JP4838337B2 - ゲーム用媒体払出装置及びこれを用いるゲーム装置 - Google Patents

ゲーム用媒体払出装置及びこれを用いるゲーム装置 Download PDF

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Description

本発明は、ゲーム用媒体払出装置及びこれを用いるゲーム装置に関するものである。
従来、メダル、コイン、パチンコ球、ボール等のゲーム用媒体として用いられる有体物をプレイヤーに対して直接排出したり、プッシャーゲーム機のプッシャー台上などのプレイフィールドへ排出したりする際に、演出効果を高めるために種々の工夫を凝らしたものが知られている。例えば、特許文献1には、プッシャーゲーム機の各ステーションでプレイするプレイヤーが所定の抽選開始条件を満たすと中央抽選装置でボールを用いた物理抽選が行われるゲームシステムが開示されている。このゲームシステムでは、その物理抽選で所定の賞に当選すると、大量のメダルが当該賞に当選したプレイヤーのステーションにおけるプレイフィールド内に払い出される。このときのメダル払い出しでは、高い演出効果を狙って、通常時にプレイフィールド内へメダルを排出する方法とは異なるメダル排出方法が採られる。具体的には、通常時は、各ステーションに設けられたメダル払出装置を用いて1枚ずつメダルをプレイフィールド内に排出する。これに対し、中央抽選装置での物理抽選で当選したときには、その中央抽選装置に設けられたメダル払出用ウィングが当選したプレイヤーのステーションに向くように中央抽選装置が回転駆動し、そのメダル払出用ウィングから当該ステーションのプレイフィールド内に大量のメダルを一度に排出する。このように中央抽選装置のメダル払出用ウィングを用いてメダルを排出することで、大量のメダルがプレイフィールド内になだれ込んでくるような演出ができ、大量のメダルを獲得した実感をプレイヤーに抱かせることが可能となる。
従来、メダルの排出を利用した演出の工夫は、ゲーム装置でメダルを払い出す際に大量のメダルを獲得した実感をプレイヤーに抱かせるという観点からなされることが多かった。そのため、このような同じ観点から新しい工夫が施されても、その工夫が施されたメダル排出演出には斬新さがなく、高い演出効果を得ることが難しいという問題があった。
本発明は、前記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、メダルの排出を利用した斬新な演出を実現することが可能なゲーム用媒体払出装置及びこれを用いるゲーム装置を提供することである。
上述した課題を達成するために、本発明に係るディスプレイ装置は、複数個の平板状又は球状の有体物(M)を貯留する容器(50b)と、前記容器に貯留された前記有体物を外部に排出する排出口(56)と、駆動信号を受けて駆動し、前記排出口から前記有体物を1個単位で排出可能な駆動手段(52)と、排出される前記有体物を直接的又は間接的に検知して検知信号を出力する検知手段(53、55)と、をそれぞれ有する複数の排出装置(50A〜50F)を備え、前記複数の排出装置のそれぞれから排出される複数の前記有体物によって所定の画像を表現させるディスプレイ装置(60)と、前記複数の排出装置(50A〜50F)のそれぞれから排出された前記有体物(M)の少なくとも一部をゲーム用媒体としてユーザーに払い出す払出手段(41)と、ユーザーへ払い出すべき規定数の有体物を前記払出手段に払い出させる払出制御を行う払出制御手段(41)とを備えたゲーム用媒体払出装置であって、前記複数の排出装置(50A〜50F)のそれぞれを、各排出口(51e)が直線上かつ等間隔になるように配置させ、前記表現させる所定の画像に基づいて、前記複数の排出装置のそれぞれの駆動手段(52)の駆動のオン又はオフに対応した排出データを記憶する記憶手段(42)と、前記記憶手段に記憶されている排出データに従って、前記複数の排出装置のそれぞれの駆動手段に対して駆動信号を出力して駆動を制御する制御手段(41)とを備え、前記制御手段は、それぞれの前記検知信号の検知タイミングに基づいて、前記複数の排出装置のそれぞれの駆動手段の駆動を制御することを特徴とする。
このゲーム用媒体払出装置においては、ディスプレイ装置において、複数の平板状又は球状の有体物が各複数の排出装置から排出され、排出された有体物はそれぞれ自重により落下する。各複数の排出装置からは、時間経過とともに次々と有体物が排出され、排出された有体物により、文字、記号、キャラクタ、パターンなどの任意の画像を表現することができ斬新な演出が実現することが可能となる。
例えば、ディスプレイ装置を6台の排出装置で構成し、それぞれの排出装置を等間隔で配置することで、仮想的に等間隔の6マス(6ドット)のマス目が形成される。各排出装置に対応した6マス(6ドット)を1つのラインという。そして時間経過とともに次々と有体物が排出されて6ドット×Nラインのマス目が仮想的に形成される。このマス目の縦横の距離がほぼ均等になるように各排出装置を等間隔で配置するのが好ましい。
そして、時間経過ごとに1ラインずつ各排出装置から有体物が排出され、複数ライン分の排出された有体物により、画像として例えば1文字表示させることが可能となる。文字として表現されるマス目には有体物が位置することになる。この場合、6ドット×6ラインで1文字の画像を表現させるようにすればよい。勿論、1文字をいくつのライン数で構成するかは任意であり、ライン数を増やせば縦長の文字となる。画像としてパターンを表現する場合には、6ドット×Nライン(Nは自然数)で構成されNの数は任意である。また、排出装置の台数も6台に限られず、表現したい画像の細かさに応じて適宜設定するのがよい。排出された有体物は自重により落下していくので、文字を表現しながら落下していき、また、新たに別の文字が各排出装置から排出された有体物により表現され、これらを繰り返して次々と各排出装置から排出された有体物により文字の並びが表現される。また、文字と文字との間には、各排出装置から有体物が排出されないライン(以下、スペースラインという)を1又は複数設けることにより、文字と文字との区分けができて、それぞれの文字の視認がし易くなる。
なお、ここでいう「平板状の有体物」とはメダルやコインの円板体(以下、メダル等という)が例示でき、「球状の有体物」とはパチンコ球が例示できる。また、このディスプレイ装置の専用の円板体や剛球でもよく、ある程度重量があって落下するものであれば材質は問わない。
また、「排出装置」として、排出させる有体物がメダル等であればメダルホッパ装置を例示できる。このメダルホッパ装置を用いれば、その底面に設けられ、且つメダル等が嵌り込む円形開口が例えば5個設けられたロータをモータにより円形開口1個分だけ回転させれば、排出口よりメダル等を1個単位で排出させることができる。つまり、ロータを1回転させれば円形開口に嵌り込んだ5枚のメダル等を排出させることができる。また、「排出装置」として、排出させる有体物がパチンコ球等の球体であれば、5個の球受け凹部がその外周に設けられたスプロケットが軸を支点に回転可能になっているパチンコ球排出装置を例示できる。このパチンコ球排出装置を用いれば、スプロケットをモータにより球受け凹部1個分だけ回転させれば、排出口よりパチンコ球を1個単位で排出させることができる。つまり、スプロケットを1回転させれば球受け凹部に嵌り込んだ5個のパチンコ球を排出させることができる。すなわち、ロータでもスプロケットでも、それぞれを駆動させた駆動量(回転量)に応じたメダル等やパチンコ球を排出することができる。
また、「各排出口どうしが直線上かつ等間隔になるように配置させる」とは、各排出装置から排出された有体物により、仮想的にほぼ等間隔のマス目が構成できればよく、直線上及び等間隔において多少のバラツキは許容できる。
さらに、このゲーム用媒体払出装置によれば、各排出装置の有体物を1個単位で排出する駆動手段の駆動に関して、排出される有体物を直接的又は間接的に検知して出力された検知信号の検知タイミングに基づいて個別に制御することにより、各排出装置から排出される有体物のそれぞれを鉛直方向に揃って排出させることができる。すなわち、各排出装置どうしの有体物の排出タイミングを揃えることが可能となる。これにより、例えば、6ドット×6ラインで1文字を表現する際の横のマス目がきれいに揃うことになり、視認しやすい文字を表現することが可能となる。また、駆動手段としてモータが例示でき、モータをオンさせて駆動させることにより、駆動させた駆動量(回転量)に応じた有体物の数を排出させ、モータをオフさせて停止させることにより有体物を排出させないように制御する。
ここで、「排出される有体物を直接的に検知する検知信号を出力する検知手段」とは、各排出装置の排出口から排出された有体物そのものを検知し、その検知信号を出力するセンサのことである。なお、排出口から排出される有体物そのものを検知するとは、フォトセンサ等を使用して有体物自体を検知することや、排出口から排出される有体物の通過を突起片で検知し、その突起片の可動をフォトセンサ等により有体物を2次的に検知することも含む。また、「排出される有体物を間接的に検知する検知信号を出力する検知手段」とは、各排出装置の排出口から排出された有体物そのものを検知するのではなく、ロータやスプロケットを回転させて1個分の有体物を排出させるに要する駆動に応じて検知信号を出力するセンサのことである。例えば、メダルホッパ装置であればロータの円形開口の位置を検出できるセンサであり、ロータ1回転につき5回の検知信号が出力される。また、パチンコ球排出装置であれば、スプロケットの球受け凹部の位置を検出できるセンサであり、スプロケット1回転につき5回の検知信号が出力される。このように有体物の排出を制御するにあたり直接的に有体物を検出するようにしてもよいし、有体物を直接的に検出するのではなく、上述したロータやスプロケットの回転位置を検出するようにしてもよい。
また、メダル等の平板状の有体物を用いる場合には、排出装置の排出口に有体物の平板面がユーザーの視認方向を向くように、排出された有体物の向きを規制するガイド板(57)を設けるのが好ましい。平板状の有体物は、その平板面の領域よりも側面の領域の方が狭いので、平板状の物体における平板面がユーザーの視認方向を向かせることで有体物の視認性が高まり、文字やパターンの認識性が高まり演出効果を高めることが可能となる。
また、このゲーム用媒体払出装置は、ゲーム用媒体を有体物の状態でプレイヤーへ払い出すゲーム装置に組み込むことで、そのメダル等のゲーム用媒体の払い出し時の演出装置として利用することができる。特に、このゲーム用媒体払出装置においては、ユーザーへゲーム用媒体を払い出す際に、排出される媒体により所定の画像を表現するという斬新な演出を実現することができ、演出効果の高いメダル払い出し演出が可能となる。ここでいう「ゲーム用媒体払出装置」は、ゲーム用媒体をユーザーへ直接的に払い出すもののほか、プッシャーゲーム機のようにプレイフィールドにてメダル等を用いてゲームを行わせるゲーム機については、ゲーム用媒体をプレイフィールドに向けてダル等を払い出すような間接的に払い出すものも含まれる。
なお、このゲーム用媒体払出装置のディスプレイ装置は、ゲーム装置のゲーム用媒体払い出しとは無関係な演出装置としても利用可能である。例えば、ゲーム装置とは別体の状態でゲーム施設のフロアに設置し、来客者に対して何らかの文字や絵柄を見せるディスプレイ装置としても利用できる。
また、上述したゲーム用媒体払出装置において、前記制御手段(41)は、それぞれの前記検知信号の検知タイミングに基づいて、前記複数の排出装置(50A〜50F)のそれぞれの駆動手段(52)の駆動をオフさせることを特徴とする。
このゲーム用媒体払出装置によれば、検知信号の検知タイミングに基づいて、ロータやスプロケットを回転させるモータを停止させることで、次のラインにおいて各排出装置から排出される有体物のそれぞれが鉛直方向に揃って排出させることができる。すなわち、各排出装置どうしの有体物の排出タイミングを揃えることが可能となる。
また、上述したゲーム用媒体払出装置において、前記排出データは、前記表現させる前記所定の画像に対応させたデータの先頭に、前記複数の排出装置(50A〜50F)のそれぞれの駆動手段(52)の駆動を同時にオン又は順次オンさせた後、同時にオフ又は順次オフさせる同期用データを含むことを特徴とする。
このゲーム用媒体払出装置によれば、各排出装置におけるロータやスプロケットの回転停止位置がバラバラになっている場合であったとしても、排出データの先頭に同期データを含ませることで、各排出装置から排出させた有体物は鉛直方向に揃った状態で排出することが可能となる。すなわち各排出装置どうしの有体物の排出タイミングを合わせることが可能となる。
例えば、ゲーム用媒体払出装置を始めて動作させる場合は、各排出装置におけるロータやスプロケットの回転停止位置がバラバラになっている場合がある。したがって、各排出装置どうしの回転停止位置がバラバラな状態で各排出装置から有体物を排出させてしまうと、排出された有体物のそれぞれが鉛直方向に揃わずにバラバラに排出させることになる。そこで、所定の画像に対応させて記憶手段に記憶させた排出データのうち、先頭1ライン又は数ラインを同期データとして機能させるデータを含ませる。その結果、その同期データに対応した有体物の排出に関しては、それぞれが鉛直方向に揃わずにバラバラになるが、それ以降においては、各排出装置から排出させた有体物は鉛直方向に揃った状態で排出することが可能となる。
同期データとして、排出装置の台数を6台としたとき、6台全ての排出装置のそれぞれの駆動手段の駆動を同時にオンさせたラインデータとスペースラインとの2ラインから構成されているものを例示できる。また、6台全ての排出装置のうち、1台の駆動手段の駆動のみをオンにしたラインデータを、オンにする駆動手段を順次切り換えるように設定された6ラインとスペースラインとの7ラインから構成されているものを例示できる。なお、スペースラインは1ラインに限定されるものではない。また、排出データの先頭ラインまたは先頭から数ラインにスペースラインを設け、その後に同期データを設けるようにしてもよい。
また、上述したゲーム用媒体払出装置において、前記検知手段(53)は、前記駆動手段により前記有体物を1個排出させるために要する駆動を検知して前記検知信号を出力することを特徴とする。
このゲーム用媒体払出装置によれば、排出される有体物を間接的に検知する検知信号を出力する検知手段を採用したので、各排出装置のロータの円形開口やスプロケットの球受け凹部の位置と排出口との相対位置関係を、各排出装置どうしで高い精度で合わせることができる。その結果、次のラインにおいて有体物を排出するタイミングを、各排出装置どうしで高い精度で合わせることが可能となる。さらに各排出装置のロータやスプロケットを回転させても空回りが発生して実際にメダル等やパチンコ球が排出されない場合が生じても、排出されなかったメダル等やパチンコ球に対応する1つのドットが欠けた状態で文字が表現されることにはなるが、空回りが発生した以降であっても各排出装置どうしの有体物の排出タイミングを揃えることが可能となる。
具体的に、排出される有体物を間接的に検知する検知手段とは、メダル等を排出するメダルホッパ装置であれば、ロータの円形開口の位置を検出するセンサに相当する。また、パチンコ球を排出するパチンコ球排出装置であれば、スプロケットの球受け凹部の位置を検出するセンサに相当する。これらの位置を検出するセンサは、1個分のメダル等やパチンコ球の有体物を排出させるに要する駆動(所定の駆動量)を検知するものであり、モータを1回転させると5個の有体物を排出させることができる場合には、5分の1回転が、有体物を1個排出させるに要する駆動に相当し、5分の1回転ごとに検出信号を出力する。この検知信号に基づいてメダル等やパチンコ球が1個排出されたとみなして制御することが可能となる。ここで、「メダル等やパチンコ球が1個排出されたとみなす」とは、実際に排出口からメダル等やパチンコ球が排出されているかを確認しないという意味である。
つまり、空回りが発生した場合に、さらに各排出装置のロータやスプロケットを回転させてメダル等やパチンコ球が排出させるようにしたとしても、そのメダル等やパチンコ球を排出させるために他の排出装置よりも1個のメダル等やパチンコ球の排出に時間がかかってしまうため、各排出装置どうしで有体物の排出タイミングがずれてしまうことになる。そこで、実際に排出口からメダル等やパチンコ球が排出されているかを確認せずにロータの円形開口やスプロケットの球受け凹部の位置を検出するセンサに基づいて、メダル等やパチンコ球が排出されたとみなして制御を行うことにより、空回りが発生した以降であっても各排出装置どうしの有体物の排出タイミングを揃えることが可能となる。
また、上述したゲーム用媒体払出装置において、前記排出口(56)から排出される前記有体物(M)を1個ごとに検知して前記検知信号を出力する第2の検知手段(55)と、前記第2の検知手段により出力された検知信号に基づいて、前記排出データに従って前記複数の排出装置(50A〜50F)のそれぞれから排出された前記有体物(M)の合計数を計数する計数手段(41)とを備えることを特徴とする。
このゲーム用媒体払出装置によれば、ロータの円形開口やスプロケットの球受け凹部の位置を検出するセンサに加え、各排出装置の排出口から実際に排出されるメダル等やパチンコ球の有体物を1個単位で検知できるセンサを備えて、実際に各排出装置から排出された有体物の合計数を計数することができる。ロータやスプロケットの回転停止位置を検出するセンサでは、ロータに設けられた円形開口にうまくメダル等が嵌り込まなかったり、スプロケットの球受け凹部にパチンコ球が嵌らなかったりして空回りをした場合であっても、計数手段を設けることで実際に各排出装置から排出された有体物の合計数を把握することができる。
また、上述したゲーム用媒体払出装置において、前記検知手段(55)は、前記排出口(56)から排出される前記有体物(M)を1個ごとに検知して前記検知信号を出力するものであることを特徴とする。
このゲーム用媒体払出装置によれば、検知手段として、排出される有体物を直接的に検知する検知信号を出力するものであって、各排出装置の排出口から実際に排出されるメダル等やパチンコ球の有体物を1個単位で検知できるセンサを用いる。このセンサは、もともと各排出装置の排出口から実際に排出されるメダル等やパチンコ球の数を計数する目的で備えられているものであり、そのセンサを流用することができる。しかしながら、ロータの円形開口やスプロケットの球受け凹部の位置を検出するセンサを用いた場合と比較すると、各排出装置のロータの円形開口やスプロケットの球受け凹部の位置と排出口との相対位置関係を互いに高い精度で合わせることができない。したがって、各排出装置から排出された有体物で表現させる画像として、文字を表現することは好適ではないが、パターンを表現する用途であればコストを抑えたゲーム用媒体払出装置を提供することが可能となる。
また、上述したゲーム用媒体払出装置において、前記検知手段(55)により出力された検知信号に基づいて、前記排出データに従って前記複数の排出装置(50A〜50F)のそれぞれから排出された前記有体物の合計数を計数する計数手段(41)とを備えることを特徴とする。
このゲーム用媒体払出装置によれば、本件検出手段は、各排出装置どうしの有体物の排出タイミングを合わせることだけでなく、各排出装置の排出口から実際に排出されるメダル等やパチンコ球の数を計数することの2つの機能を持たせることができる。これにより、コストを抑えたゲーム用媒体払出装置を提供することが可能となる。
また、上述したゲーム用媒体払出装置において前記払出手段は、前記複数の排出装置(50A〜50F)のそれぞれから排出された前記有体物(M)の全部を、ゲーム用媒体としてユーザーに払い出すものであり記払出制御手段は、払出制御後に前記計数手段で計数された前記有体物の合計数が前記規定数より不足している場合に、不足分の前記有体物を排出させる補充払出制御を行うことを特徴とする。
このゲーム用媒体払出装置においては、上述したように、ロータに設けられた円形開口にうまくメダル等が嵌り込まなかったり、スプロケットの球受け凹部にパチンコ球が嵌らなかったりする空回りが発生し、あらかじめ定めされた規定数である予定数の有体物を排出できなかった場合であっても、実際に各排出装置の排出口から実際に排出されるメダル等やパチンコ球の数を計数しているので、予定数に対して不足分の有体物の個数を算出することができる。したがって、表現させる所定の画像に排出した処理の後で不足分の有体物の個数を排出する補充払出制御を行うことで、最終的には規定数の有体物を排出することができ、ゲームとして例えば入賞した対価としてユーザーに支払う用途として使用することができる。
また、本発明に係るゲーム装置(1)は、ゲームの進行制御を行う進行制御手段(31)と、ゲーム用媒体を受け付ける媒体受付手段(11)と、前記媒体受付手段がゲーム用媒体を受け付けることを条件に前記進行制御手段が進行制御したゲームの結果に基づき、所定数のゲーム用媒体を請求項1乃至8のいずれか1項に記載のゲーム用媒体払出装置を用いてユーザーへ払い出すための払出処理を行う払出処理手段(41)とを有することを特徴とする。
このゲーム装置においては、ユーザーへゲーム用媒体を払い出す際に、排出されるゲーム用媒体により所定の画像を表現するという斬新な演出を実現することができ、演出効果の高いメダル払い出し演出が可能となる。
以上、本発明によれば、排出される平板状又は球状の有体物により所定の画像を表現するという斬新な演出を実現することができるという優れた効果が得られる。
図1は、実施形態に係るプッシャーゲーム機の外観図である。 図2は、同プッシャーゲーム機のステーションの概略構成を示す斜視図である。 図3は、同ステーションに設けられるステーション制御部を示す制御ブロック図である。 図4は、同プッシャーゲーム機の中央抽選装置に設けられたメイン制御部のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。 図5は、同中央抽選装置のメダルホッパ装置の外観斜視図である。 図6は、同メダルホッパ装置に設けられたロータの外観を示す説明図である。 図7は、同ロータの構成を示す部分破断図である。 図8は、回転検知板の検知窓と同ロータの円形開口との位置関係を示す説明図である。 図9は、同中央抽選装置で行われる中央抽選の流れを示すフローチャートである。 図10は、同中央抽選装置に設けられたメダル払出演出装置の概略構成を示す説明図である。 図11(a)は、同メダル払出演出装置のディスプレイ空間内にメダルにより1文字ずつ表現される文字画像の概念図である。 図11(b)は、同文字画像を表現するために、各メダルホッパ装置からメダルを排出するタイミングを示す排出データの概念図である。 図11(c)は、排出データのデータ構造を示す説明図である。 図12は、特別払出処理の流れを示すフローチャートである。 図13は、同特別払出処理中におけるメダル排出確認処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明を、ゲーム装置としてのメダルゲーム機であるプッシャーゲーム機に適用した一実施形態について説明する。なお、本発明が適用可能なゲーム装置はプッシャーゲーム機に限られないことは言うまでもない。
図1は、本実施形態に係るプッシャーゲーム機1の外観図である。
プッシャーゲーム機1は、10個の独立したプレイフィールド2を有し、各プレイフィールド2では、それぞれ2人のプレイヤー(ユーザー)がプッシャーゲームをプレイできるようになっている。よって、最大で20人のプレイヤーが同時にゲームを行うことが可能である。また、プレイヤーがプレイするスペースは、プレイフィールド2ごとに柱3で区切られており、柱3の間は、透明なカバーで覆われている。これにより、プレイヤーは、直接、プレイフィールド内部の機構に触ることができないようになっている。また、各プレイフィールド2では、それぞれ独立したプッシャーゲームを行うステーション10により、プッシャーゲームが実行される。各ステーション10には、プッシャーゲームをプレイした結果で獲得したメダルが払い出されるメダル受皿5が設けられている。さらに中央部には、各ステーション10のいずれかに向くように回転可能に中央抽選装置40が設けられている。中央抽選装置40には2つのメインディスプレイ47A,47Bが設けられている。
図2は、前記ステーション10の概略構成を示す斜視図である。
ステーション10には、プレイフィールド2内にゲーム用媒体としての平板状の有体物であるメダルを送出するための2つのメダル投入器11が設けられている。なお、図中右側のメダル投入器は、説明のため図示を省略している。メダル投入器11は、プッシャーゲーム機1の前面外側に露出したメダル投入口11aを有する。このメダル投入口11aからプレイヤーによりメダルMが投入されると、そのメダルMは、メダル通路部11bを通って、その先端から排出される。このメダル通路部11bには、メダルの通過を検出する投入枚数検知センサ11dが設けられており、プレイヤーが投入したメダルを検出し、その検出信号を、後述のステーション制御部に出力する。メダル通路部11bの先端は、プレイフィールド2内に突出するように配置されており、その先端から排出されたメダルMは、プレイフィールド2内に投入される。また、メダル投入器11は、メダルMの投出方向をプレイヤーが適宜に選択できるように、プッシャーゲーム機1の本体部分に固定された軸部11cにより回動自在に取り付けられている。これにより、プレイヤーは、メダル投入器11のメダル通路部11bの先端を、所定の範囲内で左右に向けることができる。
メダル投入器11によりメダルMが投入されるプレイフィールド2内には、上段メダル載置台12、中段メダル載置台13及び下段メダル載置台14が設けられている。
下段メダル載置台14は、その上面に多数のメダルMを載置することがきる。メダルMが下段メダル載置台14の図中手前側に形成されたメダル落下溝15に落下すると、その分だけメダルMがプッシャーゲーム機1の本体前面に設けられたメダル受皿5に排出される。これにより、プレイヤーはメダルMを獲得することができる。また、下段メダル載置台14の図中手前側端部は、その下段メダル載置台14上に堆積したメダルMが簡単にメダル落下溝15に落ちないよう、ストッパ部14aが形成されている。このストッパ部14aは、下段メダル載置台14上のメダル載置面が上方に屈曲して形成されている。
中段メダル載置台13は、下段メダル載置台14の上面に沿って、図示しない載置台駆動手段により、図中矢印Aに示す方向に所定のストロークで往復移動する。このように往復移動する中段メダル載置台13は、中段メダル載置台13が往復移動する下段メダル載置台14部分上に存在するメダルMを、図中手前側に押し出す。なお、図2は、中段メダル載置台13が図中最前位置に移動した状態を示している。また、この中段メダル載置台13は、その上面にメダルMを載置する。中段メダル載置台13上のメダルMが図中手前側に落下すると、下段メダル載置台14上に載置されることになる。中段メダル載置台13が最前位置にないときに、中段メダル載置台13上からメダルMが落下した場合、そのメダルMは、中段メダル載置台13により押されて、多数のメダルMが堆積した下段メダル載置面部分に押し込まれる。このようにしてメダルMが押し込まれると、下段メダル載置台14上に堆積していたメダルMが図中手前側に押され、その押圧力がストッパ部14aで止められていたメダルMに加わり、メダルMがメダル落下溝15に落下する。
上段メダル載置台12の図中手前側部分は、中段メダル載置台13の上面に沿って配置されている。中段メダル載置台13が載置台駆動手段により図中矢印Aに示す方向に往復移動すると、上段メダル載置台12は、中段メダル載置台13上の図中奥側に位置する部分のメダルを、図中手前側に押し出す。
また、プレイフィールド2内には、メダルジャンプ台16及びメダルチャッカー17が設けられている。メダルジャンプ台16は、図2中奥側が高い位置になるように傾斜して設けられた透明アクリル板からなるメダル移動面16aを有し、このメダル移動面16aは、側板16bにより中段メダル載置台13に固定されている。これにより、中段メダル載置台13を図中矢印Aの方向に往復移動させる載置台移動手段は、メダルジャンプ台16をメダルチャッカー17に対して相対的に移動させる。よって、メダル移動面16aは、中段メダル載置台13とともに往復移動することにより、メダルチャッカー17に対して水平方向に相対的に往復移動する。
前記メダルチャッカー17は、ステーション10に設けられた2つのメダル投入器11に対応するように、水平方向中央を境にして、それぞれ7個のメダル通過口17aが形成されている。図2中左側に位置するメダル投入器11には、メダルチャッカー17の図中左側に位置する7個のメダル通過口17aが対応している。前記メダルチャッカー17は、図示しないチャッカー駆動手段により、メダルジャンプ台16の移動方向に直交する方向であって水平方向に往復移動するように構成されている。また、メダルチャッカー17の背面には、メダル通過口17aを通過したメダルMを検出する図示しないメダル検出センサが設けられている。このメダル検出センサは、メダルチャッカー17の水平方向両端部にそれぞれ対向するように配置されたフォトセンサであり、発光部と受光部の間の光路がメダル通過口17aを通過したメダルMにより遮られると、検出信号を出力する。メダル検出センサの検出信号は、ステーション内部のステーション制御部に送られる。
また、プレイフィールド2内には、スロット装置20が設けられている。このスロット装置20は、液晶ディスプレイで構成され、その液晶画面には、3つのリール画像が表示される。スロット装置20は、ステーション内部のステーション制御部により表示制御がなされる。
図3は、各ステーション10に設けられるステーション制御部30を示す制御ブロック図である。
各ステーション制御部30は、ゲーム進行制御手段としてのステーション制御装置31と、ステーション制御装置31の制御の下でスロット装置20の表示制御を行う表示制御装置32と、ステーション制御装置31が実行する各種プログラムや各種データを格納するROM33と、ステーション制御装置31が実行するプログラムで用いる各種データを一時的に記憶するRAM34とを備える。また、ステーション制御装置31は、メダルチャッカー17のメダル通過口17aを通過したメダルMを検出するメダル検出センサ19b、メダル投入器11に投入されたメダルMの通過を検知する投入枚数検知センサ11dにも接続されている。
プレイヤーによりメダル投入器11にメダルMが投入されると、投入枚数検知センサ11dから検出信号がステーション制御装置31に出力される。この検出信号を受け取ったステーション制御装置31は、後述するメイン制御部にメダル投入信号を出力する。また、メダルMがメダル通過口17aを通過すると、メダル検出センサ19bから検出信号がステーション制御装置31に出力される。この検出信号を受け取ったステーション制御装置31は、ROM33に格納されている抽選プログラムを実行する。抽選プログラムを実行するステーション制御装置31は、抽選用の乱数を生成し、生成される抽選用乱数とそれぞれの賞との対応関係が記述された抽選テーブルに照らして、生成した抽選用乱数に基づいていずれかの賞に当選するかを決定する。抽選結果として、いずれの賞にも当選せずハズレとなることもある。そして、ステーション制御装置31は、抽選結果に対応させた画像表示命令を表示制御装置32に出力する。
前記画像表示命令を受け取った表示制御装置32は、3つのリールが回転する画像をスロット装置20の画面に表示させ、最終的に3つのリールを停止させた画像を表示させる。このとき、抽選によりいずれかの賞に当選した場合には、その当選した賞に対応した画像表示命令に基づいて、最終的に当該賞に対応した図柄の組み合わせが入賞ライン上に揃うように停止表示させる。また、抽選によりハズレとなった場合には、ハズレに対応した画像表示命令に基づいて、最終的にいずれの賞にも対応しない図柄の組み合わせを入賞ライン上に揃うように停止表示させる。これにより、プレイヤーは、スロット装置20の画面を見て、メダルMがメダル通過口17aを通過したことを契機に行われた抽選の抽選結果を知ることができる。
ステーション制御装置31は、抽選によりいずれかの賞に当選した場合には、プレイヤーに対して、その当選した賞に応じた特典を付与する。
例えば、抽選により所定のメダル枚数を払い出す賞が当選した場合、ステーション制御装置31は、メダル払出命令をメダル払出装置21へ出力する。このメダル払出装置21は、図2に示すように、本プッシャーゲーム機1の内部に設置された多数のメダルを貯留するメダル貯留部と、そのメダル貯留部に貯留されたメダルを払い出すメダルホッパ部と、メダルホッパ部から払い出されたメダルをプレイフィールド2内に案内するメダル通路部22とを備えている。メダル払出命令を受けたメダル払出装置21は、メダルホッパ部を制御して、そのメダル払出命令に応じた枚数のメダル排出動作を実行する。メダルホッパ部により払い出されたメダルMは、メダル通路部22を通ってメダル払出口22aから排出される。メダル払出口22aから排出されたメダルMは、中段メダル載置台13の上面板13a上に落下し、これにより所定枚数のメダルがプレイフィールド2内に払い出される。このように本実施形態では、抽選によりいずれかの賞に当選しても、プレイヤーに直接メダルが払い出されるのではなく、当選した賞に応じた枚数のメダルMがプレイフィールド2内に払い出される。よって、そのメダルMをプレイヤーが獲得するためには、下段メダル載置台14の図中手前側にあるメダル落下溝15に落とさなければならない。なお、メダル払出装置21で払い出された多数のメダルMは、中段メダル載置台13、下段メダル載置台14になだれ込むので、中段メダル載置台13上及び下段メダル載置台14上に堆積していたメダルMが押し出され、最終的には、プレイヤーに多数枚のメダルが払い出されることになる。
また、例えば、抽選によりボールを払い出す賞が当選した場合、ステーション制御装置31は、ボール供給命令をボール供給装置23に出力する。これにより、プレイフィールド2内の下段メダル載置台14上に球状の抽選用移動物体としてのボールBが供給される。ボール供給装置23は、図2に示すように、本プッシャーゲーム機1の内部に配置された図示しないボール貯留部と、図示しないボール供給制御部と、そのボール貯留部から第1搬送レール23aを通って供給されるボールBを一時的に保持するボール保持部23bと、そのボール保持部23bに保持されたボールBを下段メダル載置台14上に搬送するための第2搬送レール23cと、そのボール保持部23bに保持されたボールBをメダル落下溝15に搬送するための第3搬送レール23dとを備えている。ステーション制御装置31からのボール供給命令がボール供給装置23のボール供給制御部に受け取られると、そのボール供給制御部は、そのボール供給命令に応じて各部を制御する。
このようにして供給されるボールBは、下段メダル載置台14上に堆積したメダルMの上に乗った状態でプレイフィールド内に存在することになる。そして、そのメダルMの移動とともにメダル落下溝15に向けて移動する。ここで、下段メダル載置台14に設けられたストッパ部14aの中央部分には、メダルMが落下しやすいように切欠部14bが形成されている。また、下段メダル載置台14の上方には、2つのボールガイド24が設けられており、下段メダル載置台14上のボールBのみを中央側に寄せるような構成となっている。よって、下段メダル載置台14上のボールBは、メダル落下溝15に向かうにつれて、ボールガイド24により中央側に寄せられ、落下しやすくなっているストッパ部14aの切欠部14bを介してメダル落下溝15に落下する。
このようにしてボールBがメダル落下溝15に落下すると、そのメダル落下溝15内に設けられたメダルMとボールBとを仕分けしてボールBのみを回収するボール回収レール25により受け取られ、ボール搬送機構を通じて、ステーション抽選装置70に送られる。このステーション抽選装置70で行われるボールBを用いた物理抽選で当選すると、中央抽選装置40を用いた抽選が行われる。
図4は、中央抽選装置40に設けられたメイン制御部のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
メイン制御部は、メイン制御装置41と、メイン制御装置41が実行する各種プログラムや各種データを格納する記憶装置42と、メイン制御装置41の制御の下でメインディスプレイ47A,47Bの表示制御を行う表示制御装置43とを備えている。また、メイン制御部は、6つのメダルホッパ装置50A,50B,50C,50D,50E,50Fのロータ駆動モータ52に対してオン(駆動)、オフ(停止)の駆動信号を出力する出力ポート44と、各メダルホッパ装置のロータ回転位置センサ53から出力される検知信号を入力する入力ポート45と、各メダルホッパ装置のカウントセンサ55から出力される検知信号を入力する入力ポート46とをそれぞれのメダルホッパ装置に対応して備えている。
ここで、メダルホッパ装置50A,50B,50C,50D,50E,50Fの構成について説明しておく。なお、6つのメダルホッパ装置50A,50B,50C,50D,50E,50Fはいずれも同じ構成である。
図5は、メダルホッパ装置の外観斜視図である。
図6は、メダルホッパ装置に設けられたロータ51の外観を示す説明図である。
メダルホッパ装置50は、回転体であるロータ51を備えた本体部50aと、本体部50aの上部に取り付けられ、多量のメダルを収容するメダル貯留部50bとから構成されている。本体部50aの下部には、ロータ51を回転駆動させるためのロータ駆動モータ52が取り付けられている。このロータ駆動モータ52のモータ軸には図示しないモータギヤが固定されており、このモータギヤはロータ51の回転軸52aに固定されたロータギヤに噛み合っている。これにより、ロータ駆動モータ52のモータ軸が回転することにより、ロータ51が回転するようになっている。ロータ51は、メダル貯留部50bの底面を構成しており、メダル貯留部50b内のメダルは自重によりロータ51の円形開口51aに順次入り込む。
図7は、メダルホッパ装置のロータ51の構成を示す部分破断図である。
ロータ51には、メダルMよりも少し大きい径からなる円形開口51aが形成された回転板が設けられている。この円形開口51aは、ロータ51の円周方向に同一ピッチで5個設けられているが、この個数はロータ51の大きさに応じて適宜増減してもよい。回転板と固定配置されたロータ底板51bとの間には、メダル送出ガイド板51cが設けられている。このメダル送出ガイド板51cは、金属製で爪車状に形成されており、ロータ51の円形開口51aに対応した数の5個のガイド爪を備えている。メダル送出ガイド板51cは、回転板に固定されていて、回転板とともに回転する。メダル送出ガイド板51cのガイド爪は、その内側面がメダル保持ガイド面となり、その外側面がメダル送出ガイド面となる。メダル保持ガイド面は、ロータ51の円形開口51aに沿う円弧状に形成されている。メダル送出ガイド面は、メダル保持ガイド面の内側端部に連続し、隣接するガイド爪のメダル保持ガイド面の外側端部に鋭角に接するように、外側に膨らんだ円弧状に形成されている。この構成により、円形開口51aを通ってロータ底板51bに支持されたメダルMは、メダル送出ガイド板51cのメダル保持ガイド面で保持され、メダル送出ガイド板51cの回転により、メダル送出ガイド面により、ロータ51の中心軸から離れる方向(以下「径方向」という。)に送り出される。
ロータ底板51b上には、メダル送出ガイド板51cの周囲を取り囲むように、メダルMよりも僅かに厚い外側ガイド板51dが設けられている。外側ガイド板51dの内周面は、メダル送出ガイド板51cを取り囲んでおり、メダル送出ガイド板51cのメダル送出ガイド面により径方向外側に押されるメダルMを抑える。これにより、ロータ51の回転中でも、メダル送出ガイド板51cのガイド爪の内部にメダルが保持される。また、外側ガイド板51dにおけるメダル排出位置の部分にメダル排出開口51eが形成されている。このメダル排出開口51eの付近には、固定ローラ51f及び可動ローラ51gが設けられている。固定ローラ51fは、ロータ底板51b上に回動自在に取り付けられている。可動ローラ51gは、周面にゴム等の弾性体が取り付けられており、図7に示すようにメダル排出開口51eからメダルMが排出されるのを阻止する閉口位置に位置する方向へ付勢されている。
メダル送出ガイド板51cの回転によりメダル排出位置まで搬送されてきたメダルMは、外側ガイド板51dの内周面による抑えが無くなって、メダル送出ガイド板51cのメダル送出ガイド面によりメダル排出開口51e側へ押し出される。これにより、閉口位置にある可動ローラ51gにメダルMが当接して、可動ローラ51gが開口位置に向けて変位する。そして、そのメダルMが可動ローラ51gを乗り越えると、可動ローラ51gの付勢力により可動ローラ51gが閉口位置へ復元する力がメダルMを排出方向へ押し出し、メダルMは勢いよく排出口側へ飛ばされる。これにより、メダルMは、メダルホッパ装置50の外部へ排出される。
また、メダルホッパ装置50には、図7に示すように、メダル排出開口51eを通過するメダルMを検出する第2の検知手段としてのカウントセンサ55が設けられている。このカウントセンサ55は、可動ローラ51gが開口位置に変位したことを検知するメカニカルスイッチで構成されている。可動ローラ51gが開口位置に変位する度に検出信号であるパルス信号を発生して、このパルス信号をメイン制御部の入力ポート46へ出力する。
また、メダルホッパ装置50には、ロータ51の回転位置、すなわち、メダル送出ガイド板51cの回転位置を検知するための検知手段が設けられている。本実施形態における検知手段は、ロータ51の回転軸52aに固定された回転検知板54と、その回転検知板54に形成された検知窓54aの通過を検知するロータ回転位置センサ53とから構成されている。本実施形態において、回転検知板54の検知窓54aは、図8に示すように、円形開口51aに対向する箇所にそれぞれ1つずつ設けられている。回転検知板54の検知窓54aがロータ回転位置センサ53の検知領域を通過する度に、検出信号であるパルス信号を発生して、このパルス信号をメイン制御部の出力ポート45へ出力する。すなわち、ロータ回転位置センサ53は、ロータ51に設けられた5個の円形開口51aの位置を検出するものであり、ロータ51が1回転する間に5個のパルス信号を発生する。つまり、ロータ回転位置センサ53が1回検出されるごとに1枚のメダルMを排出したとみなす信号を出力する。
次に、中央抽選装置40で行われる抽選について説明する。
図9は、中央抽選装置40で行われる抽選の流れを示すフローチャートである。
各ステーション10のステーション抽選装置70での物理抽選によりボールBが入賞孔に入球すると(S1)、ステーション制御装置31から抽選開始要求がメイン制御部に送られ、中央抽選装置40において抽選が開始される。この抽選では、まず、メイン制御装置41は、筐体回転駆動装置48を制御して、抽選開始要求の送信元のステーション10に対して中央抽選装置40の正面が向くように、中央抽選装置40の全体を回転させる(S2)。
また、抽選開始要求を受け取ったメイン制御装置41は、抽選プログラムを実行し、抽選用の乱数を生成して、生成される抽選用乱数とそれぞれの賞との対応関係が記述された抽選テーブルに照らして、生成した抽選用乱数に基づいていずれの賞に当選するかを決定する抽選を行う(S3)。この抽選においては、いずれの賞も当選せずにハズレが決定されることはないが、ハズレが決定されるようにしてもよい。そして、メイン制御装置41は、その抽選結果に基づいて、表示制御装置43に画像表示命令を出力する。このとき、中央抽選装置40に設けられた2つのメインディスプレイ47A,47Bは、左右に隣り合って1つの表示手段として機能している。よって、前記画像表示命令を受け取った表示制御装置43は、この2つのメインディスプレイ47A,47Bからなる1つの表示手段に1つのリールが回転する画像を表示させ、最終的にリールの停止画像を表示させるという抽選演出処理を行う(S4)。この停止画像は、画像表示命令に基づき、最終的にその当選した賞に係る図柄の組み合わせを入賞ライン上に揃うように停止表示させたものである。これにより、プレイヤーは、2つのメインディスプレイ47A,47Bの画面を見て、抽選の結果を知ることができる。
本実施形態の抽選では、メダルの払い出し枚数が互いに異なる複数の賞が用意されている。そして、最も払い出し枚数が多い大当たり賞を除く賞に当選したときは(S5のNo)、各ステーション10のメダル払出装置21を用いてメダルの払い出しを行う通常払出処理を行う(S6)。詳しくは、メイン制御装置41から当選に係るステーションのステーション制御装置31へメダル払出命令を出力する。この命令を受けたステーション制御装置31は、メダル払出装置21へメダル払出命令を出力する。これにより、そのメダル払出命令に係る枚数のメダルMが、そのステーション10のプレイフィールド2内に払い出される。
一方、最も払い出し枚数が多い大当たり賞に当選したときは(S5のYes)、中央抽選装置40に設けられたゲーム用媒体払出装置としてのメダル払出演出装置を用いてメダルの払い出しを行う特別払出処理を行う(S7)。
以下、本発明の特徴部分である特別払出処理について説明する。
図10は、中央抽選装置40に設けられたメダル払出演出装置60の概略構成を示す説明図である。
抽選において大当たりが発生すると、図10に示すように、所定の当選演出の後に中央抽選装置40の2つのメインディスプレイ47A,47Bが左右に離れて、その裏側に配置されていたメダル払出演出装置60が外部に露出する。このメダル払出演出装置60の上部には、排出装置としての6個のメダルホッパ装置50A,50B,50C,50D,50E,50Fが互いに隣り合うように横方向(図中左右方向)に直線上に等間隔に並んで配置されている。さらに各メダルホッパ装置50A,50B,50C,50D,50E,50Fは、いずれもそのメダル排出口56が前面側(図中手前側)へ向くように設置されている。
各メダルホッパ装置の上方にはメダル補給機構61が設けられている。このメダル補給機構61は、メダル受入口から供給されるメダルを横方向へ搬送する搬送ベルト61aと、搬送ベルト61a上のメダルを前面側へ押し出す2つのフラッパー61b,61cと、フラッパー61b,61cにより押し出されたメダルを各メダルホッパ装置50A,50B,50C,50D,50E,50Fのメダル貯留部50bへ案内する案内傾斜面61dとから構成されている。図中右側に位置する第1フラッパー61bは、図中右側に位置する3つのメダルホッパ装置50D,50E,50Fへメダルを補給するときに駆動し、図中左側に位置する第2フラッパー61cは、図中左側に位置する3つのメダルホッパ装置50A,50B,50Cへメダルを補給するときに駆動する。
また、各メダルホッパ装置の下方は、メダルMにより画像を表現するためのディスプレイ空間となる。このディスプレイ空間は、ユーザーから視認可能な状態になっている。各メダルホッパ装置50A,50B,50C,50D,50E,50Fのメダル排出口56から排出されるメダルMは略水平方向へ進行するが、そのメダル排出口56の出口側に設けられたガイド板57の下面によってその進行方向が略鉛直方向下側へ向くように案内される。図10に示すように、ガイド板57によって案内されて排出されたメダルMは、それぞれディスプレイ空間内を自重により落下する方向に沿って真っ直ぐ移動する。自重により落下したメダルMは、下方にて傾斜面62により誘導されてディスプレイ空間の下方に配置されたメダル回収箱63内に回収される。このメダル回収箱63は、中央抽選装置40が正面を向いているステーション10のメダル払出装置21のメダル通路部22に連通している。よって、メダル回収箱63内に回収されたメダルMは、メダル通路部22を通ってメダル払出口22aから排出される。メダル払出口22aから排出されたメダルMは、中段メダル載置台13の上面板13a上に落下し、これにより所定枚数のメダルがプレイフィールド2内に払い出される。
本実施形態では、このようなメダル払出演出装置60を用いてディスプレイ空間内にメダルMにより画像を表現する演出を行いつつ、プレイヤーに対してメダルを払い出す特別払出処理を行う。
以下の説明では、「WIN」という文字画像を、1文字ずつ順次ディスプレイ空間内でメダルMにより表現する演出を行う場合を例に挙げて説明する。
図11(a)は、ディスプレイ空間内にメダルMにより1文字ずつ表現される文字画像「WIN」の概念図である。
図11(b)は、この文字画像を表現するために、各メダルホッパ装置50A,50B,50C,50D,50E,50Fからメダルを排出するタイミングを示す排出データの概念図である。
図11(c)は、排出データのデータ構造を示す説明図である。
図11(a)〜(c)において、符号A〜Fで示す列はそれぞれメダルホッパ装置50A,50B,50C,50D,50E,50Fに対応しており、ラインL1〜L21は各メダルホッパ装置からのメダル排出順序を示している。図中黒丸は、図11(a)においては排出されたメダルを示し、図11(b)においてはメダルを排出することを示している。本実施形態では、ラインL1〜L6で「W」という文字画像を表現し、ラインL8〜L14で「I」という文字画像を表現し、ラインL16〜L21で「N」という文字画像を表現する。なお、ラインL7及びL15は各文字画像を区切るスペースを確保するためのものである。また、1文字に要するライン数は本実施形態では6ラインとしているが、適宜変更可能である。
メイン制御部の記憶装置42には、6個のメダルホッパ装置50A,50B,50C,50D,50E,50Fにより排出される複数のメダルMによってディスプレイ空間に「WIN」という画像を表現するための各メダルホッパ装置によるメダル排出タイミングを決定する排出データが記憶されている。この排出データは、21個のラインデータL1〜L21で構成され、一ラインデータは1ビットが各メダルホッパ装置にそれぞれ対応した6ビットのデータを含む1バイトのデータである。本実施形態において、1桁目〜6桁目の各ビットは、それぞれメダルホッパ装置50Fからメダルホッパ装置50Aまでのそれぞれに対応しており、メダルを排出させる場合には対応するビットを「1」にセットし、メダルを排出させない場合には対応するビットを「0」にセットする。本実施形態では、このように1バイトのデータのうち下位6ビットのみを使用し、残り上位2ビットは未使用である。この未使用ビットは「0」でも「1」でもよく、また他の用途に使用してもよい。以下では下位6ビットについて説明をしている。
図12〜13は、特別払出処理の流れを示すフローチャートである。
特別払出処理を行う場合、メイン制御部のメイン制御装置41は、記憶装置42に記憶された文字画像パターンデータを参照して、最初のラインデータL1を読み出してラインデータD1として記憶する(S11)。そして、次のラインデータL2を読み出してラインデータD2として記憶する(S12)。そして、最初に読み出した方のラインデータD1の各ビットデータに応じて、各メダルホッパ装置50A,50B,50C,50D,50E,50Fのそれぞれ対応する各ロータ回転フラグをセットする(S13)。当該処理は、読み出した方のラインデータD1をそのままロータ回転フラグを構成する1バイトデータとしてセットする。つまり、各ロータ回転フラグを構成する1バイトデータの1桁目〜6桁目の各ビットがそれぞれメダルホッパ装置50Fからメダルホッパ装置50Aまでに対応したフラグとなる。各ロータ回転フラグは、ロータ51が回転している場合には「1」を示し、ロータ51が停止している場合には「0」を示すようにセットされ、1ライン分のメダル払い出し処理が終了したとき各ロータ回転フラグは一旦クリアされる。ラインデータD1の各ビットデータに応じて、各メダルホッパ装置50A,50B,50C,50D,50E,50Fに対応するロータ駆動モータ52を、ビットデータが「1」であればオン(駆動)、ビットデータが「0」であればオフ(停止)とする(S14)。当該処理により、ロータ駆動モータ52を駆動したメダルホッパ装置のロータ51が一斉に回転し始める。次に、1ラインの表示に係る時間として75msecが規定されており、その75msecに相当するタイマカウント値をセットする(S15)。この1ラインの表示にかかる時間は、ロータ51を回転駆動させたまま連続してメダルMを排出するときのメダルの排出時間の間隔と一致させている。また、タイマとは、例えば1msec毎に発生する割り込み信号に基づいて行われる割り込み処理によって時間の経過を計時する機能である。この割り込み処理で、タイマカウント値が「0」を示すまで割り込み毎に1ずつ減算され、タイマカウント値を参照することで、最初にセットされた時間が経過したか否かを判定することができるものである。
次に、メイン制御装置41は、読み出したラインデータD1の各ビットデータの全てが「0」であるかを判定し(S16)、いずれかのビットデータが「1」を示す場合には、次のステップS17に進み1ライン分のメダル排出確認処理をする。一方、ビットデータの全てが「0」を示す場合には、タイマにて1ライン分の表示に係る時間(75msec)が経過するまでウェイトするためステップS19へ進む。ビットデータの全てが「0」を示す場合とは、ラインL7やL15のように文字画像を区切るスペースとして設けられたスペースラインのときである。
次に、1ライン分のメダル排出確認処理を行う(S17)。当該処理の詳細は後述する。そして、各ロータ回転フラグが全て「0」を示し、ステップS14の処理にてロータ駆動モータ52を駆動させたメダルホッパ装置のうち、次のラインデータD2を参照して、この1ラインでもってロータ駆動モータ52を停止させるメダルホッパ装置に対応したロータ回転フラグが全て「0」を示しているかを判定する(S18)。当該処理では、ロータ駆動モータ52が1ライン分のモータ回転が終了したかを判定する。当該判定においてロータ駆動モータ52を停止させるメダルホッパ装置に対応したロータ回転フラグのいずれかが「1」を示す場合には、ロータ駆動モータ52が1ライン分のモータ回転が終了していないことを示すのでステップS19へ進む。
メイン制御装置41は、ステップS16でビットデータの全てが「0」を示す場合と、ステップS18で停止させるメダルホッパ装置に対応したロータ回転フラグが全て「0」を示さないと判断した場合に、タイマカウント値を参照して1ライン分の表示に係る時間(75msec)が経過したかを判定する(S19)。当該処理では、メダルホッパ装置内でメダル詰まり等が発生してロータ駆動モータ52の回転がロックしたことにより、正しくロータ回転位置センサ53から出力される検知信号を確認できない場合を想定している。ロータ駆動モータ52がロックした場合であっても、タイマ処理にて1ライン分の表示に係る時間(75msec)が経過したことを判定することで、1ライン分の処理を強制終了して、次ラインの処理に進めることができる。当該処理により、仮に各メダルホッパ装置のいずれかが途中でメダル詰まりが発生し、当該メダルホッパ装置がその後の処理が継続できなくなったときでも、他のメダルホッパ装置では処理を継続することが可能となる。また、メダル詰まりが発生したメダルホッパ装置がその後に自己復帰した場合には、他のメダルホッパ装置とタイミングを合わせて継続して処理することが可能となる。このように各ロータ回転フラグが全て「0」を示さない場合でも、タイマカウント値が「0」を示したときには、1ライン分の処理を強制終了して、次ラインの処理に進めるようにしている。一方、タイマカウント値が「0」を示さない場合には、ステップS16に戻る。例えば、ラインL7やL15のようなスペースラインの処理の場合には、ステップS16とステップ18との処理をタイマカウント値が「0」を示すまで繰り返される。また、スペースライン以外のラインでは、メダル詰まりが発生せずに正常に動作している場合には、ステップS16からステップ18までの処理をロータ回転フラグが全て「0」を示すまで繰り返される。
メイン制御装置41は、全てのラインの処理が完了するまで、ステップS11〜19の処理を繰り返す(S20)。
次にステップS17で行う1ライン分のメダル排出確認処理を、図13を用いて説明する。当該処理ではラインデータD1の各ビットデータに対応させてロータ駆動モータ52を駆動させたメダルホッパ装置に対して、次ラインのラインデータD2の各ビットデータを参照して、ロータ駆動モータ52を停止させるのか、駆動させたまま継続させるのかを判断する。その後、ロータ駆動モータ52を停止させるメダルホッパ装置に対して、適正なタイミングでロータ駆動モータ52を停止させる。
メイン制御装置41は、各メダルホッパ装置に対して順次以下の処理を行うため、まず6個のメダルホッパ装置50A,50B,50C,50D,50E,50Fのうちの1つを指定する(S17a)。本実施形態では、メダルホッパ装置50Aから順にメダルホッパ装置50Fまで順次指定していくが、指定の順序はどのような順序でもよい。次に、指定したメダルホッパ装置に対応するロータ回転フラグを参照し、「1」がセットされていてロータ駆動モータ52が駆動中であるかを判定する(S17b)。次に、ステップS17bにて、ロータ駆動モータ52が駆動中であると判定された場合、指定したメダルホッパ装置に設けられたロータ回転位置センサ53から出力される検知信号を確認し、検知信号がオンからオフに切り替わったか否かを判定する(S17c)。本実施形態では、検知信号がオンからオフに切り替わったタイミングで、メダルMが1枚排出されたとみなしてロータ駆動モータ52を停止させる。なお、検知信号がオフからオンに切り替わったタイミングを採用してもよい。各メダルホッパ装置が、それぞれのロータ回転位置センサ53から出力される検知信号の変化のタイミングに基づいてロータ駆動モータ52を停止させることが重要となる。
メイン制御装置41は、ステップS17cにて検知信号がオンからオフに切り替わったと判定された場合、指定したメダルホッパ装置のロータ回転フラグを「0」にクリアする(S17d)。次に、次のラインデータD2における指定したメダルホッパ装置に対応するビットデータを参照して、ロータ駆動モータ52を駆動させたまま継続させるのか、停止させるのかの判定を行う(S17e)。当該ビットデータが「0」を示すとき、指定したメダルホッパ装置のロータ駆動モータ52を停止させる(S17f)。最後に、全てのメダルホッパ装置に対して前記ステップS17a〜S17fまでの処理をしたかを判定し(S17g)、全てのメダルホッパ装置に対する処理が終了するまで繰り返す。
このように、本実施形態では、ロータ回転位置センサ53から出力される検知信号に基づいてメダルMが排出されたとみなしているため、実際にメダルMが排出されたことを保障するものではない。例えば、メダルホッパ装置のロータ51における円形開口51aにメダルMがうまく入り込まないと、ロータ回転位置センサ53から出力される検知信号が、オンからオフに切り替わってもメダルMが排出されないことも有りえる。
メイン制御部の記憶装置42には、所定数のラインデータで構成された文字画像パターンデータ(排出データ)が記憶されており、その文字画像パターンデータに従って、全てのメダルMを排出すると大当たり賞に対応したメダル枚数が払い出されることになる。ところが上述したようにメダルの排出の途中で特定のメダルホッパ装置でメダル詰まりが発生して、残りのメダルホッパ装置のみで排出を行った場合には、メダルMにより画像を表現する演出によって排出されるメダル枚数が、大当たり賞に対応したメダル枚数より不足する場合がある。また、上述したように円形開口51aにメダルMがうまく入り込まないと、予定どおりにメダルMが排出されないことがあり、予定していたメダル枚数より不足する場合がある。
そこで、本実施形態においては、メダルMにより画像を表現する演出によって実際に排出されたメダル枚数を計数し、払い出すべき予定払出枚数が不足していると判定した場合には、メダルMにより画像を表現する演出が終了した後に、引き続き各メダルホッパ装置50A,50B,50C,50D,50E,50Fの全部又は一部を使用して、不足分のメダルの排出をカウントセンサ55の検出を確認しながら補充払出制御を行ったあとに特別払出処理を終了させる。
具体的には、メイン制御装置41は、まず特別払出処理を開始する際に大当たり賞の当選に応じたメダル払出枚数である払い出すべき予定払出枚数をメダルカウント値としてセットする。そして、各メダルホッパ装置50A,50B,50C,50D,50E,50Fから実際に排出されたメダル枚数を計数するために、上述した1msec毎に発生する割り込み処理で計数する。割り込み処理では、各メダルホッパ装置のカウントセンサ55の検出信号を順次確認し、メダルMを検知したと判断した場合に、メダルカウント値を減算する処理を行う。
このように、ロータ回転位置センサ53の検知タイミングに基づいて、全てのメダルホッパ装置50A,50B,50C,50D,50E,50Fのロータ駆動モータ52を停止させるようにしたので、各メダルホッパ装置におけるロータ51の回転停止位置のバラツキを抑えることができる。その結果、次に排出されるロータ51の円形開口51aに保持されたメダルMとメダル排出口56との相対位置関係が、全てのメダルホッパ装置50A,50B,50C,50D,50E,50Fでほぼ同様のものとなる。これにより、次にロータ駆動モータ52を駆動させた場合に、オンさせた時からメダルMが排出されるまでの時間が、全てのメダルホッパ装置50A,50B,50C,50D,50E,50Fでほぼ同様のものとなり、各メダルホッパ装置50A,50B,50C,50D,50E,50F間におけるメダル排出タイミングのズレが低減される。
ところで、プッシャーゲーム機1を初めて動作させる場合は、各メダルホッパ装置におけるロータ51の回転停止位置がバラバラになっている可能がある。また、上述した補充払出制御を行った場合には、カウントセンサ55の検知タイミングに基づいてロータ駆動モータ52を停止させるので、当該処理を終了した後では、各メダルホッパ装置におけるロータ51の回転停止位置がバラバラになっている可能がある。そこで、本実施形態では、文字画像パターンデータの先頭の1ライン又は複数ラインに亘って、全てのメダルホッパ装置50A,50B,50C,50D,50E,50FからメダルMを一斉に排出させる同期合わせ用としての同期データを含ませている。具体的には、各ビットデータの全てが「1」であるラインデータを1ライン分又は複数ライン分含ませている。そして、この同期データの後にスペースラインを複数ライン分含ませることで、同期データに対応してメダルMを排出した後では、各メダルホッパ装置におけるロータ51の回転停止位置を合わせることができる。すなわち、メダルホッパ装置におけるロータ51の回転停止位置がバラバラになっている状態で同期データに対応してメダルMを排出した場合には、最初は、各メダルホッパ装置50A,50B,50C,50D,50E,50Fから排出されたメダルMの鉛直方向位置がズレてしまうが、同期データ以降の文字画像に対応したメダルMが排出されるときには、各メダルホッパ装置50A,50B,50C,50D,50E,50Fから排出された各々のメダルMの鉛直方向位置が揃って排出される。
以上、本実施形態によれば、ゲーム用媒体としての有体物であるメダルMをディスプレイ空間内で自重で移動する方向へ移動させることにより、それらのメダルMによってディスプレイ空間に「WIN」という文字画像を表現するという斬新な演出を実現することができる。
ディスプレイ空間に表現する画像は、表現可能なものであればどのような画像でもよく、文字画像以外にも、例えば、本プッシャーゲーム機1の製造業者やこれが設置されるゲーム施設のロゴマークや、本プッシャーゲーム機1で用いられるキャラクタの絵柄などの画像であってもよい。
また、本実施形態では、ディスプレイ空間内に1文字ずつ文字画像を表現する場合について説明したが、例えば横並びの複数文字の画像をディスプレイ空間内に表現するようにしてもよい。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下の変形が可能である。また、以下に示す2以上の変形を適宜組み合わせることもできる。
(1)変形例1
前記実施形態では、ロータ回転位置センサ53の検知信号を用いてメダルMの排出タイミングの同期処理を行ったが、ロータ回転位置センサ53の検知信号に替えてカウントセンサ55の検知信号を用いるようにしてもよい。しかしながら、カウントセンサ55は、もともとメダルの排出タイミングを制御するために設けられているものではないので、ロータ駆動モータ52を駆動してロータ51を回転始動する時点において、次に排出されるメダルMの回転位置とメダル排出口56との相対位置関係が一定しないためにメダル排出タイミングの精度は劣る。しかし、一般的なメダルホッパ装置に標準装備されているカウントセンサ55を利用して同期処理を行うことができるので、非常に安価な構成となる。例えば、メダルMにより画像を表現する演出において、文字ではなく模様のような画像を表現する場合には、精度のよいタイミングを必要としないので好適である。具体的な処理としては、特別払出処理のフローチャートにおけるステップS17cにて、ロータ回転位置センサ53から出力される検知信号を確認する処理に替えて、カウントセンサ55から出力される検知信号を確認する処理をすればよい。
(2)変形例2
前記実施形態で画像を表現するために用いるゲーム用媒体としてのメダルMは、銀色であり、傾斜面62の色とのコントラストによってはプレイヤーに視認されにくく、その結果、画像の認知性が十分に得られないおそれがある。そこで、各文字画像をディスプレイ空間に表現させる前に、その画像と同じ内容の画像を、そのディスプレイ空間に近接配置された画像表示手段としてのメインディスプレイ47A,47Bに表示させるようにしてもよい。具体的には、メイン制御装置41は、記憶装置42から第1番目のラインデータL1を読み出す前に、表示制御装置43に「W」の文字画像を表示させるための画像表示命令を出力する。この画像表示命令を受け取った表示制御装置43は、2つのメインディスプレイ47A,47Bに「W」の文字画像を一定時間表示させた後にその表示を消す表示制御を行う。一方、メイン制御装置41は、2つのメインディスプレイ47A,47Bから「W」の文字画像が消えた直後のタイミングで、第1番目のラインデータL1に対応するメダルの排出が行われるようにコントロールする。同様に、メイン制御装置41は、記憶装置42から第8番目のラインデータL8を読み出す前に、表示制御装置43に「I」の文字画像を表示させるための画像表示命令を出力する。この画像表示命令を受け取った表示制御装置43は、2つのメインディスプレイ47A,47Bに「I」の文字画像を一定時間表示させた後にその表示を消す表示制御を行う。そして、メイン制御装置41は、2つのメインディスプレイ47A,47Bから「I」の文字画像が消えた直後のタイミングで、第8番目のラインデータL8に対応するメダルの排出が行われるようにコントロールする。また、同様に、メイン制御装置41は、記憶装置42から第16番目のラインデータL16を読み出す前に、表示制御装置43に「N」の文字画像を表示させるための画像表示命令を出力する。この画像表示命令を受け取った表示制御装置43は、2つのメインディスプレイ47A,47Bに「N」の文字画像を一定時間表示させた後にその表示を消す表示制御を行う。そして、メイン制御装置41は、2つのメインディスプレイ47A,47Bから「N」の文字画像が消えた直後のタイミングで、第16番目のラインデータL16に対応するメダルの排出が行われるようにコントロールする。
このように、ディスプレイ空間にメダルMによる文字画像が出現する直前に、2つのメインディスプレイ47A,47Bにその文字画像と同じ文字の画像を表示して、これからディスプレイ空間に出現するメダルMによる文字画像を予告することで、メダルMによる文字画像のプレイヤーによる認知性が大きく向上する。
(3)変形例3
前記実施形態では、メダルMにより画像を表現する演出を、メダル払い出し時の演出として利用する場合について説明したが、メダル払い出しとは無関係な演出装置としても利用可能である。例えば、上述したメダル払出演出装置60は、ゲーム装置とは別体の状態でゲーム施設のフロアに設置して、来客者に対して何らかの文字や絵柄を見せるディスプレイ装置としても利用できる。この場合、例えば、メダルMにより「WELCOME」という文字画像を表現したり、そのゲーム施設のロゴマークの画像を表現したりする利用方法が考えられる。
(4)変形例4
前記実施形態では、平板状の有体物であるメダルを用いて画像を表現する場合を例示したが、ゲーム用媒体として用いられる有体物であれば、メダルに限らず、球体状物体であるパチンコ球や上述した抽選用移動物体としてのボールBなどを用いて画像を表現するようにしてもよい。
(5)変形例5
前記実施形態では、「WIN」という文字画像に対応した排出データが記憶装置42に記憶してある場合について説明したが、1文字ごとの排出データを記憶装置42に記憶しておき、表現する文字画像に必要な文字に対応する排出データを記憶装置42から順次読み出し、これらを組み合わせて利用するようにしてもよい。この場合、ディスプレイ空間に出現させる文字画像を容易に変更することができるという利点がある。
1 プッシャーゲーム機
2 プレイフィールド
10 ステーション
20 スロット装置
21 メダル払出装置
22 メダル通路部
40 中央抽選装置
41 メイン制御装置
42 記憶装置
43 表示制御装置
44 出力ポート
45 出力ポート
46 入力ポート
47A,47B メインディスプレイ
50A,50B,50C,50D,50E,50F メダルホッパ装置
51 ロータ
52 ロータ駆動モータ
53 ロータ回転位置センサ
54 回転検知板
55 カウントセンサ
57 ガイド板
60 メダル払出演出装置
61 メダル補給機構
62 傾斜面
63 メダル回収箱
特開2007−125128号公報

Claims (9)

  1. 複数個の平板状又は球状の有体物を貯留する容器と、前記容器に貯留された前記有体物を外部に排出する排出口と、駆動信号を受けて駆動し、前記排出口から前記有体物を1個単位で排出可能な駆動手段と、排出される前記有体物を直接的又は間接的に検知して検知信号を出力する検知手段とをそれぞれ有する複数の排出装置を備え、前記複数の排出装置のそれぞれから排出される複数の前記有体物によって所定の画像を表現させるディスプレイ装置と、
    前記複数の排出装置のそれぞれから排出された前記有体物の少なくとも一部をゲーム用媒体としてユーザーに払い出す払出手段と、
    ユーザーへ払い出すべき規定数の前記有体物を前記払出手段に払い出させる払出制御を行う払出制御手段とを備えたゲーム用媒体払出装置であって、
    前記複数の排出装置のそれぞれを、各排出口が直線上かつ等間隔になるように配置させ、
    前記表現させる所定の画像に基づいて、前記複数の排出装置のそれぞれの駆動手段の駆動のオン又はオフに対応した排出データを記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶されている排出データに従って、前記複数の排出装置のそれぞれの駆動手段に対して駆動信号を出力して駆動を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、それぞれの前記検知信号の検知タイミングに基づいて、前記複数の排出装置のそれぞれの駆動手段の駆動を制御することを特徴とするゲーム用媒体払出装置。
  2. 請求項1のゲーム用媒体払出装置において、
    前記制御手段は、それぞれの前記検知信号の検知タイミングに基づいて、前記複数の排出装置のそれぞれの駆動手段の駆動をオフさせることを特徴とするゲーム用媒体払出装置。
  3. 請求項1又は2のゲーム用媒体払出装置において、
    前記排出データは、前記表現させる前記所定の画像に対応させたデータの先頭に、前記複数の排出装置のそれぞれの駆動手段の駆動を同時にオン又は順次オンさせた後、同時にオフ又は順次オフさせる同期用データを含むことを特徴とするゲーム用媒体払出装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゲーム用媒体払出装置において、
    前記検知手段は、前記駆動手段により前記有体物を1個排出させるために要する駆動を検知して前記検知信号を出力することを特徴とするゲーム用媒体払出装置。
  5. 請求項4のゲーム用媒体払出装置において、
    前記排出口から排出される前記有体物を1個ごとに検知して前記検知信号を出力する第2の検知手段と、
    前記第2の検知手段により出力された検知信号に基づいて、前記排出データに従って前記複数の排出装置のそれぞれから排出された前記有体物の合計数を計数する計数手段とを備えることを特徴とするゲーム用媒体払出装置。
  6. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゲーム用媒体払出装置において、
    前記検知手段は、前記排出口から排出される前記有体物を1個ごとに検知して前記検知信号を出力するものであることを特徴とするゲーム用媒体払出装置。
  7. 請求項6のゲーム用媒体払出装置において、
    前記検知手段により出力された検知信号に基づいて、前記排出データに従って前記複数の排出装置のそれぞれから排出された前記有体物の合計数を計数する計数手段とを備えることを特徴とするゲーム用媒体払出装置
  8. 求項5又は7のゲーム用媒体払出装置において
    前記払出手段は、前記複数の排出装置のそれぞれから排出された前記有体物の全部を、ゲーム用媒体としてユーザーに払い出すものであり
    前記払出制御手段は、払出制御後に前記計数手段で計数された前記有体物の合計数が前記規定数より不足している場合に、不足分の前記有体物を排出させる補充払出制御を行うことを特徴とするゲーム用媒体払出装置。
  9. ゲームの進行制御を行う進行制御手段と、
    ゲーム用媒体を受け付ける媒体受付手段と、
    前記媒体受付手段がゲーム用媒体を受け付けることを条件に前記進行制御手段が進行制御したゲームの結果に基づき、所定数のゲーム用媒体を請求項1乃至8のいずれか1項に記載のゲーム用媒体払出装置を用いてユーザーへ払い出すための払出処理を行う払出処理手段とを有することを特徴とするゲーム装置。
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