JP3831211B2 - 2−シアノアクリレート系組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬化速度が速く、優れた耐湿熱性を有する、表面硬化性およびクリアランス硬化性に優れた2−シアノアクリレート系組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
2−シアノアクリレートは瞬間的にアニオン重合し、強固な接着力を発現するので、各種産業界、医療分野、レジャー分野および一般家庭において、瞬間接着剤や速硬化性充填剤として幅広く利用されている。しかし硬化は、アニオン重合によるため被着体が木材であったり、酸化被膜が生成し易い表面等、被着体が酸性を呈する物質を接着する場合には、重合が抑制され、セットタイムが遅くなり接着強度も必ずしも十分でなかった。また、当該重合は主として被着体上に微量に存在する水分によって開始されるため、水との親和性の低い表面を有するポリアセタールやポリブチレンテレフタレートといったエンジニアリングプラスチックではセットタイムが遅くなるという問題点があった。
また、ポッティング剤、充填剤または瞬間接着剤として使用される場合において、被着体と被着体との間に間隙があるような箇所の硬化性(以下、クリアランス硬化性という。)、即ち硬化に時間を要するという問題があった。更に表面にはみ出した部分の硬化に時間を要し、場合によってははみ出た部分が製品外観を損ねるといった問題もあった(以下、これらを合せて、表面硬化性という。特に硬化に要する時間のことを表面硬化時間、それら硬化物の外観のことを表面硬化物外観という。)。
【0003】
このような問題点を解決するために、従来から種々の硬化促進剤が検討されてきた。例えば、米国特許第4171416号はクラウンエーテル化合物を硬化促進剤として使用することを開示している。更に、米国特許第4170585号は特定の構造を有するポリアルキレングリコール誘導体を、米国特許第4377490号は脂肪族または芳香族のポリオールとポリエーテルの混合物を、米国特許第4386193号は特定の構造を有する3または4本のアームポリオールポダンド化合物を、米国特許第5589554号はシアノ基とカルボン酸基とを持つ化合物を、それぞれ硬化促進剤として使用することを開示している。
【0004】
しかしながら、これら硬化促進剤を含有する2−シアノアクリレート系組成物を接着剤や充填剤として使用する場合には、硬化速度は改善されるものの、硬化物の耐湿熱性が損なわれるという欠点を有している。
また、これらの耐湿熱性の低下に加え、クラウンエーテルやポリエチレングリコール誘導体を硬化促進剤として配合した場合には、接着剤硬化物自体の表面が白濁するという欠点も有している。
【0005】
ここでいう硬化物の耐湿熱性とは、2−シアノアクリレート系組成物で接着または充填した構造物の耐湿熱性であり、電気・電子、建設・土木、自動車等の産業界で使用に供される際には必ず要求される基本的な性能である。シアノアクリレート系接着剤を扱う者の間では、2−シアノアクリレート系組成物を用いて接着または充填した構造体が、ある程度の温湿度の条件下で経時的に強度劣化を起こし、ついには実質上使用に耐えるものではなくなることは周知であり、公知文献としては工業材料16(12)73(1968)等に記載されている。
また、ここでいう硬化物の白濁とは、2−シアノアクリレート系組成物を何らかの基材上に塗布し、空気中で硬化させた場合の、固まった状態での硬化物が白く濁ったように見えることを示している。このことは、接着剤を塗布したときに起こり得るはみ出し部が無色透明ではなく白くなるという事態を引き起こし、ひいてはその外観を損ねると考えられる。
【0006】
しかしながら、本発明者等は硬化促進剤を用いて硬化性を向上した2−シアノアクリレート系組成物を用いた際に、耐湿熱性の低下が顕著であることを見出した。後述の比較例で示されるように、硬化促進剤としてクラウンエーテルやポリエチレングリコール誘導体、カリックスアレーン誘導体を含有する2−シアノアクリレート系組成物を使用して種々の材料を接着または充填した場合には、当該硬化促進剤を用いない場合に比較して耐湿熱性は低下し、更により速い硬化速度を得んとして硬化促進剤を多量に配合した場合には一層顕著になる。逆に耐湿熱性を重視して強度劣化が起こらないように硬化促進剤の添加量を低減した場合には、組成物の瞬間接着性は満足できないレベルとなってしまう。
【0007】
従って耐湿熱性が問題となる用途には、硬化促進剤の添加量を抑えた硬化性の小さな2−シアノアクリレート系組成物を選択し、例えば被着体の加熱であるとかプライマーの併用等の補助が必要になっていた。しかしこの場合は2−シアノアクリレート系組成物の長所である作業性が大きく損なわれることになる。従って、耐湿熱性が高く速硬化性の2−シアノアクリレート系組成物が求められているのであるが、従来の硬化促進剤ではこの要求を達成することは困難であった。
【0008】
また、耐湿熱性を高めようとする試みも、多数なされてきてはいる。例えば特開平7−33726号は多価シアノアクリレートの製造法を、特開平6−145605号は特定の構造を有する多官能アクリレートの配合を、特公昭56−54029号はカルボン酸無水物の配合を、特開昭48−103633号は特定の有機シラン化合物の配合を、特開昭57−164173号では1,1−二置換ジエンの配合を、特開平2−208380号はエトキシシランのイソシアネートを使用直前に2−シアノアクリレートに配合することを、特開平3−265675号は特定のリン酸化合物の配合を、特開平4−146982号は特定のシリコーンオイルの配合を、特開平2−311583号は非水系デイスパージヨン法で合成された架橋高分子微粒子の配合を、特開平6−57215号は特定のポリヒドロキシ化合物およびアクリル酸エステル系共重合体エラストマーの配合を、特開平7−53924号はアクリロニトリルブタジエン共重合体と特定量のピロガロールの配合を、特開平7−157719号は特定量のフタル酸エステルの配合をそれぞれ開示しているが、これらはいずれも硬化性において不満足な結果しか得られなかった。
【0009】
一方、2−シアノアクリレート系組成物のクリアランス硬化性および表面硬化性を向上させることを目的として、種々の表面処理剤の使用について種々の提案がなされてきた。例えば特公昭62−29471号は、N,N−ジ低級アルキルトルイジンとサッカリンとアスコルビン酸またはイソアスコルビン酸からなる組成物を開示しており、特公昭62−12279号は、特定の界面活性剤の使用を、特公昭60−24826号は、部分的にアルコキシ化されていてもよいメチロール尿素並びにメラミンまたはそれらの誘導体を、特公昭54−19416号は、被着体を予めN,N−ジメチル−m−トルイジンで処理する方法を、特公昭51−25441号は、ビニルエーテルまたはビニルチオエーテルで処理する方法を、特公昭49−12094号は、アミン、アミド、イミドを含む液で被着体表面を処理する方法を、特公昭48−44175号は、特定の複素環式化合物を含む液で被着体表面を処理する方法を、特公昭47−8718号は、ジメチルアニリンまたは/およびトリス〔1−(2−メチル)アジリデイール] フォスフィンオキサイドを含む液で被着材表面を予め処理する方法を、特公昭39−844号は、エポキサイドまたはジエポキサイドで被着体表面を予め処理する方法をそれぞれ開示している。
【0010】
また、クリアランス硬化性および表面硬化性を向上させるために、2−シアノアクリート系組成物に添加する硬化促進剤が検討されてきた。例えば、特公平5−72946号は、カリックスアレン化合物を、特開平7−316505号は、有機チタン化合物をそれぞれ硬化促進剤として使用することを開示している。
【0011】
更に、2−シアノアクリレート系組成物に光硬化性を付与することにより、表面硬化性やクリアランス硬化性を向上させようとする試みもなされた。例えば、特開平9−249708号は、芳香族電子系配位子を含有する周期律表第VIII族の遷移金属メタロセン化合物を光アニオン重合開始剤として使用することを開示している。更に特開平6−299122号は、芳香族アジド化合物を、国際特許WO93/10483号は、クロム系無機錯体を、それぞれ光アニオン重合開始剤として使用することを開示しており、特開昭62−57475号は、光ラジカル重合開始剤を含有するシアノアクリレート系接着剤組成物を開示している。
【0012】
しかしながら、上記の何れの技術も、後述のとおり作業性や保存安定性が悪かったり、光照射装置を必要とする等の欠点があり、2−シアノアクリレート系組成物の本来の良さである短時間で作業ができるという点が失われてしまい、満足の行くものではなかった。
【0013】
即ち、表面処理剤を併用する技術では、表面硬化性やクリアランス硬化性を著しく向上させるため、作業時間の短さという点においては満足なのであるが、2液になってしまうため、作業性が著しく損なわれる。
硬化促進剤を使用する技術では、密着した箇所での硬化性は改善されるものの、表面硬化性やクリアランス硬化性を満足させるものはなかった。
光硬化性を付与する技術では、表面硬化性やクリアランス硬化性を向上させることができるため、作業時間という点においては満足なのであるが、光照射装置が必要になったり、そもそも光が当たらないような構造をした被着体の接着に対しては使用できないといったことがあって満足の行くものではなかった。即ち、常温硬化一液型で、かつ光照射装置等を必要とせず、ポッティング剤として使用する場合や接着剤がはみだした場合、被着体と被着体の間に間隙があるような場合にも短時間で硬化する、2−シアノアクリレート系組成物が久しく求められていたのである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のごとき従来技術の持つ欠点を改善し、耐湿熱性の著しい低下が起こらず、かつ十分に硬化速度が高く、更に間隙を有する接着においても十分に硬化速度が高く、はみ出し部分の硬化も速くかつ硬化物の白濁を防止した、2−シアノアクリレート系組成物を提供することを課題としてなされたものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、2−シアノアクリレートに特定の構造を有する環状フェノール硫化物誘導体を硬化促進剤として用いると、驚くべき事に上記課題を解消し、耐湿熱性の低下が起こらず、かつ硬化速度は十分に高いままであり、更にクリアランス硬化速度は十分に高く、硬化物の外観が無色透明であることを見出し本発明を完成したのである。
【0016】
即ち、本発明は、特定の構造を有する環状フェノール硫化物誘導体を含有する2−シアノアクリレート系組成物である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
◎環状フェノール硫化物誘導体
本発明に使用する環状フェノール硫化物誘導体は、下記の一般式(1)で示される化合物である。
【0018】
【化2】
Figure 0003831211
【0019】
一般式(1)中、Wはスルフィド基、スルフィニル基またはスルホニル基であり、R1は、−CH2COOR2、−COCH2COR3、−CH2COOR4OR5、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、−COR6基、−OR7基、−COOR8基、−CN基、−NO2基、ハロゲン原子、−SO4R9基または−SO3R10基(但しR2、R3、R5、R6、R7、R8、R9、R10はアルキル基であり、R4はアルキレン基)から選ばれた基であり、X1、Y1、Z1は、水素原子または−CH2COOR2、−COCH2COR3、−CH2COOR4OR5、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、−COR6基、−OR7基、−COOR8基、−CN基、−NO2基、ハロゲン原子、−SO4R9基もしくは−SO3R10基(但しR2、R3、R5、R6、R7、R8、R9、R10はアルキル基であり、R4はアルキレン基)から選ばれた基であり、nは3以上12以下の整数である。複数のW、R1、X1、Y1、Z1は同一であっても異なっていても良い。
【0020】
本発明における環状フェノール硫化物誘導体は、特定の金属試薬の存在下にフェノール類と単体硫黄とを反応させて得られる、下記の一般式(2)または(3)で表される環状フェノール硫化物を出発物質として、種々の化学修飾を経て得ることができる。
【0021】
【化3】
Figure 0003831211
【0022】
(但し、式中nは3以上12以下の整数であり、Y2は、水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、−COR6基、−OR7基、−COOR8基、−CN基、−NO2基、ハロゲン原子、−SO4R9基、−SO3R10基である(但しR6、R7、R8、R9、R10はアルキル基)。)
【0023】
【化4】
Figure 0003831211
【0024】
(但し、式中nは3以上12以下の整数であり、X3、Y3、Z3は水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、−COR6基、−OR7基、−COOR8基、−CN基、−NO2基、ハロゲン原子、−SO4R9基、−SO3R10基である(但しR6、R7、R8、R9、R10はアルキル基。)。)
【0025】
なお、上記の(2)および(3)の化合物は、既に公知の物質であり、特開平9−227553号、特開平10−77281号、特開平10−77282号、特開平10−81680号、特開平10−81681号に記載の方法で合成される。
【0026】
式(2)および(3)の化合物は、2−シアノアクリレートに対して溶解するが、このままではフェノール性水酸基に起因する酸性物質であるため、2−シアノアクリレートの硬化促進剤としての機能を発現しない。これに対して本発明で使用する環状フェノール硫化物誘導体は式(2)および(3)の化合物のフェノール性水酸基の一部または全部に対して化学修飾を行うか、或いは(2)および(3)の化合物のチオエーテル基を特定の酸化剤を用いて一部または全部をスルホン基か若しくはスルホキシド基に変換した化合物に関し、フェノール性水酸基に対して化学修飾を行ったもので、これにより酸性を呈するフェノール性水酸基をなくし、2−シアノアクリレートの硬化促進剤としての機能を発現するようになったものである。本発明の環状フェノール硫化物誘導体自体も既に公知の物質であり、上記の特許公報や特開平10−168078号、特開平10−175971号に記載の方法で合成される。
【0027】
前記一般式(1)で表される環状フェノール硫化物誘導体において、R1の1以上好ましくは全部として酸素原子を2個以上有する基を用いると、当該誘導体の2−シアノアクリレートに対する溶解性が良くなり好ましい。更に好ましくは−CH2COOR2、−COCH2COR3および−CH2COOR4OR5である(但し、R2、R3およびR5はアルキル基であり、R4はアルキレン基)。
X1、Z1は水素原子または2−シアノアクリレートの重合を開始しない官能基であるが、水素原子の方が合成が容易で好ましい。
Y1は水素原子または2−シアノアクリレートの重合を開始しない官能基であり、当該官能基としては、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、−COR6基、−OR7基、−COOR8基、−CN基、−NO2基、ハロゲン原子、−SO4R9基、−SO3R10基(但しR6、R7、R8、R9、R10はアルキル基)が挙げられる。Y1としてtert−ブチル基を用いると、本発明の2−シアノアクリレート系組成物の硬化促進効果が大きく特に好ましい。
nは3以上の整数であるが、好ましくは4以上である。nの上限値は12であるが、8以下が好ましく、6以下が更に好ましい。
【0028】
本発明の環状フェノール硫化物誘導体は、2−シアノアクリレート系組成物の硬化促進剤として1種類だけを用いても良いし、2種類以上を混合して使用しても良い。また、本発明の環状フェノール硫化物誘導体はいずれもシアノアクリレートの硬化促進剤として好ましいのであるが、とりわけ5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−25,26,27,28−テトラキス(エトキシカルボメトキシ)−2,8,14,20−テトラチア[19,3,1,13,7,19,13,115,19]オクタコサ−1(25),3,5,7(28),9,11,13(27),15,17,19(26),21,23−ドデカエンが好ましいものとして挙げられる。
【0029】
本発明の環状フェノール硫化物誘導体の2−シアノアクリレートに対する好ましい含有率は0.01wt%〜20wt%である。0.01wt%以下では2−シアノアクリレートの硬化を速める能力が乏しく、20wt%を超えて含有させると2−シアノアクリレートの保存安定性が大きく損なわれる。さらに好ましい含有率は0.1wt%〜5wt%である。この濃度は2種類以上の環状フェノール硫化物誘導体が使用される場合には、その総和について言えることである。
【0030】
◎2−シアノアクリレート
本発明の環状フェノール硫化物誘導体を用いて硬化速度を向上し得る2−シアノアクリレートは、シアノアクリレート系接着剤用途等に使用されるものである。
その具体例としては、メチル−2−シアノアクリレート、エチル−2−シアノアクリレート、プロピル−2−シアノアクリレート、イソプロピル−2−シアノアクリレート、ブチル−2−シアノアクリレート、イソブチル−2−シアノアクリレート、アミル−2−シアノアクリレート、ヘキシル−2−シアノアクリレート、シクロヘキシル−2−シアノアクリレート、オクチル−2−シアノアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノアクリレート、アリル−2−シアノアクリレート、プロパルギル−2−シアノアクリレート、フェニル−2−シアノアクリレート、ベンジル−2−シアノアクリレート、メトキシエチル−2−シアノアクリレート、エトキシエチル−2−シアノアクリレート、テトラヒドロフルフリル−2−シアノアクリレート、2−クロロエチル−2−シアノアクリレート、3−クロロプロピル−2−シアノアクリレート、2−クロロブチル−2−シアノアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル−2−シアノアクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル−2−シアノアクリレート等が挙げられる。
【0031】
これらの2−シアノアクリレートは1種類だけを用いて接着剤または充填剤組成物等にしても良いし、2種類以上の2−シアノアクリレートを混合しても良い。また、本発明の環状フェノール硫化物誘導体は、これらの2−シアノアクリレートのうち、硬化性の高い炭素数が1〜6の低級アルキル−2−シアノアクリレートに適用した場合に顕著な効果が得られる。
【0032】
◎その他の成分
本発明の2−シアノアクリレート系組成物は、必須成分として環状フェノール硫化物誘導体と2−シアノアクリレートとを含むが、一般的にいって、接着剤として使用する際には、これらの他に、アニオン重合安定剤、ラジカル重合安定剤、増粘剤、硬化促進剤、可塑剤、チキソ性付与剤が添加される。
【0033】
アニオン重合安定剤としては、従来公知のアニオン重合安定剤が使用でき、亜硫酸ガス、一酸化窒素、フッ化水素、スルトン化合物、BF3エーテルコンプレックス、BF3酢酸コンプレックスまたはBF3メタノールコンプレックス、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられ、その好ましい添加量は1wtppm〜1wt%の範囲である。
【0034】
ラジカル重合安定剤としては、従来公知のラジカル重合安定剤が使用でき、具体的にはハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、ピロガロール等が挙げられ、その好ましい添加量は1wtppm〜1wt%の範囲である。
【0035】
増粘剤としては、従来公知の増粘剤が使用でき、具体的にはポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート/アクリル酸エステル共重合体、メチルメタクリレート/メタクリル酸エステル共重合体、セルロース誘導体等が挙げられ、その好ましい添加量は0.1wt%〜20wt%の範囲である。
【0036】
可塑剤としては、従来公知の可塑剤が使用でき、具体的にはジオクチルフタレート、ジブチルフタレート等が挙げられ、その好ましい添加量は0.01wt%〜30wt%の範囲である。
【0037】
チキソ性付与剤としては、従来公知のチキソ性付与剤が使用でき、具体的には疎水性シリカが挙げられ、その好ましい添加量は0.1wt%〜20wt%の範囲である。
【0038】
上記以外にも目的に応じて、密着性付与剤、染料、香料、充填剤、架橋剤、タフナー、有機溶剤等が添加される。これらに関しても従来公知の技術は全て本発明の2−シアノアクリレート系組成物に導入可能である。
【0039】
【作用】
本発明の2−シアノアクリレート系組成物は、硬化促進剤を使用した接着剤にありがちな耐湿熱性の著しい経時劣化を抑える。その理由は定かではないが、従来技術のポリアルキレンオキサイド等に比べて親水性が低いため、水の影響を受け難いためと推定される。
また、従来の硬化促進剤では、間隙を有する接着、はみ出た部分の硬化時間および外観に問題を有していたのに対し、硬化時間も早く外観を損ねることもない。これは、従来の組成物では、表面あるいは被着材接触面から重合が進行するため、内部の硬化が遅くかつ硬化状態の不均一によって表面層にひずみを生じこれが皺状になって硬化物の白濁を引き起こしているのに対し、特定の構造の環状フェノール硫化物誘導体を配合した組成物では従来技術のポリアルキレンオキサイド等に比べて接着剤全体で重合が進行するため表面硬化性に優れ、硬化物外観も良好になるものと推測される。
【0040】
【実施例】
以下、実施例および比較例により更に詳しく本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでない。
評価の方法は以下の通りにして行った。
▲1▼セットタイム測定方法:
(ポリアセタール樹脂)
JIS K 6861-1995に記載の引張り接着強さ試験に用いられる寸法のポリアセタール製テストピースを用い、接着剤組成物で張り合わせ、所定時間固定して3kgf/cm2以上の接着強さに達する時間をセットタイムとした。
(クロロプレンゴム)
JIS K 6861-1995に記載の引張りせん断接着強さ試験に用いられる寸法のクロロプレンゴム製テストピースを用い、接着剤組成物で張り合わせ、所定時間固定して3kgf/cm2以上の接着強さに達する時間をセットタイムとした。
(軟質塩化ビニル樹脂)
JIS K 6861-1995に記載の引張りせん断接着強さ試験に用いられる寸法の軟質塩化ビニル樹脂製テストピースを用い、接着剤組成物で張り合わせ、所定時間固定して3kgf/cm2以上の接着強さに達する時間をセットタイムとした。
【0041】
▲2▼耐湿熱性測定方法:
(ポリアセタール樹脂)
JIS K 6861-1995に記載の引張り接着強さ試験に用いられる寸法のポリアセタール製テストピースを用い、接着剤組成物で張り合わせ、24時間養生した後に引張りせん断接着強さ試験を行い、この際に得られる接着強さを初期強度とした。80℃×95%RHの環境下に放置し、200時間、400時間後に室温に戻して引張りせん断接着強さ試験を行った。
(クロロプレンゴム)
JIS K 6861-1995に記載の引張りせん断接着強さ試験に用いられる寸法のクロロプレンゴム製テストピースを用い、接着剤組成物で張り合わせ、24時間養生した後に引張りせん断接着強さ試験を行い、この際に得られる接着強さを初期強度とした。80℃×95%RHの環境下に放置し、200時間、400時間後に室温に戻して引張りせん断接着強さ試験を行った。
(軟質塩化ビニル樹脂)
JIS K 6861-1995に記載の引張りせん断接着強さ試験に用いられる寸法の軟質塩化ビニル樹脂製テストピースを用い、接着剤組成物で張り合わせ、24時間養生した後に引張りせん断接着強さ試験を行い、この際に得られる接着強さを初期強度とした。80℃×95%RHの環境下に放置し、200時間、400時間後に室温に戻して引張りせん断接着強さ試験を行った。
【0042】
▲3▼クリアランスセットタイム(クリアランス硬化性)
直径6mm×深さ0.5mmの窪みのあるポリエチレン製板の窪みの部分に、テストピースの底部の隙間からの接着剤の洩れを防止するために、DOP(ジオクチルフタレート)を数滴垂らした。その上に100gの、直径6.95mm×深さ20mmの穴のある円筒状のアルミニウム製テストピースを置いた。その穴の中に直径6.55mm×高さ40mmの円筒状のアルミニウム製ピンを、テストピースの内壁に触らないように入れた。2−シアノアクリレート系組成物を、テストピースとピンの隙間に流し込み、所定時間放置してピンの部分をつかんで引張りあげ、いっしょに持ち上がるまでの時間をクリアランスセットタイムとした。
▲4▼表面硬化性(表面硬化時間、表面硬化物外観)
3mm×25mm×50mmのEPDM(エチレンプロピレンゴム)板に、接着剤を数滴垂らし、液滴を針でつついて硬化を確認し、完全に硬化した時間を表面硬化時間とした。またその硬化物の外観をもって表面硬化物外観とした。
【0043】
合成例1
(5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−25,26,27,28−テトラキス(エトキシカルボメトキシ)−2,8,14,20−テトラチア[19,3,1,13,7,19,13,115,19]オクタコサ−1(25),3,5,7(28),9,11,13(27),15,17,19(26),21,23−ドデカエンの合成)
【0044】
【化5】
Figure 0003831211
【0045】
5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−25,26,27,28−テトラヒドロキシ−2,8,14,20−テトラチア[19,3,1,13,7,19,13,115,19]オクタコサ−1(25),3,5,7(28),9,11,13(27),15,17,19(26),21,23−ドデカエンを用いて、特開平10−175971号の実施例1に記載の方法に準じて標記化合物を合成した。GPCおよびNMRでこの物質が目的物であることを確認した。
NMRδ(CDCl3):
1.09(一重線、36H、C(CH 3 )3)、
1.28(三重線、12H、COOCH2 CH 3 )、
4.21(四重線、8H、COOCH 2 CH3)、
5.18(一重線、8H、ArOCH 2 CO)、
7.29(一重線、8H、Ar-H)
【0046】
実施例1
合成例1で得られた化合物の含有率が1wt%になるように瞬間接着剤アロンアルフア#201(主成分、エチル−2−シアノアクリレート。東亞合成(株)製)と混合して接着剤組成物を調製し、前述の評価を行った。結果は表1および2に示した。
【0047】
合成例2
(5,11,17,23,29,35−ヘキサ−tert−ブチル−37,38,39,40,41,42−ヘキサキス(エトキシカルボメトキシ)−2,8,14,20,26,32−ヘキサチア[31,3,1,13,7,19,13,115,19,121,25,127,31]ドテトラコンタ−1(37),3,5,7(42),9,11,13(41),15,17,19(40),21,23,25(39),27,29,31(38),33,35−オクタデカエンの合成)
【0048】
【化6】
Figure 0003831211
【0049】
5,11,17,23,29,35−ヘキサ−tert−ブチル−37,38,39,40,41,42−ヘキサヒドロキシ−2,8,14,20,26,32−ヘキサチア[31,3,1,13,7,19,13,115,19,121,25,127,31]ドテトラコンタ−1(37),3,5,7(42),9,11,13(41),15,17,19(40),21,23,25(39),27,29,31(38),33,35−オクタデカエンを用いて、特開平10−175971号の実施例1に記載の方法に準じて標記化合物を合成した。GPCおよびNMRでこの化合物が目的物であることを確認した。
NMRδ(CDCl3):
1.09(一重線、54H、C(CH 3 )3)、
1.28(三重線、18H、COOCH2 CH 3 )、
4.21(四重線、12H、COOCH 2 CH3)、
5.18(一重線、12H、ArOCH 2 CO)、
7.29(一重線、12H、Ar-H)
【0050】
実施例2
合成例2で得られた化合物の含有率が1wt%になるように瞬間接着剤アロンアルフア#201と混合して接着剤組成物を調製し、前述の評価を行った。結果は表1および2に示した。
【0051】
合成例3
(5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−25,26,27,28−テトラキス((2−エトキシ)アセチルアセトキシ)−2,8,14,20−テトラチア[19,3,1,13,7,19,13,115,19]オクタコサ−1(25),3,5,7(28),9,11,13(27),15,17,19(26),21,23−ドデカエンの合成)
【0052】
【化7】
Figure 0003831211
【0053】
5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−25,26,27,28−テトラヒドロキシ−2,8,14,20−テトラチア[19,3,1,13,7,19,13,115,19]オクタコサ−1(25),3,5,7(28),9,11,13(27),15,17,19(26),21,23−ドデカエン1.44g(0.002モル)と、ジケテン10g、乾燥THF50mlを100ml三つ口フラスコに仕込み、窒素を吹き込みながら攪拌した。ピリジン0.1mlを垂らし、室温で18時間攪拌した。THFを脱溶し、クロロホルムに溶解した。4%塩酸水で2回洗浄し、更に純水で1回洗浄した。
油層を分離し硫酸マグネシウムと活性炭を加え、乾燥・脱色した後、クロロホルムを脱溶した。アセトンに溶解し、トルエンに滴下して再沈殿した。再沈殿は2回行った。濾過し一晩風乾後、40℃で18時間真空乾燥し、計量したところ1.17g(収率55.33%)を回収した。GPCおよびNMRでこの回収した化合物が目的物であることを確認した。
NMRδ(CDCl3):
1.09(一重線、36H、C(CH 3 )3)、
2.25(三重線、12H、ArOCOCH2COCH 3 )、
3.6(一重線、8H、ArOCOCH 2 COCH3)、
7.29(一重線、8H、Ar-H)
【0054】
実施例3
合成例3で得られた化合物の含有率が1wt%になるようにアロンアルフア#201と混合して接着剤組成物を調製し、前述の評価を行った。結果は表1および2に示した。
【0055】
合成例4
(5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−25,26,27,28−テトラキス((2−エトキシ)エトキシカルボメトキシ)−2,8,14,20−テトラチア[19,3,1,13,7,19,13,115,19]オクタコサ−1(25),3,5,7(28),9,11,13(27),15,17,19(26),21,23−ドデカエンの合成)
【0056】
【化8】
Figure 0003831211
【0057】
5,11,17,23,29,35−ヘキサ−tert−ブチル−37,38,39,40,41,42−ヘキサヒドロキシ−2,8,14,20,26,32−ヘキサチア[31,3,1,13,7,19,13,115,19,121,25,127,31]ドテトラコンタ−1(37),3,5,7(42),9,11,13(41),15,17,19(40),21,23,25(39),27,29,31(38),33,35−オクタデカエンを用いて、1.44g(0.002モル)と、乾燥アセトン50ml、炭酸カリウム2.76gを100ml三つ口フラスコに仕込み、攪拌しながら還流した。ブロモ酢酸エトキシエチル4.22g(0.02モル)を滴下し、反応を48時間行った。
室温まで冷却した後アセトンを脱溶し、トルエンで抽出した。トルエンを脱溶し、THFに溶解して活性アルミナのカラムでさらに精製し脱溶したところ、やや黄色味がかった固体である標記化合物1.28g(収率51.54%)を得た。 GPCおよびNMRでこの回収した化合物が目的物であることを確認した。NMRδ(CDCl3):
1.09(一重線、36H、C(CH 3 )3)、
1.21(三重線、12H、COOCH2CH2OCH2 CH 3 )、
3.5〜3.8(多重線、16H、COOCH2 CH 2 OCH 2 CH3)、
4.22(三重線、8H、COOCH 2 CH2OCH2CH3)、
5.18(一重線、8H、ArOCH 2 CO)、
7.29(一重線、8H、Ar-H)
【0058】
実施例4
合成例4で得られた化合物の含有率が1wt%になるように瞬間接着剤アロンアルフア#201と混合して接着剤組成物を調製し、前述の評価を行った。結果は表1および2に示した。
【0059】
合成例5
(5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−25,26,27,28−テトラキス(エトキシカルボメトキシ)−2,8,14,20−テトラスルフィニル[19,3,1,13,7,19,13,115,19]オクタコサ−1(25),3,5,7(28),9,11,13(27),15,17,19(26),21,23−ドデカエンの合成)
【0060】
【化9】
Figure 0003831211
【0061】
5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−25,26,27,28−テトラヒドロキシ−2,8,14,20−テトラスルフィニル[19,3,1,13,7,19,13,115,19]オクタコサ−1(25),3,5,7(28),9,11,13(27),15,17,19(26),21,23−ドデカエンを用いて、特開平10−175971号の実施例1に記載の方法に準じて標記化合物を合成した。
【0062】
実施例5
合成例5で得られた化合物の含有率が1wt%になるように瞬間接着剤アロンアルフア#201と混合して接着剤組成物を調製し、前述の評価を行った。結果は表1および2に示した。
【0063】
合成例6
(5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−25,26,27,28−テトラキス(エトキシカルボメトキシ)−2,8,14,20−テトラスルホニル[19,3,1,13,7,19,13,115,19]オクタコサ−1(25),3,5,7(28),9,11,13(27),15,17,19(26),21,23−ドデカエンの合成)
【0064】
【化10】
Figure 0003831211
【0065】
5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−25,26,27,28−テトラヒドロキシ−2,8,14,20−テトラスルホニル[19,3,1,13,7,19,13,115,19]オクタコサ−1(25),3,5,7(28),9,11,13(27),15,17,19(26),21,23−ドデカエンを用いて、特開平10−175971号実施例1に記載の方法に準じて標記化合物を合成した。
【0066】
実施例6
合成例6で得られた化合物の含有率が1wt%になるように瞬間接着剤アロンアルフア#201と混合して接着剤組成物を調製し、前述の評価を行った。結果は表1および2に示した。
【0067】
実施例7
合成例1で得られた化合物の含有率が1wt%になるように瞬間接着剤アロンアルフア#601(主成分、イソプロピル−2−シアノアクリレート。東亞合成(株)製)と混合して接着剤組成物を調製し、前述の評価を行った。結果は表1および2に示した。
【0068】
実施例8
合成例1で得られた化合物の含有率が0.1wt%になるように瞬間接着剤アロンアルフア#201と混合して接着剤組成物を調製し、前述の評価を行った。結果は表1および2に示した。
【0069】
比較例1
18−クラウン−O−6の含有率が500wtppmになるように瞬間接着剤アロンアルフア#201と混合して接着剤組成物を調製し、前述の評価を行った。結果は表1および2に示した。
【0070】
比較例2
18−クラウン−O−6の含有率が1wtppmになるように瞬間接着剤アロンアルフア#201と混合して接着剤組成物を調製し、前述の評価を行った。結果は表1および2に示した。
【0071】
比較例3
重量平均分子量が約1000のポリエチレングリコールの含有率が1000wtppmになるように瞬間接着剤アロンアルフア#201と混合して接着剤組成物を調製し、前述の評価を行った。結果は表1および2に示した。
【0072】
比較例4
重量平均分子量が約1000のポリエチレングリコールの含有率が1wtppmになるように瞬間接着剤アロンアルフア#201と混合して接着剤組成物を調製し、前述の評価を行った。結果は表1および2に示した。
【0073】
比較例5
重量平均分子量が約1000のポリエチレングリコールのジメタクリレートの含有率が1000wtppmになるように瞬間接着剤アロンアルフア#201と混合して接着剤組成物を調製し、前述の評価を行った。結果は表1および2に示した。
【0074】
比較例6
重量平均分子量が約1000のポリエチレングリコールのジメタクリレートの含有率が1wtppmになるように瞬間接着剤アロンアルフア#201と混合して接着剤組成物を調製し、前述の評価を行った。結果は表1および2に示した。
【0075】
比較例7
4−tert−ブチルカリックス[4]アレーンO,O',O'',O'''−テトラアセチックアシッドテトラエチルエステルの含有率が1wt%になるように瞬間接着剤アロンアルフア#201と混合して接着剤組成物を調製し、前述の評価を行った。結果は表1および2に示した。
【0076】
比較例8
4−tert−ブチルカリックス[4]アレーンO,O',O'',O'''−テトラアセチックアシッドテトラエチルエステルの含有率が1wtppmになるように瞬間接着剤アロンアルフア#201と混合して接着剤組成物を調製し、前述の評価を行った。結果は表1および2に示した。
【0077】
比較例9
硬化促進剤を配合しない瞬間接着剤アロンアルフア#201について前述の評価を行った。結果は表1および2に示した。
【0078】
比較例10
硬化促進剤を配合しないアロンアルフア#601について前述の評価を行った。結果は表1および2に示した。
【0079】
【表1】
Figure 0003831211
【0080】
【表2】
Figure 0003831211
【0081】
【発明の効果】
本発明は以上のように硬化物の耐湿熱性および使用時の瞬間接着性に優れているため、産業界や家庭での使用をさらに広め得るものである。特に高い耐湿熱性が要求される自動車産業界では耐湿熱性と瞬間接着性が高いレベルでバランスされているため、接着作業ラインの高速化が可能となり、作業効率が著しく高まるために与える効果大である。また、被着体同士の間の隙間が多少空いていても短時間で接着するため、被着体表面を前もってきちんと清掃したり、研磨したりといった手間がなくなるため、接着に要する作業時間が著しく短縮化され作業効率が高まること甚だしい。特に接着に関する知識の乏しい一般消費者が使用する場合においても、隙間やはみ出した部分を気にせず作業できるという大きな効果を有する。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表される環状フェノール硫化物誘導体を、2−シアノアクリレートに対して0.01wt%〜20wt%含有することを特徴とする2−シアノアクリレート系組成物。
    Figure 0003831211
    一般式(1)中、Wはスルフィド基、スルフィニル基またはスルホニル基でありR1、− CH 2 COOR 2 、− COCH 2 COR 3 、− CH 2 COOR 4 OR 5 、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、− COR 6 基、− OR 7 基、− COOR 8 基、− CN 基、− NO 2 基、ハロゲン原子、− SO 4 R 9 基または− SO 3 R 10 基(但し R 2 R 3 R 5 R 6 R 7 R 8 R 9 R 10 はアルキル基であり、 R 4 はアルキレン基)から選ばれた基であり、X1、Y1、Z1は、水素原子または CH 2 COOR 2 、− COCH 2 COR 3 、− CH 2 COOR 4 OR 5 、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、− COR 6 基、− OR 7 基、− COOR 8 基、− CN 基、− NO 2 基、ハロゲン原子、− SO 4 R 9 基もしくは− SO 3 R 10 基(但し R 2 R 3 R 5 R 6 R 7 R 8 R 9 R 10 はアルキル基であり、 R 4 はアルキレン基)から選ばれた基であり、nは3以上12以下の整数である。複数のW、R1、X1、Y1、Z1は同一であっても異なっていても良い。
  2. 一般式(1)で表される環状フェノール硫化物誘導体において、R1の1以上が酸素原子を2個以上含有する基である請求項1記載の2−シアノアクリレート系組成物。
  3. 一般式(1)で表される環状フェノール硫化物誘導体において、R1の1以上が下記から選択される1つの基である請求項2記載の2−シアノアクリレート系組成物。
    R1:−CH2COOR2、−COCH2COR3および−CH2COOR4OR5
    但し、R2、R3およびR5はアルキル基であり、R4はアルキレン基である。
  4. 一般式(1)で表される環状フェノール硫化物誘導体において、X1、Z1の全てが水素原子で、Y1の全てが下記から選択される1つの基である請求項1ないし3記載の2−シアノアクリレート系組成物。
    Y1:水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、−COR6基、−OR7基、−COOR8基、−CN基、−NO2基、ハロゲン原子、−SO4R9基、−SO3R10
    但しR6、R7、R8、R9、R10はアルキル基である。
  5. 一般式(1)において、Y1の全てがtert−ブチル基である請求項4記載の2−シアノアクリレート系組成物。
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