JP4827352B2 - Il−18阻害剤の用途 - Google Patents

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Description

【0001】
[本発明の分野]
本発明は、腫瘍転移(tumor metastasis)および腫瘍転移の阻害に関する。さらに詳細には、本発明は、インターロイキン−18(IL−18)の産生および/または作用を阻害することによる、腫瘍転移の予防に関する。
【0002】
[本発明の背景]
循環する癌細胞の毛細血管内皮に対する接着は、転移発生における臨界段階である(1、2)。免疫グロブリンスーパーファミリーの1種である血管細胞接着分子−1(VCAM−1)は、造血細胞および活性化された白血球の、炎症前サイトカイン活性化内皮細胞(proinflammatory cytokine-activated endothelial cells)に対する接着を仲介する。しかしながら、VCAM−1の接着機能は、実験的な転移の広がりを増大するために、動物および人間の癌細胞により使用され得る(6)。
【0003】
たとえば、IL−1βおよびTNF−αは、内皮細胞によるVCAM−1のアップレギュレーションに関連する機構によって、肺組織におけるVLA−4発現メラノーマ細胞の転移を増大することが知られている(7〜9)。また、IL−1およびTNF−αは、正常マウスおよびリポ多糖処理マウス双方において、B16M細胞の肝転移増殖(hepatic colonization)に著しく寄与することも明らかにされてきた(7、8、10〜20)。さらに、マンノース受容体介在性肝洞様毛細血管内皮(HSE)細胞活性化は、自己分泌IL−1β介在性HSE細胞のVCAM−1の発現に関連し、B16M細胞の接着および転移の増強を導く(21)。また、IL−1βで活性化されるHSE細胞はVLA−4刺激因子を放出し、VLA−4刺激因子はB16M細胞のHSE細胞に対する接着を増大させることも知られている(11)。したがって、IL−1βは、HSE細胞由来のVCAM−1発現およびVLA−4刺激因子の放出を誘導し、洞様毛細血管内に拘束されたVLA−4発現癌細胞に対する転移前の微小環境(microenvironment)をつくる能力をHSE細胞に与えるのかもしれない。
【0004】
しかしながら、IL−1βおよびTNF−αの遮断は部分的な転移の途絶を導くにすぎず、それらの欠如を補うほかの因子または代替経路を介して作用するほかの因子のいずれかもまた関連していることを示している。さらに、転移する癌細胞およびその標的組織の多くは、これら炎症前サイトカインを産生することができない。そのうえ、エンドトキシンまたはマンノース受容体リガンドの濃度は、通常、炎症前サイトカイン放出を誘導するほど充分に増加しない。したがって、VCAM−1アップレギュレーションを誘導し、そして癌細胞の毛細血管通中のVCAM−1の関与を誘導する多数のメディエーターは、充分に調べられていない。
【0005】
IL−18(IFNγ誘導因子)は、タンパク質のIL−1ファミリーと構造的特徴を共有し(22)、かつIL−12と機能的特性を共有する(23)新規サイトカインである。クッパー細胞由来のIL−18産生は、エンドトキシン誘導性肝障害において、TNF−αおよびFASリガンドが介在する肝毒性経路双方を活性化することが報告されている(24)。より最近になって、IL−18はまた、CD3+/CD4+およびナチュラルキラー細胞由来のTNF−αの遺伝子発現と合成の直接的刺激ならびに引き続き起こるCD14+群由来のIL−1βおよびIL−8の産生による、炎症前特性を有することが明らかにされ、それにより、サイトカインの階層(hierarchy)におけるIL−18の予期せぬ重要な位置が明らかになった(25)。しかしながら、癌転移におけるIL−18の可能性のある役割は、今のところ解明されていない。
【0006】
インターロイキン18結合タンパク質(IL−18BP)は、IL−18ビーズでのクロマトグラフィーにより尿から精製され、配列決定され、クローン化され、COS7細胞にて発現された。IL−18BPはインビトロにおいて、IL−18のインターフェロン−γ(IFN−γ)、IL−8、およびNF−κBの活性化の誘導を途絶した。マウスへのIL−18BPの投与は、LPSに続くIFN−γの循環を途絶した。したがって、IL−18BPは早期Th1サイトカイン反応の阻害剤として機能する。IL−18BPは脾臓にて構成的に発現され、免疫グロブリンスーパーファミリーに属し、そしてIL−1II型受容体に限定的な相同性を有する。IL−18BP遺伝子はヒト染色体11q13に位置しており、8.3kbのゲノム配列には膜貫通ドメインをコードするエキソンはみられなかった。数種のポックスウイスルは、IL−18BPに高い相同性を有する推定タンパク質をコードしており、ウイルスの産物がIL−18の作用を減じて細胞毒性T細胞反応を妨げ得ることを示唆する(28および国際公開第99/09063号パンフレット)。国際公開第99/09063号パンフレットに詳細に記載されているように、IL−18BPおよびその突然変異タンパク質、融合タンパク質、機能的誘導体、活性断片もしくは環状変更誘導体(circularly permutated derivatives)ならびにそれらの混合物は、IL−18に結合することができ、および/またはIL−18の活性を調節することができ、および/またはIL−18の活性を遮ることができる。
【0007】
[本発明の要旨]
本発明は、腫瘍転移を阻害するための医薬の製造における、IL−18の産生および/または作用の阻害剤の用途を提供する。
【0008】
IL−18産生の阻害剤は、たとえばカスパーゼ−1の阻害剤である。
【0009】
IL−18作用の阻害剤は、IL−18に対する抗体、IL−18受容体サブユニットのいずれかに対する抗体、IL−18受容体シグナル伝達経路の阻害剤、IL−18と競合しIL−18受容体を遮るIL−18のアンタゴニスト、およびIL−18BP、IL−18に結合するその突然変異タンパク質、融合タンパク質、機能的誘導体、活性断片もしくは環状変更誘導体から選択される。
【0010】
好ましくは、使用される阻害剤はIL−18BP、またはIL−18BPと同じ活性を有するその突然変異タンパク質、融合タンパク質、機能的誘導体、活性断片もしくは環状変更誘導体である。
【0011】
腫瘍転移を阻害するための、IL−18の産生および/または作用の阻害のための医薬組成物もまた、本発明により提供される。
【0012】
腫瘍転移を阻害するために、IL−18の産生および/または作用を阻害するほかの方法は、IL−18BPなどのIL−18の産生および/または作用の阻害剤のコード配列を含む発現ベクターの体内への導入である。
【0013】
[本発明の詳細な説明]
インターロイキン(IL)−1βおよび腫瘍壊死因子−α(TNF−α)を含むいくつかの炎症前サイトカインは、内皮細胞に対する癌細胞の接着を促進し、それにより腫瘍の転移拡大を導く。それらの炎症前サイトカインは、おそらく血管細胞接着分子−1(VCAM−1)を誘導することにより、接着および転移を促進する。本発明は、B16メラノーマ(B16M)細胞培養物から調整した培地(CM)(B16M−CM)を用いる初代培養マウスHSE細胞の処理は、インビトロにて、B16M細胞とHSE細胞との間の接着を促進することを示す。B16M−CMはまた、インビトロにおいて、HSE細胞によるIL−1βおよびTNF−α産生を誘導する。しかしながら、腫瘍転移が実際にIL−1βおよびTNF−αにより仲介されていることは、明確に立証されていない。
【0014】
本発明は、B16M−CMはHSE細胞によるIL−18の産生を誘導すること、およびIL−18はB16M細胞のHSE細胞に対する接着の増大に寄与するサイトカインであることを示す。IL−18は、TNF−αまたはIL−1βに関係なくHSE細胞におけるVCAM−1発現を活性化することにより、接着を増強する。HSE細胞と特異的カスパーゼ−1阻害剤とのインキュベーション(10μM、18時間)は、TNF−α産生を減少させることなくB16M−CM誘導性接着を完全に途絶し、その効果はマウスIL−1βの添加により復帰しない。HSE細胞への抗マウスIL−18抗体の添加は、B16M−CMのIL−1βおよびTNF−α誘導を妨げることなく、B16M−CM誘導性接着を予防する。同様に、最近クローン化されたIL−18結合タンパク質(IL−18BP)もまた、インビトロにおいて、B16M細胞のHSE細胞に対するB16M−CM誘導性接着を予防する。p55可溶性TNF受容体またはIL−1受容体アンタゴニストなどのTNF−αおよびIL−1βの阻害剤は、IL−18誘導性接着を無効にすることはできなかった。したがって、本発明は、腫瘍転移を阻害する手段として、IL−18産生および作用の阻害剤を提供する。IL−18産生の阻害剤はカスパーゼ−1の阻害剤を含む。IL−18作用の阻害剤は、IL−18に対して誘導された抗体、2つの既知のIL−18受容体サブユニットのいずれかに対して誘導された抗体、IL−18受容体シグナル伝達経路の阻害剤、IL−18と競合しIL−18受容体を遮るIL−18のアンタゴニスト、およびIL−18と結合しIL−18の生物学的活性を遮るIL−18結合タンパク質からなる群より選択される。
【0015】
本発明は、VCAM−1発現の炎症前サイトカイン介在性アップレギュレーションにおけるIL−18の可能性のある役割、ほかのサイトカインとの可能性のある相互作用、およびこのVCAM−1誘導を予防する手段に関する。本発明により、肝洞様毛細血管壁におけるVCAM−1のアップレギュレーションを導き、したがって、癌細胞の接着および転移を容易にする炎症前の事象の開始時に、IL−18が作用することが見出された。B16M−CMで処理された初代培養マウスHSE細胞は、VCAM−1依存性の機構によるHSEに対するB16M細胞接着の機構に関して、B16M細胞誘導性IL−18の役割を調べるために、癌細胞依存性内皮細胞活性化モデルとして使用された。IL−18の特定の役割は、IL−1Ra、不可逆性IL−1変換酵素阻害剤(ICEi)を使用する成熟IL−1βおよびIL−18の分泌阻害、p55TNF可溶性受容体(TNF−sR p55)を用いるTNF遮断、ならびに抗IL−18抗体およびIL−18結合タンパク質を用いるIL−18機能遮断による、特異的なIL−1受容体遮断の条件のもとで調べられた。さらに、B16M細胞は、ICE-/-およびIL−1β-/-マウスに脾臓内注射された。正常コントロールと比較した際に欠損マウスで観察された低い転移密度は、炎症の転移前役割(the prometastatic role of inflammation)におけるIL−1βおよびおそらくはIL−18の関与を示唆する(表1)。
【0016】
実施されたインビトロ実験は、IL−18産生が、B16M細胞由来の上清により誘導されるHSE接着刺激効果の原因であることを示す。VCAM−1アップレギュレーションがB16M−CMで処理したHSEのすべての接着刺激活性の原因であるので、データは、IL−18がサイトカイン誘導性HSEからのVCAM−1の発現を仲介することを示す。さらに、IL−18に対する抗体は、HSE細胞からのTNF−αおよびIL−1βの産生に影響することなく、B16M−CM阻害性細胞接着を減少させる。したがって、HSE細胞におけるIL−1βおよびTNF−αの産生は、IL−18非依存性であって、接着に寄与しなかった。逆に、TNF−sR p55およびIL−1Raのいずれも、IL−18で処理したHSE細胞の接着増大を阻害することができず、自己分泌TNF−αおよびIL−1βのいずれも、IL−18誘導性HSE接着の原因でないことを立証した。
【0017】
HSE細胞における結果は、たとえば非CD14+ヒト血液単核細胞(25)など、IL−18がTNF−α産生を介してIL−1βを誘導したほかの細胞系で得られる結果と、対照的である。HSE特異的な炎症前サイトカインの階層は、TNF−αおよびIL−1βはIL−18の制御に非依存的であるがVCAM−1アップレギュレーションの下流メディエーターとしてIL−18を用いているようなところに、存在するようである。
【0018】
マウスHSE細胞と異なり、RT−PCRにより調査したかぎりでは、B16M細胞はIL−18遺伝子を発現しておらず、また、ICEiとの18時間のインキュベーションは、HSE細胞に対するB16M−CMのサイトカイン刺激活性および接着刺激活性を途絶しなかった。しかしながら、肝臓の微小血管系におけるB16M細胞の通過または拘束のあいだに、IL−18の局部的な産生は、B16M細胞の作用に影響するかもしれない。さらなる研究結果は、B16M細胞を1ng/mlのマウスIL−18とともに6時間インキュベーションすることにより、未処理HSEに対するB16M細胞の接着を2倍増加させたということ、およびHSEに抗VCAM−1抗体を添加するとIL−18介在性接着を80%減少させたということであって、VCAM−1/VLA−4相互作用が関連することを示唆した。同様に、B16M−CM処理HSE由来の上清を6時間与えているB16M細胞もまた、VCAM−1依存性機構によるHSE対するB16Mの接着を2倍著しく(P<0.01)増加させ、抗IL−18抗体はその接着刺激効果を撤廃した。
【0019】
本発明による研究結果は、IL−18が、炎症前サイトカインの肝性放出と転移進行との間の新しい連絡経路であることを示唆する。腫瘍活性化HSE細胞からのIL−18産生は、HSE細胞に対するメラノーマ細胞接着の制御に関連する2つの相補的な機構を決定する。2つの相補的な機構は、TNF−α/IL−1β介在性VCAM−1アップレギュレーションを調整するHSEの自己分泌機構、およびメラノーマ細胞のVLA−4をアップレギュレーションし、VCAM−1依存性接着能を促進するB16M細胞のパラ分泌機構である。この同時に生じる双方の細胞接着対応物の分子アップレギュレーションは、癌−毛細血管内皮細胞相互作用経路を非常に重要とする。
【0020】
B16M細胞のIL−18誘導性接着は、IL−18産生および/または作用の阻害剤により途絶される。IL−18産生の阻害剤は、カスパーゼ−1の阻害剤を含む。IL−18作用の阻害剤は、IL−18に対して誘導された抗体、2つの既知IL−18受容体サブユニットのいずれかに対して誘導された抗体、IL−18受容体シグナル伝達経路の阻害剤、IL−18と競合しIL−18受容体を遮るIL−18のアンタゴニスト、およびIL−18に結合してその生物活性を遮るIL−18結合タンパク質から選択される。
【0021】
IL−18産生および/または作用の阻害剤の直接的な用途に加えて、本発明はまた、IL−18産生および/または作用の阻害効果が望まれる細胞への導入も意図する。この目的のために、たとえばIL−18BPをコードするDNAの、細胞への特定の導入のための系が必要である。これを行うためのいくつかの実行可能な手段は、本分野において知られている。たとえば、前記DNAを運搬する適当なベクターであって、DNAが細胞内で発現するような手段で細胞へのDNAの挿入を達成することができるベクターを、細胞に導入し得る。細胞への送達方法は、ほかのもの、たとえば米国特許第5,910,487号、国際公開第99/29349号パンフレットおよびそのほかのものに、記載されている。
【0022】
本発明によると、IL−18産生および/または作用の阻害のための医薬組成物は、カスパーゼ−1阻害剤、IL−18に対する抗体、IL−18受容体サブユニットのいずれかに対する抗体、IL−18受容体シグナル伝達経路の阻害剤、IL−18と競合しIL−18受容体を遮るアンタゴニストならびにIL−18BPまたは同じ活性を有するその突然変異タンパク質、融合タンパク質、機能的誘導体、活性断片もしくは環状変更誘導体から選択される阻害剤を、活性成分として含有するものである。
【0023】
突然変異タンパク質、融合タンパク質、機能的誘導体、活性断片および環状変更誘導体という用語は、国際公開第99/09063号パンフレットの場合と同じ意味を有する。
【0024】
IL−18に対する抗体およびIL−18BP類は、医薬組成物の好ましい活性成分である。
【0025】
医薬組成物はまた、適用方法すなわち注射、経口または本分野において知られるほかの方法に依存する従来の担体、賦形剤および本分野において知られるそのほかの成分を含有してもよい。
【0026】
特定の投薬量は、適用の様式、患者の体重およびほかの要因に依存するであろうし、いずれの病状においても、医師により決定されるであろう。
【0027】
本発明を開示しているが、同様なことが、実例として提供されたものであって本発明の限定を意図するものでない以下の実施例を参照することにより、より容易に理解されるであろう。
【0028】
実施例
試薬
ラットの抗マウスIgGおよびラットの抗マウスVCAM−1モノクローナル抗体は、セロテック社(Serotec Ltd.)(オックスフォード、イギリス)から入手した。組換え体マウスIL−1βはR&Dシステム社(R&D System Inc.)(ミニアポリス、MN)から入手した。組換え体ヒトIL−1受容体アンタゴニスト(IL−1Raは、アップジョン社(Upjohn Co.)、カラマズー(Kalamazoo)、MIからの寛大な寄贈品である)およびヒトp55TNF可溶性受容体(TNFsR p55)はセロノ社(Serono Inc)、ノーウェル(Norwel)、MAからの寛大な寄贈品であった。IL−1β変換酵素阻害剤(ICEi)は、アレクシス社(Alexis Co.)(サンディエゴ、CA)から入手した。組換え体マウスIL−18およびウサギの抗マウスIL−18ポリクローナル抗体IgGはペプロテックEC社(PeproTechEC Ltd.)(ロンドン、UK)から購入した。IL−18結合タンパク質(IL−18BP)は記載されているように産生した(28)。
【0029】
B16M細胞の培養。B16M細胞は、以前に記載されたように(11)、培養し、維持しそして継代した。B16M調整培地(B16M−CM)を以下のように製造した。5×105細胞を25cm2のTフラスコに播種し、24時間培養した。そののち、5mlの血清を含まない培地にて、さらに24時間培養した(最終的な細胞密度は6×104細胞個/cm2)。上清を回収し、血清を含まない新鮮な培地において3:1に希釈し、
【外1】
Figure 0004827352
【0030】
を通過させた。
【0031】
サイトカイン分析。初代培養HSE細胞およびB16M細胞からのサイトカインの放出は、製造会社(R&Dシステムズ社、ミニアポリス、MN)に示されたとおりに、抗マウスIL−1βモノクローナル抗体および抗マウスTNF−αモノクローナル抗体による特異的なELISAキットを用いて、測定された。
【0032】
実施例1:初代HSE培養物に対する定量的B16M細胞接着。HSEは、以前に記載されたように(26)、同系マウスから分離され、同定されて培養された。B16M細胞は、報告されているように(16)、2′,7′−ビス−(2−カルボキシエチル)−5,6−カルボキシフルオレセイン−アセトキシメチルエステル溶液(BCECF−AM、モレキュラープローブス社(Molecular Probes)製、ユージーン(Eugene)、OR)で標識された。ついで、2×105細胞個/穴を、HSEを培養した24穴プレートに添加し、8分後、新鮮な培地で穴を3回洗った。接着した細胞の数を、以前に記載された蛍光測定システム(16)に基づく定量法を用いて決定した。いくつかの実験において、B16M細胞を添加する前に、数時間、HSE細胞をB16M−CMを用いて前培養した。
【0033】
実施例2:肝転移検定。以前に記載されているように(27)、野生型、IL−1β-/-およびICE-/-の雄C57BL/6Jマウスを作製した。1ケージ当たり5匹収容した6から8週齢のマウスを使用した。肝転移は、麻酔したマウス(ネンブタール、腹腔内に50mg/kg)に、ハンクス平衡化食塩水(Hanks' balanced salt solution)0.1mlに懸濁した3×105の生きたB16メラノーマ細胞を脾臓内注射することにより、引き起こされた。マウスは、癌細胞の注射から10日後に麻酔をかけて殺された。肝組織は、組織学用に処理された。正常肝組織と転移B16Mとを識別するためにデジタル化顕微鏡画像の密度検定を使用し、肝臓100mm3当たりの転移数(1肝臓当たり15の10×10mm2切片において検出した病巣の平均数に基づく)である肝転移密度を、以前に記載された立体的解析法(17)を用いて計算した。
【0034】
実施例3:IL−1βおよびICE欠損マウスに注射したB16M細胞の減少した転移および増殖。成体のC57Bl/6J野生型、ICE-/-およびIL−1β-/-のマウスに脾臓内注射される同じB16M細胞の2つの異なる群を用い、2つの独立した実験を1年ずらして実施した。剖検調査により、脾臓の重量により評価したサイズにおいて著しい差もなく、検定されたすべてのマウス由来の脾臓において、明らかなメラニン性腫瘍が立証された(表1)。対照的に、野生型マウスの肝臓と比較すると、転移の顕著な減少がIL−1β-/-およびとくにICE-/-マウスの肝臓においてみられた(図1)。調査したマウスの肝臓における転移密度(病巣数/100mm3として)パラメーターおよび転移量(器官占有百分率(percent organ occupancy))パラメーターを決定するために、転移病巣の数およびサイズに関する定量組織分析を実施した。野生型マウスと比較して(表1)、肝転移密度は、IL−1β-/-およびICE-/-マウス肝臓において、84%から90%まで、著しく(P<0.01)減少しており、注射したB16M細胞の多くが、これらのマウス由来の肝組織に付着することができないことを示した。さらに、転移量もまた、野生型マウスの肝臓における量と比較すると、6から7倍、IL−1β-/-およびICE-/-マウス肝臓で著しく(P<0.01)減少しており、肝臓に転移増殖するB16M細胞もまた、増殖率が減少することを示した。本発明者らはまた、IL−1β-/-およびICE-/-のマウス肝臓間のこれら転移パラメーターにおける相違を観察し、実験I由来のほぼすべてのICE-/-マウス肝臓において転移根絶を導いた(図1)。
【0035】
【表1】
Figure 0004827352
【0036】
実施例4:自己分泌IL−18は、B16M−CMで活性化されたHSE由来のTNF−αおよびIL−1β誘導性接着を仲介する。B16M−CMは、HSE細胞によるTNF−αおよびIL−1βの産生、ならびに他方のB16M細胞に対する接着性を、インビトロにおいて著しく(P<0.01)増大した(図2)。HSEと10μMのICEiとを18時間インキュベーションすることにより、HSEからのTNF−α産生を減少することなく、B16M−CMに誘導される接着性を完全に途絶した。外因的に添加したマウスIL−1βは、ICEiのHSEに対する遮断効果を補うものではなく、IL−1β処理コントロールHSEの著しいB16M細胞接着増大と対照的である(図3)。高い濃度の内因的に産生されたTNF−αおよび外因的に添加されたIL−1βの存在下でB16M−CM誘導性接着増強が撤廃されたという事実は、それらのサイトカインのいずれも、HSE接着を直接アップレギュレーションしなかったということを示す。重要なことに、B16M−CMでの刺激前にHSEに添加した抗マウスIL−18抗体の存在で、HSEからの誘導IL−1βおよびTNF−α産生に影響することなく、B16M−CM誘導性の接着性が予防された(図2)。そのうえ、抗IL−18抗体はまた、HSEに対するマウスIL−1βおよびTNF−αの接着刺激効果を予防しており(図3)、HSEに対するそれらのサイトカインの接着前作用はどちらもIL−18介在性であることを示す。RT−PCRは、HSE細胞がIL−18遺伝子を発現することを立証した(データ示さず)。逆に、マウスIL−18は、HSEに対するB16M細胞接着を著しく(P<0.01)増大し(図4)、そしてTNF−sR p55およびIL−1RaはいずれもIL−18を阻害することができないことから、自己分泌TNF−αおよびIL−1βはいずれも、IL−18誘導性のHSE接着性の原因ではないことを立証した。しかしながら、図4に示したように、抗VCAM−1抗体はIL−18処理HSEに対するB16M細胞の接着を完全に阻害した。コントロールの非特異的IgGは、IL−18処理HSEに対するB16M細胞接着のアップレギュレーションに影響しなかった。
【0037】
実施例5:IL−18BPは、B16調整培地で誘導されるB16メラノーマ細胞の接着を予防する。表2に示したように、B16−CMで刺激されたHSEへのIL−18BPの添加は、接着している細胞の百分率を35%から8.70%まで下げた(P<0.01)。これは、その接着のレベルが基本培地を用いる接着細胞のレベルより低いので、100%の阻害を示している。この結果は、B16M−CMに存在するIL−18に加え、HSE由来の内因性IL−18は、IL−18の内因性の根源であるかもしれないことを示唆する。
【0038】
【表2】
Figure 0004827352
【0039】
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【図面の簡単な説明】
【図1】 野生型、IL−1β-/-およびICE-/-マウスにおける、脾臓内B16M細胞注射後の実験的肝転移増殖。B16M細胞注射の10日後に肝臓を摘出し、10%ホルムアルデヒドを含むリン酸緩衝液添加食塩水(phosphate buffered saline)で固定した。ほぼすべての実験的転移(黒色のメラニン性小結節)が、IL−1β-/-およびICE-/-マウスの肝臓から一掃された。
【図2】 HSE細胞に対するB16M細胞接着における、不可逆性ICE阻害剤および抗マウスIL−18抗体の効果、ならびに未処理およびB16M−CM処理HSEからのIL−1βおよびTNF−αの産生。培養したHSE細胞を、B16M−CMの存在下で10時間インキュベートした。いくつかの実験においては、未処理および処理HSE細胞の双方に、B16M−CM前に10μMのICEiまたは10μg/mlの抗マウスIL−18抗体を与えた。HSE基質に対して接着したB16M細胞の百分率は、添加する細胞の最初の数に関する相対値として計算された。さらに、ELISAによりIL−1βおよびTNF−αの濃度を決定するため、接着前に培養上清を回収した。データは、6つ1組で、4つの独立した実験の平均値±SDを示す(n=24)。スチューデントの両側、不対t検定(Student's two-tailed, unpaired t-test)によると、B16M−CM処理HSEに対するB16M細胞接着の増大ならびにIL−1βもしくはTNF−α産生の増大は(*P<0.01)、未処理HSEに対して統計学的に著しいものであった。B16M−CMがない状態で、HSE細胞をICEiまたは抗IL−18抗体で処理すると、IL−1βもしくはTNF−α産生ならびにHSE細胞に対するB16M細胞の接着において、非統計学的に著しい変化があった(データ示さず)。
【図3】 インビトロにおける、B16M−CM処理HSEに対するB16M細胞接着におけるICEiの効果。HSE細胞を、基本培地またはB16M−CMとともに8時間インキュベーションした。HSE細胞によっては、B16M−CMの前に、10μMのICEiを18時間与えた。さらに、HSE細胞によっては、B16M−CMとともに1ng/mlの組換え体マウスIL−1βも8時間添加した。ほかの実験においては、HSE細胞に1ng/mlのマウスIL−1または100pg/mlのTNF−αを6時間与え、そして10μg/mlのウサギ抗マウスIL−18ポリクローナル抗体をサイトカイン処理1時間前に添加、または添加しなかった。非特異的IgGポリクローナル抗体もまた、未処理HSE細胞およびサイトカイン処理HSE細胞に添加された。ついで、HSE細胞を洗い、そしてBCEFCF−AMで標識されたB16細胞を添加し、8分後に再び洗いを行った。HSE基質に対して接着したB16M細胞の百分率を、始めに添加した細胞数に関する相対値として計算した。その結果は、それぞれ6匹1組でなされた3つの独立実験の平均±SDを示す(n=18)。スチューデントの両側、不対t検定によると、未処理HSE(*)、ならびにIL−1βもしくはTNF−α処理HSE(**)に関する接着の程度の差は、統計学的に著しいものであった(P<0.01)。さらに1ng/mlのマウスIL−1βを8時間与えたまたは与えなかったほかのICEi処理コントロールHSEに対するB16M細胞の接着においては、非統計学的に著しい変化であった(データは示していない)。
【図4】 インビトロにおける、IL−18処理HSEに対するB16M細胞接着。HSE細胞を、1ng/mlの組換え体マウスIL−18とともに6時間インキュベーションした。いくつかの実験では、10μg/mlのTNF−sRp55または100ng/mlのIL−1Raを、IL−18の10分前に添加した。ほかの実験では、10μg/mlの抗VCAM−1抗体または同様の濃度の非特異的抗マウスIgGを、B16M細胞の30分前にHSE細胞に添加した。ついで、B16M細胞接着の百分率は、本明細書中における実施例に記載のようにして決定した。その結果は、それぞれ6匹1組でなされた3つの独立実験の平均±SDを示す(n=18)。スチューデントの両側、不対t検定によると、基本培地処理HSE(*)およびIL−18処理HSE(**)に関する接着の程度の差は、統計学的に著しいものであった(P<0.01)。

Claims (2)

  1. 腫瘍転移を阻害するための医薬の製造における、IL−18産生および/または作用の阻害剤の使用であって、IL−18産生の阻害剤がICEiであり、IL−18作用の阻害剤がIL−18に対する抗体またはIL−18BPである使用。
  2. IL−18産生および/または作用の阻害剤を含む腫瘍転移を阻害するための医薬組成物であって、IL−18産生の阻害剤がICEiであり、IL−18作用の阻害剤がIL−18に対する抗体またはIL−18BPである医薬組成物。
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