても良いし、2種類以上の2−シアノアクリ
レートを混合して用いても良い。また、これらの2−シ
アノアクリレートは本発明にとりいずれも好ましいもの
であるが、とりわけ、硬化物が白濁し易い炭素数が1〜
4の低級アルキル−2−シアノアクリレートに適用した
場合に顕著な効果が得られる。
【0026】◎その他の成分 本発明の2−シアノアクリレート系組成物は、環状化合
物と2−シアノアクリレートとを必須成分とするが、接
着剤、ポッティング剤又は充填剤として使用する際に
は、一般的にこれらに配合されるアニオン重合安定剤、
ラジカル重合安定剤、増粘剤、硬化促進剤、可塑剤又は
チキソトロピー性付与剤等を添加してもよい。
【0027】アニオン重合安定剤としては、従来公知の
種類が使用でき、亜硫酸ガス、一酸化窒素、フッ化水
素、スルトン化合物、BF3 エーテルコンプレックス、
BF3酢酸コンプレックス、BF3 メタノールコンプレ
ックス、メタンスルホン酸及びp−トルエンスルホン酸
等が挙げられる。好ましい添加量は、2−シアノアクリ
レート系組成物全体の1重量ppm〜1重量%の範囲で
ある。
【0028】ラジカル重合安定剤としては、従来公知の
種類が使用でき、具体的にはハイドロキノン、ハイドロ
キノンモノメチルエーテル、カテコール又はピロガロー
ル等が挙げられる。好ましい添加量は、2−シアノアク
リレート系組成物全体の1重量ppm〜1重量%の範囲
である。
【0029】増粘剤としては、従来公知の種類が使用で
き、具体的にはポリメチルメタクリレート、メチルメタ
クリレート/アクリル酸エステル共重合体、メチルメタ
クリレート/その他のメタクリル酸エステル共重合体、
セルロース誘導体等が挙げられる。好ましい添加量は、
2−シアノアクリレート系組成物全体の0.1〜20重
量%の範囲である。
【0030】可塑剤としては、従来公知の種類が使用で
き、具体的にはジオクチルフタレート、ジブチルフタレ
ート等が挙げられる。好ましい添加量は、2−シアノア
クリレート系組成物全体の0.01〜30重量%の範囲
である。
【0031】チクソトロピー性付与剤としては、従来公
知の種類が使用でき、具体的には疎水性シリカが挙げら
れる。好ましい添加量は、2−シアノアクリレート系組
成物全体0.1〜20重量%の範囲である。
【0032】これら以外にも目的に応じて、密着性付与
剤、染料、香料、充填剤、架橋剤、タフナー又は有機溶
剤等を適宜添加してもよい。
【0033】
【実施例】以下、実施例及び比較例により更に詳しく本
発明を説明するが、本発明はこれらの例に限定されるも
のでない。評価の方法は以下の通りにして行った。 硬化物の外観 種々の材質のテストピースの上に、長さ約10cm×幅
約2cm×厚さ約2mmになるように2−シアノアクリ
レート系組成物を塗布し、18時間、25±0.5℃の
環境下に放置した。18時間後に組成物が硬化している
ことを確認し、その外観を観察した。評価結果は○×で
表し、○は硬化物に白濁が無いことを、×は硬化物に白
濁が見られることを示す。 セットタイム:JISK6861-1995 に記載の引張
りせん断接着強さ試験に用いられる寸法の各種のテスト
ピースを用い、接着剤で張り合わせ、所定時間固定して
3kgf/cm2 以上の接着強さに達する時間をセット
タイムとした。
【0034】合成例1 (3,4,5,10,11,12,17,18,19,24,25,26−ドデカヒドロキ
シ−C-1,C-8,C-15,C-22−テトラメチル[14]−メタシ
クロファンの合成) ピロガロール25.22g(0.2モル)、1,1-ジエト
キシエタン23.64g(0.2モル)及びエタノール
160ミリリットルを500cc三つ口フラスコに仕込
み、窒素を吹き込みながら攪拌した。濃塩酸40ミリリ
ットルを滴下し、25℃で48時間攪拌した。その後昇
温し6時間還流した。還流中に反応液は懸濁液になっ
た。室温に戻し、フラスコ中の沈殿物を濾過し、濾液が
中性になるまで水で洗浄した。一晩風乾し、80℃の真
空乾燥器で18時間乾燥し、12.5g(収率41.1
%)の固体粉末を得た。NMRでこの物質が式(6)で
示される化合物であることを確認した。なお、NMR
は、日本電子(株)製JNM FX−100型を用い、
100MHzにて測定した。
【0035】NMRδ(DMSO):1.55(二重
線、12H、ArCHCH3 Ar)、4.56(四重
線、4H、ArCHCH3 Ar)、6.79(一重線、
4H、Ar−H)、8.02(ブロードな一重線、4
H、OH)、8.22(一重線、8H、OH)
【0036】
【化6】
【0037】実施例1 (3,4,5,10,11,12,17,18,19,24,25,26−ドデカエトキシ
カルボメトキシ−C-1 、C-8 、C-15、C-22−テトラメチ
ル[14]−メタシクロファンの合成)合成例1で得られ
た化合物2.18g、乾燥アセトン50ミリリットル及
び炭酸カリウム5.53gを100cc三つ口フラスコ
に仕込み攪拌下、ブロモ酢酸エチル16.7gを滴下し
つつ、48時間還流を行った。室温まで冷却した後アセ
トンを脱溶し、トルエンで抽出した。トルエンを脱溶し
たところ、ワックス状の物質2.17g(収率33%)
を得た。GPC及びNMRでこの物質が式(7)で示さ
れる目的物であることを確認した。なお、この環状化合
物のNMRスペクトルを図1に記載した。
【0038】NMRδ(CDCl3 ):1.30(三重
線、36H、COOCH2 CH3 )、1.50(二重
線、12H、ArCHCH3 Ar)、4.22(四重
線、24H、COOCH2 CH3 )、4.57(四重
線、4H、ArCHCH3 Ar)、4.78(一重線、
24H、ArOCH2 CO)、6.89(一重線、4
H、Ar−H)
【0039】
【化7】
【0040】実施例2 実施例1で得られた化合物の含有率が1重量%になるよ
うにエチル−2−シアノアクリレートと混合して接着剤
組成物を調製し前述の評価を行った。結果を表1に示し
た。
【0041】実施例3 (3,4,5,10,11,12,17,18,19,24,25,26−ドデカ(2−エ
トキシ)エトキシカルボメトキシ−C-1,C-8,C-15,C-22
−テトラメチル[14]−メタシクロファンの合成)合成
例1で得られた化合物2.18g、乾燥アセトン50ミ
リリットル及び炭酸カリウム5.53gを100cc三
つ口フラスコに仕込み、攪拌下、ブロモ酢酸エトキシエ
チル21.11gを滴下しつつ48時間還流を行った。
室温まで冷却した後アセトンを脱溶し、トルエンで抽出
した。トルエンを脱溶し、THFに溶解して活性アルミ
ナのカラムでさらに精製し脱溶したところ、粘性のある
液体2.45g(収率28.2%)を得た。GPC及び
NMRでこの物質が式(8)で示される目的物であるこ
とを確認した。
【0042】NMRδ(CDCl3 ):1.21(三重
線、36H、COOCH2 CH2 OCH2 CH3 )、
1.50(二重線、12H、ArCHCH3 Ar)、
3.5〜3.8(多重線、48H、COOCH2 CH2
CH2 CH3 )、4.22(三重線、24H、COO
CH2 CH2 OCH2 CH3 )、4.57(四重線、4
H、ArCHCH3 Ar)、4.78(一重線、24
H、ArOCH2 CO)、6.89(一重線、4H、A
r−H)
【0043】
【化8】
【0044】実施例4 実施例3で得られた化合物の含有率が1重量%になるよ
うにエチル−2−シアノアクリレートと混合して接着剤
組成物を調製し前述の評価を行った。結果を表1に示し
た。
【0045】実施例5 (3,4,5,10,11,12,17,18,19,24,25,26−ドデカ(2−エ
トキシ)アセチルアセトキシ−C-1,C-8,C-15,C-22 −テ
トラメチル[14]−メタシクロファンの合成)合成例1
で得られた化合物3g、ジケテン10g及び乾燥THF
50ミリリットルを100cc三つ口フラスコに仕込
み、窒素を吹き込みながら攪拌した。ピリジン0.1C
Cを滴下し、室温で18時間攪拌した。THFを脱溶
し、クロロホルムに溶解した。4%塩酸水で2回洗浄
し、さらに純水で1回洗浄した。油層を分離し、硫酸マ
グネシウム及び活性炭を加え、乾燥・脱色した後、クロ
ロホルムを脱溶した。アセトンに溶解し、トルエンに滴
下して再沈殿した。再沈殿は2回行った。濾過し一晩風
乾後、40度で18真空乾燥し、計量したところ1.5
7g(収率19.4%)回収した。GPC及びNMRで
この物質が式(9)で示される目的物であることを確認
した。
【0046】NMRδ(CDCl3 ):1.50(二重
線、12H、ArCHCH3 Ar)、2.25(三重
線、36H、ArOCOCH2 COCH3 )、4.57
(四重線、4H、ArCHCH3 Ar)、3.6(一重
線、24H、ArOCOCH2 COCH3 )、6.89
(一重線、4H、Ar−H)
【0047】
【化9】
【0048】実施例6 実施例5で得られた化合物の含有率が1重量%になるよ
うにエチル−2−シアノアクリレートと混合して接着剤
組成物を調製し前述の評価を行った。結果を表1に示し
た。
【0049】比較例1 18−クラウン−O−6の含有率が50重量ppmにな
るようにエチル−2−シアノアクリレートと混合して接
着剤組成物を調製し前述の評価を行った。結果を表1に
示した。
【0050】比較例2 18−クラウン−O−6の含有率が0.01重量ppm
になるようにエチル−2−シアノアクリレートと混合し
て接着剤組成物を調製し前述の評価を行った。結果を表
1に示した。
【0051】比較例3 重量平均分子量が約1000のポリエチレングリコール
の含有率が1000重量ppmになるようにエチル−2
−シアノアクリレートと混合して接着剤組成物を調製し
前述の評価を行った。結果を表1に示した。
【0052】比較例4 重量平均分子量が約1000のポリエチレングリコール
の含有率が1重量ppmになるようにエチル−2−シア
ノアクリレートと混合して接着剤組成物を調製し前述の
評価を行った。結果を表1に示した。
【0053】比較例5 重量平均分子量が約1000のポリエチレングリコール
のジメタクリレートの含有率が1000重量ppmにな
るようにエチル−2−シアノアクリレートと混合して接
着剤組成物を調製し前述の評価を行った。結果を表1に
示した。
【0054】比較例6 重量平均分子量が約1000のポリエチレングリコール
のジメタクリレートの含有率が0.1重量ppmになる
ようにエチル−2−シアノアクリレートと混合して接着
剤組成物を調製し前述の評価を行った。結果を表1に示
した。
【0055】比較例7 4−tert−ブチルカリックス[4]アレン−O ,
O',O'' ,O'''−テトラアセチックアシッドテトラエチ
ルエステルの含有率が1重量% になるようにエチル−2
−シアノアクリレートと混合し前述の評価を行った。結
果を表1に示した。
【0056】比較例8 4−tert−ブチルカリックス[4]アレン−O ,
O',O'' ,O'''−テトラアセチックアシッドテトラエチ
ルエステルの含有率が1重量ppmになるようにエチル
−2−シアノアクリレートと混合し前述の評価を行っ
た。結果を表1に示した。
【0057】比較例9 硬化促進剤を配合せずに接着剤組成物を調製し前述の評
価を行った。結果を表1に示した。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】本発明は、2−シアノアクリレート系組
成物を接着剤、ポッティング剤又は充填剤として用いた
際に、はみ出した部分の硬化物が白くなるという現象
を、各種の被着体について防止し、かつ2−シアノアク
リレート系組成物の使用時の瞬間接着性を充分に保持さ
せるものである。このため、産業界や家庭での2−シア
ノアクリレート系組成物の使用をさらに拡大し得るもの
であり、特に被着体の知識の乏しい一般消費者が使用す
る場合、ともすればはみ出した部分の硬化物が白濁して
しまい、せっかく修理等を行っても美観が損なわれて不
満を感じるということを防止し、一般消費者が安心して
使用し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で合成した、3,4,5,10,11,12,17,1
8,19,24,25,26−ドデカエトキシカルボメトキシ−C-1
、C-8 、C-15、C-22−テトラメチル[14]−メタシク
ロファンのNMRスペクトル図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 11/06 C09J 11/06 135/04 135/04 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA03 AB40 BJ50 BN30 BP30 BS10 KD10 4J015 EA03 EA07 4J040 EB062 EB072 EB082 FA121 GA06 GA07 GA08 JA01 JB04 KA17 LA05 4J100 AM05P BA05P BA06P BB01P BB17P BB18P BC04P BC43P BC53P CA01 CA04 FA08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示される環状化合
    物。 【化1】 Yは水素原子、OH又はOR(但し、Rは2−シアノア
    クリレートの重合を開始しない置換基)で、全てのYの
    内、少なくとも1つはORであって、残りのYの少なく
    とも1つはOH又はOR。nは、4以上の整数。R1
    水素原子又はメチル基。R2 は水素原子又は2−シアノ
    アクリレートの重合を開始しない置換基。
  2. 【請求項2】 下記の一般式(2)で表される環状化合
    物からなる2−シアノアクリレート用硬化促進剤。 【化2】 Yは水素原子、OH又はOR(但し、Rは2−シアノア
    クリレートの重合を開始しない置換基)で、全てのYの
    内、少なくとも1つはORであって、残りのYの少なく
    とも1つはOH又はOR。nは、4以上の整数。R1
    水素原子又はメチル基。R2 は水素原子又は2−シアノ
    アクリレートの重合を開始しない置換基。
  3. 【請求項3】 一般式(2)で表される環状化合物が、
    全てのYがORでかつn=4の化合物である請求項2記
    載の2−シアノアクリレート用硬化促進剤。
  4. 【請求項4】 一般式(2)で表される環状化合物が、
    全てのRが酸素原子を含有する2−シアノアクリレート
    の重合を開始しない置換基の化合物である請求項2又は
    3記載の2−シアノアクリレート用硬化促進剤。
  5. 【請求項5】 一般式(2)で表される環状化合物が、
    1 及びR2 は水素原子、Rは、−CH2 COR3 、−
    COCH2 COR4 及び−CH2 COOR5OR6 から
    選択される1種以上の置換基(但し、R3 、R4 及びR
    6 はアルキル基。R5 はアルキレン基)である請求項2
    乃至4記載の2−シアノアクリレート用硬化促進剤。
  6. 【請求項6】 請求項2乃至5に記載の硬化促進剤を含
    有してなる2−シアノアクリレート系組成物。
JP10372151A 1998-12-28 1998-12-28 環状化合物、該環状化合物からなる2―シアノアクリレ―ト用硬化促進剤、並びに2―シアノアクリレ―ト系組成物 Pending JP2000191600A (ja)

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